JP2007316465A - レンズアレイシートおよび透過型スクリーン - Google Patents

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Abstract

【課題】レンズアレイシート及び透過型スクリーンとしての画面の上下左右の視野角、特に上下の視野角を、映像光の色のにじみや、シャープ性の低下や解像度の低下を招くことなく制御することができ、液晶プロジェクションテレビ等の透過型スクリーンに使用される外観性に優れた高精細、高解像度のレンズアレイシートを提供し、温度変化に対して安定した光学特性を示すレンズアレイシートおよびそのレンズアレイシートを用いた透過型スクリーンを提供する。
【解決手段】視野角を制御するレンズアレイフィルム3と該レンズアレイフィルム3を支持する透明基材7との間に光拡散性粘着剤層6を設けたレンズアレイシート2において、光拡散性粘着剤層6のバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)が25℃以上であり、該粘着剤層を介して前記レンズアレイフィルム3と透明基材7とが積層されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶プロジェクションテレビなどに使用するレンズアレイシートおよび透過型スクリーンに関する。
プロジェクションスクリーンの一般的な形態としては、フレネルレンズとシリンドリカルレンズアレイシートとしてのレンチキュラーレンズシートとの組み合わせからなり、そのスクリーンには、プロジェクターからの投影光を結像(および光拡散させて透過)させて機能する光拡散層が何れかの場所に存在している。
カマボコ状のシリンドリカルレンズを平行にストライプ状に配列したレンズアレイシートであるレンチキュラーレンズシートは、そのシリンドリカルレンズの並設方向(一般には水平方向)である所定の角度範囲には投影光を視野角として広げることができるが、その並設方向と垂直な方向には投影光をほとんど広げることができない。そこで水平方向に光を広げる補助的な役割と垂直方向に光を広げる主役的な役割とを果たすための光拡散層が必要となる。また、光拡散層には、画面の明るさが均一になるように、プロジェクターから投影される入射光の中心点の輝度が局所的に高くなり、シリンドリカルレンズの並設方向に縞状に見える現象であるホットスポットを無くす役割もある。
光拡散機能を付与するために、光透過性樹脂に屈折率の異なる光拡散性微粒子を分散配合するのは公知であり、光拡散特性を得るために以下に例示される様な手法がある。
図4は、液晶プロジェクションテレビなどに使用する従来の透過型スクリーンの構成の1例を示した水平断面図である。図中、1はフレネルレンズアレイ面を表面に備えたフレネルレンズシートであって、このフレネルレンズシート1は、透光性の基材層1aの片面に、同心円状にフレネル凹凸が形成されたフレネルレンズ層1bが設けられて構成されている。そして液晶プロジェクションテレビのテレビジョンプロジェクター(発散投影レンズ系) は基材層1a側に所定距離を置いて配置されていて、該プロジェクターからの投影映像光Lは、フレネルレンズシート1に投影入射した後、平行な投影映像光L1 となってフレネルレンズシート1から出射するようになっている。
フレネルレンズトート1のレンズ層1b側には、所定の間隔をおいて、フレネルレンズトート1の平行な投影映像光L1 を微細に分割して集光光L2 として集光させ、視野角を制御するためのレンズアレイシートの一例としてレンチキュラーレンズアレイフィルム3を備えたレンチキュラーシート2が平行に設けられていて、これらフレネルレンズシート1とレンチキュラーシート2とからなる透過型スクリーンが構成される。
このレンズアレイシートとしてのレンチキュラーシート2は、図4に示すように、順次積層されたかまぼこ凸状の微細幅のシリンドリカルレンズを平行ストライプ状に配列したシリンドリカルレンズアレイ3aと基材フィルム3bとからなるレンチキュラーレンズアレイフィルム3と、光透過性の感光性樹脂層4と、シリンドリカルレンズアレイ3aにおける各々シリンドリカルレンズの非集光部(シリンドリカルレンズアレイ3aのレンズ谷部)に対応して配置した遮光層5と、光透過性の粘着剤層6と、板状の透光性基材7とが、この順に積層されて構成されている。
そして、フレネルレンズシート1とレンチキュラーシート2との2枚のシートは、各々0.3〜3mmの十分に剛性を有する厚さのもので構成され、プロジェクションテレビの
本体に保持枠でセットした場合にスクリーンのたわみや、浮きが生じないようになっている。
そして、板状の透明基材7の内部に光拡散性を有する微粒子8を練り込み、光拡散機能を持たせることにより、レンチキュラーレンズアレイフィルム3のシリンドリカルレンズアレイ3aの微細な各々シリンドリカルレンズを透過して集光した映像光を拡散させて、透過型スクリーンとしての画面の上下左右の視野角、特に上下の視野角を制御するようにしている。
しかしながら、このような板状の透明基材7の内部に微粒子8を練り込むことによって光拡散させる手法は、前記微粒子8を多用することにより入射光の迷光が発生して、画像の解像度の低下を招くと共に、視覚される映像光(出射光)の光量低下によるコントラストを下げる要因ともなる。また前記微粒子8を透明基材7に分散配合させることにより、レンチキュラーシート2のレンズアレイシートとしての外観不良や、成型精度の低下、強度不足などの問題も生じることになる。また微粒子8を配合する透明基材7には、十分に剛性を有する厚さを確保する必要があるため必要以上に薄くすることが困難であった。
透過型スクリーンとしての画面の上下左右の視野角、特に上下の視野角を制御する方法としては、さらに、板状の透明基材7の出射面側に、光拡散性の微細な凹凸表面を形成したり、新たに光拡散層を塗布形成するか、光拡散フィルムをラミネートするなどの光拡散手法が考えられるが、プロジェクターからの投影光が結像する部分(レンチキュラーレンズアレイフィルム3の各々シリンドリカルレンズ3aのレンズ山部と相対する面の集光部)となる感光性樹脂層4、又は遮光層5の近傍には光拡散層が配設されておらず、微粒子8を配合した0.3〜3mmの厚さを有する透明基材7が光拡散層を兼ねているため、映像光の色のにじみが起こり、シャープ性の低下や解像度の低下を招くといった問題があった。
以上のような技術的背景を考慮して、例えば特許文献1のような液晶プロジェクションテレビ用に使用される外観性に優れた、高精細、高解像度のレンズアレイシートおよびそのレンズアレイシートを用いた透過型スクリーンが提案されている。
以下に、先行技術の特許文献を記載する。
特開2005−283975 上記特許文献1に記載する透過型スクリーンのレンズアレイシートは、フレネルレンズトート1の平行な投影映像光L1 を微細に分割して集光光L2 として集光させ、視野角を制御するためのレンズアレイフィルム(図4のレンズアレイフィルム3に相当)と、そのレンズアレイフィルムを支持する透明基材(図4の透明基材7に相当)との間に光拡散性の粘着剤層(図4の光透過性の粘着剤層6に相当)を設けて、その粘着剤層を介して積層されている構成であるため、その光拡散性の粘着層の厚みを極力薄くすることができ、そのために透過型スクリーンとしての画面の上下左右の視野角、特に上下の視野角を、映像光の色のにじみ、シャープ性の低下や解像度の低下を招くことなく制御することができることから、特に液晶プロジェクションテレビ等の透過型スクリーンに使用される外観性に優れた高精細、高解像度のレンズアレイシートおよび透過型スクリーンを提供できる。
また、レンズアレイフィルム又は/及び支持する基材を剛直で薄い基材を選択することもできるため、従来のような光拡散剤を樹脂製の透光性の支持基板に分散させたものを使用したスクリーンに比べて薄型化を図ることができる。
しかしながら、レンズアレイフィルムと透明基材とを積層接着させる粘着剤は、一般的
にガラス転移点が低く、比較的低い温度で軟化、流動するという特性があり、例えば高分子系粘着剤は、温度変化に対する体積膨張率が大きく、温度の変動に対してその屈折率が大きく変動するという性質がある。そのためバインダー粘着剤と、異なる屈折率の粒子からなる光拡散剤とを分散させた光拡散性粘着層は、温度の変化により、粘着剤のバインダーと、光拡散剤である粒子との屈折率差が変動して、光拡散の具合(光拡散性能)が変動して、スクリーンの輝度や視野角が大きく変動してしまうという問題がある。
上記特許文献1では、外観性に優れた、高精細、高解像度のレンズアレイシートおよび透過型スクリーンを達成しているが、光拡散性粘着層の光学特性の温度依存性までは考慮されていないものである。
本発明は、上記の問題を解決し、レンズアレイシート及び透過型スクリーンとしての画面の上下左右の視野角、特に上下の視野角を、映像光の色のにじみや、シャープ性の低下や解像度の低下を招くことなく制御することができ、液晶プロジェクションテレビ等の透過型スクリーンに使用される外観性に優れた高精細、高解像度のレンズアレイシートを提供し、温度変化に対して安定した光学特性を示すレンズアレイシートおよびそのレンズアレイシートを用いた透過型スクリーンを提供することを目的とする。
本発明は上記問題を解決するためのものであり、本発明の請求項1に係る発明は、視野角を制御するレンズアレイフィルムと該レンズアレイフィルムを支持する透明基材との間に光拡散性粘着剤層を設けたレンズアレイシートにおいて、光拡散性粘着剤層のバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)が25℃以上であり、該粘着剤層を介して前記レンズアレイフィルムと透明基材とが積層されてなることを特徴とするレンズアレイシートである。
本発明の請求項2に係る発明は、上記請求項1に係るレンズアレイシートにおいて、前記光拡散性粘着剤層が、第1の粘着剤層と、第2の粘着剤層とからなる2層構成であって、前記第2の粘着剤層には光拡散剤が混入されており、前記第1の粘着剤層には光拡散剤が混入されていないことを特徴とするレンズアレイシートである。
本発明の請求項3に係る発明は、上記請求項1に係るレンズアレイシートにおいて、前記光拡散性粘着剤層が、第1の粘着剤層と、第2の粘着剤層と、第3の粘着剤層とからなる3層構成であって、中間層の前記第2の粘着剤層には光拡散剤が混入されており、前記第1の粘着剤層および第3の粘着剤層には光拡散剤が混入されていないことを特徴とするレンズアレイシートである。
本発明の請求項4に係る発明は、上記請求項1乃至3のいずれか1項に係るレンズアレイシートにおいて、前記光拡散性粘着剤層の厚さが10〜100μmの範囲であることを特徴とするレンズアレイシートである。
本発明の請求項5に係る発明は、上記請求項1乃至4のいずれか1項に係るレンズアレイシートをフレネルレンズシートと組み合わせてなることを特徴とする透過型スクリーンである。
本発明の請求項1に係る発明によれば、透過型スクリーンの視野角を制御するレンズアレイシートのレンズアレイフィルムと、そのレンズアレイフィルムを支持する透明基材との間に光拡散性粘着剤層を設け、その粘着剤層を介して積層されている構成であるから、
光拡散性の粘着剤層を映像光が結像するレンズアレイフィルムの近傍、例えばレンズアレイフィルムに隣接して積層配置することができる。
そのために、光拡散性の粘着剤層の厚みを、レンズアレイフィルムと透明基材との積層接着性を損なわない範囲に極力薄くすることができることから、透過型スクリーン用のレンズアレイシートとして、その画面の上下左右の視野角、特に上下の視野角を、映像光の色のにじみ、シャープ性の低下や解像度の低下を招くことなく制御することができ、且つ、液晶プロジェクションテレビ等の透過型スクリーンに使用される外観性に優れた高精細、高解像度のレンズアレイシートおよび透過型スクリーンを提供することができる。
また、その光拡散性粘着剤層のバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)を、25℃以上に設定したため、レンズアレイシート及び透過型スクリーンの使用温度範囲内(0℃〜40℃)の温度変化に対して、充分に安定な光学特性を示すレンズアレイシート及び透過型スクリーンを提供できるものである。
また、本発明の請求項2に係る発明によれば、光拡散性粘着剤層が、第1の粘着剤層と第2の粘着剤層とからなる2層構成であり、レンズアレイシートにおけるレンチキュラーフィルムなどのレンズアレイフィルムと、それを支持する透明基材との接着力を十分に保持することができ、剥がれや浮きの発生も回避でき、信頼性が高く且つ高品質のレンズアレイシート及び透過型スクリーンが得られる。また、第2の粘着剤層のバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)が25℃以上であるため、温度変化に対して充分に安定な光学特性を示すレンズアレイシート及び透過型スクリーンを提供することができるものである。
また、本発明の請求項3に係る発明によれば、光拡散性粘着剤層が、第1の粘着剤層と第2の粘着剤層と第3の粘着剤層とからなる3層構成であり、レンズアレイシートにおけるレンチキュラーフィルムなどのレンズアレイフィルムと、それを支持する透明基材との接着力を十分に保持することができ、剥がれや浮きの発生も回避でき、信頼性が高く且つ高品質のレンズアレイシート及び透過型スクリーンが得られる。また、第2の粘着剤層のバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)が25℃以上であるため、温度変化に対して充分に安定な光学特性を示すレンズアレイシート及び透過型スクリーンを提供することができるものである。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明のレンズアレイシート、及びそのレンズアレイシートを用いた透過型スクリーンの第1の実施の形態を模式的に示した垂直断面図である。図1に示すように、本発明の透過型スクリーンは、一例として、テレビジョンプロジェクターから発散投影される映像光Lの入射側より、順次、フレネルレンズシート1と、所定の離間距離を置いて配置されるレンズアレイシート2との組み合わせにより構成されている。
フレネルレンズシート1は、透明な樹脂製の基材層1aに、鋸刃形状のフレネルレンズ層1bが同心円上に形成されたものであり、透明板状の基材層1aの片面に、同心円状にフレネル凹凸が形成されたフレネルレンズ層1bが設けられて構成されている。なお、前記フレネルレンズシート1は、基材層1aとフレネルレンズ層1bの各々層を積層接着して一体化した構造であってもよいし、積層接着されない一体構造であってもよい。
液晶プロジェクションテレビのテレビジョンプロジェクター(発散投影レンズ系) は、フレネルレンズシート1の基材層1a側に所定距離を置いて配置されていて、該プロジェ
クターからの投影映像光Lは、フレネルレンズシート1に投影入射した後、フレネルレンズシート1のフレネルレンズ層1bから平行な投影映像光L1 となって出射するようになっている。
フレネルレンズトート1のフレネルレンズ層1b側には、所定の間隔をおいて、レンズアレイフィルム3を備えたレンズアレイシート2が平行に設けられていて、これらフレネルレンズシート1とレンズアレイシート2とにより、本発明の透過型スクリーンが構成されている。このレンズアレイシート2は、フレネルレンズトート1の平行な投影映像光L1 を微細に分割して集光L2 として集光させ、スクリーンの左右方向、又は上下左右方向の観察視野の視野角を制御するためのものである。
レンズアレイシート2のレンズアレイフィルム3のレンズアレイ形状は、本発明においては特に限定されるものではないが、例えば図1に示すような微細なかまぼこ状のシリンドリカルレンズの多数本を平行にストライプ状に配置したレンチキュラーレンズアレイ、あるいは図示しないが微細なキュービクルレンズ(凸レンズ)の多数個を規則的に配置したマイクロレンズアレイ、微細なプリズムレンズの多数個を規則的に配置したプリズムレンズアレイなどがある。
本発明の実施の形態の説明においては、図1に示すように、レンズアレイシート2としてレンチキュラーレンズアレイフィルム3を用いたレンチキュラーレンズアレイシート2による場合について以下に説明する。レンチキュラーレンズアレイシート2は、フレネルレンズトート1の平行な投影映像光L1 を微細に分割して集光光L2Sとして集光させ、スクリーンの観察左右方向への視野角を制御するためのものである。
このレンチキュラーレンズアレイシート2は、図1に示すように、順次積層されたかまぼこ凸状の微細幅のシリンドリカルレンズを平行ストライプ状に配列したシリンドリカルレンズアレイ3aと基材フィルム3bとからなるレンチキュラーレンズアレイフィルム3と、該基材フィルム3b面に必要に応じて設けた光透過性の感光性樹脂層4と、該基材フィルム3b面若しくは該感光性樹脂層4面に設けた遮光層5と、光拡散剤8を配合した光透過性粘着剤層6と、板状の光透過性の透明基材7とが、この順に積層されて構成されている。
前記遮光層5は、図1に示すようにレンズアレイフィルム3を構成するシリンドリカルレンズアレイ3aにより基材フィルム3b側に集光光L2 として集光する映像光Lの集光領域(シリンドリカルレンズアレイ3aのシリンドリカルレンズ山部と相対する基材フィルム3b面の映像光Lが集光する所定幅の集光領域)を除く非集光部(シリンドリカルレンズアレイ3aのシリンドリカルレンズ谷部と相対する基材フィルム3b面の映像光Lが集光しない所定幅の非集光領域)に対応して配置されている。
本発明の透過型スクリーンに用いるフレネルレンズシート1は、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂等の基材を加熱し、熱溶融状態で平プレスにてフレネルレンズの逆形状を有する金型を用いて前記基材面を型押しする方法により鋸刃状にフレネルレンズ部(層)を形成することができる。また、エクストルーダによる溶融押出成形にて、溶融状態で押し出される上記樹脂による基材表面を、フレネルレンズの逆形状を有するエンボスロール金型を用いて型押しする方法により鋸刃状フレネルレンズ部(層)を設けることもできる。さらには、紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂を用いて、例えば、その樹脂をフレネルレンズの逆形状を有するエンボスロール金型の成型面に塗布し、基材をそのエンボスロール金型の塗布された樹脂面に供給して、その基材を介して紫外線または電離放射線の照射により、前記樹脂を硬化させると同時にその樹脂硬化成型物からなる鋸刃状のフレネルレンズ部(層)を基材に重合接着せしめ、転写し
て形成することもできる。
レンズアレイシート2(レンチキュラーレンズアレイシート)を構成する前記レンズアレイフィルム3のレンズアレイ3a(レンチキュラーレンズアレイ)は、垂直方向に縦長の複数本のかまぼこ凸状の微細幅のシリンドリカルレンズを、平行にストライプ状に配列したものであり、映像光Lをスクリーンに対して水平方向(スクリーンに向かう映像観察者の左右方向)に屈折させて、各々シリンドリカルレンズのレンズ山部に相対する基材フィルム3bの光出射側の集光領域に集光させる作用を有するのである。
レンチキュラーレンズフィルム3を構成するレンズアレイ3a及び基材フィルム3bの材質は、本発明においては特に限定されるものではないが、基材フィルム3bの材質としては、例えば飽和ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート)からなるフィルム基材が好適に用いられる。
レンチキュラーレンズアレイフィルム3の基材フィルム3b上に凸状のかまぼこレンズ状のシリンドリカルレンズアレイ3aを形成する方法は、本発明においては特に限定されるものではないが、例えば、紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂を主体とする樹脂組成物を用いて、その硬化物からなるレンズアレイ3aを形成する方法が、生産性やレンズの成形精度等の点から好適に用いられる。
上記紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂の樹脂組成物としては、本発明においては特に限定されるものではないが、例えばウレタンアクリレート、エポキシアクリレート系樹脂が望ましい。紫外線硬化型樹脂又は電子線硬化型樹脂の硬化物からなるレンズアレイ3aの形成方法は、前記樹脂組成物をレンズの逆形状を有するエンボスロール金型の成型面に塗布し、透明フィルム基材をエンボスロール金型に供給して、その基材を樹脂組成物面に被覆した後、該基材を介して紫外線または電離放射線の照射により、前記樹脂組成物を硬化させると同時に、その樹脂組成物の硬化成型物からなるレンズアレイ3aを基材に重合接着せしめる方法等によって形成できる。
レンズアレイフィルム3の基材フィルム3b上に形成される前記遮光層5は、光吸収性の暗色調(ブラック、ダークブルー等)に着色された光吸収性層であり、スクリーンから出射する映像光Lが、スクリーンの観察面側に入射する外光(ノイズ光)等によって映像コントラストが低下しないように、外光を吸収するための機能を備えたものである。該遮光層5は、レンチキュラーレンズアレイフィルム3の基材3bの映像光Lの出射面側にストライプ状に並列に形成されていて、この遮光層5は、基材3bの光出射面の映像光Lがシリンドリカルレンズ(レンチキュラーレンズ)によって集光しない非集光領域に形成されている。
上記遮光層5の形成方法は、本発明においては特に限定するものではないが、例えば、光吸収性の遮光性暗色調インキ(紫外線硬化型インキ)を用いてレンズアレイフィルム3の基材フィルム3bの光出射面に直接、印刷法によりパターン印刷形成し、紫外線照射により硬化乾燥させて形成することができる。
また、前記遮光層5の形成方法としては、ネガ型(露光硬化型)の透明な感光性樹脂液(フォトレジスト)をレンズアレイフィルム3の基材フィルム3bの光出射面に塗布して感光性樹脂層4を形成した後、レンズアレイ3a側から紫外線露光し、レンズアレイ3aのレンズ山部と相対する感光性樹脂層4に遮光層5となるパターンを集光させて露光し、露光された部分(集光領域)の感光性樹脂層4を硬化乾燥させた後、感光性樹脂層4上に光吸収性の遮光性暗色調染料・顔料粉末を散布して、未露光部(非集光領域)の未硬化(未乾燥)の感光性樹脂層4に染料・顔料粉末を付着させて着色した後、紫外線露光により
着色した未露光部(非集光領域)の感光性樹脂層4を硬化乾燥させることにより遮光層5を形成することができる。
上記遮光層5上には、光拡散剤8が混入された光拡散性粘着剤層6を積層し、この粘着剤層6を介して、さらに板状の透明基材7を積層して一体化することによりレンチキュラーシート2が得られる。
光拡散性粘着剤層6を構成する透明性の粘着材料としては、アクリル系粘着剤やアクリル系粘着性樹脂が使用でき、粘着剤層6のガラス転移点は25℃以上が好ましい。また粘着材料中に混入する光拡散剤8としては、このアクリル系粘着剤やアクリル系粘着性樹脂とは異なる屈折率を持つ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機フィラーや、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、スチレン樹脂等の有機ビーズ、またはガラスビーズなどの微粉末を適量混入することができる。
光拡散性粘着剤層6に混入する光拡散剤8の好ましい混入量としては、1〜50%の範囲で適宜選択できる。混入量が1%より少ない場合は、光拡散効果が十分に得られない。また、50%より多い場合は、粘着剤層6の膜としての凝集力が不足して十分な接着力得られない。また、光拡散性粘着剤層6の厚みとしては、光拡散性と接着力を保持するために10〜100μmの範囲が好ましい。
透明基材7としては、例えば0.5〜3mmの厚さの板で、剛性を保つことのできるものとしてポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の透明な合成樹脂又はガラス板を用いることができる。また、0.075〜0.25mmの厚さで、薄型化を図ることができる透明基材7として、ポリカーボネートやポリエチレンテレフタレート等のプラスチックシートやフィルムを用いることができる。
<第2の実施の形態>
図2は、本発明のレンズアレイシート及びそのレンズアレイシートを用いた透過型スクリーンの他の実施の形態を説明する平面図であり、レンズアレイシート2を構成するレンズアレイフィルム3と透明基材7とを接着する光拡散性粘着剤層6が、レンズアレイフィルム3を接着する光拡散剤8を含まない第1の粘着剤層6aと、透明基材7を接着する光拡散剤8を含む第2の粘着剤層6bとの二層構成となっている。
<第3の実施の形態>
図3は、本発明のレンズアレイシート及びそのレンズアレイシートを用いた透過型スクリーンのその他の実施の形態を説明する平面図であり、レンズアレイシート2を構成するレンズアレイフィルム3と透明基材7とを接着する光拡散性粘着剤層6が、レンズアレイフィルム3を接着する光拡散剤8を含まない第1の粘着剤層6aと、光拡散剤8を含む第2の粘着剤層6bと、透明基材7を接着する第3の粘着剤層6cとからなる三層構成となっている。
光拡散性粘着剤層6を、図2に示すように光拡散剤8を含まない第1の粘着剤層6aと光拡散剤8を含む第2の粘着剤層6bとの二層構成、又は図3に示すように光拡散剤8を含まない第1の粘着剤層6aと光拡散剤8を含む第2の粘着剤層6bと光拡散剤8を含まない第3の粘着剤層6cとの三層構成とすることにより、レンズアレイフィルム3と、それを支持する透明基材7との接着力を保持するための粘着剤層の厚さを光拡散剤8を含まない粘着剤層によって十分に確保しつつ、光拡散剤8を含む第2の粘着剤層6bの厚さを調整することにより、レンズアレイシート及びそのレンズアレイシートを用いたスクリーンの光拡散性能を自在に制御することができる。例えば、光拡散剤8を含む第2の粘着剤層6bの厚さを、より厚くすることにより光拡散性能を向上(スクリーン視野角を広く)
させたり、より薄くすることにより光拡散性能を低下(スクリーン視野角を狭く)させたりすることができ、剥がれや浮きの発生も回避され、信頼性が高く、且つ高品質のレンズアレイシート及び透過型スクリーンが得られる。
以下に本発明のレンズアレイシートの具体的実施例について説明する。
<実施例1>
図1に示すように透過型スクリーンに用いるレンズアレイシート2を構成する光拡散性粘着剤層6の透明性の粘着剤として、ガラス転移点Tgが180℃のアクリル系接着剤を用い、該粘着剤中に混入する光拡散剤8として、メタクリルスチレン共重合フィラーを用いて、光拡散性粘着剤を作成し、透過型スクリーンに用いるレンズアレイシート2の光拡散性粘着剤層6を膜厚40〜55μmにて形成した。
<実施例2>
実施例1における透明性の粘着剤として、ガラス転移点Tgが105℃のアクリル系接着剤を用いた以外は、上記実施例1と同様にして透過型スクリーンに用いるレンズアレイシート2の光拡散性粘着剤層6を膜厚40〜55μmにて形成した。
<実施例3>
実施例1における透明性の粘着剤として、ガラス転移点Tgが65℃のアクリル系接着剤を用いた以外は、上記実施例1と同様にして透過型スクリーンに用いるレンズアレイシート2の光拡散性粘着剤層6を膜厚40〜55μmにて形成した。
<実施例4>
実施例1における透明性の粘着剤として、ガラス転移点Tgが25℃のアクリル系接着剤を用いた以外は、上記実施例1と同様にして透過型スクリーンに用いるレンズアレイシート2の光拡散性粘着剤層6を膜厚40〜55μmにて形成した。
<比較例1>
実施例1における透明性の粘着剤として、ガラス転移点Tgが10℃のアクリル系接着剤を用いた以外は、上記実施例1と同様にして透過型スクリーンに用いるレンズアレイシート2の光拡散性粘着剤層6を膜厚40〜55μmにて形成した。
<比較例2>
実施例1における透明性の粘着剤として、ガラス転移点Tgが−16℃のアクリル系接着剤を用いた以外は、上記実施例1と同様にして透過型スクリーンに用いるレンズアレイシート2の光拡散性粘着剤層6を膜厚40〜55μmにて形成した。
<比較例3>
実施例1における透明性の粘着剤として、ガラス転移点Tgが−28℃のアクリル系接着剤を用いた以外は、上記実施例1と同様にして透過型スクリーンに用いるレンズアレイシート2の光拡散性粘着剤層6を膜厚40〜55μmにて形成した。
上記実施例1〜4、及び比較例1〜3のようにして得られたレンズアレイシート2(レンチキュラーレンズアレイシート)について、その環境温度を変化させてピークゲインを測定した。表1は、環境温度を10℃〜40℃に変化させたとき(環境温度25℃時のピークゲインの値を基準とした場合)のピークゲインの値の変動を変化率(%)として示したものである。
Figure 2007316465
レンズアレイシート2のピークゲインの許容変動幅は変化率で±5%以内が望ましい。表1によれば、光拡散性粘着層6の粘着剤を構成するバインダー樹脂のガラス転移転Tgが25℃以上では、ピークゲインの温度変化に対する安定性が確保され、評価が○〜◎であって目標を達成し、それ以下のガラス転移点では、変動幅が大きく目標を満たさないことが判明した。
上記実施例1〜4で得られるレンズアレイシート2(レンチキュラーレンズアレイシート)は、プロジェクターからの投影光が結像する部分となるレンズアレイフィルム3の光出射面(必要に応じて設けた感光性樹脂層4、遮光層5)の近傍に光拡散性粘着剤層6が設けられるため、映像光Lの色のにじみが発生せず、また光拡散性粘着剤層6の厚みがμmオーダーと薄膜化されることにより、迷光のない、高精細、高解像度のレンズアレイシート及び透過型スクリーンが得られる。また、その光拡散性粘着剤層6における粘着剤のバインダー樹脂のガラス転移点Tgが25℃以上であるため、環境温度変化に対して、十分に安定した光学特性を示すレンズアレイシート及び透過型スクリーンを得ることができるものである。
本発明の一実施例における光拡散性粘着剤層を備えたレンズアレイシートの一例としてのレンチキュラーレンズアレイシートとフレネルシートを組み合わせた透過型スクリーンを模式的に示した平面断面図である。 本発明の他の実施例における二層構成の光拡散性粘着剤層を備えたレンズアレイシートの一例としてのレンチキュラーレンズアレイシートとフレネルシートを組み合わせた透過型スクリーンを模式的に示した平面断面図である。 本発明のその他の実施例における三層構成の光拡散性粘着剤層を備えたレンズアレイシートの一例としてのレンチキュラーレンズアレイシートとフレネルシートを組み合わせた透過型スクリーンを模式的に示した平面断面図である。 従来のレンズアレイシートの一例としてのレンチキュラーレンズアレイシートとフレネルシートを組み合わせた透過型スクリーンを模式的に示した平面断面図である。
符号の説明
1…フレネルレンズシート
1a…基材層
1b…フレネルレンズ層
2…レンズアレイシート
3a…レンズアレイ
3b…基材フィルム
4…感光性樹脂層
5…遮光層
6…光拡散性粘着剤層
6a…第1の粘着剤層(光拡散剤を含まない)
6b…第2の粘着剤層(光拡散剤を含む)
6c…第3の粘着剤層(光拡散剤を含まない)
7…透明基材層
8…光拡散剤

Claims (5)

  1. 視野角を制御するレンズアレイフィルムと該レンズアレイフィルムを支持する透明基材との間に光拡散性粘着剤層を設けたレンズアレイシートにおいて、光拡散性粘着剤層のバインダー樹脂のガラス転移点(Tg)が25℃以上であり、該粘着剤層を介して前記レンズアレイフィルムと透明基材とが積層されてなることを特徴とするレンズアレイシート。
  2. 前記光拡散性粘着剤層が、第1の粘着剤層と、第2の粘着剤層とからなる2層構成であって、前記第2の粘着剤層には光拡散剤が混入されており、前記第1の粘着剤層には光拡散剤が混入されていないことを特徴とする請求項1記載のレンズアレイシート。
  3. 前記光拡散性粘着剤層が、第1の粘着剤層と、第2の粘着剤層と、第3の粘着剤層とからなる3層構成であって、中間層の前記第2の粘着剤層には光拡散剤が混入されており、前記第1の粘着剤層および第3の粘着剤層には光拡散剤が混入されていないことを特徴とする請求項1記載のレンズアレイシート。
  4. 前記光拡散性粘着剤層の厚さが、10〜100μmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のレンズアレイシート。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載のレンズアレイシートをフレネルレンズシートと組み合わせてなることを特徴とする透過型スクリーン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015109213A (ja) * 2013-12-05 2015-06-11 五洋紙工株式会社 レンズシート、及びel発光装置

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