JP3853925B2 - 四輪車用動力伝達装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、変速機能を有するパワーユニットおよび駆動輪間に該パワーユニットと独立して設けられる車両用動力伝達装置に関し、特に前進駆動系および後進駆動系を選択的に確立するための前後進切換機構を備えた四輪車用動力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に四輪車用の前後進切換機構は、動力伝達経路にアイドル軸を介在させない前進駆動系と、動力伝達経路にアイドル軸を介在させた後進駆動系とを、クラッチの締結/締結解除により選択的に確立するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、既存のパワーユニットと駆動輪との間に前後進切換機構を介在させたような場合、パワーユニットの出力軸の回転方向に応じて前後進切換機構の入力軸の回転方向が決定されてしまう場合がある。例えば、チェーンドライブ方式の自動二輪車用のパワーユニットをそのままの姿勢で四輪車に搭載し、そのパワーユニットの出力軸の回転をチェーンを介して前後進切換機構の入力軸に伝達すると、前後進切換機構の入力軸の回転方向は前進回転(前進走行時に車輪が回転する方向と同じ方向)となる。この場合、上述した一般的な前後進切換機構を採用すると、アイドル軸が介在しない前進駆動系の確立時に、前進回転する入力軸の回転が反転して後進回転(後進走行時に車輪が回転する方向と同じ方向)として駆動輪に伝達されてしまい、車両が後進走行してしまうことになる。またアイドル軸が介在する後進駆動系の確立時に、前進回転する入力軸の回転が反転せずに前進回転として駆動輪に伝達されてしまい、車両が前進走行してしまうことになる。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、パワーユニットからの駆動力が前後進切換機構の入力軸に前進回転として入力される場合、前進駆動系および後進駆動系の確立を支障なく行えるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、変速機能を有すると共に出力軸が車体左右方向に配置されて前進回転方向にだけ回転する、自動二輪車用から四輪車用に転用されたパワーユニットと、駆動輪との間に該パワーユニットから独立して設けられ、該駆動輪の回転方向を前進回転方向と後進回転方向とに選択的に切換えるための四輪車用動力伝達装置であって、車体左右方向に配置されると共に前記出力軸に無端チェーンで接続されて前記パワーユニットからの駆動力で常に前進回転方向に回転する入力軸と、前記駆動輪に接続されて該駆動輪と同方向に回転するファイナルドリブンギヤと、前記入力軸の前進回転を前記ファイナルドリブンギヤに前進回転として伝達する前進駆動系と、前記入力軸の前進回転を前記ファイナルドリブンギヤに後進回転として伝達する後進駆動系とを備えてなり、前記前進駆動系は、前記入力軸に設けたフォワードギヤの回転を、車体左右方向に配置した1本の中間軸に設けた別のフォワードギヤを介して前記ファイナルドリブンギヤに伝達するとともに、前記後進駆動系は、前記入力軸に設けたリバースギヤの回転を記ファイナルドリブンギヤに直接伝達することを特徴とする。
【0006】
上記構成によれば、変速機能を有すると共に出力軸が車体左右方向に配置されて前進回転方向にだけ回転するチェーンドライブ方式の自動二輪車用パワーユニットをそのまま四輪車用として転用することができ、コストダウンに寄与することができる。この場合、上記パワーユニットからの駆動力が前後進切換機構の入力軸に前進回転として入力されても、入力軸の前進回転を、入力軸に設けたフォワードギヤから1本の中間軸に設けた別のフォワードギヤを介してファイナルドリブンギヤに伝達することにより該ファイナルドリブンギヤを前進回転させて前進駆動系を確立することができ、また入力軸の前進回転を、入力軸に設けたリバースギヤから直接(即ち中間軸を介さずにファイナルドリブンギヤに伝達することにより該ファイナルドリブンギヤを後進回転させて後進駆動系を確立することができるので、上記パワーユニットを利用したために前後進切換機構の入力軸がやむを得ず前進回転になっても、前進駆動系および後進駆動系の確立を支障なく行うことができる。
【0007】
尚、本発明において、前進回転方向とは車両の前進走行時に駆動輪が回転する方向として定義され、また後進回転方向とは車両の後進走行時に駆動輪が回転する方向として定義される。
【0008】
また請求項2に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、前記出力軸に設けた駆動スプロケットと、前記入力軸に設けた従動スプロケットとが、前記無端チェーンを介して接続され、前記従動スプロケットは、前記入力軸を収納するケーシングから突出した、該入力軸の先端に固定されて、該ケーシングの外部に露出していることを特徴とする
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1〜図5は本発明の第1実施例を示すもので、図1は競技用車両の全体側面図、図2は図1の2方向矢視図、図3は図1の3方向矢視図、図4は図2の要部拡大断面図、図5は副変速機の縦断面図である。
【0011】
図1〜図3に示すように、一人乗りの競技用車両Vは、ダブルウイッシュボーン式のサスペンション1,1により懸架された従動輪である左右の前輪Wf,Wfと、ダブルウイッシュボーン式のサスペンション2,2により懸架された駆動輪である左右の後輪Wr,Wrとを備える。車体前後方向の略中央部には、車体中心線Lに対して僅かに左側に偏倚した状態で運転席を構成するシート3が配置されるとともに、車体中心線Lの右側にパワーユニットPが配置される。シート3およびパワーユニットPは車体左右方向に併置されており、従って側面視でオーバーラップしている(図1参照)。
【0012】
ボディBの上面開口部4内に設けられたシート3の前方にはステアリングホイール5およびキャノピー6が配置され、後方にはロールバー7および燃料タンク8が配置される。ボディBの左右両側面にはエアーインテーク9,9が開口しており、右側のエアーインテーク9から導入された走行風によりパワーユニットPが冷却されるとともに、左側のエアーインテーク9から導入された走行風によりシート3の左側に配置したラジエータ10が冷却される。パワーユニットPの上面はボディBに装着された透明なキャノピー11によって覆われる。
【0013】
図4を併せて参照すると明らかなように、パワーユニットPはクランク軸21を車体左右方向に配置したV型2気筒エンジンEと、このエンジンEの後部に一体に設けられた主変速機Tmとを備えるもので、自動二輪車用のものを僅かに改造して転用したものである。
【0014】
クランク軸21の右端(即ち、車体左右方向外端)には、発進用のクラッチ22が設けられる。主変速機Tmはクランク軸21と平行に配置された入力軸24および出力軸25を備えており、入力軸24および出力軸25間に複数の変速段を選択的に確立するためのギヤ列26が介装される。主変速機Tmの出力軸25の左端(即ち、車体左右方向内端)に設けた駆動スプロケット27と、車体後部右側に配置した副変速機Tsの前部右側面に設けた従動スプロケット28とが、車体前後方向に延びる無端チェーン29を介して接続される。
【0015】
自動二輪車用のものを転用したパワーユニットPは、その主変速機Tmの左側面に突出するシフト軸(図示せず)を備える。自動二輪車の場合には前記シフト軸はライダーの左足で操作されるペダルに連動して往復回動するが、この車両Vでは、シート3およびパワーユニットP間に設けたシーケンシャルシフトレバー30をリンク機構を介して前記シフト軸に連結に連結することによりシフトチェンジを行うようになっている。
【0016】
次に、図4および図5に基づいて副変速機Tsの構造を説明する。
【0017】
副変速機Tsは車体前後方向に延びる割り面において結合された左ケーシング41および右ケーシング42を備えており、その内部に前後進切換機構CおよびディファレンシャルDが収納される。
【0018】
前後進切換機構Cは、左ケーシング41に設けたボールベアリング43と右ケーシング42に設けた2個のボールベアリング44,44とに支持されて車体左右方向に延びる入力軸45を備えており、右ケーシング42から右側に突出する入力軸45の先端に、前記従動スプロケット28が位置決めプレート46およびボルト47…によって着脱自在に固定さる。また左ケーシング41に設けたボールベアリング48と右ケーシング42に設けたボールベアリング49とに、車体左右方向に延びる中間軸50が前記入力軸45と平行に支持される。
【0019】
入力軸45には第1フォワードギヤ51およびリバースギヤ52が相対回転自在に支持されるとともに、中間軸50には第2フォワードギヤ53および第3フォワードギヤ54が一体に形成される。左ケーシング41に形成した円形の開口411 にカバー部材55が着脱自在に固定される。カバー部材55に中央に設けたボールベアリング56と、右ケーシング42に設けたボールベアリング57とに、ディファレンシャルギヤボックス58が回転自在に支持される。
【0020】
第1フォワードギヤ51は第2フォワードギヤ53に常時噛合し、ファイナルドライブギヤとしての第3フォワードギヤ54はディファレンシャルギヤボックス58の外周に固定したファイナルドリブンギヤ59に常時噛合する。またファイナルドライブギヤとしてのリバースギヤ52は前記ファイナルドリブンギヤ59に常時噛合する。尚、図5は展開図であるため、リバースギヤ52およびファイナルドリブンギヤ59は離れた状態で描かれている。ファイナルドリブンギヤ59の直径は、左ケーシング41の開口411 の直径よりも僅かに小さく設定されており、従って組立時や分解時にファイナルドリブンギヤ59は前記開口411 を通過可能である。
【0021】
ディファレンシャルDの本体部を構成するディファレンシャルギヤボックス58には左出力軸60および右出力軸61が回転自在に嵌合しており、それらの対向端にそれぞれディファレンシャルサイドギヤ62,62が固定される。ディファレンシャルギヤボックス58に固定したピニオンシャフト63に一対のディファレンシャルピニオン64,64が回転自在に支持されており、これらディファレンシャルピニオン64,64は前記ディファレンシャルサイドギヤ62,62に噛合する。左出力軸60は左車軸65を介して左後輪Wrに接続され、右出力軸61は右車軸66を介して右後輪Wrに接続される。
【0022】
ディファレンシャルギヤボックス58をカバー部材55に支持するボールベアリング56は、そのインナーレースがディファレンシャルギヤボックス58に圧入されるとともに、そのアウターレースがサークリップ67を介してカバー部材55に係止される。またディファレンシャルギヤボックス58を右ケーシング42に支持するボールベアリング57は、そのインナーレースがディファレンシャルギヤボックス58に圧入されるとともに、そのアウターレースが右ケーシング42に摺動自在に支持される。
【0023】
更に前後進切換機構Cは、運転席に設けた図示せぬ前後進切換レバーに連動して回転する回転軸71と、回転軸71と一体のアーム72に接続されて左右に摺動するシフト軸73と、シフト軸73をニュートラル位置、前進位置および後進位置に位置決めするディテント機構74と、シフト軸73に固定したシフトフォーク75と、入力軸45に固定したハブ76に左右摺動自在に支持されて前記シフトフォーク75により駆動されるスリーブ77とを備える。スリーブ77が図示したニュートラル位置にあるとき、第1フォワードギヤ51およびリバースギヤ52は入力軸45から切り離されて動力伝達が遮断される。スリーブ77を右側の前進位置に駆動すると第1フォワードギヤ51がスリーブ77およびハブ76を介して入力軸45に結合され、前進変速段が確立する。またスリーブ77を左側の後進位置に駆動するとリバースギヤ52がスリーブ77およびハブ76を介して入力軸45に結合され、後進変速段が確立する。
【0024】
次に、前述の構成を備えた本発明の実施例の作用について説明する。
【0025】
車両Vを前進走行させるには、図5において、前後進切換機構Cのスリーブ77を右側の前進位置に駆動し、第1フォワードギヤ51を入力軸45に結合して前進変速段を確立する。パワーユニットPは出力軸25の回転方向が一定である自動二輪車のものを転用しており、かつ自動二輪車に搭載する場合と同じ姿勢で搭載しているため、このパワーユニットPに無端チェーン29で連結された入力軸45は常時前進回転する。ここでいう前進回転とは車両Vの前進走行時に車輪が回転する方向として定義され、また後進回転とは車両Vの後進走行時に車輪が回転する方向として定義される。
【0026】
而して、入力軸45が前進回転すると、この入力軸45にハブ76およびスリーブ77を介して結合された第1フォワードギヤ51が前進回転し、この第1フォワードギヤ51に噛合する第2フォワードギヤ53と、それと一体の中間軸50および第3フォワードギヤ54とが後進回転する。そして後進回転する第3フォワードギヤ54に噛合するファイナルドリブンギヤ59が前進回転することにより、左右の後輪Wr,Wrが前進回転して車両Vは前進する。このようにして前進変速段が確立された状態で、シーケンシャルシフトレバー30を前後に倒して主変速機Tmを任意の変速段にシフトアップおよびシフトダウンすることにより、車両Vは前進走行することができる。
【0027】
また車両Vを後進走行させるには、図5において、前後進切換機構Cのスリーブ77を左側の後進位置に駆動し、リバースギヤ52を入力軸45に結合して後進変速段を確立する。この状態で入力軸45が前進回転すると、この入力軸45にハブ76およびスリーブ77を介して結合されたリバースギヤ52が前進回転し、このリバースギヤ52に直接噛合するファイナルドリブンギヤ59が後進回転することにより、左右の後輪Wr,Wrが後進回転して車両Vは後進走行することができる。
【0028】
以上のように、自動二輪車用のパワーユニットPを転用し、かつそのパワーユニットPを自動二輪車に搭載する場合と同じ姿勢で搭載したので、入力軸45は必然的に前進回転することになる。しかしながら、前進変速段の確立時に入力軸45の回転を中間軸50を介してファイナルドリブンギヤ59に伝達することにより、ファイナルドリブンギヤ59を前進回転させて車両Vを前進走行させることができる。そして、後進変速段の確立時には入力軸45の前進回転を直接ファイナルドリブンギヤ59に伝達することにより、該ファイナルドリブンギヤ59を後進回転させて車両Vを後進走行させることができる。このようにチェーンドライブ方式の自動二輪車用パワーユニットPをそのまま四輪車に転用することにより、コストダウンに寄与することができる。
【0029】
上述した第1実施例の副変速機Tsが有する利点を纏めると、以下の(1) 〜(6) のようになる。
(1) 従動スプロケット28が左ケーシング41および右ケーシング42の外部に露出しているので、簡単な作業で前記従動スプロケット28を異なる歯数のもの と交換して車両Vの走行性能を調整することができる。
(2) 前後進切換機構Cのドグクラッチが一般的な構造のものであるため、量産品をそのまま利用することができる。
(3) ディファレンシャルDが一般的な構造のものであるため、量産品をそのまま利用することができる。
(4) 左右方向の寸法がコンパクトである。
(5) 従動スプロケット28を大型化することなく、副変速機Tsの内部のギヤ比を変更することにより減速比を自由に設定することができる。
(6) 上記(5) に関連して、副変速機Tsの入力軸45の入力トルクを減少させて前後進切換機構Cのドグクラッチをコンパクト化することができる。
【0030】
次に、図6に基づいて本発明の第2実施例を説明するる。
【0031】
この第2実施例は、ディファレンシャルDのディファレンシャルギヤボックス58に第1ファイナルドリブンギヤ591 および第2ファイナルドリブンギヤ592 が設けられており、入力軸45に設けた第1フォワードギヤ51が中間軸50に設けた第2フォワードギヤ53を介して前記第1ファイナルドリブンギヤ591 に噛合することにより前進駆動系が構成され、また入力軸45に設けたリバースギヤ52が直接第2ファイナルドリブンギヤ592 に噛合することにより後進駆動系が構成される。
【0032】
この第2実施例によれば、前記(1) (2) (5) (6) の効果を得ることができる。
【0033】
以下、副変速機Tsの構造の第1〜第5参考例を順次説明する。
【0034】
図7に示す第1参考例は、入力軸45に支持したダブルピニオン式の遊星歯車機構81を備える。遊星歯車機構81は、入力軸45に固定したサンギヤ82と、入力軸45に回転自在に支持したキャリヤ83と、キャリヤ83にそれぞれ複数個支持したインナーピニオン84…およびアウターピニオン85…と、ケーシング86に拘束したリングギヤ87とを備える。入力軸45と同一軸線を有する中間軸88にギヤ89が固定されており、このギヤ89がファイナルドリブンギヤ59に噛合する。
【0035】
中間軸88に固定したハブ76にスライド自在に支持したスリーブ77を右方向に駆動すると、中間軸88がキャリヤ83に結合される。その結果、入力軸45の回転がサンギヤ82からインナーピニオン84…およびアウターピニオン85…を介して固定のリングギヤ87に伝達され、アウターピニオン85…がリングギヤ87から受ける反力でキャリヤ83が後進回転する。キャリヤ83の後進回転はスリーブ77およびハブ76を介して中間軸88を後進回転させ、中間軸88の後進回転はギヤ89を介してファイナルドリブンギヤ59を前進回転させるため、前進変速段が確立される。一方、スリーブ77を左方向に駆動すると、入力軸45が直接中間軸88に結合されて該中間軸88を前進回転させ、中間軸88の前進回転はギヤ89を介してファイナルドリブンギヤ59を後進回転させるため、後進変速段が確立される。
【0036】
この第1参考例によれば、前記(1) (3) (5) (6) の効果を得ることができる。
【0037】
図8に示す第2参考例は、右出力軸61の外周に相対回転自在に嵌合する入力軸45に相対回転自在に支持したギヤ90が、第1中間軸91に設けたギヤ92に噛合し、前記第1中間軸91に設けた他のギヤ93が第2中間軸94に設けたギヤ95を介してファイナルドリブンギヤ59に接続される。
【0038】
入力軸45に固定したハブ76にスライド自在に支持したスリーブ77を左方向に駆動すると、入力軸45が直接ディファレンシャルギヤボックス58に結合され、ディファレンシャルギヤボックス58が前進回転して前進変速段が確立される。一方、スリーブ77を右方向に駆動すると、入力軸45に結合されて前進回転するギヤ90の駆動力が、後進回転するギヤ92、後進回転する第1中間軸91、後進回転するギヤ93および前進回転するギヤ95を介してファイナルドリブンギヤ59に後進回転として伝達され、後進変速段が確立される。
【0039】
この第2参考例によれば、前記(1) (2) の効果に加えて、次の(7) の効果を得ることができる。
(7) 使用頻度が高い前進駆動系が入力軸45と直結になるため、動力伝達効率が向上する。
【0040】
図9に示す第3参考例は、右車軸61の外周に嵌合する入力軸45に支持したダブルピニオン式の遊星歯車機構81を備える。遊星歯車機構81は、入力軸45に固定したサンギヤ82と、入力軸45に回転自在に支持したキャリヤ83と、キャリヤ83にそれぞれ複数個支持したインナーピニオン84…およびアウターピニオン85…と、ケーシング86に拘束したリングギヤ87とを備える。
【0041】
ディファレンシャルギヤボックス58に固定したハブ76にスライド自在に支持したスリーブ77を左方向に駆動すると、入力軸45が直接ディファレンシャルギヤボックス58に結合され、ディファレンシャルギヤボックス58が前進回転して前進変速段が確立される。一方、スリーブ77を右方向に駆動すると、ディファレンシャルギヤボックス58がキャリヤ83に結合される。その結果、入力軸45の回転がサンギヤ82からインナーピニオン84…およびアウターピニオン85…を介して固定のリングギヤ87に伝達され、アウターピニオン85…がリングギヤ87から受ける反力でキャリヤ83が後進回転すると、キャリヤ83の後進回転はスリーブ77およびハブ76を介してディファレンシャルギヤボックス58を後進回転させ、前進変速段が確立される。
【0042】
この第3参考例によれば、前記(1) (7) の効果に加えて、次の(8) の効果に加えて、次の(8) の効果を得ることができる。
(8) 前後方向の寸法がコンパクトになる。
【0043】
図10に示す第4参考例は、車体前後方向に配置された入力軸96を備えており、この入力軸96は車体後方から見て左回転する。入力軸96に相対回転自在に支持したギヤ97は、車体前後方向に配置した第1中間軸98に固定したギヤ99に噛合し、前記第1中間軸98に固定した他のギヤ100は車体前後方向に配置した第2中間軸101に設けたギヤ102に噛合し、このギヤ102は車体前後方向に配置した第3中間軸103に固定したギヤ104に噛合する。そして前記第3中間軸103の後端に固定したベベルギヤ105が、ディファレンシャルギヤボックス58に固定したベベルギヤよりなるファイナルドリブンギヤ59に噛合する。
【0044】
入力軸96に固定したハブ76に前後スライド自在に支持したスリーブ77を後方に駆動すると、入力軸96が第3中間軸103に直結されてベベルギヤ105が左回転し、このベベルギヤ105に噛合するファイナルドリブンギヤ59が前進回転して前進変速段が確立される。一方、スリーブ77を前方に駆動すると、ギヤ97の回転がギヤ99、第1中間軸98、ギヤ100、ギヤ102、ギヤ104、第3中間軸103およびベベルギヤ105を介してファイナルドリブンギヤ59に後進回転として伝達され、後進変速段が確立される。
【0045】
この第4参考例によれば、前記(2) (3) (7) の効果を得ることができる。
【0046】
図11に示す第5参考例は、車体前後方向に配置された入力軸96に支持したダブルピニオン式の遊星歯車機構107を備える。遊星歯車機構107は、入力軸96に固定したサンギヤ108と、入力軸96に回転自在に支持したキャリヤ109と、キャリヤ109にそれぞれ複数個支持したインナーピニオン110…およびアウターピニオン111…と、ケーシング86に拘束したリングギヤ112とを備える。また入力軸96と同一軸線を有する中間軸103に設けたベベルギヤ105がファイナルドリブンギヤ59に噛合する。
【0047】
中間軸103に固定したハブ76にスライド自在に支持したスリーブ77を後方に駆動すると、左回転する入力軸45が中間軸103に結合されて前進変速段が確立される。一方、スリーブ77を前方に駆動すると、中間軸103がキャリヤ109に結合される。その結果、入力軸96の回転がサンギヤ108からインナーピニオン110…およびアウターピニオン111…を介して固定のリングギヤ112に伝達され、アウターピニオン111…がリングギヤ112から受ける反力でキャリヤ109が右回転する。そしてキャリヤ109と共に中間軸103およびベベルギヤ105が右回転すると、ファイナルドリブンギヤ59が後進回転して後進変速段が確立される。
【0048】
この第5参考例によれば、前記(3) (4) (7) の効果を得ることができる。
【0049】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0050】
例えば、実施例では競技用車両Vを例示したが、本発明は競技用車両V以外の車両に対しても適用することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上のように発明によれば、変速機能を有すると共に出力軸が車体左右方向に配置されて前進回転方向にだけ回転するチェーンドライブ方式の自動二輪車用パワーユニットをそのまま四輪車用として転用することができ、コストダウンに寄与することができる。この場合、上記パワーユニットからの駆動力が前後進切換機構の入力軸に前進回転として入力されても、入力軸の前進回転を、入力軸に設けたフォワードギヤから1本の中間軸に設けた別のフォワードギヤを介してファイナルドリブンギヤに伝達することにより該ファイナルドリブンギヤを前進回転させて前進駆動系を確立することができ、また入力軸の前進回転を、入力軸に設けたリバースギヤからファイナルドリブンギヤに直接伝達することにより該ファイナルドリブンギヤを後進回転させて後進駆動系を確立することができるから、上記パワーユニットを利用したことで前後進切換機構の入力軸がやむを得ず前進回転になっても、前進駆動系および後進駆動系の確立を支障なく行うことができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 競技用車両の全体側面図
【図2】 図1の2方向矢視図
【図3】 図1の3方向矢視図
【図4】 図2の要部拡大断面図
【図5】 副変速機の縦断面図
【図6】 本発明の第2実施例に係る副変速機のスケルトン図
【図7】 副変速機の第1参考例のスケルトン図
【図8】 副変速機の第2参考例のスケルトン図
【図9】 副変速機の第3参考例のスケルトン図
【図10】 副変速機の第4参考例のスケルトン図
【図11】 副変速機の第5参考例のスケルトン図
【符号の説明】
25 出力軸
27 駆動スプロケット
28 従動スプロケット
29 無端チェーン
45 入力軸
50 中間軸
51 第1フォワードギヤ(フォワードギヤ)
52 リバースギヤ
53 第2フォワードギヤ(フォワードギヤ)
54 第3フォワードギヤ(フォワードギヤ)
59 ファイナルドリブンギヤ
591 第1ファイナルドリブンギヤ(ファイナルドリブンギヤ)
592 第2ファイナルドリブンギヤ(ファイナルドリブンギヤ)
E エンジン
Wr 後輪(駆動輪)

Claims (2)

  1. 変速機能を有すると共に出力軸(25)が車体左右方向に配置されて前進回転方向にだけ回転する、自動二輪車用から四輪車用に転用されたパワーユニット(P)と、駆動輪(Wr)との間に該パワーユニット(P)から独立して設けられ、該駆動輪(Wr)の回転方向を前進回転方向と後進回転方向とに選択的に切換えるための四輪車用動力伝達装置であって、
    車体左右方向に配置されると共に前記出力軸(25)に無端チェーン(29)で接続されて前記パワーユニット(P)からの駆動力で常に前進回転方向に回転する入力軸(45)と、
    前記駆動輪(Wr)に接続されて該駆動輪(Wr)と同方向に回転するファイナルドリブンギヤ(59,591 ,592 )と、
    前記入力軸(45)の前進回転を前記ファイナルドリブンギヤ(59,591 )に前進回転として伝達する前進駆動系と、
    前記入力軸(45)の前進回転を前記ファイナルドリブンギヤ(59,592 )に後進回転として伝達する後進駆動系とを備えてなり、
    前記前進駆動系は、前記入力軸(45)に設けたフォワードギヤ(51)の回転を、車体左右方向に配置した1本の中間軸(50)に設けた別のフォワードギヤ(53,54)を介して前記ファイナルドリブンギヤ(59,591 )に伝達するとともに、
    前記後進駆動系は、前記入力軸(45)に設けたリバースギヤ(52)の回転を記ファイナルドリブンギヤ(59,592 )に直接伝達することを特徴とする、四輪車用動力伝達装置。
  2. 前記出力軸(25)に設けた駆動スプロケット(27)と、前記入力軸(45)に設けた従動スプロケット(28)とが、前記無端チェーン(29)を介して接続され、
    前記従動スプロケット(28)は、前記入力軸(45)を収納するケーシング(42)から突出した、該入力軸(45)の先端に固定されて、該ケーシング(42)の外部に露出していることを特徴とする、請求項1に記載の四輪車用動力伝達装置。
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