JP3853008B2 - 耐火物用結合剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐火物用の結合剤組成物に関するものであり、特に不定形耐火組成物の保存安定性を良好にするフェノール樹脂系結合剤の組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、転炉、電気炉、取鍋などについて、フェノール樹脂を結合剤として使用した黒鉛含有の不定形耐火煉瓦の使用量が増えている。これに伴い、主に上記製鋼設備の炉壁、炉底の補修などに用いられる不定形耐火物にも、黒鉛、マグネシア、アルミナなどの骨材に、フェノール樹脂を結合剤として配合したものを用いるケースが増えてきている。この用途に用いられるフェノール樹脂をベースとした結合剤の代表的な例を挙げると、固形あるいは粉末のフェノール樹脂を、高級アルコールなどの湿潤剤と併用したもの、ノボラック型フェノール樹脂を予め多価アルコールに溶解したもの、水溶媒の液状レゾール樹脂、多価アルコール溶剤の液状レゾール樹脂などである。
【0003】
補修用に用いられる不定形耐火組成物の場合、各種骨材と結合剤とが混練されてから使用されるまでの期間が、3ヶ月以上もかかるケースがある。このような場合は、上記に挙げた従来の結合剤を用いると、混練物が保存中に固まってしまったり、あるいは骨材と結合剤とが分離してしまい、使用できなくなり廃棄するケースがある。特に、マグネシアなどの塩基性骨材を含有する不定形耐火組成物の場合はこの傾向が強く、一般的にライフの短い傾向にあるレゾール樹脂は使用できないケースが多く、そしてノボラック樹脂を使用した不定形耐火組成物の場合についても、ライフについての需要家の要求を充分満足できるものが無く、ロングライフを実現できる結合剤組成物が強く望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、これらの欠点を克服すべく鋭意研究した結果、ノボラック型フェノール樹脂にモンモリロナイト粘土の有機誘導体を内添することにより、不定形耐火組成物の流動性を損なうことなく、骨材と結合剤の分離、や混練物の固結を防止でき、ロングライフを実現できることを見いだし、本発明に至ったものである。
【0005】
【問題を解決するための手段】
本発明は、ノボラック型フェノール樹脂にモンモリロナイト粘土の有機誘導体を内添することを特徴とする耐火物用結合剤組成物に関するものである。
本発明で使用されるノボラック型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類を酸性触媒で重縮合させることによって得られる樹脂である。
【0006】
ここでいうフェノール類としては、フェノール、o−,m−あるいはp−クレゾール、キシレノール、パラターシャリーブチルフェノール、パラオクチルフェノール、パラノリルフェノール、パラクミルフェノール、カテコール、レゾルシン、アルキルフェノール類、ビスフェノール類などで、これらを単独あるいは、2種以上を混合して使用しても良く、特にこれらに限定されるものではない。
アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒドなどまたは、これらのアルデヒドの発生源となる物質、あるいはこれらのアルデヒド類の溶液などで、これらを単独あるいは2種以上を混合して使用しても良く、これらに限定されるものではない。
触媒としては、蓚酸、酢酸、フェノールスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸や、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、又は酸性の金属塩などで、これらを単独あるいは2種以上を混合して使用しても良く、これらに限定されるものではない。
【0007】
ノボラック型フェノール樹脂の形状は、液状、固形状、粉末状いずれでも良い。液状ノボラック型フェノール樹脂は、ノボラックを予め有機溶剤に溶解したものである。また固形状又は粉末状ノボラック型フェノール樹脂を使用する場合は、有機溶剤を同時に使用する。
有機溶剤としては、アルコール類、グリコール類、トリオール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、ケトンエステル類、ケトンエーテル類、エステルエーテル類、芳香族炭化水素系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤などのうち1種または2種以上の組み合わせが使用できるが、中でもグリコール類、トリオール類などの多価アルコール類が最も好ましい。
多価アルコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどが挙げられ、これらを単独あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に従うと、例えば、フェノールとホルムアルデヒドを原料とし、蓚酸の酸性物質を触媒として用いて反応させた後、トリエチレングリコール等の多価アルコールを添加し、樹脂分40%程度に調整した液状ノボラック型フェノール樹脂に、モンモリロナイト粘土の有機誘導体を添加し、耐火物用結合剤組成物を得る。
【0009】
ここで使用するモンモリロナイト粘土の有機誘導体の配合比率は、フェノール樹脂分に対して0.1〜2.5%、好ましくは0.2〜1.5%である。添加するモンモリロナイト粘土の有機誘導体の配合量が少ない場合、モンモリロナイト粘土の有機誘導体の効果が充分でなく、耐火骨材を配合した不定形耐火組成物としたとき、耐火骨材と結合剤の分離、あるいは混練物の固結が起きる恐れがある。また、モンモリロナイト粘土の有機誘導体の配合量が多すぎる場合、耐火骨材を配合した不定形耐火組成物としたとき、不定形耐火組成物の熱時での流動性が損なわれ、耐火物の物性に悪影響を与える。
また、モンモリロナイト粘土の有機誘導体の分散性は、不定形耐火物の極性によって変化する。従って、目的とする不定形耐火組成物で使用する溶剤の極性に対応して、適切な極性を持ったものを選んで使用しなければならない。
モンモリロナイト粘土の有機誘導体は、モンモリロナイト粘土を、例えばトリエチルアミンなどの第3級アミンと塩酸塩など酸との塩により化学修飾したもの等である。
【0010】
また、モンモリロナイト粘土の有機誘導体は、これを直接液状ノボラック型フェノール樹脂中に添加すると、ダマ状になり均一に分散しにくい。その為、予め使用する溶媒に分散させ、添加混合することが望ましい。使用するノボラック型フェノール樹脂が粉末状の場合、粉砕時に添加混合することによって、樹脂中に均一に分散混合させる。
また、モンモリロナイト粘土の有機誘導体を、ノボラック型フェノール樹脂に内添せずに、直接不定形耐火組成物に配合しても同様な効果が得られる。しかし、配合量が微量であるので配合のバラツキが生じ易く、分散性も悪く、一定した効果が得られにくい。モンモリロナイト粘土の有機誘導体を、予めノボラック型フェノール樹脂に内添しておけば、配合量は一定であり分散性も良い。
本発明の耐火物用結合剤組成物には、その重合性や物性を損なわない限りにおいて、他の重合体、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤などの添加剤を添加導入することができる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。ここに記載されている「部」及び「%」は全て「重量部」及び「重量%」を示す。
【0012】
実施例1
攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた3Lの三口フラスコ中に、フェノール1000部、37%ホルマリン520部、及び蓚酸10部を入れ、還流条件下で3時間反応させた。ついで所望の水分量及び遊離フェノール量以下となるまで減圧条件下で脱水及び脱フェノールを行った。その後、系内を常圧に戻してトリエチレングリコール1000部を添加混合し、樹脂分が47%の液状ノボラック型フェノール樹脂を収量1900部で得た。
ついでモンモリロナイト粘土の有機誘導体「BENTONE SD−2」(NL Chemicals社製)9部を、予めエチレングリコール200部に混合分散させたものを添加混合し、液状ノボラック型フェノール樹脂を2109部得た。この樹脂は粘度が35ポイズ/25℃であった。
【0013】
実施例2
攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた3Lの三口フラスコ中に、フェノール1000部、37%ホルマリン520部、及び蓚酸10部を入れ、還流条件下で3時間反応させた。次いで所望の水分量及び遊離フェノール量以下となるまで減圧条件下で脱水及び脱フェノールを行った。その後、系内を常圧に戻してトリエチレングリコール1000部を添加混合し、樹脂分が47%の液状ノボラック型フェノール樹脂を収量1900部で得た。
ついでモンモリロナイト粘土の有機誘導体「BENTONE SD−2」(NL Chemicals社製)2部を、予めエチレングリコール200部に混合分散させたものを添加混合し、液状ノボラック型フェノール樹脂を2102部得た。この樹脂は粘度が32ポイズ/25℃であった。
【0014】
実施例3
攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた3Lの三口フラスコ中に、フェノール1000部、37%ホルマリン520部及び、蓚酸10部を入れ、還流条件下で3時間反応させた。ついで所望の水分量及び遊離フェノール量以下となるまで減圧条件下で脱水及び脱フェノールを行った。その後、系内を常圧に戻してトリエチレングリコール1000部を添加混合し、樹脂分が47%の液状ノボラック型フェノール樹脂を収量1900部で得た。
ついでモンモリロナイト粘土の有機誘導体「BENTONE SD−2」(NL Chemicals社製)13部を、予めエチレングリコール200部に混合分散させたものを添加混合し、液状ノボラック型フェノール樹脂を2113部得た。この樹脂は粘度が39ポイズ/25℃であった。
【0015】
比較例1
攪拌装置、還流冷却器及び温度計を備えた3Lの三口フラスコ中に、フェノール1000部、37%ホルマリン520部、及び蓚酸10部を入れ、還流条件下で3時間反応させた。ついで所望の水分量及び遊離フェノール量以下となるまで減圧条件下で脱水及び脱フェノールを行った。その後、系内を常圧に戻してトリエチレングリコール1000部を添加混合し、樹脂分が47%の液状ノボラック型フェノール樹脂を収量1900部で得た。
【0016】
〈実用テスト〉
実験用ミキサーにマグネシアクリンカーの微粒品(粒径0.3mm〜1.0mm)400部、及びマグネシアクリンカーの微粉品(粒径0.3mm以下)600部、上記結合材組成物200部を入れ、室温(25℃)で5分間混練して不定形耐火組成物を得た。上記不定形耐火組成物を100mmφの容器に流し込み、室温(25℃)で7日間保存し、分離状態を観察した。
また、JIS R 5201に定められたモルタルフロー試験機を使用し、混練直後の不定形耐火組成物の室温での流動性を測定した。
更に熱時の特性として、上記不定形耐火組成物100gを、ビニールのシートにくるみ、内温1000℃の電気炉内で、20cm×20cm×1cmのセラミックプレートの上に落下させ、流動性が無くなるまで放置し、広がった組成物の直径を測定した。またこの時、セラミックプレートと硬化した不定形耐火組成物との接着性を観察した。
【0017】
これらの結果を表1に示す。
【表1】
保存安定性 ○:均一
×:粒度が粗いものが下に、細かいものが上へと分離
接着性 ○:硬化物とセラミックプレートが接着した状態
×:硬化物とセラミックプレートが手で簡単にはがれる状態
【0018】
表1により明らかなように、比較例1のように、モンモリロナイト粘土の有機誘導体を配合しなかった場合、熱間での流動性は長く、接着強度も強いが、骨材の粒度の粗いものが下に、細かいものが上へと分離する。ひどい場合、液が上層に出現する。
これに対して、実施例1、2、3のように、モンモリロナイト粘土の有機誘導体を適量配合した場合、骨材、液の分離も起こらず、モンモリロナイト粘土の有機誘導体を配合しなかった場合と同等の熱間特性を示す。
【0019】
【発明の効果】
ノボラック型フェノール樹脂にモンモリロナイト粘土の有機誘導体を内添することによって、不定形耐火組成物の熱間特性を損なうことなく保存安定性の良好な耐火物用結合剤組成物が得られる。
Claims (2)
- ノボラック型フェノール樹脂に、モンモリロナイト粘土の有機誘導体を内添してなることを特徴とする耐火物用結合剤組成物。
- モンモリロナイト粘土の有機誘導体の割合が、フェノール樹脂分に対して0.1〜2.5%である請求項1記載の耐火物用結合剤組成物。
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JP06455197A JP3853008B2 (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | 耐火物用結合剤組成物 |
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JPH10259066A JPH10259066A (ja) | 1998-09-29 |
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1997
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