JP3856018B2 - 高強度・高導電性銅合金の製造方法 - Google Patents

高強度・高導電性銅合金の製造方法 Download PDF

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本発明は、端子・コネクタ用銅合金であって強度、耐力、導電性に優れた銅合金について、その優れた強度、耐力と良好な曲げ加工性を両立させ、なおかつ特性の異方性を小さくするための製造方法に関するものである。
電子・電気回路や部品の接続に用いられるコネクタの接続端子部分には、接続の信頼性を保つ必要からばね性の良好な高強度の銅合金が用いられる。近年、自動車内の電気系統に使われている端子・コネクタでは自動車の電装化の進展によって流れる電流値が増加しており、ジュール熱の発生が問題になっている。また、民生用の電子・電気機器で使用されるコネクタにおいても、機器の小型化と共にジュール熱の低減が必要になってきている。こうした背景によって、端子・コネクタの材料には従来以上に高導電率の材料が求められている。
従来、こうした端子・コネクタ用の材料としては黄銅やりん青銅が一般的に使用されてきた。しかし、従来広く使用されてきた黄銅やりん青銅では、前記したコネクタ材に対する要求に十分応えられなかった。すなわち、黄銅は導電性、強度、ばね性の不足によってコネクタの通電電流の増加及び小型化に対応することができず、また、りん青銅は、高強度でバネ性にも優れるが、導電率が20%IACS程度と低いことから、通電電流の増加に対応できなかった。
こうした黄銅、りん青銅の持つ問題を改善する材料として、例えばCu−Ni−Siを主成分とする銅合金が提案され、使用されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許第2572042号公報 特許第2977845号公報
しかしながら、こうしたCu−Ni−Si系の合金でも導電率はせいぜい50%IACS程度であり、自動車向けの端子・コネクタ材ではさらに高導電率を持った材料が求められている。
本発明は、以上の点を鑑みてなされたものであり、その目的は、従来の端子・コネクタ用材料に比べで優れた導電性を持ち、高い強度、耐力と良好な曲げ加工性を両立しながら、なおかつ特性の異方性が小さい高強度・高導電性銅合金を得るための製造方法を提供することにある。
本発明は、上記した目的を達成するために、0.1〜0.5質量%のFe、0.2〜1.0質量%のNi、0.03〜0.2質量%のP、0.02〜0.1質量%のSi、0.01〜1.0質量%のSn、0.1〜1.0質量%のZn、及び残部のCuから成り、前記Fe及びNiの合計重量と前記P及びSiの合計重量との比が(Fe+Ni)/(P+Si)=3〜10である合金素材を準備する合金素材準備工程と、前記合金素材を目的とする最終板厚の1.1〜1.2倍の厚さまで冷間圧延する第1の冷間圧延工程と、前記第1の冷間圧延工程後の合金素材を700〜850℃に昇温後、毎分25℃以上の降温速度で300℃以下まで冷却する第1の熱処理工程と、前記第1の熱処理工程後の合金素材を目的とする最終板厚まで冷間圧延する第2の冷間圧延工程と、前記第2の冷間圧延工程後の合金素材を400〜500℃に加熱して30分〜3時間保持する第2の熱処理工程と、からなる高強度・高導電性銅合金の製造方法を提供するものである。
更に、本発明は、0.1〜0.5質量%のFe、0.2〜1.0質量%のNi、0.03〜0.2質量%のP、0.02〜0.1質量%のSi、0.01〜1.0質量%のSn、0.1〜1.0質量%のZn、合計0.01〜1.0質量%のMg、Ti、Cr及びZrからなる群のうちから選択した1以上の成分、及び残部のCuから成り、前記Fe及びNiの合計重量と前記P及びSiの合計重量との比が(Fe+Ni)/(P+Si)=3〜10である合金素材を準備する合金素材準備工程と、前記合金素材を目的とする最終板厚の1.1〜1.2倍の厚さまで冷間圧延する第1の冷間圧延工程と、前記第1の冷間圧延工程後の合金素材を700〜850℃に昇温後、毎分25℃以上の降温速度で300℃以下まで冷却する第1の熱処理工程と、前記第1の熱処理工程後の合金素材を目的とする最終板厚まで冷間圧延する第2の冷間圧延工程と、前記第2の冷間圧延工程後の合金素材を400〜500℃に加熱して30分〜3時間保持する第2の熱処理工程と、からなる銅合金の製造方法を提供するものでもある。
本発明によれば、高い強度、耐力と良好な曲げ加工性を両立すると同時に、従来の端子・コネクタ用材料を大きく上回る優れた導電率を兼備した高強度・高導電性銅合金を製造することが可能となり、また、端子・コネクタ部品についてその製造技術の向上を安価で高特性の材料を供給するという面から支え、その発展に大きく寄与することが可能となる。
以下、本発明にかかる高強度・高導電性銅合金の製造方法について、詳しく説明する。
[銅合金の組成]
本発明にかかる高強度・高導電性銅合金はその合金組成として、0.1〜0.5質量%のFe、0.2〜1.0質量%のNi、0.03〜0.2質量%のP、0.02〜0.1質量%のSi、0.01〜1.0質量%のSn、0.1〜1.0質量%のZn、及び残部の銅から成り、前記Fe及びNiの合計重量と前記P及びSiの合計重量の比が(Fe+Ni)/(P+Si)=3〜10である銅合金を素材として用いるものである。このような組成とすることにより、優れた導電性を持ち、高い強度、耐力と良好な曲げ加工性を両立することが可能となるのである。
ここで、Fe及びNiは、P又はSiと共に添加することによってP化合物やSi化合物を形成して材料中に分散析出する。ここで、Fe、Ni、P、Siの組成比を特定の範囲に規定することにより、導電率を低下させる要因となる銅中の固溶元素量を抑えながら、析出物の分散強化による効果で強度とばね性を向上させることができる。
また、Snには強度、ばね性の向上に大きな効果を持つとともに耐熱性を向上させて高温下での耐応力緩和性を改善する働きがある。更に、Znには強度、ばね性の向上効果を持つとともに、耐マイグレーション性を大幅に向上させる働きを持つ。更に、電子部品材料として必要なはんだ濡れ性やSnめっき密着性の改善にも大きな効果がある。
合金素材の各成分の組成範囲は、以下のように定めた。
Pの組成範囲は0.03〜0.2質量%に規定した。Pの添加量を0.03質量%未満にすると十分な量のP化合物を形成することができず、満足できる強度が得られない一方で、0.2質量%を超えて添加すると鋳造時にP化合物の偏析に起因する鋳塊割れが起こりやすくなるからである。
また、Siの組成範囲は0.02〜0.1質量%に規定した。Siの添加量が0.02質量%未満では効果的なSi化合物が形成されず、0.1質量%を超えて添加すると導電性に対する悪影響が大きくなるからである。
このP及びSiの組成範囲に対して効果的に化合物を形成させ、高強度と高導電性を両立させるためには、Feの組成範囲を0.1〜0.5質量%、Niの組成範囲を0.2〜1.0質量%にし、かつそのFe及びNiの合計重量とP及びSiの合計重量の比が(Fe+Ni)/(P+Si)=3〜10になるように規定する必要がある。Fe、Niの含有量が上記組成範囲の下限を下回る場合、化合物の形成量が不十分になり、強度、ばね性が不足する。また、上記組成範囲の上限を超える場合は余剰のFe及びNiが銅中に固溶して導電率を低下させる。更に、FeおよびNiの合計量がP及びSiの合計量の3倍未満になる場合は化合物形成時にP及びSiが過剰になり、10倍を超える場合には逆にFe及びNiが過剰になる。このような過剰成分は銅中に固溶状態で存在するため、導電率を害する結果となる。以上のことから、Feの組成範囲は0.1〜0.5質量%、Niの組成範囲は0.2〜1.0質量%とそれぞれ規定した。
また、Snの組成範囲は0.01〜1.0質量%、Znの組成範囲は0.1〜1.0質量%と、それぞれ規定した。Sn及びZnは、上記組成範囲より少ない含有量では添加の効果が小さく、上記組成範囲を超えて含有すると導電率の低下や鋳造性の低下等といった悪影響が生じるからである。
更に、本発明にかかる高強度・高導電性銅合金はその合金組成として、0.1〜0.5質量%のFe、0.2〜1.0質量%のNi、0.03〜0.2質量%のP、0.02〜0.1質量%のSi、0.01〜1.0質量%のSn、0.1〜1.0質量%のZn、合計0.01〜1.0質量%のMg、Ti、Cr、Zrから選択した1種以上の成分、及び残部の銅から成り、前記Fe及びNiの合計重量と前記P及びSiの合計重量の比が(Fe+Ni)/(P+Si)=3〜10である銅合金も素材として用いることができる。このような組成にすることにより、更に優れた導電性を持ち、高い強度、耐力と良好な曲げ加工性を両立することが可能となるのである。
ここで、Mg、Ti、Cr、Zrはいずれも、強度、ばね性、耐マイグレーション性、耐熱性のそれぞれを更に改善する働きを持ち、かつ導電性に与える悪影響が少ない添加成分として有効である。
Mg、Ti、Cr及びZrの組成範囲については、これらから選択した1以上の成分を合わせて0.01〜1.0質量%と規定した。Mg、Ti、Cr及びZrもまた、上記組成範囲より少ない含有量では添加の効果が小さく、上記組成範囲を超えて含有すると導電率の低下や鋳造性の低下等の悪影響が生じるからである。
[製造工程]
次に、本発明にかかる高強度・高導電性銅合金の製造工程について、以下に説明する。
[第1の冷間圧延]
前述の銅合金素材を加工する工程において、まず当該銅合金素材の厚さが目的とする最終板厚の1.1〜1.2倍の厚さとなるまで、第1の冷間圧延を行う。これによって次の工程である第1の熱処理において再結晶を起こし易くさせると共に、再結晶後に大きさの揃った結晶粒組織を得ることが可能となる。
ここで圧延後の板厚を最終板厚の1.1〜1.2倍に規定するのは、以降の熱処理後の冷間圧延で適度な量の格子欠陥を導入するためである。規定範囲より板厚が厚い場合には熱処理後の冷間圧延で伸びの低下が大きくなり、良好な曲げ加工性が確保できない。また、規定範囲より板厚が薄い場合は、熱処理後の冷間圧延で導入される格子欠陥が少なくなるため、低い耐力しか得られなくなるからである。
[第1の熱処理]
前記第1の冷間圧延に引き続き、得られた銅合金板材を700〜850℃に昇温後300℃以下まで25℃/分以上の速度で冷却する第1の処理を行う。この熱処理は、当該銅合金板材の合金成分を均一微細に分散析出させるために、不均一となった析出物を一端、銅母相中に再固溶させることを目的とする。また、強い冷間圧延で歪んだ状態にある結晶組織を再結晶させて異方性の小さい結晶組織に変えると共に、伸びを向上させることによって良好な曲げ加工性を実現することも重要な目的である。
溶体化を目的とした第1の熱処理では、まず合金元素を銅中に十分固溶させる必要がある。そこで本発明では加熱温度を700℃以上に規定することで十分に固溶を進行させ、冷却速度を25℃/分以上、好ましくは300℃/分以上に規定することで冷却中に粗大な析出物が再形成されることを防ぐのである。
また、第1の熱処理では再結晶によって結晶組織を異方性の小さい組織に変え、同時に伸びを向上させることで良好な曲げ加工性を確保することも必要である。ここで加熱温度が850℃を超える場合、結晶粒の粗大化が起こり曲げ加工性が低下する危険があるため、加熱温度の上限を850℃に規定した。
[第2の冷間圧延]
前記第1の熱処理に引き続き、前記銅合金板材の厚さを目的とする最終板厚まで薄くするために第2の冷間圧延を行う。これによって材料中には格子欠陥が適度に導入され、後の熱処理において析出物の起点になると共に耐力を向上させることができるのである。
溶体化処理に続いて目的とする最終板厚まで冷間圧延を行うことより、材料中には析出物形成の起点となる格子欠陥が適度に導入される。これによって、次の工程である第2の熱処理において微細析出物の形成を促進することができると共に、良好な耐力を確保することができるのである。
[第2の熱処理]
前記第2の冷間圧延に引き続き、得られた銅合金板材を400〜500℃に加熱した状態で30分〜3時間保持するといった時効を目的とした第2の熱処理を行う。これによってFe、NiがP、Siとの化合物を形成し、銅合金中に微細な形状で析出し、高い強度と優れた導電率を両立させることが可能となるのである。
時効を目的とした第2の処理では微細析出物を形成することで導電率、強度を向上させることが重要である。しかしながら、処理条件が400〜500℃で30分〜3時間保持といった規定範囲を超えた高温、長時間になった場合には、析出物が粗大化して十分な強度が得られなくなる。また、低温、短時間になった場合、析出が十分に進行せず、導電率、強度とも十分な値が得られないこととなる。そこで、上記の規定範囲を設定した。
[実施例]
以下、本発明について実施例を挙げて説明する。
Fe:0.3質量%、Ni:0.6質量%、P:0.15質量%、Si:0.06質量%、Sn:0.5質量%、Zn:0.5質量%の組成を持つ銅合金を無酸素銅を母材にして高周波溶解炉で溶製し、直径30mm、長さ250mmのインゴッドに鋳造した。次に、これを850℃に加熱して押し出し加工し、幅20mm、厚さ8mmの板状にした後、厚さ0.35mmまで圧延する第1の冷間圧延を行った。これを770℃で10分間保持した後、水中に投入して約300℃/分の速度で室温(約20℃)まで冷却する第1の熱処理を行った。冷却した材料を厚さ0.3mmまで圧延する第2の冷間圧延を行った後、450℃で2時間保持する第2の熱処理を行った。(試料No.1)
次に、Fe:0.3質量%、Ni:0.6質量%、P:0.15質量%、Si:0.06質量%、Sn:0.5質量%、Zn:0.5質量%に加えてMg:0.05質量%を添加した銅合金について上記試料No.1と同様に鋳造し、同様の工程によって厚さ0.3mmの試料に加工した。(試料No.2)
試料No.1及びNo.2のそれぞれの加工条件について、後述する比較材の加工条件と共に表1に示す。
Figure 0003856018
以上のようにして製造された試料No.1及びNo.2について、引張り強さ、0.2%耐力、伸び、導電率の各特性値を測定した。その結果、試料No.1については引張り強さ626N/mm、0.2%耐力582N/mm、伸び15%、導電率70%IACSであり、また試料No.2については引張り強さ642N/mm、0.2%耐力598N/mm、伸び15%、導電率70%IACSであり、試料No.1及びNo.2共に良好な特性を持つ材料が得られた。
試料No.1及びNo.2のそれぞれの各測定値について、後述する比較材の各測定値と共に表2に示す。
Figure 0003856018
本発明の材料についての製造条件の限定理由を、比較例を挙げることにより説明する。
前記の実施例で示した試料No.1と同じ組成の銅合金について、前記と同様の工程で加工する際、その第1の熱処理前の板厚、第1、第2の熱処理の各加熱条件を上述した表1に示す条件において実施することで、試料No.3〜8をそれぞれ製造した。得られた各試料について引張り強さ、0.2%耐力、伸び、導電率の各特性値を測定した。測定した結果は上述する表2に示された通りである。
本発明による試料No.1及びNo.2が、600N/mmを超える引張り強さ、及び580N/mmを超える0.2%耐力、及び15%の良好な伸びを兼備し、なおかつ70%IACSに達する良好な導電率を達成しているのに対して、比較例となる試料No.3〜8はいずれも、上記特性の内の少なくとも1つについて、試料No.1及びNo.2よりも劣っていることがわかる。
試料No.3及びNo.4は第1の熱処理前の板厚が規定範囲から外れた場合の例である。試料No.3のように第1の熱処理前の板厚が薄すぎる場合には、特に耐力が低い値にとどまり、引張り強さも低くなることがわかる。一方、試料No.4のように第1の熱処理前の板厚が厚すぎる場合には、伸びの低下が大きくなり、曲げ加工性が悪化することがわかる。
試料No.5及びNo.6は第1の熱処理の加熱温度が規定範囲から外れた場合の例である。この場合、試料No.5のように第1の熱処理の加熱温度が規定温度範囲より低い場合も、試料No.6のように第1の熱処理の加熱温度が規定温度範囲より高い場合も、いずれの場合も引張り強さや耐力が低くなることがわかる。
試料No.7及びNo.8は第2の熱処理の加熱温度が規定範囲から外れた場合の例である。試料No.7のように第2の熱処理の加熱温度が規定温度範囲より低い場合には導電率が低くなり、かつ引張り強さや耐力も不十分な値になることがわかる。一方の試料No.8のように第2の熱処理の加熱温度が規定温度範囲より高い場合には導電率は十分に高いのであるが、引張り強さや耐力については不十分な値となることがわかる。
以上の対比結果より、本発明における銅合金材の製造方法における加工条件が、優れた各特性を有する銅合金材を得るために好適であることが確認された。
本発明の製造方法による銅合金材は、端子・コネクタ用材料として用いられている従来の黄銅、りん青銅、Cu−Ni−Si系合金に比べて十分に高い導電率を持ち、なおかつりん青銅、Cu−Ni−Si系合金並みの高い強度、耐力と良好な曲げ加工性を兼備している。高導電率を実現したことで通電時のジュール熱発生を抑制でき、従来は通電量の増加が小型化の問題となっていた端子・コネクタにおいては、その設計自由度を大幅に拡げることができる。また製造コストの面でも、本発明による銅合金材は従来材と同等のコストで製造することが可能であり実用上の問題とはならない。

Claims (3)

  1. 0.1〜0.5質量%のFe、0.2〜1.0質量%のNi、0.03〜0.2質量%のP、0.02〜0.1質量%のSi、0.01〜1.0質量%のSn、0.1〜1.0質量%のZn、及び残部のCuから成り、前記Fe及びNiの合計重量と前記P及びSiの合計重量との比が(Fe+Ni)/(P+Si)=3〜10である合金素材を準備する合金素材準備工程と、
    前記合金素材を目的とする最終板厚の1.1〜1.2倍の厚さまで冷間圧延する第1の冷間圧延工程と、
    前記第1の冷間圧延工程後の合金素材を700〜850℃に昇温後、毎分25℃以上の降温速度で300℃以下まで冷却する第1の熱処理工程と、
    前記第1の熱処理工程後の合金素材を目的とする最終板厚まで冷間圧延する第2の冷間圧延工程と、
    前記第2の冷間圧延工程後の合金素材を400〜500℃に加熱して30分〜3時間保持する第2の熱処理工程と、からなることを特徴とする銅合金の製造方法。
  2. 0.1〜0.5質量%のFe、0.2〜1.0質量%のNi、0.03〜0.2質量%のP、0.02〜0.1質量%のSi、0.01〜1.0質量%のSn、0.1〜1.0質量%のZn、合計0.01〜1.0質量%のMg、Ti、Cr及びZrからなる群のうちから選択した1以上の成分、及び残部のCuから成り、前記Fe及びNiの合計重量と前記P及びSiの合計重量との比が(Fe+Ni)/(P+Si)=3〜10である合金素材を準備する合金素材準備工程と、
    前記合金素材を目的とする最終板厚の1.1〜1.2倍の厚さまで冷間圧延する第1の冷間圧延工程と、
    前記第1の冷間圧延工程後の合金素材を700〜850℃に昇温後、毎分25℃以上の降温速度で300℃以下まで冷却する第1の熱処理工程と、
    前記第1の熱処理工程後の合金素材を目的とする最終板厚まで冷間圧延する第2の冷間圧延工程と、
    前記第2の冷間圧延工程後の合金素材を400〜500℃に加熱して30分〜3時間保持する第2の熱処理工程と、からなることを特徴とする銅合金の製造方法。
  3. 前記第1の熱処理工程が、前記合金素材を水中に投入して室温まで冷却する工程からなる、請求項1または2の銅合金の製造方法。
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