JP3855669B2 - ワイヤハーネス組立治具 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤハーネス組立図板上に配置され、先端にコネクタを接続した電線群およびコネクタに後入れする端子を接続した電線を保持するためのワイヤハーネス組立治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ワイヤハーネスの形成は、複数の電線をワイヤハーネス組立図板(以下、単に図板という)上に立設した治具に沿って配索し、これら治具で保持された複数の電線をテープ巻きして形成している。
【0003】
上記ワイヤハーネスの形成時において、先端にコネクタを取付けた電線群(仮結束品)を付線用治具にて保持し、該電線群内の電線とは別の、先端に端子を接続した電線を上記コネクタに後入れして接続する作業がある。一般に、このように組立図板上でコネクタに後入れして接続する電線を後入れ端子電線(または単に後入れ電線)と呼んでいる。
【0004】
かかる後入れ端子電線をコネクタに接続する場合、後入れ端子電線を挿入するコネクタの端子収容室は予め個々の電線毎に決められており、作業者は、図板上に記載されている指示に従って、各後入れ端子電線を所定の端子収容室に挿入して接続する。このため、従来から、コネクタを接続した電線群を保持する一方、コネクタ近傍に後入れ端子電線を保持できるようにした治具を用いている。
【0005】
図7は、その治具であり、該治具100は、図板に立設する軸部101と該軸部101の上端より突出して電線群を保持するU字枠部102とからなる布線用U字治具部110A(図7(A))と、長板103の中間部に布線用U字治具部110AのU字枠部102の各側枠102a、102bが挿入される穴部103a、103bを設けると共に、両側部に後入れ端子電線を挟持するエンドクリップ104a、104bを立設した後入れ端子電線保持治具部110B(図7(B))とからなり、後入れ端子電線保持治具部110Bの長板103の穴部103a、103bに布線用U字治具部110Aの側枠102a、102bを挿入して組み立てている(図7(C))。なお、図7(C)中の124はビスである。
【0006】
コネクタへの後入れ端子電線の挿入作業は、以下のようにして行う。図板上で電線を布線し、図8に示すように、後入れ端子電線122a、122bを端子電線保持治具部のエンドクリップ104a、104bで挟持した後、先端にコネクタ120を接続した電線群(仮結束品)121のコネクタ120の手前部分を布線用U字治具部のU字枠部102に載置して保持する。そして、後入れ端子電線122a、122bを順次クリップから外し、コネクタ120の所定の端子収容室120aに挿入していく。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7に示した治具の場合には、電線群を保持する布線用U字治具部と、後入れ端子電線を保持する後入れ端子電線保持治具部とが別々の箇所に各々独立して構成されていたため、部品点数が多くなるという難点があった。また、布線用U字治具部の周辺に後入れ端子電線保持治具部が配置されているため、作業スペースが狭くなったり、作業性を阻害することがあった。更には、後入れ端子電線を後入れしたコネクタの電線群を布線用U字治具部に保持し、結束や外装取付けを行う際に、コネクタが布線用U字治具部から外れて掛け直す必要があり、無駄な作業が発生するという欠点があった。
【0008】
本発明は、このような従来技術の課題を解決すべくなされたものであり、部品点数を削減化でき、また作業スペースの拡大化を図って作業性を向上させ得、しかも後入れ端子電線を後入れしたコネクタの電線群を保持して結束や外装取付けを行う際にコネクタが外れ難くすることができるワイヤハーネス組立治具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のワイヤハーネス組立治具は、ワイヤハーネス組立図板の上方に配置され、先端にコネクタが接続された第1電線、コネクタに後入れする端子(後入れ端子ともいう)が接続された第2電線並びに後入れ後のコネクタに接続された全電線を保持するためのワイヤハーネス組立治具であって、前記図板に立設される軸部と、該軸部の上に設けられ、水平方向に離隔した2つの平行部の下側が連結された支持部材とを有し、該平行部の少なくとも上部を残して下側に設けられ、上縁が底部として機能する弾性部材の上側が、該第1電線を保持する第1保持部を構成し、該弾性部材の上縁から下方に向けて形成されたスリットが、該第2電線または該全電線を保持する第2保持部を構成することを特徴とする。
【0010】
本発明治具にあっては、第1保持部が支持部材の上側に、第2保持部が支持部材の下側にそれぞれ設けられ、つまり支持部材を共用して第1保持部と第2保持部とが設けられているので、従来において必要であった長板(103)やビス(124)に相当する部材が不要となり、部品点数を削減化することができる。また、支持部材の上側で第1保持部が、支持部材の下側で第2保持部が設けられた二階建て構造であるので、作業スペースの拡大化が図れ、これにより作業性を向上させ得る。更に、後入れ端子を後入れしたコネクタに接続された全電線が、周囲を弾性部材で囲まれた第2保持部に保持されるので、結束や外装取付けを行う際にコネクタが外れ難くなる。
【0011】
また、本発明のワイヤハーネス組立治具において、前記弾性部材は弾性を有する材料をコーティングして形成され、前記スリットはその弾性部材を切欠くことにより形成されている構成とすることが好ましい。
【0012】
この構成にあっては、使用により弾性部材が摩耗してきても、支持部材に弾性を有する材料をコーティングしてスリットを設ければ、弾性部材は勿論のこと第2保持部も再生することができ、ワイヤハーネス組立治具を繰り返し使用することが可能となる。その結果として、コストの低廉化が図れる利点がある。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を具体的に説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係るワイヤハーネス組立治具をワイヤハーネス組立図板上に配置した状態を示す斜視図(一部断面図)である。
【0015】
このワイヤハーネス組立治具1は、ワイヤハーネス組立図板10の上側に立設される軸部2と、その軸部2の上端に一体的に連結されたU字状をした支持部材3とを有する金属製のものである。支持部材3は、水平方向に離隔した2つの平行部3a、3bの下側が円弧部3cにて連結されている。軸部2は、途中にワッシャWが取付けられ、その下側から下端にわたり、ワイヤハーネス組立図板10の厚み寸法よりも長いねじ部2aが形成されている。
【0016】
かかるワイヤハーネス組立治具1のワイヤハーネス組立図板10への取付けは、ワイヤハーネス組立図板10に穴あけ加工により形成された取付け孔11に、軸部2の下部を上側から挿通し、取付け孔11を貫通した軸部2のねじ部2aに下側からナットNを締め付けることで行われる。
【0017】
支持部材3の平行部3a、3bの下部から円弧部3cにかけて、内側に弾性部材4が形成されており、その弾性部材4の略中央部には、上縁から下端までにわたりスリット5が形成されている。弾性部材4は、例えばシリコンゴムやウレタンゴム等からなる弾性を有する樹脂材料をコーティングすることにより形成されており、上縁は平滑な水平面となっている。
【0018】
平行部3a、3bにおける弾性部材4よりも上側の部分は、弾性部材4の上縁を底部として機能する第1保持部Aを構成し、その第1保持部Aには、図2及び図3に示すように先端にコネクタ20が接続された複数の電線からなる第1電線21が上側から挿入されることにより保持される。
【0019】
スリット5は、コーティングされた弾性部材4を切欠くことにより形成されている。このスリット5は、コネクタ20に後入れする端子22が接続された複数の電線からなる第2電線23と、その後入れ端子22が後入れされたコネクタ20に接続されている全電線(第1電線21及び第2電線23)を保持するための第2保持部Bを構成し、この第2保持部Bには前記第2電線23または全電線が上側から第1保持部Aを通って挿入される。図2及び図3は、第2電線23が第2保持部Bに保持された状態を示し、図4は前記全電線が第2保持部Bに保持された状態を示す。
【0020】
次に、このように構成されたワイヤハーネス組立治具1を使用したワイヤハーネスの組立て作業について説明する。
【0021】
まず、図2及び図3に示すように第2保持部Bに、後入れ端子22が接続された第2電線23を上側から挿入して保持し、その後、第1保持部Aに、先端にコネクタ20が接続された第1電線21を上側から挿入して保持する。続いて、第1保持部Aに保持された第1電線21が接続されたコネクタ20の所定の端子収容室20aに、第2保持部Bに保持された第2電線23の先端に接続された端子22を接続し、コネクタ20へ接続する全ての電線の接続が完了する。
【0022】
その後、図4に示すようにコネクタ20に接続された全電線を第2保持部Bに保持し、テープによる結束や外装取付けを行う。
【0023】
したがって、本実施形態による場合には、第1保持部Aが支持部材3の上側に、第2保持部Bが支持部材3の下側にそれぞれ設けられ、つまり支持部材3を共用して第1保持部Aと第2保持部Bとが設けられているので、従来において必要であった長板103やビス124に相当する部材が不要となり、部品点数を削減化することができる。また、支持部材3の上側で第1保持部Aが、支持部材3の下側で第2保持部Bが設けられた二階建て構造であるので、作業スペースの拡大化が図れ、これにより作業性を向上させ得る。更に、後入れ端子22を後入れしたコネクタ20に接続された全電線が、周囲を弾性部材4で囲まれたスリット5からなる第2保持部Bに保持されるので、結束や外装取付けを行う際にコネクタ20を外れ難くすることができる。また、使用経過により弾性部材4が摩耗してきても、支持部材3に弾性を有する材料をコーティングしてスリットを切欠けば、弾性部材4は勿論のこと第2保持部Bも再生することができ、ワイヤハーネス組立治具1を繰り返し使用することが可能となる。その結果として、コストの低廉化が図れる利点がある。
【0024】
図5は、本発明の他の実施形態に係るワイヤハーネス組立治具を示す正面図である。このワイヤハーネス組立治具1Aは、弾性部材4に2つのスリット5a,5bが形成されているため、電線数が多い多極コネクタの電線を保持する場合に有効となる。
【0025】
なお、本発明は、弾性部材に形成するスリットの本数は、上述した1本または2本に限らず、3本以上設けるようにしてもよい。
【0026】
また、上述した実施形態では平行部の直ぐ上に、第1保持部の底部が位置するように構成しているが、本発明はこれに限らず、平行部のもっと上側に第1保持部の底部が位置するように構成したり、或いは、平行部と円弧部の境界部分を下限として第1保持部の底部が位置するように構成してもよい。
【0027】
また、上述した実施形態では平行部の下側が円弧部となったU字状をした支持部材を使用しているが、本発明はこれに限らず、図6(a)に示すように平行部3a、3bの下側がV字状をした支持部材3Aや、図6(b)に示すように平行部3a、3bの下端が直線状の棒状部3dで連結されたコの字状の支持部材3Bなどを使用することができる。この場合においても、上述したように第1保持部の底部の位置を選定することができるのは勿論であり、特に図6(b)に示す場合には平行部3a、3bの途中に、第1保持部の底部の位置を選定すればよい。
【0028】
また、上述した実施形態では弾性部材の上縁から下端の全長にわたる長さでスリットを形成しているが、本発明はこれに限らず、弾性部材の上縁から下側に向かう途中までの長さでスリットを形成してもよいことは勿論である。
【0029】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明による場合には、第1保持部が支持部材の上側に、第2保持部が支持部材の下側にそれぞれ設けられ、つまり支持部材を共用して第1保持部と第2保持部とが設けられているので、部品点数を削減化することができる。また、支持部材の上側で第1保持部が、支持部材の下側で第2保持部が設けられた二階建て構造であるので、作業スペースの拡大化が図れ、これにより作業性を向上させ得る。更に、後入れ端子を後入れしたコネクタに接続された全電線が、周囲を弾性部材で囲まれた第2保持部に保持されるので、結束や外装取付けを行う際にコネクタを外れ難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るワイヤハーネス組立治具をワイヤハーネス組立図板上に配置した状態を示す斜視図(一部断面図)である。
【図2】図1のワイヤハーネス組立治具に電線を保持した状態を示す斜視図である。
【図3】図1のワイヤハーネス組立治具に電線を保持した状態を示す右側面図である。
【図4】図1のワイヤハーネス組立治具に、後入れ後のコネクタに接続された全電線を保持した状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係るワイヤハーネス組立治具を示す正面図である。
【図6】(a)および(b)は共に、本発明の更に他の実施形態に係るワイヤハーネス組立治具を示す正面図である。
【図7】従来のワイヤハーネス組立治具の構成を、組立工程順に示す斜視図である。
【図8】図7の従来のワイヤハーネス組立治具に電線を保持した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1、1A ワイヤハーネス組立治具
2 軸部
3、3A、3B 支持部材
4 弾性部材
5、5a、5b スリット
A 第1保持部
B 第2保持部
10 ワイヤハーネス組立図板
11 取付け孔
20 コネクタ
21 第1電線
22 後入れ端子
23 第2電線
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワイヤハーネス組立図板上に配置され、先端にコネクタを接続した電線群およびコネクタに後入れする端子を接続した電線を保持するためのワイヤハーネス組立治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ワイヤハーネスの形成は、複数の電線をワイヤハーネス組立図板(以下、単に図板という)上に立設した治具に沿って配索し、これら治具で保持された複数の電線をテープ巻きして形成している。
【0003】
上記ワイヤハーネスの形成時において、先端にコネクタを取付けた電線群(仮結束品)を付線用治具にて保持し、該電線群内の電線とは別の、先端に端子を接続した電線を上記コネクタに後入れして接続する作業がある。一般に、このように組立図板上でコネクタに後入れして接続する電線を後入れ端子電線(または単に後入れ電線)と呼んでいる。
【0004】
かかる後入れ端子電線をコネクタに接続する場合、後入れ端子電線を挿入するコネクタの端子収容室は予め個々の電線毎に決められており、作業者は、図板上に記載されている指示に従って、各後入れ端子電線を所定の端子収容室に挿入して接続する。このため、従来から、コネクタを接続した電線群を保持する一方、コネクタ近傍に後入れ端子電線を保持できるようにした治具を用いている。
【0005】
図7は、その治具であり、該治具100は、図板に立設する軸部101と該軸部101の上端より突出して電線群を保持するU字枠部102とからなる布線用U字治具部110A(図7(A))と、長板103の中間部に布線用U字治具部110AのU字枠部102の各側枠102a、102bが挿入される穴部103a、103bを設けると共に、両側部に後入れ端子電線を挟持するエンドクリップ104a、104bを立設した後入れ端子電線保持治具部110B(図7(B))とからなり、後入れ端子電線保持治具部110Bの長板103の穴部103a、103bに布線用U字治具部110Aの側枠102a、102bを挿入して組み立てている(図7(C))。なお、図7(C)中の124はビスである。
【0006】
コネクタへの後入れ端子電線の挿入作業は、以下のようにして行う。図板上で電線を布線し、図8に示すように、後入れ端子電線122a、122bを端子電線保持治具部のエンドクリップ104a、104bで挟持した後、先端にコネクタ120を接続した電線群(仮結束品)121のコネクタ120の手前部分を布線用U字治具部のU字枠部102に載置して保持する。そして、後入れ端子電線122a、122bを順次クリップから外し、コネクタ120の所定の端子収容室120aに挿入していく。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図7に示した治具の場合には、電線群を保持する布線用U字治具部と、後入れ端子電線を保持する後入れ端子電線保持治具部とが別々の箇所に各々独立して構成されていたため、部品点数が多くなるという難点があった。また、布線用U字治具部の周辺に後入れ端子電線保持治具部が配置されているため、作業スペースが狭くなったり、作業性を阻害することがあった。更には、後入れ端子電線を後入れしたコネクタの電線群を布線用U字治具部に保持し、結束や外装取付けを行う際に、コネクタが布線用U字治具部から外れて掛け直す必要があり、無駄な作業が発生するという欠点があった。
【0008】
本発明は、このような従来技術の課題を解決すべくなされたものであり、部品点数を削減化でき、また作業スペースの拡大化を図って作業性を向上させ得、しかも後入れ端子電線を後入れしたコネクタの電線群を保持して結束や外装取付けを行う際にコネクタが外れ難くすることができるワイヤハーネス組立治具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のワイヤハーネス組立治具は、ワイヤハーネス組立図板の上方に配置され、先端にコネクタが接続された第1電線、コネクタに後入れする端子(後入れ端子ともいう)が接続された第2電線並びに後入れ後のコネクタに接続された全電線を保持するためのワイヤハーネス組立治具であって、前記図板に立設される軸部と、該軸部の上に設けられ、水平方向に離隔した2つの平行部の下側が連結された支持部材とを有し、該平行部の少なくとも上部を残して下側に設けられ、上縁が底部として機能する弾性部材の上側が、該第1電線を保持する第1保持部を構成し、該弾性部材の上縁から下方に向けて形成されたスリットが、該第2電線または該全電線を保持する第2保持部を構成することを特徴とする。
【0010】
本発明治具にあっては、第1保持部が支持部材の上側に、第2保持部が支持部材の下側にそれぞれ設けられ、つまり支持部材を共用して第1保持部と第2保持部とが設けられているので、従来において必要であった長板(103)やビス(124)に相当する部材が不要となり、部品点数を削減化することができる。また、支持部材の上側で第1保持部が、支持部材の下側で第2保持部が設けられた二階建て構造であるので、作業スペースの拡大化が図れ、これにより作業性を向上させ得る。更に、後入れ端子を後入れしたコネクタに接続された全電線が、周囲を弾性部材で囲まれた第2保持部に保持されるので、結束や外装取付けを行う際にコネクタが外れ難くなる。
【0011】
また、本発明のワイヤハーネス組立治具において、前記弾性部材は弾性を有する材料をコーティングして形成され、前記スリットはその弾性部材を切欠くことにより形成されている構成とすることが好ましい。
【0012】
この構成にあっては、使用により弾性部材が摩耗してきても、支持部材に弾性を有する材料をコーティングしてスリットを設ければ、弾性部材は勿論のこと第2保持部も再生することができ、ワイヤハーネス組立治具を繰り返し使用することが可能となる。その結果として、コストの低廉化が図れる利点がある。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を具体的に説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係るワイヤハーネス組立治具をワイヤハーネス組立図板上に配置した状態を示す斜視図(一部断面図)である。
【0015】
このワイヤハーネス組立治具1は、ワイヤハーネス組立図板10の上側に立設される軸部2と、その軸部2の上端に一体的に連結されたU字状をした支持部材3とを有する金属製のものである。支持部材3は、水平方向に離隔した2つの平行部3a、3bの下側が円弧部3cにて連結されている。軸部2は、途中にワッシャWが取付けられ、その下側から下端にわたり、ワイヤハーネス組立図板10の厚み寸法よりも長いねじ部2aが形成されている。
【0016】
かかるワイヤハーネス組立治具1のワイヤハーネス組立図板10への取付けは、ワイヤハーネス組立図板10に穴あけ加工により形成された取付け孔11に、軸部2の下部を上側から挿通し、取付け孔11を貫通した軸部2のねじ部2aに下側からナットNを締め付けることで行われる。
【0017】
支持部材3の平行部3a、3bの下部から円弧部3cにかけて、内側に弾性部材4が形成されており、その弾性部材4の略中央部には、上縁から下端までにわたりスリット5が形成されている。弾性部材4は、例えばシリコンゴムやウレタンゴム等からなる弾性を有する樹脂材料をコーティングすることにより形成されており、上縁は平滑な水平面となっている。
【0018】
平行部3a、3bにおける弾性部材4よりも上側の部分は、弾性部材4の上縁を底部として機能する第1保持部Aを構成し、その第1保持部Aには、図2及び図3に示すように先端にコネクタ20が接続された複数の電線からなる第1電線21が上側から挿入されることにより保持される。
【0019】
スリット5は、コーティングされた弾性部材4を切欠くことにより形成されている。このスリット5は、コネクタ20に後入れする端子22が接続された複数の電線からなる第2電線23と、その後入れ端子22が後入れされたコネクタ20に接続されている全電線(第1電線21及び第2電線23)を保持するための第2保持部Bを構成し、この第2保持部Bには前記第2電線23または全電線が上側から第1保持部Aを通って挿入される。図2及び図3は、第2電線23が第2保持部Bに保持された状態を示し、図4は前記全電線が第2保持部Bに保持された状態を示す。
【0020】
次に、このように構成されたワイヤハーネス組立治具1を使用したワイヤハーネスの組立て作業について説明する。
【0021】
まず、図2及び図3に示すように第2保持部Bに、後入れ端子22が接続された第2電線23を上側から挿入して保持し、その後、第1保持部Aに、先端にコネクタ20が接続された第1電線21を上側から挿入して保持する。続いて、第1保持部Aに保持された第1電線21が接続されたコネクタ20の所定の端子収容室20aに、第2保持部Bに保持された第2電線23の先端に接続された端子22を接続し、コネクタ20へ接続する全ての電線の接続が完了する。
【0022】
その後、図4に示すようにコネクタ20に接続された全電線を第2保持部Bに保持し、テープによる結束や外装取付けを行う。
【0023】
したがって、本実施形態による場合には、第1保持部Aが支持部材3の上側に、第2保持部Bが支持部材3の下側にそれぞれ設けられ、つまり支持部材3を共用して第1保持部Aと第2保持部Bとが設けられているので、従来において必要であった長板103やビス124に相当する部材が不要となり、部品点数を削減化することができる。また、支持部材3の上側で第1保持部Aが、支持部材3の下側で第2保持部Bが設けられた二階建て構造であるので、作業スペースの拡大化が図れ、これにより作業性を向上させ得る。更に、後入れ端子22を後入れしたコネクタ20に接続された全電線が、周囲を弾性部材4で囲まれたスリット5からなる第2保持部Bに保持されるので、結束や外装取付けを行う際にコネクタ20を外れ難くすることができる。また、使用経過により弾性部材4が摩耗してきても、支持部材3に弾性を有する材料をコーティングしてスリットを切欠けば、弾性部材4は勿論のこと第2保持部Bも再生することができ、ワイヤハーネス組立治具1を繰り返し使用することが可能となる。その結果として、コストの低廉化が図れる利点がある。
【0024】
図5は、本発明の他の実施形態に係るワイヤハーネス組立治具を示す正面図である。このワイヤハーネス組立治具1Aは、弾性部材4に2つのスリット5a,5bが形成されているため、電線数が多い多極コネクタの電線を保持する場合に有効となる。
【0025】
なお、本発明は、弾性部材に形成するスリットの本数は、上述した1本または2本に限らず、3本以上設けるようにしてもよい。
【0026】
また、上述した実施形態では平行部の直ぐ上に、第1保持部の底部が位置するように構成しているが、本発明はこれに限らず、平行部のもっと上側に第1保持部の底部が位置するように構成したり、或いは、平行部と円弧部の境界部分を下限として第1保持部の底部が位置するように構成してもよい。
【0027】
また、上述した実施形態では平行部の下側が円弧部となったU字状をした支持部材を使用しているが、本発明はこれに限らず、図6(a)に示すように平行部3a、3bの下側がV字状をした支持部材3Aや、図6(b)に示すように平行部3a、3bの下端が直線状の棒状部3dで連結されたコの字状の支持部材3Bなどを使用することができる。この場合においても、上述したように第1保持部の底部の位置を選定することができるのは勿論であり、特に図6(b)に示す場合には平行部3a、3bの途中に、第1保持部の底部の位置を選定すればよい。
【0028】
また、上述した実施形態では弾性部材の上縁から下端の全長にわたる長さでスリットを形成しているが、本発明はこれに限らず、弾性部材の上縁から下側に向かう途中までの長さでスリットを形成してもよいことは勿論である。
【0029】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明による場合には、第1保持部が支持部材の上側に、第2保持部が支持部材の下側にそれぞれ設けられ、つまり支持部材を共用して第1保持部と第2保持部とが設けられているので、部品点数を削減化することができる。また、支持部材の上側で第1保持部が、支持部材の下側で第2保持部が設けられた二階建て構造であるので、作業スペースの拡大化が図れ、これにより作業性を向上させ得る。更に、後入れ端子を後入れしたコネクタに接続された全電線が、周囲を弾性部材で囲まれた第2保持部に保持されるので、結束や外装取付けを行う際にコネクタを外れ難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るワイヤハーネス組立治具をワイヤハーネス組立図板上に配置した状態を示す斜視図(一部断面図)である。
【図2】図1のワイヤハーネス組立治具に電線を保持した状態を示す斜視図である。
【図3】図1のワイヤハーネス組立治具に電線を保持した状態を示す右側面図である。
【図4】図1のワイヤハーネス組立治具に、後入れ後のコネクタに接続された全電線を保持した状態を示す斜視図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係るワイヤハーネス組立治具を示す正面図である。
【図6】(a)および(b)は共に、本発明の更に他の実施形態に係るワイヤハーネス組立治具を示す正面図である。
【図7】従来のワイヤハーネス組立治具の構成を、組立工程順に示す斜視図である。
【図8】図7の従来のワイヤハーネス組立治具に電線を保持した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1、1A ワイヤハーネス組立治具
2 軸部
3、3A、3B 支持部材
4 弾性部材
5、5a、5b スリット
A 第1保持部
B 第2保持部
10 ワイヤハーネス組立図板
11 取付け孔
20 コネクタ
21 第1電線
22 後入れ端子
23 第2電線
Claims (2)
- ワイヤハーネス組立図板の上方に配置され、先端にコネクタが接続された第1電線、コネクタに後入れする端子が接続された第2電線並びに後入れ後のコネクタに接続された全電線を保持するためのワイヤハーネス組立治具であって、
前記図板に立設される軸部と、該軸部の上に設けられ、水平方向に離隔した2つの平行部の下側が連結された支持部材とを有し、
該平行部の少なくとも上部を残して下側に設けられ、上縁が底部として機能する弾性部材の上側が、該第1電線を保持する第1保持部を構成し、
該弾性部材の上縁から下方に向けて形成されたスリットが、該第2電線または該全電線を保持する第2保持部を構成することを特徴とするワイヤハーネス組立治具。 - 前記弾性部材は弾性を有する材料をコーティングして形成され、前記スリットはその弾性部材を切欠くことにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤハーネス組立治具。
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