JP3854540B2 - シリンダ装置および履帯式車両 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピストン構造に特徴を有するシリンダ装置およびこのシリンダ装置を備えた履帯式車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3に示される油圧ショベルのように、建設機械は、履帯式車両が用いられることが多い。
【0003】
この履帯式車両の走行装置11は、一端側に、履帯12を駆動するスプロケット13が配置され、中間部に履帯12を案内するガイドローラ14が配列され、他端側に、履帯12とともに自由回転するアイドラ15が配置され、このアイドラ15に対して履帯12に張力を与えるシリンダ装置16が設けられている。
【0004】
このシリンダ装置16は、アイドラ15の軸受部材17を張出し方向に弾力的に押圧するとともに履帯12に作用した衝撃を吸収する緩衝用のリコイルシリンダ18と、このリコイルシリンダ18に当接してリコイルシリンダ18を所定位置まで押圧移動することで履帯12の張力を調整する張り調整用のアジャスタシリンダ19とを有している。
【0005】
図4に示されるように、このシリンダ装置16のリコイルシリンダ18は、アキュムレータ21と左右履帯用の油圧シリンダ22とを組合せたガスばね装置であり、アキュムレータ21は、油圧シリンダ22とは別置きで、フレームやカーボディ24内に収納され、油圧ホースなどの配管23により油圧シリンダ22と連通されている。
【0006】
そして、油圧システムから供給された油を、減圧弁25により所定の油圧に減圧制御して、アキュムレータ21と油圧シリンダ22とを連通する配管23中に供給する。
【0007】
アキュムレータ21には、ガスを充填したブラダ(ゴム袋)26が内蔵されているので、走行中、油圧シリンダ22のロッド27の先端に、対向する方向の負荷が作用すると、ピストン28が後退移動して配管23中の油圧が上昇するが、配管23中の油圧が上昇すると、アキュムレータ21内のブラダ26が圧縮され、その負荷を吸収することができる。
【0008】
図5に示されるように、上記リコイルシリンダ18の油圧シリンダ22には、ピストン28の周面が摺動自在に嵌合され、このピストン28の周面に嵌着されたシール29により、摺動面の液密が保たれている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
履帯式車両の走行装置11では、履帯12側からリコイルシリンダ18のロッド27に対し、軸方向のアキシャル荷重だけでなく、こじれ方向のモーメント荷重やラジアル荷重も作用しやすい。
【0010】
このため、ロッド27からピストン28にも、こじれ方向のモーメント荷重やラジアル荷重が作用して、ピストン28に嵌着されたシール29の耐久性を低下させている。
【0011】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、ピストンに嵌着されたシールの耐久性を向上できるシリンダ装置および履帯式車両を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明は、シリンダ本体と、シリンダ本体内に摺動自在に嵌合された作動ピストンと、作動ピストンに一体に設けられシリンダ本体の一端より外部へ突出されて負荷を受けるロッドと、シリンダ本体内にて作動ピストンのロッド側とは反対側に隣接して分離可能に配置されシリンダ本体に対しシールを介して摺動自在に嵌合された遊動ピストンとを具備し、作動ピストンは、ロッド側面と遊動ピストン側面とを常時連通する通孔を備えたシリンダ装置である
【0013】
求項に記載された発明は、請求項1記載のシリンダ装置において、シリンダ本体内にて作動ピストンよりロッド側に設けられ非圧縮性流体の供給を受ける非圧縮性流体室と、シリンダ本体内にて作動ピストンおよび遊動ピストンを基準として非圧縮性流体室とは反対側に設けられ圧縮性流体が充填された圧縮性流体室とを具備したものである
【0014】
請求項3に記載された発明は、請求項1記載のシリンダ装置において、シリンダ本体内 にて作動ピストンよりロッド側に設けられ非圧縮性流体の供給を受ける第1の非圧縮性流体室と、シリンダ本体内にて作動ピストンおよび遊動ピストンを基準として第1の非圧縮性流体室とは反対側に設けられ非圧縮性流体が充填された第2の非圧縮性流体室と、第2の非圧縮性流体室に接続され圧縮性流体を充填したブラダが内蔵されたアキュムレータとを具備したものである。
【0015】
請求項4に記載された発明は、請求項2または3記載のシリンダ装置における非圧縮性流体を油としたものである
【0016】
請求項5記載された発明は、請求項2乃至4のいずれか記載のシリンダ装置における圧縮性流体を不活性ガスとしたものである
【0017】
請求項6に記載された発明は、機体と、機体の一側部および他側部に設けられた走行装置とを備え、走行装置は、履帯と、履帯に張力を与える請求項乃至5のいずれか記載のシリンダ装置とを具備した履帯式車両である
【0018】
請求項7に記載された発明は、請求項6記載の履帯式車両におけるシリンダ装置が、非圧縮性流体室に供給される非圧縮性流体圧を制御することで、履帯に作用した衝撃を吸収する緩衝用のリコイルシリンダとして機能するとともに、履帯の張力を調整する張り調整用のアジャスタシリンダとして機能するものである
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を図1乃至図3を参照しながら説明する。なお、図3は、従来技術の説明でも用いたが、本シリンダ装置の説明においても参照する。
【0020】
図3に示される履帯式車両としての油圧ショベルは、上部旋回体1上にキャブ2、掘削用のフロント作業装置3および油圧ポンプ駆動用のエンジン4などが搭載された機体5と、この機体5の下部の一側部および他側部に設けられた走行装置11とを備え、この走行装置11は、履帯12と、この履帯12に張力を与えるシリンダ装置16とを具備したものである。
【0021】
図1は、シリンダ装置の一実施の形態を示し、図3に示されたシリンダ装置16と同様の場所に設置された同様の機能を有するシリンダ装置16aである。
【0022】
このシリンダ装置16aは、シリンダ本体31の内径面に作動ピストン32が、そのピストン周面に嵌着されたウエアリング33を介し、摺動自在に嵌合されている。
【0023】
この作動ピストン32の片面にはロッド34が一体に設けられ、このロッド34は、シリンダ本体31の一端より外部へ突出されており、その先端にアイドラ15の軸受部材17が連結され、履帯12からの負荷を受ける。
【0024】
シリンダ本体31内にて作動ピストン32のロッド側とは反対側に、遊動ピストン35が隣接して分離可能に配置され、この遊動ピストン35が、そのピストン周面に嵌着されたシール36を介して、シリンダ本体31の内径面に対し気密に摺動自在に嵌合されている。
【0025】
作動ピストン32には、そのロッド側面と、反対側の遊動ピストン側面とを連通する通孔37が穿設され、この通孔37により、作動ピストン32と遊動ピストン35との間に非圧縮性流体としての油を導くことで、作動ピストン32と遊動ピストン35とが相互に吸着状態となることを防止し、吸着による一体化を防止している。
【0026】
シリンダ本体31内にて作動ピストン32よりロッド34側に、油圧回路から油の供給を受ける非圧縮性流体室としての油室38が設けられている。シリンダ本体31の一端には、この油室38に油を供給する孔39が穿設されている。
【0027】
シリンダ本体31内にて作動ピストン32および遊動ピストン35を基準として油室38とは反対側に、アキュムレータとして機能する圧縮性流体室としての気室41が設けられている。
【0028】
この気室41には、シリンダ本体31のヘッド側端に設けられた図示されない給気弁付き給気孔を経て、圧縮性流体としての気体、例えば窒素ガスNなどの不活性ガスが充填されている。この不活性ガスは化学的に安定しているので、安定性の高いアキュムレータ機能を得られる。
【0029】
シリンダ装置16aは、油室38に供給される油圧を制御することで、図3に示された従来のリコイルシリンダ18と同様に、アイドラ15の軸受部材17を張出し方向に弾力的に押圧しながら履帯12に作用した衝撃を吸収する緩衝用のリコイルシリンダとして機能するとともに、図3に示された従来のアジャスタシリンダ19と同様に、履帯12の張力を調整する張り調整用のアジャスタシリンダとして機能するものである。
【0030】
次に、この図1に示されたシリンダ装置16aの作用効果を説明する。
【0031】
先ず、履帯12の張力を調整する張り調整用のアジャスタシリンダとしての機能を説明すると、孔39に接続された油圧回路の切換弁(図示せず)などを制御して、孔39より油室38に気室41の圧縮性流体圧としての不活性ガス圧よりも高圧の圧油を供給すると、作動ピストン32および遊動ピストン35は、気室41内の不活性ガスを圧縮しながら、ロッド34がシリンダ本体31内に後退するように移動し、また、油室38の油圧を不活性ガス圧よりも低下させると、作動ピストン32および遊動ピストン35は、気室41内に充填された不活性ガス圧により、ロッド34がシリンダ本体31から押出されるように移動する。
【0032】
このとき、孔39に接続された油圧回路の圧力調整弁(図示せず)により油室38の油圧を調整することで、この油圧と、気室41内に充填された不活性ガス圧との相対的関係により、作動ピストン32のロッド34をシリンダ本体31から押出す力を調整して、履帯12の張力を調整する。
【0033】
また、履帯12に作用した衝撃を吸収する緩衝用のリコイルシリンダとしての機能を説明すると、気室41内の不活性ガス圧が遊動ピストン35を介して作動ピストン32に作用して、そのロッド34をシリンダ本体31から押出す方向に付勢し、一方、ロッド34の先端に、対向する方向の外力が作用すると、気室41に充填された不活性ガスを圧縮しながら作動ピストン32および遊動ピストン35が後退し、外力を吸収するリコイルスプリングとして機能する。
【0034】
すなわち、この気室41内の不活性ガス圧が作動ピストン32のロッド34を押出す力を、図3に示された履帯式車両の走行装置11のリコイルシリンダ18の代わりに適用すると、アイドラ15の軸受部材17を張出し方向に弾力的に押圧し、履帯12に適度な張力を与えるが、履帯12が岩石に乗り上げるなどして、履帯12に衝撃が作用したときは、履帯12からアイドラ15を介しシリンダ装置16aのロッド34に過度の負荷がかかるので、作動ピストン32および遊動ピストン35は、気室41内の不活性ガスを圧縮しながら後退移動して、履帯12に作用した衝撃を吸収することができる。このピストン後退時は、油室38内に圧油を供給して、この油室38内の極端な圧力低下を防止する。
【0035】
このように、1本のシリンダ装置16aに、緩衝用のリコイルシリンダとしての機能と、張り調整用のアジャスタシリンダとしての機能とを集約させたので、このシリンダ装置16aは、図3に示されたシリンダ装置16より構造がシンプルになり、安価に提供できる。
【0036】
また、シリンダ本体31の内径面と、遊動ピストン35のシール36とが摺擦する部分には、常に油室38の油が供給され潤滑されるので、シール36の耐久性を向上できる。
【0037】
さらに、作動ピストン32と遊動ピストン35とを分離可能としたので、遊動ピストン35には、作動ピストン32から軸方向のアキシャル荷重のみが作用し、作動ピストン32からのモーメント荷重およびラジアル荷重が作用しないので、これらの荷重によりシール36が損傷することを防止できる。
【0038】
すなわち、ロッド34にこじれ方向のモーメント荷重が作用した場合でも、そのこじれ方向のモーメント荷重は、作動ピストン32にて遮断され、遊動ピストン35に伝わらないので、遊動ピストン35の周面に嵌着されたシール36の耐久性を向上できる。
【0039】
これにより、シール36により、油室38から気室41への油漏れ、気室41から油室38への不活性ガス漏れを、それぞれ防止でき、これらの流体漏れによるアキュムレータ機能の低下を防止できる。
【0040】
さらに、シリンダ本体31内に、作動ピストン32と遊動ピストン35を介して、油の供給を受ける油室38と、不活性ガスが充填された気室41とを設けたので、遊動ピストン35および気室41により、アキュムレータをコンパクトに内蔵化または一体化したシリンダ装置16aを提供できる。
【0041】
そして、従来のアキュムレータと油圧シリンダとを別置きにして配管により接続する場合に対し、そのアキュムレータ・油圧シリンダ間の配管が不要となる。
【0042】
また、シリンダ本体31内にアキュムレータ機能が組込まれていて、配管での圧力損失が生じないので、アキュムレータ応答性が良好である。
【0043】
さらに、シリンダ本体31のヘッド側にアキュムレータ機能を付加するため、若干の材料費および加工費がかかるものの、独立したアキュムレータを必要としない分、全体としてはコストダウンを図れる。
【0044】
その上、本シリンダ装置16aは、走行装置11の側面を覆うトラックフレーム(図示せず)の内部に設置されるが、このトラックフレームに適当な孔を設置しておくことにより、気室41へのガスチャージなどのメンテナンス作業をするときの外部からのアクセスが容易である。
【0045】
次に、図2はシリンダ装置の他の実施の形態を示し、図3に示されたシリンダ装置16と同様の場所に設置された同様の機能を有するシリンダ装置16bである。なお、図1に示された実施の形態と同様の部分には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0046】
このシリンダ装置16bは、シリンダ本体31内にて作動ピストン32よりロッド34側に、油圧回路から非圧縮性流体としての油の供給を受ける第1の非圧縮性流体室としての油室38aが設けられ、また、シリンダ本体31内にて作動ピストン32および遊動ピストン35を基準として、第1の油室38aとは反対側に非圧縮性流体としての油が充填された第2の非圧縮性流体室としての油室38bが設けられている。要するに、前記気室41を油室38bとする。
【0047】
シリンダ本体31のヘッド側端には、この油室38bに油を出入りさせる孔43が穿設され、この孔43に管路44を介してアキュムレータ45が接続されている。管路44を介さず孔43にアキュムレータ45を直結しても良い。
【0048】
アキュムレータ45には、圧縮性流体としての気体、例えば窒素ガスNなどの不活性ガスを充填したブラダ(ゴム袋)46が内蔵されている。
【0049】
このシリンダ装置16bは、油室38aに供給される油圧を制御することで、図3に示された従来のリコイルシリンダ18と同様に、アイドラ15の軸受部材17を張出し方向に弾力的に押圧しながら履帯12に作用した衝撃を吸収する緩衝用のリコイルシリンダとして機能するとともに、図3に示された従来のアジャスタシリンダ19と同様に、履帯12の張力を調整する張り調整用のアジャスタシリンダとして機能するものである。
【0050】
次に、この図2に示されたシリンダ装置の作用効果を説明する。
【0051】
先ず、履帯12の張力を調整する張り調整用のアジャスタシリンダとしての機能を説明すると、孔39に接続された油圧回路の切換弁(図示せず)などを制御して、この孔39より油室38a内にブラダ46内の不活性ガス圧よりも高圧の圧油を供給すると、作動ピストン32は、遊動ピストン35を押圧し、油室38bから管路44を経てアキュムレータ45内に充填された油を介し、ブラダ46内の不活性ガスを圧縮しながら、ロッド34がシリンダ本体31内に後退するように移動する。
【0052】
また、油室38a内の油圧をブラダ46内の不活性ガス圧よりも低下させると、作動ピストン32は、そのロッド34がシリンダ本体31から押出されるように移動する。
【0053】
このとき、孔39に接続された油圧回路の圧力調整弁(図示せず)により第1の油室38aの油圧を調整することで、この油圧と、ブラダ46内に充填された不活性ガス圧との相対的関係により、作動ピストン32のロッド34をシリンダ本体31から押出す力を調整して、履帯12の張力を調整する。
【0054】
また、履帯12に作用した衝撃を吸収する緩衝用のリコイルシリンダとしての機能を説明すると、アキュムレータ45のブラダ46内に封入された不活性ガス圧が、アキュムレータ45から管路44を経て油室38b内にわたって充填された油、および遊動ピストン35を介して、作動ピストン32に作用し、そのロッド34をシリンダ本体31から押出す方向に付勢し、一方、ロッド34の先端に、対向する方向の外力が作用すると、作動ピストン32および遊動ピストン35は、油を介して、ブラダ46を圧縮しながら後退移動することで、ロッド34に作用した外力を吸収するリコイルスプリングとして機能する。
【0055】
すなわち、このアキュムレータ45内のブラダ46内に封入された不活性ガス圧が作動ピストン32のロッド34を押出す力を、図3に示された履帯式車両の走行装置11のリコイルシリンダ18の代わりに適用すると、アイドラ15の軸受部材17を張出し方向に弾力的に押圧し、履帯12に適度な張力を与えるとともに、履帯12が岩石に乗り上げるなどして、履帯12に衝撃が作用したときは、履帯12からアイドラ15を介しシリンダ装置16bのロッド34に過度の負荷がかかるので、作動ピストン32および遊動ピストン35は、アキュムレータ45のブラダ46内の不活性ガスを圧縮しながら後退移動して、履帯12に作用した衝撃を吸収することができる。このピストン後退時は、油室38a内に圧油を供給して、この油室38a内の極端な圧力低下を防止する。
【0056】
このように、1本のシリンダ装置16bに、緩衝用のリコイルシリンダとしての機能と、張り調整用のアジャスタシリンダとしての機能とを集約させたので、図3に示されたシリンダ装置16よりシリンダ装置16bの構造はシンプルになり、安価に提供できる。
【0057】
また、シリンダ本体31の内径面と、遊動ピストン35のシール36とが摺擦する部分には、常に油室38a,38bの油が供給され潤滑されるので、シール36の耐久性を向上できる。
【0058】
さらに、作動ピストン32と遊動ピストン35とを分離可能としたので、遊動ピストン35には、作動ピストン32から軸方向のアキシャル荷重のみが作用し、作動ピストン32からのモーメント荷重およびラジアル荷重が作用しないので、これらの荷重によりシール36が損傷することを防止できる。
【0059】
すなわち、ロッド34にこじれ方向のモーメント荷重が作用した場合でも、そのこじれ方向のモーメント荷重は、作動ピストン32にて遮断され、遊動ピストン35に伝わらないので、遊動ピストン35の周面に嵌着されたシール36の耐久性を向上できる。
【0060】
これにより、シール36により、第2の油室38bから第1の油室38aへの油漏れを防止でき、アキュムレータ機能の低下を防止できる。
【0061】
なお、各シリンダ装置16a,16bは、履帯式車両の走行装置11におけるシリンダ装置のみに用途が限定されるものではなく、履帯12以外のベルト、ワイヤなどの張り調整機構にも用いることが可能であり、さらには、衝撃力を吸収する緩衝装置として用いることも可能である。
【0062】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、作動ピストンと遊動ピストンとを分離したので、遊動ピストンには、作動ピストンからのアキシャル荷重のみが作用し、作動ピストンからのモーメント荷重およびラジアル荷重が作用せず、これにより、遊動ピストンのシールの耐久性を向上できる。さらに、通孔により、作動ピストンと遊動ピストンとの間に作動流体を導くことで、作動ピストンと遊動ピストンとが相互に吸着状態となることを防止して、吸着による一体化を防止できる。
【0063】
求項記載の発明によれば、シリンダ本体内に、作動ピストンおよび遊動ピストンを介して、非圧縮性流体の供給を受ける非圧縮性流体室と、圧縮性流体が充填された圧縮性流体室とを設けたので、遊動ピストンおよび圧縮性流体室により、シリンダ本体内にアキュムレータをコンパクトに内蔵化または一体化したシリンダ装置を提供でき、従来のアキュムレータと油圧シリンダとを別置きにして配管により接続する場合に対し、配管の不要化、応答性の向上、コストダウン、アキュムレータの小型化およびメンテナンス容易化が可能である。
【0064】
請求項3記載の発明によれば、作動ピストンおよび遊動ピストンは、アキュムレータのブラダ内の圧縮性流体を圧縮しながら後退移動して、衝撃を吸収することができる。
【0065】
請求項4記載の発明によれば、シリンダ本体と遊動ピストンのシールとが摺擦する部分には、常に油が供給され、シールが潤滑されるので、シールの耐久性を向上できる。
【0066】
請求項5記載の発明によれば、不活性ガスは化学的に安定しているので、安定性の高いアキュムレータ機能を得られる。
【0067】
請求項6記載の発明によれば、履帯式車両の走行装置では、履帯に張力を与えるシリンダ装置の作動ピストンに対し、履帯から軸方向のアキシャル荷重だけでなく、こじれ方向のモーメント荷重やラジアル荷重も作用しやすいが、作動ピストンと遊動ピストンとを分離したので、作動ピストンのモーメント荷重やラジアル荷重が遊動ピストンには作用せず、遊動ピストンのシールの耐久性を向上でき、履帯のシリンダ装置の耐久性も向上できる。
【0068】
請求項7記載の発明によれば、1本のシリンダ装置に、緩衝用のリコイルシリンダとしての機能と、張り調整用のアジャスタシリンダとしての機能とを集約させたので、シリンダ装置の構造がシンプルになり、安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るシリンダ装置の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】 本発明に係るシリンダ装置の他の実施の形態を示す断面図である。
【図3】 履帯式車両を示す斜視図である。
【図4】 履帯式車両の走行装置に設けられた従来のシリンダ装置を示す油圧回路図である。
【図5】 従来のシリンダ装置の油圧シリンダを示す断面図である。
【符号の説明】
5 機体
11 走行装置
12 履帯
16,16a,16b シリンダ装置
31 シリンダ本体
32 作動ピストン
34 ロッド
35 遊動ピストン
36 シール
37 通孔
38 非圧縮性流体室としての油室
41 圧縮性流体室としての気室

Claims (7)

  1. シリンダ本体と、
    シリンダ本体内に摺動自在に嵌合された作動ピストンと、
    作動ピストンに一体に設けられシリンダ本体の一端より外部へ突出されて負荷を受けるロッドと、
    シリンダ本体内にて作動ピストンのロッド側とは反対側に隣接して分離可能に配置されシリンダ本体に対しシールを介して摺動自在に嵌合された遊動ピストンとを具備し
    作動ピストンは、ロッド側面と遊動ピストン側面とを常時連通する通孔を備えた
    ことを特徴とするシリンダ装置。
  2. シリンダ本体内にて作動ピストンよりロッド側に設けられ非圧縮性流体の供給を受ける非圧縮性流体室と、
    シリンダ本体内にて作動ピストンおよび遊動ピストンを基準として非圧縮性流体室とは反対側に設けられ圧縮性流体が充填された圧縮性流体室と
    を具備したことを特徴とする請求項記載のシリンダ装置。
  3. シリンダ本体内にて作動ピストンよりロッド側に設けられ非圧縮性流体の供給を受ける第1の非圧縮性流体室と、
    シリンダ本体内にて作動ピストンおよび遊動ピストンを基準として第1の非圧縮性流体室とは反対側に設けられ非圧縮性流体が充填された第2の非圧縮性流体室と、
    第2の非圧縮性流体室に接続され圧縮性流体を充填したブラダが内蔵されたアキュムレータと
    を具備したことを特徴とする請求項1記載のシリンダ装置。
  4. 非圧縮性流体は、油である
    ことを特徴とする請求項2または3記載のシリンダ装置。
  5. 圧縮性流体は、不活性ガスである
    ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか記載のシリンダ装置。
  6. 機体と、
    機体の一側部および他側部に設けられた走行装置とを備え、
    走行装置は、
    履帯と、
    履帯に張力を与える請求項乃至5のいずれか記載のシリンダ装置と
    を具備したことを特徴とする履帯式車両。
  7. シリンダ装置は、
    非圧縮性流体室に供給される非圧縮性流体圧を制御することで、履帯に作用した衝撃を吸収する緩衝用のリコイルシリンダとして機能するとともに、履帯の張力を調整する張り調整用のアジャスタシリンダとして機能するものである
    ことを特徴とする請求項6記載の履帯式車両。
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