JP3857841B2 - 硬貨払出し装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スロットマシン等、硬貨を遊技媒体とする遊技機や、両替機，自動販売機等において硬貨を計数しながら払い出すための硬貨払出し装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
図３は、硬貨払出し装置の側面図である。図３において、Ａは保留タンク、Ｂは払出し部、Ｃは基台、１は払出し部Ｂのベース、１３は払出し口である。保留タンクＡに硬貨を貯めておき、払出し部Ｂでは保留タンクＡの中の硬貨を１枚ずつ同一面に揃えて枚数をカウントしながら払出し口１３から払い出す。そして、保留タンクＡと払出し部Ｂは基台Ｃにより保持される。
【０００３】
図４は、第１従来例の払出し部を示す図である。図４において、１はベース、２は払出しロータ、３は硬貨導入口、４はガイドリブ、５は硬貨ガイド、１１はガイドピン、１２は案内部材、１３は払出し口、１４はカウントセンサ、１６は払出しローラ、１７は払出しアーム、１８はアーム軸、１９はバネ、２０は開口部、２１はロック防止ローラ、２２はロック防止アーム、２３はアーム軸、２４はバネ、ＣO は硬貨である。
【０００４】
払出しロータ２は、図示しないモータにより矢印方向に回転しながら、前述の保留タンクＡに保留されている硬貨を硬貨導入口３の中に順次受け入れる。払出しロータ２の下面には、硬貨導入口３に入った硬貨を払出しロータ２の回転軸から離れる方向に押し出すガイドリブ４が設けられていて、硬貨は、ベース１の上を滑って回転しながら硬貨ガイド５に沿って移動していく。
【０００５】
そして、ガイドピン１１と案内部材１２の位置に達すると、それらにより払出し口１３の方向にガイドされ、バネ１９により付勢され、アーム軸１８を中心に揺動する払出しアーム１７に取り付けられた払出しローラ１６を開口部２０の方向に押し込んで、払出しローラ１６を通り抜けると、上記バネ１９の力で払出し口１３の方向に勢いよく排出される。その際、カウントセンサ１４により、排出された硬貨の数がカウントされ、払出し数に達したら払出しロータ２の回転を停止させて、硬貨の払出しを停止させる。
【０００６】
このような払出し部において、払出しロータ２のガイドリブ４によってガイドピン１１の位置まで送られてきた硬貨ＣO がガイドピン１１の上を乗り越えてしまうことがある。そのような場合、そのままガイドリブ４で硬貨ＣO を押していくと、硬貨ＣO がガイドリブ４と硬貨ガイド５との間に挟まってロックしてしまう。そこで、バネ２４により付勢され、アーム軸２３を中心に揺動するロック防止アーム２２に取り付けられたロック防止ローラ２１により硬貨ＣO を払出しロータ２の中側に押し込むことにより、ロックするのを防止するようにしている。
【０００７】
図５は、第２従来例の払出し部を示す図である。符号１〜１４は、図４のものに対応しており、２５は硬貨の払出しとロック防止の両方の機能を持たせた兼用ローラ、２６はローラアーム、２７はアーム軸、２８はバネ、２９は開口部である。
【０００８】
兼用ローラ２５は、アーム軸２７を中心に揺動するローラアーム２６に取り付けられており、ローラアーム２６はバネ２８により硬貨ＣO を押し戻す方向に付勢されている。この従来例では、このバネ２８のバネ圧を強くすることにより、１個のローラでロック防止の機能も持たせている。すなわち、硬貨ＣO がガイドピン１１の上を乗り越えて払出し口１３より払出しロータ２の回転方向下流側に引き込まれてしまったときは、硬貨ＣO を強いバネ圧で払出しロータ２の回転軸側に押し込むことによりロックするのを防止するようにしている。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第１従来例には、ローラ，ローラアーム，バネが２セット必要になって構造が複雑になると共に、コスト高になるという問題点があった。また、上記第２従来例は、バネ２８のバネ圧が大きいため、兼用ローラ２５，ローラアーム２６及びアーム軸２７の強度を大きくする必要があってコスト高になるという問題点があった。
【００１０】
本発明は、そのような問題点を解決し、構造が簡単でコストも低く抑えられるようにすることを目的とするものである。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、請求項１に記載の硬貨払出し装置は、多数の硬貨を収容する保留タンクから硬貨が導入される硬貨導入口が複数設けられ、導入された硬貨を回転しながら外周側に押し出す円盤状の払出しロータと、該払出しロータの下側に配設され、前記硬貨導入口に導入された硬貨を上面で受けるベースと、前記払出しロータから押し出された硬貨を払出しロータの外側で受けて払出し口の方向へ案内する案内部材と、前記払出しロータの内側で前記案内部材と対向する位置に設けられ、前記硬貨を内側から払出し口の方向へ案内するガイドピンと、前記払出しロータの外側で前記案内部材と対向する位置に設けられ、前記案内部材との間に前記硬貨を挟んでから投げ出す払出しローラとを有する払出し部を具えた硬貨払出し装置であって、前記払出しローラは、アーム軸を中心にして揺動自在な払出しアームの先端部に設け、前記アーム軸を前記払出しロータの外側に位置させ、前記払出しローラを前記アーム軸より内側で、かつ、前記アーム軸より払出しロータの回転方向下流側に位置させるようにし、前記払出しアームは、バネにより前記案内部材と払出しローラとで硬貨を挟持する方向に付勢されるようにしたことを特徴とする。このようにすると、払出しローラ，払出しアーム及びバネは１組で済み、しかもバネのバネ圧を強くする必要もないので、構造が簡単でコストも低く抑えられる。
【００１２】
そして、請求項２に記載の硬貨払出し装置は、前記払出しアームのバネ付勢方向と反対側に、弾性体よりなるストッパを設けたことを特徴とする。このようにすると、払出しアームが硬貨に押されてストッパに当たったとき、弾性のストッパがクッションになって、ロックすることなく硬貨を払出し口又は払出しロータの回転方向下流側に放出できる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図１は、本発明の硬貨払出し装置の払出し部の一例を示す図である。符号は、図４，図５のものに対応しており、６は払出しローラ、７は払出しアーム、８はアーム軸、９はバネ、１０はストッパである。
【００１４】
払出しローラ６としては、ボールベアリング，ローラベアリング等の回転摩擦が少ないものを用いることができる。そのような払出しローラ６を、アーム軸８を中心にして揺動自在な払出しアーム７の先端部に設け、該払出しアーム７は、バネ９により案内部材１２の方向に付勢されている。そのような払出しアーム７のアーム軸８を払出しロータ２の外側に設け、払出しローラ６をアーム軸８より内側で、かつ、アーム軸８より払出しロータ２の回転方向下流側に位置するように設けている。
【００１５】
そのような硬貨払出し装置において、払出しロータ２は、図２に下面を示すように、各硬貨導入口３に対応させてガイドリブ４を下面に具えている。なお、図２において、１５は、ガイドピン１１通過用のスリットである。この払出しロータ２は、図示しないモータにより矢印方向に回転しながら、前述の保留タンクＡに保留されている硬貨を硬貨導入口３の中に順次受け入れ、下面に設けられているガイドリブ４により、硬貨導入口３に入った硬貨をベース１の上を滑らせて外周の硬貨ガイド５側に押し出しながら移動させていく。それらの硬貨ＣO は、ガイドピン１１の位置に達すると、払出しロータ２の回転方向への移動が止まり、ガイドリブ４によって案内部材１２と払出しローラ６との間に押し込まれていく。そして、バネ９により付勢されている可動ローラ６を反対側に押していって、硬貨ＣO が可動ローラ６を通り抜けると、上記バネ９の収縮力で払出し口１３の方向に勢いよく排出される。その際、カウントセンサ１４により、排出された硬貨の数がカウントされる。
【００１６】
一方、ガイドリブ４に押されてベース１の上を移動してきた硬貨ＣO が、ガイドピン１１に達した際に、硬貨ＣO がガイドピン１１の上に乗ってしまい、払出しロータ２の回転下流側に行こうとすることがある。そのような場合でも、払出しアーム７のアーム軸８が払出しロータ２の回転上流側で払出しローラ６が下流側になっているため、ガイドピン１１を越えた硬貨に対しても払出しロータ２の中心方向に押すように作用する。その結果、硬貨はロックすることなく払出しロータ２の下流側に送られる。
【００１７】
また、払出しアーム７のバネ付勢方向と反対側に、ゴム等の弾性体よりなるストッパ１０を設けたので、払出しアーム７がガイドピン１１の上に乗り上げてきた硬貨に押されると、払出しアーム７がストッパ１０に当たる。その際に、弾性体のストッパ１０がクッションになって、払出しアーム７が振動し、硬貨にも振動が加わる。その結果、硬貨はより一層ロックしにくくなって、確実に払出しロータ２の回転方向下流側に放出される。
【００１８】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、次に記載するような効果を奏する。
すなわち、請求項１に記載の硬貨払出し装置は、払出しローラは、アーム軸を中心にして揺動自在な払出しアームの先端部に設け、アーム軸を払出しロータの外側に位置させ、払出しローラをアーム軸より内側で、かつ、前記アーム軸より払出しロータの回転方向下流側に位置させるようにし、払出しアームは、バネにより案内部材と払出しローラとで硬貨を挟持する方向に付勢されるようにした。その結果、払出しローラ，払出しアーム及びバネは１組で済み、しかもバネのバネ圧を強くする必要もないので、構造が簡単でコストも低く抑えられる。
【００１９】
そして、請求項２に記載の硬貨払出し装置は、払出しアームのバネ付勢方向と反対側に、弾性体よりなるストッパを設けたので、払出しアームが硬貨に押されてストッパに当たったとき、弾性のストッパがクッションになって、ロックすることなく硬貨を払出し口又は払出しロータの回転方向下流側に放出する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の硬貨払出し装置の払出し部の一例を示す図である。
【図２】払出しロータの下面を示す図である。
【図３】硬貨払出し装置の側面図である。
【図４】第１従来例の払出し部を示す図である。
【図５】第２従来例の払出し部を示す図である。
【符号の説明】
１…ベース
２…払出しロータ
３…硬貨導入口
４…ガイドリブ
５…硬貨ガイド
６…払出しローラ
７…払出しアーム
８…アーム軸
９…バネ
１０…ストッパ
１１…ガイドピン
１２…案内部材
１３…払出し口
１４…カウントセンサ

Claims (2)

1. 多数の硬貨を収容する保留タンクから硬貨が導入される硬貨導入口が複数設けられ、導入された硬貨を回転しながら外周側に押し出す円盤状の払出しロータと、該払出しロータの下側に配設され、前記硬貨導入口に導入された硬貨を上面で受けるベースと、前記払出しロータから押し出された硬貨を払出しロータの外側で受けて払出し口の方向へ案内する案内部材と、前記払出しロータの内側で前記案内部材と対向する位置に設けられ、前記硬貨を内側から払出し口の方向へ案内するガイドピンと、前記払出しロータの外側で前記案内部材と対向する位置に設けられ、前記案内部材との間に前記硬貨を挟んでから投げ出す払出しローラとを有する払出し部を具えた硬貨払出し装置であって、
   前記払出しローラは、アーム軸を中心にして揺動自在な払出しアームの先端部に設け、前記アーム軸を前記払出しロータの外側に位置させ、前記払出しローラを前記アーム軸より内側で、かつ、前記アーム軸より払出しロータの回転方向下流側に位置させるようにし、前記払出しアームは、バネにより前記案内部材と払出しローラとで硬貨を挟持する方向に付勢されるようにしたことを特徴とする硬貨払出し装置。
2. 前記払出しアームのバネ付勢方向と反対側に、弾性体よりなるストッパを設けたことを特徴とする請求項１記載の硬貨払出し装置。

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