JP2002036995A - 車両用障害物推定装置 - Google Patents
車両用障害物推定装置Info
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Abstract
時間に推定する。 【解決手段】 推定装置は、障害物に当って変形するバ
ンパフェイス、バンパフェイスの変形速度VBを検出す
る変形速度検出手段51、VBからバンパフェイスの変
形量SBを得る変形量演算手段52、VBの最大値を最大
値VMとする変形速度最大値更新手段54、VMに1.0未
満の定数CV1を乗じて基準値VT1を得る第1基準速度
発生手段55、VMにCV1より大で1.0未満の定数CV2
を乗じて基準値VT2を得る第2基準速度発生手段5
6、VMに定数CS1を乗じて基準値ST1を得る第1基
準変形量発生手段58、VMにCS1より大の定数CS2
を乗じて基準値ST2を得る第2基準変形量発生手段5
9、VT1<VB<VT2 且つ ST1<SB<ST2 の時
に特定の障害物と推定する推定信号発生手段61からな
る。
Description
突したときにその障害物の種類を推定する車両用障害物
推定装置に関する。
障害物の種類を推定し、種類に応じてフード近傍のエア
バッグを作動させるなどの二次衝突対策を講じる装置を
備えるものが知られている。この種の装置としては、例
えば特開平8−216826号公報「フードエアバッグ
センサシステム」が知られている。以下、この従来の技
術について説明する。
826号公報の図6及び図7に基づき作成した説明図で
ある。なお、各構成要素の名称や符号については適宜変
更した。(a)は、車両101が歩行者等の特定の障害
物S11に衝突したことを示す。フードエアバッグセン
サシステム100は、車両101のフロントバンパ10
2にバンパセンサ103を備えるとともに、フード10
4の下にフードセンサ105を備える。バンパセンサ1
03は略水平方向からの荷重を検出するセンサであり、
フードセンサ105は略垂直方向からの荷重を検出する
センサである。フードエアバッグセンサシステム100
の制御装置106は、バンパセンサ103及びフードセ
ンサ105が共に荷重を検出したときにのみ、衝突した
障害物S11が特定の障害物であると推定して、フード
エアバッグモジュール107へ制御信号を出力する。こ
の制御信号に応じて、フード104近傍のフードエアバ
ッグ108は膨張する。
S12に衝突したことを示す。バンパセンサ103だけ
が荷重を検出したときには、制御装置106は、衝突し
た障害物S12が特定の障害物ではないと推定する。こ
の場合には、制御装置106はフードエアバッグモジュ
ール107へ制御信号を出力しないので、フードエアバ
ッグ108は膨張しない。
ム100は、先ずバンパセンサ103が荷重を検出し、
次にフードセンサ105が荷重を検出し、この2つの検
出信号に基づいて障害物S11が特定の障害物であると
推定して、二次衝突対策を講じる。
バッグセンサシステム100は、バンパセンサ103で
荷重を検出した後に、フードセンサ105で荷重を検出
するという、2段階の検出方法を採用したシステムであ
る。ところが、バンパセンサ103が荷重を検出してか
らフードセンサ105が荷重を検出するまでの経過時間
は、一定ではない。経過時間が長いと、制御装置106
が障害物S11,S12の種類を推定するのに要する時
間も長くならざるを得ない。障害物S11,S12の種
類を推定するのに時間がかかることは好ましいことでは
ない。
はない場合であっても、バンパセンサ103で荷重を検
出した後に、フードセンサ105が荷重を検出すること
は有り得る。この場合に制御装置106は、障害物S1
1が特定の障害物であると誤って推定することになる。
すなわち、障害物S11の種類判定にエラーが発生する
可能性がある。このようなエラーの発生は好ましいこと
ではない。
害物の種類の推定時間を短縮できるとともに、障害物の
種類をより正確に推定できる技術を提供することにあ
る。
に請求項1は、障害物に車両が衝突したときに、その障
害物の種類を推定する車両用障害物推定装置において、
この車両用障害物推定装置は、車両が障害物に当った衝
撃力に応じて変形する変形可能部材と、この変形可能部
材の変形速度を検出する変形速度検出手段と、この変形
速度検出手段で検出した変形速度に基づいて変形可能部
材の変形量を求める変形量演算手段と、変形速度をこれ
より前に検出した旧変形速度の最大値と比較して大きい
方を変形速度最大値と定める変形速度最大値更新手段
と、変形速度最大値に1.0未満の第1速度定数を乗じ
た値に相当する値を第1基準速度と定める第1基準速度
発生手段と、変形速度最大値に第1速度定数より大きく
1.0未満の第2速度定数を乗じた値に相当する値を第
2基準速度と定める第2基準速度発生手段と、変形速度
最大値に第1変形量定数を乗じた値に相当する値を第1
基準変形量と定める第1基準変形量発生手段と、変形速
度最大値に第1変形量定数より大きい第2変形量定数を
乗じた値に相当する値を第2基準変形量と定める第2基
準変形量発生手段と、変形速度が第1基準速度から第2
基準速度までの範囲内に収るとともに変形量が第1基準
変形量から第2基準変形量までの範囲内に収るときに特
定の障害物であると推定して推定信号を発する推定信号
発生手段と、を備えたことを特徴とする。
当ったときの変形可能部材の変形速度を検出し、この変
形速度に基づいて変形可能部材の変形量を求め、変形速
度が増大してピークに達したときの変形速度最大値を求
め、この変形速度最大値に基づいて、第1基準速度から
第2基準速度までの範囲、及び、第1基準変形量から第
2基準変形量までの範囲を定め、変形速度が第1・第2
基準速度の範囲内に収るとともに、変形量が第1・第2
基準変形量の範囲内に収るときに、衝突した障害物が特
定の障害物であると推定する。
収るという第1条件と、変形量が第1・第2基準変形量
の範囲内に収るという第2条件の、2条件を達成したか
否かによって、障害物の種類を推定するだけである。従
って、障害物の種類を推定するまでに要する時間を極め
て短縮することができるとともに、障害物の種類をより
正確に推定することができる。
速度定数とは異なる1.0未満の第3速度定数を乗じた
値に相当する値を第3基準速度と定める第3基準速度発
生手段と、変形速度最大値に第1・第2変形量定数とは
異なる第3変形量定数を乗じた値に相当する値を第3基
準変形量と定める第3基準変形量発生手段とを備え、第
1基準速度から第2基準速度までの範囲内で且つ第1基
準変形量から第2基準変形量までの範囲内を第1の基準
範囲としたときに、この第1の基準範囲とは異なるとと
もに、第1・第2・第3基準速度同士の組合せに基づく
範囲内で且つ第1・第2・第3基準変形量同士の組合せ
に基づく範囲内を第2の基準範囲と設定し、変形速度及
び変形量が第1の基準範囲内又は第2の基準範囲内に収
るときに推定信号発生手段にて特定の障害物であると推
定して推定信号を発するように構成したことを特徴とす
る。
く設定することができるので、障害物の種類をより正確
に推定することができる。
フードを上昇させる若しくはフード近傍のエアバッグを
作動させるなどの二次衝突対策を講じる車両用二次衝突
対策装置へ、推定信号を発するものであることを特徴と
する。
手段から特定の障害物であるとの推定信号を受けたとき
に、二次衝突対策を講じて障害物やエンジンルーム内の
機器への衝撃力を十分に吸収する。より適格に且つ速や
かに、二次衝突対策を講じることができる。
基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、
「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向
に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側
を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。
置の斜視図である。車両用二次衝突対策装置10は、車
両11の前部にエンジンルーム12を設け、エンジンル
ーム12の上部開口を前開き形式のフード13で塞ぎ、
フード13の後端部を車体フレーム14に左右のフード
保持機構20,20で開閉可能に取付けたものである。
フード13は前部を、車体フレーム14にフードロック
15にてロック可能である。図中、16はフロントガラ
スである。
置のシステム図であり、車両11の前半部を左側から見
たものである。車両用二次衝突対策装置10は、障害物
S1に車両11が衝突したときにフード13を上昇させ
ることで二次衝突対策を講じる装置であり、左右のフー
ド保持機構20(この図では左のみ示す。以下同じ。)
と、閉じたフード13の後部を持上げるときに使用する
左右のアクチュエータ30とからなる。さらに、車両用
二次衝突対策装置10は車両用障害物推定装置40を備
える。車両用障害物推定装置40の詳細については後述
する。
13の開閉を行うヒンジ作用を果たし、車両11に障害
物S1が衝突したときには伸張したリンクでフード13
の後部の上昇位置を決める連結リンク機構兼用のヒンジ
である。アクチュエータ30は、後述する制御部44か
ら電気的なアクチュエータ駆動指令信号(推定信号)s
iを受けたときに、図示せぬ点火装置にてガス発生剤に
点火して多量のガスを発生し、ガスの急激な昇圧によっ
てピストン31が所定ストロークだけ上昇し、フード1
3の後部を持ち上げるものである。
であり、車両11の前部にフロントバンパ41を設け、
このフロントバンパ41の前部を覆うバンパフェイス4
2の内面に、バンパセンサ43を取付けたことを示す。
バンパセンサ43は加速度センサである。
すように車幅方向に複数個(例えば3個)を配列しても
よい。バンパセンサ43を複数個設けた場合には、これ
らバンパセンサ43の検出信号に基づき制御部44が制
御作用をすることになる。例えば、制御部44で複数の
検出信号の平均値を算出し、その平均値に基づきアクチ
ュエータ30を制御したり、複数の検出信号のうち最も
大きい信号に基づきアクチュエータ30を制御する。
ンパセンサの構成図兼作用図である。バンパフェイス4
2は、車両11が障害物S1に当った衝撃力に応じて変
形する変形可能部材であり、例えば樹脂製品である。想
像線にて示すバンパフェイス42は、障害物S1に当っ
た衝撃力に応じて実線にて示すように変形する。このと
きにバンパフェイス42における変形する部分の加速度
を、バンパフェイス42に取付けられたバンパセンサ4
3で検出することができる。そして、バンパセンサ43
で検出した変形加速度を積分することにより、バンパフ
ェイス42の変形速度を知ることができる。さらには、
バンパフェイス42の変形速度に基づいて演算すること
により、バンパフェイス42の変形量を知ることができ
る。例えば、バンパフェイス42の変形速度に、バンパ
センサ43で検出する時間間隔を乗算し、この乗算値を
積算することにより、刻々と変化するバンパフェイス4
2の変形量を知ることができる。
に車両11が衝突したときにその障害物S1の種類を推
定して、車両用二次衝突対策装置10に推定信号siを
発するものである。具体的には、車両用障害物推定装置
40は、変形可能部材としてのバンパフェイス42と、
バンパセンサ43と、バンパセンサ43の信号に基づい
て車両用二次衝突対策装置10のアクチュエータ30に
推定信号siを発する制御部44とからなる。制御部4
4は、例えばマイクロコンピュータである。
ンパセンサの作用図である。バンパフェイス42の前端
の地上高さH1に対して、重心Gvの地上高さH2が低
い障害物S2(以下、「低重心障害物S2」と言う。)
に車両11が衝突すると、車両11の下部に低重心障害
物S2を巻き込むことがある。その場合には、巻き込ま
れた低重心障害物S2によって、バンパフェイス42が
車両11の下側且つ後方へ引張られるように変形する。
ンパフェイス42が衝突したときの、バンパフェイス4
2の変形速度の変化について、図4及び図5を参照しつ
つ図6〜図11にて説明する。
フェイスの変形速度グラフ(その1)であり、障害物が
歩行者等の特定の障害物である場合について示す。
(a)は、横軸を時間Ti(ms、ミリ秒)とし縦軸をバ
ンパフェイスの変形速度VB(km/h)として、特定の障
害物に衝突したバンパフェイスの変形速度VBの変化を
表したものである。但し、VM,VS,VT1,VT2を
次のように定義する。 VS;VBの推定開始基準速度(衝突したほぼ直後の値で
あり、例えば零を若干越える値) VM;VBの変形速度最大値 VT1;VBの第1基準速度(VT1=−0.1×VM) VT2;VBの第2基準速度(VT2=0.2×VM) なお、−0.1及び0.2は定数である。
始基準速度VSを越えて変形速度最大値VMまで増大した
後に、減少して第2基準速度VT2及び第1基準速度V
T1を通過する特性を有していることが判る。(b)
は、変形速度VBが第1基準速度VT1から第2基準速
度VT2までの範囲内、すなわち、速度範囲VT10内に
収るか否かを判定した結果を示す。変形速度VBが速度
範囲VT10内に収っているときの判定結果は「1」であ
り、また、収っていないときの判定結果は「0」であ
る。
とし縦軸をバンパフェイスの変形量SB(mm)として、
特定の障害物に衝突したバンパフェイスの変形量の変化
を表したものである。但し、バンパフェイスの変形量
は、上記(a)の変形速度VBに基づき演算した値であ
る。また、ST1,ST2を次のように定義する。 ST1;SBの第1基準変形量(ST1=1.0×VM) ST2;SBの第2基準変形量(ST2=2.5×VM) なお、1.0及び2.5は、変形速度VBの単位をkm
/hとするとともに、変形量の単位をmmとしたときの
定数である。
変形量ST1を越えて増大した後に、第2基準変形量S
T2へ達する前に減少して、再び第1基準変形量ST1
以下になる特性を有していることが判る。(d)は、変
形量SBが第1基準変形量ST1から第2基準変形量S
T2までの範囲内、すなわち、変形量範囲ST10内に収
るか否かを判定した結果を示す。変形量SBが変形量範
囲ST10内に収っているときの判定結果は「1」であ
り、また、収っていないときの判定結果は「0」であ
る。
の判定結果との論理積に基づく障害物推定結果を示す。
(b)における判定結果が「1」で且つ(d)における
判定結果が「1」であるときに、障害物推定結果は
「1」の判定となる。すなわち、上記(a)で変形速度
VBが速度範囲VT10内に収っており、且つ、上記
(c)で変形量SBが変形量範囲ST10内に収っている
場合に、障害物推定結果は「1」となり、障害物が特定
の障害物であると推定する。(e)によれば、Tfの時
点で、障害物が特定の障害物であると推定することがで
きる。
速度−変形量曲線図(その1)であり、障害物が特定の
障害物である場合について示す。この図は、横軸を変形
速度とし縦軸を変形量とし、上記図6の変形速度VBと
変形量SBとを関連づけてVB−SB曲線として表したも
のである。なお、第1・第2基準速度VT1,VT2及
び第1・第2基準変形量ST1,ST2についても、上
記図6に示したものと同一である。
より、バンパフェイスの変形が始まると、VB−SB曲線
は原点0(零)から図右上に伸びていき、やがて変形の
進行につれて反時計回りに伸びていくことが判る。具体
的には、車両が障害物に衝突したときに、バンパフェイ
スは衝撃力によって車両後方へ変形する。衝突開始時点
からバンパフェイスの変形速度VBは増大し始め、これ
に応じてバンパフェイスの変形量SBも増大し始める。
その後、変形量SBが大きくなるにつれて、バンパフェ
イスの反力は大きくなる。衝撃力に対してバンパフェイ
スの反力が大きくなると、変形速度VBは減少してい
き、やがて零になり、その後、負の値となる。変形量S
Bは変形速度VBが零となるまで増大し、変形速度VBが
負の値になるにつれて減少していく。
速度VT2までの範囲で且つ第1基準変形量ST1から
第2基準変形量ST2までの範囲の枠内を、ハッチング
して示す。このハッチングした枠内を第1の基準範囲S
P1とする。VB−SB曲線は、第1の基準範囲SP1内
に点Pi1で入る。このときに、障害物が特定の障害物
であると推定することができる。
フェイスの変形速度グラフ(その2)であり、障害物が
軽量物である場合について示す。但し、この図の見方及
び各符号の定義については、上記図6と同じである。
(a)は、横軸を時間Ti(ms)とし縦軸をバンパフェ
イスの変形速度VB(km/h)として、軽量物に衝突した
バンパフェイスの変形速度VBの変化を表したものであ
る。(b)は、変形速度VBが速度範囲VT10内に収る
か否かを判定した結果を示す。変形速度VBが速度範囲
VT10内に収っているときの判定結果は「1」であり、
また、収っていないときの判定結果は「0」である。
をバンパフェイスの変形量SB(mm)として、軽量物に
衝突したバンパフェイスの変形量の変化を表したもので
ある。(c)によれば、変形量SBが第1基準変形量S
T1に達しないことが判る。変形速度VBが変形速度最
大値VMから減少した後に短時間で零になるので、変形
する時間が短いからである。(d)は、変形量SBが変
形量範囲ST10内に収るか否かを判定した結果を示す。
変形量SBが変形量範囲ST10内に収っていないので、
判定結果は「0」である。
の判定結果との論理積に基づく障害物推定結果を示す。
(d)における判定結果が「0」であるから、障害物推
定結果は「0」であり、障害物が特定の障害物ではない
と推定する。
速度−変形量曲線図(その2)であり、障害物が軽量物
である場合について示す。この図は、横軸を変形速度と
し縦軸を変形量とし、上記図8の変形速度VBと変形量
SBとを関連づけてVB−SB曲線として表したものであ
る。なお、第1・第2基準速度VT1,VT2及び第1
・第2基準変形量ST1,ST2についても、上記図8
に示したものと同一である。この図のVB−SB曲線によ
れば、変形速度VBが最大値から減少過程にあるときの
変形量SBは、上記図7に比べ極めて小さいことが判
る。従って、VB−SB曲線が第1の基準範囲SP1内に
入ることはない。この結果、障害物が特定の障害物では
ないと推定することができる。
パフェイスの変形速度グラフ(その3)であり、障害物
が上記図5に示す低重心障害物S2である場合について
示す。但し、この図の見方及び各符号の定義について
は、上記図6と同じである。(a)は、横軸を時間Ti
(ms)とし縦軸をバンパフェイスの変形速度VB(km/
h)として、低重心障害物に衝突したバンパフェイスの
変形速度VBの変化を表したものである。(b)は、変
形速度VBが速度範囲VT10内に収るか否かを判定した
結果を示す。変形速度VBが速度範囲VT10内に収って
いるときの判定結果は「1」であり、また、収っていな
いときの判定結果は「0」である。
をバンパフェイスの変形量SB(mm)として、低重心障
害物に衝突したバンパフェイスの変形量の変化を表した
ものである。(c)によれば、変形量SBが、第1基準
変形量ST1を越えて増大した後に、第2基準変形量S
T2をも越えて増大することが判る。変形速度VBが変
形速度最大値VMから減少して零になるのに、比較的長
時間かかるので、変形する時間が長いからである。この
場合、変形量SBが変形量範囲ST10内に収っていると
きには、(a)における変形速度VBは速度範囲VT10
内に収っていない。(d)は、変形量SBが変形量範囲
ST10内に収るか否かを判定した結果を示す。変形量S
Bが変形量範囲ST10内に収っているときの判定結果は
「1」であり、また、収っていないときの判定結果は
「0」である。
の判定結果との論理積に基づく障害物推定結果を示す。
(b)における判定結果が「1」であるときには、
(d)における判定結果が「0」であるから、障害物推
定結果は「0」であり、障害物が特定の障害物ではない
と推定する。
形速度−変形量曲線図(その3)であり、障害物が低重
心障害物である場合について示す。この図は、横軸を変
形速度とし縦軸を変形量とし、上記図10の変形速度V
Bと変形量SBとを関連づけてVB−SB曲線として表した
ものである。なお、第1・第2基準速度VT1,VT2
及び第1・第2基準変形量ST1,ST2についても、
上記図10に示したものと同一である。この図のVB−
SB曲線によれば、変形速度VBが最大値から減少過程に
あるときの変形量SBは、上記図7に比べ極めて大きい
ことが判る。従って、VB−SB曲線が第1の基準範囲S
P1内に入ることはない。この結果、障害物が特定の障
害物ではないと推定することができる。
42(図4参照)が当った障害物の種類に応じて、バン
パフェイス42の変形速度VB並びに変形量SBが刻々と
変化する特性(VB−SB曲線)が異なることを知見し
た。すなわち、(1)障害物が軽量物である場合には、
図9に示すように、変形速度VBが最大値から減少過程
にあるときの変形量SBは、特定の障害物に比べ極めて
小さい。また、(2)障害物が低重心障害物である場合
には、図11に示すように、変形速度VBが最大値から
減少過程にあるときの変形量SBは、特定の障害物に比
べ極めて大きい。
値VMまで増大した時点から減少過程にあるときに、変
形量SBの特性が障害物S1の種類に応じて異なること
を利用して、予め設定した第1の基準範囲SP1内にV
B−SB曲線(すなわち、変形速度VS及び変形量SB)が
入るときに、障害物が特定の障害物であると推定するこ
とを特徴とする。このような推定方法は、障害物の種類
を正確に推定できるので、極めて有効な推定方法である
と言える。
チャートであり、制御部44(図4参照)をマイクロコ
ンピュータとした場合の制御フローを表したものであ
る。図中、STP××はステップ番号を示す。以下、図
4を参照しつつ説明する。
(例:変形速度最大値VM=0、F=0)。 STP02;バンパセンサ43にて検出したバンパフェ
イス42の変形加速度GBを読み込み、「STP09」
に進む。 STP09;変形加速度GBからバンパフェイス42の
変形速度VBを算出する。例えば、変形加速度GBを積分
することにより変形速度VBを得る。 STP10;変形速度VBからバンパフェイス42の変
形量SBを算出する。例えば、変形速度VBに、バンパセ
ンサ43で検出する時間間隔を乗算し、この乗算値を積
算することにより変形量SBを得る。
定開始基準速度VSに達したか否かを判定し、YESで
あれば「STP12」に進み、NOであれば「STP1
3」に進む。 STP12;フラグFを「1」とする。 STP13;フラグF=1であるか否かを判定し、YE
Sであれば「STP14」に進み、NOであれば「ST
P02」に戻る。
検出した旧変形速度の最大値VMより大きいか否かを判
定し、YESであれば「STP15」に進み、NOであ
れば「STP16」に進む。 STP15;変形速度VBを変形速度最大値VMと定め
る。
第1基準速度VT1を設定する。具体的には、変形速度
最大値VMに予め定めた1.0未満の第1速度定数CV
1を乗じた値を第1基準速度VT1と定める(VT1=
VM×CV1)。 STP17;変形速度最大値VMに応じて第2基準速度
VT2を設定する。具体的には、変形速度最大値VMに
第1速度定数CV1より大きく1.0未満の予め定めた
第2速度定数CV2を乗じた値を第2基準速度VT2と
定める(VT2=VM×CV2)。 STP19;変形速度最大値VMに応じて第1基準変形
量ST1を設定する。具体的には、変形速度最大値VM
に予め定めた第1変形量定数CS1を乗じた値を第1基
準変形量ST1と定める(ST1=VM×CS1)。 STP20;変形速度最大値VMに応じて第2基準変形
量ST2を設定する。具体的には、変形速度最大値VM
に第1変形量定数CS1より大きい予め定めた第2変形
量定数CS2を乗じた値を第2基準変形量ST2と定め
る(ST2=VM×CS2)。
VT1から第2基準速度VT2までの範囲内に収るか否
かを判定し、YESであれば「STP23」に進み、N
Oであれば「STP02」に戻る。 STP23;変形量SBが第1基準変形量ST1から第
2基準変形量ST2までの範囲内に収るか否かを判定
し、YESであれば「STP26」に進み、NOであれ
ば「STP02」に戻る。 STP26;車両11が衝突した障害物S1は特定の障
害物であると推定して推定信号si(例えば、アクチュ
エータ駆動指令信号si)を発し、制御を終了する。
定装置40の、より具体的な構成を説明する。車両用障
害物推定装置40は、次の(1)〜(10)を備える。 (1)変形可能部材としてのバンパフェイス42(図4
参照)。 (2)バンパフェイス42の変形速度VBを検出する変
形速度検出手段51。変形速度検出手段51は、バンパ
センサ43(図4参照)及びステップSTP02並びに
STP09の組合せからなる。
形速度VBに基づいてバンパフェイス42の変形量SBを
求める変形量演算手段52。変形量演算手段52はステ
ップSTP10からなる。 (4)変形速度VBが予め定めた推定開始基準速度VSに
一度達したときから、障害物S1(図4参照)の種類の
推定を開始する推定開始手段53。推定開始手段53
は、ステップSTP11〜STP13の組合せからな
る。推定開始基準速度VSに一度達すると、その後の変
形速度VBの大きさにかかわらず、障害物S1の種類の
推定を続けることができる。
た旧変形速度の最大値VMと比較して大きい方を変形速
度最大値VMと定める変形速度最大値更新手段54。変
形速度最大値更新手段54は、ステップSTP14及び
STP15の組合せからなる。ステップSTP14及び
STP15によれば、変形速度VBが増す度に変形速度
最大値VMを最も大きい値に更新することにより、障害
物S1の種類に応じた変形速度最大値VMを設定するこ
とができる。
第1速度定数CV1、例えば−0.1を乗じた値に相当
する値を第1基準速度VT1と定める第1基準速度発生
手段55。第1基準速度発生手段55はステップSTP
16からなる。 (7)変形速度最大値VMに1.0未満で第1速度定数
CV1より大きい第2速度定数CV2、例えば0.2を
乗じた値に相当する値を第2基準速度VT2と定める第
2基準速度発生手段56。第2基準速度発生手段56は
ステップSTP17からなる。
数CS1、例えば1.0を乗じた値に相当する値を第1
基準変形量ST1と定める第1基準変形量発生手段5
8。第1基準変形量発生手段58はステップSTP19
からなる。 (9)変形速度最大値VMに第1変形量定数CS1より
大きい第2変形量定数CS2、例えば2.5を乗じた値
に相当する値を第2基準変形量ST2と定める第2基準
変形量発生手段59。第2基準変形量発生手段59はス
テップSTP20からなる。
1から第2基準速度VT2までの範囲内に収るととも
に、変形量SBが第1基準変形量ST1から第2基準変
形量ST2までの範囲内に収るときに、特定の障害物S
1であると推定して推定信号siを発する推定信号発生
手段61。推定信号発生手段61はステップSTP2
2、STP23及びSTP26の組合せからなる。
車両用障害物推定装置40によれば、(1)障害物S1
に車両11が当ったときのバンパフェイス42の変形速
度VBを検出し、(2)この変形速度VBに基づいてバン
パフェイス42の変形量SBを求め、(3)変形速度VB
が増大してピークに達したときの変形速度最大値VMを
求め、(4)この変形速度最大値VMに基づいて、第1
基準速度VT1から第2基準速度VT2までの範囲、及
び、第1基準変形量ST1から第2基準変形量ST2ま
での範囲を定め、(5)変形速度VBが第1・第2基準
速度VT1,VT2の範囲内に収るとともに、変形量S
Bが第1・第2基準変形量ST1,ST2の範囲内に収
るときに、衝突した障害物S1が特定の障害物(例えば
歩行者)であると推定することができる。
置40は、障害物S1に変形可能部材としてのバンパフ
ェイス42が当ったときに、このバンパフェイス42の
変形速度波形特性(変形速度VBが刻々と変化する特
性)が障害物S1の重量等の種類によって異なることを
応用したものである。
に、変形速度検出手段51という単一の検出手段だけを
用いたので、検出手段の数を減らすことができる。しか
も、単一の検出手段で一方向の変形速度VBを検出する
だけですむので、検出時間を短縮することができる。
大した時点から減少過程にあるときに、変形量SBの特
性が障害物S1の種類に応じて異なることを利用して、
予め設定した第1の基準範囲SP1内にVB−SB曲線が
入るか否かによって、障害物S1の種類を推定するだけ
なので、障害物S1の種類を推定するまでに要する時間
を極めて短縮することができるとともに、障害物S1の
種類をより正確に推定することができる。
したときに、障害物S1には車両前端のバンパフェイス
42が最も先に当る。先に当るバンパフェイス42が変
形したときの変形速度VB並びに変形量SBというデータ
だけを、障害物S1の種類を推定するのに用いた。従っ
て、より一層短時間で障害物S1の種類を推定すること
ができる。
形速度最大値VMに所定の定数を乗じた値に相当する値
を、第1・第2基準速度VT1,VT2及び第1・第2
基準変形量ST1,ST2と定めたので、障害物S1へ
の衝突速度にかかわらず、障害物S1の種類をより一層
正確に推定することができる。
P17、STP19及びSTP20は、変形速度最大値
VMに応じて次の図13及び図14に示すマップを参照
することにより、VT1、VT2、ST1及びST2を
設定することができる。
速度設定説明図である。(a)は、横軸を変形速度最大
値VMとし縦軸を基準速度VTとする、変形速度最大値V
M−基準速度VT対応図であり、変形速度最大値VMに応
じた第1・第2基準速度VT1,VT2を示す。線VT
1は、第1基準速度VT1=VM×CV1の算出式に基
づき、線VT2は、第2基準速度VT2=VM×CV2
の算出式に基づく。
マップであり、変形速度最大値VMに応じた第1・第2
基準速度VT1,VT2を示す。このように、制御部4
4(図4参照)のメモリに予めマップを設定しておき、
上記ステップSTP16及びSTP17において、変形
速度最大値VMに応じてマップを参照することで、第1
・第2基準速度VT1,VT2を設定することができ
る。すなわち、マップを参照することで設定した第1・
第2基準速度VT1,VT2は、上記(a)の算出式で
求めた値に相当する値である。
変形量設定説明図である。(a)は、横軸を変形速度最
大値VMとし縦軸を基準変形量STとする、変形速度最大
値VM−基準変形量ST対応図であり、変形速度最大値V
Mに応じた第1・第2基準変形量ST1,ST2を示
す。線ST1は、第1基準変形量ST1=VM×CS1
の算出式に基づき、線ST2は、第2基準変形量ST2
=VM×CS2の算出式に基づく。
マップであり、変形速度最大値VMに応じた第1・第2
基準変形量ST1,ST2を示す。このように、制御部
44(図4参照)のメモリに予めマップを設定してお
き、上記ステップSTP19及びSTP20において、
変形速度最大値VMに応じてマップを参照することで、
第1・第2基準変形量ST1,ST2を設定することが
できる。すなわち、マップを参照することで設定した第
1・第2基準変形量ST1,ST2は、上記(a)の算
出式で求めた値に相当する値である。
例)の制御フローチャートであり、上記図12に示す制
御フローチャートのうち、ステップSTP02とSTP
09の間に、破線の枠で囲ったステップSTP03〜S
TP08を追加したものである。STP03;STP0
2に次いで、変形加速度GBが所定の基準加速度GTを越
えたか否かを判定し、YESであれば「STP04」に
進み、NOであれば「STP06」に進む。 STP04;図4に示す制御部44に組込まれたタイマ
45の経過時間TCをリセット(TC=0)する。 STP05;タイマ45を始動させて「STP09」に
進む。
経過時間TCが所定の基準時間THに達したか否かを判定
し、YESであれば「STP09」に進み、NOであれ
ば「STP07」に進む。 STP07;タイマ45を停止させる。 STP08;変形速度最大値VM=0、経過時間TC=
0、F=0にリセットして「STP02」に戻る。この
ようにして、変形加速度GBが微小な基準加速度GTを越
えた後に、再び基準加速度GTを越えない状態で一定時
間を経過した後には、振出しに戻す。
例)の制御フローチャートであり、上記図12に示す制
御フローチャートに、ステップSTP18,STP2
1,STP24,STP25を追加したものである。以
下、ステップSTP16〜STP26についてのみ説明
する。
第1基準速度VT1を設定する。 STP17;変形速度最大値VMに応じて第2基準速度
VT2を設定する。 STP18;変形速度最大値VMに応じて第3基準速度
VT3を設定する。具体的には、変形速度最大値VMに
第1・第2速度定数CV1,CV2とは異なる1.0未
満の第3速度定数CV3を乗じた値を第3基準速度VT
3と定める(VT3=VM×CV3)。第3速度定数C
V3は、例えば第1・第2速度定数CV1,CV2より
大きい値である。
第1基準変形量ST1を設定する。 STP20;変形速度最大値VMに応じて第2基準変形
量ST2を設定する。 STP21;変形速度最大値VMに応じて第3基準変形
量ST3を設定する。具体的には、変形速度最大値VM
に第1・第2変形量定数CS1,CS2とは異なる第3
変形量定数CS3を乗じた値を第3基準変形量ST3と
定める(ST3=VM×CS3)。第3変形量定数CS
3は、例えば第1変形量定数CS1より大きく第2変形
量定数CS2より小さい値である。
VT1から第2基準速度VT2までの範囲内(VT1<
VB<VT2)に収るか否かを判定し、YESであれば
「STP23」に進み、NOであれば「STP24」に
進む。 STP23;変形量SBが第1基準変形量ST1から第
2基準変形量ST2までの範囲内に収るか否かを判定
し、YESであれば「STP26」に進み、NOであれ
ば「STP24」に進む。
VT2から第3基準速度VT3までの範囲内(VT2≦
VB<VT3)に収るか否かを判定し、YESであれば
「STP25」に進み、NOであれば「STP02」に
戻る。 STP25;変形量SBが第1基準変形量ST1から第
3基準変形量ST3までの範囲内に収るか否かを判定
し、YESであれば「STP26」に進み、NOであれ
ば「STP02」に戻る。
1は特定の障害物であると推定して推定信号si(例え
ば、アクチュエータ駆動指令信号si)を発し、制御を
終了する。
障害物推定装置40の、より具体的な構成を説明する。
変形例の車両用障害物推定装置40は、次の(1)〜
(12)を備える。 (1)変形可能部材としてのバンパフェイス42(図4
参照)。 (2)バンパセンサ43及びステップSTP02並びに
STP09の組合せからなる変形速度検出手段51。 (3)ステップSTP10からなる変形量演算手段5
2。 (4)ステップSTP11〜STP13からなる推定開
始手段53。 (5)ステップSTP14〜STP15からなる変形速
度最大値更新手段54。 (6)ステップSTP16からなる第1基準速度発生手
段55。 (7)ステップSTP17からなる第2基準速度発生手
段56。
度定数CV1,CV2とは異なる1.0未満の第3速度
定数CV3を乗じた値に相当する値を第3基準速度VT
3と定める第3基準速度発生手段57。第3基準速度発
生手段57はステップSTP18からなる。 (9)ステップSTP19からなる第1基準変形量発生
手段58。 (10)ステップSTP20からなる第2基準変形量発
生手段59。 (11)変形速度最大値VMに第1・第2変形量定数C
S1,CS2とは異なる第3変形量定数CS3を乗じた
値に相当する値を第3基準変形量ST3と定める第3基
準変形量発生手段60。第3基準変形量発生手段60は
ステップSTP21からなる。
定の障害物S1であると推定して推定信号siを発する
推定信号発生手段61A。推定信号発生手段61Aはス
テップSTP22〜STP26の組合せからなる。 条件;変形速度VBが第1基準速度VT1から第2基
準速度VT2までの範囲内に収るとともに、変形量SB
が第1基準変形量ST1から第2基準変形量ST2まで
の範囲内に収るとき。 条件;変形速度VBが第2基準速度VT2から第3基
準速度VT3までの範囲内に収るとともに、変形量SB
が第1基準変形量ST1から第3基準変形量ST3まで
の範囲内に収るとき。
P21は、変形速度最大値VMに応じて上記図13及び
図14に示すマップを参照することにより、VT1〜V
T3、ST1〜ST3を設定することができる。図13
(a)において、線VT3は第3基準速度VT3=VM
×CV3の算出式に基づく。図13(b)のマップは、
変形速度最大値VMに応じた第3基準速度VT3を示
す。図14(a)において、線ST3は第3基準変形量
ST3=VM×CS3の算出式に基づく。図14(b)
のマップは、変形速度最大値VMに応じた第3基準変形
量ST3を示す。
モリに予めマップを設定しておき、上記ステップSTP
18及びSTP21において、変形速度最大値VMに応
じてマップを参照することで、第3基準速度VT3及び
第3基準変形量ST3を設定することができる。すなわ
ち、マップを参照することで設定した第3基準速度VT
3及び第3基準変形量ST3は、上記図13(a)並び
に上記図14(a)の算出式で求めた値に相当する値で
ある。
例)の制御フローチャートを適用して、障害物の種類を
推定する例を図17及び図18に基づき説明する。図1
7は本発明に係るバンパフェイスの変形速度−変形量曲
線図(その4)であり、障害物が特定の障害物である場
合について示す。この図は上記図7に更に第2の基準範
囲SP2を設定したことを示す。VB−SB曲線自体も図
7に示す曲線と同一である。
うに定義する。 VT3;VBの第3基準速度(変形速度最大値VMに1.
0未満の定数を乗じた値。VT1<VT2<VT3。) ST3;SBの第3基準変形量(ST1<ST3<ST
2) SP2;第2の基準範囲(第2基準速度VT2から第3
基準速度VT3までの範囲内で且つ第1基準変形量ST
1から第3基準変形量ST3までの範囲の枠内)
ったとき又は第2の基準範囲SP2に入ったときに、障
害物が特定の障害物であると判定することができる。例
えば、この図のように障害物が特定の障害物である場合
には、VB−SB曲線は、点Pi2で第2の基準範囲SP
2に入る。このときに、障害物が特定の障害物であると
推定する。
形速度−変形量曲線図(その5)であり、障害物が低重
心障害物である場合について示す。この図は上記図11
に更に第2の基準範囲SP2を設定したことを示す。V
B−SB曲線自体も図11に示す曲線と同一である。な
お、VT3,ST3,SP2の定義については、上記図
15に示す定義と同一である。この図によれば、VB−
SB曲線が第1・第2の基準範囲SP1,SP2に入る
ことはない。従って、障害物が特定の障害物ではないと
推定する。
御部44を備える車両用障害物推定装置40は、第1の
基準範囲SP1とは異なるとともに、第1・第2・第3
基準速度VT1,VT2,VT3同士の組合せに基づく
範囲内で、且つ、第1・第2・第3基準変形量ST1,
ST2,ST3同士の組合せに基づく範囲内を、第2の
基準範囲SP2と設定し、VB−SB曲線、すなわち変形
速度VS及び変形量SBが第1の基準範囲SP1内又は第
2の基準範囲SP2内に収るときに、障害物が特定の障
害物であると推定するようにしたことを特徴とする。従
って、障害物の種類の推定範囲を、より木目細かく設定
することができるので、障害物の種類をより正確に推定
することができる。
10の作用を、図19〜図22に基づき説明する。図1
9は本発明に係る車両用二次衝突対策装置の作用図(そ
の1)であり、フード13を下げてエンジンルーム12
を閉じた通常の状態を示す。このとき、フード保持機構
20は折畳んだ状態にある。フード13は、ピン21を
支点として上下スイング可能である。フード13を想像
線で示すように開けることで、エンジンルーム12に収
納された機器17の保守・点検作業をすることができ
る。
装置の作用図(その2)であり、フード13を下げてエ
ンジンルーム12を閉じた通常の状態を示す。制御部4
4は、衝突した障害物S1が特定の障害物であると推定
したときに、アクチュエータ30へ推定信号(アクチュ
エータ駆動指令信号)siを発する。アクチュエータ3
0は持上げ作動を開始し、ピストン31を高速で突出す
ことにより、フード13の後部裏面13aを突き上げ
る。
装置の作用図(その3)であり、ピストン31を所定の
最大高さだけ高速で突出すことにより、フード13を想
像線で示す元の高さから実線で示す高さまで、突き上げ
たことを示す。フード13は慣性により、更に持上が
る。フード13の上昇に伴って、フード保持機構20も
起立する。
装置の作用図(その4)であり、フード保持機構20が
全開開度になってスイングを停止したことを示す。この
ため、フード13はこれ以上持上がることができない。
この結果、フード13の後部は、想像線で示す元の位置
から実線で示す位置へ、所定量(100〜200mm)
だけ持上がったことになる。フード保持機構20は、フ
ード13を持上がった位置で保持させる。
ンジンルーム12に収納されたエンジン等の機器17ま
での、距離は大きい。この結果、フード13の下方への
変形可能量は増大する。このため、車両11に衝突され
た障害物S1がフード13に衝突したときに、持上がっ
たフード13を想像線にて示すように大いに変形させる
ことで、衝撃力を十分に吸収させることができる。従っ
て、機器17を障害物S1から保護することができると
ともに、障害物S1への衝撃も十分に緩和することがで
きる。
定装置40は、車両11に衝突された障害物S1が特定
の障害物であると推定したときに、制御部44から車両
用二次衝突対策装置10へ推定信号siを発する。車両
用二次衝突対策装置10は、推定信号siを受けてフー
ド13を上昇させることで、より適格に且つ速やかに二
次衝突対策を講じる。フード13は、機器17や障害物
S1への衝撃力を十分に吸収する。
突対策装置(変形例)のシステム図である。変形例の車
両用二次衝突対策装置70は、障害物S1に車両11が
衝突したときにフード13の近傍に備えたエアバッグ7
2を作動させることで二次衝突対策を講じるものであ
る。衝突した障害物S1が特定の障害物であると車両用
障害物推定装置40が推定して、制御部44からエアバ
ッグモジュール71へ推定信号siを発することで、エ
アバッグ72を膨張させることができる。そして、エア
バッグ72を膨張させて二次衝突対策を講じることによ
り、エンジンルーム12に収納された機器17(図22
参照)や障害物S1への衝撃力をエアバッグ72にて十
分に吸収させることができる。
変形可能部材は、バンパフェイス42に限定するもので
はなく、車両11が障害物S1に当った衝撃力に応じて
変形するように車両11の備えるものであればよい。ま
た、変形速度検出手段51は、バンパフェイス42等の
変形可能部材の変形速度VBを検出するものであればよ
い。さらにまた、車両用障害物推定装置40において、
推定開始基準速度VS、第1〜3速度定数CV1,CV
2,CV3、第1〜3変形量定数CS1,CS2,CS
3、基準加速度GT、基準時間THの各値は任意であり、
特定の障害物の基準を適宜設定することにより、決めれ
ばよい。また、上記図16に示す制御部の制御フローチ
ャートに、更に、上記図15で破線の枠で囲ったステッ
プSTP03〜STP08を追加することは任意であ
る。
する。請求項1によれば、(1)障害物に車両が当った
ときの変形可能部材の変形速度を検出し、(2)この変
形速度に基づいて変形可能部材の変形量を求め、(3)
変形速度が増大してピークに達したときの変形速度最大
値を求め、(4)この変形速度最大値に基づいて、第1
基準速度から第2基準速度までの範囲、及び、第1基準
変形量から第2基準変形量までの範囲を定め、(5)変
形速度が第1・第2基準速度の範囲内に収るとともに、
変形量が第1・第2基準変形量の範囲内に収るときに、
衝突した障害物が特定の障害物であると推定することが
できる。この推定のために、変形速度検出手段という単
一の検出手段だけを用いたので、検出手段の数を減らす
ことができる。しかも、単一の検出手段で一方向の変形
速度を検出するだけですむので、検出時間を短縮するこ
とができる。
まで増大した時点から減少過程にあるときに、変形量の
特性が障害物の種類に応じて異なることを利用したもの
である。この特性を利用して、変形速度が第1・第2基
準速度の範囲内に収るという第1条件と、変形量が第1
・第2基準変形量の範囲内に収るという第2条件の、2
条件を達成したか否かによって、障害物の種類を推定す
ることができる。従って、障害物の種類を推定するまで
に要する時間を極めて短縮することができるとともに、
障害物の種類をより正確に推定することができる。
変形速度最大値に所定の定数を乗じた値に相当する値
を、第1・第2基準速度及び第1・第2基準変形量と定
めたので、障害物への衝突速度にかかわらず、障害物の
種類をより一層正確に推定することができる。
なるとともに、第1・第2・第3基準速度同士の組合せ
に基づく範囲内で、且つ、第1・第2・第3基準変形量
同士の組合せに基づく範囲内を、第2の基準範囲と設定
し、変形速度及び変形量が第1の基準範囲内又は第2の
基準範囲内に収るときに、障害物が特定の障害物である
と推定するようにしたので、障害物の種類の推定範囲
を、より木目細かく設定することができる。この結果、
障害物の種類をより正確に推定することができる。
のフードを上昇させる若しくはフード近傍のエアバッグ
を作動させるなどの二次衝突対策を講じるための車両用
二次衝突対策装置に、推定信号を発するように構成した
ので、より適格に且つ速やかに二次衝突対策を講じるこ
とができる。
システム図
の構成図兼作用図
の作用図
(その1)
量曲線図(その1)
(その2)
量曲線図(その2)
フ(その3)
形量曲線図(その3)
ローチャート
ローチャート
形量曲線図(その4)
形量曲線図(その5)
図(その1)
図(その2)
図(その3)
図(その4)
(変形例)のシステム図
7に基づき作成した説明図
3…フード、40…車両用障害物推定装置、42…変形
可能部材(バンパフェイス)、44…制御部、45…タ
イマ、51…変形速度検出手段、52…変形量演算手
段、53…推定開始手段、54…変形速度最大値更新手
段、55…第1基準速度発生手段、56…第2基準速度
発生手段、57…第3基準速度発生手段、58…第1基
準変形量発生手段、59…第2基準変形量発生手段、6
0…第3基準変形量発生手段、61,61A…推定信号
発生手段、72…エアバッグ、CS1…第1変形量定
数、CS2…第2変形量定数、CS3…第3変形量定
数、CV1…第1速度定数、CV2…第2速度定数、C
V3…第3速度定数、S1,S2…障害物、SB…変形
量、si…推定信号、SP1…第1の基準範囲、SP2
…第2の基準範囲、ST1…第1基準変形量、ST2…
第2基準変形量、ST3…第3基準変形量、VB…変形
速度、VM…変形速度最大値、VT1…第1基準速度、
VT2…第2基準速度、VT3…第3基準速度。
Claims (3)
- 【請求項1】 障害物に車両が衝突したときに、その障
害物の種類を推定する車両用障害物推定装置において、 この車両用障害物推定装置は、前記車両が前記障害物に
当った衝撃力に応じて変形する変形可能部材と、この変
形可能部材の変形速度を検出する変形速度検出手段と、
この変形速度検出手段で検出した変形速度に基づいて前
記変形可能部材の変形量を求める変形量演算手段と、前
記変形速度をこれより前に検出した旧変形速度の最大値
と比較して大きい方を変形速度最大値と定める変形速度
最大値更新手段と、前記変形速度最大値に1.0未満の
第1速度定数を乗じた値に相当する値を第1基準速度と
定める第1基準速度発生手段と、前記変形速度最大値に
前記第1速度定数より大きく1.0未満の第2速度定数
を乗じた値に相当する値を第2基準速度と定める第2基
準速度発生手段と、前記変形速度最大値に第1変形量定
数を乗じた値に相当する値を第1基準変形量と定める第
1基準変形量発生手段と、前記変形速度最大値に前記第
1変形量定数より大きい第2変形量定数を乗じた値に相
当する値を第2基準変形量と定める第2基準変形量発生
手段と、前記変形速度が前記第1基準速度から第2基準
速度までの範囲内に収るとともに前記変形量が前記第1
基準変形量から第2基準変形量までの範囲内に収るとき
に特定の障害物であると推定して推定信号を発する推定
信号発生手段と、を備えたことを特徴とする車両用障害
物推定装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の車両用障害物推定装置
は、前記変形速度最大値に前記第1・第2速度定数とは
異なる1.0未満の第3速度定数を乗じた値に相当する
値を第3基準速度と定める第3基準速度発生手段と、前
記変形速度最大値に前記第1・第2変形量定数とは異な
る第3変形量定数を乗じた値に相当する値を第3基準変
形量と定める第3基準変形量発生手段とを備え、 前記第1基準速度から第2基準速度までの範囲内で且つ
前記第1基準変形量から第2基準変形量までの範囲内を
第1の基準範囲としたときに、 この第1の基準範囲とは異なるとともに、前記第1・第
2・第3基準速度同士の組合せに基づく範囲内で且つ前
記第1・第2・第3基準変形量同士の組合せに基づく範
囲内を第2の基準範囲と設定し、 前記変形速度及び前記変形量が第1の基準範囲内又は第
2の基準範囲内に収るときに前記推定信号発生手段にて
特定の障害物であると推定して推定信号を発するように
構成したことを特徴とする車両用障害物推定装置。 - 【請求項3】 前記推定信号発生手段は、車両のフード
を上昇させる若しくはフード近傍のエアバッグを作動さ
せるなどの二次衝突対策を講じる車両用二次衝突対策装
置へ、前記推定信号を発するものであることを特徴とし
た請求項1又は請求項2記載の車両用障害物推定装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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