JP3852985B2 - 自動車用ドアハンドルの成形法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光沢に優れ、シボ模様の良好な外観を有し、ウエルド強度に優れる自動車用ドアハンドルの成形法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の射出成形法で自動車ドアハンドルを成形しても光沢の低い、ウエルド強度が不充分なものしか、得られていなかった。それは一部を除いて、成形品のほとんどはメッキおよび塗装処理がされていたからであり、原着色成形品そのもので、自動車外装部材として使用に耐える外観を有することを強く要求されていたわけではないからであった。そして、従来からその一部において、採られていた良外観化技術としては成形法ではなく、その使用成形材料に添加剤処方を施したものである。すなわち、使用成形材料としてはドアの繰り返し操作に耐えられる摺動性ほかの機械的強度特性や耐ガソリン性ほかの耐溶剤性が要求されることからポリアセタールやポリカーボネートとポリエステル、特殊ゴムからなるポリカーボネート系樹脂組成物が用いられ、成形物の光沢性の向上にパラフィンワックス等が添加されていた。しかし、メッキ・塗装等外装することなく、原着色成形品で自動車外装部材とするにはなお、外観の仕上がりは充分なものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、良外観でウエルド強度に優れる自動車用ドアハンドルの簡易で効果的な成形法の提供を目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の熱可塑性樹脂を成形材料として、瞬間的な樹脂の冷却を防ぐ効果のある保温金型を用いた射出成形法を用いることにより、その目的を達成しうることを見いだし、本発明を完成させた。すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
)ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ナイロン、芳香族ポリエステル、ポリプロピレンおよびアクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂から選ばれる少なくとも1種からなる熱可塑性樹脂を成形材料として、キャビティ型および/又はコア型のキャビティ部周辺に組み込まれた電熱線を有するヒーターを備え、溶融樹脂を金型内に導入する直前に、該ヒーターに一定時間通電することにより加熱して金型温度を熱可塑性樹脂のガラス転移点−50℃からガラス転移点の温度範囲に制御しつつ射出成形することを特徴とする自動車用ドアハンドルの成形法。
)熱可塑性樹脂がポリカーボネートとアクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、ポリメチルメタクリレート、ナイロンおよびポリエチレンから選ばれる少なくとも1種との組み合わせからなる()に記載の自動車用ドアハンドルの成形法。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の成形法で対象とする自動車用ドアハンドルは、例えば図1に示されるようなドアを開閉するための把手を意味し、外付けのドアハンドルと内付けのドアハンドルがある。本発明では外装部材として、高光沢を目標としたもので通常、シボ無しグロスが95以上あることが望まれる。又、ウエルド部の強度が充分、改善されていることが望まれる。
【0006】
本発明が提供する保温金型による自動車用ドアハンドルの成形法はこれらの問題点を解決する極めて、簡易で効果的な方法である。
保温金型は射出成形装置に組み込んで用いる金型であり、導入された溶融樹脂の急激な冷却を抑制する手段を備えた金型である。
そのひとつはキャビティ型および/またはコア型のキャビティ部周辺に断熱層が形成された構造を有する断熱タイプのものである。
【0007】
通常金型のキャビティ部は、一般的には型の材質と同じ金属材質で作られ、内面を鏡面仕上げし、或いは更にメッキしたもので、そのキャビティ部周辺に冷却管が埋め込まれた構造を有する。それに対し本発明の保温金型は型とは異なる断熱性を有する非金属材質を用いてキャビティ部分を形成し、その表面を金属メッキによる鏡面仕上げをしたものをそれぞれキャビティ金型、コア金型にはめ込んだものである。 例えば、図2に示す保温金型で、キャビティ部が型の金属面上に約3mmの厚み程度のエポキシ樹脂等熱硬化性樹脂で塗布し、その上に約100μ厚みのメッキ処理したもの(図3)である。
【0008】
このような保温金型を組み込んで、自動車用ドアハンドルを射出成形すると当該金型内に射出された溶融樹脂がスプル、ランナー、ゲートを経由してキャビティ型とコア型で囲まれたキャビティ部に送られ、緩慢な冷却を受けて、通常の水冷法に較べ型保持時間を長くして、成形される。この「緩慢な冷却」が保温金型に必要不可欠な機能であり、断熱タイプの保温金型ではキャビティ部周辺に例えば、前記した厚さ3mm程度のエポキシ樹脂等熱硬化性樹脂で塗布し、その上をメッキ処理して表面を平滑にしたものからなる断熱層を設けて、溶融樹脂の急速な冷却を防止している。本発明に用いる断熱タイプの保温金型としてはこのような断熱保温が可能であればよく、図2、3のタイプのように予め断熱材を金型に組み込んだものに限定されるものではなく、例えばインサート成形による方法の場合のように成形品の一部が断熱材として機能する場合も含まれる。
【0009】
このような断熱タイプの保温金型を用いる方法では一般的タイプの金型冷却用温度調節器が使える利便性を有し、金型冷却用温度調節器を水を冷媒として、温度調整範囲を通常の条件である50〜90℃で使用することができる。
他のひとつはキャビティ型および/又はコア型のキャビティ部周辺に加熱源を有し、射出成形の動作に連動して一定時間、加温するものである。この加温タイプの保温金型では溶融樹脂が型内に注入される以前に、外部熱源を介して金型が加温されるものであり、断熱タイプとは異なり、より高温にされた金型に接触することにより、溶融樹脂の初期急冷を避ける意味で「緩慢な冷却」の機能を果たせることから、より安定した、より優れた操作性を有する金型である。そのためにも充分な機能が発揮される外部熱源は射出成形の動作と連動させた通電時間制御により、容易に加温できる電熱ヒーターが好ましい。電熱ヒーターは通常、ニクロム線を管状碍子に通し、アスベスト不織布で覆ったもの、更に必要に応じて金属板で全体を覆ったものが用いられる。
【0010】
例えば加熱源として、電熱線を組み込んだヒーター(図6)を設けてなり、射出成形動作に連動して、射出成形される溶融樹脂が金型内に流入する直前に、該ヒーターに一定時間通電される構造を有する加温タイプのものである(図5)。
加熱により、金型温度を通常、溶融樹脂のガラス転移点マイナス50℃からガラス転移点の範囲に制御することが好ましい。ガラス転移点を越えては金型保持時間(冷却時間)が長くなりすぎ、生産性上、好ましくない。又、ガラス転移点マイナス50℃未満では急冷による外観不良があらわれ好ましくない。例えばポリカーボネート100%を使用して成形する場合は100〜150℃(金型表面温度)の範囲に制御することが好ましい。
【0011】
加熱時間は金型内に溶融樹脂が注入される直前に、金型の表面温度が所定の温度レベルに昇温されていること、更に注入後は加熱操作を停止することがが効果的である。従って、この加熱時間は金型に組み込まれたヒーターの時間あたりの発熱効率が異なるので、金型表面温度を測定しながら試行錯誤で決定すればよい。又、溶融樹脂の注入後に加熱操作を停止するのは成形時間サイクルを徒に延ばしても生産性の低下を招くほか、表面の光沢が安定しないからである。
【0012】
この点で、例えば熱媒体を油とした外部温度制御装置を組み込んだタイプのものは射出成形の動作に関係なく、連続して金型内に熱媒体が通過する構造のものであり、良光沢品を安定的に成形することが出来ず、ここでいう保温金型ではない。特に加温タイプにあっては溶融樹脂の充填後、加熱源の遮断が効果的だからである。
【0013】
上記の断熱タイプ、加熱タイプのこれらいづれのタイプのものも好適に用いられる。
本発明はこのような保温金型を用いて自動車ドアハンドルを成形すれば、外装部材の使用に耐えうる良光沢の成形品が得られる。
本発明に用いる成形材料としては熱可塑性樹脂であればよく、保温金型を用いて射出成形による成形が可能である。
【0014】
ここで熱可塑性樹脂とは塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂(アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂)、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、アセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂等の一種単独、もしくは2種以上の組み合わせである。
【0015】
これらの中でも、特にポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ナイロン、芳香族ポリエステル、ポリプロピレンまたはアクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂を単独で、又はポリカーボネートとABS系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ナイロン若しくはポリエチレンとの組み合わせからなるポリカーボネート系樹脂組成物を好適に用いることができる。
【0016】
なお、ABS系樹脂にはアクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体そのものの他、その改質樹脂としてAES(アクリルニトリル・EPDM・スチレン共重合体)、AAS(アクリルニトリル・アクリル酸エステル・スチレン共重合体)も含み、これら改質樹脂も好適に用いることができる。
更に、必要に応じて各種の無機充填剤、添加剤、その他合成樹脂等を本発明の目的を阻害しない範囲で配合することが出来る。
【0017】
各樹脂組成物の機械的強度、耐久性または増量を目的として配合される前記無機充填剤としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、カーボンフレーク、カーボンブラック、硫酸カルシウウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ、シリカ、アスベスト、タルク、クレー、マイカ、石英粉等が挙げられる。また、前記添加剤としては、例えばヒンダードフェノール系、リン系(亜燐酸エステル系、燐酸エステル系等)、アミン系等の酸化防止剤、例えばベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤、例えば脂肪族カルボン酸エステル系、パラフィン系、シリコンオイル、ポリエチレンワックス等の外部滑剤、常用の難燃剤、離形剤、帯電防止剤、着色剤等が挙げられる。
【0018】
該配合及び混練は通常、用いられる方法、例えばリボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ドラムタンブラー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、コニーダ、多軸スクリュー押出機等を用いる方法により行うことができる。
【0019】
【実施例】
更に、本発明を製造例、実施例及び比較例により詳しく説明する。
なお、ここに用いた各成形材料成分は次のとおりである。なお、下記(a)〜(q)なる記号は、第1〜4表に示した記号(a)〜(q)の符号に対応するものである。
(A)ポリカーボネート(PC)
(a)出光石油化学(株)製 「タフロン」A2700
(b)出光石油化学(株)製 「タフロン」A2200
(B)ポリエステルカーボネート(PEC)
(c)ジーイープラスチック(株)製 「レキサン」PPC4704
(C)ポリエチレンテレフタレート(PET)
(d)三菱レーヨン(株)製 「ダイヤナイト」PA200
(e)三菱レーヨン(株)製 「ダイヤナイト」MA523V
(D)ポリブチレンテレフタレート(PBT)
(f)三菱レーヨン(株)製 「タフペット」N1000
(E)ポリプロピレン(PP)
(g)出光石油化学(株)製 「出光ポリプロ」J−200G
(F)ガラス長繊維強化ポリプロピレン
(h)出光石油化学(株)製 「モストロン−L」
(G)ナイロン(PA)
(i)宇部(株)製 「UBEナイロン」2020B
(H)AES
(j)日本合成ゴム製(株) 「JSR AES」110
(I)タルク
(k)浅田製粉(株)製 JA−13R
(J)ガラスフィラー
(l)旭ファイバーグラス(株)製 MA409C
(m)旭ファイバーグラス(株)製 MA416
(n)旭ファイバーグラス(株)製 MA429A
(K)ガラスフレーク
(o)旭ファイバーグラス(株)製 GF−C150A
(L)マイカ
(p)(株)クラレ製 「クラライトマイカ」300W
(M)チタン酸カリウィスカ
(q)大塚化学(株)製 「ティスモ」YN102
【0020】
なお、成形品の評価は以下の方法に従った。
(1)光沢度
図4に示す自動車ドアハンドル評価用成形品サンプルにおいてハンドル部の表面(自動車に取り付け時、外表面に表れる部分)について光沢度を測定する。光沢度は60度鏡面光沢度であり、JIS K−7105に準拠して行った。
(2)シボ平均高さ
(株)小坂研究所製 触針型表面粗さ計 サーフコーダSE−30Dにて測定を行った。
(3)ウェルド強度
ダンベル試験片成形用金型の両サイドゲートから樹脂組成物を注入して対向のウェルドを作製し、引っ張り試験をASTM D63に準拠して行った。
【0021】
参考例1
ポリカーボネート樹脂(出光石油化学(株)製「タフロン」A2700)60重量部と、ポリエチレンテレフタレート樹脂(三菱レーヨン(株)製「ダイヤナイト」PA200)30重量部を配合し、120℃で6時間乾燥後、充填剤としてタルク(浅田製粉(株)製JA−13R)10重量部をドライブレンドし、シリンダー温度280℃のベント付き二軸押出機にて溶融混練し、ペレット化した。
【0022】
得られたペレットを、下記に記す成形条件で射出成形してドアハンドル型試験片を作成し、成形品中央部の表面光沢度の評価を行った。結果は表1に示す。
Figure 0003852985
【0023】
実施例1
参考例1と同一の樹脂組成物を用いて、同一の射出成形機で保温金型を図5および6に示す内部に電熱線を組み込んだ金型に置き換える。金型入口温度を80℃に設定し、樹脂充填10秒前に電熱線に電圧をかけて加熱を開始し、樹脂充填と同時に電源を切る。加熱10秒後の金型表面温度は、表面温度計で130℃となるように電圧を設定する。この金型を用いて試験片を成形した以外は参考例1と同様の評価を行った。結果は表1に示した。
【0024】
参考例2
ポリカーボネート樹脂及びポリエチレンテレフタレート樹脂種を変更し、タルクをガラスフィラーに変更した以外は参考例1と同様の評価を行った。具体的にはポリカーボネート樹脂(出光石油化学(株)製「タフロン」A2200)を60重量部、ポリエチレンテレフタレート樹脂(三菱レーヨン(株)製「ダイヤナイト」MA523V)を30重量部をそれぞれ配合し、120℃で6時間乾燥後、充填剤としてガラスフィラー(旭ファイバーグラス(株)製MA409C)を10重量部をドライブレンドし、シリンダー温度280℃のベント付き二軸押出機にて溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットを、実施例1に記す成形条件で射出成形してドアハンドル型試験片を作成し、成形品中央部の表面光沢度の評価を行い、結果を表1に示す。
【0025】
参考例3
参考例2においてガラスフィラーをガラスフレーク(旭ファイバーグラス(株)GF−C150A)に変えて樹脂組成物を作成した以外は同一の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0026】
参考例4
参考例2においてガラスフィラーをマイカ((株)クラレ製「クラライトマイカ」300W)に変えて樹脂組成物を作成した以外は同一の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0027】
参考例5
参考例2においてガラスフィラーをチタン酸カリウムウィスカ((株)大塚化学「ティスモ」YN102)に変えて樹脂組成物を作成した以外は同一の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0028】
参考例6
参考例2においてにおいてガラスフィラーの添加をなしとしてポリカーボネート樹脂を67重量部、ポリエチレンテレフタレート樹脂を33重量部を配合した樹脂組成物とした以外は同一の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0029】
参考例7
参考例2においてガラスフィラーの添加をなしとしてポリカーボネート樹脂を67重量部、ポリブチレンテレフタレート樹脂(三菱レーヨン(株)製 「タフペット」N1000)を33重量部を配合した樹脂組成物とした以外は同一の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0030】
参考例8
参考例2においてガラスフィラーの添加をなしとしてポリカーボネート樹脂を67重量部、ナイロン(宇部(株)製 「UBEナイロン」2020B)を33重量部を配合した樹脂組成物とした以外は同一の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0031】
参考例9
参考例2においてガラスフィラーの添加をなしとしてポリカーボネート樹脂を67重量部、AES樹脂(アクリルニトリル・EPDM・スチレン共重合体)(日本合成ゴム製(株) 「JSR AES」110)を33重量部を配合した樹脂組成物とした以外は同一の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0032】
参考例10
参考例2において二種類の樹脂を1種類とし、同じ充填剤を配合して樹脂組成物とした以外は同様の評価を行った。具体的にはポリカーボネート樹脂(出光石油化学(株)製「タフロン」A2200)90重量部を120℃で6時間乾燥後、充填剤としてガラスフィラー(旭ファイバーグラス(株)製MA409C)を10重量部をドライブレンドし、シリンダー温度280℃のベント付き二軸押出機にて溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットを、実施例4と同一の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0033】
参考例11
参考例10においてポリカーボネート樹脂をポリエステルカーボネート樹脂(ジーイープラスチック(株)製「レキサン」PPC4704)に、充填剤としてガラスフィラーをタルク(浅田製粉(株)製JA−13R)に変えて樹脂組成物とした以外は同様の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0034】
参考例12
参考例10においてポリカーボネート樹脂をポリプロピレン樹脂(出光石油化学(株)製「出光ポリプロ」J−200G)に、充填剤としてガラスフィラーをガラス長繊維強化ポリプロピレン樹脂(出光石油化学(株)製 「モストロン−L」)に変えて樹脂組成物とした以外は同様の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0035】
参考例13
参考例10においてポリカーボネート樹脂をAES樹脂(アクリルニトリル・EPDM・スチレン共重合体)(日本合成ゴム製(株) 「JSR AES」110)に、充填剤としてガラスフィラー種を旭ファイバーグラス(株)製MA416に変えて樹脂組成物とした以外は同様の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0036】
参考例14
参考例10においてポリカーボネート樹脂をポリエチレンテレフタレート樹脂(三菱レーヨン(株)製 「ダイヤナイト」MA523V)に、充填剤としてガラスフィラー種を旭ファイバーグラス(株)製MA429Aに変えて樹脂組成物とした以外は同様の評価を行い、その結果を表1に示す。
【0037】
参考例15
参考例1において同一の樹脂組成物を使用して、同タイプの保温金型にシボ加工処理が施されたものを用いた以外は同様に成形し、成形試験片のシボ平均深さを測定し、金型のシボ転写性を評価した。その結果を表3に示す。
【0038】
参考例16
参考例10において同一の樹脂組成物を使用して、同タイプの保温金型にシボ加工処理が施されたものを用いた以外は同様に成形し、成形試験片のシボ平均深さを測定し、金型のシボ転写性を評価した。その結果を表3に示す。
【0039】
参考例17
参考例1において同一の樹脂組成物を使用して、同タイプの保温金型でダンベル試験片成形用金型(両サイドゲートから溶融樹脂を注入し、対向のウエルドを作成)に変更した以外は同様に成形し、ダンベル型試験片を作成した。ウエルド強度は引張試験により評価した。その結果を表4に示す。
【0040】
参考例18
参考例6において同一の樹脂組成物を使用して、同タイプの保温金型でダンベル試験片成形用金型(両サイドゲートから溶融樹脂を注入し、対向のウエルドを作成)に変更した以外は同様に成形し、ダンベル型試験片を作成した。ウエルド強度は引張試験により評価した。その結果を表4に示す。
【0041】
参考例19
参考例10において同一の樹脂組成物を使用して、同タイプの保温金型でダンベル試験片成形用金型(両サイドゲートから溶融樹脂を注入し、対向のウエルドを作成)に変更した以外は同様に成形し、ダンベル型試験片を作成した。ウエルド強度は引張試験により評価した。その結果を表4に示す。
【0042】
比較例1
参考例1と同一の樹脂組成物を用いて、同一の射出成形機で通常の金型を用いて、同一の成形条件で成形した。得られた試験片の表面光沢度の評価を行い、その結果を表2に示す。
通常の金型:内部に特別な断熱層を有さず
金型温度:外部熱水温度調整器で金型入口温度80℃
【0043】
比較例2
保温金型を用いず、通常の金型を用い、外部油温度調整器を使って金型入口温度を120℃の高温に設定して試験片を成形した以外参考例1と同様の評価を行った。結果は表2に示した。
【0044】
比較例3
参考例2と同一の樹脂組成物を用いて、同一の射出成形機で通常の金型を用いて、同一の成形条件で成形した。得られた試験片の表面光沢度の評価を行い、その結果を表2に示す。
【0045】
比較例4
参考例3と同一の樹脂組成物を用いて、同一の射出成形機で通常の金型を用いて、同一の成形条件で成形した。得られた試験片の表面光沢度の評価を行い、その結果を表2に示す。
【0046】
比較例5
参考例4と同一の樹脂組成物を用いて、同一の射出成形機で通常の金型を用いて、同一の成形条件で成形した。得られた試験片の表面光沢度の評価を行い、その結果を表2に示す。
【0047】
比較例6
参考例5と同一の樹脂組成物を用いて、同一の射出成形機で通常の金型を用いて、同一の成形条件で成形した。得られた試験片の表面光沢度の評価を行い、その結果を表2に示す。
【0048】
比較例7
参考例6と同一の樹脂組成物を用いて、同一の射出成形機で通常の金型を用いて、同一の成形条件で成形した。得られた試験片の表面光沢度の評価を行い、その結果を表2に示す。
【0049】
比較例8
参考例7と同一の樹脂組成物を用いて、同一の射出成形機で通常の金型を用いて、同一の成形条件で成形した。得られた試験片の表面光沢度の評価を行い、その結果を表2に示す。
【0050】
比較例9
参考例8と同一の樹脂組成物を用いて、同一の射出成形機で通常の金型を用いて、同一の成形条件で成形した。得られた試験片の表面光沢度の評価を行い、その結果を表2に示す。
【0051】
比較例10
参考例9と同一の樹脂組成物を用いて、同一の射出成形機で通常の金型を用いて、同一の成形条件で成形した。得られた試験片の表面光沢度の評価を行い、その結果を表2に示す。
【0052】
比較例11
参考例10と同一の樹脂組成物を用いて、同一の射出成形機で通常の金型を用いて、同一の成形条件で成形した。得られた試験片の表面光沢度の評価を行い、その結果を表2に示す。
【0053】
比較例12
参考例11と同一の樹脂組成物を用いて、同一の射出成形機で通常の金型を用いて、同一の成形条件で成形した。得られた試験片の表面光沢度の評価を行い、その結果を表2に示す。
【0054】
比較例13
参考例12と同一の樹脂組成物を用いて、同一の射出成形機で通常の金型を用いて、同一の成形条件で成形した。得られた試験片の表面光沢度の評価を行い、その結果を表2に示す。
【0055】
比較例14
参考例13と同一の樹脂組成物を用いて、同一の射出成形機で通常の金型を用いて、同一の成形条件で成形した。得られた試験片の表面光沢度の評価を行い、その結果を表2に示す。
【0056】
比較例15
参考例14と同一の樹脂組成物を用いて、同一の射出成形機で通常の金型を用いて、同一の成形条件で成形した。得られた試験片の表面光沢度の評価を行い、その結果を表2に示す。
【0057】
比較例16
参考例15と同一の樹脂組成物を用いて、同一の射出成形機で通常の金型にシボ加工処理が施されたものを用いて、同一の成形条件で成形した。得られた試験片のシボ平均深さを測定し、金型のシボ転写性を評価を行い、その結果を表3に示す。
【0058】
比較例17
参考例16と同一の樹脂組成物を用いて、同一の射出成形機で、通常の金型のダンベル試験片成形用金型(両サイドゲートから溶融樹脂を注入し、対向のウエルドを作成)に変更したものを用いて、同一の成形条件で成形した。得られた試験片のシボ平均深さを測定し、金型のシボ転写性を評価を行い、その結果を表3に示す。
【0059】
比較例18
参考例17と同一の樹脂組成物を用いて、同一の射出成形機で、通常の金型のダンベル試験片成形用金型(両サイドゲートから溶融樹脂を注入し、対向のウエルドを作成)に変更したものを用いて、同一の成形条件で成形した。得られた試験片のウエルド強度試験の評価を行い、その結果を表4に示す。
【0060】
比較例19
参考例18と同一の樹脂組成物を用いて、同一の射出成形機で、通常の金型のダンベル試験片成形用金型(両サイドゲートから溶融樹脂を注入し、対向のウエルドを作成)に変更したものを用いて、同一の成形条件で成形した。得られた試験片のウエルド強度試験の評価を行い、その結果を表4に示す。
【0061】
比較例20
参考例19と同一の樹脂組成物を用いて、同一の射出成形機で、通常の金型のダンベル試験片成形用金型(両サイドゲートから溶融樹脂を注入し、対向のウエルドを作成)に変更したものを用いて、同一の成形条件で成形した。得られた試験片のウエルド強度試験の評価を行い、その結果を表4に示す。
【0062】
【表1】
Figure 0003852985
【0063】
【表2】
Figure 0003852985
【0064】
【表3】
Figure 0003852985
【0065】
【表4】
Figure 0003852985
【0066】
表1、表2、表3から分かるように、保温金型を用いたドアハンドル成形品は、如何なる樹脂組成物に於いても、型転写に優れ良外観であった。
更に表4から、成形品のウェルドが目立たない故にその強度も向上していることが分かる。
【0067】
【発明の効果】
本発明の自動車用ドアハンドル成形品は、非常に良好な外観であり、そのウェルド強度も従来の自動車用ドアハンドルより高い。よって、無塗装化でも外観に優れる自動車用ドアハンドルが得られる。この自動車用ドアハンドルは、特にアウタードアハンドルにおいて好適に用いられる。
【0068】
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車ドアハンドルをその裏側の回転摺動部側から見た斜視図
【図2】断熱層を有する保温金型の斜視図
【図3】断熱層を有する保温金型のキャビティ部断面図
【図4】グロス測定用試験成形品概略図
【図5】電熱線を組入れた保温金型の斜視図
【図6】電熱線を組入れた保温金型のヒーター斜視図
【符号の説明】
1 自動車ドアハンドル
2 把手部
3 回転摺動部
4 穿孔(回転軸)
5 穿孔(クリップ)
11 スプルーブッシュ
12 ランナー・ゲート
13 コア型
14 コア部
15 キャビティ部(断熱層)
16 キャビティ型
17 キャビティ型の金属鋼材
18 断熱層(エポキシ樹脂)
19 金属メッキ層(ニッケル)
20 ヒーター
21 スプルーブッシュ
22 ランナー・ゲート
23 コア型
24 コア部
25 キャビティ部
26 キャビティ型
30 ヒーター
31 電熱線のリード線

Claims (2)

  1. ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ナイロン、芳香族ポリエステル、ポリプロピレンおよびアクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂から選ばれる少なくとも1種からなる熱可塑性樹脂を成形材料として、キャビティ型および/又はコア型のキャビティ部周辺に組み込まれた電熱線を有するヒーターを備え、溶融樹脂を金型内に導入する直前に、該ヒーターに一定時間通電することにより加熱して金型温度を熱可塑性樹脂のガラス転移点−50℃からガラス転移点の温度範囲に制御しつつ射出成形することを特徴とする自動車用ドアハンドルの成形法。
  2. 熱可塑性樹脂がポリカーボネートとアクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、ポリメチルメタクリレート、ナイロンおよびポリエチレンから選ばれる少なくとも1種との組み合わせからなる請求項に記載の自動車用ドアハンドルの成形法。
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