JP3856098B2 - ロール紙切断制御方法、及びインクジェット式記録装置 - Google Patents

ロール紙切断制御方法、及びインクジェット式記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、ロール紙に記録実行可能な構成を有するインクジェット式記録装置のロール紙切断制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロール紙に記録実行可能なインクジェット式記録装置としては、ロール紙を給紙路に給紙可能なロール紙給紙手段と、ロール紙カッター等のロール紙切断手段とを備え、ロール紙への記録及び記録後のロール紙を適切な切断位置で切断可能な構成を有するインクジェット式記録装置が公知である。このようなインクジェット式記録装置において、従来一般的に行われている記録実行制御、及びロール紙切断制御は、まず、記録データに含まれる記録紙サイズ情報に基づいて、ロール紙上の記録実行領域及び記録実行領域の終端近傍の切断位置が決定される。つづいて、記録実行手段によってロール紙の記録実行領域に記録が実行され、あらかじめ決定されている切断位置において切断され、排紙手段によって普通紙等の単票紙と同様に排出される。そして、切断後、切断位置より副走査方向上流側のロール紙の始端が、次の記録実行制御の開始位置となる如くロール紙を逆送し、次の記録が実行されるものである。
【0003】
しかし、ロール紙に対して連続して記録を実行する際には、このように、記録を終える毎にロール紙を切断位置まで副走査方向に搬送し、切断した後、逆送して次の記録を実行することを繰り返すと、記録実行のスループットが良くない。そのため、ロール紙に連続して記録を実行する際には、記録終了後、すぐにロール紙を切断せずに、次の記録をそのまま実行する。つづいて、次の記録実行中にロール紙の切断すべき位置が、ロール紙切断手段の切断位置に到達した時点で、いったん実行中の記録を中断してロール紙を切断する。そして、記録実行中の記録を継続して実行する。
【0004】
また、最後の記録が終了した時点で、インクジェット式記録装置に設けられているボタンを操作することによって、最後の記録の切断すべき位置がロール紙切断手段の切断位置まで搬送され、その位置でロール紙が切断される。そして、切断後、切断位置より副走査方向上流側のロール紙の始端が、次の記録実行制御の開始位置となる如くロール紙を逆送される。このように、ロール紙に対して連続して記録を実行する際には、連続して記録を実行しながら記録と記録との間の切断すべき位置が、ロール紙切断手段の切断位置に到達した時点でロール紙を切断することによって、効率的にロール紙への連続した記録を実行することができるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、連続した記録の最後の記録は、ボタン操作によって、切断及び排紙を実行する必要があるので、その時点で、ボタン操作をする前にインクジェット式記録装置の電源スイッチをOFFしてしまうと、最後の記録が、インクジェット式記録装置の内部に残留したままになってしまう。そして、次にインクジェット式記録装置の電源スイッチをONした時点において、残留している記録の副走査方向の長さが分からないため、その残留している記録を正確な終端位置でロール紙を切断することができない。
【0006】
本願発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、ロール紙へ連続して記録を実行する際の最後の記録がインクジェット式記録装置内部に残留した状態で、インクジェット式記録装置の電源スイッチをOFFした時に、インクジェット式記録装置内部に残留している記録を正確な切断位置で切断して排出することができなくなることを防止することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、記録ヘッドを主走査方向に往復動させながら記録紙にインクを吐出する動作と、前記記録紙を副走査方向に間欠的に搬送する動作とを交互に繰り返して前記記録紙に記録を実行するインクジェット式記録装置にてロール紙に記録を実行する際のロール紙切断制御方法であって、記録終了時に次の記録データがある時は、前記ロール紙にそのまま次の記録を実行し、次の記録実行中に、記録が終了している記録の終端と記録途中の記録の始端と間の切断すべき位置が、ロール紙切断手段による切断位置に到達した時点で、該ロール紙を切断し、記録終了時に次の記録データがない時は、その時点で記録実行制御を終了して、ロール紙切断制御要求待ち状態を維持し、手動操作による前記ロール紙切断制御要求があった時に、前記ロール紙の記録が終了している記録の終端の切断すべき位置が、前記ロール紙切断手段による切断位置に到達するまで該ロール紙を搬送して該ロール紙を切断し、前記ロール紙切断制御要求待ち状態中に、前記インクジェット式記録装置の電源スイッチをOFFにする操作が行われた時には、前記ロール紙の記録が終了している記録の終端の切断すべき位置が、前記ロール紙切断手段による切断位置に到達するまで該ロール紙を搬送して該ロール紙を切断した後に、前記インクジェット式記録装置の電源をOFFする、ことを特徴としたロール紙切断制御方法である。
【0008】
このように、ロール紙に連続して記録を実行し、最後の記録が終了してロール紙切断制御要求待ち状態で、インクジェット式記録装置の電源をOFFにする操作が行われた時に、ロール紙の記録が終了している記録の終端の切断すべき位置が、ロール紙切断手段による切断位置に到達するまでロール紙を搬送してロール紙を切断した後に、インクジェット式記録装置の電源をOFFする。
【0009】
つまり、ロール紙切断制御要求待ち状態の時に、ロール紙の記録が終了している記録の終端の切断すべき位置が、ロール紙切断手段による切断位置に到達するまでロール紙を搬送してロール紙を切断する制御を実行する手動操作を行わずに、インクジェット式記録装置の電源をOFFにする操作してしまった時に、その手動操作によるロール紙の切断制御を必ず実行するものである。したがって、最後の記録が、インクジェット式記録装置の内部に残留したままになってしまう虞がない。
【0010】
これにより、本願請求項1に記載の発明に係るロール紙切断制御方法によれば、ロール紙へ連続して記録を実行する際の最後の記録がインクジェット式記録装置内部に残留した状態で、インクジェット式記録装置の電源スイッチをOFFした時に、インクジェット式記録装置内部に残留している記録を正確な切断位置で切断して排出することができなくなることを防止することができるという作用効果が得られる。
【0011】
本願請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記ロール紙切断制御方法は、前記ロール紙切断制御要求待ち状態中に、手動操作による前記ロール紙切断制御要求があった時、及び前記インクジェット式記録装置の電源スイッチをOFFにする操作が行われた時は、前記ロール紙を切断後、切断位置より前記副走査方向上流側の前記ロール紙の始端が、次の記録実行制御の開始位置となる如く該ロール紙を逆送する、ことを特徴としたロール紙切断制御方法である。
【0012】
このように、ロール紙を切断後、切断位置より副走査方向上流側のロール紙の始端が、次の記録実行制御の開始位置となる如くロール紙を逆送するので、次のロール紙への記録開始時に、すぐに記録を開始することができる。
これにより、本願請求項2に記載の発明に係るロール紙切断制御方法によれば、本願請求項1に記載の発明による作用効果に加えて、ロール紙へ記録実行する際のスループットを向上させることができるという作用効果が得られる。
【0013】
本願請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記ロール紙切断制御方法は、通常の記録実行制御時には、前記ロール紙上の前記副走査方向における既定長の記録領域の始端近傍及び終端近傍にてロール紙を切断し、記録途中に記録実行制御が中断された時には、記録途中の記録終端近傍で前記ロール紙を切断する、ことを特徴としたロール紙切断制御方法である。
【0014】
このように、記録を中断した際には、あらかじめ設定されている記録領域の終端近傍ではなく、記録途中の記録終端近傍で、つまり記録を終えている記録領域の終端近傍でロール紙を切断するので、残りの記録が実行されていない余白部分を無駄に捨ててしまうことがない。
これにより、本願請求項3に記載の発明に係るロール紙切断制御方法によれば、本願請求項1又は2に記載の発明による作用効果に加えて、インクジェット式記録装置でロール紙に記録を実行する際に、記録途中において記録実行制御が中断された時に、無駄に捨てられてしまうロール紙を少なくすることができるという作用効果が得られる。
【0015】
本願請求項4に記載の発明は、記録ヘッドを主走査方向に往復動させながら記録紙にインクを吐出する動作と、前記記録紙を副走査方向に間欠的に搬送する動作とを交互に繰り返して前記記録紙に記録を実行する記録実行手段と、該記録実行手段によりロール紙に記録を実行する際に、記録実行後のロール紙を切断するロール紙切断手段と、前記記録実行手段及びロール紙切断手段を制御する記録制御部とを備えたインクジェット式記録装置であって、前記記録制御部は、記録終了時に次の記録データがある時は、前記ロール紙にそのまま次の記録を実行し、次の記録実行中に、記録が終了している記録の終端と記録途中の記録の始端と間の切断すべき位置が、前記ロール紙切断手段による切断位置に到達した時点で、該ロール紙を切断し、記録終了時に次の記録データがない時は、その時点で記録実行制御を終了して、ロール紙切断制御要求待ち状態を維持し、手動操作による前記ロール紙切断制御要求があった時に、前記ロール紙の記録が終了している記録の終端の切断すべき位置が、前記ロール紙切断手段による切断位置に到達するまで該ロール紙を搬送して該ロール紙を切断し、前記ロール紙切断制御要求待ち状態中に、前記インクジェット式記録装置の電源スイッチをOFFにする操作が行われた時には、前記ロール紙の記録が終了している記録の終端の切断すべき位置が、前記ロール紙切断手段による切断位置に到達するまで該ロール紙を搬送して該ロール紙を切断した後に、前記インクジェット式記録装置の電源をOFFする、ことを特徴としたインクジェット式記録装置である。
本願請求項4に記載の発明に係るインクジェット式記録装置によれば、インクジェット式記録装置において、前述した本願請求項1に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0016】
本願請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記記録制御部は、前記ロール紙切断制御要求待ち状態中に、手動操作による前記ロール紙切断制御要求があった時、及び前記インクジェット式記録装置の電源スイッチをOFFにする操作が行われた時は、前記ロール紙を切断後、切断位置より前記副走査方向上流側の前記ロール紙の始端が、次の記録実行制御の開始位置となる如く該ロール紙を逆送する、ことを特徴としたインクジェット式記録装置である。
本願請求項5に記載の発明に係るインクジェット式記録装置によれば、インクジェット式記録装置において、前述した本願請求項2に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0017】
本願請求項6に記載の発明は、請求項4又は5において、前記制御部は、通常の記録実行制御時には、前記ロール紙上の前記副走査方向における既定長の記録実行領域の始端及び終端に所定の余白を残してロール紙を切断し、記録途中に記録実行制御が中断された時には、記録途中の記録終端近傍で前記ロール紙を切断する、ことを特徴としたインクジェット式記録装置である。
本願請求項6に記載の発明に係るインクジェット式記録装置によれば、インクジェット式記録装置において、前述した本願請求項3に記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0018】
本願請求項7に記載の発明は、記録ヘッドを主走査方向に往復動させながら記録紙にインクを吐出する動作と、前記記録紙を副走査方向に間欠的に搬送する動作とを交互に繰り返して前記記録紙に記録を実行する記録実行手段と、該記録実行手段によりロール紙に記録を実行する際に、記録実行後のロール紙を切断するロール紙切断手段とを備えたインクジェット式記録装置のロール紙切断手段の制御をコンピュータに実行させるロール紙切断制御プログラムであって、記録終了時に次の記録データがある時は、前記ロール紙にそのまま次の記録を実行し、次の記録実行中に、記録が終了している記録の終端と記録途中の記録の始端と間の切断すべき位置が、前記ロール紙切断手段による切断位置に到達した時点で、該ロール紙を切断する手順と、記録終了時に次の記録データがない時は、その時点で記録実行制御を終了して、ロール紙切断制御要求待ち状態を維持する手順と、手動操作による前記ロール紙切断制御要求があった時に、前記ロール紙の記録が終了している記録の終端の切断すべき位置が、前記ロール紙切断手段による切断位置に到達するまで該ロール紙を搬送して該ロール紙を切断する手順と、前記ロール紙切断制御要求待ち状態中に、前記インクジェット式記録装置の電源スイッチをOFFにする操作が行われた時には、前記ロール紙の記録が終了している記録の終端の切断すべき位置が、前記ロール紙切断手段による切断位置に到達するまで該ロール紙を搬送して該ロール紙を切断した後に、前記インクジェット式記録装置の電源をOFFする手順とを有する、ことを特徴としたロール紙切断制御プログラムである。
【0019】
本願請求項7に記載の発明に係るロール紙切断制御プログラムによれば、前述した本願請求項1に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、このロール紙切断制御プログラムを実行することができる任意のインクジェット式記録装置に、前述した本願請求項1に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0020】
本願請求項8に記載の発明は、請求項7において、前記ロール紙切断制御プログラムは、前記ロール紙切断制御要求待ち状態中に、手動操作による前記ロール紙切断制御要求があった時、及び前記インクジェット式記録装置の電源スイッチをOFFにする操作が行われた時は、前記ロール紙を切断後、切断位置より前記副走査方向上流側の前記ロール紙の始端が、次の記録実行制御の開始位置となる如く該ロール紙を逆送する手順を有する、ことを特徴としたロール紙切断制御プログラムである。
【0021】
本願請求項8に記載の発明に係るロール紙切断制御プログラムによれば、前述した本願請求項2に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるとともに、このロール紙切断制御プログラムを実行することができる任意のインクジェット式記録装置に、前述した本願請求項2に記載の発明と同様の作用効果をもたらすことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本願発明に係るインクジェット式記録装置の一実施の形態を示した概略の平面図であり、図2はその側面図である。
【0023】
インクジェット式記録装置50には、普通紙等の単票紙、及びロール紙P等の長尺な記録紙に記録を実行する記録手段として、キャリッジガイド軸51に軸支され、主走査方向Xに移動するキャリッジ61が設けられている。キャリッジ61には、記録紙にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド62が搭載されている。記録ヘッド62と対向して、記録ヘッド62のヘッド面と記録紙とのギャップを規定するプラテン52が設けられている。そして、キャリッジ61を主走査方向Xに搬送し、キャリッジ61とプラテン52の間に記録紙を副走査方向Yに搬送しながら、記録ヘッド62が記録紙にインクを吐出することで記録紙に記録が行われる。
【0024】
給紙トレイ31は、例えば普通紙やフォト紙等の単票紙を給紙可能な構成となっており、単票紙を自動給紙するためのASF(オート・シート・フィーダー)が設けられている。ASFは、給紙トレイ31に設けられた2つの給紙ローラ22及び図示してない分離パッドを有する給紙機構である。給紙ローラ22は、ステッピングモータ等の回転駆動力により回転制御され、D形の断面形状を有している。この2つの給紙ローラ22の1つは、給紙トレイ31の一方側に配置され、もう1つの給紙ローラ22は、記録紙ガイド32に取り付けられており、記録紙ガイド32は、記録紙の幅に合わせて符号Aで示した矢印の方向に摺動可能に給紙トレイ31に設けられている。そして、給紙ローラ22の回転駆動力と、分離パッドの摩擦抵抗により、給紙トレイ31に置かれた複数の単票紙を給紙する際に、複数の単票紙が一度に給紙されることなく、1枚ずつ正確に自動給紙される。
【0025】
また、給紙トレイ31の後方には、ロール紙ホルダ21が設けられている。ロール紙ホルダ21は、ロール紙支持軸23が取り付けられたロール紙Pを回転可能に軸支している。ロール紙Pは、図2に示したように給紙トレイ31を経由して給紙される。
【0026】
そして、給紙された単票紙若しくはロール紙Pは、給紙ローラより副走査方向の下流側に配設された記録紙搬送手段により、記録実行領域側となる副走査方向Yの下流側に向けて、所定の紙送り量で間欠的に搬送される。
【0027】
この記録紙を副走査方向Yに間欠的に搬送する記録紙搬送手段として、搬送駆動ローラ53と搬送従動ローラ54が設けられている。搬送駆動ローラ53は、ステッピングモータ等の回転駆動力により回転制御され、搬送駆動ローラ53の回転により、記録紙は副走査方向Yに搬送される。搬送従動ローラ54は複数設けられており、それぞれ個々に搬送駆動ローラ53に付勢され、記録紙が搬送駆動ローラ53の回転により搬送される際に、記録紙に接して記録紙の搬送に従動して回転する。
【0028】
また、給紙ローラ22と搬送駆動ローラ53との間には、従来技術において公知の技術による紙検出器24が配設されている。紙検出器24は、立位姿勢への自己復帰習性が付与され、かつ記録紙搬送方向にのみ回動し得るよう記録紙の搬送経路内に突出する状態で枢支されたレバーを有し、このレバーの先端が記録紙に押されることでレバーが回動し、それによって記録紙が検出される構成を成す検出器である。
【0029】
一方、記録された記録紙を排紙する手段として、排紙駆動ローラ55と排紙従動ローラ56が設けられている。排紙駆動ローラ55は、ステッピングモータ等の回転駆動力により回転制御され、排紙駆動ローラ55の回転により、記録紙は副走査方向Yに排紙される。排紙従動ローラ56は複数設けられ、周囲に複数の歯を有し、各歯の先端が記録紙の記録面に点接触するように鋭角的に尖っている歯付きローラとなっている。それぞれ個々に排紙駆動ローラ55に搬送従動ローラ54の付勢力よりも弱い付勢力で付勢され、記録紙が排紙駆動ローラ55の回転により排紙される際に、記録紙に接して記録紙の排紙に従動して回転する。
【0030】
そして、排紙駆動ローラ55及び排紙従動ローラ56の副走査方向下流側には、ロール紙Pを切断するロール紙カッター57が設けられており、ロール紙Pは、記録終了後に切断すべき位置で、ロール紙カッター57により切断される。尚、ロール紙カッター57は、当該実施例においては、鋭利な刃でロール紙を符号Zで示した矢印の方向に上下から挟み切るものであるが、例えばロータリーカッター等、他の切断装置でも本願発明の実施は可能である。
【0031】
さらに、インクジェット式記録装置50には、ロール紙Pに記録を実行し、記録実行後のロール紙Pを切断する制御を実行するためのロール紙切断ボタン58が、インクジェット式記録装置50の操作しやすい位置に配設されている。この、ロール紙切断ボタン58を操作することによって、インクジェット式記録装置50内に残っているロール紙Pの記録済みの部分を、排出させることができるものである。
【0032】
また、インクジェット式記録装置50は、記録制御部1を備えている。記録制御部1は、図示していないCPU(中央演算処理ユニット)、及びROM、RAM等のCPU周辺ユニットを有しており、記録実行制御及びロール紙切断制御等のインクジェット式記録装置50の制御プログラムを実行して、インクジェット式記録装置50の制御が実行する機能を有している。
【0033】
図3は、本願発明に係るロール紙切断制御の手順を示した概略のフローチャートである。
まず、給紙されたロール紙Pに対して、記録動作が実行され(ステップS1)、給紙されたロール紙Pは、記録実行領域において、紙送り駆動ローラ53の駆動回転により、副走査方向Yに間欠的に紙送りされ、主走査方向Xに往復動するキャリッジ61に搭載された記録ヘッド62からインクを吐出されて、ロール紙Pの記録面に記録が実行される。
【0034】
つづいて、記録途中に記録データの有無を確認して、記録終了か否かを判定する(ステップS2)。記録データがあり、記録が終了していない場合には(ステップS2でNo)、ロール紙カッター57の切断位置に、ロール紙Pの切断すべき位置が到達しているか判定する(ステップS3)。ロール紙カッター57の切断位置に、ロール紙Pの切断すべき位置が到達していれば(ステップS3でYes)、その時点でロール紙Pを切断し、引き続き記録動作を実行する(ステップS1)。ロール紙カッター57の切断位置に、ロール紙Pの切断すべき位置が到達していなければ(ステップS3でNo)、そのまま、引き続き記録動作を実行する(ステップS1)。
【0035】
一方、記録が終了していれば(ステップS2でYes)、残りの記録データの有無を確認し、次の記録の記録データがあるかを判定する(ステップS5)。次の記録データがあれば(ステップS5でYes)、引き続き記録動作を実行する(ステップS1)。次の記録データがなく、全ての記録が終了していれば(ステップS5でNo)、記録動作を終了し、最後の記録の終端を切断する切断制御要求待ち状態を維持する(ステップS6)。
【0036】
つづいて、この切断制御要求待ち状態において、インクジェット式記録装置50に備えられているロール紙切断ボタン58が押下されたかを判定する(ステップS7)。ロール紙切断ボタン58が押下されていれば(ステップS7でYes)、一連のロール紙切断動作として、ロール紙Pの所定の切断すべき位置がロール紙カッター57の切断位置に達するまで、ロール紙Pを副走査方向Yに搬送し、ロール紙Pを切断すべき位置で切断し、切断後、副走査方向Yにおける上流側のロール紙Pの始端が、次の記録実行開始位置となる如く、ロール紙Pを逆送する(ステップS8)。
【0037】
また、ロール紙切断制御要求待ち状態において、ロール紙切断ボタンが押下されていなければ(ステップS7でNo)、つづいて、インクジェット式記録装置50の電源ボタン(図示せず)が押下されているかを判定する(ステップS9)。電源ボタンが押下されていなければ(ステップS9でNo)、引き続きロール紙切断制御要求待ち状態を維持する(ステップS6)。
【0038】
一方、インクジェット式記録装置50の電源ボタン(図示せず)が押下されていれば(ステップS9でYes)、上述のロール紙切断ボタン58が押下された場合と同様に、一連のロール紙切断動作として、ロール紙Pの所定の切断すべき位置がロール紙カッター57の切断位置に達するまで、ロール紙Pを副走査方向Yに搬送し、ロール紙Pを切断すべき位置で切断し、切断後、副走査方向Yにおける上流側のロール紙Pの始端が、次の記録実行開始位置となる如く、ロール紙Pを逆送する(ステップS10)する。そして、インクジェット式記録装置50の電源をOFFにする(ステップS11)。
【0039】
尚、当該実施の形態に示したインクジェット式記録装置50の図示していない、電源ON/OFF回路は、プッシュスイッチ等の電源ボタンの接点で、直接電源ラインを通電又は遮断する構成ではなく、電源ボタンの接点出力を記録制御部1に入力して、その接点情報をもとに記録制御部1が電源ラインを通電又は遮断可能に配設されているリレー等を開閉制御する構成となっている。したがって、ロール紙切断制御要求待ち状態の時に、電源ボタンが押された場合には、上述したようにロール紙切断動作を実行後に電源ラインを遮断し、それ以外の時は、すぐに電源ラインを遮断する制御を記録制御部1が実行するものである。
【0040】
図4〜図13は、ロール紙Pに連続して記録が実行される過程を示したインクジェット式記録装置50の概略の平面図である。以下、図4〜図13を参照しながら、ロール紙Pに連続して記録を実行する制御手順について説明する。
【0041】
図4は、ロール紙Pを給紙した状態を示したものである。ロール紙ホルダ21に回転可能に軸支されているロール紙Pは、給紙トレイ31を経由して給紙される。そして、図示の如く、ロール紙Pの始端が記録実行開始位置に到達するまで、搬送駆動ローラ53によって搬送される。
【0042】
図5は、ロール紙Pに記録が実行されている状態を示したものである。ロール紙Pは、主走査方向Xに往復動するキャリッジ61に搭載された記録ヘッド62からインクが吐出され、搬送ローラ53の回転によって副走査方向Yに間欠的に搬送されて記録が実行される。尚、ロール紙Pの記録面上の斜線部分は、記録済みの記録領域を示すものであり、以下、同様である。
【0043】
図6は、ロール紙Pへの記録が終了した状態を示したものである。前述したように、この時点において、次の記録の記録データがあれば、そのまま記録を続行し、記録データがなく、記録が終了していれば、ロール紙切断制御要求待ち状態となる。
【0044】
図7は、引き続き次の記録をロール紙Pに対して実行している状態を示したものであり、図8は、その記録途中において、記録済みの前の記録の終端と記録中の記録の始端との間の切断すべき位置が、ロール紙カッター57の切断位置に到達した状態を示したものである。そして、図9は、ロール紙カッター57の切断位置にてロール紙Pを上記切断すべき位置で切断した状態を示したものである。
【0045】
図10は、ロール紙Pに対して連続して記録を実行し、最後の記録の記録が終了した状態を示したものである。記録データがなくなり全ての記録が終了した時点で、上述したように、ロール紙切断制御要求待ち状態となる。
【0046】
図11は、上記ロール紙切断制御要求待ち状態において、ロール紙切断ボタン58を押下することによって、ロール紙Pの切断すべき位置がロール紙カッター57の切断位置に到達するまで搬送された状態を示したものである。ロール紙切断ボタン58を押下することによって、ロール紙切断制御要求が記録制御部1に対して出力され、それによって記録制御部1がロール紙切断動作を実行する。図12は、ロール紙カッター57の切断位置まで搬送されたロール紙Pの切断すべき位置で、ロール紙Pがロール紙カッター57によって切断された状態を示したものである。図13は、切断後、切断位置より副走査方向上流側のロール紙Pの始端が、次の記録実行制御の開始位置となる如くロール紙Pを符号Bの矢印で示した方向に逆送した状態を示したものである。
【0047】
また、図10に示したロール紙切断制御要求待ち状態において、インクジェット式記録装置50の電源ボタン(図示せず)を押下した場合は、すぐにインクジェット式記録装置50の電源をOFFに制御を実行せずに、図11〜13に示したロール紙切断ボタンを押下したときと同様のロール紙切断動作を実行する。ロール紙Pの切断すべき位置がロール紙カッター57の切断位置に到達するまでロール紙Pを搬送し、ロール紙Pの切断すべき位置で、ロール紙Pをロール紙カッター57によって切断する。また、切断後、切断位置より副走査方向上流側のロール紙Pの始端が、次の記録実行制御の開始位置となる如くロール紙Pを符号Bの矢印で示した方向に逆送する。そして、インクジェット式記録装置50の電源をOFFにする。
【0048】
このようにして、ロール紙Pへ連続して記録を実行する際の最後の記録がインクジェット式記録装置50の内部に残留した状態で、インクジェット式記録装置50の電源スイッチをOFFした時に、自動的にロール紙の切断動作を実行した後、インクジェット式記録装置50の電源をOFFにするので、インクジェット式記録装置50の内部に残留している記録を正確な切断位置で切断して排出することができなくなることを防止することができる。
【0049】
他の実施の形態としては、上記実施の形態に加えて、ロール紙Pへの記録実行中に実行中の記録を中断する記録中断ボタンを備えたものが挙げられる。
図14は、本願発明に係るインクジェット式記録装置の他の実施の形態を示した概略の側面図である。インクジェット式記録装置50には、実行中の記録を中断するための記録中断ボタン59が、インクジェット式記録装置50の操作しやすい位置に配設されている。この、記録中断ボタン59を操作することによって、実行中の普通紙等の単票紙、又はロール紙Pへの記録を、いつでも、すぐに中断させることができるものである。
【0050】
図15は、記録中断ボタン59を押下した時の記録制御部1の制御手順を示したフローチャートである。
当該実施の形態においてのフローチャートは、図3に示したフローチャートのステップS1とステップS2との間に図15に示したステップS21が挿入されたフローチャートとなる。つまり、まず、記録動作中(図3ステップS1)に、記録中断ボタン59が押下されたかを判定し(ステップS21)、記録中断ボタン59が押下されていなければ(ステップS21でNo)、図3に示したステップS2へ進む。
【0051】
記録中断ボタン59が押下されていれば(ステップS21でYes)、つづいて、記録途中の記録終端位置までロール紙Pを搬送する(ステップS22)。そして、記録途中の記録終端位置でロール紙Pを切断し(ステップS23)、切断後、副走査方向上流側のロール紙Pの始端が、記録実行開始位置となる位置まで、ロール紙Pを逆送する(ステップS24)。
【0052】
尚、インクジェット式記録装置50に設けられている記録中断ボタン58を操作すること以外に、例えば、インクジェット式記録装置50に接続されているパーソナル・コンピュータ等の情報処理装置(図示せず)からの記録中断制御要求等によって記録を中断することも可能な構成としても良い。
【0053】
図16は、ロール紙Pへの記録途中に、記録中断ボタンの押下によって記録が中断された状態を示したものである。図17は、記録途中の記録終端近傍でロール紙Pを切断する位置まで、ロール紙Pを搬送した状態を示したものである。そして、図18に示したように、ロール紙カッター57によって切断される。
【0054】
このようにして、記録実行途中に記録中断制御要求があった場合には、記録途中の記録終端位置までロール紙Pを搬送し、記録途中の記録終端位置でロール紙Pを切断することによって、無駄に捨てられてしまうロール紙Pを少なくすることができる。
【0055】
尚、本願発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本願発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【0056】
【発明の効果】
本願発明によれば、ロール紙へ連続して記録を実行する際の最後の記録がインクジェット式記録装置内部に残留した状態で、インクジェット式記録装置の電源スイッチをOFFした時に、インクジェット式記録装置内部に残留している記録を正確な切断位置で切断して排出することができなくなることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るインクジェット式記録装置の一実施の形態を示した概略の平面図である。
【図2】本願発明に係るインクジェット式記録装置の一実施の形態を示した概略の側面図である。
【図3】本願発明に係るロール紙切断制御の手順を示した概略のフローチャートである。
【図4】ロール紙に連続して記録が実行される過程を示したインクジェット式記録装置の概略の平面図であり、ロール紙を給紙した状態を示したものである。
【図5】ロール紙に連続して記録が実行される過程を示したインクジェット式記録装置の概略の平面図であり、ロール紙に記録が実行されている状態を示したものである。
【図6】ロール紙に連続して記録が実行される過程を示したインクジェット式記録装置の概略の平面図であり、ロール紙Pへの記録が終了した状態を示したものである。
【図7】ロール紙に連続して記録が実行される過程を示したインクジェット式記録装置の概略の平面図であり、引き続き次の記録をロール紙に対して実行している状態を示したものである。
【図8】ロール紙に連続して記録が実行される過程を示したインクジェット式記録装置の概略の平面図であり、記録途中において、ロール紙の切断すべき位置が、切断位置に到達した状態を示したものである。
【図9】ロール紙に連続して記録が実行される過程を示したインクジェット式記録装置の概略の平面図であり、ロール紙カッターの切断位置にてロール紙を切断すべき位置で切断した状態を示したものである。
【図10】ロール紙に連続して記録が実行される過程を示したインクジェット式記録装置の概略の平面図であり、ロール紙に対して連続して記録を実行し、最後の記録の記録が終了した状態を示したものである。
【図11】ロール紙に連続して記録が実行される過程を示したインクジェット式記録装置の概略の平面図であり、ロール紙切断ボタンを押下することによって、ロール紙の切断すべき位置が切断位置に到達するまで搬送された状態を示したものである。
【図12】ロール紙に連続して記録が実行される過程を示したインクジェット式記録装置の概略の平面図であり、ロール紙カッターの切断位置まで搬送されたロール紙の切断すべき位置で、ロール紙が切断された状態を示したものである。
【図13】ロール紙に連続して記録が実行される過程を示したインクジェット式記録装置の概略の平面図であり、切断後、ロール紙の始端が、次の記録実行制御の開始位置となる如くロール紙を逆送した状態を示したものである。
【図14】本願発明に係るインクジェット式記録装置の他の実施の形態を示した概略の側面図である。
【図15】記録中断ボタンを押下した時の記録制御部の制御手順を示したフローチャートである。
【図16】ロール紙に連続して記録が実行される過程を示したインクジェット式記録装置の概略の平面図であり、ロール紙への記録途中に、記録中断ボタンの押下によって記録が中断された状態を示したものである。
【図17】ロール紙に連続して記録が実行される過程を示したインクジェット式記録装置の概略の平面図であり、記録途中の記録終端近傍でロール紙Pを切断する位置まで、ロール紙を搬送した状態を示したものである。
【図18】ロール紙に連続して記録が実行される過程を示したインクジェット式記録装置の概略の平面図であり、記録途中の記録終端近傍でロール紙Pを切断する位置でロール紙カッターによって切断された状態を示したものである。
【符号の説明】
1 記録制御部
21 ロール紙ホルダ
22 給紙ローラ
24 紙検出器
31 給紙トレイ
32 記録紙ガイド
50 インクジェット式記録装置
51 キャリッジガイド軸
52 プラテン
53 搬送駆動ローラ
54 搬送従動ローラ
55 排紙駆動ローラ
56 排紙従動ローラ
57 ロール紙カッター
58 ロール紙切断ボタン
59 記録中断ボタン
61 キャリッジ
62 記録ヘッド
P ロール紙
X 主走査方向
Y 副走査方向

Claims (8)

  1. 記録ヘッドを主走査方向に往復動させながら記録紙にインクを吐出する動作と、前記記録紙を副走査方向に間欠的に搬送する動作とを交互に繰り返して前記記録紙に記録を実行するインクジェット式記録装置にてロール紙に記録を実行する際のロール紙切断制御方法であって、
    記録終了時に次の記録データがある時は、前記ロール紙にそのまま次の記録を実行し、次の記録実行中に、記録が終了している記録の終端と記録途中の記録の始端と間の切断すべき位置が、ロール紙切断手段による切断位置に到達した時点で、該ロール紙を切断し、
    記録終了時に次の記録データがない時は、その時点で記録実行制御を終了して、ロール紙切断制御要求待ち状態を維持し、
    手動操作による前記ロール紙切断制御要求があった時に、前記ロール紙の記録が終了している記録の終端の切断すべき位置が、前記ロール紙切断手段による切断位置に到達するまで該ロール紙を搬送して該ロール紙を切断し、
    前記ロール紙切断制御要求待ち状態中に、前記インクジェット式記録装置の電源スイッチをOFFにする操作が行われた時には、前記ロール紙の記録が終了している記録の終端の切断すべき位置が、前記ロール紙切断手段による切断位置に到達するまで該ロール紙を搬送して該ロール紙を切断した後に、前記インクジェット式記録装置の電源をOFFする、ことを特徴としたロール紙切断制御方法。
  2. 請求項1において、前記ロール紙切断制御方法は、前記ロール紙切断制御要求待ち状態中に、手動操作による前記ロール紙切断制御要求があった時、及び前記インクジェット式記録装置の電源スイッチをOFFにする操作が行われた時は、前記ロール紙を切断後、切断位置より前記副走査方向上流側の前記ロール紙の始端が、次の記録実行制御の開始位置となる如く該ロール紙を逆送する、ことを特徴としたロール紙切断制御方法。
  3. 請求項1又は2において、前記ロール紙切断制御方法は、通常の記録実行制御時には、前記ロール紙上の前記副走査方向における既定長の記録領域の始端近傍及び終端近傍にてロール紙を切断し、記録途中に記録実行制御が中断された時には、記録途中の記録終端近傍で前記ロール紙を切断する、ことを特徴としたロール紙切断制御方法。
  4. 記録ヘッドを主走査方向に往復動させながら記録紙にインクを吐出する動作と、前記記録紙を副走査方向に間欠的に搬送する動作とを交互に繰り返して前記記録紙に記録を実行する記録実行手段と、該記録実行手段によりロール紙に記録を実行する際に、記録実行後のロール紙を切断するロール紙切断手段と、前記記録実行手段及びロール紙切断手段を制御する記録制御部とを備えたインクジェット式記録装置であって、前記記録制御部は、
    記録終了時に次の記録データがある時は、前記ロール紙にそのまま次の記録を実行し、次の記録実行中に、記録が終了している記録の終端と記録途中の記録の始端と間の切断すべき位置が、前記ロール紙切断手段による切断位置に到達した時点で、該ロール紙を切断し、
    記録終了時に次の記録データがない時は、その時点で記録実行制御を終了して、ロール紙切断制御要求待ち状態を維持し、
    手動操作による前記ロール紙切断制御要求があった時に、前記ロール紙の記録が終了している記録の終端の切断すべき位置が、前記ロール紙切断手段による切断位置に到達するまで該ロール紙を搬送して該ロール紙を切断し、
    前記ロール紙切断制御要求待ち状態中に、前記インクジェット式記録装置の電源スイッチをOFFにする操作が行われた時には、前記ロール紙の記録が終了している記録の終端の切断すべき位置が、前記ロール紙切断手段による切断位置に到達するまで該ロール紙を搬送して該ロール紙を切断した後に、前記インクジェット式記録装置の電源をOFFする、ことを特徴としたインクジェット式記録装置。
  5. 請求項4において、前記記録制御部は、前記ロール紙切断制御要求待ち状態中に、手動操作による前記ロール紙切断制御要求があった時、及び前記インクジェット式記録装置の電源スイッチをOFFにする操作が行われた時は、前記ロール紙を切断後、切断位置より前記副走査方向上流側の前記ロール紙の始端が、次の記録実行制御の開始位置となる如く該ロール紙を逆送する、ことを特徴としたインクジェット式記録装置。
  6. 請求項4又は5において、前記制御部は、通常の記録実行制御時には、前記ロール紙上の前記副走査方向における既定長の記録実行領域の始端及び終端に所定の余白を残してロール紙を切断し、記録途中に記録実行制御が中断された時には、記録途中の記録終端近傍で前記ロール紙を切断する、ことを特徴としたインクジェット式記録装置。
  7. 記録ヘッドを主走査方向に往復動させながら記録紙にインクを吐出する動作と、前記記録紙を副走査方向に間欠的に搬送する動作とを交互に繰り返して前記記録紙に記録を実行する記録実行手段と、該記録実行手段によりロール紙に記録を実行する際に、記録実行後のロール紙を切断するロール紙切断手段とを備えたインクジェット式記録装置のロール紙切断手段の制御をコンピュータに実行させるロール紙切断制御プログラムであって、
    記録終了時に次の記録データがある時は、前記ロール紙にそのまま次の記録を実行し、次の記録実行中に、記録が終了している記録の終端と記録途中の記録の始端と間の切断すべき位置が、前記ロール紙切断手段による切断位置に到達した時点で、該ロール紙を切断する手順と、
    記録終了時に次の記録データがない時は、その時点で記録実行制御を終了して、ロール紙切断制御要求待ち状態を維持する手順と、
    手動操作による前記ロール紙切断制御要求があった時に、前記ロール紙の記録が終了している記録の終端の切断すべき位置が、前記ロール紙切断手段による切断位置に到達するまで該ロール紙を搬送して該ロール紙を切断する手順と、
    前記ロール紙切断制御要求待ち状態中に、前記インクジェット式記録装置の電源スイッチをOFFにする操作が行われた時には、前記ロール紙の記録が終了している記録の終端の切断すべき位置が、前記ロール紙切断手段による切断位置に到達するまで該ロール紙を搬送して該ロール紙を切断した後に、前記インクジェット式記録装置の電源をOFFする手順とを有する、ことを特徴としたロール紙切断制御プログラム。
  8. 請求項7において、前記ロール紙切断制御プログラムは、前記ロール紙切断制御要求待ち状態中に、手動操作による前記ロール紙切断制御要求があった時、及び前記インクジェット式記録装置の電源スイッチをOFFにする操作が行われた時は、前記ロール紙を切断後、切断位置より前記副走査方向上流側の前記ロール紙の始端が、次の記録実行制御の開始位置となる如く該ロール紙を逆送する手順を有する、ことを特徴としたロール紙切断制御プログラム。
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