JP2002127851A - 車両用障害物推定装置 - Google Patents

車両用障害物推定装置

Info

Publication number
JP2002127851A
JP2002127851A JP2000322017A JP2000322017A JP2002127851A JP 2002127851 A JP2002127851 A JP 2002127851A JP 2000322017 A JP2000322017 A JP 2000322017A JP 2000322017 A JP2000322017 A JP 2000322017A JP 2002127851 A JP2002127851 A JP 2002127851A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deformation
obstacle
deformation amount
speed
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000322017A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3857037B2 (ja
Inventor
Tatsuya Ishizaki
達也 石崎
Kaoru Nagatomi
薫 永冨
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2000322017A priority Critical patent/JP3857037B2/ja
Priority to US09/912,274 priority patent/US6510914B2/en
Priority to DE10136537A priority patent/DE10136537B4/de
Publication of JP2002127851A publication Critical patent/JP2002127851A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3857037B2 publication Critical patent/JP3857037B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Superstructure Of Vehicle (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両が衝突した障害物の種類を正確に推定す
る。 【解決手段】 車両用障害物推定装置40は、車両が障
害物に当ったときの衝撃力に応じて変形するバンパフェ
イス42と、バンパフェイスの変形速度Vbを検出する
変形速度検出手段51と、バンパフェイスの変形量Sb
を検出する変形量検出手段52と、変形速度をこれより
前に検出した旧変形速度の最大値と比較して大きい方を
変形速度最大値Vmと定める変形速度最大値更新手段5
5と、変形速度最大値に予め設定した変形量定数を乗じ
た値を基準変形量St0と定める基準変形量発生手段5
7と、変形量が基準変形量を越えたときに特定の障害物
であると推定する推定手段58と、推定手段の推定に基
づいて推定信号Siを発する推定信号発生手段66とか
らなる。障害物に車両が衝突したときに、その障害物の
種類を推定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、障害物に車両が衝
突したときにその障害物の種類を推定する車両用障害物
推定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両には、障害物に衝突したときにその
障害物の種類を推定し、種類に応じてフードを跳ね上げ
るなどの二次衝突対策を講じる装置を備えるものが知ら
れている。この種の装置としては、例えば特開平11−
28994号公報「歩行者保護用センサシステム」が知
られている。以下、この従来の技術について説明する。
【0003】図21は特開平11−28994号公報の
図4及び図7に基づき作成した説明図である。なお、各
構成要素の名称や符号については適宜変更した。歩行者
保護用センサシステム100は、車両101のフロント
バンパ102に取付けた荷重センサ103及び車速セン
サ104を備え、荷重センサ103及び車速センサ10
4から信号を受けたコントローラ105から跳ね上げ機
構106に制御信号を発するというものである。車両1
01が一定車速以上で障害物S11に衝突したとき、荷
重センサ103の信号が一定の範囲内である場合に、コ
ントローラ105は衝突した障害物S11が特定の障害
物であると推定して、制御信号を発する。この制御信号
に応じて、跳ね上げ機構106はフード107の後端を
跳ね上げることで、二次衝突対策を講じる。コントロー
ラ105の詳しい作用を、次の図22に基づき説明す
る。
【0004】図22は特開平11−28994号公報の
図6に基づき作成した荷重センサ出力特性図であり、横
軸を時間とし縦軸を荷重センサのセンサ出力として示
す。なお、各構成要素の名称や符号については適宜変更
した。上記図21に示すフロントバンパ102が障害物
S11に衝突したときに、センサ出力は零から増大し始
め、ピークに達した後に減少に転じ、再び零になる。線
R1は他車両や壁面に衝突したときのセンサ出力特性を
示し、線R2は立ち木・電柱・標識柱に衝突したときの
センサ出力特性を示し、線R3及び線R4は歩行者に衝
突したときのセンサ出力特性を示す。
【0005】ここで、Se1は、フロントバンパ102
が障害物S11に衝突したか否かを判断する、第1のし
きい値である。センサ出力が増大して第1のしきい値S
e1に達した時点をTi1とし、この時点Ti1から時
間をカウントする。センサ出力が更に増大して第2のし
きい値Se2を越えた場合には、障害物S11が特定の
障害物(歩行者)ではないと推定する。一方、センサ出
力が第2のしきい値Se2を越えることなくピークに達
し、減少に転じ、第1のしきい値Se1に減少した時点
をTi2とする。時点Ti1から時点Ti2までの継続
時間Ti0(Ti0=Ti2−Ti1)が、予め設定し
た一定時間内に収っているとき、衝突した障害物S11
が特定の障害物(歩行者)であると推定する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記図22から明らか
なように、線R3及び線R4は、Se1〜Se2の範囲
内に収っている継続時間Ti0が比較的短い特性であ
る。このような特性を有する障害物としては、歩行者の
他に、標識板(通称「パイロン」)やゴム製車線分離帯
などの軽量物もある。障害物S11が特定の障害物では
ない場合であっても、上記従来のコントローラ105
は、障害物S11が特定の障害物であると誤って推定す
ることになる。すなわち、障害物S11の種類推定にエ
ラー(誤り)が発生する可能性がある。このようなエラ
ーの発生は好ましいことではない。
【0007】そこで本発明の目的は、車両が衝突した障
害物の種類をより正確に推定できる技術を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、障害物に車両が衝突したときに、その障
害物の種類を推定する車両用障害物推定装置において、
この車両用障害物推定装置に、車両が障害物に当ったと
きの衝撃力に応じて変形する変形可能部材と、この変形
可能部材の変形速度を検出する変形速度検出手段と、変
形可能部材の変形量を検出する変形量検出手段と、変形
速度をこれより前に検出した旧変形速度の最大値と比較
して大きい方を変形速度最大値と定める変形速度最大値
更新手段と、変形速度最大値に予め設定した変形量定数
を乗じた値に相当する値を基準変形量と定める基準変形
量発生手段と、変形量が基準変形量を越えたときに特定
の障害物であると推定する推定手段と、この推定手段の
推定に基づいて推定信号を発する推定信号発生手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】障害物に車両が衝突すると、その衝撃力に
応じて変形可能部材の変形速度が零から増大し始め、ピ
ークに達し、減少に転じ、零になる。一般に、衝突した
時点から変形速度がピークに達した後に零になるまでの
時間は、軽量な障害物ほど短かい。軽量物ほど短時間で
変形速度が零になるので、変形可能部材の変形量が増大
する時間も短い。この結果、変形速度の最大値に対する
変形量の最大値の比率は、軽量な障害物ほど小さい。こ
の比率は、歩行者のような特定の障害物に比べて、これ
より軽量な障害物では小さい。請求項1は、このような
特性を利用したものであり、変形速度最大値に基づいて
定めた基準変形量を変形量が越えたときに、衝突した障
害物が特定の障害物であると推定するようにした。従っ
て、軽量物を特定の障害物であると誤って推定すること
はない。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面に
基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、
「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向
に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側
を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。
【0011】図1は本発明に係る車両用二次衝突対策装
置の斜視図である。車両用二次衝突対策装置10は、車
両11の前部にエンジンルーム12を設け、エンジンル
ーム12の上部開口を前開き形式のフード13で塞ぎ、
フード13の後端部を車体フレーム14に左右のフード
保持機構20,20で開閉可能に取付けたものである。
フード13は前部を、車体フレーム14にフードロック
15にてロック可能である。図中、16はフロントガラ
スである。
【0012】図2は本発明に係る車両用二次衝突対策装
置のシステム図であり、車両11の前半部を左側から見
たものである。車両用二次衝突対策装置10は、障害物
S1に車両11が衝突したときにフード13を上昇させ
ることで二次衝突対策を講じる装置であり、左右のフー
ド保持機構20(この図では左のみ示す。以下同じ。)
と、閉じたフード13の後部を持上げるときに使用する
左右のアクチュエータ30とからなる。さらに、車両用
二次衝突対策装置10は車両用障害物推定装置40を備
える。車両用障害物推定装置40の詳細については後述
する。
【0013】フード保持機構20は、通常時にはフード
13の開閉を行うヒンジ作用を果たし、車両11に障害
物S1が衝突したときには伸張したリンクでフード13
の後部の上昇位置を決める連結リンク機構兼用のヒンジ
である。アクチュエータ30は、後述する制御部44か
ら電気的なアクチュエータ駆動指令信号(推定信号)S
iを受けたときに、図示せぬ点火装置にてガス発生剤に
点火して多量のガスを発生し、ガスの急激な昇圧によっ
てピストン31が所定ストロークだけ上昇し、フード1
3の後部を持ち上げるものである。
【0014】図3は本発明に係る車両前部の側面断面図
であり、車両11の前部にフロントバンパ41を設け、
このフロントバンパ41の前部を覆うバンパフェイス4
2の内面に、バンパセンサ43を取付けたことを示す。
バンパセンサ43は加速度センサである。なお、バンパ
センサ43は、上記図1に示すように車幅方向に複数個
(例えば3個)を配列してもよい。バンパセンサ43を
複数個設けた場合には、これらバンパセンサ43の検出
信号に基づき制御部44が制御作用をすることになる。
例えば、制御部44で複数の検出信号の平均値を算出
し、その平均値に基づきアクチュエータ30を制御した
り、複数の検出信号のうち最も大きい信号に基づきアク
チュエータ30を制御する。
【0015】図4は本発明に係るバンパフェイス及びバ
ンパセンサの構成図兼作用図である。バンパフェイス4
2は、車両11が障害物S1に当ったときの衝撃力に応
じて変形する変形可能部材であり、例えば樹脂製品であ
る。想像線にて示すバンパフェイス42は、障害物S1
に当った衝撃力に応じて実線にて示すように変形する。
このときにバンパフェイス42における変形する部分の
加速度を、バンパフェイス42に取付けられたバンパセ
ンサ43で検出することができる。そして、バンパセン
サ43で検出した変形加速度を積分することにより、バ
ンパフェイス42の変形速度を知ることができる。さら
には、バンパフェイス42の変形速度に基づいて積分等
の演算をすることにより、バンパフェイス42の変形量
を知ることができる。例えば、バンパフェイス42の変
形速度に、バンパセンサ43で検出する時間間隔を乗算
し、この乗算値を積算することにより、刻々と変化する
バンパフェイス42の変形量を知ることができる。
【0016】車両用障害物推定装置40は、障害物S1
に車両11が衝突したときにその障害物S1の種類を推
定して、車両用二次衝突対策装置10に推定信号Siを
発するものである。具体的には、車両用障害物推定装置
40は、変形可能部材としてのバンパフェイス42と、
バンパセンサ43と、バンパセンサ43の信号に基づい
て車両用二次衝突対策装置10のアクチュエータ30に
推定信号Siを発する制御部44とからなる。制御部4
4は、例えばマイクロコンピュータである。
【0017】次に、障害物S1にバンパフェイス42が
衝突したときの、バンパフェイス42の変形速度の変化
について、図4を参照しつつ図5及び図6にて説明す
る。
【0018】図5(a)〜(c)は本発明に係るバンパ
フェイスの変形速度・変形量グラフ(その1)であり、
障害物が歩行者等の特定の障害物である場合について示
す。(a)は、横軸を時間Ti(ms、ミリ秒)とし縦軸
をバンパフェイスの変形速度Vb(km/h)として、特定
の障害物に衝突したバンパフェイスの変形速度Vbの変
化を示す。但し、Vs,Vmを次のように定義する。 Vs;Vbの推定開始基準速度(衝突したほぼ直後の値
であり、例えば零を若干越える値) Vm;Vbの変形速度最大値 (a)によれば、変形速度Vbが、推定開始基準速度V
sを越えて変形速度最大値Vmまで増大した後に、減少
する特性を有していることが判る。
【0019】(b)は、横軸を時間Ti(ms、ミリ秒)
とし縦軸をバンパフェイスの変形量Sb(mm)として、
特定の障害物に衝突したバンパフェイスの変形量の変化
を示す。但し、バンパフェイスの変形量は、上記(a)
の変形速度Vbに基づき演算した値である。また、St
0を次のように定義する。 St0;Sbの基準変形量(St0=1.0×Vm) なお、1.0は、変形速度Vbの単位をkm/hとする
とともに、変形量Sbの単位をmmとしたときの定数で
ある。(b)によれば、変形量Sbが、基準変形量St
0を越えて増大した後に減少して、再び基準変形量St
0以下になる特性を有していることが判る。
【0020】(c)は、変形量Sbが基準変形量St0
を越えたか否かによる、障害物推定結果を示す。変形量
Sbが基準変形量St0を越えたときに、障害物推定結
果は「1」の判定となり、障害物が特定の障害物である
と推定する。(c)によれば、Tfの時点で、障害物が
特定の障害物であると推定することができる。
【0021】図6(a)〜(c)は本発明に係るバンパ
フェイスの変形速度・変形量グラフ(その2)であり、
障害物が軽量物である場合について示す。但し、この図
の見方及び各符号の定義については、上記図5と同じで
ある。(a)は、横軸を時間Ti(ms)とし縦軸をバン
パフェイスの変形速度Vb(km/h)として、軽量物に衝
突したバンパフェイスの変形速度Vbの変化を示す。
(b)は、横軸を時間Ti(ms)とし縦軸をバンパフェ
イスの変形量Sb(mm)として、軽量物に衝突したバン
パフェイスの変形量の変化を示す。(b)によれば、変
形量Sbが基準変形量St0に達しないことが判る。変
形速度Vbが変形速度最大値Vmから減少した後に短時
間で零になるので、変形する時間が短いからである。
(c)は、変形量Sbが基準変形量St0を越えたか否
かによる、障害物推定結果を示す。変形量Sbが基準変
形量St0を越えないので、障害物推定結果は「0」で
あり、障害物が特定の障害物ではないと推定する。
【0022】次に、車両用障害物推定装置の第1実施例
について図7〜図9に基づき説明する。図7は本発明に
係る車両用障害物推定装置(第1実施例)のブロック図
である。第1実施例の車両用障害物推定装置40は、次
の(1)〜(7)の構成を備えたことを特徴とする。 (1)変形可能部材としてのバンパフェイス42。 (2)バンパフェイス42の変形速度Vbを検出する変
形速度検出手段51。 (3)バンパフェイス42の変形量Sbを検出する変形
量検出手段52。
【0023】(4)変形速度Vbをこれより前に検出し
た旧変形速度の最大値と比較して大きい方を変形速度最
大値Vmと定める変形速度最大値更新手段55。 (5)変形速度最大値Vmに予め設定した変形量定数を
乗じた値に相当する値を基準変形量St0と定める基準
変形量発生手段57。 (6)変形量Sbが基準変形量St0を越えたときに特
定の障害物(例えば歩行者)であると推定する推定手段
58。 (7)推定手段58の推定に基づいて車両用二次衝突対
策装置10に推定信号Siを発する推定信号発生手段6
6。
【0024】変形速度検出手段51は、バンパセンサ4
3及び変形速度演算手段53の組合せからなる。変形量
検出手段52は、変形速度検出手段51及び変形量演算
手段54の組合せからなる。変形速度最大値更新手段5
5は、変形速度最大値Vmを更新する所定の更新時間を
決めるための更新タイマ56を備える。
【0025】図8は本発明に係る制御部(第1実施例)
の制御フローチャートであり、制御部44(図7参照)
をマイクロコンピュータとした場合の制御フローを表し
たものである。図中、ST××はステップ番号を示す。
特に説明がないステップ番号については、番号順に進行
する。以下、図7を参照しつつ説明する。
【0026】ST01;全ての値を初期設定する(変形
速度最大値Vm=0、F=0)。 ST02;バンパセンサ43にて検出したバンパフェイ
ス42の変形加速度Gb(変形する加速度Gb)を読み
込む。 ST03;変形加速度Gbからバンパフェイス42の変
形速度Vbを算出する。例えば、変形加速度Gbを積分
することにより変形速度Vbを得る。 ST08;変形速度Vbからバンパフェイス42の変形
量Sbを積分等にて算出する。例えば、変形速度Vb
に、バンパセンサ43で検出する時間間隔を乗算し、こ
の乗算値を積算することにより変形量Sbを得る。
【0027】ST13;変形速度Vbが予め定めた微小
な推定開始基準速度Vsに達したか否かを判定し、YE
Sであれば「ST14」に進み、NOであれば「ST1
5」に進む。 ST14;更新タイマ56が非作動であるか否かを判定
し、YESであれば「ST16」に進み、NOであれば
「ST19」に進む。 ST15;フラグF=1であるか否かを判定し、YES
であれば「ST19」に進み、NOであれば「ST0
2」に戻る。 ST16;更新タイマ56の経過時間Tcをリセットす
る。 ST17;更新タイマ56をスタートさせる。 ST18;フラグFを「1」とする。
【0028】ST19;更新タイマ56がスタートして
からの経過時間Tcが所定の基準時間Thに達していな
いか否かを判定し、YESであれば「ST20」に進
み、NOであれば「ST22」に進む。 ST20;変形速度Vbがこれより前に検出した旧変形
速度の最大値Vmより大きいか否かを判定し、YESで
あれば「ST21」に進み、NOであれば「ST23」
に進む。 ST21;変形速度Vbを変形速度最大値Vmと定め、
「ST23」に進む。 ST22;更新タイマ56をストップさせ、「ST2
3」に進む。
【0029】ST23;変形速度最大値Vmに応じて基
準変形量St0を設定する。具体的には、変形速度最大
値Vmに予め定めた変形量定数Csを乗じた値を基準変
形量St0と定める(St0=Vm×Cs)。変形量定
数Csについては、例えば、変形速度Vbの単位をkm
/hとするとともに、変形量の単位をmmとしたときに
1.0と設定する。 ST24;変形量Sbが基準変形量St0を越えたか否
かを判定し、YESであれば「ST31」に進み、NO
であれば「ST02」に戻る。 ST31;図4に示す車両11が衝突した障害物S1は
特定の障害物であると推定して推定信号Si(例えば、
アクチュエータ駆動指令信号Si)を発し、制御を終了
する。
【0030】「ST13」、「ST15」及び「ST1
8」の組合せの構成によれば、変形速度Vbが予め定め
た推定開始基準速度Vsに一度達したときから、障害物
S1(図4参照)の種類の推定を開始する。変形速度V
bが推定開始基準速度Vsに一度達すると、その後の変
形速度Vbの大きさにかかわらず、障害物S1の種類の
推定を続けることができる。
【0031】「ST13」〜「ST22」の組合せの構
成によれば、変形速度Vbが推定開始基準速度Vsに達
したときから基準時間Thに達するまでの時間におい
て、変形速度Vbが増す度に変形速度最大値Vmを最も
大きい値に更新することにより、障害物S1の種類に応
じた変形速度最大値Vmを設定することができる。基準
時間Thは、走行中の振動等によるノイズ的な変形加速
度Gbや、制御部44の適正な制御に影響を与える過渡
的な変形加速度Gbによる、変形速度最大値Vmの設定
を除去するために設定したものであり、例えば500m
sである。
【0032】ここで、図7に示す車両用障害物推定装置
40の各構成部材と、図8に示す制御部44の各ステッ
プとの関係を説明する。「ST02」〜「ST03」は
変形速度演算手段53に相当する。「ST08」は変形
量演算手段54に相当する。「ST13」〜「ST2
2」の組合せの構成は変形速度最大値更新手段55並び
に更新タイマ56に相当する。「ST23」は基準変形
量発生手段57に相当する。「ST24」は推定手段5
8に相当する。「ST31」は推定信号発生手段66に
相当する。
【0033】ところで、上記「ST23」では、変形速
度最大値Vmに応じて次の図9に示すマップを参照する
ことによっても、St0を設定することができる。
【0034】図9(a),(b)は本発明に係る基準変
形量設定説明図(第1実施例)である。(a)は、横軸
を変形速度最大値Vmとし縦軸を基準変形量St0とす
る、変形速度最大値Vm−基準変形量St0対応図であ
り、変形速度最大値Vmに応じた基準変形量St0を示
す。線St0は基準変形量St0=Vm×Csの算出式
に基づく。(b)は、上記(a)に基づいて作成したマ
ップであり、変形速度最大値Vmに応じた基準変形量S
t0を示す。このように、制御部44(図7参照)のメ
モリに予めマップを設定しておき、上記「ST23」に
おいて、変形速度最大値Vmに応じてマップを参照する
ことで、基準変形量St0を設定できる。マップを参照
することで設定した基準変形量St0は、上記(a)の
算出式で求めた値に相当する値である。
【0035】以上の説明をまとめて述べる。障害物S1
に車両が衝突したときに、その衝撃力によってバンパフ
ェイス42は車両後方へ変形する。上記図5に示すよう
にバンパフェイス42の変形速度Vbは、衝突開始時点
の零から増大し、これに応じてバンパフェイス42の変
形量Sbも増大し始める。変形量Sbが大きくなるにつ
れて、バンパフェイス42の反力は大きくなる。衝撃力
に対してバンパフェイス42の反力が大きくなると、変
形速度Vbはピークに達し、減少に転じ、やがて零にな
り、その後に負の値となる。変形量Sbは変形速度Vb
が零となるまで増大し、変形速度Vbが負の値になるに
つれて減少していく。
【0036】上記図5及び図6からも明らかなように、
一般に、衝突開始時点から変形速度Vbがピークに達し
た後に零になるまでの時間は、軽量な障害物ほど短か
い。軽量な障害物ほど短時間で変形速度Vbが零になる
ので、変形する時間も短い。この結果、変形速度Vbの
最大値Vmに対する変形量Sbの最大値の比率は、歩行
者のような特定の障害物に比べて、これより軽量な障害
物では小さい。
【0037】上記図7に示す第1実施例の車両用障害物
推定装置40は、このような特性を利用したものであ
り、障害物S1に車両が当ったときのバンパフェイス4
2の変形速度Vb及び変形量Sbを検出し、変形速度V
bが増大してピークに達したときの変形速度最大値Vm
を求め、この変形速度最大値Vmに基づいて基準変形量
St0を定め、変形量Sbが基準変形量St0を越えた
ときに、衝突した障害物S1が特定の障害物であると推
定するものである。従って、軽量物を特定の障害物であ
ると誤って推定することはない。障害物S1の種類を、
より正確に推定することができる。また、障害物S1の
種類に応じて異なる変形速度最大値Vmに所定の定数を
乗じた値に相当する値を、基準変形量St0と定めたの
で、障害物S1への衝突速度にかかわらず、障害物S1
の種類をより一層正確に推定することができる。
【0038】次に、車両用障害物推定装置の第2実施例
について図10〜図15に基づき説明する。図10は本
発明に係る車両用障害物推定装置(第2実施例)のブロ
ック図である。第2実施例の車両用障害物推定装置40
は、上記図7に示す第1実施例の車両用障害物推定装置
40に、次の(1)〜(6)の構成を付加したことを特
徴とする。 (1)推定手段58の推定信号を予め設定した所定時間
だけ保持する推定タイマ59。 (2)変形速度Vbが予め設定した判定基準速度Vcを
越えたことを判定する変形速度判定手段61(以下、単
に「速度判定手段61」と言う。)。 (3)速度判定手段61の判定信号を予め設定した所定
時間だけ保持する速度判定タイマ62。
【0039】(4)変形量Sbが基準変形量St0とは
異なる予め設定した判定基準変形量Scを越えたことを
判定する変形量判定手段63。 (5)変形量判定手段63の判定信号を予め設定した所
定時間だけ保持する変形量判定タイマ64。 (6)推定タイマ59、速度判定タイマ62及び変形量
判定タイマ64からの信号を全て受けたときに障害物S
1が特定の障害物(例えば歩行者)であると更に追加推
定する追加推定手段65。 この第2実施例の推定信号発生手段66は、追加推定手
段65の追加推定に基づいて推定信号Siを発する。
【0040】速度判定手段61は、変形速度Vbが予め
設定した判定基準速度Vcを越えたことを判定したとき
に、その判定信号を速度判定タイマ62を介して追加推
定手段87に発するものである。変形量判定手段63
は、変形量Sbが基準変形量St0とは異なる予め設定
した判定基準変形量Scを越えたことを判定したとき
に、その判定信号を変形量判定タイマ64を介して追加
推定手段87に発するものである。
【0041】従って追加推定手段87は、速度判定手
段61の判定信号(速度判定タイマ62の信号)、変
形量判定手段63の判定信号(変形量判定タイマ64の
信号)、及び、推定手段58の推定信号(推定タイマ
59の信号)を全て受けたときに、障害物S1が特定の
障害物であると更に追加推定することになる。以上の説
明から明らかなように、各手段58,61,63の判定
・推定信号を推定タイマ59、速度判定タイマ62及び
変形量判定タイマ64によって一定時間にわたり保持す
るようにした。つまり、各タイマ59,62,64の各
信号を一定時間だけ揃えるようにした。このようにする
ことで、追加推定手段65での追加推定をより確実に行
うことができる。なお、推定手段58、速度判定手段6
1及び変形量判定手段63の判定・推定信号を、直接に
追加推定手段65に伝えても追加推定を確実に行うこと
ができれば、各タイマ59,62,64の有無は任意で
ある。
【0042】図11(a)〜(g)は本発明に係る車両
用障害物推定装置(第2実施例)のバンパフェイスの変
形速度・変形量グラフ(その1)であり、障害物が歩行
者等の特定の障害物である場合について示す。但し、こ
の図の見方及び各符号の定義については、上記図5と同
じである。以下、図10を参照しつつ説明する。
【0043】(a)は、特定の障害物に衝突したバンパ
フェイスの変形速度Vbの変化を示す。変形速度Vbが
変形速度最大値Vmまで増大する途中で判定基準速度V
cを越えることが判る。なお、判定基準速度Vcについ
ては、例えば障害物が特定の障害物である場合を基準と
して設定するものである。(b)は、速度判定タイマ6
2の作動を示す。変形速度Vbが判定基準速度Vcを越
えたときから、経過時間T1(後述する基準時間Ts1
相当の時間)だけ判定結果「1」を保持する。(c)
は、特定の障害物に衝突したバンパフェイスの変形量の
変化を示す。変形量Sbが増大する途中で基準変形量S
t0を越えたことが判る。なお、判定基準変形量Scに
ついては、例えば障害物が特定の障害物である場合を基
準として、Sc<St0の関係にある。(d)は、変形
量判定タイマ64の作動を示す。変形量Sbが判定基準
変形量Scを越えたときから、経過時間T2(後述する
基準時間Ts2相当の時間)だけ判定結果「1」を保持
する。
【0044】(e)は、障害物推定結果を示す。変形量
Sbが基準変形量St0を越えたときに障害物推定結果
が「1」となり、障害物が特定の障害物であると推定す
る。(f)は、推定タイマ59の作動を示す。上記
(e)において、障害物推定結果が「1」になったとき
から、経過時間T3(後述する基準時間Ts3相当の時
間)だけ推定結果「1」を保持する。(g)は、追加推
定手段65の障害物追加推定結果を示す。速度判定タイ
マ62、変形量判定タイマ64、及び推定タイマ59の
各保持内容が全て「1」であるときに、障害物追加推定
結果が「1」となり、障害物が特定の障害物であると追
加して推定する。
【0045】図12(a)〜(g)は本発明に係る車両
用障害物推定装置(第2実施例)のバンパフェイスの変
形速度・変形量グラフ(その2)であり、障害物が軽量
物である場合について示す。但し、この図の見方及び各
符号の定義については、上記図11と同じである。以
下、図10を参照しつつ説明する。(a)は、軽量物に
衝突したバンパフェイスの変形速度Vbの変化を示す。
変形速度Vbが判定基準速度Vcを越えないことが判
る。(b)は、速度判定タイマ62の作動を示す。変形
速度Vbが判定基準速度Vcを越えないので、判定結果
は「0」である。(c)は、軽量物に衝突したバンパフ
ェイスの変形量の変化を示す。変形量Sbが基準変形量
St0を越えないことが判る。変形速度Vbが短時間で
零に戻るので、変形する時間が短いからである。(d)
は、変形量判定タイマ64の作動を示す。変形量Sbが
判定基準変形量Scを越えないので、判定結果は「0」
である。
【0046】(e)は、障害物推定結果を示す。変形量
Sbが基準変形量St0を越えないので、障害物推定結
果は「0」であり、障害物が特定の障害物ではないと推
定する。(f)は、推定タイマ59の作動を示す。上記
(e)において、障害物推定結果が「0」であるから、
障害物推定結果「0」を保持する。(g)は、追加推定
手段65の障害物追加推定結果を示す。速度判定タイマ
62、変形量判定タイマ64、及び推定タイマ59の各
保持内容が全て「0」なので、障害物追加推定結果は
「0」であり、障害物が特定の障害物ではないと追加し
て推定する。
【0047】次に、第2実施例の制御部44(図10参
照)をマイクロコンピュータとした場合の制御フローに
ついて、図13〜図15に基づき説明する。図中、ST
××はステップ番号を示す。特に説明がないステップ番
号については、番号順に進行する。以下、図10を参照
しつつ説明する。図13は本発明に係る制御部(第2実
施例)の制御フローチャート(その1)である。
【0048】ST01〜ST03;上記図8に示す「S
T01」〜「ST03」とそれぞれ同一。 ST04;速度判定タイマ62が非作動であるか否かを
判定し、YESであれば「ST05」に進み、NOであ
れば「ST08」に進む。 ST05;変形速度Vbが判定基準速度Vcを越えたか
否かを判定し、YESであれば「ST06」に進み、N
Oであれば「ST08」に進む。 ST06;速度判定タイマ62の経過時間T1をリセッ
トする。 ST07;速度判定タイマ62をスタートさせる。
【0049】ST08;変形量Sbを算出する。上記図
8の「ST08」と同一。 ST09;変形量判定タイマ64が非作動であるか否か
を判定し、YESであれば「ST10」に進み、NOで
あれば出結合子A2に進む。 ST10;変形量Sbが判定基準変形量Scを越えたか
否かを判定し、YESであれば「ST11」に進み、N
Oであれば出結合子A2に進む。 ST11;変形量判定タイマ64の経過時間T2をリセ
ットする。 ST12;変形量判定タイマ64をスタートさせ、出結
合子A2に進む。
【0050】図14は本発明に係る制御部(第2実施
例)の制御フローチャート(その2)であり、上記図1
3の「ST12」から出結合子A2及び本図の入結合子
A2を経て「ST13」に進んだことを示す。 ST13〜ST22;上記図8に示す「ST13」〜
「ST22」とそれぞれ同一。 なお、「ST15」でNOであれば、出結合子A1及び
図13の入結合子A1を経て「ST02」に戻る。「S
T21」から出結合子A3に進む。
【0051】図15は本発明に係る制御部(第2実施
例)の制御フローチャート(その3)であり、上記図1
4の「ST21」から出結合子A3及び本図の入結合子
A3を経て「ST23」に進んだことを示す。 ST23;基準変形量St0を設定する。上記図8の
「ST23」と同一。 ST24;変形量Sbが基準変形量St0を越えたか否
かを判定し、YESであれば「ST25」に進み、NO
であれば出結合子A1及び図13の入結合子A1を経て
「ST02」に戻る。
【0052】ST25;推定タイマ59が非作動である
か否かを判定し、YESであれば「ST26」に進み、
NOであれば「ST28」に進む。 ST26;推定タイマ59の経過時間T3をリセットす
る。 ST27;推定タイマ59をスタートさせる。 ST28;速度判定タイマ62がスタートしてからの経
過時間T1が所定の基準時間Ts1に達していないか否
かを判定し、YESであれば「ST29」に進み、NO
であれば「ST32」に進む。
【0053】ST29;変形量判定タイマ64がスター
トしてからの経過時間T2が所定の基準時間Ts2に達
していないか否かを判定し、YESであれば「ST3
0」に進み、NOであれば「ST32」に進む。 ST30;推定タイマ59がスタートしてからの経過時
間T3が所定の基準時間Ts3に達していないか否かを
判定し、YESであれば「ST31」に進み、NOであ
れば「ST32」に進む。 ST31;障害物S1は特定の障害物であると推定して
推定信号Siを発し、制御を終了する。上記図8に示す
「ST31」と同一。 ST32;速度判定タイマ62、変形量判定タイマ6
4、及び推定タイマ59をストップさせ、出結合子A1
及び図13の入結合子A1を経て「ST02」に戻る。
【0054】ここで、図10に示す車両用障害物推定装
置40の各構成部材と、図13〜図15に示す制御部4
4の各ステップとの関係を説明する。「ST05」は速
度判定手段61に相当する。「ST04」,「ST0
6」,「ST07」の組合せの構成は速度判定タイマ6
2に相当する。「ST10」は変形量判定手段63に相
当する。「ST09」,「ST11」,「ST12」の
組合せの構成は変形量判定タイマ64に相当する。「S
T25」〜「ST27」の組合せの構成は推定タイマ5
9に相当する。「ST28」〜「ST30」の組合せの
構成は追加推定手段65に相当する。
【0055】以上の説明をまとめると、第2実施例の車
両用障害物推定装置40は、(1)速度判定手段61及
び速度判定タイマ62を備えるとともに、(2)変形量
判定手段63及び変形量判定タイマ64を備えたことを
特徴とする。上記図11及び図12からも明らかなよう
に、一般に、バンパフェイス42の変形速度Vb並びに
変形量Sbは、重い障害物に衝突する程、大きくなると
いう特性を有する。例えば、歩行者のような特定の障害
物に衝突した場合には、これより軽量な障害物に衝突し
た場合に比べて、変形速度Vb並びに変形量Sbは大き
くなる。
【0056】このような特性を利用するべく、第2実施
例は速度判定手段61及び変形量判定手段63を備え
た。判定基準速度Vcの値及び判定基準変形量Scにつ
いては、歩行者のような特定の障害物に衝突した場合
と、これより軽量な障害物に衝突した場合とを、識別可
能な最適な値に設定すればよい。推定手段58の推定結
果と速度判定手段61の判定結果とに基づき、追加推定
手段65で障害物S1の種類を追加して推定するので、
上記第1実施例に比べて、障害物の種類をより正確に推
定することができる。また、推定手段58の推定結果と
変形量判定手段63の判定結果とに基づき、追加推定手
段65で障害物S1の種類を追加して推定するので、上
記第1実施例に比べて、障害物の種類をより正確に推定
することができる。さらにまた、推定手段58の推定結
果、速度判定手段61の判定結果、及び、変形量判定手
段63の判定結果に基づき、追加推定手段65で障害物
S1の種類を追加して推定するので、上記第1実施例に
比べて、障害物の種類をより一層正確に推定することが
できる。
【0057】次に、上記構成の車両用二次衝突対策装置
10の作用を、図16〜図19に基づき説明する。図1
6は本発明に係る車両用二次衝突対策装置の作用図(そ
の1)であり、フード13を下げてエンジンルーム12
を閉じた通常の状態を示す。このとき、フード保持機構
20は折畳んだ状態にある。フード13は、ピン21を
支点として上下スイング可能である。フード13を想像
線で示すように開けることで、エンジンルーム12に収
納された機器17の保守・点検作業をすることができ
る。
【0058】図17は本発明に係る車両用二次衝突対策
装置の作用図(その2)であり、フード13を下げてエ
ンジンルーム12を閉じた通常の状態を示す。制御部4
4は、衝突した障害物S1が特定の障害物であると推定
したときに、アクチュエータ30へアクチュエータ駆動
指令信号(推定信号)Siを発する。アクチュエータ3
0は持上げ作動を開始し、ピストン31を高速で突出す
ことにより、フード13の後部裏面13aを突き上げ
る。
【0059】図18は本発明に係る車両用二次衝突対策
装置の作用図(その3)であり、ピストン31を所定の
最大高さだけ高速で突出すことにより、フード13を想
像線で示す元の高さから実線で示す高さまで、突き上げ
たことを示す。フード13は慣性により、更に持上が
る。フード13の上昇に伴って、フード保持機構20も
起立する。
【0060】図19は本発明に係る車両用二次衝突対策
装置の作用図(その4)であり、フード保持機構20が
全開開度になってスイングを停止したことを示す。この
ため、フード13はこれ以上持上がることができない。
この結果、フード13の後部は、想像線で示す元の位置
から実線で示す位置へ、所定量(100〜200mm)
だけ持上がったことになる。フード保持機構20は、フ
ード13を持上がった位置で保持させる。
【0061】所定量だけ持上がったフード13から、エ
ンジンルーム12に収納されたエンジン等の機器17ま
での、距離は大きい。この結果、フード13の下方への
変形可能量は増大する。このため、車両11に衝突され
た障害物S1がフード13に衝突したときに、持上がっ
たフード13を想像線にて示すように大いに変形させる
ことで、衝撃力を十分に吸収させることができる。従っ
て、機器17を障害物S1から保護することができると
ともに、障害物S1への衝撃も十分に緩和することがで
きる。
【0062】以上の説明をまとめると、車両用障害物推
定装置40は、車両11に衝突された障害物S1が特定
の障害物であると推定したときに、制御部44から車両
用二次衝突対策装置10へ推定信号Siを発する。車両
用二次衝突対策装置10は、推定信号Siを受けてフー
ド13を上昇させることで、より適格に且つ速やかに二
次衝突対策を講じる。フード13は、機器17や障害物
S1への衝撃力を十分に吸収する。
【0063】図20は本発明に係る車両用二次衝突対策
装置(変形例)のシステム図である。変形例の車両用二
次衝突対策装置90は、障害物S1に車両11が衝突し
たときにフード13の近傍に備えたエアバッグ92を作
動させることで二次衝突対策を講じるものである。衝突
した障害物S1が特定の障害物であると車両用障害物推
定装置40が推定して、制御部44からエアバッグモジ
ュール91へ推定信号Siを発することで、エアバッグ
92を膨張させることができる。そして、エアバッグ9
2を膨張させて二次衝突対策を講じることにより、エン
ジンルーム12に収納された機器17(図19参照)や
障害物S1への衝撃力をエアバッグ92にて十分に吸収
させることができる。
【0064】なお、上記本発明の実施の形態において次
の(1)〜(4)のようにすることは差し支えない。 (1)変形可能部材は、バンパフェイス42に限定する
ものではなく、車両11が障害物S1に当った衝撃力に
応じて変形するように車両11の備えるものであればよ
い。 (2)変形速度検出手段51は、バンパフェイス42等
の変形可能部材の変形速度Vbを検出するものであれば
よく、また、変形量検出手段52は、バンパフェイス4
2等の変形可能部材の変形量Sbを検出するものであれ
ばよい。例えば、変形可能部材の変形速度Vbを変形速
度センサにて直接に検出したり、変形可能部材の変形量
Sbを変形量センサで直接検出することもできる。ま
た、変形量センサで検出した変形量Sbを微分すること
で、変形速度Vbを算出してもよい。
【0065】(3)車両用障害物推定装置40におい
て、推定開始基準速度Vs、判定基準速度Vc、判定基
準変形量Sc、変形量定数Cs、基準時間Th,Ts1
〜Ts3の各値は任意であり、特定の障害物の基準を適
宜設定することにより、決めればよい。 (4)第2実施例の制御部44は、変形速度判定手段及
び変形量判定手段のうち、少なくともいずれか一方を備
えたものであればよい。
【0066】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、変形速度の最大値に対する変形量の
最大値の比率が、歩行者のような特定の障害物に比べ
て、これより軽量な障害物では小さいことを利用したも
のである。請求項1によれば、障害物に車両が当ったと
きの変形可能部材の変形速度及び変形量を検出し、変形
速度が増大してピークに達したときの変形速度最大値を
求め、この変形速度最大値に基づいて基準変形量を定
め、変形量が基準変形量を越えたときに、衝突した障害
物が特定の障害物であると推定することができる。従っ
て、軽量物を特定の障害物であると誤って推定すること
はない。障害物の種類を、より正確に推定することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用二次衝突対策装置の斜視図
【図2】本発明に係る車両用二次衝突対策装置のシステ
ム図
【図3】本発明に係る車両前部の側面断面図
【図4】本発明に係るバンパフェイス及びバンパセンサ
の構成図兼作用図
【図5】本発明に係るバンパフェイスの変形速度・変形
量グラフ(その1)
【図6】本発明に係るバンパフェイスの変形速度・変形
量グラフ(その2)
【図7】本発明に係る車両用障害物推定装置(第1実施
例)のブロック図
【図8】本発明に係る制御部(第1実施例)の制御フロ
ーチャート
【図9】本発明に係る基準変形量設定説明図(第1実施
例)
【図10】本発明に係る車両用障害物推定装置(第2実
施例)のブロック図
【図11】本発明に係る車両用障害物推定装置(第2実
施例)のバンパフェイスの変形速度・変形量グラフ(そ
の1)
【図12】本発明に係る車両用障害物推定装置(第2実
施例)のバンパフェイスの変形速度・変形量グラフ(そ
の2)
【図13】本発明に係る制御部(第2実施例)の制御フ
ローチャート(その1)
【図14】本発明に係る制御部(第2実施例)の制御フ
ローチャート(その2)
【図15】本発明に係る制御部(第2実施例)の制御フ
ローチャート(その3)
【図16】本発明に係る車両用二次衝突対策装置の作用
図(その1)
【図17】本発明に係る車両用二次衝突対策装置の作用
図(その2)
【図18】本発明に係る車両用二次衝突対策装置の作用
図(その3)
【図19】本発明に係る車両用二次衝突対策装置の作用
図(その4)
【図20】本発明に係る車両用二次衝突対策装置(変形
例)のシステム図
【図21】特開平11−28994号公報の図4及び図
7に基づき作成した説明図
【図22】特開平11−28994号公報の図6に基づ
き作成した荷重センサ出力特性図
【符号の説明】
10…車両用二次衝突対策装置、11…車両、13…フ
ード、40…車両用障害物推定装置、42…変形可能部
材(バンパフェイス)、44…制御部、51…変形速度
検出手段、52…変形量演算手段、55…変形速度最大
値更新手段、57…基準変形量発生手段、58…推定手
段、66…推定信号発生手段、61,62…変形速度判
定手段としての速度判定手段及び速度判定タイマ、6
3,64…変形量判定手段としての変形量判定手段及び
変形量判定タイマ、65…追加推定手段、S1,S2…
障害物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B62D 25/10 B60R 21/34 693 25/12 B62D 25/10 E

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 障害物に車両が衝突したときに、その障
    害物の種類を推定する車両用障害物推定装置において、 この車両用障害物推定装置は、前記車両が前記障害物に
    当ったときの衝撃力に応じて変形する変形可能部材と、
    この変形可能部材の変形速度を検出する変形速度検出手
    段と、前記変形可能部材の変形量を検出する変形量検出
    手段と、前記変形速度をこれより前に検出した旧変形速
    度の最大値と比較して大きい方を変形速度最大値と定め
    る変形速度最大値更新手段と、前記変形速度最大値に予
    め設定した変形量定数を乗じた値に相当する値を基準変
    形量と定める基準変形量発生手段と、前記変形量が前記
    基準変形量を越えたときに特定の障害物であると推定す
    る推定手段と、この推定手段の推定に基づいて推定信号
    を発する推定信号発生手段と、を備えたことを特徴とす
    る車両用障害物推定装置。
JP2000322017A 2000-07-26 2000-10-20 車両用障害物推定装置 Expired - Fee Related JP3857037B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000322017A JP3857037B2 (ja) 2000-10-20 2000-10-20 車両用障害物推定装置
US09/912,274 US6510914B2 (en) 2000-07-26 2001-07-24 Obstruction inference apparatus for vehicle
DE10136537A DE10136537B4 (de) 2000-07-26 2001-07-26 Hindernis-Schlussfolgerungsvorrichtung für ein Fahrzeug

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000322017A JP3857037B2 (ja) 2000-10-20 2000-10-20 車両用障害物推定装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002127851A true JP2002127851A (ja) 2002-05-09
JP3857037B2 JP3857037B2 (ja) 2006-12-13

Family

ID=18799971

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000322017A Expired - Fee Related JP3857037B2 (ja) 2000-07-26 2000-10-20 車両用障害物推定装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3857037B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006521947A (ja) * 2004-02-26 2006-09-28 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 衝突検出装置
JP2006273091A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Denso Corp 歩行者検知システム
KR20190132743A (ko) * 2018-05-21 2019-11-29 주식회사 성우하이텍 차체 모니터링 시스템 및 그 방법

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006521947A (ja) * 2004-02-26 2006-09-28 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 衝突検出装置
JP2006273091A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Denso Corp 歩行者検知システム
JP4661307B2 (ja) * 2005-03-29 2011-03-30 株式会社デンソー 歩行者検知システム
KR20190132743A (ko) * 2018-05-21 2019-11-29 주식회사 성우하이텍 차체 모니터링 시스템 및 그 방법
KR102102613B1 (ko) * 2018-05-21 2020-05-29 주식회사 성우하이텍 차체 모니터링 시스템 및 그 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP3857037B2 (ja) 2006-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7905314B2 (en) Pedestrian detecting system
US7024293B2 (en) Collision determination system
US6510914B2 (en) Obstruction inference apparatus for vehicle
US6516278B1 (en) Vehicle hood operating system
US6293362B1 (en) Vehicle hood apparatus
JP4317032B2 (ja) 車両ロールオーバ検出システム
US20020180596A1 (en) Method and device for recognition of a collision with a pedestrian
CN106004775B (zh) 一种用于车辆的自适应前保险杠系统及控制方法
EP1616758B1 (en) Vehicle occupant protection apparatus and initiation method to use for vehicle occupant protection apparatus
JP2008514496A (ja) 乗員保護手段の駆動制御方法および乗員保護手段の駆動制御装置
JP2007513823A (ja) 人物保護手段を駆動制御するための装置
JP3839645B2 (ja) 車両用障害物推定装置
JP4351378B2 (ja) 車両用障害物推定装置
JP3839646B2 (ja) 車両用障害物推定装置
JP2002127851A (ja) 車両用障害物推定装置
JPH06144154A (ja) 衝撃緩和装置
JP3857038B2 (ja) 車両用障害物推定装置
US7140464B2 (en) Triggering unit
JPH0924795A (ja) 車両の側面衝突判別装置
CN109624904B (zh) 车辆主动防御方法、系统及车辆
GB2400352A (en) Pedestrian detecting system for a motor vehicle
JP3328607B2 (ja) 車両用フード装置
EP1585652B1 (en) Method of controlling a vehicle bonnet actuating assembly for safeguarding pedestrians in the event of impact against the front bumper of the vehicle
JPH0769171A (ja) 乗員保護装置
JP3541211B2 (ja) エアバッグの作動判断装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060725

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060912

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060913

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100922

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100922

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110922

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110922

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120922

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120922

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130922

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140922

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees