JP3858587B2 - エアフィルタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアポンプの空気取り入れ口に設けられ、空気が吸入される際に塵や埃等を取り除くエアフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図5に示す如く、エアポンプBの外殻ケース1に形成された空気取り入れ口2に設けられるエアフィルタであって、空気取り入れ口2にフィルタを支持する支持部材3を閉塞取着してなるエアフィルタは知られている。該エアポンプBにあっては、外殻ケース1内にポンプ本体8が設置されると共に、同外殻ケース1内に、前記空気取り入れ口2に取着されてフィルタを支持する支持部材3とは別個に独立して、二つの空気室20、22が形成されている。又、フィルタを支持する支持部材3、空気室22、ポンプ本体8、空気室20が、この順で各配管19を介して接続されている。
【0003】
この場合、ポンプ本体8が作動されると、空気取り入れ口2から空気が吸入され、その際に、エアフィルタによって同空気から塵や埃等が取り除かれる。エアポンプB内に吸入された前記空気は、空気室22、ポンプ本体8、空気室20をこの順で通過した後、該空気室20から同エアポンプB外へと送出される。そして、エアポンプBから送出される空気は、配管19を介してエアマットやエアベッド等の被加圧体21へと加圧供給される。その際、空気の加圧・吸入時に生じる脈動による空気振動の騒音が、ポンプ本体8の前後流路に配設される両空気室20、22のバッファ作用によって確実に防止される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術においては、二つの空気室20、22が、外殻ケース1内で空気取り入れ口2に取着されてフィルタを支持する支持部材3とは別個に独立して形成されているので、エアポンプBの内部構造が複雑で配管接続部位も多く、同エアポンプBは製造コストが高くなっていた。又、この場合、一方の空気室22を省略すれば製造コストは低減されるが、該空気室22を無くすと、空気吸入の際に生じる吸入音の騒音は防止されなくなる。
【0005】
本発明は、上記従来の技術における問題を悉く解決するために発明されたもので、その課題は、取り付けられるエアポンプの内部構造が簡略化され、同内部での配管接続部位も少なくなり、空気吸入の際に生じる吸入音の騒音は確実に防止されるようになって、エアポンプ用として最適なエアフィルタを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のエアフィルタは、エアポンプの外殻ケースに形成された空気取り入れ口に設けられるエアフィルタであって、空気取り入れ口に閉塞取着される支持部材に外殻ケースの内方へ開口した空気室となる凹所を形成し、該凹所の開口に通気性を有するフィルタ部材を張設し、同凹所の底部に外殻ケースの外方へ連通開口する通気口を形成し、同フィルタ部材との間にスペースをあけて内蓋部材を同支持部材に取着し、外殻ケース内に設置されるポンプ本体と接続される連結口を同内蓋部材に形成してなる。
【0007】
したがって、この場合、エアポンプの外殻ケースに形成された空気取り入れ口に支持部材は閉塞取着され、該支持部材の凹所の底部に形成された通気口から空気が吸入されて、該吸入された空気は、同凹所内を通って該凹所の開口に張設されたフィルタ部材を通過された後、該フィルタ部材と内蓋部材との間のスペースを通って該内蓋部材に形成された連結口から同外殻ケース内に設置されるポンプ本体へと送気される。
【0008】
その際、吸入された空気からフィルタ部材によって塵や埃等が取り除かれ、しかも、空気吸入時に生じる吸入音の騒音は、前記凹所が空気室となり該空気室のバッファ作用によって確実に防止される。又、その際、フィルタ部材と内蓋部材との間のスペースでも空気の脈動による振動が緩和されて、騒音の発生はより確実に防止される。
【0009】
更に、この場合、フィルタ部材を張設支持する支持部材に空気室となる凹所が一体に形成されるので、エアポンプの内部構造は簡略化され、同フィルタ部材と空気室とを接続する配管が不要となって、同エアポンプ内部での配管接続部位も少なくなる。それ故、エアポンプは組立製造が容易なものとなって、そのコスト低減も図られ、エアポンプ用として最適なエアフィルタとなる。
【0010】
本発明の請求項2記載のエアフィルタは、上記請求項1記載のエアフィルタにおいて、凹所内に連通気泡の発泡体でなる消音用発泡部材を収容設置したことを特徴とする。
【0011】
したがって、この場合は特に、空気室となる凹所内に収容設置された発泡体でなる消音用発泡部材によって、空気吸入時に生じる吸入音が吸収消音され、該吸入音による騒音の発生はより確実に防止される。
【0012】
本発明の請求項3記載のエアフィルタは、上記請求項2記載のエアフィルタにおいて、凹所の底部内面に筒状部を突設し、消音用発泡部材の中程に表裏に貫通した孔部を形成し、該孔部を前記筒状部外側に嵌合させて同消音用発泡部材を前記凹所内に収容設置し、フィルタ部材に挿通され前記筒状部内に螺合挿入されるネジ部材によって同フィルタ部材を張設固定したことを特徴とする。
【0013】
したがって、この場合は特に、凹所の底部内面に突設された筒状部にネジ部材が螺合挿入されることによりフィルタ部材は確実に張設固定され、しかも、その際、同凹所内に収容される消音用発泡部材が同筒状部に嵌合保持されてずれ動かないよう確実に設置される。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1〜4は、本発明の請求項1〜3全てに対応する一実施形態を示し、該実施形態のエアフィルタは、エアポンプAの外殻ケース1に形成された空気取り入れ口2に設けられるものであって、空気取り入れ口2に閉塞取着される支持部材3に外殻ケース1の内方へ開口した空気室となる凹所4を形成し、該凹所4の開口に通気性を有するフィルタ部材5を張設し、同凹所4の底部に外殻ケース1の外方へ連通開口する通気口6を形成し、同フィルタ部材5との間にスペースSをあけて内蓋部材7を同支持部材3に取着し、外殻ケース1内に設置されるポンプ本体8と接続される連結口9を同内蓋部材7に形成してなる。
【0015】
又、該実施形態のエアフィルタにおいては、凹所4内に連通気泡の発泡体でなる消音用発泡部材10を収容設置している。この場合、凹所4の底部内面に筒状部11を突設し、消音用発泡部材10の中程に表裏に貫通した孔部12を形成し、該孔部12を前記筒状部11外側に嵌合させて同消音用発泡部材10を前記凹所4内に収容設置し、フィルタ部材5に挿通され前記筒状部11内に螺合挿入されるネジ部材13によって同フィルタ部材5を張設固定してもいる。
【0016】
又、該実施形態のエアフィルタにおいて、支持部材3は合成樹脂成形品で、その外周にフランジ片部14が一体に突設されており、該フランジ片部14をエアポンプAの外殻ケース1に形成された空気取り入れ口2の口縁に係合させて、該空気取り入れ口2に同支持部材は嵌め込むようにして取り付けられる。又、支持部材3には、予め、消音用発泡部材10及びフィルタ部材5が装着されるもので、その際、図2に示す如く、同消音用発泡部材10、フィルタ部材5がこの順でネジ部材13によりまとめて装着される。
【0017】
すなわち、支持部材3は略長方形状でその中程に略正方形状の凹所4が一体に形成されており、該凹所4の底部内面略中央には略円筒状で内周に雌ネジを有する筒状部11が一体に突設されている。この場合、支持部材3には一段低くなった凹段部15が設けられており、該凹段部15から更に低く凹むよう凹所4は形成されている。又、消音用発泡部材10は発泡ポリウレタンのようなスポンジ状の連通気泡を有する発泡体でなり、前記凹所4内に収容嵌合されるよう該凹所4よりも若干小さい略正方形状に形成されていて、その略中央に前記筒状部11が挿入嵌合されるよう該筒状部11よりも若干大きい略円形状の孔部12が穿設されている。
【0018】
そして、孔部12が筒状部11外側に嵌合されると共に、消音用発泡部材10は凹所4内に収容嵌合されて設置される。その際、消音用発泡部材10の厚さ寸法が凹所4の深さ寸法と略等しく設定されていて、該凹所4の開口と略面一となるよう同消音用発泡部材10は同凹所4内に収容嵌合される。なお、凹所4の底部にはその略中央の筒状部11を中心とした点対称位置に、二つの通気口6が配設形成されている。次に、凹所4の開口にはフィルタ部材5が設置されるもので、該フィルタ部材5は格子状のフレーム16の外側に不織布のようなシート17を張着して形成され、該フレーム16の略中央に同フィルタ部材5を同シート17と共に貫通する取付孔18が形成されている。
【0019】
その後、フィルタ部材5の取付孔18を挿通されるネジ部材13を、消音用発泡部材10の孔部12内に挿入嵌合された筒状部11内に螺合挿入して締め付けることにより、同フィルタ部材5の周縁が凹所4の開口縁に当接して、該凹所4の内底面と同フィルタ部材5との間に同消音用発泡部材10は挟持される。そして、図1に示す如く、前記支持部材3の凹段部15の周縁部分に内蓋部材7の外縁部分を固着することにより、該内蓋部材7とフィルタ部材5との間にスペースSが形成されるようにして同内蓋部材7は取着される。なお、内蓋部材7は合成樹脂で一体に形成されたもので、その中程に外殻ケース1の内方へ突出する短筒状の連結口9が一つ形成されている。
【0020】
又、該エアポンプAにあっては、外殻ケース1の側壁に上記空気取り入れ口2が形成されており、該空気取り入れ口2には上記エアフィルタが嵌着して設けられ、同側壁とは反対側の側壁に第二の空気室20が形成されている。そして、エアポンプAの外殻ケース1内にはポンプ本体8が設置されており、上記空気取り入れ口2に取り付けられたエアフィルタ、ポンプ本体8、空気室20が、この順で各配管19を介して連通接続されている。その際、上記エアフィルタの内蓋部材7に突設された連結口9に、配管19の一端が嵌合接続される。
【0021】
この場合、ポンプ本体8が作動されると、上記エアフィルタの両通気口6から空気が吸入され、その際に、同エアフィルタの消音用発泡部材10及びフィルタ部材5によって同空気から塵や埃等が取り除かれ、従来に比して、フィルタ作用は向上されるものである。そして、エアポンプA内に吸入された前記空気は、ポンプ本体8、空気室20をこの順で通過した後、該空気室20から同エアポンプA外へと送出される。
【0022】
又、エアポンプAから送出される空気は、柔軟な可撓性ホースでなる配管19を介して被加圧体21へと加圧供給される。この場合、図4に示す如く、被加圧体21は柔軟で密封さた袋状でエアベッドとして使用されるものであり、エアポンプAから配管19を通じてエアが供給されたり、該エアが同配管19を通じて排気されたりして拡縮動作され、これによって、良好な寝心地感やマッサージ作用を得ることができるものである。
【0023】
したがって、該実施形態のエアフィルタにおいては、エアポンプAの外殻ケース1に形成された空気取り入れ口2に支持部材3は閉塞取着され、該支持部材3の凹所4の底部に形成された通気口6から空気が吸入されて、該吸入された空気は、同凹所4内を通って該凹所4の開口に張設されたフィルタ部材5を通過された後、該フィルタ部材5と内蓋部材7との間のスペースSを通って該内蓋部材7に形成された連結口9から配管19を通じて同外殻ケース1内に設置されるポンプ本体8へと送気される。
【0024】
その際、通気口6より吸入された空気からフィルタ部材5によって塵や埃等が取り除かれ、しかも、空気吸入時に生じる吸入音の騒音は、前記凹所4が空気室となると共に第二の空気室20も設けられており、ポンプ本体8の前後流路に配設される同両空気室のバッファ作用によって確実に防止される。又、その際、フィルタ部材5と内蓋部材7との間のスペースSでも空気の脈動による振動が緩和されて、騒音の発生はより確実に防止される。
【0025】
更に、この場合、フィルタ部材5を張設支持する支持部材3に空気室となる凹所4が一体に形成されるので、エアポンプAの内部構造は簡略化され、同フィルタ部材5と空気室(凹所4)とを接続する配管が不要となって、同エアポンプA内部での配管接続部位も少なくなる。それ故、エアポンプAは組立製造が容易なものとなって、そのコスト低減も図られ、エアポンプ用として最適なエアフィルタとなる。
【0026】
又、該実施形態のエアフィルタにおいては、空気室となる凹所4内に収容設置された発泡体でなる消音用発泡部材10によって、空気吸入時に生じる吸入音が吸収消音され、該吸入音による騒音の発生はより確実に防止される。更には、この場合に、凹所4の底部内面に突設された筒状部11にネジ部材13が螺合挿入されることによりフィルタ部材5は確実に張設固定され、しかも、その際、同凹所4内に収容される消音用発泡部材10が同筒状部11に嵌合保持されてずれ動かないよう確実に設置される。
【0027】
【発明の効果】
上述の如く、本発明の請求項1記載のエアフィルタにおいては、吸入音の騒音が空気室となる凹所のバッファ作用によって防止され、フィルタ部材と内蓋部材との間のスペースでは空気振動も緩和され、騒音の発生が確実に防止される。しかも、支持部材に空気室となる凹所が一体に形成されていて、エアポンプの内部構造は簡略化され、同エアポンプ内部での配管接続部位も少なくなって、エアポンプが組立容易で製造コストも低減され、エアポンプ用として最適なエアフィルタとなる。
【0028】
又、本発明の請求項2記載のエアフィルタにおいては、特に、凹所内に収容設置された発泡体でなる消音用発泡部材によって、空気吸入時に生じる吸入音が吸収消音され、該吸入音による騒音の発生はより確実に防止される。
【0029】
又、本発明の請求項3記載のエアフィルタにおいては、特に、筒状部にネジ部材が螺合挿入されることによりフィルタ部材は確実に張設固定され、その際、消音用発泡部材も同筒状部に嵌合保持されて確実に設置される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるエアフィルタが取り付けられたエアポンプを示す縦断面図。
【図2】同エアフィルタの要部を示す分解斜視図。
【図3】同エアポンプの使用状態を示す概略構成ブロック図。
【図4】同エアポンプの使用状態を示す外観斜視図。
【図5】従来例であるエアフィルタが取り付けられたエアポンプの使用状態を示す概略構成ブロック図。
【符号の説明】
1 外殻ケース
2 空気取り入れ口
3 支持部材
4 凹所
5 フィルタ部材
6 通気口
7 内蓋部材
8 ポンプ本体
9 連結口
A エアポンプ
B エアポンプ
S スペース

Claims (3)

  1. エアポンプの外殻ケースに形成された空気取り入れ口に設けられるエアフィルタであって、空気取り入れ口に閉塞取着される支持部材に外殻ケースの内方へ開口した空気室となる凹所を形成し、該凹所の開口に通気性を有するフィルタ部材を張設し、同凹所の底部に外殻ケースの外方へ連通開口する通気口を形成し、同フィルタ部材との間にスペースをあけて内蓋部材を同支持部材に取着し、外殻ケース内に設置されるポンプ本体と接続される連結口を同内蓋部材に形成してなるエアフィルタ。
  2. 凹所内に連通気泡の発泡体でなる消音用発泡部材を収容設置したことを特徴とする請求項1記載のエアフィルタ。
  3. 凹所の底部内面に筒状部を突設し、消音用発泡部材の中程に表裏に貫通した孔部を形成し、該孔部を前記筒状部外側に嵌合させて同消音用発泡部材を前記凹所内に収容設置し、フィルタ部材に挿通され前記筒状部内に螺合挿入されるネジ部材によって同フィルタ部材を張設固定したことを特徴とする請求項2記載のエアフィルタ。
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