JP3853771B2 - 杭孔掘削装置及び杭孔掘削工法 - Google Patents
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従って、回転掘削軸に沿って摺動軸を上下させるだけで、カッター側方に補助カッターを突出させ、またカッター上方に補助カッターを収めることで、拡径部を備える杭孔を掘削することができる。これにより、場所打ち杭において、拡径部による先端支持力と引き抜き抵抗力を具備できる。
以上のように、補助カッターを動作させる駆動源を特に備える必要がなく、非常に簡素な構造でありながら、拡径部を備える杭孔を掘削することができる。
ここで、カッターを回転掘削軸に対して回動自在に接続しておく等の方法により、摺動軸が回転掘削軸の周方向に回動するのが妨げられないようにしておく。
このように、補助カッターの角度がカッター側方に突出した状態又はカッター上方に収まった状態でロックされるため、杭孔の掘削径を確実なものとすることができる。
従って、杭孔を掘削してから拡径部を掘削する場合に比べて、施工効率を向上できる。また、補助カッターがカッター側方への突出状態で側方への突出量が下方へいくに従い漸次大きい形状なので、杭孔の掘削と並行して浮き上がりを防止しつつ円形状の拡径部を確実に施工できる。
従って、杭孔を掘削してから拡径部を掘削する場合に比べて、施工効率を向上できる。
従って、回転掘削軸に沿って摺動軸を上下させるだけで、カッター側方に補助カッターを突出させ、またカッター上方に補助カッターを収めることで、拡径部を備える杭孔を掘削することができる。
以上のように、補助カッターを動作させる駆動源を特に備える必要がなく、非常に簡素な構造でありながら、拡径部を備える杭孔を掘削することができる。これにより、場所打ち杭において、拡径部による先端支持力と引き抜き抵抗力を具備できる。
即ち、摺動軸にボーリングロッドを接続して、杭孔を下方に掘削していく途上では、杭孔先端で地盤から上方に反力を受けるカッターを備える回転掘削軸に対して摺動軸が下方に押し下げられ、この状態でガイド溝端部の屈曲部の奥部にガイド部が係合する方向に摺動軸を回転させながら掘削を行うことで、補助カッターがカッター上方に収められた状態でロックされる。従って、カッター径に確実に合った杭孔を掘削することができる。
このように、補助カッターの角度がカッター側方に突出した状態又はカッター上方に収まった状態でロックされるため、杭孔の掘削径を確実なものとすることができる。
即ち、回転掘削軸下端部のカッターにより地盤に杭孔を掘削しながら、そのカッター側方に突出動作させた補助カッターによって、円錐状の拡径部を掘削でき、つまり、補助カッターの周面カッター部により杭孔の周面を掘削して円錐状に拡径すると同時に、下面カッター部により拡径部下面を掘削できる。
従って、杭孔を掘削してから拡径部を掘削する場合に比べて、施工効率を向上できる。また、補助カッターがカッター側方への突出状態で側方への突出量が下方へいくに従い漸次大きい形状なので、杭孔の掘削と並行して浮き上がりを防止しつつ円錐状の拡径部を確実に施工できる。
従って、杭孔を掘削してから拡径部を掘削する場合に比べて、施工効率を向上できる。
まず、図1(a),(b)を参照して、本発明に係る杭孔掘削装置の第1実施形態に係る構造及び動作を概説する。
図示のように、この杭孔掘削装置1においては、回転掘削軸11の下端部にカッター12,22が放射状に取り付けられ、また回転掘削軸11の途上には、ほぼ円筒形状の摺動軸13が摺動自在に取り付けられている。
これにより、図1(a),(b)に示すように、摺動軸13が回転掘削軸11に対して上昇すると、補助カッター14がカッター12の側方から突出し、摺動軸13が回転掘削軸11に対して下降すると補助カッター14を前記カッター12の上方に収まるように回動するようになっている。
また、カッター12は回転掘削軸11に対して回動自在に接続されており、摺動軸13が回転掘削軸11の周方向に回動するのが妨げられないようになっている。
また、杭孔中に拡径部を形成する際には、図1(b)に示すように、ボーリングロッドを逆方向(図1(b)中の矢印方向)に回転させてガイド部17がガイド溝16の屈曲部16aから延在部16bに出た状態で引き上げることにより、この延在部16bの他端部までカイド部17が摺動し、回転掘削軸11に対して摺動軸13が上方に引き上げられ、ボーリングロッドを回転させながら引き上げることにより補助カッター14がカッター12の側方に突出した状態が保たれる。
摺動軸23の上部には、図2、図3に示すように、これをボーリングロッド(図示省略)と連結するための連結部材28が接続されている。
まず、図4(a)に示すように、杭孔掘削装置1の摺動軸13にボーリングロッドXを接続して杭孔を下方に掘削していく途上では、杭孔先端でカッター12が地盤Gから上方に反力を受けて、回転掘削軸11に対して摺動軸13が下方に押し付けられるが、この状態でガイド溝16の屈曲部16a奥部にガイド部17が係合する方向(図4(a)中の矢印方向)にボーリングロッドを回転させて、補助カッター14をカッター12の上方に収められた状態にロックした状態で杭孔Hの掘削を行う。
従って、回転掘削軸11,21に沿って摺動軸13,23を上下させるだけで、カッター12,22の側方に補助カッター14,24を突出させ、またカッター12,22の上方に補助カッター14,24を収めることで、拡径部H1,H2を備える杭孔Hを掘削することができる。
このように、補助カッター14,24を動作させる駆動源を特に備える必要がなく、非常に簡素な構造でありながら、拡径部H1,H2を備える杭孔Hを掘削することができる。
このように、補助カッター14,24の角度がカッター12,22の側方に突出した状態又はカッター12,22の上方に収まった状態でロックされるため、杭孔Hの掘削径を確実なものとすることができる。
即ち、図5(a)から(c)に示すように、杭孔Hを掘削して行って杭底に拡径部H1を施工した後、図5(d)に示すように、杭孔Hの途中に拡径部H2を施工することも可能である。
この実施形態において、図6に示すように、杭孔掘削装置3は、補助カッターとして拡径翼カッター34を備えるとともに、この拡径翼カッター34の保護を兼ねた振れ止め用のスタビライザー(サポートリング)40を備えている。
なお、図中、31は回転掘削軸、32はカッター、33は摺動軸、35はリンク機構、36はガイド溝、37はガイド部、38は連結部材である。
スタビライザー40は、カッター32の外形とほぼ同径の円筒部材であり、下部でカッター32の上面にピン40aにより支持されるとともに、摺動軸33の上部に組み付けた支持部材41にピン40bを介して上部が支持されている。そして、スタビライザー40の円筒部には、拡径翼カッター34を出没自在とする窓部401が形成されている。
即ち、拡径翼カッター34は、図6(b)に示したように、カッター32の側方への突出状態において、その側方への突出量が下方へいくに従い漸次大きい形状をなす周面カッター部341を有している。そして、その周面カッター部341に連続する下面カッター部342を有している。
即ち、ガイド溝36は、図示のように、回転掘削軸31の長手方向に沿った延在部36bの上下両端部から回転掘削軸31の周方向の同一方向への屈曲部36aを有するコ字形状をなしている。このようなコ字形状のガイド溝36としたことで、カッター31で下方に掘り進みながら拡径翼カッター34により拡径部を掘削できる。
先ず、前述したボーリングロッドを連結部材38に接続し、ボーリングロッドの回転駆動による回転掘削軸31下端のカッター32によって、図7(a)に示すように、杭孔Hを掘削していく。このとき、摺動軸33に設けられたガイド部37は、摺動軸31に形成されたガイド溝36下方の屈曲部36a奥部に係合しており、拡径翼カッター34は、スタビライザー40内に収納状態にある。
このような掘削状態において、カッター32に作用する地盤からの反力がガイド部37とガイド溝36下方の屈曲部36a奥部との係合を介して受け止められる。また、拡径翼カッター34はサポートリングを兼ねたスタビライザー40により保護されている。
以上によって、図6(b)に示したように、拡径翼カッター34は、摺動軸37の上昇によりリンク機構35を介して内側から押されるとともに、上部のピン34aを支点として回動し、スタビライザー40の窓部401からカッター32の側方へ突出状態となる。即ち、スタビライザー40から側方への突出量が下方へいくに従い漸次大きい形状をなす周面カッター部341と下面カッター部342とが露出状態となる。
一例としては、直径800mmの杭孔において、直径1150mmの拡径部を形成する。
このような拡径部施工状態において、カッター32に作用する地盤からの反力がガイド部37とガイド溝36上方の屈曲部36a奥部との係合を介して受け止められる。そして、そのガイド溝36上方の屈曲部36a奥部とガイド部37との係合によって浮き上がりを防止しつつ下面カッター部342により杭孔H周面が掘り下げられるとともに、側方への突出量が下方へいくに従い漸次大きい形状の周面カッター部341によって円錐状の拡径部H1が確実に形成される。このとき、拡径翼カッター34はスタビライザー40により振れ止めされている。
以上によって、図6(a)に示したように、拡径翼カッター34は、窓部401からスタビライザー40内部への収納状態となる。その後、図7(c)に示したように、カッター32による底面掘削が行われる。
ところで、杭孔Hの杭底に円錐状の拡径部H2を施工する場合は、図8に拡大して示したように、拡径翼カッター34を突出状態のまま下面カッター部342により杭底を若干量だけ掘削する。
以上において、詳細には、拡径翼カッター34の突出動作時、その拡径翼カッター34の下端に杭孔H周面から反力が作用して、図8に仮想線Lで示したように、拡径翼カッター34が浮き上がる(例えば300mm程度)。このため、その浮き上がり量を見込んで、あるいは浮き上がった分だけ押し下げて拡径部施工を行う。
なお、拡径翼カッター34の突出角度αは、例えば杭孔の拡径角度が12°程度の場合、11°程度が好ましい。
図9は第3実施形態を示すもので、この実施形態は、前述した第2実施形態の杭孔掘削装置3において、拡径翼カッター34、リンク機構35、ガイド溝36及びガイド部37等に変更を施したものである。
即ち、拡径翼カッター34は、図示のように、突出状態でカッター32の側方に位置するよう下方に延長させた形状としている(図6と対比参照)。
また、リンク機構35は、拡径翼カッター34に、リンク機構15のピン34bが係合する長孔34cを形成したものとなっている。
また、ガイド溝36及びガイド部37は、上下が短くて下方に位置したものとなっている(図6と対比参照)。
そして、スタビライザー40の下端部には、窓部401の下端部両側で拡径翼カッター34の側面を押える横押え41が設けられている。
このような変更を施した杭孔掘削装置3によっても前述した第2実施形態と同様の作用効果が得られる。
例えば、実施の形態では、回転掘削軸の側面にガイド溝を形成して、摺動軸の内面にガイド部を設けたが、摺動軸の内面にガイド溝を形成して、このガイド溝に係合するガイド部を回転掘削軸の側面に設けても良い。
なお、BH工法による杭孔の対象としては、直径600〜1500mm程度が一般的である。
その他、拡径部の数、各種寸法や角度、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
11,21 回転掘削軸
12,22 カッター
13,23 摺動軸
14,24 補助カッター
15,25 リンク機構
16,26 ガイド溝
16a,17a 屈曲部
16b,17b 延在部
17,27 カイド部
3 杭孔掘削装置
31 回転掘削軸
32 カッター
33 摺動軸
34 補助カッター(拡径翼カッター)
341 周面カッター部
342 下面カッター部
35 リンク機構
36 ガイド溝
36a 屈曲部
36b 延在部
37 カイド部
40 スタビライザー(サポートリング)
41 横押え
Claims (4)
- 下端部にカッターを備える回転掘削軸と、
前記回転掘削軸に沿って摺動自在に取り付けられボーリングロッドに接続された摺動軸と、
前記カッターの側方に突出し且つカッターの上方に収まるようにほぼ鉛直面内で回動自在に取り付けられた補助カッターと、
前記摺動軸と前記補助カッターとを連結し、ボーリングロッドを引き上げて前記摺動軸が前記回転掘削軸に対して上昇すると前記補助カッターを前記カッターの側方から突出させ、ボーリングロッドを押し下げて前記摺動軸が前記回転掘削軸に対して下降すると前記補助カッターを前記カッターの上方に収まるように回動させるリンク機構とを備えることを特徴とする杭孔掘削装置。 - 前記摺動軸は、前記回転掘削軸の側面を取り巻くように形成されていて、
前記回転掘削軸と前記摺動軸の一方の側面に、前記回転掘削軸の長さ方向に延在する延在部とその端部が回転掘削軸の周方向に屈曲した屈曲部を備えてなるガイド溝が形成され、前記回転掘削軸と前記摺動軸の他方に前記ガイド溝内を摺動可能なガイド部が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の杭孔掘削装置。 - 前記補助カッターは、前記カッターの側方への突出状態において、側方への突出量が下方へいくに従い漸次大きい形状をなし、杭孔の周面を掘削して拡径する周面カッター部と、前記周面カッター部により掘削される拡径部の下面を掘削する下面カッター部とを有していることを特徴とする請求項1または2に記載の杭孔掘削装置。
- 回転掘削軸の下端部に備えるカッターにより地盤に杭孔を掘削するとともに、
ボーリングロッドを引き上げることにより、前記回転掘削軸に組み込まれた補助カッターを前記カッターの側方に突出動作させて、補助カッターにより杭孔の周面を掘削して拡径すると同時に拡径部下面を掘削することを特徴とする杭孔掘削工法。
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