JP4412182B2 - 光拡散フィルムと光学部材 - Google Patents
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(1)レンチキュラーシートの成形品の内部に光拡散性を有する微粒子を1種又は2種以上練り込み、色温度特性を改善することを目的とする特開平4−134440号公報,特開平4−134441号公報や、垂直方向に於ける視野特性の改善を目的とする特開平2−157735号公報が提案されている。
(2)レンチキュラーシートの成形品の出射面側に、微細な凹凸を形成(マット処理)し、光利用効率を改善したり、ギラツキ防止と視野特性の改善を目的とする特開平3−43724号公報、特開平5−61120号公報,特開平7−270918号公報が提案されている。
(3)レンチキュラーシートの成形品の前後、特に出射面側に光拡散性を有する微粒子を分散配合させた樹脂を塗布形成するか、前記樹脂をフィルム化したものをラミネートし、高輝度化,コントラスト改善を目的とする特開昭63−266442号公報、特開平1−1661328号公報、特開平4−322240号公報があり、光拡散シートを用いて、簡単に光拡散層を積層させることを目的とする特開平8−43608号公報が提案されている。
(4)フレネルレンズやレンチキュラーシート自体に光拡散機能を付与するのではなく、最も観察者側に位置する前面板の内部に光拡散性を有する微粒子を1種又は2種以上練り込むか、入射面側・出射面側の表面に光拡散性を有する微粒子を分散配合させた樹脂を塗布形成し、外光吸収機能の改善、高解像度化、コントラスト改善、視野特性の改善などを目的とする提案として、下記の特許文献がある。
前記微粒子を多用することにより入射光の迷光が発生し、解像度の低下を招くと共に、視覚される映像光(出射光)の光量低下によるコントラストを下げる要因ともなる。
前記微粒子を分散配合させることにより、レンズシートの外観不良や、成型精度の低下、強度不足などの問題も生じることになる。
微細な凹凸を成形品に形成するにあたり、成形用金型のレンズ成形面である内壁に微細な凹凸を形成するのは難しく、成形用金型の精度の問題、成形品のレンズシートの外観不良や、成形精度の低下などの問題が生じることになる。
両面レンチキュラーシートへの塗布成形の場合は、出射面側の非レンズ面に形成されるブラックストライプ部を避けて行う為、マスキングなどしなければならず製造工程で手間がかかり、塗布精度の問題が生じることになる。
フィルム化したものをラミネートする場合は、フィルム化への精度は出やすく、簡便ではあるが、両面レンチキュラーシートへのラミネートは、出射面側のレンズ面と非レンズ面にあたるブラックストライプ部の高低差(通常70〜150μm)によって、均一で正確なラミネートはできず、いずれ剥離してしまうなどの問題も生じることになる。
前記微粒子を内部分散配合させることにより、前面板の外観不良や、成型精度の低下、強度不足などの問題が生じることになる。
前記微粒子を前面板に印刷する場合には、高解像度が得られるμmオーダーでの拡散層厚みの制御が難しいため、拡散層膜厚の精度が出ず、塗布安定性に欠けるなどの問題も生じることになる。
本発明により、光拡散性微粒子を含まないほぼ透明な材料で形成された片面レンチキュラーシートのレンズを有する面と異なる面に光拡散フィルムを粘着剤層を介して接着積層する際に、光拡散フィルムを片面レンチキュラーシートの被接着面の表面状態に追従して精度良く平面性を保持した状態で、容易に接着積層でき、特に液晶プロジェクションテレビ等の透過型スクリーンに使用される外観性に優れた、かつ塗布によって形成された光拡散層が薄く形成できることから高精細、高解像度の透過型スクリーンを提供できる。
本発明の液晶プロジェクションテレビ等に使用される透過型スクリーンとして使用される片面レンチキュラーシートのレンズを有する面と異なる面である出射面側に、該光拡散フィルムの光拡散層と反対面の基材側を重ね合わせて、直接、接着積層することによって、または本発明の光拡散フィルムを透明樹脂板に接着積層した光学部材を片面レンチキュラーシートの出射面側に光拡散層を重ね合わせるように配設することによって、外観に優れた、かつ光拡散層が薄いことより迷光がなくなり、解像度が改善され、鮮明感が得られ、特に液晶プロジェクションテレビに使用される透過型スクリーン用の光学部材を提供できる。
図1は、本発明に係る光拡散フィルムの一例を示す断面図である。本発明の光拡散フィルム1は、フィルム基材2に、光拡散インキからなる光拡散層3を塗布形成し、かつ光拡散層を有する面と異なる面に粘着層4を形成し、さらに剥離可能な剥離紙5を設け、剥離紙を除去すれば、被接着面に接着可能であることを特徴とする。
光拡散フィルム1を透明樹脂板10の少なくとも一方の面に粘着層4を介して圧着し、必要に応じて加熱して積層したことを特徴とする。
片面にシリンドリカルレンズ21を有する片面レンチキュラーシート20の平坦面に設けた黒色遮光層22の面に光拡散フィルム1の粘着層4をを介して圧着し、必要に応じて加熱して積層したことを特徴とする透過型スクリーン用の光学部材である。
両面に易接着処理を施した厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートのフィルム基材の片面に、以下に示す組成の光拡散インキを塗布、乾燥させて光拡散層を形成後、他面に粘着剤(東洋インキ製造(株)製BPS3233D)を塗布、乾燥させて粘着層を形成して光拡散フィルムとした。光拡散フィルムの光拡散層の膜厚は乾燥後の膜厚で15μm、粘着層の乾燥後の膜厚は20μmである。
アクリル樹脂(三菱レーヨン(株)製 ダイヤナールBR−60) 30重量部
光拡散微粒子
不定形シリカ(富士シリシア化学(株)製 サイリシア−446) 14重量部
メチルエチルケトン 28重量部
トルエン 28重量部
ポリエステル樹脂(東洋紡績(株)製 バイロン200) 30重量部
両面に易接着処理を施した厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートのフィルム基材の片面に、以下に示す組成の光拡散インキを塗布、乾燥させて光拡散層を形成後、他面に粘着剤(東洋インキ製造(株)製BPS3233D)を塗布、乾燥させて粘着層を形成して光拡散フィルムとし、透明樹脂板にラミネートしてして光拡散層を有する光学部材した。光拡散フィルムの光拡散層の膜厚は乾燥後の膜厚で15μm、粘着層の乾燥後の膜厚は20μmである。
アクリル樹脂(三菱レーヨン(株)製 ダイヤナールBR−60) 30重量部
光拡散微粒子(A)
シリコーン樹脂微粒子(東芝シリコーン(株)製 トスパール120) 7重量部
光拡散微粒子(B)
ポリスチレンビーズ(積水化成品工業(株)製 SBX−6) 7重量部
メチルエチルケトン 28重量部
トルエン 28重量部
2…フィルム基材
3…拡散層
4…粘着層
5…剥離紙
10…透明樹脂板
20…レンチキュラーシート
21…シリンドリカルレンズ
22…黒色遮光層
Claims (1)
- Tgが50℃以上の光透過性樹脂と、前記光透過性樹脂に対して1〜20%重量部含有されてなる光透過性粒子が分散されてなる膜厚5〜30μmの光拡散インキが透明樹脂フィルム基材の表面に形成された光拡散フィルムにおいて、光拡散インキを基材の表面に塗布によって光拡散層を形成し、該光拡散層を有する面と異なる面に粘着層を設け接着可能である透過型スクリーン用光拡散フィルムを、片面にシリンドリカルレンズを有する片面レンチキュラーシートのレンズを有する面と異なる面に、該光拡散フィルムの光拡散層と反対面の基材側を重ね合わせて、接着積層したことを特徴とする透過型スクリーン用光学部材。
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