JP5076449B2 - レンズアレイシートおよび透過型スクリーン - Google Patents

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Description

本発明は、液晶プロジェクションテレビなどに使用するレンズアレイシートおよび透過型スクリーンに関する。
プロジェクションスクリーンの一般的な形態としては、フレネルレンズとシリンドリカルレンズアレイシートとしてのレンチキュラーレンズシートとの組み合わせからなり、そのスクリーンには、プロジェクターからの投影光を結像(および光拡散させて透過)させて機能する光拡散層が何れかの場所に存在している。
カマボコ状のシリンドリカルレンズを平行にストライプ状に配列したレンズアレイシートであるレンチキュラーレンズシートは、そのシリンドリカルレンズの並設方向(一般には水平方向)である所定の角度範囲には投影光を視野角として広げることができるが、その並設方向と垂直な方向には投影光をほとんど広げることができない。そこで水平方向に光を広げる補助的な役割と垂直方向に光を広げる主役的な役割とを果たすための光拡散層が必要となる。また、光拡散層には、画面の明るさが均一になるように、プロジェクターから投影される入射光の中心点の輝度が局所的に高くなり、シリンドリカルレンズの並設方向に縞状に見える現象であるホットスポットを無くす役割もある。
光拡散機能を付与するために、光透過性樹脂に屈折率の異なる光拡散性微粒子を分散配合するのは公知であり、光拡散層を構成するための光拡散材を選択する基準としては、光拡散性微粒子と基体樹脂の屈折率差および粒子径が用いられており、具体的記述のある基本樹脂および光拡散材の組合せは極めて多岐にのぼっており、基体樹脂中に2種類の光拡散性微粒子を分散混合する提案も公知である。(特許文献1参照)
特許文献1では、光拡散性微粒子がその内部に分散された屈折率NSの実質的に透明なプラスチックからなるレンチキュラーレンズシートにおいて、光拡散性微粒子としてその屈折率がそれぞれNPA,NPB平均粒子径がそれぞれdA(μm),dB(μm)である実質的に透明な有機高分子微粒子Aおよび無機微粒子Bの二種類を用い、屈折率,平均粒子径,基体樹脂との波長別屈折率差を規定している。
特許2981268号
図1は、液晶プロジェクションテレビなどに使用する従来の透過型スクリーンの構成の1例を示した水平断面図である。
図中、1はフレネルレンズアレイ面を表面に備えたフレネルレンズシートであって、このフレネルレンズシート1は、透光性の基材層1aの片面に、同心円状にフレネル凹凸が形成されたフレネルレンズ層1bが設けられて構成されている。
そして液晶プロジェクションテレビのテレビジョンプロジェクター(発散投影レンズ系)は基材層1a側に所定距離を置いて配置されていて、該プロジェクターからの投影映像光Lは、フレネルレンズシート1に投影入射した後、平行な投影映像光L1となってフレネルレンズシート1から出射するようになっている。
フレネルレンズシート1のレンズ層1b側には、所定の間隔をおいて、フレネルレンズトート1の平行な投影映像光L1を微細に分割して集光光L2として集光させ、視野角を制御するためのレンズアレイシートの一例としてレンチキュラーレンズアレイフィルム3を備えたレンチキュラーシート2が平行に設けられていて、これらフレネルレンズシート1とレンチキュラーシート2とからなる透過型スクリーンが構成される。
このレンズアレイシートとしてのレンチキュラーシート2は、同図に示すように、順次積層されたかまぼこ凸状の微細幅のシリンドリカルレンズを平行ストライプ状に配列したシリンドリカルレンズアレイ3aと基材フィルム3bとからなるレンチキュラーレンズアレイフィルム3と、光透過性の感光性樹脂層4と、シリンドリカルレンズアレイ3aにおける各々シリンドリカルレンズの非集光部(シリンドリカルレンズアレイ3aのレンズ谷部)に対応して配置した遮光層5と、光透過性の粘着剤層6と、板状の透光性基材7とが、この順に積層されて構成されている。
そして、フレネルレンズシート1とレンチキュラーシート2との2枚のシートは、各々0.3〜3mmの十分に剛性を有する厚さのもので構成され、プロジェクションテレビの本体に保持枠でセットした場合にスクリーンのたわみや、浮きが生じないようになっている。
そして、板状の透明基材7の内部に光拡散性を有する微粒子8を練り込み、光拡散機能を持たせることにより、レンチキュラーレンズアレイフィルム3のシリンドリカルレンズアレイ3aの微細な各々シリンドリカルレンズを透過して集光した映像光を拡散させて、透過型スクリーンとしての画面の上下左右の視野角、特に上下の視野角を制御するようにしている。
しかしながら、このような板状の透明基材7の内部に微粒子8を練り込むことによって光拡散させる手法は、前記微粒子8を多用することにより入射光の迷光が発生して、画像の解像度の低下を招くと共に、視覚される映像光(出射光)の光量低下によるコントラストを下げる要因ともなる。
また、前記微粒子8を透明基材7に分散配合させることにより、レンチキュラーシート2のレンズアレイシートとしての外観不良や、成型精度の低下、強度不足などの問題も生じることになる。また微粒子8を配合する透明基材7には、十分に剛性を有する厚さを確保する必要があるため必要以上に薄くすることが困難であった。
透過型スクリーンとしての画面の上下左右の視野角、特に上下の視野角を制御する方法としては、さらに、板状の透明基材7の出射面側に、光拡散性の微細な凹凸表面を形成したり、新たに光拡散層を塗布形成するか、光拡散フィルムをラミネートするなどの光拡散手法が考えられるが、プロジェクターからの投影光が結像する部分(レンチキュラーレンズアレイフィルム3の各々シリンドリカルレンズ3aのレンズ山部と相対する面の集光部)となる感光性樹脂層4、又は遮光層5の近傍には光拡散層が配設されておらず、微粒子8を配合した0.3〜3mmの厚さを有する透明基材7が光拡散層を兼ねているため、映像光の色のにじみが起こり、シャープ性の低下や解像度の低下を招くといった問題があった。
ところで、薄型テレビのスクリーンは様々な機能を持つ層の積層体であるが、その積層体を構成するにあたり、例えば、レンズフィルムや支持基材に光拡散層を積層させる場合、光拡散層が板あるいは樹脂層からなり、それ自身に貼り合わせる機能がない場合は、貼り合わせるための粘着剤層や接着剤層を別に設ける必要がある。
光拡散層が粘着機能も併せ持つことで、その貼り合わせるための層を減らすことができ、材料面においてもプロセス面においてもコストダウンを図ることができる。
以上のような技術的背景を考慮して、例えば特許文献2のような液晶プロジェクションテレビ用に使用される外観性に優れた、高精細、高解像度のレンズアレイシートおよびそのレンズアレイシートを用いた透過型スクリーンが提案されている。
特許文献2に記載する透過型スクリーンのレンズアレイシートは、フレネルレンズトート1の平行な投影映像光L1を微細に分割して集光光L2として集光させ、視野角を制御するためのレンズアレイフィルム(図1のレンズアレイフィルム3に相当)と、そのレンズアレイフィルムを支持する透明基材(図1の透明基材7に相当)との間に光拡散性の粘着剤層(図1の光透過性の粘着剤層6に相当)を設けて、その粘着剤層を介して積層されている構成であるため、その光拡散性の粘着層の厚みを極力薄くすることができ、そのために透過型スクリーンとしての画面の上下左右の視野角、特に上下の視野角を、映像光の色のにじみ、シャープ性の低下や解像度の低下を招くことなく制御することができることから、特に液晶プロジェクションテレビ等の透過型スクリーンに使用される外観性に優れた高精細、高解像度のレンズアレイシートおよび透過型スクリーンを提供できる。
特許文献2に記載する透過型スクリーンのレンズアレイシートは、図2に示すレンチキュラーシート2であり、図1のレンチキュラーシート2と同一部材には同一符号を付して図示してあるが、最も顕著な相違点は、図2では、粘着剤層6内に微粒子8を含んでおり、板状の透光性基材7内には微粒子8を含んでいないことにある。
特開2005−283975号公報
また、レンズアレイフィルム又は/及び支持する基材を剛直で薄い基材を選択することもできるため、従来のような光拡散剤を樹脂製の透光性の支持基板に分散させたものを使用したスクリーンに比べて薄型化を図ることができる。
しかしながら、レンズアレイフィルムと透明基材とを積層接着させる粘着剤は、一般的にガラス転移点が低く、比較的低い温度で軟化・流動するという特性があり、例えば高分子系粘着剤は、温度変化に対する体積膨張率が大きく、温度の変動に対してその屈折率が大きく変動するという性質がある。
そのためバインダー粘着剤と、異なる屈折率の粒子からなる光拡散剤とを分散させた光拡散性粘着層は、温度の変化により、粘着剤のバインダーと光拡散剤である粒子との屈折率差が変動して、光拡散の具合(光拡散性能)が変動して、スクリーンの輝度や視野角が大きく変動してしまうという問題がある。
上記特許文献2では、外観性に優れた、高精細、高解像度のレンズアレイシートおよび透過型スクリーンを達成しているが、光拡散性粘着層の光学特性の温度依存性までは考慮されていない。
また、基体樹脂中に、屈折率,平均粒子径,基体樹脂との波長別屈折率差を規定した有機高分子微粒子Aおよび無機微粒子Bの2種類の光拡散性微粒子を分散混合してなる構成の光拡散層の提案においても、温度の変動に応じて基体樹脂が変性する点,及びそれに伴い光拡散性能が変化する温度依存性についての考慮は見られない。
本発明は、上記の問題を解決し、レンズアレイシート及び透過型スクリーンとしての画面の上下左右の視野角、特に上下の視野角を、映像光の色のにじみや、シャープ性の低下や解像度の低下を招くことなく制御することができ、液晶プロジェクションテレビ等の透過型スクリーンに使用される外観性に優れた高精細、高解像度のレンズアレイシートを提供し、温度変化に対して安定した光学特性を示すレンズアレイシートおよびそのレンズアレイシートを用いた透過型スクリーンを提供することを目的とする。
本発明による第一のレンズシートは、レンズアレイ層と、粘着剤層と、基材層とを有するレンズアレイシートであって、前記粘着剤層は、バインダー中に、2種以上の光拡散性微粒子が分散混合されており、前記バインダーの屈折率をn1、前記光拡散性微粒子の屈折率をnFとした場合、前記2種以上の光拡散性微粒子の少なくとも1種はnF>n1の条件を満たし、前記2種以上の光拡散性微粒子の他の少なくとも1種はnF<n1の条件を満たし、前記レンズアレイシートを通した光線の輝度の温度変化が、19〜40℃において、±5%以内である、ことを特徴とする。
本発明による第二のレンズシートは、単位レンズが配列されて視野角を制御するレンズアレイ層と、レンズアレイ層と反対側の表面に、ハードコート,帯電防止,反射防止,防眩から選択される少なくとも一種類以上の表面処理が施されてなる基材層とが、光拡散機能および粘着機能を有する光拡散性粘着剤層を介して積層一体化された構成のレンズアレイシートにおいて、前記光拡散性粘着剤層は、バインダーとなる粘着剤内に2種の光拡散性微粒子が分散混合した構成であり、前記バインダーの屈折率をn1とし、前記2種の光拡散性微粒子の屈折率を、各々、n2,n3とした場合、n2>n1且つn1>n3であり、前記レンズアレイシートを通した光線の輝度の温度変化が、19〜40℃において、±5%以内である、ことを特徴とする。
材料面/プロセス面でコストダウンを図る上で有効な光拡散性粘着層を採用したレンズアレイシート及び透過型スクリーンにおいて、温度変化に依存して光拡散性粘着層の光学特性(光拡散性)が変動して、スクリーンの輝度や視野角が大きく変動してしまうという問題が解消される。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図2は、本発明の透過型スクリーンの第1の実施形態を模式的に示した垂直断面図である。
背景技術の説明にて、特許文献2によるレンズアレイシートを図示した際に図2を用いたが、本発明によるレンズアレイシートも概略構成は図2で示される。
特許文献2との相違は、本発明では、板状の透明基材7の内部に含まれる微粒子として2種類の微粒子(8,10)を含むことにある。
同図に示すように、本発明の透過型スクリーンは、一例として、映像光の入射側(同図左側)より、順次、フレネルレンズシート1と、レンズアレイシートの一例としてのレンチキュラーフィルム3を備えたレンチキュラーレンズシート2とを組み合わせた構成である。
フレネルレンズシート1は、樹脂基材1aに鋸刃形状のレンズ1bが同心円上に形成されている。本発明の透過型スクリーンで用いられるフレネルレンズシート1は、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂等の基材を加熱し、熱溶融状態で平プレスにて、金型を用いて型押しする方法で鋸刃状レンズ部を形成することができる。
また、上記樹脂をエクストルーダによる溶融押出成形にて、溶融状態で押し出される基材表面にエンボスロール金型を用いて型押しする方法で鋸刃状レンズ部を設けることもできる。
さらには、紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂を用いて、例えば、その樹脂組成物をレンズの逆形状を有するエンボスロール金型の成型面に塗布し、基材をエンボスロール金型に供給して、その基材を介して紫外線または電離放射線の照射により、前記樹脂を硬化させると同時にその樹脂硬化成型物からなる鋸刃状レンズ部を基材に重合接着せしめ、転写して形成することもできる。
レンチキュラーレンズシート2は、図2に示すように映像光を水平方向に屈折拡散させる作用を有する垂直方向に縦長の複数の凸状レンズ3aを基材3b上に配列したレンチキュラーレンズフィルム3と、感光性樹脂層4と、遮光層5と、光拡散性粘接着層6と、透光性基板7とを備え、光拡散性粘接着層6には光拡散剤8が混入されている。
レンチキュラーレンズフィルム3の基材3bは、特に限定されるものではないが、ポリエステル樹脂からなるフィルム基材が好適に用いられる。
レンチキュラーレンズフィルム3の基材3b上に凸状レンズ3 aを形成する方法は、特に限定されるものではないが、紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂を用いて、その硬化物からなるレンズ部を形成する方法が、生産性やレンズの成形精度等の点から好適に用いられる。
上記紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂としては、特に限定されるものではないが、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート系樹脂が望ましい。紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂の硬化物からなる凸状レンズは、例えば、前記樹脂組成物をレンズの逆形状を有するエンボスロール金型の成型面に塗布し、フィルム基材をエンボスロール金型に供給して、その基材を介して紫外線または電離放射線の照射により、前記樹脂を硬化させると同時にその樹脂硬化成型物からなるレンズ部を基材に重合接着せしめる方法等によって形成できる。
遮光層5は、レンチキュラーレンズフィルム3の基材3bの平坦面である光束射出面に、ストライプ状に並列に形成されている。
この遮光層5は、基材3bの光束射出面の非集光部の領域(映像光が透過しない領域)に形成されている。
上記の遮光層5上に、光拡散剤8および10が混入された光拡散性粘接着剤層6を積層し、この粘接着剤層6を介して、さらに板状の透明基材7を積層し、一体化することによりレンチキュラーシート2が得られる。
光拡散性粘着剤層6を構成する粘着材料はアクリル系粘着剤などが使用できる。
また、光拡散剤は2種類以上を使用することが好ましい。
一種類目の光拡散剤8は、前記アクリル系粘着剤の屈折率より高い屈折率を持つフィラーが好ましく、アクリル樹脂やスチレン樹脂等の有機ビーズや、シリコーン樹脂、シリカ、炭酸カルシウム等の無機フィラーまたはガラスビーズなどの微粉末をフィラーとして適量混入することができる。
二種類目の光拡散剤10は、前記アクリル系粘着剤の屈折率より低い屈折率を持つフィラーが好ましく、アクリル樹脂やスチレン樹脂等の有機ビーズやシリコーン樹脂、シリカ、炭酸カルシウム等の無機フィラーまたはガラスビーズなどの微粉末をフィラーとして適量混入することができる。
光拡散性粘着剤層に混入する光拡散剤の好ましい混入量としては、1〜50%の範囲で適宜選択できる。
混入量が1%より少ない場合は、拡散効果が十分に得られない。
また、50%より多い場合は、粘着層の膜としての凝集力が不足して、十分な接着力が得られない。
光拡散性粘着剤層6の厚みとしては、光拡散性と接着力を保持するため、10〜100μmの範囲が好ましい。
透明基材7は、0.5〜3mmの厚さの板で、剛性を保つことのできるものとしてポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の透明合成樹脂及びガラス板やを用いることができる。
また、75〜250μmの厚みさで、薄型化を図ることが出来る基材として、PC(ポリカーボネート)やPET等のプラスチックシートやフィルムを用いることができる。
図3は、温度依存性を示す光拡散性粘着剤層の主材料であるアクリル系粘着剤の一例について、各温度における屈折率の変化を示す表である。
同図に示す様に、10℃,20℃,40℃と温度が高くなるにつれて、屈折率は1.481,1.478,1.472と変動(低下)する。
上記アクリル系粘着剤中に各種配合の光拡散剤を混合してなる光拡散性粘着剤層の実施例および比較例は、以下の通りである。
<実施例1−4>
実施例1−4の光拡散性粘着層は、図3の表に示されるアクリル系粘着剤に、アクリル系粘着剤の屈折率より高い(n=1.51)屈折率の光拡散剤(高屈折率フィラー種)と、アクリル系粘着剤の屈折率より低い(n=1.45)屈折率の光拡散剤(低屈折率フィラー種)とを、高屈折率フィラー種の平均粒径や添加比率を変化させて混入している。
高屈折率の光拡散剤はメタクリルスチレン共重合フィラーで、低屈折率光拡散剤はフッ素付加メタクリルスチレン共重合フィラーであり、光拡散性粘着層の膜厚は45〜55μmとした。
混入した光拡散剤であるフィラーの屈折率や平均粒径によって拡散度合いが異なるため、光拡散性粘着層の拡散度合いをそろえるために、フィラーの合計添加量を調節し、膜厚がほぼ同じになるように調整した。
図4の表に実施例1−4,比較例1の配合を示す。
同図の表(下)に記す様に、実施例1−4における高屈折率フィラー種と低屈折率フィラー種の合計添加量は、室温時の輝度値が揃う様に調整した。
<比較例1,2>
比較例1の光拡散性粘着層は、アクリル系粘着剤に、アクリル系粘着剤の屈折率より高い(n=1.51)屈折率の光拡散剤(高屈折率フィラー種)のみを混入している。
上記実施例同様、光拡散剤はメタクリルスチレン共重合フィラーであり、光拡散性粘着層の膜厚は45〜55μmとした。
上記実施例,比較例で得られる光拡散性粘着層を具備するレンチキュラーシート2について、環境温度を変化させて、レンチキュラーシートを通過する光線輝度を測定した。
図5の表に、環境温度を変化させたときの、環境温度28℃における輝度の値を基準とした場合に、19℃,40℃の各測定環境温度における輝度の値を変化率として示している。
輝度の許容変動幅は、変化率で±5%以内が望ましい。
図5の表によれば、アクリル系粘着剤に、高屈折率フィラー種と低屈折率フィラー種の双方を混入した光拡散性粘着層(実施例1−4)は、環境温度の変化に対して輝度の変化が少なく(最大変化が2.3%)、温度変化に対する安定性が確保され目標を満たしている。
アクリル系粘着剤に、高屈折率フィラー種1種類のみを混入した光拡散性粘着層(比較例1)は、環境温度の変化に対して輝度が大きく(10%以上)変動し目標を満たさない。
図3の表から明らかな様に、実施例1−4,比較例で用いられるアクリル系粘着剤の屈折率は、20℃(約19℃とみなす)→40℃の変化に応じて、1.478→1.472と変化する。
前記粘着剤に混入されるフィラーの屈折率は、温度変化に対して安定して変化しない性質を示すため、粘着剤とフィラーの間の屈折率差(Δn)は、高屈折率フィラー種のみを混入した比較例1の場合には、0.032→0.038(0.006増加)である。
対して、高屈折率フィラー種に加え低屈折率フィラー種を混入した実施例1−4の場合には、20℃→40℃の変化に応じて、高屈折率フィラー種でのΔnは0.032→0.038(0.006増加)であるが、低屈折率フィラー種でのΔnは0.028→0.022(0.006低下)であり、一方のフィラー種におけるΔnが大の場合には、他方のフィラー種におけるΔnが小となり、粘着剤とフィラーの間のΔnに応じて拡散性が変化する(Δnが大きいほど、フィラー界面での反射が大きいため、結果的に光拡散性が向上する。Δnが0であれば、同屈折率の媒質であり、界面反射は起こらない。)光拡散性粘着層の光拡散特性が、温度変化に依存せず安定した特性を示すことになる。
実施例1−4におけるアクリル系粘着剤,高屈折率フィラー,低屈折率フィラーの屈折率の温度依存性の関係を図8のグラフに示す。
同グラフに示す様に、温度変化に依存して屈折率の変動するバインダー樹脂(アクリル系粘着剤)と、温度変化に依存しない(屈折率の変動しない)高屈折率フィラー,低屈折率フィラーとの屈折率差(Δn)は、それぞれ|n高−n樹脂|,|n低−n樹脂|で示され、光拡散性粘着層の光拡散特性が、温度変化に依存せず安定した特性を示すことは、
|n高−n樹脂|+|n低−n樹脂|=一定
により表わしている。
また、上記で得られるレンチキュラーレンズシート2は、プロジェクターからの投影光が結像する部分となる感光性樹脂層4,遮光層5の近傍に光拡散性粘着剤層が設けられるため、色のにじみが発生せず、また、光拡散性粘着剤層の厚みがμmオーダーと薄膜であるため、迷光のない高精細,高解像度の透過型スクリーンが得られる。
<実施例5>
実施例5の光拡散性粘着層は、実施例1−4と同様のアクリル系粘着剤に、低屈折率フィラー種として屈折率1.43〜1.44のシリコーンフィラーを用いた以外は、実施例1−4と同様に設計した。
図6の表に実施例5,比較例1(上述と同じ)の配合を示す。
図7の表では、実施例5,比較例1の光拡散性粘着剤層について、環境温度25℃における輝度の値を基準とした場合に、12℃,39℃の各測定環境温度における輝度の値を変化率として示している。
図5の表と同様に、実施例5は、比較例1に対して、光拡散特性が温度変化に依存せず安定した特性を示すことが分かるが、原理は上記と同様である。
実施例5におけるシリコーンフィラーは、温度依存性の抑制の点では非常に有効で、実施例1−4におけるフッ素付加メタクリルスチレン共重合フィラーと比較して、添加比率を変えても殆ど温度依存性が出ない優位性が確認され、処方(添加量)の調整の点では、実施例1−4よりも容易であった。
従来のレンズアレイシートの一例としてのレンチキュラーフィルムを備えたレンチキュラーシートとフレネルシートを組み合わせた透過型スクリーンを模式的に示した垂直断面図。 光拡散性粘着剤層を採用したレンズアレイシートの一例としてのレンチキュラーフィルムを備えたレンチキュラーシートとフレネルシートを組み合わせた透過型スクリーンを模式的に示した垂直断面図。 温度依存性を示す光拡散性粘着剤層の主材料であるアクリル系粘着剤の一例について、各温度における屈折率の変化を示す表。 実施例1−4,比較例1の配合を示す表。 実施例1−4,比較例1について、環境温度を変化させたときの、環境温度28℃における輝度の値を基準とした場合に、各測定環境温度における輝度の値を変化率として示している表。 実施例5,比較例1の配合を示す表。 実施例5,比較例1の光拡散性粘着剤層について、環境温度25℃における輝度の値を基準とした場合に、12℃,39℃の各測定環境温度における輝度の値を変化率として示している表。 実施例1−4におけるアクリル系粘着剤,高屈折率フィラー,低屈折率フィラーの屈折率の温度依存性の関係を示すグラフ。
符号の説明
1…フレネルレンズシート
1a…基材層
1b…フレネルレンズ層
2…レンチキュラーレンズシート
3…レンチキュラーレンズフィルム
3a…凸状レンズ
3b…基材フィルム
4…感光性樹脂層
5…遮光層
6…粘着剤層,光拡散性粘着剤層
7…透光性基材
8,10…光拡散剤

Claims (3)

  1. レンズアレイ層と、粘着剤層と、基材層とを有するレンズアレイシートであって、
    前記粘着剤層は、バインダー中に、2種以上の光拡散性微粒子が分散混合されており、
    前記バインダーの屈折率をn1、前記光拡散性微粒子の屈折率をnFとした場合、前記2種以上の光拡散性微粒子の少なくとも1種はnF>n1の条件を満たし、前記2種以上の光拡散性微粒子の他の少なくとも1種はnF<n1の条件を満たし、
    温度を19〜40℃に変化させたときの、前記レンズアレイシートを通した光線の輝度の変化率が、±5%以内である、ことを特徴とするレンズアレイシート。
  2. 単位レンズが配列されて視野角を制御するレンズアレイ層と、
    レンズアレイ層と反対側の表面に、ハードコート,帯電防止,反射防止,防眩から選択される少なくとも一種類以上の表面処理が施されてなる基材層とが、
    光拡散機能および粘着機能を有する光拡散性粘着剤層を介して積層一体化された構成のレンズアレイシートにおいて、
    前記光拡散性粘着剤層は、バインダーとなる粘着剤内に2種の光拡散性微粒子が分散混合した構成であり、
    前記バインダーの屈折率をn1とし、前記2種の光拡散性微粒子の屈折率を、各々、n2,n3とした場合、n2>n1且つn1>n3であり、
    温度を19〜40℃に変化させたときの、前記レンズアレイシートを通した光線の輝度の変化率が、±5%以内である、ことを特徴とするレンズアレイシート。
  3. 請求項1または2に記載のレンズアレイシートを、フレネルレンズと組み合わせてなることを特徴とする透過型スクリーン。
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