JP3857037B2 - 車両用障害物推定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、障害物に車両が衝突したときにその障害物の種類を推定する車両用障害物推定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両には、障害物に衝突したときにその障害物の種類を推定し、種類に応じてフードを跳ね上げるなどの二次衝突対策を講じる装置を備えるものが知られている。この種の装置としては、例えば特開平11−28994号公報「歩行者保護用センサシステム」が知られている。以下、この従来の技術について説明する。
【0003】
図21は特開平11−28994号公報の図4及び図7に基づき作成した説明図である。なお、各構成要素の名称や符号については適宜変更した。
歩行者保護用センサシステム100は、車両101のフロントバンパ102に取付けた荷重センサ103及び車速センサ104を備え、荷重センサ103及び車速センサ104から信号を受けたコントローラ105から跳ね上げ機構106に制御信号を発するというものである。車両101が一定車速以上で障害物S11に衝突したとき、荷重センサ103の信号が一定の範囲内である場合に、コントローラ105は衝突した障害物S11が特定の障害物であると推定して、制御信号を発する。この制御信号に応じて、跳ね上げ機構106はフード107の後端を跳ね上げることで、二次衝突対策を講じる。コントローラ105の詳しい作用を、次の図22に基づき説明する。
【0004】
図22は特開平11−28994号公報の図6に基づき作成した荷重センサ出力特性図であり、横軸を時間とし縦軸を荷重センサのセンサ出力として示す。なお、各構成要素の名称や符号については適宜変更した。
上記図21に示すフロントバンパ102が障害物S11に衝突したときに、センサ出力は零から増大し始め、ピークに達した後に減少に転じ、再び零になる。線R1は他車両や壁面に衝突したときのセンサ出力特性を示し、線R2は立ち木・電柱・標識柱に衝突したときのセンサ出力特性を示し、線R3及び線R4は歩行者に衝突したときのセンサ出力特性を示す。
【0005】
ここで、Se1は、フロントバンパ102が障害物S11に衝突したか否かを判断する、第1のしきい値である。センサ出力が増大して第1のしきい値Se1に達した時点をTi1とし、この時点Ti1から時間をカウントする。センサ出力が更に増大して第2のしきい値Se2を越えた場合には、障害物S11が特定の障害物(歩行者)ではないと推定する。一方、センサ出力が第2のしきい値Se2を越えることなくピークに達し、減少に転じ、第1のしきい値Se1に減少した時点をTi2とする。時点Ti1から時点Ti2までの継続時間Ti0(Ti0=Ti2−Ti1)が、予め設定した一定時間内に収っているとき、衝突した障害物S11が特定の障害物(歩行者)であると推定する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記図22から明らかなように、線R3及び線R4は、Se1〜Se2の範囲内に収っている継続時間Ti0が比較的短い特性である。このような特性を有する障害物としては、歩行者の他に、標識板(通称「パイロン」)やゴム製車線分離帯などの軽量物もある。障害物S11が特定の障害物ではない場合であっても、上記従来のコントローラ105は、障害物S11が特定の障害物であると誤って推定することになる。すなわち、障害物S11の種類推定にエラー(誤り)が発生する可能性がある。このようなエラーの発生は好ましいことではない。
【0007】
そこで本発明の目的は、車両が衝突した障害物の種類をより正確に推定できる技術を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、障害物に車両が衝突したときに、その障害物の種類を推定する車両用障害物推定装置において、
この車両用障害物推定装置に、車両が障害物に当ったときの衝撃力に応じて変形する変形可能部材と、この変形可能部材の変形速度を検出する変形速度検出手段と、変形可能部材の変形量を検出する変形量検出手段と、初期値が0である変形速度最大値を変形速度が上回る度にこの変形速度の値に変形速度最大値を更新する変形速度最大値更新手段と、変形速度最大値に予め設定した変形量定数を乗じた値に相当する値を基準変形量と定める基準変形量発生手段と、変形量が基準変形量を越えたときに特定の障害物であると推定する推定手段と、この推定手段の推定に基づいて推定信号を発する推定信号発生手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
障害物に車両が衝突すると、その衝撃力に応じて変形可能部材の変形速度が零から増大し始め、ピークに達し、減少に転じ、零になる。一般に、衝突した時点から変形速度がピークに達した後に零になるまでの時間は、軽量な障害物ほど短かい。軽量物ほど短時間で変形速度が零になるので、変形可能部材の変形量が増大する時間も短い。この結果、変形速度の最大値に対する変形量の最大値の比率は、軽量な障害物ほど小さい。この比率は、歩行者のような特定の障害物に比べて、これより軽量な障害物では小さい。請求項1は、このような特性を利用したものであり、変形速度最大値に基づいて定めた基準変形量を変形量が越えたときに、衝突した障害物が特定の障害物であると推定するようにした。従って、軽量物を特定の障害物であると誤って推定することはない。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。
【0011】
図1は本発明に係る車両用二次衝突対策装置の斜視図である。
車両用二次衝突対策装置10は、車両11の前部にエンジンルーム12を設け、エンジンルーム12の上部開口を前開き形式のフード13で塞ぎ、フード13の後端部を車体フレーム14に左右のフード保持機構20,20で開閉可能に取付けたものである。フード13は前部を、車体フレーム14にフードロック15にてロック可能である。図中、16はフロントガラスである。
【0012】
図2は本発明に係る車両用二次衝突対策装置のシステム図であり、車両11の前半部を左側から見たものである。
車両用二次衝突対策装置10は、障害物S1に車両11が衝突したときにフード13を上昇させることで二次衝突対策を講じる装置であり、左右のフード保持機構20(この図では左のみ示す。以下同じ。)と、閉じたフード13の後部を持上げるときに使用する左右のアクチュエータ30とからなる。さらに、車両用二次衝突対策装置10は車両用障害物推定装置40を備える。車両用障害物推定装置40の詳細については後述する。
【0013】
フード保持機構20は、通常時にはフード13の開閉を行うヒンジ作用を果たし、車両11に障害物S1が衝突したときには伸張したリンクでフード13の後部の上昇位置を決める連結リンク機構兼用のヒンジである。
アクチュエータ30は、後述する制御部44から電気的なアクチュエータ駆動指令信号(推定信号)Siを受けたときに、図示せぬ点火装置にてガス発生剤に点火して多量のガスを発生し、ガスの急激な昇圧によってピストン31が所定ストロークだけ上昇し、フード13の後部を持ち上げるものである。
【0014】
図3は本発明に係る車両前部の側面断面図であり、車両11の前部にフロントバンパ41を設け、このフロントバンパ41の前部を覆うバンパフェイス42の内面に、バンパセンサ43を取付けたことを示す。バンパセンサ43は加速度センサである。
なお、バンパセンサ43は、上記図1に示すように車幅方向に複数個(例えば3個)を配列してもよい。バンパセンサ43を複数個設けた場合には、これらバンパセンサ43の検出信号に基づき制御部44が制御作用をすることになる。例えば、制御部44で複数の検出信号の平均値を算出し、その平均値に基づきアクチュエータ30を制御したり、複数の検出信号のうち最も大きい信号に基づきアクチュエータ30を制御する。
【0015】
図4は本発明に係るバンパフェイス及びバンパセンサの構成図兼作用図である。バンパフェイス42は、車両11が障害物S1に当ったときの衝撃力に応じて変形する変形可能部材であり、例えば樹脂製品である。
想像線にて示すバンパフェイス42は、障害物S1に当った衝撃力に応じて実線にて示すように変形する。このときにバンパフェイス42における変形する部分の加速度を、バンパフェイス42に取付けられたバンパセンサ43で検出することができる。
そして、バンパセンサ43で検出した変形加速度を積分することにより、バンパフェイス42の変形速度を知ることができる。
さらには、バンパフェイス42の変形速度に基づいて積分等の演算をすることにより、バンパフェイス42の変形量を知ることができる。例えば、バンパフェイス42の変形速度に、バンパセンサ43で検出する時間間隔を乗算し、この乗算値を積算することにより、刻々と変化するバンパフェイス42の変形量を知ることができる。
【0016】
車両用障害物推定装置40は、障害物S1に車両11が衝突したときにその障害物S1の種類を推定して、車両用二次衝突対策装置10に推定信号Siを発するものである。具体的には、車両用障害物推定装置40は、変形可能部材としてのバンパフェイス42と、バンパセンサ43と、バンパセンサ43の信号に基づいて車両用二次衝突対策装置10のアクチュエータ30に推定信号Siを発する制御部44とからなる。制御部44は、例えばマイクロコンピュータである。
【0017】
次に、障害物S1にバンパフェイス42が衝突したときの、バンパフェイス42の変形速度の変化について、図4を参照しつつ図5及び図6にて説明する。
【0018】
図5(a)〜(c)は本発明に係るバンパフェイスの変形速度・変形量グラフ(その1)であり、障害物が歩行者等の特定の障害物である場合について示す。(a)は、横軸を時間Ti(ms、ミリ秒)とし縦軸をバンパフェイスの変形速度Vb(km/h)として、特定の障害物に衝突したバンパフェイスの変形速度Vbの変化を示す。但し、Vs,Vmを次のように定義する。
Vs;Vbの推定開始基準速度
(衝突したほぼ直後の値であり、例えば零を若干越える値)
Vm;Vbの変形速度最大値
(a)によれば、変形速度Vbが、推定開始基準速度Vsを越えて変形速度最大値Vmまで増大した後に、減少する特性を有していることが判る。
【0019】
(b)は、横軸を時間Ti(ms、ミリ秒)とし縦軸をバンパフェイスの変形量Sb(mm)として、特定の障害物に衝突したバンパフェイスの変形量の変化を示す。但し、バンパフェイスの変形量は、上記(a)の変形速度Vbに基づき演算した値である。また、St0を次のように定義する。
St0;Sbの基準変形量(St0=1.0×Vm)
なお、1.0は、変形速度Vbの単位をkm/hとするとともに、変形量Sbの単位をmmとしたときの定数である。
(b)によれば、変形量Sbが、基準変形量St0を越えて増大した後に減少して、再び基準変形量St0以下になる特性を有していることが判る。
【0020】
(c)は、変形量Sbが基準変形量St0を越えたか否かによる、障害物推定結果を示す。変形量Sbが基準変形量St0を越えたときに、障害物推定結果は「1」の判定となり、障害物が特定の障害物であると推定する。(c)によれば、Tfの時点で、障害物が特定の障害物であると推定することができる。
【0021】
図6(a)〜(c)は本発明に係るバンパフェイスの変形速度・変形量グラフ(その2)であり、障害物が軽量物である場合について示す。但し、この図の見方及び各符号の定義については、上記図5と同じである。
(a)は、横軸を時間Ti(ms)とし縦軸をバンパフェイスの変形速度Vb(km/h)として、軽量物に衝突したバンパフェイスの変形速度Vbの変化を示す。(b)は、横軸を時間Ti(ms)とし縦軸をバンパフェイスの変形量Sb(mm)として、軽量物に衝突したバンパフェイスの変形量の変化を示す。(b)によれば、変形量Sbが基準変形量St0に達しないことが判る。変形速度Vbが変形速度最大値Vmから減少した後に短時間で零になるので、変形する時間が短いからである。
(c)は、変形量Sbが基準変形量St0を越えたか否かによる、障害物推定結果を示す。変形量Sbが基準変形量St0を越えないので、障害物推定結果は「0」であり、障害物が特定の障害物ではないと推定する。
【0022】
次に、車両用障害物推定装置の第1実施例について図7〜図9に基づき説明する。
図7は本発明に係る車両用障害物推定装置(第1実施例)のブロック図である。
第1実施例の車両用障害物推定装置40は、次の(1)〜(7)の構成を備えたことを特徴とする。
(1)変形可能部材としてのバンパフェイス42。
(2)バンパフェイス42の変形速度Vbを検出する変形速度検出手段51。
(3)バンパフェイス42の変形量Sbを検出する変形量検出手段52。
【0023】
(4)変形速度Vbをこれより前に検出した旧変形速度の最大値と比較して大きい方を変形速度最大値Vmと定める変形速度最大値更新手段55。
(5)変形速度最大値Vmに予め設定した変形量定数を乗じた値に相当する値を基準変形量St0と定める基準変形量発生手段57。
(6)変形量Sbが基準変形量St0を越えたときに特定の障害物(例えば歩行者)であると推定する推定手段58。
(7)推定手段58の推定に基づいて車両用二次衝突対策装置10に推定信号Siを発する推定信号発生手段66。
【0024】
変形速度検出手段51は、バンパセンサ43及び変形速度演算手段53の組合せからなる。変形量検出手段52は、変形速度検出手段51及び変形量演算手段54の組合せからなる。変形速度最大値更新手段55は、変形速度最大値Vmを更新する所定の更新時間を決めるための更新タイマ56を備える。
【0025】
図8は本発明に係る制御部(第1実施例)の制御フローチャートであり、制御部44(図7参照)をマイクロコンピュータとした場合の制御フローを表したものである。図中、ST××はステップ番号を示す。特に説明がないステップ番号については、番号順に進行する。以下、図7を参照しつつ説明する。
【0026】
ST01;全ての値を初期設定する(変形速度最大値Vm=0、F=0)。
ST02;バンパセンサ43にて検出したバンパフェイス42の変形加速度Gb(変形する加速度Gb)を読み込む。
ST03;変形加速度Gbからバンパフェイス42の変形速度Vbを算出する。例えば、変形加速度Gbを積分することにより変形速度Vbを得る。
ST08;変形速度Vbからバンパフェイス42の変形量Sbを積分等にて算出する。例えば、変形速度Vbに、バンパセンサ43で検出する時間間隔を乗算し、この乗算値を積算することにより変形量Sbを得る。
【0027】
ST13;変形速度Vbが予め定めた微小な推定開始基準速度Vsに達したか否かを判定し、YESであれば「ST14」に進み、NOであれば「ST15」に進む。
ST14;更新タイマ56が非作動であるか否かを判定し、YESであれば「ST16」に進み、NOであれば「ST19」に進む。
ST15;フラグF=1であるか否かを判定し、YESであれば「ST19」に進み、NOであれば「ST02」に戻る。
ST16;更新タイマ56の経過時間Tcをリセットする。
ST17;更新タイマ56をスタートさせる。
ST18;フラグFを「1」とする。
【0028】
ST19;更新タイマ56がスタートしてからの経過時間Tcが所定の基準時間Thに達していないか否かを判定し、YESであれば「ST20」に進み、NOであれば「ST22」に進む。
ST20;変形速度Vbがこれより前に検出した旧変形速度の最大値Vmより大きいか否かを判定し、YESであれば「ST21」に進み、NOであれば「ST23」に進む。
ST21;変形速度Vbを変形速度最大値Vmと定め、「ST23」に進む。
ST22;更新タイマ56をストップさせ、「ST23」に進む。
【0029】
ST23;変形速度最大値Vmに応じて基準変形量St0を設定する。具体的には、変形速度最大値Vmに予め定めた変形量定数Csを乗じた値を基準変形量St0と定める(St0=Vm×Cs)。変形量定数Csについては、例えば、変形速度Vbの単位をkm/hとするとともに、変形量の単位をmmとしたときに1.0と設定する。
ST24;変形量Sbが基準変形量St0を越えたか否かを判定し、YESであれば「ST31」に進み、NOであれば「ST02」に戻る。
ST31;図4に示す車両11が衝突した障害物S1は特定の障害物であると推定して推定信号Si(例えば、アクチュエータ駆動指令信号Si)を発し、制御を終了する。
【0030】
「ST13」、「ST15」及び「ST18」の組合せの構成によれば、変形速度Vbが予め定めた推定開始基準速度Vsに一度達したときから、障害物S1(図4参照)の種類の推定を開始する。変形速度Vbが推定開始基準速度Vsに一度達すると、その後の変形速度Vbの大きさにかかわらず、障害物S1の種類の推定を続けることができる。
【0031】
「ST13」〜「ST22」の組合せの構成によれば、変形速度Vbが推定開始基準速度Vsに達したときから基準時間Thに達するまでの時間において、変形速度Vbが増す度に変形速度最大値Vmを最も大きい値に更新することにより、障害物S1の種類に応じた変形速度最大値Vmを設定することができる。
基準時間Thは、走行中の振動等によるノイズ的な変形加速度Gbや、制御部44の適正な制御に影響を与える過渡的な変形加速度Gbによる、変形速度最大値Vmの設定を除去するために設定したものであり、例えば500msである。
【0032】
ここで、図7に示す車両用障害物推定装置40の各構成部材と、図8に示す制御部44の各ステップとの関係を説明する。
「ST02」〜「ST03」は変形速度演算手段53に相当する。「ST08」は変形量演算手段54に相当する。「ST13」〜「ST22」の組合せの構成は変形速度最大値更新手段55並びに更新タイマ56に相当する。「ST23」は基準変形量発生手段57に相当する。「ST24」は推定手段58に相当する。「ST31」は推定信号発生手段66に相当する。
【0033】
ところで、上記「ST23」では、変形速度最大値Vmに応じて次の図9に示すマップを参照することによっても、St0を設定することができる。
【0034】
図9(a),(b)は本発明に係る基準変形量設定説明図(第1実施例)である。
(a)は、横軸を変形速度最大値Vmとし縦軸を基準変形量St0とする、変形速度最大値Vm−基準変形量St0対応図であり、変形速度最大値Vmに応じた基準変形量St0を示す。線St0は基準変形量St0=Vm×Csの算出式に基づく。
(b)は、上記(a)に基づいて作成したマップであり、変形速度最大値Vmに応じた基準変形量St0を示す。
このように、制御部44(図7参照)のメモリに予めマップを設定しておき、上記「ST23」において、変形速度最大値Vmに応じてマップを参照することで、基準変形量St0を設定できる。マップを参照することで設定した基準変形量St0は、上記(a)の算出式で求めた値に相当する値である。
【0035】
以上の説明をまとめて述べる。
障害物S1に車両が衝突したときに、その衝撃力によってバンパフェイス42は車両後方へ変形する。上記図5に示すようにバンパフェイス42の変形速度Vbは、衝突開始時点の零から増大し、これに応じてバンパフェイス42の変形量Sbも増大し始める。変形量Sbが大きくなるにつれて、バンパフェイス42の反力は大きくなる。衝撃力に対してバンパフェイス42の反力が大きくなると、変形速度Vbはピークに達し、減少に転じ、やがて零になり、その後に負の値となる。変形量Sbは変形速度Vbが零となるまで増大し、変形速度Vbが負の値になるにつれて減少していく。
【0036】
上記図5及び図6からも明らかなように、一般に、衝突開始時点から変形速度Vbがピークに達した後に零になるまでの時間は、軽量な障害物ほど短かい。軽量な障害物ほど短時間で変形速度Vbが零になるので、変形する時間も短い。この結果、変形速度Vbの最大値Vmに対する変形量Sbの最大値の比率は、歩行者のような特定の障害物に比べて、これより軽量な障害物では小さい。
【0037】
上記図7に示す第1実施例の車両用障害物推定装置40は、このような特性を利用したものであり、障害物S1に車両が当ったときのバンパフェイス42の変形速度Vb及び変形量Sbを検出し、変形速度Vbが増大してピークに達したときの変形速度最大値Vmを求め、この変形速度最大値Vmに基づいて基準変形量St0を定め、変形量Sbが基準変形量St0を越えたときに、衝突した障害物S1が特定の障害物であると推定するものである。従って、軽量物を特定の障害物であると誤って推定することはない。障害物S1の種類を、より正確に推定することができる。
また、障害物S1の種類に応じて異なる変形速度最大値Vmに所定の定数を乗じた値に相当する値を、基準変形量St0と定めたので、障害物S1への衝突速度にかかわらず、障害物S1の種類をより一層正確に推定することができる。
【0038】
次に、車両用障害物推定装置の第2実施例について図10〜図15に基づき説明する。
図10は本発明に係る車両用障害物推定装置(第2実施例)のブロック図である。第2実施例の車両用障害物推定装置40は、上記図7に示す第1実施例の車両用障害物推定装置40に、次の(1)〜(6)の構成を付加したことを特徴とする。
(1)推定手段58の推定信号を予め設定した所定時間だけ保持する推定タイマ59。
(2)変形速度Vbが予め設定した判定基準速度Vcを越えたことを判定する変形速度判定手段61(以下、単に「速度判定手段61」と言う。)。
(3)速度判定手段61の判定信号を予め設定した所定時間だけ保持する速度判定タイマ62。
【0039】
(4)変形量Sbが基準変形量St0とは異なる予め設定した判定基準変形量Scを越えたことを判定する変形量判定手段63。
(5)変形量判定手段63の判定信号を予め設定した所定時間だけ保持する変形量判定タイマ64。
(6)推定タイマ59、速度判定タイマ62及び変形量判定タイマ64からの信号を全て受けたときに障害物S1が特定の障害物(例えば歩行者)であると更に追加推定する追加推定手段65。
この第2実施例の推定信号発生手段66は、追加推定手段65の追加推定に基づいて推定信号Siを発する。
【0040】
速度判定手段61は、変形速度Vbが予め設定した判定基準速度Vcを越えたことを判定したときに、その判定信号を速度判定タイマ62を介して追加推定手段87に発するものである。
変形量判定手段63は、変形量Sbが基準変形量St0とは異なる予め設定した判定基準変形量Scを越えたことを判定したときに、その判定信号を変形量判定タイマ64を介して追加推定手段87に発するものである。
【0041】
従って追加推定手段87は、▲1▼速度判定手段61の判定信号(速度判定タイマ62の信号)、▲2▼変形量判定手段63の判定信号(変形量判定タイマ64の信号)、及び、▲3▼推定手段58の推定信号(推定タイマ59の信号)を全て受けたときに、障害物S1が特定の障害物であると更に追加推定することになる。
以上の説明から明らかなように、各手段58,61,63の判定・推定信号を推定タイマ59、速度判定タイマ62及び変形量判定タイマ64によって一定時間にわたり保持するようにした。つまり、各タイマ59,62,64の各信号を一定時間だけ揃えるようにした。このようにすることで、追加推定手段65での追加推定をより確実に行うことができる。
なお、推定手段58、速度判定手段61及び変形量判定手段63の判定・推定信号を、直接に追加推定手段65に伝えても追加推定を確実に行うことができれば、各タイマ59,62,64の有無は任意である。
【0042】
図11(a)〜(g)は本発明に係る車両用障害物推定装置(第2実施例)のバンパフェイスの変形速度・変形量グラフ(その1)であり、障害物が歩行者等の特定の障害物である場合について示す。但し、この図の見方及び各符号の定義については、上記図5と同じである。以下、図10を参照しつつ説明する。
【0043】
(a)は、特定の障害物に衝突したバンパフェイスの変形速度Vbの変化を示す。変形速度Vbが変形速度最大値Vmまで増大する途中で判定基準速度Vcを越えることが判る。なお、判定基準速度Vcについては、例えば障害物が特定の障害物である場合を基準として設定するものである。
(b)は、速度判定タイマ62の作動を示す。変形速度Vbが判定基準速度Vcを越えたときから、経過時間T1(後述する基準時間Ts1相当の時間)だけ判定結果「1」を保持する。
(c)は、特定の障害物に衝突したバンパフェイスの変形量の変化を示す。変形量Sbが増大する途中で基準変形量St0を越えたことが判る。なお、判定基準変形量Scについては、例えば障害物が特定の障害物である場合を基準として、Sc<St0の関係にある。
(d)は、変形量判定タイマ64の作動を示す。変形量Sbが判定基準変形量Scを越えたときから、経過時間T2(後述する基準時間Ts2相当の時間)だけ判定結果「1」を保持する。
【0044】
(e)は、障害物推定結果を示す。変形量Sbが基準変形量St0を越えたときに障害物推定結果が「1」となり、障害物が特定の障害物であると推定する。
(f)は、推定タイマ59の作動を示す。上記(e)において、障害物推定結果が「1」になったときから、経過時間T3(後述する基準時間Ts3相当の時間)だけ推定結果「1」を保持する。
(g)は、追加推定手段65の障害物追加推定結果を示す。速度判定タイマ62、変形量判定タイマ64、及び推定タイマ59の各保持内容が全て「1」であるときに、障害物追加推定結果が「1」となり、障害物が特定の障害物であると追加して推定する。
【0045】
図12(a)〜(g)は本発明に係る車両用障害物推定装置(第2実施例)のバンパフェイスの変形速度・変形量グラフ(その2)であり、障害物が軽量物である場合について示す。但し、この図の見方及び各符号の定義については、上記図11と同じである。以下、図10を参照しつつ説明する。
(a)は、軽量物に衝突したバンパフェイスの変形速度Vbの変化を示す。変形速度Vbが判定基準速度Vcを越えないことが判る。
(b)は、速度判定タイマ62の作動を示す。変形速度Vbが判定基準速度Vcを越えないので、判定結果は「0」である。
(c)は、軽量物に衝突したバンパフェイスの変形量の変化を示す。変形量Sbが基準変形量St0を越えないことが判る。変形速度Vbが短時間で零に戻るので、変形する時間が短いからである。
(d)は、変形量判定タイマ64の作動を示す。変形量Sbが判定基準変形量Scを越えないので、判定結果は「0」である。
【0046】
(e)は、障害物推定結果を示す。変形量Sbが基準変形量St0を越えないので、障害物推定結果は「0」であり、障害物が特定の障害物ではないと推定する。
(f)は、推定タイマ59の作動を示す。上記(e)において、障害物推定結果が「0」であるから、障害物推定結果「0」を保持する。
(g)は、追加推定手段65の障害物追加推定結果を示す。速度判定タイマ62、変形量判定タイマ64、及び推定タイマ59の各保持内容が全て「0」なので、障害物追加推定結果は「0」であり、障害物が特定の障害物ではないと追加して推定する。
【0047】
次に、第2実施例の制御部44(図10参照)をマイクロコンピュータとした場合の制御フローについて、図13〜図15に基づき説明する。図中、ST××はステップ番号を示す。特に説明がないステップ番号については、番号順に進行する。以下、図10を参照しつつ説明する。
図13は本発明に係る制御部(第2実施例)の制御フローチャート(その1)である。
【0048】
ST01〜ST03;上記図8に示す「ST01」〜「ST03」とそれぞれ同一。
ST04;速度判定タイマ62が非作動であるか否かを判定し、YESであれば「ST05」に進み、NOであれば「ST08」に進む。
ST05;変形速度Vbが判定基準速度Vcを越えたか否かを判定し、YESであれば「ST06」に進み、NOであれば「ST08」に進む。
ST06;速度判定タイマ62の経過時間T1をリセットする。
ST07;速度判定タイマ62をスタートさせる。
【0049】
ST08;変形量Sbを算出する。上記図8の「ST08」と同一。
ST09;変形量判定タイマ64が非作動であるか否かを判定し、YESであれば「ST10」に進み、NOであれば出結合子A2に進む。
ST10;変形量Sbが判定基準変形量Scを越えたか否かを判定し、YESであれば「ST11」に進み、NOであれば出結合子A2に進む。
ST11;変形量判定タイマ64の経過時間T2をリセットする。
ST12;変形量判定タイマ64をスタートさせ、出結合子A2に進む。
【0050】
図14は本発明に係る制御部(第2実施例)の制御フローチャート(その2)であり、上記図13の「ST12」から出結合子A2及び本図の入結合子A2を経て「ST13」に進んだことを示す。
ST13〜ST22;上記図8に示す「ST13」〜「ST22」とそれぞれ同一。
なお、「ST15」でNOであれば、出結合子A1及び図13の入結合子A1を経て「ST02」に戻る。「ST21」から出結合子A3に進む。
【0051】
図15は本発明に係る制御部(第2実施例)の制御フローチャート(その3)であり、上記図14の「ST21」から出結合子A3及び本図の入結合子A3を経て「ST23」に進んだことを示す。
ST23;基準変形量St0を設定する。上記図8の「ST23」と同一。
ST24;変形量Sbが基準変形量St0を越えたか否かを判定し、YESであれば「ST25」に進み、NOであれば出結合子A1及び図13の入結合子A1を経て「ST02」に戻る。
【0052】
ST25;推定タイマ59が非作動であるか否かを判定し、YESであれば「ST26」に進み、NOであれば「ST28」に進む。
ST26;推定タイマ59の経過時間T3をリセットする。
ST27;推定タイマ59をスタートさせる。
ST28;速度判定タイマ62がスタートしてからの経過時間T1が所定の基準時間Ts1に達していないか否かを判定し、YESであれば「ST29」に進み、NOであれば「ST32」に進む。
【0053】
ST29;変形量判定タイマ64がスタートしてからの経過時間T2が所定の基準時間Ts2に達していないか否かを判定し、YESであれば「ST30」に進み、NOであれば「ST32」に進む。
ST30;推定タイマ59がスタートしてからの経過時間T3が所定の基準時間Ts3に達していないか否かを判定し、YESであれば「ST31」に進み、NOであれば「ST32」に進む。
ST31;障害物S1は特定の障害物であると推定して推定信号Siを発し、制御を終了する。上記図8に示す「ST31」と同一。
ST32;速度判定タイマ62、変形量判定タイマ64、及び推定タイマ59をストップさせ、出結合子A1及び図13の入結合子A1を経て「ST02」に戻る。
【0054】
ここで、図10に示す車両用障害物推定装置40の各構成部材と、図13〜図15に示す制御部44の各ステップとの関係を説明する。
「ST05」は速度判定手段61に相当する。「ST04」,「ST06」,「ST07」の組合せの構成は速度判定タイマ62に相当する。「ST10」は変形量判定手段63に相当する。「ST09」,「ST11」,「ST12」の組合せの構成は変形量判定タイマ64に相当する。「ST25」〜「ST27」の組合せの構成は推定タイマ59に相当する。「ST28」〜「ST30」の組合せの構成は追加推定手段65に相当する。
【0055】
以上の説明をまとめると、第2実施例の車両用障害物推定装置40は、(1)速度判定手段61及び速度判定タイマ62を備えるとともに、(2)変形量判定手段63及び変形量判定タイマ64を備えたことを特徴とする。
上記図11及び図12からも明らかなように、一般に、バンパフェイス42の変形速度Vb並びに変形量Sbは、重い障害物に衝突する程、大きくなるという特性を有する。例えば、歩行者のような特定の障害物に衝突した場合には、これより軽量な障害物に衝突した場合に比べて、変形速度Vb並びに変形量Sbは大きくなる。
【0056】
このような特性を利用するべく、第2実施例は速度判定手段61及び変形量判定手段63を備えた。判定基準速度Vcの値及び判定基準変形量Scについては、歩行者のような特定の障害物に衝突した場合と、これより軽量な障害物に衝突した場合とを、識別可能な最適な値に設定すればよい。
推定手段58の推定結果と速度判定手段61の判定結果とに基づき、追加推定手段65で障害物S1の種類を追加して推定するので、上記第1実施例に比べて、障害物の種類をより正確に推定することができる。
また、推定手段58の推定結果と変形量判定手段63の判定結果とに基づき、追加推定手段65で障害物S1の種類を追加して推定するので、上記第1実施例に比べて、障害物の種類をより正確に推定することができる。
さらにまた、推定手段58の推定結果、速度判定手段61の判定結果、及び、変形量判定手段63の判定結果に基づき、追加推定手段65で障害物S1の種類を追加して推定するので、上記第1実施例に比べて、障害物の種類をより一層正確に推定することができる。
【0057】
次に、上記構成の車両用二次衝突対策装置10の作用を、図16〜図19に基づき説明する。
図16は本発明に係る車両用二次衝突対策装置の作用図(その1)であり、フード13を下げてエンジンルーム12を閉じた通常の状態を示す。このとき、フード保持機構20は折畳んだ状態にある。
フード13は、ピン21を支点として上下スイング可能である。フード13を想像線で示すように開けることで、エンジンルーム12に収納された機器17の保守・点検作業をすることができる。
【0058】
図17は本発明に係る車両用二次衝突対策装置の作用図(その2)であり、フード13を下げてエンジンルーム12を閉じた通常の状態を示す。
制御部44は、衝突した障害物S1が特定の障害物であると推定したときに、アクチュエータ30へアクチュエータ駆動指令信号(推定信号)Siを発する。アクチュエータ30は持上げ作動を開始し、ピストン31を高速で突出すことにより、フード13の後部裏面13aを突き上げる。
【0059】
図18は本発明に係る車両用二次衝突対策装置の作用図(その3)であり、ピストン31を所定の最大高さだけ高速で突出すことにより、フード13を想像線で示す元の高さから実線で示す高さまで、突き上げたことを示す。フード13は慣性により、更に持上がる。フード13の上昇に伴って、フード保持機構20も起立する。
【0060】
図19は本発明に係る車両用二次衝突対策装置の作用図(その4)であり、フード保持機構20が全開開度になってスイングを停止したことを示す。このため、フード13はこれ以上持上がることができない。この結果、フード13の後部は、想像線で示す元の位置から実線で示す位置へ、所定量(100〜200mm)だけ持上がったことになる。フード保持機構20は、フード13を持上がった位置で保持させる。
【0061】
所定量だけ持上がったフード13から、エンジンルーム12に収納されたエンジン等の機器17までの、距離は大きい。この結果、フード13の下方への変形可能量は増大する。このため、車両11に衝突された障害物S1がフード13に衝突したときに、持上がったフード13を想像線にて示すように大いに変形させることで、衝撃力を十分に吸収させることができる。従って、機器17を障害物S1から保護することができるとともに、障害物S1への衝撃も十分に緩和することができる。
【0062】
以上の説明をまとめると、車両用障害物推定装置40は、車両11に衝突された障害物S1が特定の障害物であると推定したときに、制御部44から車両用二次衝突対策装置10へ推定信号Siを発する。車両用二次衝突対策装置10は、推定信号Siを受けてフード13を上昇させることで、より適格に且つ速やかに二次衝突対策を講じる。フード13は、機器17や障害物S1への衝撃力を十分に吸収する。
【0063】
図20は本発明に係る車両用二次衝突対策装置(変形例)のシステム図である。
変形例の車両用二次衝突対策装置90は、障害物S1に車両11が衝突したときにフード13の近傍に備えたエアバッグ92を作動させることで二次衝突対策を講じるものである。衝突した障害物S1が特定の障害物であると車両用障害物推定装置40が推定して、制御部44からエアバッグモジュール91へ推定信号Siを発することで、エアバッグ92を膨張させることができる。そして、エアバッグ92を膨張させて二次衝突対策を講じることにより、エンジンルーム12に収納された機器17(図19参照)や障害物S1への衝撃力をエアバッグ92にて十分に吸収させることができる。
【0064】
なお、上記本発明の実施の形態において次の(1)〜(4)のようにすることは差し支えない。
(1)変形可能部材は、バンパフェイス42に限定するものではなく、車両11が障害物S1に当った衝撃力に応じて変形するように車両11の備えるものであればよい。
(2)変形速度検出手段51は、バンパフェイス42等の変形可能部材の変形速度Vbを検出するものであればよく、また、変形量検出手段52は、バンパフェイス42等の変形可能部材の変形量Sbを検出するものであればよい。例えば、変形可能部材の変形速度Vbを変形速度センサにて直接に検出したり、変形可能部材の変形量Sbを変形量センサで直接検出することもできる。また、変形量センサで検出した変形量Sbを微分することで、変形速度Vbを算出してもよい。
【0065】
(3)車両用障害物推定装置40において、推定開始基準速度Vs、判定基準速度Vc、判定基準変形量Sc、変形量定数Cs、基準時間Th,Ts1〜Ts3の各値は任意であり、特定の障害物の基準を適宜設定することにより、決めればよい。
(4)第2実施例の制御部44は、変形速度判定手段及び変形量判定手段のうち、少なくともいずれか一方を備えたものであればよい。
【0066】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、変形速度の最大値に対する変形量の最大値の比率が、歩行者のような特定の障害物に比べて、これより軽量な障害物では小さいことを利用したものである。請求項1によれば、障害物に車両が当ったときの変形可能部材の変形速度及び変形量を検出し、変形速度が増大してピークに達したときの変形速度最大値を求め、この変形速度最大値に基づいて基準変形量を定め、変形量が基準変形量を越えたときに、衝突した障害物が特定の障害物であると推定することができる。従って、軽量物を特定の障害物であると誤って推定することはない。障害物の種類を、より正確に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用二次衝突対策装置の斜視図
【図2】本発明に係る車両用二次衝突対策装置のシステム図
【図3】本発明に係る車両前部の側面断面図
【図4】本発明に係るバンパフェイス及びバンパセンサの構成図兼作用図
【図5】本発明に係るバンパフェイスの変形速度・変形量グラフ(その1)
【図6】本発明に係るバンパフェイスの変形速度・変形量グラフ(その2)
【図7】本発明に係る車両用障害物推定装置(第1実施例)のブロック図
【図8】本発明に係る制御部(第1実施例)の制御フローチャート
【図9】本発明に係る基準変形量設定説明図(第1実施例)
【図10】本発明に係る車両用障害物推定装置(第2実施例)のブロック図
【図11】本発明に係る車両用障害物推定装置(第2実施例)のバンパフェイスの変形速度・変形量グラフ(その1)
【図12】本発明に係る車両用障害物推定装置(第2実施例)のバンパフェイスの変形速度・変形量グラフ(その2)
【図13】本発明に係る制御部(第2実施例)の制御フローチャート(その1)
【図14】本発明に係る制御部(第2実施例)の制御フローチャート(その2)
【図15】本発明に係る制御部(第2実施例)の制御フローチャート(その3)
【図16】本発明に係る車両用二次衝突対策装置の作用図(その1)
【図17】本発明に係る車両用二次衝突対策装置の作用図(その2)
【図18】本発明に係る車両用二次衝突対策装置の作用図(その3)
【図19】本発明に係る車両用二次衝突対策装置の作用図(その4)
【図20】本発明に係る車両用二次衝突対策装置(変形例)のシステム図
【図21】特開平11−28994号公報の図4及び図7に基づき作成した説明図
【図22】特開平11−28994号公報の図6に基づき作成した荷重センサ出力特性図
【符号の説明】
10…車両用二次衝突対策装置、11…車両、13…フード、40…車両用障害物推定装置、42…変形可能部材(バンパフェイス)、44…制御部、51…変形速度検出手段、52…変形量演算手段、55…変形速度最大値更新手段、57…基準変形量発生手段、58…推定手段、66…推定信号発生手段、61,62…変形速度判定手段としての速度判定手段及び速度判定タイマ、63,64…変形量判定手段としての変形量判定手段及び変形量判定タイマ、65…追加推定手段、S1,S2…障害物。

Claims (1)

  1. 障害物に車両が衝突したときに、その障害物の種類を推定する車両用障害物推定装置において、
    この車両用障害物推定装置は、前記車両が前記障害物に当ったときの衝撃力に応じて変形する変形可能部材と、この変形可能部材の変形速度を検出する変形速度検出手段と、前記変形可能部材の変形量を検出する変形量検出手段と、初期値が0である変形速度最大値を前記変形速度が上回る度にこの変形速度の値に変形速度最大値を更新する変形速度最大値更新手段と、前記変形速度最大値に予め設定した変形量定数を乗じた値に相当する値を基準変形量と定める基準変形量発生手段と、前記変形量が前記基準変形量を越えたときに特定の障害物であると推定する推定手段と、この推定手段の推定に基づいて推定信号を発する推定信号発生手段と、を備えたことを特徴とする車両用障害物推定装置。
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