JP3145827U - 中掘り装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】固結性に乏しい砂礫・シルトといった地盤やそれらを対象とした水中掘削においても、掘削ずりを途中で落とすことなく、効率よく作業できるようにする。
【解決手段】中掘り装置1は、掘削土を格納するカプセルパイプ41と、その内側で相対回転するスクリュー43と、その回転駆動装置5と、スクリュー軸44の先端側に設けられた蓋体8とを有している。カプセルパイプ41の底蓋をなす蓋体8は、スクリュー軸44の先端に固設された上蓋81と、上蓋に対して相対回転可能に設けられたシャッター(下蓋)91とを有している。上蓋81には、掘削土をカプセルパイプ41内に取り込むための開口部が設けられている。下蓋としてのシャッター91は、上蓋の開口部を必要に応じて開放・閉塞できるように回転スライドする。掘削中はシャッター91は開放位置にセットされ、カプセル内が掘削土で一杯になると掘削土が滑落しないように閉塞位置にセットされる。
【選択図】図1

Description

本願考案は、ケーシングパイプや鋼管矢板などのケーシングパイプ類を圧入するに際し、該ケーシングパイプ類の内側に挿入して中掘りするために用いられる中掘り装置に関する。
掘削を推進するにつれ掘削土を内部に取り込み、孔外へ排出するまでの間の該掘削土を格納するためのカプセルを有し、該カプセルの下端付近に地盤を掘削する掘削ビットを配設した中掘り装置が提案されている。このような中掘り装置は、硬質地盤用オールケーシング工や鋼管矢板の打ち込み工の際などの様々な中掘りの工程を(騒音・振動がさけられない)従来のハンマグラブに変わり、低騒音・低振動化させるものとして広く利用されている。
特許第4030101号公報
以下、図7乃至図9に基づいて従来の中掘り装置について説明する。
図7は、従来の中堀り装置2を用いた施工態様の概略を示す全体図である。
図8は、図7の中掘り装置2を示す拡大図である。
図9(a)は図8のA−A線に沿った断面図であり、図9(b)は図8のB−B線に沿った断面図である。
従来の中掘り装置2は、ケーシングパイプ類62(ケーシングパイプや鋼管矢板など)を圧入するに際し該ケーシングパイプ類62の内側に挿入して中掘りするために用いられ、掘削に伴って生じた掘削土73をケーシングパイプ類62の外側(孔外)で排出できるようにクレーン76によって吊設可能に構成されている。以下、図8及び図9に基づいて従来の中掘り装置2の概略構成を説明する。
中掘り装置2は、上部装置2aと、下部装置2bと、反力伝達部材(内管4と外管6からなる断面矩形の略二重管構造)と、を含んで構成されている。上部装置2aは、下部装置2bによる掘削のための回転反力を確保するために、ケーシングパイプ類62の内壁に対し一時的に圧着固定される。下部装置2bは、上部装置2aの下方の地盤を掘削する役割を担う。反力伝達部材(内管4と外管6からなる略二重管構造)は、全体として伸縮自在に構成され、上部装置1bで確保した回転反力を下部装置2bで利用できるようにする役割を担う。
中掘り装置2の上部装置2aは、ピストンロッド75の先端が下部装置2bに連結された油圧シリンダ70と、ケーシングパイプ類62の内壁面に対し反力をとるための複数の圧着装置と、を含んで構成されている。各圧着装置は、圧着体12aと楔体12bとピン12cと油圧シリンダ15を有している。複数の圧着装置は、上部装置2aにおいて油圧シリンダ70を囲むように配置されている(図9(a)参照)。
圧着装置の圧着体12aは、中掘り装置2がケーシングパイプ類62の内側に挿入された状態で該ケーシングパイプ類62の内壁面に対し圧着される。これにより、回転駆動装置5の回転反力、油圧シリンダ70の圧入反力を、ケーシングパイプ類62に支持させることができる。
中掘り装置2の下部装置2bは、ドリルシャフト30の外周に螺旋状に固設されたフィン32を備えたオーガースクリュー3と、オーガースクリュー3を回転させるための回転駆動装置5と、オーガースクリュー3を囲繞するように設けられたカプセルパイプ9と、を含んで構成される。オーガースクリュー3の先端部と回転駆動装置5の間隔Lは、常に一定の長さである。
カプセルパイプ9は底部側が開口しており、オーガースクリュー3のフィン32を囲繞するように設けられている。カプセルパイプ9の内側では、オーガースクリュー3が回転できるようになっており、オーガースクリュー3のフィン32によりリフトアップされてきた掘削土73を内側に収納する。カプセルパイプ内9に収容された掘削土73は、オーガースクリュー3のフィン32によって該カプセルパイプ9内に閉じ込められる。
なお、カプセルパイプ9は、上部装置2aの油圧シリンダ70の伸長する長さよりも長尺である。
上記構成の上部装置2aと下部装置2bは、上部装置2a側に設けられた油圧シリンダ70によって相互連結されている。
反力伝達部材(嵌合部材)は、断面四角形の内管4と、同じく断面四角形の外管6からなる略二重管構造で構成されている。外管6は上部装置2aに連結され、内管4は下部装置2bに連結されている。このような構成の反力伝達部材は、油圧シリンダ70の伸縮動作に従って自在に伸縮する一方で、上部装置1bで確保した回転反力を下部装置2bにおいて利用できるようにしている。
上記中掘り装置2を用いた掘削では、はじめに、地上部に設置されたケーシング圧入装置61により圧入されたケーシングパイプ類62の内側に、クレーン76で吊設した中掘り装置2を挿入する。続いて、上部装置2aの圧着体12aをケーシングパイプ類62の内壁面に対し圧着させて、回転駆動装置5の回転反力および油圧シリンダ70の圧入反力を該ケーシングパイプ類62に支持させる。
そして、反力をケーシングパイプ類62に支持させた状態で、上部装置2aの油圧シリンダ70を伸長させてオーガースクリュー3の先端部に押し込み作用を与え、下部装置2bの回転駆動装置5でオーガースクリュー3を回転させてその先端部で地盤を掘削する。掘削に伴って生じた掘削土73は、オーガースクリュー3でリフトアップさせて、該オーガースクリュー3を囲繞するカプセルパイプ9の内側に収納する。
そして、適当なタイミングで圧着体12aによる圧着状態を解除して中掘り装置2を引上げ、ケーシングパイプ類62の外側でオーガースクリュー3を逆回転させて、カプセルパイプ9内に収納された掘削土73をカプセルパイプ9から排出させるようになっている。
なお、中掘り装置2の操作にあたっては、下記工程A〜Dを繰り返し、下部装置2bのカプセルパイプ9の容量が一杯になるまで掘進する。
A) 上部装置2aの油圧シリンダ70を伸長させて下部装置2bを掘進させた後、
ケーシングパイプ類62に対する上部装置2aの圧着固定状態を解除する。
B) 非圧着状態で油圧シリンダ70を縮退させて上部装置2aを降下させる。
C) 降下した上部装置2aをケーシングパイプ類62に固定させて反力を確保する。
D) 上部装置2aの油圧シリンダ70を伸長させて下部装置2bを掘進させる。
しかしながら、上述した従来の中掘り装置を用いた方法(いわゆる「スクリュードライバー工法」)には、排土性に関する点で問題があった。
すなわち、従来の中掘り装置でケーシングパイプ類内を掘削する際、特に固結性に乏しい砂礫・シルトといった地盤やそれらを対象とした水中掘削の際には、一般土砂と同様に掘削した掘削ずりをスクリューフィンを介して上昇させカプセルパイプ内に貯め圧縮効果を得ることで一時的に収納することも可能であった。ところが、カプセルパイプに底蓋がないため、ケーシング外へ掘削装置を吊り出す過程で、スクリューフィンを伝って滑落し、結果として、掘削した土を孔外へ排出することが困難で、掘進不能となっていた。
そこで、上述した従来技術の問題点に鑑み、本考案の目的は、従来工法(スクリュードライバー工法)で掘削が困難だった固結性に乏しい砂礫・シルトといった地盤やそれらを対象とした水中掘削においても、掘削ずりを途中で落とすこともなく、効率よく作業できるようにすることにある。
このような目的は、下記1)〜9)に記載の特徴によって達成される。
1) 掘削を推進するにつれ掘削土(掘削ずり)を内部に取り込み、孔外へ排出するまでの間の該掘削土を格納するためのカプセルパイプ(41)を有し、該カプセルパイプ(41)の下端付近に地盤を掘削する掘削ビット(21)を配設した中掘り装置(1)において、該カプセルパイプ(21)の下端側に配設された底蓋としての蓋体(8)。
2) 上記蓋体(8)が、カプセルパイプ(41)へ通ずる開口部(82)を開閉するシャッター(91)を有していて、このシャッター(91)が掘削時の装置の回転軸(掘削軸)にほぼ垂直な面上で回転スライドするように設けられていることを特徴とする掘削土格納用のカプセルパイプ(41)を有する中掘り装置(1)。
3) 掘削土格納用の上記カプセルパイプ(41)の下端にある回転スライド式の底蓋(8)が、地盤掘削時の回転方向に回転が加えられると、カプセルパイプ内に掘削推進につれ掘削土を格納することを自在にするように開口部(82)が設けられ、また、中掘り装置(1)の回転方向が逆になると、上記蓋体(8)のシャッター(91)が回転スライドして、上記開口部(82)を閉塞するようにされていることを特徴とする中掘り装置(1)。
4) 上記回転スライド式のシャッター(91)が略半円状であることを特徴とする。また、掘削土取り込み用の開口部(82)が、掘削作業時において上記蓋体(8)が開放されているときに略半円状となっていることを特徴とする。
5) 上記回転スライド式の蓋体(8)の下面に配設(植設)されていることを特徴とする掘削刃(21)。この掘削刃(21)は、蓋体(8)の下面に直接配設されてもよく、或いは、何らかの部材(台座など)を介して間接的に蓋体(8)の下面に配設されてもよい。
6) 上記回転スライド式の蓋体(8)の下面側に配設された掘削刃(21)が、掘削時の開口部(82)に隣接する側に配設されていることを特徴とする掘削刃(21)。
7) 上記回転スライド式の蓋体(8)の回転中心位置ないしその近傍に突設されていることを特徴とする掘削用のパイロットビット(22)。
8) 上記略半円状の回転スライド式の蓋体(8)に配設(植設)された掘削刃(21)が、掘削装置の回転力を介して装置下端の円断面より大きい径の円を形成することができ、掘削径を拡大自在に構成されていることを特徴とする中掘り装置(1)。
9) 上記1)〜9)の特徴を有する中掘り装置(1)がクレーン吊り下げ式であり、ケーシングパイプ類(62)内に自身を固定する反力を有している。
上記1)〜9)の特徴によれば、それぞれ、以下の作用効果が奏される。
1) 掘削土格納用のカプセルパイプ(41)から掘削土が滑落しないように閉塞することが可能となり、その結果、高い排土効率を確保される。
2) 本願考案では、掘削軸とシャッター(91)の回転面とがほぼ直交するように設定されている。このように、蓋体(8)のシャッター(91)を掘削軸に垂直な面上で回転スライドさせることで、格納した土砂の排出時に、掘削土を格納用のカプセルパイプ(41)から排出する際に、蓋体(8)の開口部(82)を徐々に広く開けることができ、(従って、掘削軸に平行に開く従来のアースバケット式のような扉状の底蓋のように、掘削土の重みが底蓋ヒンジの回転方向に掛かり、その重みにより急激に開放されるようなことがなく)安全が確保でき、また(前記アースバケット式のように排出された掘削土が強い勢いで飛散することがないので)排出された掘削土を片付けやすい。
3) 掘削軸にほぼ垂直に回転スライドさせる構成とすることで、中掘り装置(1)の回転力を援用して、地中で、蓋体(8)のシャッター(91)の開閉の遠隔操作(間接的操作)を行うことができる。
4) 蓋体(8)および開口部(82)が略半円状で構成されることで、回転スライド式の蓋体(8)の掘削土の高い格納効率と、確実な操作性が得られる。
5) 上記回転スライド式の蓋体(8)下面に掘削刃(21)を直接又は間接に配設(植設)することで、中掘り装置(1)の機械長さ(クレーン(76)で吊り下げたときの機械高)を削減でき、省スペース化できる。更に、蓋体(8)下面から突出した状態で配設される掘削刃(21)は、それが地盤に突き刺さっている(もしくは、引っかかっている)状態にすれば、蓋体(8)に対し中掘り装置(1)が回転を加えた際に、開口(または閉塞)するようにシャッター(91)が回転スライドするための反力としての機能を兼備するようになり、(わざわざ、シャッター開閉のために専用の動力系を装置に加え、徒に構成を複雑にすることなく)、最小限の構成で合理的に蓋体(8)の操作性を向上させることができる。
6) 上記掘削時の開口部(82)に隣接する側に掘削刃(21)を配設し(その点対称の位置には掘削刃を配設しない)でいることで、開口部(82)及びカプセルパイプ(41)内への土砂の取り込みが良くなる。
7) 上記回転スライド式の蓋体(8)の回転中心位置にパイロットビット(22)を突設させることで、中掘り装置の直進性を確保できる。特に、上記6)の構成のように、中掘り装置(1)の蓋体(8)下面片側にのみ掘削刃(21)が配設されている場合、中掘り装置(1)の回転中心の片側にのみ負荷がかかることになることから機械姿勢の傾きが懸念されるが、パイロットビット(22)が先行して地中に差し込まれていることで、回転中心が固定でき、ずれにくくなり、直進性が確保できる。
8) 上記略半円状のシャッター(91)に配設(植設)された掘削刃が、掘削装置の回転力を介して装置下端の円断面より大きい径の円を形成することができ、掘削径を拡大自在に構成されていることにより、例えば、老朽化したコンクリート護岸部に直接鋼管を打込み補強を行う工事において、以下のような効果を得ることができる。
供用中の既設コンクリート護岸部等を鋼管杭や鋼管矢板による壁状構造を用いて補強する場合、その性能を保持しながら補強工事を行う必要があり、コンクリート護岸部等に杭体の圧入に先行して砂置換工等を行うなどの施工手順は断面欠損の生じた状態の構造物と改変された地山を長期間放置することは望ましくない。
一方、上記の理由で直接杭体を圧入することが必要となる護岸の補強に際して、標準的な圧入工法は、機械による圧入力のみで杭の打込みを行うため、コンクリート護岸部への圧入が不能で適応できない。
それが本考案によれば、中掘り機(カプセルホウ(商標))に専用拡大ヘッドを装着し杭下端から突出させ、コンクリート等の硬質な圧入対象に削孔を施し、圧入を先導することができ、その結果、護岸構造の機能を保持しながら削孔することできるようになる。
また、回転切削によらない圧入施工が行えることから、鋼管矢板の圧入を行うことも可能となる。
以下、添付図面に基づいて、本考案の具体的実施形態について詳細に説明する。
図1は、本考案の中掘り装置1を示す全体図である。
図2は、図1の中掘り装置の先端側(蓋体8の周囲)を示す拡大図である。
図3は、図1の中掘り装置の先端側を示す拡大図であって、右側面から見た状態を示している。なお、掘削ビット21の配設状態、作用等を明らかにするため、底部中央のパイロットビット22等の図示は省略してある。
図4(a)は蓋体8の上蓋81を示す底面図であり、図4(b)は下蓋をなすシャッター91を示す底面図である。
図5は図1の中掘り装置の底面図である。同図において、(a)は蓋体8のシャッター91が「開放位置」にある状態を示しており、(b)はシャッター91が「閉塞位置」にある状態を示している。
(中掘り装置の構成)
図1に示す本考案の中掘り装置1は、図8の従来の中掘り装置と同様に、上部装置1aと下部装置1bを含んで構成されている。上部装置1aの構成は、従来の中掘り装置2と同様であるので、同じ構成については同一符号を用い、その詳細な説明は省略する。下部装置1bについては、従来技術との相違点を中心に以下具体的に説明する。
本考案に係る中掘り装置1の下部装置1bは、掘削土を一時的に格納するためのカプセルパイプ(掘削土格納パイプ)41と、その内側で相対回転可能に設けられたスクリュー43と、該スクリューを回転させるための回転駆動装置5と、スクリュー軸44の先端側(図において下端側)に配設された蓋体8とを有している。蓋体8は上下に重なる2枚の蓋(上蓋81,下蓋91)を含んで構成され、その底面側に掘削ビット21、パイロットビット22を備えている。なお、蓋体8は、カプセルパイプ41の底蓋としても機能するものであるが、該カプセルパイプ41に対し固定されてはいない。
カプセルパイプ41内には、掘削を推進するにつれ掘削土が取り込まれ、孔外へ排出するまでの間の該掘削土が格納される。スクリュー43は、カプセルパイプ41内に取り込まれた掘削土をリフトアップさせるとともに、そのスクリューフィン45により掘削土をカプセルパイプ内に閉じ込める役割を担う。このスクリュー軸44の上端側は、従来と同様に回転駆動装置5に接続されている。
蓋体8は、スクリュー軸44の先端に固設された上蓋81と、該上蓋に対して所定角度範囲内で相対回転可能に設けられたシャッター(下蓋)91とを有している。上蓋81には、図4(a)に示すように、掘削土をカプセルパイプ41内に取り込むための開口部82が形成されている。下蓋としてのシャッター91は、上蓋81の開口部82を必要に応じて開放・閉塞する回転スライド式シャッターとして構成されている。
以下、蓋体8の詳細について説明する。
蓋体8の上蓋81は、スクリュー43の先端に固設され、該スクリューと一体回転する。上蓋81の開口部82は、図4(a)に示すように略半円状に形成されており、カプセルパイプ41への掘削土取込口として機能する。上蓋81の底面側には、下蓋としてのシャッター91が自在に回転スライドできるように設けられている。ただし、スライド式シャッター91の回転角度を規制するため、所定位置にブロック状のストッパー83が固設されている(図4(a)参照)。ストッパー83は上蓋81の底面側に突設されており、シャッター91の所定位置と当接するようになっている。
下蓋をなすシャッター91は、図5に示すように、上蓋81の開口部82を開放する「開放位置」と、該開口部を閉塞する「閉塞位置」との間の、所定角度範囲内で自在に回転スライドできるように設けられている。地盤の掘削を行っている間は「開放位置」にセットされ(図5(a))、カプセルパイプ41内の掘削土を孔外へ排出する際には搬送中「閉塞位置」にセットされる(図5(b))。このようなシャッター91の位置決め(回転スライド)は、後述するようにスクリュー43の回転駆動方向を変えることにより、自在に制御することができる。
シャッター91は、底面側(図4(b))から見て、略半円状の形状を有し、上蓋81の開口部82より一回り大きい面積を有する。シャッター91は、その中央に回転体92を一体的に備えている。回転体92は、上蓋81に対して回転自在に設けられている。回転体92の底部には、図2に示すように、パイロットビット22が植設されている。パイロットビット22の配設位置は特に限定されないが、シャッター91の回転中心位置またはその近傍に突設することが好ましい。
回転体92の周囲には、略半円状のスライドパネル94が一体回転可能に設けられている。このスライドパネル94は、スクリュー43の回転軸(すなわち掘削軸)とほぼ直交する面上で回転スライドするように、回転体92に対し一体的に設けられている。
略半円状スライドパネル94の底面側の一端には、掘削ビット21が設けられている。この掘削ビット21は、図3に示すように、掘進方向(軸方向)に対して傾斜させて設けられており、地盤を掘削するとともに、掘削土を上方(上蓋81の開口部82の方向)へ掬い上げる役割を担っている。したがって、シャッター91が「開放位置」にある状態において、掘削ビット21が開口部82直下の領域へ突き出るように(図3,図5(a)参照)、該掘削ビットを傾斜させて(正転方向に傾斜させた状態で)固設することが好ましい。また掘削時において、効率的に掘削土を開口部82から取り込むために、該開口部直下の領域に掘削ビット21が追随するように、図5(a)に示す如く開口部82に隣接する側に掘削ビット21を配設することが好ましい。
(中掘り装置の作用)
次に、上記構成の中掘り装置1の作用について説明する。
はじめに、地盤の掘削を開始するまでの前作業について、図7に示す施行態様を援用して説明する。
中掘り装置1を用いた掘削では、はじめに、地上部に設置されたケーシング圧入装置61により圧入されたケーシングパイプ類62の内側に、クレーン76で吊設した中掘り装置1を挿入する。続いて、上部装置1aの圧着体12aをケーシングパイプ類62の内壁面に対し圧着させて、回転駆動装置5の回転反力および油圧シリンダ70の圧入反力を該ケーシングパイプ類62に支持させる。そして、反力をケーシングパイプ類62に支持させた状態で、上部装置1aの油圧シリンダ70を伸長させて、スクリュー43を介して先端の掘削ビット21,パイロットビット22に押し込み作用を与え、下部装置1bの回転駆動装置5でスクリュー43を回転(正転)させる。
この際、シャッター91は図5(a)に示す「開放位置」にあり、上蓋81の開口部82は開放されている。なお、回転駆動開始時(掘削開始時)にシャッター91が「閉塞位置」にある場合には(又は開口部82が半開きの場合には)、スクリュー43と上蓋81が一体回転する一方で、シャッター91だけが地盤の抵抗を受けほぼ静止した状態になる。その結果、シャッター91が相対的に回転スライドするので、該シャッターを「開放位置」にセットすることができる。なお、シャッターが「開放位置」まで回転すると、図5(a)に示すように、上蓋81から突き出たストッパー83がシャッター91の一端に当接するので、開放位置を越えてスライドすることはない。
そして、図5(a)の「開放位置」にある状態でスクリュー43を正転させている間は、シャッター91が上蓋81のストッパー83の干渉を受ける結果、スクリュー43と上蓋81とシャッター91の全体が一体回転する。その結果、シャッター91の底面側に設けられた掘削ビット21、パイロットビット22により地盤を掘削することができる。
地盤を掘削している間は、掘削ビット21が、開口部82直下の領域を追随するようにして、掘削径の範囲内を旋回し続ける。したがって、掘削に伴って生じた掘削土は、傾斜した掘削ビット21によって掬い上げられ(図3参照)、そのまま上蓋81の開口部82を介してカプセルパイプ41内に取り込まれる。さらにカプセルパイプ41内では、掘削土はスクリューフィン45でリフトアップされ、該カプセルパイプ内に収納される。
そして、掘削を続けてカプセルパイプ41の容量が一杯になったら、スクリュー43を逆転させる。すると、スクリュー43と上蓋81が逆方向に一体回転する一方で、シャッター91だけが地盤の抵抗を受けほぼ静止した状態になる。その結果、シャッター91が相対的に回転スライドして、図5(b)の「閉塞位置」にセットすることができる。なお、シャッターが「閉塞位置」まで回転すると、上蓋81から突き出たストッパー83がシャッター91の一端に当接するので、閉塞位置を越えてスライドすることはない。
続いて、上部装置1aにおける圧着状態を解除して中掘り装置1を引上げ、ケーシングパイプ類62の外側でスクリュー3を逆回転させて、カプセルパイプ9内に収納された掘削土73をカプセルパイプ9から排出させる。
(中掘り装置の変形例)
以上、本考案の中掘り装置について説明したが、本考案の構成は上記実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲内で種々の改変が可能である。
たとえば、蓋体8の底面側に設ける掘削ビットは、図4(b)に示す固定式の掘削ビット21に限定されず、これに代えて(或いは併用して)、図6に示すようなスイング自在の掘削ビット23を採用することもできる。このスイング式掘削ビット23は掘削径を拡大自在に構成されており、回転駆動装置5を正転駆動させることにより、周辺地盤の抵抗を受けて拡径位置へスイングし、逆転駆動させることにより縮径位置へスイングする。したがって、中掘り装置の回転力を介して装置下端の円断面より大きい径の円を形成することができる。
(中掘り装置の効果)
上述した中掘り装置によれば、従来工法(スクリュードライバー工法)で掘削が困難だった固結性に乏しい砂礫・シルトといった地盤やそれらを対象とした水中掘削においても、掘削ずりを途中で落とすこともなく、効率よく作業ができるようになるという優れた効果が奏される。
本考案の中掘り装置を示す全体図である。 図1の中掘り装置の先端側(蓋体の周囲)を示す拡大図である。 図1の中掘り装置の先端側を示す拡大図であって、右側面から見た状態を示している(パイロットビットの図示は省略)。 (a)は蓋体の上蓋を示す底面図であり、(b)は下蓋をなすシャッターを示す底面図である。 図1の中掘り装置の底面図であり、(a)はシャッターが「開放位置」にある状態を示しており、(b)はシャッターが「閉塞位置」にある状態を示している。 中掘り装置に設ける掘削ビットの変形例を示す底面図である。 従来の中堀り装置を用いた施工態様の概略を示す全体図である。 図7の従来の中掘り装置を示す拡大図である。 (a)は図8のA−A線に沿った断面図であり、(b)は図8のB−B線に沿った断面図である。
符号の説明
1 中掘り装置(本願考案)
1a 上部装置
1b 下部装置
2 中掘り装置(従来技術)
2a 上部装置
2b 下部装置
3 オーガースクリュー
4 内管
5 回転駆動装置
6 外管
8 蓋体
9 カプセルパイプ
11 プレート
12a 圧着体
12b 楔体
12c ピン
15 油圧シリンダ
21 掘削ビット
22 パイロットビット
23 掘削ビット
30 ドリルシャフト
31 掘削ビット(掘削ヘッド)
32 フィン
41 カプセルパイプ(掘削土格納パイプ)
43 スクリュー
44 スクリュー軸
45 スクリューフィン
61 ケーシング圧入装置
62 ケーシングパイプ類
70 油圧シリンダ
71 地盤
72 硬質地盤
73 スライム
75 ピストンロッド
76 クレーン
77 ワイヤー
78 フック
81 上蓋
82 開口部
83 ストッパー
91 シャッター(下蓋)
92 回転体
94 スライドパネル

Claims (2)

  1. 地盤を掘削するための掘削ビットと、
    掘削を推進するにつれ生じた掘削土を内部に取り込み、孔外へ排出するまで格納するためのカプセルと、
    前記カプセルの底蓋をなす蓋体と、
    を有することを特徴とする中掘り装置。
  2. 前記蓋体がスライド式のシャッターを含んで構成されていることを特徴とする請求項1記載の中掘り装置。
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