JP3854458B2 - 端子金具と端子金具の組立方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電線が接続される電線接続部と他の端子金具と接続するための電気接触部とを備えた端子金具にかかり、特に、平面形状がL字状となる位置に電線接続部と電気接触部とが配された端子金具と、該端子金具の組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車などに装備されるワイヤハーネスは、電子機器の機能毎などに分けられた複数のサブハーネスとして一旦構成され、これらのサブハーネスを互いに組み付けられて得られるようになっている。このため、前記サブハーネス間の電線相互の接続が煩雑となり、組立時の作業性が悪化する傾向となり最悪の場合には品質が安定しない恐れも生じてきた。
【0003】
このため、前述した電線相互の接続を容易とするために、プレート状の絶縁体と、この絶縁体に装着される圧接端子と、を用い、前記プレート状の絶縁体を複数枚積層して得られるプレートコネクタが提案されている。プレート状の絶縁体は、合成樹脂からなる。プレート状の絶縁体は、平板状の底壁と、この底壁からそれぞれ立設した複数の隔壁と、複数の連通孔と、を備えている。
【0004】
複数の隔壁は、互いに平行でかつ互いに等間隔に配されている。これら複数の隔壁のうち隣り合う隔壁間は、電線を収容する電線収容溝をなしている。連通孔は底壁を貫通している。連通孔は、底壁上に載置された圧接端子の電気接触部の筒孔と連なる。
【0005】
圧接端子は、板金を折り曲げて形成される。圧接端子は、電線と接続する電線接続部と、前記電線接続部に連なる筒状の電気接触部と、を備えている。電線接続部は、電線と圧接しかつ互いに相対する対の圧接刃を備えている。電気接触部内には、導電性を有しかつ帯板状の接続バーが挿入される。圧接端子は、電線接続部と、電気接触部とが、平面形状がL字状となるように配置されている。圧接端子は、プレート状の絶縁体の底壁上に載置される。
【0006】
プレート状の絶縁体は、圧接端子を、前記電線収容溝の長手方向と、これらの電線収容溝が互いに並設する方向と、の二方向に沿って並べる。即ち、プレート状の絶縁体は、圧接端子を、底壁上に二次元のマトリックス状に配置する。圧接端子が二次元のマトリックス状に配置されたプレート状の絶縁体を複数枚積層し、互いに重なる電気接触部のうち所望の電気接触部内に前記接続バーを挿入して、プレートコネクタが得られる。
【0007】
このように、前記プレートコネクタは、電線と圧接する圧接端子を、プレート状の絶縁体の底壁の所望の位置に配し、かつ所望の電気接触部内に接続バーを挿入することによって、前記電線などを予め定められるパターンにしたがって相互に接続する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前述したプレートコネクタに用いられる圧接端子は、平面形状がL字状となる位置に電線接続部と電気接触部とが配されている。このため、この圧接端子を組み立てるための板金も、前記電線接続部に相当する部分と、前記電気接触部に相当する部分と、がL字状となる位置に配されている。
【0009】
このため、前記圧接端子を組み立てる前記板金の屈曲作業中に、前記電線接続部と前記電気接触部を連結する連結箇所が変形してしまい、組立後の電線接続部と電気接触部との相対的な位置関係を一定に保てないことが考えられる。最悪の場合には、前記連結箇所が切断されてしまい、前記電線接続部と電気接触部とが分離することも考えられる。このように、組立後の寸法の歩留まりが悪化することが考えられる。
【0010】
したがって、本発明の目的は、組立後の歩留まりの悪化を抑制できる端子金具と端子金具の組立方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の端子金具は、電線が接続される電線接続部と、前記電線接続部に連なりかつ他の端子金具と接続するための挿入子が挿入される筒状の電気接触部と、前記電線接続部と前記電気接触部とを連結する連結部と、を有し平面形状がL字状となる位置に前記電線接続部と前記電気接触部とが配された端子金具において、前記電線接続部に相当する接続相当部と、前記電気接触部に相当する接触相当部と、前記連結部に相当する連結相当部と、前記接続相当部と前記接触相当部とを連結する補強連結部と、を備えた板金が屈曲されて組立られるとともに、前記補強連結部は、前記板金が屈曲されて組立られると、除去され、前記電線接続部は前記電線が載置される載置壁とこの載置壁に連なりかつ立設する側壁とを有し、前記電気接触部は前記挿入子が挿入される筒状の筒部を有し、前記接続相当部は前記載置壁に相当する載置壁相当部と前記側壁に相当する側壁相当部とを有し、前記接触相当部は前記筒部に相当する筒相当部を有し、前記補強連結部は、帯状に形成され、かつ各々端子金具に一つずつ設けられて、一端が各々端子金具の前記側壁相当部に連なるとともに他端が前記筒相当部に連なることを特徴としている。
【0013】
請求項2に記載の本発明の端子金具は、電線が接続される電線接続部と、前記電線接続部に連なりかつ他の端子金具と接続するための挿入子が挿入される筒状の電気接触部と、前記電線接続部と前記電気接触部とを連結する連結部と、を有し平面形状がL字状となる位置に前記電線接続部と前記電気接触部とが配された端子金具において、前記電線接続部に相当する接続相当部と、前記電気接触部に相当する接触相当部と、前記連結部に相当する連結相当部と、前記接続相当部と前記接触相当部とを連結する補強連結部と、を備えた板金が屈曲されて組立られるとともに、前記補強連結部は、前記板金が屈曲されて組立られると、除去され、前記電線接続部は前記電線が載置される載置壁とこの載置壁に連なりかつ立設する側壁とを有し、前記連結部は帯状に形成されかつ一端が前記側壁に連なるとともに他端が前記電気接触部に連なり、前記接続相当部は前記載置壁に相当する載置壁相当部と前記側壁に相当する側壁相当部とを有し、前記補強連結部は、各々端子金具に一つずつ設けられて、各々端子金具の前記載置壁相当部と前記連結相当部とを連結していることを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載の本発明の端子金具の組立方法は、請求項1記載の端子金具を組み立てる方法であって、前記接触相当部を屈曲して前記電気接触部を組み立てた後でかつ前記接続相当部を屈曲して前記電線接続部を組み立てる前に前記補強連結部を除去することを特徴としている。
【0015】
請求項4に記載の本発明の端子金具の組立方法は、請求項2記載の端子金具を組み立てる方法であって、前記接触相当部と前記接続相当部との双方を屈曲して前記電気接触部と前記電線接続部との双方を組み立てた後に、前記補強連結部を除去することを特徴としている。
【0016】
請求項1に記載された本発明によれば、端子金具として組み立てられると、除去される板金の補強連結部が、電線接続部に相当する接続相当部と電気接触部に相当する接触相当部とを互いに連ねている。このため、端子金具として組み立てる前に、連結部に相当する連結相当部が変形することを防止でき、接続相当部と接触相当部との相対的な位置関係が、変化することを防止できる。
【0017】
補強連結部が、接続相当部の側壁相当部と、接触相当部の筒相当部と、を互いに連ねている。このため、端子金具として組み立てる前に、連結相当部が変形することを確実に防止でき、接続相当部と接触相当部との相対的な位置関係が変化することを確実に防止できる。
【0018】
請求項2に記載された本発明によれば、連結部が帯状に形成されかつ電線接続部の側壁と電気接触部とを互いに連ねている。このため、連結部がより変形しやすくなっているとともに、電線接続部と電気接触部との相対的な位置関係がより変化しやすくなっている。しかしながら、補強連結部が、接続相当部の載置壁相当部と連結相当部とを互いに連ねている。このため、端子金具として組み立てる前に、連結相当部が変形することを確実に防止でき、接続相当部と接触相当部との相対的な位置関係が変化することを確実に防止できる。
【0019】
請求項3に記載された本発明によれば、電気接触部を組み立てた後に補強連結部を除去するので、電気接触部と電線接続部との相対的な位置関係が変化することを確実に防止できる。
【0020】
請求項4に記載された本発明によれば、電気接触部と電線接続部との双方を組み立てた後に補強連結部を除去するので、電気接触部と電線接続部との相対的な位置関係が変化することをより確実に防止できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態にかかる端子金具としてのJB(Junction Block)用圧接端子50を、図1ないし図10を参照して説明する。図1に示す本発明の第1の実施形態にかかる端子金具としてのJB用圧接端子50は、図3などに示すプレート状の絶縁体としての圧接プレート60に装着され、該圧接プレート60が複数積層されて図5に示すプレートコネクタとしての積層プレートコネクタ1を構成する。なお、JB用圧接端子50は、電線を圧接するいわゆる圧接端子となっている。
【0022】
JB用圧接端子50は、導電性の板金20(図6などに示す)を折り曲げるなどして形成されている。JB用圧接端子50は、図1などに示すように、電線4(図3に示す)が接続される電線接続部51と、電気接触部52と、複数の係止片58と、連結部59と、を備えている。
【0023】
電線接続部51は、電線4が載置される平坦な載置壁55と、一対の側壁56a,56bと、かしめ片53と、圧接部51aと、を備えている。
【0024】
載置壁55は、帯板状に形成されている。一対の側壁56a,56bは、それぞれ、帯板状に形成されている。一対の側壁56a,56bは、幅方向に沿って間隔を存する載置壁55の両縁に連なっている。一対の側壁56a,56bは、それぞれ、載置壁55に立設している。一対の側壁56a,56bは、互いの間に圧接部51aに圧接される電線を位置させる。
【0025】
かしめ片53は、載置壁55に立設している。かしめ片53は、載置壁55の幅方向の縁に連なっている。かしめ片53は、載置壁55に被さるように曲げられることにより、載置壁55との間に電線を挟んで保持する。即ち、かしめ片53は、電線を載置壁55にかしめる。
【0026】
圧接部51aは、互いに対向する二対の圧接刃54a,54bを備えている。圧接刃54a,54bは、載置壁55に立設している。圧接刃54a,54bは、側壁56a,56bの内面からこれら一対の側壁56a,56bが互いに近づく方向に突出している。
【0027】
圧接刃54a,54bは、互いの間に電線4を圧入することにより、電線4の被覆部を切り込んで芯線に接触して、前記電線4と電気的に接続する。即ち、圧接刃54a,54bは、電線4と圧接する。
【0028】
電気接触部52は、載置壁55の幅方向の一方の縁に連なっている。即ち、電気接触部52は、電線接続部51と連なっている。電気接触部52と電線接続部51とは、JB用圧接端子50の平面形状がL字状となる位置に配されている。電気接触部52は、電線接続部51に対し、載置壁55に載置される電線の長手方向から屈曲した位置に配されている。
【0029】
電気接触部52は、角筒状の筒部52aと、接続ばね片57と、を備えている。筒部52aは、圧接プレート60の連通孔に連通するように配される。筒部52a内には、挿入子としての図2などに示す接続バー80が挿入される。この接続バー80は、導電性の金属などからなりかつ帯板状に形成されている。接続ばね片57は、筒部52a内に設けられている。接続ばね片57は、接続バー80を筒部52aの内面に向かって押圧する。接続ばね片57は、接続バー80と電気接触部52とを電気的に接続する。
【0030】
電気接触部52は、圧接プレート60が互いに積層された際に、筒部52a内に接続バー80が挿入されることによって、互いに重なるJB用圧接端子50同士を電気的に接続する。こうして、電気接触部52は、他の端子金具としての他のJB用圧接端子と接続する。
【0031】
係止片58は、側壁56a,56bの一部が切りかかれて形成されている。係止片58は、側壁56a,56bそれぞれに設けられている。それぞれの係止片58は、一端部が側壁56a,56bに連なり、かつ他端部が側壁56a,56bから離れている。それぞれの係止片58は、特に前記他端部が側壁56a,56bの外面から外方向に突出している。
【0032】
係止片58は、図1などに示すように、前記一端部から他端部に向かうにしたがって、徐々に側壁56a,56bの外面から離れるように傾斜している。係止片58は、JB用圧接端子50が圧接プレート60に装着された際に、前記他端部が後述する隔壁63bの内面に係止可能である。
【0033】
連結部59は、電線接続部51と電気接触部52とを連結している。連結部59は、帯状に形成されかつ一端が載置壁55に連なっている。連結部59は、他端が電気接触部52の筒部52aに連なっている。連結部59は、電線接続部51と電気接触部52とを連結している。連結部59は、全長に亘って厚みが、載置壁55と等しく形成されている。
【0034】
JB用圧接端子50は、電線接続部51が圧接プレート60の後述する電線収容溝61の溝本体61a内に収容され、かつ電気接触部52が電線収容溝61の後述する収容部64内に収容される。JB用圧接端子50は、他端部間の間隔が狭くなる方向に係止片58が押圧されて、溝本体61a及び収容部64内に圧入される。JB用圧接端子50は、溝本体61a及び収容部64内に圧入されることで、圧接プレート60に収容される(又は保持されるともいい又は装着されるともいう)。
【0035】
圧接プレート60は、絶縁性の合成樹脂などからなり、プレート状即ち平板状に形成されている。圧接プレート60は、図3ないし図5に示すように、矩形状のプレート本体62と、複数の電線収容溝61と、図示しない連通孔と、を備えている。プレート本体62は、ほぼ平坦な底壁63aと、奥壁65と、一対の側壁67と、底壁63aから立設した複数の隔壁63bと、フランジ部68と、を備えている。
【0036】
奥壁65は、底壁63aの図中奥側に位置する一つの縁部に連なっている。奥壁65は、底壁63aに立設している。一対の側壁67は、底壁63aの互いに相対する一対の縁と前記奥壁65とに連なっている。一対の側壁67は、底壁63aに立設している。一対の側壁67は、互いに平行である。
【0037】
隔壁63bは、互いに平行でかつ間隔を存している。隔壁63bは、それぞれ一対の側壁67と平行である。隔壁63bは、それぞれプレート本体62の長手方向に沿っている。
【0038】
フランジ部68は、前記底壁63aの縁部からプレート本体62の外方向に突出している。フランジ部68は、奥壁65及び側壁67の外表面から外方向に突出している。フランジ部68は、底壁63aの全周に亘って設けられている。フランジ部68は、底壁63a即ちプレート本体62の剛性を向上させて、底壁63a即ちプレート本体62が湾曲することを防止する。
【0039】
電線収容溝61は、隣り合う一対の隔壁63bと底壁63aとで囲まれて形成されている。電線収容溝61は、溝本体61aと、収容部64とを備えている。溝本体61aは、隣り合う隔壁63bの内面と、底壁63aの表面とで、形成されている。溝本体61aは、前記側壁67及び隔壁63bとに沿って延在している。溝本体61aは、JB用圧接端子50の電線接続部51を収容する。
【0040】
収容部64は、隣り合う一対の隔壁63bの間隔を拡げるように、前記隔壁63bから凹に形成されている。収容部64は、一つの電線収容溝61を形成する隣り合う一対の隔壁63bそれぞれに設けられている。収容部64は、溝本体61aの長手方向に沿って、一方の隔壁63bと他方の隔壁63bとに交互に設けられている。
【0041】
こうして、収容部64は、電線収容溝61の溝本体61aの長手方向に沿って複数並設されている。収容部64は、JB用圧接端子50の電気接触部52を収容する。連通孔は、収容部64に一つずつ設けられている。連通孔は、それぞれプレート本体62の底壁63aを貫通している。
【0042】
また、前記圧接プレート60は、複数の係止突起66と図示しない複数の係止受け突起とを備えている。これらの係止突起66と係止受け突起とは、互いに係止する。前述した積層プレートコネクタ1を構成する際に、これらの係止突起66と係止受け突起とが互いに係止して、圧接プレート60が互いに固定する。
【0043】
圧接プレート60は、JB用圧接端子50を、前記電線収容溝61の溝本体61aの長手方向と、これらの電線収容溝61が並設する方向と、の二方向に沿って前記底壁63a上に並べる。即ち、圧接プレート60は、JB用圧接端子50を、底壁63a上に二次元のマトリックス状に配置する。
【0044】
前記積層プレートコネクタ1を組み立てる際には、まず、圧接プレート60に、JB用圧接端子50を装着する。このとき、JB用圧接端子50を、底壁63aに近づけてプレート本体62に装着する。係止片58が隔壁63bの内面に係止して、JB用圧接端子50は電線収容溝61内に収容されて、圧接プレート60に固定される。
【0045】
そして、溝本体61a及び収容部64内に収容されたJB用圧接端子50に、電線を圧接する。このとき、電線を、電線接続部51の圧接刃54a,54b間に圧入する。この状態で、圧接プレート60は、図4に示すように、プレート本体62が互いに平行でかつ間隔を存して積層される。
【0046】
そして、圧接プレート60は、互いに近づけられて、係止突起66と係止受け突起とが互いに係止して固定される。圧接プレート60は、所定の連通孔及び電気接触部52の筒部52a内に接続バー80が挿入されて、図5に示すように、積層プレートコネクタ1を構成する。
【0047】
積層プレートコネクタ1は、JB用圧接端子50を底壁63a上に配置する位置及び接続バー80を挿入する位置を選択することによって、JB用圧接端子50に圧接される電線4を、予め定められるパターンにしたがって接続する。また、前記積層プレートコネクタ1は、例えばリレー、ヒューズなどを装着する電気接続箱内に収容されて、前記電線4と前述したリレーやヒューズなどとを、予め定められるパターンにしたがって接続する。
【0048】
前述した構成のJB用圧接端子50は、図6に示す板金20を屈曲されるなどして形成される。板金20は、導電性を有する金属板を打ち抜いて得られる。板金20は、平面形状が略矩形状に形成されている。
【0049】
板金20は、図6に示すように、屈曲されてJB用圧接端子50となる端子相当部21と、帯状の連結帯22と、を備えている。板金20は、複数の端子相当部21を互いに並設している。端子相当部21は、連結帯22によって互いに連結されている。連結帯22は、端子相当部21がJB用圧接端子50に形成されて、圧接プレート60に装着される際に、JB用圧接端子50を切り離す。
【0050】
端子相当部21は、図6に示すように、電線接続部51に相当する接続相当部23と、電気接触部52に相当する接触相当部24と、連結部59に相当する連結相当部25と、補強連結部26と、を備えている。
【0051】
接続相当部23は、載置壁55に相当する載置壁相当部31と、側壁56a,56bに相当する一対の側壁相当部32と、を備えている。載置壁相当部31は、帯状に形成されかつ一端が連結帯22に連なっている。載置壁相当部31は、長手方向が、連結帯22の長手方向に交差している。図示例では、載置壁相当部31と連結帯22の長手方向は、互いに直交している。
【0052】
一対の側壁相当部32は、帯板状に形成されかつ載置壁相当部31の両縁に連なっている。側壁相当部32には、それぞれ、圧接刃54a,54bに相当する圧接刃相当部33が形成されている。一方の側壁相当部32には、かしめ片53に相当するかしめ片相当部39が形成されている。
【0053】
接続相当部23は、図6中の一点鎖線で示す折り線34に沿って折り曲げられて、電線接続部51に形成される。載置壁相当部31は、折り線34に沿って折り曲げられて得られた電線接続部51の載置壁55に相当する。側壁相当部32は、側壁56a,56bに相当し、圧接刃相当部33は、圧接刃54a,54bに相当する。
【0054】
接触相当部24は、筒部52aに相当する筒相当部35と、接続ばね片57に相当するばね片相当部36と、を備えている。筒相当部35は、連結相当部25を介して、接続相当部23と連なっている。筒相当部35は、載置壁相当部31の連結帯22から離れた端部に連なっている。筒相当部35は、長手方向が連結帯22に沿った帯状に形成されている。ばね片相当部36は、帯状に形成され、かつ筒相当部35に連なっている。ばね片相当部36は、長手方向が、載置壁相当部31に沿っている。
【0055】
接触相当部24は、図6中に一点鎖線で示す折り線37に沿って屈曲されて、筒相当部35が筒部52aに形成される。なお、折り線37は、載置壁相当部31とばね片相当部36との双方に沿っている。ばね片相当部36が、曲げられて筒部52a内に挿入される。こうして、電気接触部52は組立られる。前記接続相当部23と、接触相当部24とは、端子相当部21の平面形状がL字状となる位置に配されている。
【0056】
連結相当部25は、帯状に形成され、一端が接続相当部23の載置壁相当部31に連なり他端が接触相当部24の筒相当部35に連なっている。連結相当部25は、図6中に一点鎖線で示す折り線38に沿って折り曲げられて、載置壁55に対し電気接触部52を立設させる。なお、前記折り線38は、連結帯22に沿っている。
【0057】
補強連結部26は、帯状に形成されかつ一端が接続相当部23の前記他方の側壁相当部32に連なり、他端が接触相当部24の筒相当部35に連なっている。補強連結部26は、接続相当部23の前記他方の側壁相当部32と接触相当部24の筒相当部35とを連結している。補強連結部26は、長手方向が、載置壁相当部31とばね片相当部36の長手方向に沿っている。なお、図6などでは、補強連結部26を、密な平行斜線で示している。
【0058】
前述した構成の板金20の端子相当部21が、JB用圧接端子50に組み立てられる際には、まず、折り線37に沿って筒相当部35を折り曲げて筒部52aを組み立てるとともに、筒部52a内にばね片相当部36を曲げて挿入する。図7に示すように、電気接触部52を組み立てる。
【0059】
その後、打ち抜き加工などを端子相当部21に施して、図8に示すように、補強連結部26を、接続相当部23と電気接触部52とから除去する。図9に示すように、折り線34に沿って接続相当部23を折り曲げて、電線接続部51を組み立てる。その後、図10に示すように、折り線38に沿って連結相当部25を折り曲げて、電気接触部52を電線接続部51に対し立設させる。こうして、JB用圧接端子50は、組み立てられる。
【0060】
本実施形態によれば、JB用端子金具50として組み立てられると、除去される板金20の補強連結部26が、接続相当部23の側壁相当部32と接触相当部24の筒相当部35とを互いに連結している。このため、組み立て作業中などに、連結部59に相当する連結相当部25が変形することを防止でき、接続相当部23と接触相当部24との相対的な位置関係が変化することを防止できる。
【0061】
このため、組立後に、電線接続部51と電気接触部52との相対的な位置関係が変化することを防止できるとともに、連結部59が破損して電線接続部51と電気接触部52とが互いに分離することを防止できる。したがって、組立後の歩留まりが悪化することを防止できる。
【0062】
また、電気接触部52を組み立てた後に補強連結部26を除去するので、前記電気接触部52の組立中に、電線接続部51と電気接触部52との相対的な位置関係が変化することを確実に防止できる。このため、JB用圧接端子50の組立後に、電線接続部51と電気接触部52との相対的な位置関係が変化することを防止できる。したがって、組立後の歩留まりが悪化することをより一層確実に防止できる。
【0063】
次に、本発明の第2の実施形態にかかる端子金具としてのJB用圧接端子50を、図11ないし図14を参照して説明する。なお、前述した第1の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0064】
本実施形態のJB用圧接端子50の連結部59は、図11及び図14に示すように、一端が電気接触部52から離れた側壁56bに連なり、他端が電気接触部52に連なっている。
【0065】
また、板金20の端子相当部21は、図12などに示すように、補強連結部26が載置壁相当部31と連結相当部25とを互いに連結している。なお、図12及び図13には、補強連結部26を、密な平行斜線で示している。
【0066】
本実施形態では、端子相当部21を折り線34,37,38に沿って折り曲げて、図13に示すように、JB用圧接端子50を組み立てる。なお、図13に示す状態では、JB用圧接端子50は、連結帯22に連結している。そして、JB用圧接端子50は、圧接プレート60に装着される直前に、連結帯22から切り離なされるとともに、補強連結部26が、載置壁55及び連結部59から除去される。
【0067】
本実施形態によれば、連結部59が帯状に形成されかつ電線接続部51の側壁56bと電気接触部52とを互いに連結している。このため、連結部59がより変形しやすくなっているとともに、電線接続部51と電気接触部52との相対的な位置関係がより変化しやすくなっている。
【0068】
しかしながら、補強連結部26が、載置壁相当部31と連結相当部25とを互いに連結している。このため、組み立て作業中などに、連結部59に相当する連結相当部25が変形することを防止でき、接続相当部23と接触相当部24との相対的な位置関係が変化することを防止できる。
【0069】
このため、組立後に、電線接続部51と電気接触部52との相対的な位置関係が変化することを防止できるとともに、連結部59が破損して電線接続部51と電気接触部52とが互いに分離することを防止できる。したがって、組立後の歩留まりが悪化することを防止できる。
【0070】
電線接続部51と電気接触部52とを組み立てた後に、補強連結部25を除去するので、JB用圧接端子50の組立中に、接続相当部23と接触相当部24との相対的な位置関係が変化することをより確実に防止できる。このため、組立後に、電線接続部51と電気接触部52との相対的な位置関係が変化することをより確実に防止できる。したがって、組立後の歩留まりが悪化することをより一層確実に防止できる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の本発明は、端子金具として組み立てられると、除去される板金の補強連結部が、電線接続部に相当する接続相当部と電気接触部に相当する接触相当部とを互いに連ねている。このため、端子金具として組み立てる前に、連結部に相当する連結相当部が変形することを防止でき、接続相当部と接触相当部との相対的な位置関係が、変化することを防止できる。
【0072】
このため、端子金具の組立後に、電線接続部と電気接触部との相対的な位置関係が変化することを防止でき、電線接続部と電気接触部とが互いに分離することを防止できる。したがって、組立後の歩留まりが悪化することを確実に防止できる。
【0073】
補強連結部が、接続相当部の側壁相当部と、接触相当部の筒相当部と、を互いに連ねている。このため、端子金具として組み立てる前に、連結相当部が変形することを確実に防止でき、接続相当部と接触相当部との相対的な位置関係が変化することを確実に防止できる。
【0074】
このため、端子金具の組立後に、電線接続部と電気接触部との相対的な位置関係が変化することを防止でき、電線接続部と電気接触部とが互いに分離することを防止できる。したがって、組立後の歩留まりが悪化することをより確実に防止できる。
【0075】
請求項2に記載の本発明は、連結部が帯状に形成されかつ電線接続部の側壁と電気接触部とを互いに連ねている。このため、連結部がより変形しやすくなっているとともに、電線接続部と電気接触部との相対的な位置関係がより変化しやすくなっている。
【0076】
しかしながら、補強連結部が、接続相当部の載置壁相当部と連結相当部とを互いに連ねている。このため、端子金具の組立後に、電線接続部と電気接触部との相対的な位置関係が変化することを防止でき、電線接続部と電気接触部とが互いに分離することを防止できる。したがって、組立後の歩留まりが悪化することをより確実に防止できる。
【0077】
請求項3に記載の本発明は、電気接触部を組み立てた後に補強連結部を除去するので、電気接触部と電線接続部との相対的な位置関係が変化することを確実に防止できる。このため、端子金具の組立後に、電線接続部と電気接触部との相対的な位置関係が変化することを防止できる。したがって、組立後の歩留まりが悪化することをより一層確実に防止できる。
【0078】
請求項4に記載の本発明は、電気接触部と電線接続部との双方を組み立てた後に補強連結部を除去するので、電気接触部と電線接続部との相対的な位置関係が変化することをより確実に防止できる。このため、端子金具の組立後に、電線接続部と電気接触部との相対的な位置関係が変化することを防止できる。したがって、組立後の歩留まりが悪化することをより一層確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるJB用圧接端子を示す斜視図である。
【図2】同実施形態のJB用圧接端子の電気接触部内に挿入される接続バーを示す斜視図である。
【図3】同実施形態のJB用圧接端子が装着される圧接プレートなどを示す斜視図である。
【図4】図3に示された圧接プレートが互いに間隔を存して重ねられた状態を示す斜視図である。
【図5】図3に示された圧接プレートが互いに固定されて得られた積層プレートコネクタを示す斜視図である。
【図6】図1に示されたJB用圧接端子を形成する板金の一部を示す平面図である。
【図7】図6に示された板金において電気接触部が組み立てられた状態を示す平面図である。
【図8】図7に示された板金から補強連結部が除去された状態を示す平面図である。
【図9】図8に示された板金において電線接続部が組み立てられた状態を示す平面図である。
【図10】図9に示された板金からJB用圧接端子が組み立てられた状態を示す平面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態にかかるJB用圧接端子を示す斜視図である。
【図12】図11に示されたJB用圧接端子を形成する板金の一部を示す平面図である。
【図13】図12に示された板金からJB用圧接端子が組み立てられた状態を示す平面図である。
【図14】図13に示されたJB用圧接端子が連結帯から切り離なされて補強連結部が除去された状態を示す平面図である。
【符号の説明】
4 電線
20 板金
23 接続相当部
24 接触相当部
25 連結相当部
26 補強連結部
31 載置壁相当部
32 側壁相当部
35 筒相当部
50 JB用圧接端子(端子金具)
51 電線接続部
52 電気接触部
52a 筒部
55 載置壁
56a,56b 側壁
59 連結部
80 接続バー(挿入子)
Claims (4)
- 電線が接続される電線接続部と、前記電線接続部に連なりかつ他の端子金具と接続するための挿入子が挿入される筒状の電気接触部と、前記電線接続部と前記電気接触部とを連結する連結部と、を有し平面形状がL字状となる位置に前記電線接続部と前記電気接触部とが配された端子金具において、
前記電線接続部に相当する接続相当部と、前記電気接触部に相当する接触相当部と、前記連結部に相当する連結相当部と、前記接続相当部と前記接触相当部とを連結する補強連結部と、を備えた板金が屈曲されて組立られるとともに、
前記補強連結部は、前記板金が屈曲されて組立られると、除去され、
前記電線接続部は前記電線が載置される載置壁とこの載置壁に連なりかつ立設する側壁とを有し、
前記電気接触部は前記挿入子が挿入される筒状の筒部を有し、
前記接続相当部は前記載置壁に相当する載置壁相当部と前記側壁に相当する側壁相当部とを有し、
前記接触相当部は前記筒部に相当する筒相当部を有し、
前記補強連結部は、帯状に形成され、かつ各々端子金具に一つずつ設けられて、一端が各々端子金具の前記側壁相当部に連なるとともに他端が前記筒相当部に連なることを特徴とする端子金具。 - 電線が接続される電線接続部と、前記電線接続部に連なりかつ他の端子金具と接続するための挿入子が挿入される筒状の電気接触部と、前記電線接続部と前記電気接触部とを連結する連結部と、を有し平面形状がL字状となる位置に前記電線接続部と前記電気接触部とが配された端子金具において、
前記電線接続部に相当する接続相当部と、前記電気接触部に相当する接触相当部と、前記連結部に相当する連結相当部と、前記接続相当部と前記接触相当部とを連結する補強連結部と、を備えた板金が屈曲されて組立られるとともに、
前記補強連結部は、前記板金が屈曲されて組立られると、除去され、
前記電線接続部は前記電線が載置される載置壁とこの載置壁に連なりかつ立設する側壁とを有し、
前記連結部は帯状に形成されかつ一端が前記側壁に連なるとともに他端が前記電気接触部に連なり、
前記接続相当部は前記載置壁に相当する載置壁相当部と前記側壁に相当する側壁相当部とを有し、
前記補強連結部は、各々端子金具に一つずつ設けられて、各々端子金具の前記載置壁相当部と前記連結相当部とを連結していることを特徴とする端子金具。 - 前記接触相当部を屈曲して前記電気接触部を組み立てた後でかつ前記接続相当部を屈曲して前記電線接続部を組み立てる前に前記補強連結部を除去することを特徴とする請求項1記載の端子金具の組立方法。
- 前記接触相当部と前記接続相当部との双方を屈曲して前記電気接触部と前記電線接続部との双方を組み立てた後に、前記補強連結部を除去することを特徴とする請求項2記載の端子金具の組立方法。
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