JP3856982B2 - 脱硫装置出口ガスからの脱塵と水または水蒸気回収方法と装置 - Google Patents

脱硫装置出口ガスからの脱塵と水または水蒸気回収方法と装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は火力発電所又はごみ焼却プラントに設置する湿式脱硫装置の出口ガスからのダスト除去と水または水蒸気の回収方法と装置などに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在稼働中の火力発電所プラントの代表的な総合排煙処理システムを図14に示す。図14の総合排煙処理システムは、燃焼排ガスに含まれる窒素酸化物、硫黄酸化物、粉塵及び排ガス加熱の要素機器の組み合わせからなる。
【0003】
図14において、ボイラ100から発生する燃焼排ガス2は、先ず、窒素酸化物を除去するために脱硝装置200に導入される。脱硝装置200では燃焼排ガス中の窒素酸化物をアンモニアガスを還元剤とし触媒上で気相還元させ窒素ガスにする方式が多く採用され、技術的にも完成している。窒素酸化物を除去した燃焼排ガス3は、次にガス/ガス熱交換器300と呼ばれる要素機器に導入され、燃焼排ガスの温度を下げられ、燃焼排ガス4になる。
【0004】
燃焼排ガス4は電気集塵機400に導入され、燃焼排ガスに含まれるダストが除塵される。石炭火力発電の場合、ボイラ100の燃焼条件にもよるが通常、燃焼排ガス4には単位立方メートルガス量当たり20グラム程度のダストが含まれる。
【0005】
この燃焼排ガス4を電気集塵機400に導入することにより、電気集塵機400の出口では単位立方メートルガス量当たり100から200ミリグラム程度に低減することができる。
【0006】
最近ではガス/ガス熱交換器300と電気集塵機400を設置するシステム構成を変えることにより、電気集塵機400の操作温度130℃〜138℃を90℃〜100℃に低下させ、電気集塵機400の出口でのダスト濃度を単位立方メートルガス量当たり30から50ミリグラム程度に低減できるようになった。
【0007】
電気集塵機400の出口の燃焼排ガス5は脱硫装置500に導入される。脱硫装置500は燃焼排ガスに400〜2000ppm含まれる硫黄酸化物を除去する要素機器である。現在、火力発電プラントに採用されている脱硫装置500は大部分が湿式石灰石−石膏法と呼ばれている方式である。
【0008】
湿式石灰石−石膏法は微粒石灰石を水に懸濁した、いわゆるスラリーと燃焼排ガスを気液接触させて硫黄酸化物を吸収させ、安定な石膏に固定する方法である。この湿式石灰石−石膏法は硫黄酸化物の吸収性能が高く、また脱硫性能を高くすることができる。また、ボイラ負荷変化等に対して変化する排ガス量や硫黄酸化物濃度にも安定な脱硫性能が得られることなどから広く火力発電ボイラの脱硫装置500として採用されている。
【0009】
しかし、湿式脱硫装置500の出口ガスには蒸発水が同伴し、煙突から放出されることや吸収塔内の吸収液(スラリー)に有害物が濃縮してくるために常に吸収液の一部を系外に抜き出し処理する必要があるなどの課題もある。100万キロワット規模の石炭火力発電プラントに設置した湿式脱硫装置を例にすれば、蒸発水と脱硫排水量は時間当たり、それぞれ80トン、40トン程度である。従って、常時、脱硫装置には時間当たり約120トンの補給水が必要になる。この補給水が湿式脱硫装置を運用するユーテリティコストの大きな比率を占める。
【0010】
最近では煙突出口から排出されるガス中のダスト濃度を単位立方メートルガス量当り2から3ミリグラム以下に抑え可視煙(白煙)を防止しようとする技術開発が行われてきている。
【0011】
電気集塵機400の出口のガス中には単位立方メートルのガス量当たり30から50ミリグラムのダストが含まれており、煙突出口で単位立方メートルのガス量当たり2から3ミリグラム以下にする技術が要求されている。従来は、この可視煙を無くすために脱硫装置500の出口に湿式電気集塵機を設置し、ダスト濃度を単位立方メートルのガス量当たり2から3ミリグラム以下にしていた。しかし、火力発電所の総合排煙処理システムの最適化を進める場合、脱硫装置500の出口に大容量の湿式電気集塵機を設置することは不具合であり、高性能で簡易な脱塵装置が要望されている。
【0012】
ところで、湿式石灰石−石膏法の脱硫装置には硫黄酸化物の除去機能以外に高い除塵機能がある。特に、湿式石灰石−石膏法の脱硫装置に用いられる気液接触装置としてスプレ方式のものを採用した場合、80から90%の高い除塵率が得られており、従来でもスプレ方式による気液接触装置を採用した場合に煙突出口で単位立方メートルのガス量当たり4から5ミリグラムの除塵率を達成している。
【0013】
従って、前述した可視煙の防止の面から除塵率を単位立方メートルのガス量当たり2から3ミリグラムに低減するには、脱塵装置500に重装備の湿式電気集塵機550を設置する代わりに、高性能でかつ簡易な脱塵装置の開発が渇望されている。
【0014】
また、湿式脱硫装置の課題には前述したごとく、蒸発水と排水の低減があり、蒸発水を回収することができれば、補給水の大巾な低減が可能であり、この技術の確立はユーテリティ低減の点から重要である。
【0015】
湿式石灰石−石膏法脱硫装置の出口処理ガスから水を回収する方法は幾つか提案されている。例えば、実公平2−25471号では脱硫装置出口のガスと吸着剤を接触させガス中の水蒸気を吸着させる方法が提案されている。水蒸気を吸着した吸着剤は加熱再生して循環使用する方式である。この方式は吸着剤を選定すれば脱硫装置の出口ガスから水を効率良く回収することができる。しかし、蒸発水を吸着した吸着剤を再生するために高温のガス源が必要となる。
【0016】
実公平2−25471号公報には吸着剤を再生するために湿式石灰石−石膏法脱硫装置に導入する高温ガスと熱交換させることが有効であることが記載されている。吸着剤として安価な活性炭を使用するが、水分を吸着した活性炭は脱硫装置入口の高温ガスと熱交換させることにより再生可能であるが、同時に燃焼排ガス中に含まれる硫黄酸化物を吸着しつつ再生されるので、活性炭を循環使用していると活性炭の細孔内に希硫酸が吸着してくる。希硫酸を吸着した活性炭の再生は水洗するか不活性ガス中で少なくとも再生温度を400℃以上で加熱再生する必要がある。水分を吸着した活性炭を高温ガスと間接熱交換するには再生塔が大容量となる問題がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
このような石炭火力発電プラントの総合排煙処理システムを構築するには脱硫装置出口ガスラインに設置する湿式電気集塵機に代わる高性能で簡易な脱塵装置の開発と同時に脱硫装置から蒸発する水蒸気を回収し、補給水を少なくすることがユーテリティ低減などから有効である。このような脱硫装置出口ガスダクトに脱塵や蒸発水回収の要素機器を別々に直列に配属することも可能であるが、脱塵と蒸発水回収を同時に行うことができれば排煙処理システムが簡素化できる。同様のシステム開発のことはごみ焼却プラントの排煙処理システムでも要望されている。
【0018】
本発明の課題は、脱硫装置出口ガスラインに設置する湿式電気集塵機に代わる高性能で簡易な脱塵装置の開発と脱硫装置から蒸発する水蒸気を回収し、補給水を少なくすることができる石炭火力発電、ごみ焼却プラントの総合排煙処理システムを提供することである。
【0019】
また、本発明の課題は、脱硫装置出口ガスに脱塵や蒸発水回収を同時に行うことができる火力発電、ごみ焼却プラントの総合排煙処理システムを提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は次の構成により解決される。湿式石灰石−石膏法による吸収塔内に導入された排ガスと吸収液を接触させて排ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫装置の出口排ガスに含まれるダスト及び水または蒸発水を回収する脱硫装置出口排ガスからの脱塵及び水または蒸発水の回収方法において、脱硫装置から排出直後の排ガスに脱硫装置出口排ガス温度より低温のプレクール液を液滴として脱硫装置出口排ガスの流れに対して向流に噴霧させ、排ガスを過冷却状態としダストを核に水蒸気を凝縮させてダストを肥大化させ、更に前記液滴と排ガスの気液流量比を調整する脱硫装置出口排ガスからの脱塵と水または水蒸気の回収方法である。
【0021】
プレクール液を脱硫装置出口排ガスに噴霧した後、さらに排ガスに対して向流に液を噴霧することができる。また、脱硫装置出口排ガス温度より低温のプレクール液は該液を海水、空気、冷凍機の作動流体のいずれかと熱交換させて冷却して用いる。
【0022】
また、プレクール液を噴霧したガス流れの後流側で液滴、肥大化したダスト、水蒸気の凝縮水をミストエリミネータで捕集するか、又は荷電部で捕集する。また、液滴、肥大化したダスト、水蒸気の凝縮水を捕集したものの一部は脱硫装置の補給水として使用することができる。
【0023】
また、プレクール液のpHを調整し、脱硫装置出口排ガスにミスリークする微量な硫黄酸化物、アンモニア化合物、カルシウム塩、又は金属化合物を捕集する機能を持たせることもできる。
【0024】
本発明には、火力発電設備又はごみ焼却設備において発生する燃焼排ガスを浄化処理するために、燃焼排ガスを脱硝処理、集塵処理、脱硫処理、脱硫処理後の脱塵処理、水回収処理及びガス加熱処理を行う火力発電設備又はごみ焼却設備排ガスの総合排煙処理方法において、脱硫処理後の脱塵処理、水回収処理に請求項1記載の脱硫装置出口排ガスからの脱塵と水または水蒸気の回収方法を用いる火力発電設備又はごみ焼却設備排ガスの総合排煙処理方法も含まれる。
本発明には、上記方法を実施するための装置も含まれる。
【0025】
【作用】
脱硫装置出口ガスから脱塵と水蒸気回収を同時に行うために、ガス流れに対して向流に噴霧するスプレを設置する。本発明では、このスプレにより噴霧する微粒液滴をあらかじめ冷却することで、脱塵と蒸発水回収の機能を同時に達成させる。以下には本発明によるプレクール微粒液滴による脱塵と蒸発水回収についての作用と機能を説明する。
【0026】
先ず、プレクール微粒液滴による脱塵作用について説明する。
ここで定義するプレクール微粒液滴脱塵は処理ガス温度より低温の微粒液滴を燃焼排ガス中に噴霧させ、燃焼排ガス中のダストと液滴を衝突させて排ガス中の脱塵を行う方式である。特に、本発明では冷たい微粒液滴を燃焼排ガス中に噴霧することにより、燃焼排ガス温度を急冷し、急激的な過冷却状態を誘発させダストを凝縮核として水蒸気を凝縮させ、ダストを肥大化させて除塵性能を高めることにある。燃焼排ガスを急冷することにより燃焼排ガス中の水蒸気を凝縮させることができるので、脱塵と同時に効率的な水回収ができるプロセスである。
【0027】
通常、脱硫装置出口の燃焼排ガス中のダスト粒径は、4ミクロン以下の微粒子が多く含まれており、1ミクロン以下の微粒子が約50%を占めている。
【0028】
微粒液滴脱塵は微粒ダストと向流接触させると粒径の大きいダストから順次衝突し、慣性力により液滴に捕集される。
この微粒液滴脱塵によるダスト捕集効率はダストと液滴の相対速度が大きい場合に高くでき、さらに噴霧する微粒液滴径が小さくなるほどダストの捕集効率を高くできることが明かになっている。
【0029】
従って、微粒液滴脱塵プロセスでは同じ液量を排ガス中に噴霧し、脱塵する場合でも噴霧液を微粒化する程、ダスト捕集効率は高くでき、さらに噴霧液を微粒化するほど液滴粒径の3乗に逆比例して液滴の個数を増やせるので衝突確率の頻度も高めることができる。
【0030】
本発明は微粒液滴脱塵による排ガスの脱塵性能を高める手段として、噴霧する微粒液滴自体を燃焼排ガス温度より低温に急冷し、これにより脱硫装置出口ガス中の水蒸気を過冷却することで、ダストを凝縮核として肥大化させて捕集効率を高めるものである。
【0031】
湿式脱硫装置内では断熱冷却されるので当該装置入口でのガス温度が100℃から138℃の燃焼排ガスは脱硫装置出口では52℃〜55℃に冷却され、水蒸気が飽和した状態にある。脱硫装置入口ガス、出口ガスの温度と湿度の関係を図2に示す。
【0032】
図2において、ガス/ガス熱交換器の熱回収部に導入された燃焼排ガスの温度aは、冷却され温度bとなり、脱硫装置に導入される。脱硫装置では断熱冷却され、b点の温度からc点まで冷却される。脱硫装置出口ガスは断熱冷却され、飽和状態にある。
【0033】
通常、c点のガスをガス/ガス熱交換器の加熱部に導入し、d点まで加熱し、煙突から大気に放出する。ところで、脱硫装置の出口ガス温度、湿度は飽和状態c点にあるが、これを緩慢に冷却すると飽和曲線上に沿ってcc点まで低下し、排ガスの湿度、温度が低下する。
【0034】
すなわち、脱硫装置出口ガスの温度を下げれば、排ガスの湿度、温度は飽和曲線上のc点からcc点に低下し、両者の露点差が実際に回収可能な理論上の水分量となる。脱硫装置出口ガス温度52℃ 〜55℃ を、これより低温の微粒液滴を噴霧させることにより、水蒸気は急冷され、過冷却となり凝縮しやすい状態が誘発させる。
【0035】
このような状態では、燃焼排ガス中のダストなどを凝縮核として過冷却状態にある水蒸気が凝縮する。この時にダスト粒径が見掛け上大きくなり慣性による集塵効率を高める。
【0036】
微粒液滴による脱塵は基本的に衝突による慣性力と、微細液滴により表面積が大きくなり分子拡散とにより行われる。微粒液滴のダストの捕集効率は確率的にダスト粒径の大きいものから慣性力により捕集されていくことになる。従って、ダスト捕集効率を高めるにはダスト粒径や噴霧する微粒液滴粒径に大きく依存している。前述したごとく燃焼排ガスに占める微粒液滴の割合が増加してくると慣性衝突によるダクト捕集効率と分子拡散による拡散集塵作用が起こる。
【0037】
集塵性能について粒径毎の部分捕集効率についての実施の形態を図3に示す。集塵性能は粒径が大きいほど高く、粒径が小さくなるに従い低下してくる。ダスト粒径が0.3〜0.5μm程度になると集塵性能に極小値を示すようになる。
【0038】
一方、ダスト粒径が0.3〜0.5μmより小さくなると集塵性能は徐々に高くなることが脱塵実験で明かになっている。ダスト粒径が0.3〜0.5μmより小さくなる領域でのダストの挙動は分子拡散を模擬できる。そのため、微細液滴脱塵の機構を分類すると、一般にはダスト粒径が0.3〜0.5μmを境にしてそれより粒径が大きい場合の集塵機構は慣性力集塵、それ以下のダスト粒径の場合は拡散集塵といえる。
【0039】
本発明の微粒液滴脱塵の場合は両方の集塵作用が相互に作用し、高い集塵性能を得ることができることが明らかになった。
従って、微粒液滴脱塵性能は液滴粒径、液滴とダストの相対速度、衝突頻度に大きく依存する。単位立方メートルのガス量をG、噴霧液量をLで表すと、気液流量比L/Gが大きくなれば脱塵性能が高くなる関係にある。
【0040】
微粒液滴を発生させるには液のスプレ形式や液の噴霧ノズル口径の選定が重要になる。しかしながら微粒液滴の発生を重視し、あまり小さい口径のノズルを選定すると、設置するスプレノズルの個数が多くなり得策でない。またスプレノズル口径を大きくすると液滴粒径が大きくなり、噴霧する単位液量当りの集塵性能は低くなる。従って、微粒液滴を発生させるスプレノズル口径を適切な大きさのものにすることが好ましい。
【0041】
以上、本発明のプレクール微粒液滴による脱塵作用について説明したが、以下では同時に起こる蒸発水回収作用について説明する。
原理的には脱硫装置出口ガスは水蒸気が飽和状態にある。この燃焼排ガスを冷却すれば、飽和水蒸気曲線上に沿って温度、湿度が低下する。回収水蒸気量は冷却する燃焼排ガス中の湿度と冷却後の湿度との差分である。燃焼排ガスの温度を下げれば下げるほど回収水蒸気量となる回収水分量も多くすることができる。しかし、冷却源となる海水や空気との温度差により回収できる限界水分量が決まる。
【0042】
このような制約条件で回収水分量を多くするには、微粒液滴脱塵・水回収部での気液流量比L/Gを大きくすることであり、燃焼排ガスと噴霧液との温度差を大きくすることである。
【0043】
本発明の場合、冷たい微粒液滴と燃焼排ガスを直接熱交換できるので、従来の熱交換器による間接熱交換などに比べ、単位伝熱面積当たりの熱交換量が大きくできる。また、微粒液滴の表面積が直接伝熱面積となるので、伝熱面積を大きくすることができる。
【0044】
本発明の機能を要約すれば燃焼排ガス中へ冷たい微粒液滴を噴霧することにより、慣性と拡散集塵作用を高め、さらにダストを凝縮核に肥大化させて粒径を大きくして高い集塵性能を得るものである。
【0045】
原理的には飽和水蒸気中に急激的に冷たい液滴を噴霧させるので飽和水蒸気中の水蒸気が過冷却状態を誘発され、過冷却状態にある水蒸気はダストを核にして凝縮する。
【0046】
さらに、ダストなどを核にダストあるいは液滴として水蒸気が凝縮するのに伴いバルク燃焼排ガス内の凝縮部とそれ以外の部分で圧力勾配が生じてダストなどを吸引し、捕集効果を高める。
【0047】
また冷たい微粒液滴で燃焼排ガスを冷却することになるので水蒸気は冷却されて凝縮し、水回収が可能になる。水回収量は微粒液滴発生時の気液流量比L/Gにより調整でき、L/Gを高めれば水回収量が多くなり、脱塵性能も高くすることができる。
【0048】
プレクール微粒液滴を形成させるには、タンク内などで噴霧液を冷却することにより達成でき、冷却源としては海水、空気、冷凍機などによる冷却作動媒体が有効である。
【0049】
このように冷された噴霧液を燃焼排ガスの流れに対して向流噴霧することにより、脱塵、水蒸気回収が可能になり、ガス流れに対してスプレする噴霧液のスプレ段を多段設置することによりさらに効果的となる。
【0050】
【発明の実施の形態】
本発明の脱塵と水蒸気回収するプロセスを火力発電プラントに適用したときの代表的な実施の形態を図1に示す。
図1に示す実施の形態は、従来の火力発電プラントの総合排煙処理システムとして示した図14の要素機器の中で湿式電気集塵機550に代わるものとして、本発明の脱塵、蒸発水回収プロセス700の設置位置を点線のサークル内に示している。
【0051】
脱塵と蒸発水回収を組み合わせた本発明のプロセスの詳細を図4に示す実施の形態により説明する。脱硫装置500の出口ガス6は本発明の微粒液滴脱塵・水回収プロセス部700に導入される。微粒液滴脱塵・水回収プロセス部700は噴霧液を冷却するタンク705、冷却源704、微粒液滴噴霧器701、スプレノズル706、冷却ゾーン703、ミストエリミネータ702などの構成機器からなる。
【0052】
冷された噴霧液は冷却タンク705からスプレノズル706に供給され、微粒化されて噴霧される。冷却タンク705内の噴霧液は冷却源704により熱交換し冷却される。
【0053】
脱硫装置500の出口ガス6は水蒸気が飽和状態にあり、冷却ゾーン703入口で冷たい微粒液滴と接触することで急冷され、ガス中の水蒸気は過冷却状態を作る。過冷却状態にある水蒸気は冷却ゾーン703内を飛行する過程でダストなどを凝縮核として容易に凝縮し、ダスト自体は肥大化する。この凝縮した一連の粒子はスプレノズル706の後流に設置するミストエリミネータ702に導かれ捕集することができる。
【0054】
脱塵され、水蒸気の一部が捕集されたガス7は図1に示したガス/ガス熱交換器300に導入され、加熱後に煙突800から放出することができる。
一方、脱硫装置出口ガスを冷却し、回収される水707の一部は冷却タンク705にリサイクルさせて使用することができ、残りは脱硫装置の補給水として使用できる。
【0055】
図4の例に示すようにスプレノズル706から冷たい微粒液滴を噴霧することにより飽和状態にあるガス中の水蒸気は前述した過冷却状態となるためダストなどを凝縮核に凝縮が一気に始まる。図5にはプレクール微粒液滴を噴霧したときのガス流れに対しての過冷却状態を模式化して示した。脱硫装置の出口ガス6は約55℃の飽和状態にあり、プレクール微粒液滴により水蒸気は過冷却状態となる。
【0056】
ダストなどを凝縮核として水蒸気が凝縮すると、液滴周りをミクロ的に見ると処理ガスと液滴界面との間に圧力差が発生し、処理ガス中に浮遊し、飛行する微細ダストが液滴に吸引され力が発生し、捕集効果を高める。
【0057】
このようにしてダストは水蒸気を凝縮核に肥大化し、粒径の大きくなったダストを微粒液滴脱塵の作用で述べたように捕集することが可能である。例えばミストエリミネータ702などによりこのダストを容易に捕集することができる。
【0058】
次に、ガス中の水蒸気の過冷却状態を誘発させ、ダスト捕集効率を高める手段を備えた実施の形態を図6に示す。脱硫装置出口のガス6にプレクール微粒液滴のスプレゾーン706をガス流れに対して直列に2段設置する例である。
【0059】
ガス流れに対して前流のスプレゾーン706で微粒液滴脱塵と同時に過飽和状態にある水蒸気を過冷却状態にしてダストを水蒸気の凝縮核として肥大化させると同時に凝縮液滴回りでの減圧状態を形成させて、ダストの液滴への吸引力を高め集塵効率を高めるように作用させる。
【0060】
一方、ガス流れに対して後流のスプレゾーン706では更なる脱塵と水蒸気の冷却状態が進行し、ダストは徐々に肥大化し、粒径が大きくなり、慣性力による捕集効率を高める。スプレゾーン706をガス流れに対して多段に設置することにより冷却効果が促進され、ダスト捕集効率を高めることができる。最終的にはミストエリミネータ702により肥大化したダスト、ミストが捕集され、得られたガス7は図1に示したガス/ガス熱交換器300に導かれ、加熱後に煙突800から放出される。
【0061】
脱硫装置出口に本発明の微粒液滴脱塵と水回収同時プロセスを適用した代表的実施の形態を図7に示す。
図4、図5及び図6に示したプレクール微粒液滴脱塵と水回収同時プロセスと原理的には同じである。
【0062】
図7に示す実施の形態では脱硫装置出口ガス6と微粒液滴の接触ゾーンを2分割している。脱硫装置出口ガス6は、まず第一スプレゾーン706に導入する。脱硫装置出口ガス6の温度は約55℃の飽和水蒸気状態にあるので、冷却タンク900からの冷たい噴霧液をポンプ901により昇圧し、スプレ706から微粒液滴を噴霧し、ガスと向流接触させる。
【0063】
この第一スプレゾーン706は本発明の微粒液滴による脱塵と飽和状態にある水蒸気の過冷却状態を誘発させるゾーンである。過冷却された水蒸気は仕切り板904の下部をくぐり抜け、第二のスプレゾーン906に導入される。第二スプレゾーン906では第一スプレゾーン706で肥大化したダストを微粒液滴により、脱塵し、更にガスの冷却を促進させて水回収を促進させる。
【0064】
第一スプレゾーン706で過冷却された水蒸気はダストを凝縮核として肥大化し、水蒸気の凝縮が促進する。第二スプレゾーン906では肥大化したダストと凝縮した水蒸気を微粒液滴により回収する。
【0065】
冷却タンク900では冷却源907と熱交換して冷却する。冷却源は前述したように海水、空気、冷凍機等の作動流体等と間接熱交換することができるが、図7の例では海水との熱交換により冷却を行う場合を示した。
【0066】
第二スプレゾーン906から発散するミスト等は最終的にミストエリミネータ702により捕集することができる。ミストエリミネータ702出口のガス7は図4、図5、図6と同様に図1のガス流れ7からガス/ガス熱交換器300に導入され、加熱された後に煙突800から大気に放出する。
【0067】
次に時間当たり600立方メートルのガスを用いた本発明の実施の形態の装置を図8に示す。図8の例では塔径250ミリメートルの第一スプレゾーン706と第二スプレゾーン906を設置させた。第一スプレゾーン706では図7の例と同様に過飽和状態の水蒸気を過冷却し、脱塵作用を持たせ、第二スプレゾーン906では肥大化したダストの脱塵と冷却による水回収を行う。
【0068】
水蒸気が飽和している約51℃の脱硫塔出口ガスを模擬したガス6を流し、流れ909からダストを導入した。ダストの粒径分布は図9に示した。これらのガスは冷却タンク900からの噴霧液をポンプ901で昇圧し、第一スプレゾーン706から微粒液滴として噴霧した。その後、ガス6を第二スプレゾーン906に導入し、ガス6の冷却と脱塵を行った。冷却タンク900では約25℃の冷却源と熱交換させ、スプレノズルからは約33℃の微粒液滴を噴霧させた。
【0069】
図9に粒径分布を示したダストを単位立方メートル当たりのガス量に対して5〜7ミリグラム共存させた。第二スプレゾーン906の出口のガス中のダスト濃度は単位立方メートル当たりのガス量に対して1.7〜2.3ミリグラムであった。
【0070】
約85リットルの冷却タンク900の液のレベルは時間当たり約3.5ミリメートル上昇し、水が回収されていることが確認された。
【0071】
第一スプレゾーン706、第二スプレゾーン906のスプレ噴霧する背圧が単位センチメートル当たり1キログラムを3キログラムに高めると第二スプレゾーン906出口のガス中のダスト濃度は単位立方メートル当たりのガス量に対して1.5〜1.9ミリグラムに減少した。
【0072】
さらに第一スプレゾーン706と第二スプレゾーン906の噴霧液量の比率を1:1から1.5:1にするとそれぞれのスプレ噴霧する背圧が単位センチメートル当たり3キログラムの下ではガス中のダスト濃度は単位立方メートル当たりのガス量に対して1.4〜1.7ミリグラムで、1ミクロン粒径以下のダストが噴霧液量の比率1:1に比べ減少した。
【0073】
図10はダストを含む約55℃の飽和水蒸気状態のガス流れに冷たい微粒液滴をスプレ噴霧させた際の集塵性能への影響を調べた結果である。脱硫塔出口のガスを模擬するために、図10のガス調整部311から図8に示す模擬ガスを供給し、第一スプレ部312において冷却と脱塵を行った。この第一スプレ部312では水蒸気の過冷却を誘発させてダストを肥大化させ、第二のスプレ部314では肥大化したダスト捕集を行うようにした。各スプレから噴霧する冷たい噴霧液は冷却タンク313で温度を調整した。
【0074】
脱塵性能に及ぼす微粒液滴の冷却温度の影響を調べるために、ガス温度と噴霧微粒液滴の温度差を変化させ、第一スプレ部312に供給するダスト濃度と第二スプレ部314の上部315のダスト濃度を測定して評価した。ガス温度と噴霧微粒液滴の温度差が大きいほど脱塵性能が高くでき、また温度差が大きいほどガス中の微粒ダストの捕集効率を高められることが明らかになった。
【0075】
図11にはガスとスプレ噴霧する液温が同じ場合のスプレ噴霧による集塵性能について評価した代表例を示す。スプレノズルは口径1/2インチのホロコーン型のものを使用した。スプレノズルの背圧を単位センチ平方メートル当たり2キログラムとし、ダスト濃度を単位立方メートル当たり5〜7ミリグラムに調整した。この時、ガスとスプレの噴霧液流速との相対速度は単位秒当たり約10メートルであった。脱塵性能はダスト粒径に大きく依存することが明らかになった。
【0076】
図4、図5、図7に示した捕集機702は現状のミストエリミネータ型でも充分ガス中のミストや一部ダストを捕集できるが、前記ミストエリミネータに代わり、図12に示す荷電部を設置することにより一段とミストやダストの捕集効率を高められることが明らかになった。荷電タイプのミストエリミネータは平板極を集塵極としてダスト、ミストを帯電させてクーロン力により捕集する方式である。
【0077】
図13(a)、(b)に示す例は図12の集塵極の電極間隔を20cmとした場合、排ガス流速を3、10m/sと変化させた際の電極間隔を飛行する液滴の捕集に必要な電極長さを求めたものである。ミスト粒径が大きいほど捕集効率は高められる傾向にある。
【0078】
脱硫装置では硫黄酸化物を効率良く除去できる。しかし、実際は微量であるが脱硫装置からミスリークしてくるSO、SO、NH、アンモニア化合物、金属酸化物などがプレクール微粒液滴脱塵・水回収部700で捕集されることが明らかになった。これは冷たい微粒液滴と接触するためであり、微量のアンモニアなどは噴霧液滴のpHを下げると捕集しやすくなることが明かになった。
【0079】
最も脱硫装置では硫黄酸化物を100%除去することは不可能であるから、例えば、図4の冷却タンク705に回収した水の一部を循環して使用していると硫黄酸化物を吸収しpHが低下する。従って、pHの低い噴霧液を冷し、微粒液滴とすることにより、より効果的なミスリークしてくる脱塵、水回収以外にアンモニアなどが効率良く回収できる。また、重金属化合物の捕集は脱硫装置出口ガス温度条件では蒸気圧が高いが、プレクール微粒液滴ゾーンでは温度が低いので捕集しやすくなることが明らかになった。
【0080】
【発明の効果】
本発明によれば、水蒸気が飽和しているダストを含む処理ガスの脱塵を行うのに、ガス温度より冷たい微粒液滴を噴霧させて脱塵と水回収を同時に行うようにしたので、プレクール微粒液滴を噴霧することにより飽和状態の水蒸気を過冷却状態を誘発し、ダストなどが凝縮核となりダストが肥大化し、粒径が大きくなることを利用して効率的な脱塵が可能である。
【0081】
さらに、同時に飽和状態の水蒸気を冷却することにより水蒸気を凝縮させ水回収が可能である。冷たい微粒液滴と燃焼排ガスを直接接触させるので間接熱交換器より熱交換効率が高くできる効果がある。また液滴と排ガスの気液流量比L/Gを調整することで、L/Gを高めれば水回収量が多くなり、脱塵性能も高くすることができる
【0082】
さらに本発明の微粒液滴脱塵と水回収プロセスを設置することにより微粒液滴及び回収した水に脱硫装置からミスリークしてくるSO、SO、アンモニア化合物又は、他の重金属などを捕集することが可能となる。
【0083】
さらに本発明の微粒液滴脱塵プロセスを脱硫装置出口に設置することにより、ガス中の水分含有率を小さくできるためにガス/ガス熱交換器の伝熱面積を小さくできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の火力発電プラントに設置した排煙脱硫装置の構成図である。
【図2】 図1の脱硫装置周りの温度と湿度の関係を示す図である。
【図3】 図1のダスト粒径と集塵性能の関係を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態の脱硫装置出口部の構成図である。
【図5】 本発明の実施の形態の脱硫装置出口部の構成図である。
【図6】 本発明の実施の形態の脱硫装置出口部でのプレクール微粒液滴脱塵機構の模式図である。
【図7】 本発明の実施の形態の脱硫装置出口部での微粒液脱塵と水回収のための構成図である。
【図8】 本発明の効果を確認するベンチテスト装置を示す図である。
【図9】 図8に示す装置を用いた実験に用いたダスト粒径分布を示す図である。
【図10】 過冷却条件下の脱塵性能への影響を確認する実験装置を示す図である。
【図11】 スプレ脱塵におけるダスト粒径の依存性を示す図である。
【図12】 本発明の実施の形態の脱硫装置出口部でのミストエリミネータに代わる荷電ミスト捕集器の構成図である。
【図13】 図12に示す装置を用いた場合のダスト粒径と電極長さの関係を示す図である。
【図14】 従来の火力発電における排煙脱硫装置の構成図である。
【符号の説明】
2、3、4、5 燃焼排ガス 6 脱硫装置出口ガス
7 ガス/ガス熱交換器出口ガス 100 ボイラ
200 脱硝装置 300 ガス/ガス熱交換器
311 ガス調整部 312 第一スプレ部
313、705、900 冷却タンク
314 第二スプレ部 315 第二スプレ部上部
400 電気集塵機 500 脱硫装置
550 湿式電気集塵機 700 微粒液滴脱塵・水回収プロセス
701、901 微粒液滴噴霧器 702 捕集機(ミストエリミネータ)
703 冷却ゾーン 704、907 冷却源
707 回収水 706、906 スプレノズル
800 煙突 904 仕切り板

Claims (14)

  1. 吸収塔内に導入された排ガスと吸収液を接触させて排ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫装置の出口排ガスに含まれるダスト及び水または蒸発水を回収する脱硫装置出口排ガスからの脱塵及び水または蒸発水の回収方法において、脱硫装置から排出直後の排ガスに脱硫装置出口排ガス温度より低温のプレクール液を液滴として脱硫装置出口排ガスの流れに対して向流に噴霧させ、排ガスを過冷却状態としダストを核に水蒸気を凝縮させてダストを肥大化させ、更に前記液滴と排ガスの気液流量比を調整することを特徴とする脱硫装置出口排ガスからの脱塵と水または水蒸気の回収方法。
  2. 脱硫装置出口排ガス温度より低温のプレクール液を脱硫装置出口排ガスに噴霧した後、さらに排ガスに対して向流に液を噴霧することを特徴とする請求項1記載の脱硫装置出口排ガスからの脱塵と水または水蒸気の回収方法。
  3. 脱硫装置出口排ガス温度より低温のプレクール液を脱硫装置出口排ガスに対して向流に2段以上で噴霧することを特徴とする請求項1記載の脱硫装置出口排ガスからの脱塵と水または水蒸気の回収方法。
  4. 脱硫装置出口排ガス温度より低温のプレクール液は該液を海水、空気、冷凍機の作動流体のいずれかと熱交換させて冷却することを特徴とする請求項1の脱硫装置出口排ガスからの脱塵と水または水蒸気の回収方法。
  5. プレクール液を噴霧したガス流れの後流側で液滴、肥大化したダスト、水蒸気の凝縮水を捕集することを特徴とする請求項1記載の脱硫装置出口排ガスからの脱塵と水または水蒸気の回収方法。
  6. 液滴、肥大化したダスト、水蒸気の凝縮水を捕集したものの一部を脱硫装置の補給水として使用することを特徴とする請求項5記載の脱硫装置出口排ガスからの脱塵と水または水蒸気の回収方法。
  7. プレクール液のpHを調整し、脱硫装置出口排ガスにミスリークする微量な硫黄酸化物、アンモニア化合物、カルシウム塩、又は金属化合物を捕集する機能を持たせたことを特徴とする請求項1記載の脱硫装置出口排ガスからの脱塵と水または水蒸気の回収方法。
  8. 火力発電設備又はごみ焼却設備において発生する燃焼排ガスを浄化処理するために、燃焼排ガスを脱硝処理、集塵処理、脱硫処理、脱硫処理後の脱塵処理、水回収処理及びガス加熱処理を行う火力発電設備又はごみ焼却設備排ガスの総合排煙処理方法において、前記脱硫処理後の脱塵処理、水回収処理に請求項1記載の脱硫装置出口排ガスからの脱塵と水または水蒸気の回収方法を用いることを特徴とする火力発電設備又はごみ焼却設備排ガスの総合排煙処理方法。
  9. 吸収塔内に導入された排ガスと吸収液を接触させて排ガス中の硫黄酸化物を除去する脱硫装置の出口排ガスに含まれるダスト及び水または蒸発水を回収する脱硫装置出口排ガスからの脱塵及び水または蒸発水の回収装置において、脱硫装置から排出直後の排ガスに脱硫装置出口排ガス温度より低温のプレクール液を液滴として脱硫装置出口側のダクト内の排ガスの流れに対して向流に噴霧させ、排ガスを過冷却状態としダストを核に水蒸気を凝縮させてダストを肥大化させる噴霧手段及び前記液滴と排ガスの気液流量比を調整する手段を設けたことを特徴とする脱硫装置出口排ガスからの脱塵と水または水蒸気の回収装置。
  10. プレクール液の噴霧手段は2段以上設けたことを特徴とする請求項9記載の脱硫装置出口排ガスからの脱塵と水または水蒸気の回収装置。
  11. プレクール液の冷却源として海水、空気、冷凍機の作動流体のいずれかと熱交換させて冷却する熱交換器を設置したことを特徴とする請求項9記載の脱硫装置出口排ガスからの脱塵と水または水蒸気の回収装置。
  12. プレクール液の噴霧手段が配置された脱硫装置出口側のダクトのガス流れ後流側に液滴、肥大化したダスト、水蒸気の凝縮水を捕集するミストエリミネータを配置したことを特徴とする請求項9記載の脱硫装置出口排ガスからの脱塵と水または水蒸気の回収装置。
  13. プレクール液の噴霧手段が配置された脱硫装置出口側のダクトのガス流れ後流側に液滴、肥大化したダスト、水蒸気の凝縮水を捕集する荷電部を配置したことを特徴とする請求項9記載の脱硫装置出口排ガスからの脱塵と水または水蒸気の回収装置。
  14. 火力発電設備又はごみ焼却設備において発生する燃焼排ガスを浄化処理するために、燃焼排ガスの脱硝処理装置、集塵処理装置、脱硫処理装置、脱硫処理装置の後流側に配置される脱塵・水回収処理装置及びガス加熱処理装置を順次配置した火力発電設備又はごみ焼却設備排ガスの総合排煙処理装置において、前記脱硫処理後の脱塵、水回収処理装置に請求項9記載の脱硫装置出口排ガスからの脱塵と水または水蒸気の回収装置を用いることを特徴とする火力発電設備又はごみ焼却設備排ガスの総合排煙処理装置。
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