JP3855578B2 - 電気掃除機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般家庭等で使用される電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9から図11に従来の電気掃除機で使用される吸込具の構成を示す。図9(a)は前進時、図9(b)は後退時を表している。図において、1は吸込具本体で、底面には吸込口2を有している。3a,3bは吸込具本体1移動用の車輪であり、また吸込具本体1の後方には吸込口2と連通する接続管4が設けられている。5は前記車輪3a,3bにて接地している床面で、進行方向に対して吸込口2後部にはゴム製長板状の遮蔽板6が設けられている。7は絨毯掃除用の回転ブラシで、モータ8と伝達部9によって連結している。10は接続管4に連通する吸込具取付管で、ホース11を経て、掃除機本体12まで接続されている。13はゴミを回収蓄積する集塵室であり、14は吸引力を発生させる電動送風機である。ここで矢印Aはゴミの流れを表している。
【0003】
以上の構成における動作について説明すると、掃除機本体12内の電動送風機14が吸引力を発生させると、集塵室13、ホース11、吸込具取付管10、接続管4を通して吸込口2に吸引力が発生する。そして遮蔽板6によって後方からの空気の流れが遮蔽されているため、集中して吸込口2の前方からゴミが吸引され、遮蔽板6が存在しない場合と比べて高い集塵能力を得ることができる。さらにモータ8の回転力が伝達部9を経て回転ブラシ7へと伝わり、絨毯の毛足に入り込んだゴミを掻き出すようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記電気掃除機では、吸込具本体1の進行方向の如何に係わらず遮蔽板6が吸込口2後方に固定されており、特に後退時吸込口2の進行方向前方に配置される遮蔽板6がゴミを遮り、遮蔽板6より進行方向前方のゴミを吸い込めず、吸込具の集塵能力を低下させている。
【0005】
本発明は、遮蔽板6より進行方向前方のゴミを吸い込み易くして、かつ吸引力を維持し集塵能力を高めた電気掃除機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
下面に吸込口を設けた吸込具と、前記吸込具内に回転自在に配された回転ブラシと、前記回転ブラシを駆動するモータと、前記吸込口の前後部に設けられかつ前記モータの回転子または固定子と連動して前記吸込具移動時に前記吸込口の進行方向側が収納され後方側が突出する遮蔽板と、前記吸込具に吸引力を作用させる電動送風機を収容する掃除機本体と、前記遮蔽板に接続された可動アームと、前記可動アームに設けた突起と、前記可動アームの突起上方に設けられ小突起からなる戻り防止用係止部と、前記可動アームの突起下方に設けられ大突起からなる過突出防止用係止部とを備え、前記遮蔽板は、前記可動アームの突起と前記小突起とにより振動での戻り防止されると共に、前記可動アームの突起と前記大突起とにより移動が抑制され過突出防止される構成としたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1記載の発明は、下面に吸込口を設けた吸込具と、前記吸込具内に回転自在に配された回転ブラシと、前記回転ブラシを駆動するモータと、前記吸込口の前後部に設けられかつ前記モータの回転子または固定子と連動して前記吸込具移動時に前記吸込口の進行方向側が収納され後方側が突出する遮蔽板と、前記吸込具に吸引力を作用させる電動送風機を収容する掃除機本体と、前記遮蔽板に接続された可動アームと、前記可動アームに設けた突起と、前記可動アームの突起上方に設けられ小突起からなる戻り防止用係止部と、前記可動アームの突起下方に設けられ大突起からなる過突出防止用係止部とを備え、前記遮蔽板は、前記可動アームの突起と前記小突起とにより振動での戻り防止されると共に、前記可動アームの突起と前記大突起とにより移動が抑制され過突出防止される構成としたもので、モータ回転子の回転力またはモータ固定子の反力を利用して遮蔽板を収納及び突出させ、進行方向前方のゴミを吸い易くすると共に、常に高い吸引力を維持することが可能で、さらにゴミを遮蔽板に衝突させて後方に逃がさず吸引することができる。
また、遮蔽板がモータの回転子と連動する場合、回転ブラシは進行方向に対して逆回転となるため、絨毯の毛足に入り込んだゴミを掻き出すようにして、掃除性能を高めている。
さらに、遮蔽板が固定子と連動する場合、回転ブラシは進行方向に対して正回転となるため、少ない操作力で吸込具を移動することができる。
また、吸込具本体が一方向に移動中に反動や振動で遮蔽部が戻ることがなく、モータより過剰な伝達力を受けた場合には遮蔽板が突出し過ぎて床面に高速で衝突し高い摩擦力を生じることがないものである。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図1から図8を用いて説明する。
【0009】
(実施例1)
本発明の第1の実施例を図1及び図2により説明する。なお、吸込具本体と接続管及びそれに連通する掃除機本体等との配置関係は従来の構成と同等なので、その詳細な説明を省略する。本実施例の特徴は吸込具本体底面にあるので、以下それを詳細に説明する。図1は吸込具の側面断面図で、図2は平面断面図であり、接続管は欠載した円管を表すため断面としていない。
【0010】
図1及び図2において、1は吸込具本体で、下面には吸込口2を有している。3a,3bは吸込具本体1移動用の車輪であり、また吸込具本体1の後方には吸込口2と連通する接続管4が設けられている。5は前記車輪3a,3bにて接地している床面で、また6a,6bはゴム製長板状の遮蔽板で吸込口2の前後に設けられている。7は絨毯掃除用の回転ブラシで、モータ8とゴム製伝達ベルト9によって連結している。16及び17はモータ8の回転子及び固定子であり、固定子17は吸込具本体1に固定されている。21は回転子16と連結したクラッチで、このクラッチ21にはレバー22が設けられており、上部先端を回動自由に接続した可動アーム23a,23bを介して遮蔽板6a,6bと連動している。24は吸込具本体下面に設けた移動方向を検知するための突起であり、床面5と接触している。25は可動アーム23に設けた突起で、その上方には戻り防止用の小突起26、下方には過突出防止用の大突起27が設けられている。ここで矢印Bは回転ブラシ7の回転方向を示している。
【0011】
以上の構成における動作について説明すると、掃除機本体内の電動送風機により吸引力が発生すると、吸込口2の圧力が低下し吸引が行われる。さらに吸込具本体1を前進させると、検知用突起24のマイクロスイッチが入りモータ8が進行方向と逆回転に回転する。同時に伝達ベルト9を介して回転ブラシ7が矢印Bの方向に回転する。さらにモータ8の回転子16と連結したクラッチ21が回転し、レバー22を介して可動アーム23a,23bおよびこれと連接した遮蔽版6a、6bが収納及び突出される。このとき可動アーム23b上に設けた可動アーム突起25bが大突起27bにて移動が抑制され、また小突起26bにより振動などで簡単に戻ることがない。後退時は記号bとaを読み替えた動作となる。
【0012】
以上のように本実施例の電気掃除機によれば、モータ8の回転子16と連動して遮蔽板6を収納及び突出させるので、吸込具本体1の移動状態に関わらず確実に、収納した遮蔽板6により進行方向前方のゴミを吸い易くすると共に、突出接地した遮蔽板6により常に高い吸引力を維持することが可能で、さらにゴミを遮蔽板6に衝突させて後方に逃がさず吸引して吸込性能を高めることができる。また通常、回転ブラシは進行方向に対して逆回転となるため、絨毯の毛足に入り込んだゴミを掻き出すようにして、掃除性能を高めている。
【0013】
なお遮蔽版6を弾性体や低摩擦抵抗材質にすることで、モータより過剰な伝達力を受けた場合でも、遮蔽板6が突出し過ぎて床面を傷付けたり、高い摩擦力を生じて操作性を低下させることがない。
【0014】
またモータ8とクラッチ21またはレバー22との間にギア部を設けることで、モータ8の回転方向やトルク及び回転数に関わらず、確実にかつ負担をかけずに遮蔽部6を収納及び突出させることが可能で、常に高い吸い込み性能を得ることができ、さらに耐久性を高めることもできる。
【0015】
また遮蔽板6と吸込具本体1とを一体化して、車輪3以外の吸込具全体が前傾もしくは後傾させることで、吸込具を簡単な構成で実現することも可能である。
【0016】
(実施例2)
本発明の第2の実施例を図3及び図4により説明する。なお、吸込具の基本構成は上記第1の実施例と同等であるので、同一構成部品には同一符号を付しその詳細な説明を省略するとともに、本実施例の特徴部分である遮蔽板近傍につき、以下それを詳細に説明する。
【0017】
図3は吸込具の側面断面図で、図4は平面断面図であり、接続管4は欠載した円管を表すため断面としていない。
【0018】
図3及び図4において、モータ8の固定子17にクラッチ21が設けられており、モータ8の反力を受けてモータ8の回転方向とは逆方向にレバー22を動作させる。
【0019】
このことからモータ8の固定子17と連動して遮蔽板6を収納及び突出させるので、吸込具本体1の移動状態に関わらず確実に、収納した遮蔽板6により進行方向前方のゴミを吸い易くすると共に、突出接地した遮蔽板6により常に高い吸引力を維持することが可能で、さらにゴミを遮蔽板6に衝突させて後方に逃がさず吸引して吸込性能を高めることができる。また通常、回転ブラシ7は進行方向に対して正回転となるため、少ない操作力で吸込具を移動することができる。
【0020】
参考例1
本発明の第参考例を図5及び図6により説明する。なお、吸込具の基本構成は上記第1の実施例と同等であるので、同一構成部品には同一符号を付しその詳細な説明を省略するとともに、本参考例の特徴部分である遮蔽板近傍につき、以下それを詳細に説明する。
【0021】
図5は吸込具の側面断面図で、図6は平面断面図であり、接続管4は欠載した円管を表すため断面としていない。
【0022】
図5及び図6において、モータ8は回転ブラシ7の内部に設けられており、回転子16が直接回転ブラシ7に回転力を与えている。固定子17は吸込具本体1に固定されている。
【0023】
ここでモータ8が回転すると、回転子16が回転ブラシ7を回転させ、さらにクラッチ21も一緒に回転させる。
【0024】
このことからモータ8の回転子16と連動して遮蔽板6を収納及び突出させるので、吸込具本体1の移動状態に関わらず確実に、収納した遮蔽板6により進行方向前方のゴミを吸い易くすると共に、突出接地した遮蔽板6により常に高い吸引力を維持することが可能で、さらにゴミを遮蔽板6に衝突させて後方に逃がさず吸引して吸込性能を高めることができる。また通常、回転ブラシ8は進行方向に対して逆回転となるため、絨毯の毛足に入り込んだゴミを掻き出すようにして、掃除性能を高めている。また回転ブラシ7内部にモータ8が設けられいるので、吸込具を小型にしている。
【0025】
参考例2
本発明の第参考例を図7及び図8により説明する。なお、吸込具の基本構成は上記第参考例と同等であるので、同一構成部品には同一符号を付しその詳細な説明を省略するとともに、本参考例の特徴部分である遮蔽板近傍につき、以下それを詳細に説明する。
【0026】
図7は吸込具の側面断面図で、図8は平面断面図であり、接続管4は欠載した円管を表すため断面としていない。
【0027】
図7及び図8において、モータ8は回転ブラシ7の内部に設けられており、回転子16が直接回転ブラシ7に回転力を与えている。固定子17は片端を軸受け31に回動自由に指示されており、さらにクラッチ21は固定子17と連結している。
【0028】
ここでモータ8が回転すると、このことからモータ8の固定子17と連動して遮蔽板6を収納及び突出させるので、吸込具本体1の移動状態に関わらず確実に、収納した遮蔽板6により進行方向前方のゴミを吸い易くすると共に、突出接地した遮蔽板6により常に高い吸引力を維持することが可能で、さらにゴミを遮蔽板6に衝突させて後方に逃がさず吸引して吸込性能を高めることができる。また通常、回転ブラシ7は進行方向に対して正回転となるため、少ない操作力で吸込具を移動することができる。また回転ブラシ7内部にモータ8が設けられいるので、吸込具を小型にしている。
【0029】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の発明によれば、モータの回転子と連動して遮蔽板を収納及び突出させるので、吸込具本体の移動状態に関わらず確実に、収納した遮蔽板により進行方向側のゴミを吸い易くすると共に、突出接地した遮蔽板により常に高い吸引力を維持することが可能で、さらにゴミを遮蔽板に衝突させて後方に逃がさず吸引して吸込性能を高めることができる。また、遮蔽板がモータの回転子と連動する場合、回転ブラシは進行方向に対して逆回転となるため、絨毯の毛足に入り込んだゴミを掻き出すようにして、掃除性能を高めている。さらに、遮蔽板が固定子と連動する場合、回転ブラシは進行方向に対して正回転となるため、少ない操作力で吸込具を移動することができる。
また、戻り防止用係止部により、吸込具本体が一方向に移動中に反動や振動で遮蔽部が戻ることがなく、常に高い吸い込み性能を得ることができる。また、突出防止用係止部により、モータより過剰な伝達力を受けた場合に遮蔽板が突出し過ぎて床面を傷付けたり、高い摩擦力を生じて操作性を低下させることがないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)本発明の第1の実施例による電気掃除機の吸込具の側断面図(前進時)
(b)同吸込具の側断面図(後進時)
【図2】 同吸込具の平面略断面図
【図3】 (a)本発明の第2の実施例による電気掃除機の吸込具の側断面図(前進時)
(b)同吸込具の側断面図(後進時)
【図4】 同吸込具の平面略断面図
【図5】 (a)本発明の第参考例による電気掃除機の吸込具の側断面図(前進時)
(b)同吸込具の側断面図(後進時)
【図6】 同吸込具の平面略断面図
【図7】 (a)本発明の第参考例による電気掃除機の吸込具の側断面図(前進時)
(b)同吸込具の側断面図(後進時)
【図8】 同吸込具の平面略断面図
【図9】 (a)従来の電気掃除機の吸込具の側断面図(前進時)
(b)同吸込具の側断面図(後進時)
【図10】 同吸込具の平面略断面図
【図11】 同吸込具を使用した電気掃除機の全体構成図
【符号の説明】
1 吸込具本体
2 吸込口
3a,3b 車輪
4 接続管
5 床面
6,6a,6b 遮蔽部
7 回転ブラシ
8 モータ
16 回転子
17 固定子
21 クラッチ
22 レバー
23a,23b 可動アーム
24 検知用突起
25a,25b 可動アーム突起
26a,26b 小突起
27a,27b 大突起

Claims (1)

  1. 下面に吸込口を設けた吸込具と、前記吸込具内に回転自在に配された回転ブラシと、前記回転ブラシを駆動するモータと、前記吸込口の前後部に設けられかつ前記モータの回転子または固定子と連動して前記吸込具移動時に前記吸込口の進行方向側が収納され後方側が突出する遮蔽板と、前記吸込具に吸引力を作用させる電動送風機を収容する掃除機本体と、前記遮蔽板に接続された可動アームと、前記可動アームに設けた突起と、前記可動アームの突起上方に設けられ小突起からなる戻り防止用係止部と、前記可動アームの突起下方に設けられ大突起からなる過突出防止用係止部とを備え、前記遮蔽板は、前記可動アームの突起と前記小突起とにより振動での戻り防止されると共に、前記可動アームの突起と前記大突起とにより移動が抑制され過突出防止される構成とした電気掃除機。
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