JP4254815B2 - 端子・コネクタ用銅合金材 - Google Patents

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本発明は、端子・コネクタ用銅合金材及びその製造方法に関し、特に、端子・コネクタの材料に用いられる銅合金材として最適な高い強度、耐力と優れた曲げ加工性を併せ持つ銅合金材及びその製造方法に関するものである。
近年、各種の電気・電子機器において小型・薄型化および軽量化が進行し、それに伴いそこで使用される部品の小型化が進んでおり、端子・コネクタ部品においては小型で電極間ピッチの狭いものが求められる傾向にある。
こうした小型化によって、使用される材料もより薄肉になっているが、薄肉であっても接続の信頼性を保つ必要から、より高いばね性を持った材料が要求されている。高いばね性を確保するためには、材料の強度および耐力を十分に高める必要がある。
さらに、こうした小型化に伴い、より小さく複雑な形状の部品を一体成形で製作する要求も強くなっており、より厳しい条件の曲げ加工に適用できる材料が強く求められている。
また、機器の高機能化に伴う電極数の増加や通電電流の増加によって、発生するジュール熱も増加傾向にあり、従来以上に導電性の良い材料への要求も強まっている。
すなわち、端子・コネクタ部品の材料としては、高強度、高耐力と良好な曲げ加工性を同時に満足し、さらに良好な導電性を兼備する材料が強く求められている。
従来、ばね性を要求される端子・コネクタ部品の材料には、りん青銅やベリリウム銅が広く使用されてきているが、りん青銅は導電率が20%IACS程度と低いことから前述したジュール熱の増加に対応できないという問題がある。また、ベリリウム銅は高いばね性と良好な導電性を兼備するものの価格が高く、汎用的な部品に広く適用していくには限界がある。
そこで、より高い強度や導電性の要求に低コストで対応できる材料としてCu−Ni−Si系などの銅合金材が用いられてきている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
Cu−Ni−Siを主成分とする銅合金材は40%IACS前後の導電率を持ち、ジュール熱の増加に対応することができる。また、ベリリウム銅に比べて低コストでの製造が可能である。
特許第2572042号公報 特許第2977845号公報
しかし、こうしたCu−Ni−Si合金でも高強度、高耐力と曲げ加工性は二律背反的な関係にあり、強度を高めると曲げ加工性が大きく低下し、曲げ加工性を良くしようとすると強度が低下するという問題があった。
そのため、従来の材料では高強度、高耐力と良好な曲げ加工性を同時に満足させることは難しく、引張強さを800N/mm以上にした材料で満足できる良好な曲げ加工性を得ることは非常に困難なことであった。
従って、本発明の目的は、従来の銅合金材と同等以上の機械的強度(単に「強度」と表記する場合もある。なお、機械的強度には引張強さと耐力を含む。)、を維持しながら、優れた曲げ加工性を兼備した端子・コネクタ用に最適な銅合金材およびその製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、1〜5質量%のNi、0.2〜1質量%のSiを含有すると共に、合計0.05〜0.5質量%のTi、Feから選択した1種以上を含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなり、引張強さが800N/mm以上、0.2%耐力が700N/mm以上で、かつ、平均結晶粒径が15μm以下であり、W曲げ試験で割れが発生しない曲げ半径の最小値Rと板厚tの比率R/tが1以下であることを特徴とする端子・コネクタ用銅合金材を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、1〜5質量%のNi、0.2〜1質量%のSiを含有すると共に、合計0.05〜0.5質量%のTi、Feから選択した1種以上を含有し、さらに2質量%以下のSn、5質量%以下のZnを含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなり、引張強さが800N/mm以上、0.2%耐力が700N/mm以上で、かつ、平均結晶粒径が15μm以下であり、W曲げ試験で割れが発生しない曲げ半径の最小値Rと板厚tの比率R/tが1以下であることを特徴とする端子・コネクタ用銅合金材を提供する。
本発明によれば、従来の銅合金材と同等以上の機械的強度を維持しながら、優れた曲げ加工性を兼備した端子・コネクタ用に最適な銅合金材を提供できる。
〔銅合金材の組成〕
本実施の形態における銅合金材は、1〜5質量%のNi、0.2〜1質量%のSiを含有すると共に、合計0.05〜0.5質量%のTi、Feから選択した1種以上を含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなり、引張強さが800N/mm以上、0.2%耐力が700N/mm以上で、かつ、平均結晶粒径が15μm以下であり、W曲げ試験で割れが発生しない曲げ半径の最小値Rと板厚tの比率R/tが1以下であることを特徴とする。
より望ましい本実施の形態においては、上記の組成に加えて2質量%以下のSnと5質量%以下のZnを含有させることを特徴とする。
本実施の形態において、銅合金材を構成する合金成分の添加理由と限定理由を以下に説明する。
(NiとSi)
NiとSiは、NiSiで表される化合物を作って材料中に分散析出する。これによって材料の機械的強度やばね性が高まると共に良好な導電率を保つことができる。この含有量が少ないと十分な強度を得ることができず、含有量が多すぎると鋳造時に大きな晶出物を作るため、その後の熱処理を高温で実施しても十分に固溶させることが不可能になる。
本実施の形態においては、Niの含有量を1〜5質量%、より望ましくは2.5〜4質量%に、Siの含有量を0.2〜1質量%、より望ましくは0.5〜0.8質量%に規定することにより、効果的に高強度と良好な導電率を両立させることができる。
なお、NiとSiの化合物としては、NiSiの他にNiSi、NiSi等も考えられるが、本発明においては実質的にNiSiと考えてよい。
(Ti、Co、Fe)
Ti、Co、Feは、Cu−Ni−Si系合金において、800℃以上の高温の熱処理においても結晶粒の成長を抑え、微細な結晶粒を維持(本発明に規定する平均結晶粒径を実現)するために添加する。これらの添加量が少ない場合は結晶成長抑制効果が十分に得られず、添加量が多すぎる場合は導電率低下や曲げ加工性の悪化といった悪影響を引き起こす心配がある。
本実施の形態においては、Ti、Feから選択した1種以上の合計含有量を0.05〜0.5質量%、より望ましくは0.1〜0.3質量%に規定することにより、悪影響の心配なしに効果的な結晶成長の抑制効果が期待できる。
(SnとZn)
さらに上記の元素に加えて、2質量%以下のSnおよび5質量%以下のZnを含有させた場合、より高強度を実現しやすくなると共に、めっき密着性やはんだ濡れ性、耐マイグレーションといった端子・コネクタ用材料に要求される副次的な特性を向上させることができる。これらの添加量が多すぎる場合は導電率低下などの悪影響を引き起こす心配がある。
本実施の形態においては、Snの添加量を2質量%以下(0質量%より大)、より望ましくは0.1〜1質量%、Znの添加量を5質量%以下(0質量%より大)、より望ましくは0.3〜2質量%に規定することにより、悪影響の心配なしに期待する効果を得ることができる。
(引張強さ、0.2%耐力、比率R/t、平均結晶粒径)
上記の組成からなる銅合金(素材)を用いて適切な条件で加工および熱処理することにより、800N/mm以上の引張強さと700N/mm以上の0.2%耐力を持ち、かつ、その平均結晶粒径が15μm以下で、W曲げ試験で割れが発生しない曲げ半径の最小値Rと試料の板厚tの比率R/tが1以下(0以上)になる材料を得ることができる。
ここで、800N/mm以上の引張強さと700N/mm以上の0.2%耐力は低ベリリウム銅に匹敵する強度であり、本発明の目的である端子・コネクタで高いばね性を確保するための強度として十分な値であるといえる。
また、W曲げ試験はJIS H3110、H 3130、および日本伸銅協会技術標準JCBA T307に規定された銅合金板条の曲げ加工性を評価する試験方法であり、割れが発生しない曲げ半径の最小値Rと試料の板厚tの比率R/tが1以下(0以上)になる曲げ加工性があれば、本発明の目的である端子・コネクタで良好な曲げ加工性を持った材料として評価できる。より望ましくは比率R/tが0.5以下(0以上)である。
800N/mm以上の引張強さを確保しつつ、この良好な曲げ加工性を達成するためには、材料の平均結晶粒径を15μm以下(0μmより大)にコントロールすることが必要である。より望ましくは平均結晶粒径を5〜12μm、さらに望ましくは8〜12μmにコントロールする。
〔銅合金材の製造方法〕
図1は、本発明の実施の形態に係る銅合金材の製造工程のフローを示す図である。上記本実施の形態の銅合金材は、上記の平均組成を有する銅合金を素材として形成した後、形成した銅合金素材を800〜900℃に加熱した後、25℃/分以上の速度で300℃以下まで冷却する第1の熱処理を行い、続いて加工率20%以下の冷間圧延を行い、その後360〜460℃で1〜20時間加熱する第2の熱処理を行うことにより製造される。なお、銅合金素材の形成工程は、合金鋳造工程と鋳造後の熱間加工工程からなる工程が1例として挙げられ、例えば、目的とする最終板厚の1.25倍以下の板厚まで材料を加工する。
(第1の熱処理)
第1の熱処理においては、合金元素を固溶させるために十分な高温で加熱すると共に、冷却過程で合金元素が再析出することを防ぐために速やかに冷却することが必要であることから、形成した銅合金素材をまず800〜900℃に加熱した後、25℃/分以上の速度で300℃以下まで冷却する。より望ましくは、850〜900℃に加熱昇温後、300℃以下まで150℃/分以上の速度で冷却する。これより低い加熱温度では合金元素の固溶が不十分になって最終的に高強度が得られず、これより高い加熱温度ではTi等を添加しても結晶粒の成長を抑制できなくなる。また、これより遅い冷却速度では冷却中の再析出を防ぐことができなくなる。なお、800〜900℃での保持時間は0.5分〜10分程度が望ましい。
第1の熱処理の目的は、NiSiで表される化合物を制御された状態で分散析出させるための事前準備として、高温に加熱することで粗大な晶出物になっている合金元素をいったん十分に固溶させることにある。第1の熱処理では、高温に加熱するほど十分な固溶状態が得られ、最終材でより高い強度を得ることができるが、一方、高温で加熱すれば結晶粒の成長、粗大化が進行する。結晶粒が粗大化すると材料中の結晶粒界密度が低くなるため、曲げ加工の際に少ない結晶粒界に応力が集中して割れが発生しやすくなる。しかし、本発明では、適正量のTi、Co、Feを添加することによって結晶粒の成長が抑制され、高温で加熱しても微細な結晶粒を維持することができる。
(冷間圧延加工)
第1の熱処理後の冷間圧延加工においては、目的とする最終板厚まで冷間圧延を行う。この冷間圧延加工の目的は、材料中に格子欠陥を適度に導入して耐力の向上を図ることにあり、また、格子欠陥は次の第2の熱処理において析出物発生の核として働くため、より均一に析出物を発生させるための工程としても有効である。
冷間圧延加工率が高過ぎると材料の伸びが大きく低下する問題があり、この伸びの低下は曲げ加工時に割れが起こりやすくなることにつながるため、冷間圧延の加工率を低く抑える必要がある。本発明では、加工率を20%以下、より望ましくは10〜18%に規定することによって、伸びの低下を抑えることができる。
(第2の熱処理)
冷間圧延加工後の第2の熱処理においては、NiSiで表される化合物を微細な形状で均一かつ多量に析出させることが重要であることから、360〜460℃で1〜20時間加熱する。より望ましくは、400〜440℃で6〜12時間加熱する。これより高温長時間では析出物が大きく成長しやすく、これより低温短時間では十分な量の析出物を生成させることができない。
第2の熱処理の目的は、上述の通りNiSiで表される化合物を制御された状態で分散析出させることにある。この時、析出物が大きく成長すると曲げ加工時に析出物近傍に応力が集中して割れの起点となる恐れがあるため、均一かつ微細な析出物が多量に発生する加熱条件として上記範囲を選択して熱処理する必要がある。
以上のような製造方法を採ることにより、目的の銅合金材を得ることができる。
〔実施の形態の効果〕
上記の本発明の実施の形態によれば、下記の効果を奏する。
(1)800N/mm以上の高い引張強さと700N/mm以上の高い0.2%耐力を兼備し、かつ、優れた曲げ加工性を併せ持った端子・コネクタ用銅合金材を得ることができる。
(2)上記(1)の優れた性質を併せ持つため、本実施の形態に係る銅合金材を使用する端子・コネクタにおいては小型化への対応が容易となり、設計の自由度を大幅に広げることができる。
(3)上記(1)および(2)の優れた性質を兼備するにもかかわらず、従来材と同等のコストで製造することができるため、端子・コネクタ部品についてその製造技術の向上を安価で高特性の材料を供給するという面から支え、その発展に大きく寄与することが可能である。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例・参考例1〜8、比較例1〜22〕
表1に示す合金組成からなる試料No.1〜No.8(実施例・参考例1〜8)、および試料No.9〜No.22(比較例1〜14)を、表3に示す製造条件にて製造し、それらの特性の評価を行なった。以下、各々について説明する。なお、表1において、不可避不純物はCuに含めて表記した。
(実施例1)
Ni:3.0質量%、Si:0.7質量%、Ti:0.1質量%を含有し、残部がCuと不可避不純物からなる銅合金を無酸素銅を母材にして高周波溶解炉で溶製し、直径30mm、長さ250mmのインゴットに鋳造した。
このインゴットを850℃に加熱して押出加工(熱間加工)し、幅20mm、厚さ8mmの板状にした後、厚さ0.36mmまで冷間圧延した。
次に、冷間圧延した材料を860℃に加熱して1分間保持した後、水中に投入して約150℃/分の速度で室温(約20℃)まで冷却する第1の熱処理を行った。次に、冷却した材料を厚さ0.3mmまで冷間圧延した。その後、これに440℃で8時間保持する第2の熱処理を行った(試料No.1)。
以上のようにして製造した試料No.1について、引張強さ、0.2%耐力、平均結晶粒径を測定すると共にW曲げ試験を実施した。測定方法に関して、引張強さと0.2%耐力はJIS Z2241に準拠した引張試験で測定した。平均結晶粒径は圧延方向に垂直な試料断面を金属顕微鏡で観察し、JIS H0501の切断法による結晶粒径評価に準拠した方法で測定した。W曲げ試験は、曲げ軸が試料の圧延方向と平行になるように採取した試験片を用いてJIS H3110、H 3130に準拠した方法で行い、試料表面に割れが発生しない曲げ半径の最小値R(mm)を求めて試料の厚さt(mm)との比率R/tで評価結果を表した。その結果、引張強さ812N/mm、0.2%耐力738N/mm、平均結晶粒径8μm、R/t=0.5の結果となり、本発明の目的である高強度、高耐力と優れた曲げ加工性を兼ね備えた材料が得られた。測定した結果を表2に示す。
実施例・参考例2〜8)
次に、表1の実施例および参考例2〜8に示す組成の銅合金を同様に鋳造し、試料No.1と同じ工程で厚さ0.3mmの試料を製造した(試料No.2〜8)。ここで、参考例2はTiに替えてCoを添加した試料であり、実施例3はTiに替えてFeを添加した試料であり、実施例・参考例4〜6は実施例・参考例1〜3にさらにSn、Znを添加した試料である。また、参考例7および8は、参考例2について本発明の規定範囲内でNiとSiの量を増減した例である。
これらの試料についても実施例1と同様に、引張強さ、0.2%耐力、平均結晶粒径を測定すると共に、W曲げ試験を実施した。測定した結果を表2に示す。得られた試料はいずれも本発明の目的に適合した良好な特性を兼ね備えており、またSn、Znの添加は強度の向上に寄与していることがわかる。
(比較例1〜14)
次に、本発明の材料について、その合金組成の限定理由を、比較例を挙げて説明する。
表1の比較例1〜14に示す合金組成の銅合金を高周波溶解炉で溶製し、直径30mm、長さ250mmのインゴットに鋳造し、このインゴットを実施例1(試料No.1)と同じ条件で加工、熱処理して厚さ0.3mmの試料を製造した(試料No.9〜No.22)。
得られた試料について実施例1と同様に、引張強さ、0.2%耐力、平均結晶粒径を測定すると共に、W曲げ試験を実施した。測定した結果を表2に示す。
比較例1および2は、Ti、Co、Feを含有しない例である。この場合、結晶粒径が大きくなり、曲げ加工性が悪くなることがわかる。
比較例3〜8は、Ti、Co、Feに替えて各種の元素を添加した例である。いずれの元素においても結晶粒の成長を十分に抑制することができず、曲げ加工性を改善することができていない。
比較例9および10は、NiとSiの量が本発明の規定範囲を外れた例である。Ni、Siの量が少ない場合は十分な強度が得られず、結晶粒も大きく成長しやすい。また、Ni、Siの量が多い場合は強度は高くなるものの、曲げ加工性が大きく低下する。
比較例11および12は、Coの量が本発明の規定範囲を外れた例である。Coの量が少ない場合は、結晶成長を抑制する効果が不十分で曲げ加工性が低下する。また、Coの量が多過ぎる場合も曲げ加工性の低下を引き起こす。TiおよびFeの量の影響もCoと同様である。
比較例13および14は、SnとZnの量が本発明の規定範囲を外れた例である。Sn、Znの量が規定範囲を超える場合、良好な曲げ加工性を得ることができない。
(比較例15〜22)
次に、本発明の銅合金材の製造条件についての限定理由を、比較例を挙げて説明する。
実施例1の試料No.1と同じ組成の銅合金について、実施例1と同様の手順で加工する際、第1の熱処理温度および冷却速度、その後の冷間加工度、第2の熱処理条件をそれぞれ表3に示す条件で実施して厚さ0.3mmの試料を製造した(試料No.23〜No.30)。
得られた試料について実施例1と同様に、引張強さ、0.2%耐力、平均結晶粒径を測定すると共に、W曲げ試験を実施した。測定した結果を表4に示す。
比較例15および比較例22は、第1の熱処理温度が本発明の規定範囲を外れた例である。第1の熱処理温度が低いと十分な強度が得られなくなる。また、第1の熱処理温度が高過ぎる場合は、Tiなどの元素を添加しても結晶粒の成長を抑えることができなくなる。
比較例16は、第1の熱処理の冷却条件が規定範囲を外れた例である。冷却速度が遅いと冷却中に再析出が起こり、最終的に高い強度を得ることができない。
比較例17は、第1の熱処理後の冷間加工度が規定範囲を外れた例である。加工度が高くなると良好な曲げ加工性を得ることができなくなる。
比較例18〜21は、第2の熱処理条件が本発明の規定範囲を外れた例である。第2の熱処理条件が適正な範囲を外れた場合、十分な強度を得ることができなくなる。
Figure 0004254815
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本発明の実施の形態の銅合金材の製造工程のフローを示す図である。

Claims (2)

  1. 1〜5質量%のNi、0.2〜1質量%のSiを含有すると共に、合計0.05〜0.5質量%のTi、Feから選択した1種以上を含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなり、引張強さが800N/mm以上、0.2%耐力が700N/mm以上で、かつ、平均結晶粒径が15μm以下であり、W曲げ試験で割れが発生しない曲げ半径の最小値Rと板厚tの比率R/tが1以下であることを特徴とする端子・コネクタ用銅合金材。
  2. 1〜5質量%のNi、0.2〜1質量%のSiを含有すると共に、合計0.05〜0.5質量%のTi、Feから選択した1種以上を含有し、さらに2質量%以下のSn、5質量%以下のZnを含有し、残部がCuおよび不可避的不純物からなり、引張強さが800N/mm以上、0.2%耐力が700N/mm以上で、かつ、平均結晶粒径が15μm以下であり、W曲げ試験で割れが発生しない曲げ半径の最小値Rと板厚tの比率R/tが1以下であることを特徴とする端子・コネクタ用銅合金材。
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