JP3839646B2 - 車両用障害物推定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、障害物に車両が衝突したときにその障害物の種類を推定する車両用障害物推定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両には、障害物に衝突したときにその障害物の種類を推定し、種類に応じてフード近傍のエアバッグを作動させるなどの二次衝突対策を講じる装置を備えるものが知られている。この種の装置としては、例えば特開平8−216826号公報「フードエアバッグセンサシステム」が知られている。以下、この従来の技術について説明する。
【0003】
図24(a),(b)は特開平8−216826号公報の図6及び図7に基づき作成した説明図である。なお、各構成要素の名称や符号については適宜変更した。
(a)は、車両101が歩行者等の特定の障害物S11に衝突したことを示す。フードエアバッグセンサシステム100は、車両101のフロントバンパ102にバンパセンサ103を備えるとともに、フード104の下にフードセンサ105を備える。バンパセンサ103は略水平方向からの荷重を検出するセンサであり、フードセンサ105は略垂直方向からの荷重を検出するセンサである。
フードエアバッグセンサシステム100の制御装置106は、バンパセンサ103及びフードセンサ105が共に荷重を検出したときにのみ、衝突した障害物S11が特定の障害物であると推定して、フードエアバッグモジュール107へ制御信号を出力する。この制御信号に応じて、フード104近傍のフードエアバッグ108は膨張する。
【0004】
(b)は、車両101が建造物等の障害物S12に衝突したことを示す。バンパセンサ103だけが荷重を検出したときには、制御装置106は、衝突した障害物S12が特定の障害物ではないと推定する。この場合には、制御装置106はフードエアバッグモジュール107へ制御信号を出力しないので、フードエアバッグ108は膨張しない。
【0005】
このようにフードエアバッグセンサシステム100は、先ずバンパセンサ103が荷重を検出し、次にフードセンサ105が荷重を検出し、この2つの検出信号に基づいて障害物S11が特定の障害物であると推定して、二次衝突対策を講じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のフードエアバッグセンサシステム100は、バンパセンサ103で荷重を検出した後に、フードセンサ105で荷重を検出するという、2段階の検出方法を採用したシステムである。
ところが、バンパセンサ103が荷重を検出してからフードセンサ105が荷重を検出するまでの経過時間は、一定ではない。経過時間が長いと、制御装置106が障害物S11,S12の種類を推定するのに要する時間も長くならざるを得ない。障害物S11,S12の種類を推定するのに時間がかかることは好ましいことではない。
【0007】
さらには、障害物S11が特定の障害物ではない場合であっても、バンパセンサ103で荷重を検出した後に、フードセンサ105が荷重を検出することは有り得る。この場合に制御装置106は、障害物S11が特定の障害物であると誤って推定することになる。すなわち、障害物S11の種類判定にエラーが発生する可能性がある。このようなエラーの発生は好ましいことではない。
【0008】
そこで本発明の目的は、車両が衝突した障害物の種類の推定時間を短縮できるとともに、障害物の種類をより正確に推定できる技術を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、障害物に車両が衝突したときに、その障害物の種類を推定する車両用障害物推定装置において、
この車両用障害物推定装置は、車両が障害物に当った衝撃力に応じて変形する変形可能部材と、この変形可能部材の変形速度を検出する変形速度検出手段と、この変形速度検出手段で検出した変形速度に基づいて変形可能部材の変形量を求める変形量演算手段と、初期値が0である変形速度最大値を変形速度が上回る度にこの変形速度の値に更新する変形速度最大値更新手段と、変形速度最大値に1.0未満の第1速度定数を乗じた値に相当する値を第1基準速度と定める第1基準速度発生手段と、変形速度最大値に第1速度定数より大きく1.0未満の第2速度定数を乗じた値に相当する値を第2基準速度と定める第2基準速度発生手段と、変形速度最大値に第1変形量定数を乗じた値に相当する値を第1基準変形量と定める第1基準変形量発生手段と、変形速度最大値に第1変形量定数より大きい第2変形量定数を乗じた値に相当する値を第2基準変形量と定める第2基準変形量発生手段と、変形速度が第1基準速度から第2基準速度までの範囲内に収るとともに変形量が第1基準変形量から第2基準変形量までの範囲内に収るときに特定の障害物であると推定して推定信号を発する推定信号発生手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
車両用障害物推定装置は、障害物に車両が当ったときの変形可能部材の変形速度を検出し、この変形速度に基づいて変形可能部材の変形量を求め、変形速度が増大してピークに達したときの変形速度最大値を求め、この変形速度最大値に基づいて、第1基準速度から第2基準速度までの範囲、及び、第1基準変形量から第2基準変形量までの範囲を定め、変形速度が第1・第2基準速度の範囲内に収るとともに、変形量が第1・第2基準変形量の範囲内に収るときに、衝突した障害物が特定の障害物であると推定する。
【0011】
変形速度が第1・第2基準速度の範囲内に収るという第1条件と、変形量が第1・第2基準変形量の範囲内に収るという第2条件の、2条件を達成したか否かによって、障害物の種類を推定するだけである。従って、障害物の種類を推定するまでに要する時間を極めて短縮することができるとともに、障害物の種類をより正確に推定することができる。
【0012】
請求項2は、変形速度最大値に第1・第2速度定数より大きく1.0未満の第3速度定数を乗じた値に相当する値を第3基準速度と定める第3基準速度発生手段と、変形速度最大値に第1変形量定数より大きく第2変形量定数より小さい第3変形量定数を乗じた値に相当する値を第3基準変形量と定める第3基準変形量発生手段とを備え、
第1基準速度から第2基準速度までの範囲内で且つ第1基準変形量から第2基準変形量までの範囲内を第1の基準範囲としたときに、
第2基準速度から第3基準速度までの範囲内で且つ第1基準変形量から第3基準変形量までの範囲内を第2の基準範囲と設定し、
変形速度及び変形量が第1の基準範囲内又は第2の基準範囲内に収るときに推定信号発生手段にて特定の障害物であると推定して推定信号を発するように構成したことを特徴とする。
【0013】
障害物の種類の推定範囲を、より木目細かく設定することができるので、障害物の種類をより正確に推定することができる。
【0014】
請求項3は、推定信号発生手段が、車両のフードを上昇させる若しくはフード近傍のエアバッグを作動させるなどの二次衝突対策を講じる車両用二次衝突対策装置へ、推定信号を発するものであることを特徴とする。
【0015】
車両用二次衝突対策装置は、推定信号発生手段から特定の障害物であるとの推定信号を受けたときに、二次衝突対策を講じて障害物やエンジンルーム内の機器への衝撃力を十分に吸収する。より適格に且つ速やかに、二次衝突対策を講じることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。
【0017】
図1は本発明に係る車両用二次衝突対策装置の斜視図である。
車両用二次衝突対策装置10は、車両11の前部にエンジンルーム12を設け、エンジンルーム12の上部開口を前開き形式のフード13で塞ぎ、フード13の後端部を車体フレーム14に左右のフード保持機構20,20で開閉可能に取付けたものである。フード13は前部を、車体フレーム14にフードロック15にてロック可能である。図中、16はフロントガラスである。
【0018】
図2は本発明に係る車両用二次衝突対策装置のシステム図であり、車両11の前半部を左側から見たものである。
車両用二次衝突対策装置10は、障害物S1に車両11が衝突したときにフード13を上昇させることで二次衝突対策を講じる装置であり、左右のフード保持機構20(この図では左のみ示す。以下同じ。)と、閉じたフード13の後部を持上げるときに使用する左右のアクチュエータ30とからなる。さらに、車両用二次衝突対策装置10は車両用障害物推定装置40を備える。車両用障害物推定装置40の詳細については後述する。
【0019】
フード保持機構20は、通常時にはフード13の開閉を行うヒンジ作用を果たし、車両11に障害物S1が衝突したときには伸張したリンクでフード13の後部の上昇位置を決める連結リンク機構兼用のヒンジである。
アクチュエータ30は、後述する制御部44から電気的なアクチュエータ駆動指令信号(推定信号)siを受けたときに、図示せぬ点火装置にてガス発生剤に点火して多量のガスを発生し、ガスの急激な昇圧によってピストン31が所定ストロークだけ上昇し、フード13の後部を持ち上げるものである。
【0020】
図3は本発明に係る車両前部の側面断面図であり、車両11の前部にフロントバンパ41を設け、このフロントバンパ41の前部を覆うバンパフェイス42の内面に、バンパセンサ43を取付けたことを示す。バンパセンサ43は加速度センサである。
【0021】
なお、バンパセンサ43は、上記図1に示すように車幅方向に複数個(例えば3個)を配列してもよい。バンパセンサ43を複数個設けた場合には、これらバンパセンサ43の検出信号に基づき制御部44が制御作用をすることになる。例えば、制御部44で複数の検出信号の平均値を算出し、その平均値に基づきアクチュエータ30を制御したり、複数の検出信号のうち最も大きい信号に基づきアクチュエータ30を制御する。
【0022】
図4は本発明に係るバンパフェイス及びバンパセンサの構成図兼作用図である。
バンパフェイス42は、車両11が障害物S1に当った衝撃力に応じて変形する変形可能部材であり、例えば樹脂製品である。
想像線にて示すバンパフェイス42は、障害物S1に当った衝撃力に応じて実線にて示すように変形する。このときにバンパフェイス42における変形する部分の加速度を、バンパフェイス42に取付けられたバンパセンサ43で検出することができる。
そして、バンパセンサ43で検出した変形加速度を積分することにより、バンパフェイス42の変形速度を知ることができる。
さらには、バンパフェイス42の変形速度に基づいて演算することにより、バンパフェイス42の変形量を知ることができる。例えば、バンパフェイス42の変形速度に、バンパセンサ43で検出する時間間隔を乗算し、この乗算値を積算することにより、刻々と変化するバンパフェイス42の変形量を知ることができる。
【0023】
車両用障害物推定装置40は、障害物S1に車両11が衝突したときにその障害物S1の種類を推定して、車両用二次衝突対策装置10に推定信号siを発するものである。具体的には、車両用障害物推定装置40は、変形可能部材としてのバンパフェイス42と、バンパセンサ43と、バンパセンサ43の信号に基づいて車両用二次衝突対策装置10のアクチュエータ30に推定信号siを発する制御部44とからなる。制御部44は、例えばマイクロコンピュータである。
【0024】
図5は本発明に係るバンパフェイス及びバンパセンサの作用図である。
バンパフェイス42の前端の地上高さH1に対して、重心Gvの地上高さH2が低い障害物S2(以下、「低重心障害物S2」と言う。)に車両11が衝突すると、車両11の下部に低重心障害物S2を巻き込むことがある。その場合には、巻き込まれた低重心障害物S2によって、バンパフェイス42が車両11の下側且つ後方へ引張られるように変形する。
【0025】
次に、障害物S1や低重心障害物S2にバンパフェイス42が衝突したときの、バンパフェイス42の変形速度の変化について、図4及び図5を参照しつつ図6〜図11にて説明する。
【0026】
図6(a)〜(e)は本発明に係るバンパフェイスの変形速度グラフ(その1)であり、障害物が歩行者等の特定の障害物である場合について示す。
(a)は、横軸を時間Ti(ms、ミリ秒)とし縦軸をバンパフェイスの変形速度VB(km/h)として、特定の障害物に衝突したバンパフェイスの変形速度VBの変化を表したものである。但し、VM,VS,VT1,VT2を次のように定義する。
VS;VBの推定開始基準速度
(衝突したほぼ直後の値であり、例えば零を若干越える値)
VM;VBの変形速度最大値
VT1;VBの第1基準速度(VT1=−0.1×VM)
VT2;VBの第2基準速度(VT2=0.2×VM)
なお、−0.1及び0.2は定数である。
【0027】
(a)によれば、変形速度VBが、推定開始基準速度VSを越えて変形速度最大値VMまで増大した後に、減少して第2基準速度VT2及び第1基準速度VT1を通過する特性を有していることが判る。
(b)は、変形速度VBが第1基準速度VT1から第2基準速度VT2までの範囲内、すなわち、速度範囲VT10内に収るか否かを判定した結果を示す。変形速度VBが速度範囲VT10内に収っているときの判定結果は「1」であり、また、収っていないときの判定結果は「0」である。
【0028】
(c)は、横軸を時間Ti(ms、ミリ秒)とし縦軸をバンパフェイスの変形量SB(mm)として、特定の障害物に衝突したバンパフェイスの変形量の変化を表したものである。但し、バンパフェイスの変形量は、上記(a)の変形速度VBに基づき演算した値である。また、ST1,ST2を次のように定義する。
ST1;SBの第1基準変形量(ST1=1.0×VM)
ST2;SBの第2基準変形量(ST2=2.5×VM)
なお、1.0及び2.5は、変形速度VBの単位をkm/hとするとともに、変形量の単位をmmとしたときの定数である。
【0029】
(c)によれば、変形量SBが、第1基準変形量ST1を越えて増大した後に、第2基準変形量ST2へ達する前に減少して、再び第1基準変形量ST1以下になる特性を有していることが判る。
(d)は、変形量SBが第1基準変形量ST1から第2基準変形量ST2までの範囲内、すなわち、変形量範囲ST10内に収るか否かを判定した結果を示す。変形量SBが変形量範囲ST10内に収っているときの判定結果は「1」であり、また、収っていないときの判定結果は「0」である。
【0030】
(e)は、上記(b)の判定結果と(d)の判定結果との論理積に基づく障害物推定結果を示す。(b)における判定結果が「1」で且つ(d)における判定結果が「1」であるときに、障害物推定結果は「1」の判定となる。すなわち、上記(a)で変形速度VBが速度範囲VT10内に収っており、且つ、上記(c)で変形量SBが変形量範囲ST10内に収っている場合に、障害物推定結果は「1」となり、障害物が特定の障害物であると推定する。(e)によれば、Tfの時点で、障害物が特定の障害物であると推定することができる。
【0031】
図7は本発明に係るバンパフェイスの変形速度−変形量曲線図(その1)であり、障害物が特定の障害物である場合について示す。この図は、横軸を変形速度とし縦軸を変形量とし、上記図6の変形速度VBと変形量SBとを関連づけてVB−SB曲線として表したものである。なお、第1・第2基準速度VT1,VT2及び第1・第2基準変形量ST1,ST2についても、上記図6に示したものと同一である。
【0032】
この図によれば、障害物に衝突することにより、バンパフェイスの変形が始まると、VB−SB曲線は原点0(零)から図右上に伸びていき、やがて変形の進行につれて反時計回りに伸びていくことが判る。
具体的には、車両が障害物に衝突したときに、バンパフェイスは衝撃力によって車両後方へ変形する。衝突開始時点からバンパフェイスの変形速度VBは増大し始め、これに応じてバンパフェイスの変形量SBも増大し始める。その後、変形量SBが大きくなるにつれて、バンパフェイスの反力は大きくなる。衝撃力に対してバンパフェイスの反力が大きくなると、変形速度VBは減少していき、やがて零になり、その後、負の値となる。変形量SBは変形速度VBが零となるまで増大し、変形速度VBが負の値になるにつれて減少していく。
【0033】
ここで、第1基準速度VT1から第2基準速度VT2までの範囲で且つ第1基準変形量ST1から第2基準変形量ST2までの範囲の枠内を、ハッチングして示す。このハッチングした枠内を第1の基準範囲SP1とする。VB−SB曲線は、第1の基準範囲SP1内に点Pi1で入る。このときに、障害物が特定の障害物であると推定することができる。
【0034】
図8(a)〜(e)は本発明に係るバンパフェイスの変形速度グラフ(その2)であり、障害物が軽量物である場合について示す。但し、この図の見方及び各符号の定義については、上記図6と同じである。
(a)は、横軸を時間Ti(ms)とし縦軸をバンパフェイスの変形速度VB(km/h)として、軽量物に衝突したバンパフェイスの変形速度VBの変化を表したものである。
(b)は、変形速度VBが速度範囲VT10内に収るか否かを判定した結果を示す。変形速度VBが速度範囲VT10内に収っているときの判定結果は「1」であり、また、収っていないときの判定結果は「0」である。
【0035】
(c)は、横軸を時間Ti(ms)とし縦軸をバンパフェイスの変形量SB(mm)として、軽量物に衝突したバンパフェイスの変形量の変化を表したものである。(c)によれば、変形量SBが第1基準変形量ST1に達しないことが判る。変形速度VBが変形速度最大値VMから減少した後に短時間で零になるので、変形する時間が短いからである。
(d)は、変形量SBが変形量範囲ST10内に収るか否かを判定した結果を示す。変形量SBが変形量範囲ST10内に収っていないので、判定結果は「0」である。
【0036】
(e)は、上記(b)の判定結果と(d)の判定結果との論理積に基づく障害物推定結果を示す。(d)における判定結果が「0」であるから、障害物推定結果は「0」であり、障害物が特定の障害物ではないと推定する。
【0037】
図9は本発明に係るバンパフェイスの変形速度−変形量曲線図(その2)であり、障害物が軽量物である場合について示す。この図は、横軸を変形速度とし縦軸を変形量とし、上記図8の変形速度VBと変形量SBとを関連づけてVB−SB曲線として表したものである。なお、第1・第2基準速度VT1,VT2及び第1・第2基準変形量ST1,ST2についても、上記図8に示したものと同一である。
この図のVB−SB曲線によれば、変形速度VBが最大値から減少過程にあるときの変形量SBは、上記図7に比べ極めて小さいことが判る。従って、VB−SB曲線が第1の基準範囲SP1内に入ることはない。この結果、障害物が特定の障害物ではないと推定することができる。
【0038】
図10(a)〜(e)は本発明に係るバンパフェイスの変形速度グラフ(その3)であり、障害物が上記図5に示す低重心障害物S2である場合について示す。但し、この図の見方及び各符号の定義については、上記図6と同じである。
(a)は、横軸を時間Ti(ms)とし縦軸をバンパフェイスの変形速度VB(km/h)として、低重心障害物に衝突したバンパフェイスの変形速度VBの変化を表したものである。
(b)は、変形速度VBが速度範囲VT10内に収るか否かを判定した結果を示す。変形速度VBが速度範囲VT10内に収っているときの判定結果は「1」であり、また、収っていないときの判定結果は「0」である。
【0039】
(c)は、横軸を時間Ti(ms)とし縦軸をバンパフェイスの変形量SB(mm)として、低重心障害物に衝突したバンパフェイスの変形量の変化を表したものである。(c)によれば、変形量SBが、第1基準変形量ST1を越えて増大した後に、第2基準変形量ST2をも越えて増大することが判る。変形速度VBが変形速度最大値VMから減少して零になるのに、比較的長時間かかるので、変形する時間が長いからである。この場合、変形量SBが変形量範囲ST10内に収っているときには、(a)における変形速度VBは速度範囲VT10内に収っていない。
(d)は、変形量SBが変形量範囲ST10内に収るか否かを判定した結果を示す。変形量SBが変形量範囲ST10内に収っているときの判定結果は「1」であり、また、収っていないときの判定結果は「0」である。
【0040】
(e)は、上記(b)の判定結果と(d)の判定結果との論理積に基づく障害物推定結果を示す。(b)における判定結果が「1」であるときには、(d)における判定結果が「0」であるから、障害物推定結果は「0」であり、障害物が特定の障害物ではないと推定する。
【0041】
図11は本発明に係るバンパフェイスの変形速度−変形量曲線図(その3)であり、障害物が低重心障害物である場合について示す。この図は、横軸を変形速度とし縦軸を変形量とし、上記図10の変形速度VBと変形量SBとを関連づけてVB−SB曲線として表したものである。なお、第1・第2基準速度VT1,VT2及び第1・第2基準変形量ST1,ST2についても、上記図10に示したものと同一である。
この図のVB−SB曲線によれば、変形速度VBが最大値から減少過程にあるときの変形量SBは、上記図7に比べ極めて大きいことが判る。従って、VB−SB曲線が第1の基準範囲SP1内に入ることはない。この結果、障害物が特定の障害物ではないと推定することができる。
【0042】
本発明者等は、このようにバンパフェイス42(図4参照)が当った障害物の種類に応じて、バンパフェイス42の変形速度VB並びに変形量SBが刻々と変化する特性(VB−SB曲線)が異なることを知見した。
すなわち、(1)障害物が軽量物である場合には、図9に示すように、変形速度VBが最大値から減少過程にあるときの変形量SBは、特定の障害物に比べ極めて小さい。また、(2)障害物が低重心障害物である場合には、図11に示すように、変形速度VBが最大値から減少過程にあるときの変形量SBは、特定の障害物に比べ極めて大きい。
【0043】
本発明は、このように変形速度VBが最大値VMまで増大した時点から減少過程にあるときに、変形量SBの特性が障害物S1の種類に応じて異なることを利用して、予め設定した第1の基準範囲SP1内にVB−SB曲線(すなわち、変形速度VS及び変形量SB)が入るときに、障害物が特定の障害物であると推定することを特徴とする。このような推定方法は、障害物の種類を正確に推定できるので、極めて有効な推定方法であると言える。
【0044】
図12は本発明に係る制御部の制御フローチャートであり、制御部44(図4参照)をマイクロコンピュータとした場合の制御フローを表したものである。図中、STP××はステップ番号を示す。以下、図4を参照しつつ説明する。
【0045】
STP01;全ての値を初期設定する(例:変形速度最大値VM=0、F=0)。
STP02;バンパセンサ43にて検出したバンパフェイス42の変形加速度GBを読み込み、「STP09」に進む。
STP09;変形加速度GBからバンパフェイス42の変形速度VBを算出する。例えば、変形加速度GBを積分することにより変形速度VBを得る。
STP10;変形速度VBからバンパフェイス42の変形量SBを算出する。例えば、変形速度VBに、バンパセンサ43で検出する時間間隔を乗算し、この乗算値を積算することにより変形量SBを得る。
【0046】
STP11;変形速度VBが予め定めた推定開始基準速度VSに達したか否かを判定し、YESであれば「STP12」に進み、NOであれば「STP13」に進む。
STP12;フラグFを「1」とする。
STP13;フラグF=1であるか否かを判定し、YESであれば「STP14」に進み、NOであれば「STP02」に戻る。
【0047】
STP14;変形速度VBがこれより前に検出した旧変形速度の最大値VMより大きいか否かを判定し、YESであれば「STP15」に進み、NOであれば「STP16」に進む。
STP15;変形速度VBを変形速度最大値VMと定める。
【0048】
STP16;変形速度最大値VMに応じて第1基準速度VT1を設定する。具体的には、変形速度最大値VMに予め定めた1.0未満の第1速度定数CV1を乗じた値を第1基準速度VT1と定める(VT1=VM×CV1)。
STP17;変形速度最大値VMに応じて第2基準速度VT2を設定する。具体的には、変形速度最大値VMに第1速度定数CV1より大きく1.0未満の予め定めた第2速度定数CV2を乗じた値を第2基準速度VT2と定める(VT2=VM×CV2)。
STP19;変形速度最大値VMに応じて第1基準変形量ST1を設定する。具体的には、変形速度最大値VMに予め定めた第1変形量定数CS1を乗じた値を第1基準変形量ST1と定める(ST1=VM×CS1)。
STP20;変形速度最大値VMに応じて第2基準変形量ST2を設定する。具体的には、変形速度最大値VMに第1変形量定数CS1より大きい予め定めた第2変形量定数CS2を乗じた値を第2基準変形量ST2と定める(ST2=VM×CS2)。
【0049】
STP22;変形速度VBが第1基準速度VT1から第2基準速度VT2までの範囲内に収るか否かを判定し、YESであれば「STP23」に進み、NOであれば「STP02」に戻る。
STP23;変形量SBが第1基準変形量ST1から第2基準変形量ST2までの範囲内に収るか否かを判定し、YESであれば「STP26」に進み、NOであれば「STP02」に戻る。
STP26;車両11が衝突した障害物S1は特定の障害物であると推定して推定信号si(例えば、アクチュエータ駆動指令信号si)を発し、制御を終了する。
【0050】
ここで、図4を参照しつつ車両用障害物推定装置40の、より具体的な構成を説明する。車両用障害物推定装置40は、次の(1)〜(10)を備える。
(1)変形可能部材としてのバンパフェイス42(図4参照)。
(2)バンパフェイス42の変形速度VBを検出する変形速度検出手段51。変形速度検出手段51は、バンパセンサ43(図4参照)及びステップSTP02並びにSTP09の組合せからなる。
【0051】
(3)変形速度検出手段51で検出した変形速度VBに基づいてバンパフェイス42の変形量SBを求める変形量演算手段52。変形量演算手段52はステップSTP10からなる。
(4)変形速度VBが予め定めた推定開始基準速度VSに一度達したときから、障害物S1(図4参照)の種類の推定を開始する推定開始手段53。推定開始手段53は、ステップSTP11〜STP13の組合せからなる。推定開始基準速度VSに一度達すると、その後の変形速度VBの大きさにかかわらず、障害物S1の種類の推定を続けることができる。
【0052】
(5)変形速度VBをこれより前に検出した旧変形速度の最大値VMと比較して大きい方を変形速度最大値VMと定める変形速度最大値更新手段54。変形速度最大値更新手段54は、ステップSTP14及びSTP15の組合せからなる。ステップSTP14及びSTP15によれば、変形速度VBが増す度に変形速度最大値VMを最も大きい値に更新することにより、障害物S1の種類に応じた変形速度最大値VMを設定することができる。
【0053】
(6)変形速度最大値VMに1.0未満の第1速度定数CV1、例えば−0.1を乗じた値に相当する値を第1基準速度VT1と定める第1基準速度発生手段55。第1基準速度発生手段55はステップSTP16からなる。
(7)変形速度最大値VMに1.0未満で第1速度定数CV1より大きい第2速度定数CV2、例えば0.2を乗じた値に相当する値を第2基準速度VT2と定める第2基準速度発生手段56。第2基準速度発生手段56はステップSTP17からなる。
【0054】
(8)変形速度最大値VMに第1変形量定数CS1、例えば1.0を乗じた値に相当する値を第1基準変形量ST1と定める第1基準変形量発生手段58。第1基準変形量発生手段58はステップSTP19からなる。
(9)変形速度最大値VMに第1変形量定数CS1より大きい第2変形量定数CS2、例えば2.5を乗じた値に相当する値を第2基準変形量ST2と定める第2基準変形量発生手段59。第2基準変形量発生手段59はステップSTP20からなる。
【0055】
(10)変形速度VBが第1基準速度VT1から第2基準速度VT2までの範囲内に収るとともに、変形量SBが第1基準変形量ST1から第2基準変形量ST2までの範囲内に収るときに、特定の障害物S1であると推定して推定信号siを発する推定信号発生手段61。推定信号発生手段61はステップSTP22、STP23及びSTP26の組合せからなる。
【0056】
以上の説明から明らかなように、本発明の車両用障害物推定装置40によれば、(1)障害物S1に車両11が当ったときのバンパフェイス42の変形速度VBを検出し、(2)この変形速度VBに基づいてバンパフェイス42の変形量SBを求め、(3)変形速度VBが増大してピークに達したときの変形速度最大値VMを求め、(4)この変形速度最大値VMに基づいて、第1基準速度VT1から第2基準速度VT2までの範囲、及び、第1基準変形量ST1から第2基準変形量ST2までの範囲を定め、(5)変形速度VBが第1・第2基準速度VT1,VT2の範囲内に収るとともに、変形量SBが第1・第2基準変形量ST1,ST2の範囲内に収るときに、衝突した障害物S1が特定の障害物(例えば歩行者)であると推定することができる。
【0057】
このように、本発明の車両用障害物推定装置40は、障害物S1に変形可能部材としてのバンパフェイス42が当ったときに、このバンパフェイス42の変形速度波形特性(変形速度VBが刻々と変化する特性)が障害物S1の重量等の種類によって異なることを応用したものである。
【0058】
従って、障害物S1の種類を推定するために、変形速度検出手段51という単一の検出手段だけを用いたので、検出手段の数を減らすことができる。しかも、単一の検出手段で一方向の変形速度VBを検出するだけですむので、検出時間を短縮することができる。
【0059】
さらには、変形速度VBが最大値VMまで増大した時点から減少過程にあるときに、変形量SBの特性が障害物S1の種類に応じて異なることを利用して、予め設定した第1の基準範囲SP1内にVB−SB曲線が入るか否かによって、障害物S1の種類を推定するだけなので、障害物S1の種類を推定するまでに要する時間を極めて短縮することができるとともに、障害物S1の種類をより正確に推定することができる。
【0060】
さらにまた、車両11が障害物S1に衝突したときに、障害物S1には車両前端のバンパフェイス42が最も先に当る。先に当るバンパフェイス42が変形したときの変形速度VB並びに変形量SBというデータだけを、障害物S1の種類を推定するのに用いた。従って、より一層短時間で障害物S1の種類を推定することができる。
【0061】
また、障害物S1の種類に応じて異なる変形速度最大値VMに所定の定数を乗じた値に相当する値を、第1・第2基準速度VT1,VT2及び第1・第2基準変形量ST1,ST2と定めたので、障害物S1への衝突速度にかかわらず、障害物S1の種類をより一層正確に推定することができる。
【0062】
ところで、上記ステップSTP16、STP17、STP19及びSTP20は、変形速度最大値VMに応じて次の図13及び図14に示すマップを参照することにより、VT1、VT2、ST1及びST2を設定することができる。
【0063】
図13(a),(b)は本発明に係る基準速度設定説明図である。
(a)は、横軸を変形速度最大値VMとし縦軸を基準速度VTとする、変形速度最大値VM−基準速度VT対応図であり、変形速度最大値VMに応じた第1・第2基準速度VT1,VT2を示す。線VT1は、第1基準速度VT1=VM×CV1の算出式に基づき、線VT2は、第2基準速度VT2=VM×CV2の算出式に基づく。
【0064】
(b)は、上記(a)に基づいて作成したマップであり、変形速度最大値VMに応じた第1・第2基準速度VT1,VT2を示す。
このように、制御部44(図4参照)のメモリに予めマップを設定しておき、上記ステップSTP16及びSTP17において、変形速度最大値VMに応じてマップを参照することで、第1・第2基準速度VT1,VT2を設定することができる。すなわち、マップを参照することで設定した第1・第2基準速度VT1,VT2は、上記(a)の算出式で求めた値に相当する値である。
【0065】
図14(a),(b)は本発明に係る基準変形量設定説明図である。
(a)は、横軸を変形速度最大値VMとし縦軸を基準変形量STとする、変形速度最大値VM−基準変形量ST対応図であり、変形速度最大値VMに応じた第1・第2基準変形量ST1,ST2を示す。線ST1は、第1基準変形量ST1=VM×CS1の算出式に基づき、線ST2は、第2基準変形量ST2=VM×CS2の算出式に基づく。
【0066】
(b)は、上記(a)に基づいて作成したマップであり、変形速度最大値VMに応じた第1・第2基準変形量ST1,ST2を示す。
このように、制御部44(図4参照)のメモリに予めマップを設定しておき、上記ステップSTP19及びSTP20において、変形速度最大値VMに応じてマップを参照することで、第1・第2基準変形量ST1,ST2を設定することができる。すなわち、マップを参照することで設定した第1・第2基準変形量ST1,ST2は、上記(a)の算出式で求めた値に相当する値である。
【0067】
図15は本発明に係る制御部(第1変形例)の制御フローチャートであり、上記図12に示す制御フローチャートのうち、ステップSTP02とSTP09の間に、破線の枠で囲ったステップSTP03〜STP08を追加したものである。
STP03;STP02に次いで、変形加速度GBが所定の基準加速度GTを越えたか否かを判定し、YESであれば「STP04」に進み、NOであれば「STP06」に進む。
STP04;図4に示す制御部44に組込まれたタイマ45の経過時間TCをリセット(TC=0)する。
STP05;タイマ45を始動させて「STP09」に進む。
【0068】
STP06;タイマ45が始動してからの経過時間TCが所定の基準時間THに達したか否かを判定し、YESであれば「STP09」に進み、NOであれば「STP07」に進む。
STP07;タイマ45を停止させる。
STP08;変形速度最大値VM=0、経過時間TC=0、F=0にリセットして「STP02」に戻る。
このようにして、変形加速度GBが微小な基準加速度GTを越えた後に、再び基準加速度GTを越えない状態で一定時間を経過した後には、振出しに戻す。
【0069】
図16は本発明に係る制御部(第2変形例)の制御フローチャートであり、上記図12に示す制御フローチャートに、ステップSTP18,STP21,STP24,STP25を追加したものである。以下、ステップSTP16〜STP26についてのみ説明する。
【0070】
STP16;変形速度最大値VMに応じて第1基準速度VT1を設定する。
STP17;変形速度最大値VMに応じて第2基準速度VT2を設定する。
STP18;変形速度最大値VMに応じて第3基準速度VT3を設定する。具体的には、変形速度最大値VMに第1・第2速度定数CV1,CV2とは異なる1.0未満の第3速度定数CV3を乗じた値を第3基準速度VT3と定める(VT3=VM×CV3)。第3速度定数CV3は、例えば第1・第2速度定数CV1,CV2より大きい値である。
【0071】
STP19;変形速度最大値VMに応じて第1基準変形量ST1を設定する。
STP20;変形速度最大値VMに応じて第2基準変形量ST2を設定する。
STP21;変形速度最大値VMに応じて第3基準変形量ST3を設定する。具体的には、変形速度最大値VMに第1・第2変形量定数CS1,CS2とは異なる第3変形量定数CS3を乗じた値を第3基準変形量ST3と定める(ST3=VM×CS3)。第3変形量定数CS3は、例えば第1変形量定数CS1より大きく第2変形量定数CS2より小さい値である。
【0072】
STP22;変形速度VBが第1基準速度VT1から第2基準速度VT2までの範囲内(VT1<VB<VT2)に収るか否かを判定し、YESであれば「STP23」に進み、NOであれば「STP24」に進む。
STP23;変形量SBが第1基準変形量ST1から第2基準変形量ST2までの範囲内に収るか否かを判定し、YESであれば「STP26」に進み、NOであれば「STP24」に進む。
【0073】
STP24;変形速度VBが第2基準速度VT2から第3基準速度VT3までの範囲内(VT2≦VB<VT3)に収るか否かを判定し、YESであれば「STP25」に進み、NOであれば「STP02」に戻る。
STP25;変形量SBが第1基準変形量ST1から第3基準変形量ST3までの範囲内に収るか否かを判定し、YESであれば「STP26」に進み、NOであれば「STP02」に戻る。
【0074】
STP26;車両11が衝突した障害物S1は特定の障害物であると推定して推定信号si(例えば、アクチュエータ駆動指令信号si)を発し、制御を終了する。
【0075】
ここで、図4を参照しつつ変形例の車両用障害物推定装置40の、より具体的な構成を説明する。変形例の車両用障害物推定装置40は、次の(1)〜(12)を備える。
(1)変形可能部材としてのバンパフェイス42(図4参照)。
(2)バンパセンサ43及びステップSTP02並びにSTP09の組合せからなる変形速度検出手段51。
(3)ステップSTP10からなる変形量演算手段52。
(4)ステップSTP11〜STP13からなる推定開始手段53。
(5)ステップSTP14〜STP15からなる変形速度最大値更新手段54。
(6)ステップSTP16からなる第1基準速度発生手段55。
(7)ステップSTP17からなる第2基準速度発生手段56。
【0076】
(8)変形速度最大値VMに第1・第2速度定数CV1,CV2とは異なる1.0未満の第3速度定数CV3を乗じた値に相当する値を第3基準速度VT3と定める第3基準速度発生手段57。第3基準速度発生手段57はステップSTP18からなる。
(9)ステップSTP19からなる第1基準変形量発生手段58。
(10)ステップSTP20からなる第2基準変形量発生手段59。
(11)変形速度最大値VMに第1・第2変形量定数CS1,CS2とは異なる第3変形量定数CS3を乗じた値に相当する値を第3基準変形量ST3と定める第3基準変形量発生手段60。第3基準変形量発生手段60はステップSTP21からなる。
【0077】
(12)次の条件▲1▼又は条件▲2▼のときに特定の障害物S1であると推定して推定信号siを発する推定信号発生手段61A。推定信号発生手段61AはステップSTP22〜STP26の組合せからなる。
条件▲1▼;変形速度VBが第1基準速度VT1から第2基準速度VT2までの範囲内に収るとともに、変形量SBが第1基準変形量ST1から第2基準変形量ST2までの範囲内に収るとき。
条件▲2▼;変形速度VBが第2基準速度VT2から第3基準速度VT3までの範囲内に収るとともに、変形量SBが第1基準変形量ST1から第3基準変形量ST3までの範囲内に収るとき。
【0078】
ところで、上記ステップSTP16〜STP21は、変形速度最大値VMに応じて上記図13及び図14に示すマップを参照することにより、VT1〜VT3、ST1〜ST3を設定することができる。
図13(a)において、線VT3は第3基準速度VT3=VM×CV3の算出式に基づく。図13(b)のマップは、変形速度最大値VMに応じた第3基準速度VT3を示す。
図14(a)において、線ST3は第3基準変形量ST3=VM×CS3の算出式に基づく。図14(b)のマップは、変形速度最大値VMに応じた第3基準変形量ST3を示す。
【0079】
このように、制御部44(図4参照)のメモリに予めマップを設定しておき、上記ステップSTP18及びSTP21において、変形速度最大値VMに応じてマップを参照することで、第3基準速度VT3及び第3基準変形量ST3を設定することができる。すなわち、マップを参照することで設定した第3基準速度VT3及び第3基準変形量ST3は、上記図13(a)並びに上記図14(a)の算出式で求めた値に相当する値である。
【0080】
次に、上記図16に示す制御部(第2変形例)の制御フローチャートを適用して、障害物の種類を推定する例を図17及び図18に基づき説明する。
図17は本発明に係るバンパフェイスの変形速度−変形量曲線図(その4)であり、障害物が特定の障害物である場合について示す。この図は上記図7に更に第2の基準範囲SP2を設定したことを示す。VB−SB曲線自体も図7に示す曲線と同一である。
【0081】
ここで、VT3,ST3,SP2を次のように定義する。
VT3;VBの第3基準速度(変形速度最大値VMに1.0未満の定数を乗じた値。VT1<VT2<VT3。)
ST3;SBの第3基準変形量(ST1<ST3<ST2)
SP2;第2の基準範囲(第2基準速度VT2から第3基準速度VT3までの範囲内で且つ第1基準変形量ST1から第3基準変形量ST3までの範囲の枠内)
【0082】
VB−SB曲線が第1の基準範囲SP1に入ったとき又は第2の基準範囲SP2に入ったときに、障害物が特定の障害物であると判定することができる。例えば、この図のように障害物が特定の障害物である場合には、VB−SB曲線は、点Pi2で第2の基準範囲SP2に入る。このときに、障害物が特定の障害物であると推定する。
【0083】
図18は本発明に係るバンパフェイスの変形速度−変形量曲線図(その5)であり、障害物が低重心障害物である場合について示す。この図は上記図11に更に第2の基準範囲SP2を設定したことを示す。VB−SB曲線自体も図11に示す曲線と同一である。なお、VT3,ST3,SP2の定義については、上記図15に示す定義と同一である。
この図によれば、VB−SB曲線が第1・第2の基準範囲SP1,SP2に入ることはない。従って、障害物が特定の障害物ではないと推定する。
【0084】
以上の説明をまとめると、第2変形例の制御部44を備える車両用障害物推定装置40は、第1の基準範囲SP1とは異なるとともに、第1・第2・第3基準速度VT1,VT2,VT3同士の組合せに基づく範囲内で、且つ、第1・第2・第3基準変形量ST1,ST2,ST3同士の組合せに基づく範囲内を、第2の基準範囲SP2と設定し、VB−SB曲線、すなわち変形速度VS及び変形量SBが第1の基準範囲SP1内又は第2の基準範囲SP2内に収るときに、障害物が特定の障害物であると推定するようにしたことを特徴とする。
従って、障害物の種類の推定範囲を、より木目細かく設定することができるので、障害物の種類をより正確に推定することができる。
【0085】
次に、上記構成の車両用二次衝突対策装置10の作用を、図19〜図22に基づき説明する。
図19は本発明に係る車両用二次衝突対策装置の作用図(その1)であり、フード13を下げてエンジンルーム12を閉じた通常の状態を示す。このとき、フード保持機構20は折畳んだ状態にある。
フード13は、ピン21を支点として上下スイング可能である。フード13を想像線で示すように開けることで、エンジンルーム12に収納された機器17の保守・点検作業をすることができる。
【0086】
図20は本発明に係る車両用二次衝突対策装置の作用図(その2)であり、フード13を下げてエンジンルーム12を閉じた通常の状態を示す。
制御部44は、衝突した障害物S1が特定の障害物であると推定したときに、アクチュエータ30へ推定信号(アクチュエータ駆動指令信号)siを発する。アクチュエータ30は持上げ作動を開始し、ピストン31を高速で突出すことにより、フード13の後部裏面13aを突き上げる。
【0087】
図21は本発明に係る車両用二次衝突対策装置の作用図(その3)であり、ピストン31を所定の最大高さだけ高速で突出すことにより、フード13を想像線で示す元の高さから実線で示す高さまで、突き上げたことを示す。フード13は慣性により、更に持上がる。フード13の上昇に伴って、フード保持機構20も起立する。
【0088】
図22は本発明に係る車両用二次衝突対策装置の作用図(その4)であり、フード保持機構20が全開開度になってスイングを停止したことを示す。このため、フード13はこれ以上持上がることができない。この結果、フード13の後部は、想像線で示す元の位置から実線で示す位置へ、所定量(100〜200mm)だけ持上がったことになる。フード保持機構20は、フード13を持上がった位置で保持させる。
【0089】
所定量だけ持上がったフード13から、エンジンルーム12に収納されたエンジン等の機器17までの、距離は大きい。この結果、フード13の下方への変形可能量は増大する。このため、車両11に衝突された障害物S1がフード13に衝突したときに、持上がったフード13を想像線にて示すように大いに変形させることで、衝撃力を十分に吸収させることができる。従って、機器17を障害物S1から保護することができるとともに、障害物S1への衝撃も十分に緩和することができる。
【0090】
以上の説明をまとめると、車両用障害物推定装置40は、車両11に衝突された障害物S1が特定の障害物であると推定したときに、制御部44から車両用二次衝突対策装置10へ推定信号siを発する。車両用二次衝突対策装置10は、推定信号siを受けてフード13を上昇させることで、より適格に且つ速やかに二次衝突対策を講じる。フード13は、機器17や障害物S1への衝撃力を十分に吸収する。
【0091】
図23は本発明に係る車両用車両用二次衝突対策装置(変形例)のシステム図である。
変形例の車両用二次衝突対策装置70は、障害物S1に車両11が衝突したときにフード13の近傍に備えたエアバッグ72を作動させることで二次衝突対策を講じるものである。衝突した障害物S1が特定の障害物であると車両用障害物推定装置40が推定して、制御部44からエアバッグモジュール71へ推定信号siを発することで、エアバッグ72を膨張させることができる。そして、エアバッグ72を膨張させて二次衝突対策を講じることにより、エンジンルーム12に収納された機器17(図22参照)や障害物S1への衝撃力をエアバッグ72にて十分に吸収させることができる。
【0092】
なお、上記本発明の実施の形態において、変形可能部材は、バンパフェイス42に限定するものではなく、車両11が障害物S1に当った衝撃力に応じて変形するように車両11の備えるものであればよい。
また、変形速度検出手段51は、バンパフェイス42等の変形可能部材の変形速度VBを検出するものであればよい。
さらにまた、車両用障害物推定装置40において、推定開始基準速度VS、第1〜3速度定数CV1,CV2,CV3、第1〜3変形量定数CS1,CS2,CS3、基準加速度GT、基準時間THの各値は任意であり、特定の障害物の基準を適宜設定することにより、決めればよい。
また、上記図16に示す制御部の制御フローチャートに、更に、上記図15で破線の枠で囲ったステップSTP03〜STP08を追加することは任意である。
【0093】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1によれば、(1)障害物に車両が当ったときの変形可能部材の変形速度を検出し、(2)この変形速度に基づいて変形可能部材の変形量を求め、(3)変形速度が増大してピークに達したときの変形速度最大値を求め、(4)この変形速度最大値に基づいて、第1基準速度から第2基準速度までの範囲、及び、第1基準変形量から第2基準変形量までの範囲を定め、(5)変形速度が第1・第2基準速度の範囲内に収るとともに、変形量が第1・第2基準変形量の範囲内に収るときに、衝突した障害物が特定の障害物であると推定することができる。
この推定のために、変形速度検出手段という単一の検出手段だけを用いたので、検出手段の数を減らすことができる。しかも、単一の検出手段で一方向の変形速度を検出するだけですむので、検出時間を短縮することができる。
【0094】
さらには、請求項1は、変形速度が最大値まで増大した時点から減少過程にあるときに、変形量の特性が障害物の種類に応じて異なることを利用したものである。この特性を利用して、変形速度が第1・第2基準速度の範囲内に収るという第1条件と、変形量が第1・第2基準変形量の範囲内に収るという第2条件の、2条件を達成したか否かによって、障害物の種類を推定することができる。従って、障害物の種類を推定するまでに要する時間を極めて短縮することができるとともに、障害物の種類をより正確に推定することができる。
【0095】
さらにまた、障害物の種類に応じて異なる変形速度最大値に所定の定数を乗じた値に相当する値を、第1・第2基準速度及び第1・第2基準変形量と定めたので、障害物への衝突速度にかかわらず、障害物の種類をより一層正確に推定することができる。
【0096】
請求項2によれば、第1の基準範囲とは異なるとともに、第2基準速度から第3基準速度までの範囲内で且つ第1基準変形量から第3基準変形量までの範囲内を第2の基準範囲と設定し、変形速度及び変形量が第1の基準範囲内又は第2の基準範囲内に収るときに、障害物が特定の障害物であると推定するようにしたので、障害物の種類の推定範囲を、より木目細かく設定することができる。この結果、障害物の種類をより正確に推定することができる。
【0097】
請求項3は、推定信号発生手段から、車両のフードを上昇させる若しくはフード近傍のエアバッグを作動させるなどの二次衝突対策を講じるための車両用二次衝突対策装置に、推定信号を発するように構成したので、より適格に且つ速やかに二次衝突対策を講じることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用二次衝突対策装置
【図2】本発明に係る車両用車両用二次衝突対策装置のシステム図
【図3】本発明に係る車両前部の側面断面図
【図4】本発明に係るバンパフェイス及びバンパセンサの構成図兼作用図
【図5】本発明に係るバンパフェイス及びバンパセンサの作用図
【図6】本発明に係るバンパフェイスの変形速度グラフ(その1)
【図7】本発明に係るバンパフェイスの変形速度−変形量曲線図(その1)
【図8】本発明に係るバンパフェイスの変形速度グラフ(その2)
【図9】本発明に係るバンパフェイスの変形速度−変形量曲線図(その2)
【図10】本発明に係るバンパフェイスの変形速度グラフ(その3)
【図11】本発明に係るバンパフェイスの変形速度−変形量曲線図(その3)
【図12】本発明に係る制御部の制御フローチャート
【図13】本発明に係る基準速度設定説明図
【図14】本発明に係る基準変形量設定説明図
【図15】本発明に係る制御部(第1変形例)の制御フローチャート
【図16】本発明に係る制御部(第2変形例)の制御フローチャート
【図17】本発明に係るバンパフェイスの変形速度−変形量曲線図(その4)
【図18】本発明に係るバンパフェイスの変形速度−変形量曲線図(その5)
【図19】本発明に係る車両用二次衝突対策装置の作用図(その1)
【図20】本発明に係る車両用二次衝突対策装置の作用図(その2)
【図21】本発明に係る車両用二次衝突対策装置の作用図(その3)
【図22】本発明に係る車両用二次衝突対策装置の作用図(その4)
【図23】本発明に係る車両用車両用二次衝突対策装置(変形例)のシステム図
【図24】特開平8−216826号公報の図6及び図7に基づき作成した説明図
【符号の説明】
10,70…車両用二次衝突対策装置、11…車両、13…フード、40…車両用障害物推定装置、42…変形可能部材(バンパフェイス)、44…制御部、45…タイマ、51…変形速度検出手段、52…変形量演算手段、53…推定開始手段、54…変形速度最大値更新手段、55…第1基準速度発生手段、56…第2基準速度発生手段、57…第3基準速度発生手段、58…第1基準変形量発生手段、59…第2基準変形量発生手段、60…第3基準変形量発生手段、61,61A…推定信号発生手段、72…エアバッグ、CS1…第1変形量定数、CS2…第2変形量定数、CS3…第3変形量定数、CV1…第1速度定数、CV2…第2速度定数、CV3…第3速度定数、S1,S2…障害物、SB…変形量、si…推定信号、SP1…第1の基準範囲、SP2…第2の基準範囲、ST1…第1基準変形量、ST2…第2基準変形量、ST3…第3基準変形量、VB…変形速度、VM…変形速度最大値、VT1…第1基準速度、VT2…第2基準速度、VT3…第3基準速度。
Claims (3)
- 障害物に車両が衝突したときに、その障害物の種類を推定する車両用障害物推定装置において、
この車両用障害物推定装置は、前記車両が前記障害物に当った衝撃力に応じて変形する変形可能部材と、この変形可能部材の変形速度を検出する変形速度検出手段と、この変形速度検出手段で検出した変形速度に基づいて前記変形可能部材の変形量を求める変形量演算手段と、初期値が0である変形速度最大値を前記変形速度が上回る度にこの変形速度の値に更新する変形速度最大値更新手段と、前記変形速度最大値に1.0未満の第1速度定数を乗じた値に相当する値を第1基準速度と定める第1基準速度発生手段と、前記変形速度最大値に前記第1速度定数より大きく1.0未満の第2速度定数を乗じた値に相当する値を第2基準速度と定める第2基準速度発生手段と、前記変形速度最大値に第1変形量定数を乗じた値に相当する値を第1基準変形量と定める第1基準変形量発生手段と、前記変形速度最大値に前記第1変形量定数より大きい第2変形量定数を乗じた値に相当する値を第2基準変形量と定める第2基準変形量発生手段と、前記変形速度が前記第1基準速度から第2基準速度までの範囲内に収るとともに前記変形量が前記第1基準変形量から第2基準変形量までの範囲内に収るときに特定の障害物であると推定して推定信号を発する推定信号発生手段と、を備えたことを特徴とする車両用障害物推定装置。 - 請求項1記載の車両用障害物推定装置は、前記変形速度最大値に前記第1・第2速度定数より大きく1.0未満の第3速度定数を乗じた値に相当する値を第3基準速度と定める第3基準速度発生手段と、前記変形速度最大値に前記第1変形量定数より大きく前記第2変形量定数より小さい第3変形量定数を乗じた値に相当する値を第3基準変形量と定める第3基準変形量発生手段とを備え、
前記第1基準速度から第2基準速度までの範囲内で且つ前記第1基準変形量から第2基準変形量までの範囲内を第1の基準範囲としたときに、
前記第2基準速度から第3基準速度までの範囲内で且つ前記第1基準変形量から第3基準変形量までの範囲内を第2の基準範囲と設定し、
前記変形速度及び前記変形量が第1の基準範囲内又は第2の基準範囲内に収るときに前記推定信号発生手段にて特定の障害物であると推定して推定信号を発するように構成したことを特徴とする車両用障害物推定装置。 - 前記推定信号発生手段は、車両のフードを上昇させる若しくはフード近傍のエアバッグを作動させるなどの二次衝突対策を講じる車両用二次衝突対策装置へ、前記推定信号を発するものであることを特徴とした請求項1又は請求項2記載の車両用障害物推定装置。
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