JP3852882B2 - マスタスレーブ装置 - Google Patents

マスタスレーブ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3852882B2
JP3852882B2 JP34977497A JP34977497A JP3852882B2 JP 3852882 B2 JP3852882 B2 JP 3852882B2 JP 34977497 A JP34977497 A JP 34977497A JP 34977497 A JP34977497 A JP 34977497A JP 3852882 B2 JP3852882 B2 JP 3852882B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
master
access
slave device
slave
system bus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP34977497A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11184827A (ja
Inventor
勉 関部
匡隆 尾坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP34977497A priority Critical patent/JP3852882B2/ja
Publication of JPH11184827A publication Critical patent/JPH11184827A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3852882B2 publication Critical patent/JP3852882B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Multi Processors (AREA)
  • Bus Control (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マスタスレーブ装置に関し、より特定的には、複数のマスタデバイスと複数のスレーブデバイスとがクロスバースイッチの形態を有する通信路を介して通信可能に接続されており、マスタデバイス対スレーブデバイスの通信が複数同時に行われうるマスタスレーブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル放送のセットトップボックスその他のマスタスレーブ装置では、複数のマスタデバイス(CPU等)と複数のスレーブデバイス(RAM、ROM等に代表される記憶装置)とが、クロスバースイッチの形態を有する通信路で接続されている場合がある。図15は、クロスバースイッチの形態を有する通信路を備える従来のマスタスレーブ装置を示すブロック図である。図15において、マスタスレーブ装置は、3個のマスタデバイス11 〜13 と、3個のアクセス仲裁部21 〜23 と、3個のスレーブ制御部31 〜33 と、3個のスレーブデバイス41 〜43 とを備えている。これらの構成の内、全マスタデバイス1と全アクセス仲裁部2とは、以下に説明するようなクロスバースイッチの形態を有する通信路によって通信可能に接続される。
【0003】
まず、スレーブデバイス41 、スレーブ制御部31 及びアクセス仲裁部21 は直列接続されている。他のスレーブデバイス4、スレーブ制御部3及びアクセス仲裁部2も、同様に直列接続される。
【0004】
アクセス仲裁部21 は、3本の第1の制御信号線511、521及び531によってマスタデバイス11 、12 及び13 と接続されている。第1の制御信号線511、521及び531は、1ビットのアクセス許可811、821及び831(図16参照)をアクセス仲裁部21 がマスタデバイス11 、12 及び13 に送信するために用いられる。
アクセス仲裁部21 はさらに、3本のシステムバス61 、62 及び63 によってもマスタデバイス11 、12 及び13 と接続される。ここで、図15中、点線で示された円A〜C内には、3本のシステムバス61 〜63 がより詳しく示されている。例えば、点線円A内に示すように、システムバス61 は、アドレスバス611とデータバス612とを含んでいる。このアドレスバス611は、例えば32ビット幅であり、並列32ビットのアクセス要求711、712及び713をマスタデバイス11 がアクセス仲裁部21 、22 及び23 に送信するために用いられる。また、データバス612は、例えば32ビット幅であり、マスタデバイス11 がスレーブデバイス41 、42 又は43 に書き込むべき並列32ビットの書き込みデータや、スレーブデバイス41 、42 又は43 から読み出した並列32ビットの読み出しデータを伝送するために用いられる。
システムバス62 並びに63 は、アドレスバス621及びデータバス622、並びにアドレスバス631及びデータバス632を含んでいるが、システムバス61 と同様の構成を有しているため、その説明を省略する。
【0005】
他のアクセス仲裁部2もまた、図示した通りの第1の制御信号線並びにシステムバスとにより、マスタデバイス11 〜13 と接続されるが、アクセス仲裁部21 と同様に接続されるため、その説明を省略する。
【0006】
以下、上述のマスタスレーブ装置が実行する動作の一例を、図16に示すタイムチャートを参照して説明する。図16には、このマスタスレーブ装置の内部のクロック、並びにマスタデバイス11 〜13 の送受信信号、及びそれぞれのアクセス状況が示されている。
【0007】
図16において、マスタデバイス11 は、上述のクロックに従う時間t1 に、内部で発生したアクセス要求711をアドレスバス611に送出する。このアクセス要求711は、スレーブデバイス41 にアクセスするための要求であって、当該スレーブデバイス41 内のアクセスすべきアドレスを少なくとも含んでいる。また、マスタデバイス12 及び13 は、同じ時間t1 に、アクセス要求722及び733を、アドレスバス621及び631に送出する。このアクセス要求722及び733は、スレーブデバイス42 及び43 にアクセスするための要求であって、当該スレーブデバイス42 及び43 内のアクセスすべきアドレスを少なくとも含んでいる。これらアクセス要求711、722及び733は、アドレスバス611、621及び631を伝送され、アクセス仲裁部21 、22 及び23 にそれぞれ入力される。各アクセス仲裁部2は、所定の仲裁処理を実行して、入力されたアクセス要求711、722及び733が含むアドレスに基づいて、受信すべきアクセス要求7のみを受信する。例えば、アクセス仲裁部21 は、自身の後段に接続されているスレーブデバイス41 の全アドレスを予め把握しており、入力された各アクセス要求7の内、該当するアドレスを含むアクセス要求711のみを受信し、その他のアクセス要求722及び733を受信しない。なお、この時、同一スレーブデバイス4のアドレスを含むアクセス要求7が複数同時に入力された場合にも、単一のアクセス要求7のみを受信する。アクセス仲裁部21 は、このような仲裁処理の後、マスタデバイス11 がスレーブデバイス41 にアクセスすること許可するためのアクセス許可811を第1の制御信号線511に時間t2 に送出し、当該マスタデバイス11 に送信する。
【0008】
同様に、アクセス仲裁部22 は、スレーブデバイス42 のアドレスを含むマスタデバイス12 からのアクセス要求722のみを受信した後、スレーブデバイス42 へのアクセス許可822を第1の制御信号線522に時間t2 に送出し、当該マスタデバイス12 に送信する。また、アクセス仲裁部23 は、受信したアクセス要求733に応答して、アクセス許可833を第1の制御信号線533に時間t2 に送出し、マスタデバイス13 に送信する。
【0009】
マスタデバイス11 は、第1の制御信号線511を介して受信したアクセス許可811に応答して、データバス612、アクセス仲裁部21 及びスレーブ制御部31 を介してスレーブデバイス41 に時間t3 にアクセスし、スレーブデバイス41 から読み出したデータを受信したり、スレーブデバイス41 へ書き込むべきデータを送信したりする。そして、マスタデバイス11 は、今回のスレーブデバイス41 へのアクセスを時間t4 に終了する。ここで、マスタデバイス11 は、アクセス要求711を時間t1 以降継続的に送出しているが、スレーブデバイス41 へのアクセスの終了に合わせて(より詳細には、当該アクセスが終了する1クロック前の時間)、その送出を停止する。また、アクセス仲裁部21 は、アクセス許可811を時間t2 以降継続的に出力しているが、アクセス要求711の受信が途絶えることに応答して、その送出を停止する。このようにして、マスタデバイス11 対スレーブデバイス41 の一連の通信は終了する。
他のマスタデバイス1対スレーブデバイス4の一連の通信も、同様にして行われるので、その説明を省略する。
【0010】
以上説明したように、クロスバースイッチの形態を有するシステムバスを備えるマスタスレーブ装置では、複数のマスタデバイスがそれぞれ、互いに異なるスレーブデバイスへ同時にアクセスできるようになる。その結果、このマスタスレーブ装置の処理能力は、クロスバースイッチの形態を有する通信路を備えないものと比較して格段に向上する。
【0011】
次に、マスタデバイス11 は、新たに発生したアクセス要求711を時間t4 にアクセス仲裁部21 に前回と同様に送信する。図16からも明らかなように、時間t4 では、これ以外のアクセス要求7は送出されていない。アクセス仲裁部21 は、今回唯一入力されるアクセス要求711を受信し、これに応答してアクセス許可811を送出して、マスタデバイス11 がスレーブデバイス41 にアクセスすることを許可する。これによって、マスタデバイス11 対スレーブデバイス41 の一連の通信が開始される。
マスタデバイス12 は、前回と同様にして、新たに発生したスレーブデバイス41 へのアクセス要求721を時間t5 にアクセス仲裁部21 に送信する。しかしながら、アクセス仲裁部21 は、時間t5 ではスレーブデバイス41 が通信中でありビジー状態であるので、マスタデバイス12 へ送信すべきアクセス許可821の送出を現時点では保留する。
【0012】
マスタデバイス11 は、図16からも明らかなように、時間t7 までスレーブデバイス41 へアクセスする。そのため、時間t7 を経過するとスレーブデバイス41 はアクセス可能な状態になる。アクセス仲裁部21 は、時間t7 の時点でアクセス要求721を入力し続けており、現在送出を保留しているアクセス許可821を時間t8 に第1の制御信号線521に送出し、マスタデバイス12 に送信する。これによって、マスタデバイス12 対スレーブデバイス41 の一連の通信が開始される。
以降、このマスタスレーブ装置では、同様の動作が繰り返し実行され、マスタデバイス対スレーブデバイスの通信が複数同時に行われるように、各マスタデバイス1から各スレーブデバイス4へのアクセスが制御される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図15に示すようなマスタスレーブ装置を実現するためには、スレーブデバイス4の個数に依存したアクセス仲裁部2が必要となる。さらに、各アクセス仲裁部2は、マスタデバイス1の個数に依存した多くの第1の制御信号線5及びシステムバス6を必要とする。そのため、マスタスレーブ装置の構成、及びその動作の制御の複雑化を招くという問題点があった。特に、この内システムバス6については、内部に32ビット幅のデータバスとシステムバスとを含んでいるため、信号線が物理的に多くなり、上述の構成及び動作の複雑化に顕著な影響を与える。
【0014】
さらに、上述のようなマスタスレーブ装置の複雑化は、その動作の解析を困難にするという問題点をも招く。以下、この問題点をより具体的に説明する。例えば、このマスタスレーブ装置で動作するソフトウェアを開発する場合、ある1個のマスタデバイス1の動作を解析しなければならないという状況に直面する場合がある。この時、ソフトウェア開発者にとっては、すべてのマスタデバイス11 〜13 を動作させながら解析対象のマスタデバイス1を解析するよりも、解析対象のマスタデバイス1を単独で動作させて解析する方が容易である。また、例えば、このマスタスレーブ装置が故障した場合も、これを修理する技術者は、マスタデバイス1が単独で動作する方が、故障個所を特定し易く、さらには修理もし易い場合が多い。このように、クロスバースイッチの形態を有する通信路を備えるマスタスレーブ装置では、全体的な処理能力をある程度犠牲にした方が、その動作解析が容易になる場合が少なくない。
【0015】
それ故に、本発明の目的は、クロスバースイッチの形態を有する通信路を有するマスタスレーブ装置において、その構成及び動作を簡素化し、かつその動作解析を容易に行えるマスタスレーブ装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上述のように設定された課題を解決するための手段として、本願では、以下の第1〜第5の発明がなされ、それぞれによって、以下のような効果を奏する。
【0017】
第1の発明は、複数のマスタデバイスが複数のスレーブデバイスに対してアクセスするマスタスレーブ装置であって、
クロスバースイッチの形態を有しており、各マスタデバイスと各スレーブデバイスとの間を、任意の組み合わせで通信可能なように接続するシステムバスと、
システムバスを制御するバス制御手段とを備え、
バス制御手段は、
第1のモードである通常の動作時には、各マスタデバイスがそれぞれ互いに異なるスレーブデバイスへ同時にアクセスできるようにシステムバスを制御し、第1のモードから切り替えられることにより実行される第2のモードにおいては、選択された単一のマスタデバイスが選択された単一のスレーブデバイスにアクセスするための1つの通信路のみが確立されるようにシステムバスを制御することを特徴とする。
第1の発明によれば、上述したように、第2のモード時には、システムバス上には、単一のマスタデバイスから単一のスレーブデバイスへのアクセスしか存在しないので、マスタスレーブ装置の動作解析や故障解析が容易に行える。
【0018】
第2の発明は、第1の発明において、第2のモードにおいて、選択された単一のマスタデバイスが選択された単一のスレーブデバイスにアクセスしている際に、システムバス上の伝送信号を入力し、当該入力した伝送信号を外部に送信するインターフェイス部をさらに備える。
第2の発明によれば、上述したように、インターフェイス部は入力した伝送信号を外部に送信することができる。したがって、このマスタスレーブ装置内部での通信状況を外部で観測できるようになる。これによって、マスタスレーブ装置の動作解析や故障解析がさらに容易に行える。
【0019】
第3の発明は、複数のマスタデバイスが複数のスレーブデバイスに対してアクセスするために、クロスバースイッチの形態を有しており、かつ各マスタデバイスと各スレーブデバイスとの間を任意の組み合わせで通信可能に接続するシステムバスを含むマスタスレーブ装置であって、
各マスタデバイス毎に設けられており、アクセスすべきスレーブデバイスに向けてアクセスの要求をシステムバスに送出する複数の送受信制御手段と、
各スレーブデバイス毎に設けられており、システムバスを介して入力される各アクセス要求に対して所定の仲裁処理を実行することにより、スレーブデバイスへのアクセスを許可すべき単一のマスタデバイスのみを選択する複数の仲裁手段とを備えており、
各マスタデバイスの送受信制御部は、仲裁手段によってアクセスを許可された場合に限り、システムバスを介して該当するスレーブデバイスとの間でデータの通信を行い、
少なくともアクセスの要求とデータとは、システムバスにおいて同一の通信路上を伝送されることを特徴とする。
第3の発明によれば、上述のように、アクセスの要求と当該要求に基づいて通信されるデータとは、同一の通信路上を伝送される。従って、両者を別々の通信路によって伝送していた従来と比較して、信号線の本数を物理的に減らすことができる。これによって、このマスタスレーブ装置の回路を複雑化を避けることができ、その動作解析や故障解析も容易に行える。
【0020】
第4の発明は、第3の発明において、各アクセス仲裁部は、入力される各アクセス要求に対して所定の仲裁処理を実行することにより、スレーブデバイスへ短時間でアクセスできる単一のマスタデバイスを選択することを特徴とする。
上述の第4の発明では、同一スレーブデバイスに向けて複数のアクセスの要求が発生した場合には、短時間でアクセスが開始されるアクセスの要求が優先されるので、このマスタスレーブ装置の処理能力が向上する。
【0021】
第5の発明は、第3の発明において、各スレーブデバイスがアクセス可能な状態になるまでの待ち時間を各マスタデバイスの送受信制御部に通知する複数の待ち時間通知部が接続されており、
各マスタデバイスの送受信制御部は、各待ち時間通知部により通知された待ち時間を参照して、アクセスの要求をシステムバスに送出することを特徴とする。上述の第5の発明によれば、各マスタデバイスは、各待ち時間通知部からの待ち時間を参照するため、待ち時間が少ないスレーブデバイスにアクセスできる。これによって、このマスタスレーブ装置の処理能力が向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るマスタスレーブ装置の構成を示すブロック図である。図1に示すマスタスレーブ装置は、構成的には、図15に示すものと比較して、各アクセス仲裁部2を制御する制御部9をさらに備える点で相違する。この制御部9は、第2の制御信号線101 、102 及び103 によりアクセス仲裁部21 、22 及び23 と接続されており、当該アクセス仲裁部21 〜23 に対して動作を許可するか否かを示す許可/不許可111 〜113 を、当該第3の制御信号線101 〜103 に送出する。この許可/不許可111 〜113 は、「High」又は「Low 」の2値で表現される1ビットの信号であり、これにより、動作の許可又は不許可を示す。図1に示すマスタスレーブ装置は、これ以外の構成的な相違点を有していないので、相当する構成については、図15において用いたものと同一の参照番号を付すこととする。
【0023】
図1に示すマスタスレーブ装置の通常時の動作(以下、通常動作モードと称する)は、「従来技術」の欄で述べたものとほぼ同様である。通常動作モードとは、マスタスレーブ装置が用途通りの動作を行うモードを意味し、例えば、このマスタスレーブ装置がセットトップボックスであれば、通信衛星から放送されるデジタル画像情報を受信/復号等の動作をするモードである。以下、この通常動作モード下における動作の一例を、図2、図4及び図5を参照して説明する。ここで、図2は、この通常動作モードにおける動作の一例を示すタイムチャートである。図4は、通常動作モード及び後述する解析モードにおいて、制御部9が送出する許可/不許可11を説明するための図である。図5は、通常動作モード及び解析モードにおける状態遷移図である。
【0024】
図2に示すように、制御部9は、この通常動作モードの間中「High」固定の許可/不許可111 〜113 を、第2の制御信号線101 〜103 に送出し続ける(図4中、状態S0 が示された行を参照)。アクセス仲裁部21 〜23 は、「High」固定の許可/不許可111 〜113 を受信中(つまり、通常動作モードの間中)、動作可能な状態となる。この通常動作モードにおける各マスタデバイス1、各アクセス仲裁部2、各スレーブ制御部3及び各スレーブデバイス4の動作の、図15に示すマスタスレーブ装置の動作との間の相違点は、各アクセス仲裁部2において、入力した許可/不許可111 〜113 が「High」を示しているか「Low 」を示しているかが判断される点であるので、各部の詳細な動作の説明を省略する。
【0025】
また、「従来の技術」での説明から明らかなように、このマスタスレーブ装置の通常動作モードでは、その動作を解析することは難しい。そのため、このマスタスレーブ装置には、動作解析を容易にするための解析モードが実装される。なお、このマスタスレーブ装置は、予め定められたコマンドが外部から入力されること等により、通常動作モードから解析モードに切り替わる。このモード切り替えに関しては、コンピュータの分野等において周知であるため、その説明を省略する。以下、このマスタスレーブ装置の解析モードにおける動作を、図3〜図5を参照して詳細に説明する。ここで、図3は、解析モードにおけるこのマスタスレーブ装置の動作の一例を示すタイムチャートである。
【0026】
この解析モードは、上述した通常モードと比較して、マスタデバイス1対スレーブデバイス4の通信が複数同時に行われない点で相違する。そのため、許可/不許可111 は、図3及び図4に示すように、状態S1 (時間t4 まで、及びt8 以降)では「High」を示しているが、それ以外の状態S2 (時間t4 〜t7 )及びS3 (時間t7 〜t8 )では「Low 」を示している。これによって、アクセス仲裁部21 は、状態S1 においてのみ動作することを許可される。また、許可/不許可112 は状態S2 においてのみ「High」を示し、許可/不許可113 は状態S3 においてのみ「High」を示す。これによって、アクセス仲裁部22 は、状態S2 においてのみ動作することを許可され、アクセス仲裁部23 は、状態S3 においてのみ動作することを許可される。このような状態S1 、S2 及びS3 の遷移は、時間軸上において互いに重複しないように制御部9によって制御される。
【0027】
まず、状態S1 において、マスタデバイス11 では、スレーブデバイス41 にアクセスを要求するためのアクセス要求711が発生し、当該マスタデバイス11 は、これを時間t1 にアドレスバス611に送出する。また同様に、マスタデバイス12 及び13 は、同じ時間t1 に、スレーブデバイス42 及び43 にアクセスを要求するためのアクセス要求722及び733を第2の制御信号線621及び631に送出する。これらアクセス要求711、722及び733はそれぞれ、アクセス仲裁部21 、22 及び23 に入力される。アクセス仲裁部21 、22 及び23 はぞれぞれ、まず最初に、「従来の技術」で説明した通りの仲裁処理を実行して、それぞれが受信すべきアクセス要求7のみを受信する。今回、アクセス仲裁部21 、22 及び23 は、アクセス要求711、722及び733を受信する。
【0028】
状態S1 では、アクセス仲裁部21 のみが第1の制御信号線511、521又は531上にアクセス許可811、821又は831を送出することが許可されるので、当該アクセス仲裁部21 は、受信したアクセス要求811に応答して、当該アクセス許可811を第1の制御信号線511上に時間t2 に送出する。これによって、マスタデバイス11 対スレーブデバイス41 の一連の通信が開始される。この一連の通信については、「従来の技術」での説明を参照すれば明らかであるため、ここではその説明を省略する。また、他のアクセス仲裁部22 及び23 は、状態S1 の間中、第1の制御信号線5上へアクセス許可8を送出することを禁止されるので、受信したアクセス要求722及び733に対するアクセス許可822及び833の送出を保留する。この間、マスタデバイス12 及び13 は上述のアクセス要求722及び733を送出し続ける。このように、状態S1 では、単一のスレーブデバイス41 のみがいずれか1個のマスタデバイス1によりアクセスされることが可能になる。
【0029】
なお、このマスタデバイス11 対スレーブデバイス41 の一連の通信は、図3に示すように、時間t4 まで続く。制御部9は、図示していないがシステムバス61 、62 及び63 においてアクセス仲裁部21 と接続される部分近傍の信号状態をモニタしており、スレーブデバイス41 へのアクセス要求711がなく、かつ当該アクセス要求711に基づくスレーブデバイス41 へのアクセスがないと判断した場合には、図4に示すように、3つの許可/不許可11の「High」及び「Low 」の関係を、図4の状態S2 の行に記載したものに変更する。これにより、このマスタスレーブ装置内部の状態は、状態S1 から状態S2 へと遷移する。
【0030】
次に、状態S2 において、マスタデバイス11 は、前述のアクセス要求711をアドレスバス611に時間t4 に再度送出する。また、状態S2 の開始時点では、上述した通りアクセス要求722及び733がアドレスバス621及び631に引き続き送出されている。状態S2 では、アクセス仲裁部22 のみが第1の制御信号線512、522又は532上に、アクセス許可812、822又は832を送出することが許可されるので、受信中のアクセス要求722に応答して、当該アクセス許可822を第1の制御信号線522に時間t5 に送出する。このアクセス許可822はマスタデバイス12 によって受信される。これにより、マスタデバイス12 対スレーブデバイス42 の一連の通信が開始される。この後、制御部9は、上述した信号状態のモニタリングに基づいて、状態S2 から状態S3 への切り替えを実行する。制御部9は、状態S3 へ切り替える際、図4に示すように、3つの許可/不許可11の「High」及び「Low 」の関係を、図4の状態S3 の行に記載したものに変更する。
【0031】
状態S3 では、図3に示した通り、マスタスレーブ装置内部では、マスタデバイス13 がスレーブデバイス43 へアクセスすることを許可されるが、この時の各部の動作については、上述から明らかであるため、その説明を省略する。以降、このマスタスレーブ装置の内部では、図3〜図5を参照して説明したような状態S1 〜状態S3 が繰り返し実行される。また、状態S1 〜状態S3 が繰り返し実行されている途中で、予め定められたコマンドが外部からこのマスタスレーブ装置に送られてきた場合には、図5に示すように、上述の解析モードから通常動作モードに戻る。
【0032】
以上説明したように、クロスバースイッチの形態を有するシステムバスを備えるマスタスレーブ装置に、上述した解析モードを実装することにより、マスタデバイス対スレーブデバイスの通信は、複数同時に行われなくなる。これによって、このマスタスレーブ装置内の動作の解析が容易になる。
【0033】
図6は、本発明の第2の実施形態に係るマスタスレーブ装置の構成を示すブロック図である。図6に示すマスタスレーブ装置は、図1に示すものと比較して、本マスタスレーブ装置の外部との通信を可能にするためのインターフェイス部12をさらに備える点で相違する。それ以外に構成的な相違点は無いので、相当する構成については同一の参照番号を付してその説明を省略し、以下には、解析モードにおけるインターフェイス部12の動作等についてのみを説明する。
また、図7は、このマスタスレーブ装置(図6参照)の通常動作モードにおける動作の一例を示すタイムチャートである。図7に示すタイムチャートは、図3に示すものと比較して、インターフェイス部12から送出される信号が示されている点のみが相違する。それ以外に相違点は無いので、相当する部分には同一の参照番号を付しその説明を省略する。
【0034】
インターフェイス部12は、システムバス61 、62 及び63 と接続されており、少なくともこれらのデータバス612、622及び632からの入力信号を合波して外部に送出する。したがって、インターフェイス部12から送出される信号は、図7中の最下段に示すように、各マスタデバイス1と各スレーブデバイス4とのアクセス状況を示すこととなる。また、このインターフェイス部12は、マスタスレーブ装置の外部に設置された図示しないモニタ等と接続されており、当該モニタ等はインターフェイス部12からの受信信号の時間波形やスペクトルを表示する。これによって、解析モードにおける、このマスタスレーブ装置内部のマスタデバイス対スレーブデバイスの通信を外部でモニタすることが可能となる。
【0035】
半導体技術の発達によりシステムレベルでLSI(大規模集積回路)への集積化が進む昨今では、信号がLSI内部にしか存在しない状況が多くなる。例えば、図1に示すマスタスレーブ装置の各構成(マスタデバイス1やスレーブデバイス4等)がLSIに集積された場合、マスタデバイス1からスレーブデバイス4へのアクセスを観測し、その動作の解析することは非常に難しい。しかしながら、図6に示すマスタスレーブ装置の場合、マスタデバイス1からスレーブデバイス4へのアクセス状況を外部に送出できるので、当該アクセス状況を容易に観測し、その動作をさらに容易に解析できる。
なお、ある1つのスレーブデバイス4がLSI外部に接続されている場合には、そのスレーブ制御部3とインターフェイス部12を共用することで、スレーブデバイス4へ接続された制御信号と外部モニタへの出力信号の一部を兼用することも可能である。
【0036】
次に、図8は、本発明の第3の実施形態に係るマスタスレーブ装置の構成を示すブロック図である。図8に示すマスタスレーブ装置は、大略的に、図15に示すものと同様であるため、相当する構成については同一の参照番号を付すが、以下に説明する点で図15の構成と相違する。第1の相違点は、各マスタデバイス1と各アクセス仲裁部2とが、後述するようなクロスバースイッチの形態を有するシステムバスによって通信可能に接続される点である。第2の相違点は、マスタデバイス11 〜13 が、後述するような送受信制御部131 〜133 を含んでいる点である。以下、これら第1及び第2の相違点を中心に、図8に示すマスタスレーブ装置の構成をより詳細に説明する。
【0037】
まず、各スレーブデバイス4、各スレーブ制御部3及び各アクセス仲裁部2の接続、及び各アクセス仲裁部2と各マスタデバイス1との第1の制御信号線5による接続については、図15に示すものと同様であるため、その説明を省略する。
【0038】
アクセス仲裁部21 はさらに、3本のシステムバス141 、142 及び143 によってもマスタデバイス11 、12 及び13 と接続されている。ここで、図8中、点線で示された円A〜C内には、3本のシステムバス141 〜143 がより詳しく示されている。例えば、点線円A内に示すように、システムバス141 は、図15に示すシステムバス61 とは異なり、1ビット幅のアクセス終了フラグ用信号線1411並びに32ビット幅のバス1412を含んでおり、マスタデバイス対スレーブデバイスの通信に必要なアクセス終了フラグ171 並びに第1及び第2のアクセス情報151 及び161 を伝送する。これにより、システムバス141 は、図15に示すシステムバス61 よりも少ない数(約半数)の信号線で構成することができる。他のシステムバス142 及び143 については、システムバス141 と同様であり、円B及びCを参照すれば明らかであるため、その説明を省略する。
【0039】
第1のアクセス情報15は、マスタデバイス1がスレーブデバイス4へのアクセスを要求するために用いる情報であって、図9に示すように、アクセス要求ストローブ、アクセスRead/Write 、アクセスByte Enable、アクセスアドレスを含んでおり、32ビットで構成される。また、第2のアクセス情報16は、図9に示すように、マスタデバイス1が、前述のような記憶装置で構成されるスレーブデバイス4に書き込むべきデータ(又は、マスタデバイス1がスレーブデバイス4から読み出したデータ)からなり、32ビットで構成される。
【0040】
以下、このマスタスレーブ装置(図8参照)の動作の一例を、図10に示すタイムチャートを参照して説明する。図10には、このマスタスレーブ装置の内部のクロック、並びにマスタデバイス11 〜13 の送受信信号が示されている。
図10において、送受信制御部131 は、マスタデバイス11 の内部で第1のアクセス情報1511が発生すると、この送信すべき当該第1のアクセス情報1511の送信制御を実行する。そして、送信制御部131 は、上述のクロックに従う時間t1 に、今回発生した第1のアクセス情報1511をシステムバス141 のバス1412に送出する。この第1のアクセス情報1511は、スレーブデバイスに対してデータを書き込むか読み出すかを通知するための1ビット情報であるアクセスRead/Write (図9参照)として「write」を、またアクセスアドレス(図9参照)として「スレーブデバイス41 の所定のアドレス」等を含んでいる。また、マスタデバイス12 及び13 の送受信制御部132 及び133 は、同様の送信制御を実行して、同じ時間t1 に、同様の第1のアクセス情報1521及び1531を、バス1422及び1432に送出する。この第1のアクセス情報1521及び1531は、双方共にアクセスRead/Write として「Write」を、そしてアクセスアドレスとして「スレーブデバイス42 中の所定のアドレス」及び「スレーブデバイス43 中の所定のアドレス」等を含んでいる。
【0041】
これら第1のアクセス情報1511、1521及び1531は、バス1412、1422及び1432を伝送され、アクセス仲裁部21 、22 及び23 にそれぞれ入力される。各アクセス仲裁部2は、入力された各第1のアクセス情報15が含むアクセスアドレスに基づいて、受信すべき第1のアクセス情報15のみを受信する。例えば、アクセス仲裁部21 は、自身の後段に接続されているスレーブデバイス41 の全アドレスを予め把握しており、入力された各第1のアクセス情報15の内、該当するアクセスアドレスを含む第1のアクセス情報1511のみを受信し、その他の第1のアクセス要求1521及び1531を受信しない。なお、アクセス仲裁部21 は、スレーブデバイス41 向けの第1のアクセス情報15が複数同時に入力された場合にも、単一の第1のアクセス情報15のみを受信する。他のアクセス仲裁部2も同様に単一の第1のアクセス情報15のみを受信する。アクセス仲裁部21 は、このような受信処理の後、アクセス許可811を第1の制御信号線511に時間t2 に送出し、当該マスタデバイス11 に送信する。
同様に、アクセス仲裁部22 は、スレーブデバイス42 向けの第1のアクセス要求1521のみを受信した後、スレーブデバイス42 へのアクセス許可822を第1の制御信号線522に時間t2 に送出し、当該マスタデバイス12 に送信する。また、アクセス仲裁部23 は、受信した第1のアクセス情報1531に応答して、アクセス許可833を第1の制御信号線533に時間t2 に送出し、マスタデバイス13 に送信する。
【0042】
マスタデバイス11 では、第1のアクセス情報1511を生成直後に、スレーブデバイス41 へデータを書き込む場合には、第2のアクセス情報1611を生成する。この場合、送受信制御部131 は、上述した第1のアクセス情報1511内の「Write」 に基づいて送信制御を実行し続け(「Read」の場合には受信制御に切り替え)、生成された第2のアクセス情報1611を、受信したアクセス許可811に応答して、時間t3 にバス1412に送出する。この第2のアクセス情報1611は、バス1412を介してアクセス仲裁部21 によって受信される。スレーブ制御部31 は、アクセス制御部21 によって受け渡される書き込みデータからなる第2のアクセス情報1611を、前述のような記憶装置等からなるスレーブデバイス41 に書き込む。
【0043】
マスタデバイス11 は、今回のスレーブデバイス41 へのアクセスは時間t4 に終了するが、当該アクセスが終了する1クロック前の時間にアクセス終了フラグ171 をアクセス終了フラグ用信号線1411を送出して、スレーブデバイス41 にその旨を通知する。このアクセス終了フラグ171 は、「High」又は「Low 」の2値で表現されており、マスタデバイス11 がアクセスの終了を通知するために、その時のみ「Low 」に設定される。また、アクセス仲裁部21 は、アクセス許可811を時間t2 以降継続的に出力しているが、アクセス終了フラグ171 に応答して、その送出を停止する。
他のマスタデバイス12 対スレーブデバイス42 及びマスタデバイス13 対スレーブデバイス43 の今回の通信は、上述のマスタデバイス11 対スレーブデバイス41 の通信と同様に行われるため、その説明を省略する。
【0044】
以上説明したように、クロスバースイッチの形態を有するシステムバスを備えるマスタスレーブ装置では、マスタデバイス1対スレーブデバイス4の通信に用いられるアクセス要求(第1のアクセス情報15)及び当該アクセス要求に基づいて伝送されるべきデータ(第2のアクセス情報16)が同一のバス上を伝送されるので、上述したように信号線の本数を少なくすることができる。さらに、各マスタデバイス1及び各アクセス仲裁部2は、第1の実施形態等と異なり、アクセスバスとデータバスとを明確に区別する必要が無くなるため、回路構成を簡素化できるようにもなる。これによって、このマスタスレーブ装置の構成を簡素化することができ、そしてその動作を容易に解析できる。
【0045】
次に、図11は、本発明の第4の実施形態に係るマスタスレーブ装置の構成を示すブロック図である。図11に示すマスタスレーブ装置は、大略的には、図8に示すものと同様であるため、相当する構成については同一の参照番号を付すが、以下に説明する点で図1に示すものと相違する。相違点は、アクセス仲裁部21 〜23 が、後述するようなアクセス履歴格納部181 〜183 を含んでいる点である。以下、この相違点を中心に、このマスタスレーブ装置(図11参照)の動作の一例を、図12に示すタイムチャートを参照して以下説明する。
【0046】
図12において、送受信制御部131 は、第3の実施形態において説明したようにして、第1のアクセス情報1511の発生に応答して送信制御を実行し、上述のクロックに従う時間t1 に、当該第1のアクセス情報1511をバス1412に送出する。この第1のアクセス情報1511はスレーブデバイス41 へのアクセス要求とする。また、送受信制御部132 は、同様の送信制御を実行して、同じ時間t1 に、同様の第1のアクセス情報1531をバス1432に送出する。この第1のアクセス情報1531は、スレーブデバイス43 へのアクセス要求とする。
【0047】
これら第1のアクセス情報1511及び1531は、バス1412及び1432を伝送され、アクセス仲裁部21 、22 及び23 にそれぞれ入力される。アクセス仲裁部21 は、第3の実施形態において説明したようにして、第1のアクセス情報1511のみを受信し、第1のアクセス情報1531を受信しない。アクセス仲裁部23 も同様である。さらに、アクセス仲裁部2は、同時に同じスレーブデバイス4向けの第1のアクセス情報(アクセス要求)を入力した時に実行する仲裁処理のために、受信した第1のアクセス情報15からアクセスアドレスを取り出して、アクセス履歴格納部18に格納する。アクセス仲裁部21 は、この後、アクセス許可811を第1の制御信号線511に時間t2 に送出し、当該マスタデバイス11 に送信する。同様に、アクセス仲裁部23 は、受信した第1のアクセス情報1531に応答して、アクセス許可833を第1の制御信号線533に時間t2 に送出し、マスタデバイス13 に送信する。これによって、マスタデバイス1対スレーブデバイス4の一連の通信が開始されるが、それらについては、第3の実施形態より明らかであるため、その説明を省略する。
【0048】
ところで、図12を参照すれば明らかなように、送受信制御部131 及び132 は、同一のスレーブデバイス41 に向けて第1のアクセス情報1512及び1522(アクセス要求)を時間t4 にアクセス仲裁部21 に送信している。アクセス仲裁部21 は、同一スレーブデバイス21 向けの第1のアクセス情報1512及び1522を同時に入力された場合には、アクセス許可8を送出すべき(アクセス許可すべき)マスタデバイス1を決定する。
【0049】
さらに、ここで、スレーブデバイス41 は、前回のアクセスされた行アドレスと、今回アクセスされる行アドレスとが同一であれば、両者が同一でない場合よりも高速なアクセスを実現できるDRAM等で構成されている。つまり、前回と今回との間に存在するアクセスアドレスの相関性によりアクセス速度に差異が発生するような記憶装置であるとする。
【0050】
アクセス仲裁部21 は、最初にアクセス履歴格納部181 を参照して、前回アクセスされた行アドレスを取り出した後、時間t4 において入力している第1のアクセス情報1512及び1522のアクセスアドレスから行アドレスを取り出す。次に、アクセス仲裁部21 は、現在取り出した2つの行アドレスの内、前回アクセスされた行アドレスを基準に相関性の高い行アドレスを選択し、当該選択した行アドレスを含んでいる第1のアドレス情報15を送出したマスタデバイス1にアクセス許可8を送信する。現時点では、アクセス仲裁部21は、マスタデバイス11 をアクセス許可すべきものとして決定し、アクセス許可811を当該マスタデバイス11 に時間t5 に送信する。これによって、マスタデバイス11 対スレーブデバイス41 の一連の通信が開始される。
【0051】
以上説明したように、本実施形態に係るマスタスレーブ装置では、同時に同一のスレーブデバイス4向けのアクセス要求がアクセス仲裁部2に入力された場合には、当該アクセス仲裁部2は、内部のアクセス履歴格納部18を参照して、上述のような仲裁処理を実行し、処理効率が高くなるようにスレーブデバイス4へのアクセスを制御する。これにより、マスタスレーブ装置の性能を向上させることができる。
【0052】
なお、本実施形態では、スレーブデバイスの一例としてDRAMを採り上げたが、他にも、例えば、一定のアドレス領域へ2回連続してアクセスする際には一定のプリチャージ期間を空けなければならないスレーブデバイスに対しても同様に、前回アクセスされたアドレスを考慮すれば、マスタスレーブ装置の性能を向上させることができる。
【0053】
次に、図13は、本発明の第5の実施形態に係るマスタスレーブ装置の構成を示すブロック図である。図13に示すマスタスレーブ装置は、大略的には、図8に示すものと同様であるため、相当する構成については同一の参照番号を付すが、以下に説明する点で図8に示すものと相違する。相違点は、アクセス仲裁部21 〜23 が、後述するような待ち時間通知部191 及び192 を含んでおり、当該待ち時間通知部191 及び192 は、第3の制御信号線201 及び202 によって、送受信制御部131 及び132 の両方と通信可能に接続される点である。なお、図13には、マスタデバイス1及びスレーブデバイス2等は2個ずつ示されているが、これは説明及び図示の明確化のためである。
【0054】
図13において、2個のマスタデバイスの内、マスタデバイス11 は、内部で同時に複数のアクセス要求(第1のアクセス情報)を発生させることができるが、システムバス14に対しては単一のアクセス要求しか送出できないインタフェースを有するデバイスであるとする。例えば、命令用キャッシュとデータ用キャッシュとを分離させて搭載し、それぞれのキャッシュに個別的にアクセスが可能なアーキテクチャを採用するCPU等がマスタデバイス11 に該当する。
また、待ち時間通知部191 及び192 は、ダウンカウンタ等で構成されており、当該ダウンカウンタのカウント値を後述するような待ち時間情報211 及び212 として送出することにより、自身が設置されているアクセス仲裁部21 及び22 がアクセス可能な状態になるまでの待ち時間を各マスタデバイス1に通知する。以下、上述した相違点を中心に、このマスタスレーブ装置(図13参照)の処理の一例を、図14に示すタイムチャートを参照して以下説明する。
【0055】
まず、待ち時間通知部191 及び192 は、自身が設置されているアクセス仲裁部21 及び22 が、ビジー状態ではない場合には、図14に示すように待ち時間情報211 及び212 としてカウント値「0」を第3の制御信号線201 及び202 に送出する。このカウント値「0」の通信終了情報211 及び212 は、送受信制御部131 及び132 によりそれぞれ受信される。
【0056】
マスタデバイス11 内では、クロックに従う時間t1 に、スレーブデバイス41 への第1のアクセス情報1511が発生する。送受信制御部131 はまず、スレーブデバイス41 がビジー状態か否かを、受信中の待ち時間情報211 が「0」か否かにより判断する。送受信制御部131 は、時間t1 に受信中の待ち時間情報211 が「0」であるので、この第1のアクセス要求1511を時間t1 にバス1412に送出する。
この第1のアクセス情報1511は、バス1412を伝送され、アクセス仲裁部21 及び22 に入力され、第3の実施形態で説明した受信処理により、アクセス仲裁部21 のみで受信される。この受信処理の過程において、アクセス仲裁部21 は、待ち時間通知部191 の初期値(本実施形態では初期値は「4」)を設定すると共に、アクセス許可811を第1の制御信号線511に時間t2 に送出し、当該マスタデバイス11 に送信する。また、待ち時間通知部191 は、初期値が設定された時間t2 を基準として1クロック時間毎に「1」ずつカウントダウンし、このカウント値を待ち時間情報211 として第3の制御信号線201 に送出する。このように、本実施形態では、待ち時間情報21は、大きな値であるほど、上述の待ち時間が長いことを示す。
アクセス許可811の送信により開始されたマスタデバイス11 対スレーブデバイス41 の一連の通信は、第3の実施形態から明らかであるので、その説明を省略するが、時間t4 に終了する。
【0057】
また、マスタデバイス11 内では、クロックに従う時間t2 に、スレーブデバイス42 への第1のアクセス情報1512が発生する。送受信制御部131 は、このときバス1412に信号を送出しており、自分自身がビジー状態であるので、新たに発生した第1のアクセス情報1512に対する送受信処理を実行せず、当該第1のアクセス情報1512を保留する。
【0058】
一方、マスタデバイス12 内では、時間t3 に、スレーブデバイス42 への第1のアクセス情報1521が発生する。送受信制御部132 は、上述の送受信制御部131 と同様の送受信制御を実行し、時間t3 に受信中の待ち時間情報212 が「0」であるので、この第1のアクセス要求1521を時間t3 にバス1422に送出する。
この第1のアクセス情報1521は、バス1422を伝送され、アクセス仲裁部22 のみで受信される。アクセス仲裁部22 は、上述のアクセス仲裁部21 と同様にして、待ち時間通知部192 の初期値(本実施形態では初期値は「5」)を設定すると共に、アクセス許可822を第1の制御信号線522に時間t4 に送出し、当該マスタデバイス12 に送信する。また、待ち時間通知部192 は、待ち時間通知部191 と同様に、時間t4 から「1」ずつカウントダウンし、待ち時間情報212 を第3の制御信号線202 に送出する。
また、アクセス許可822により開始されるマスタデバイス12 対スレーブデバイス42 の一連の通信は、第3の実施形態から明らかであるので、その説明を省略するが、時間t5 に終了する。
【0059】
上述したように、マスタデバイス11 対スレーブデバイス41 の一連の通信は時間t4 に終了するが、マスタデバイス11 内では、時間t4 に、スレーブデバイス41 への新たな第1のアクセス情報1513が発生する。その一方で、時間t4 では、第1のアクセス情報1512は、未だ送出を保留された状態にある。このように、マスタデバイス11 内に同時に複数のアクセス要求(第1のアクセス情報15)が存在する場合には、送受信制御部131 は、待ち時間情報21を参照していずれか1つのアクセス要求を選択してバス1412上に送出する。つまり、送受信制御部131 は、時間t4 では、「0」を示す待ち時間情報211 及び「4」を示す待ち時間情報212 を受信するので、スレーブデバイス21 がビジー状態ではないこと及びスレーブデバイス22 がビジー状態であることを認識する。そのため、送受信制御部131 は、現在ビジー状態でないスレーブデバイス21 にアクセスするために、この第1のアクセス要求1513を時間t4 にバス1412に送出する。以降の処理については、上述より明らかであるため、その説明を省略する。
【0060】
以上説明したように、マスタデバイス1内で複数のアクセス要求が発生した場合、送受信制御部13は、待ち時間情報21を参照して、アクセスのための待ち時間が短いスレーブデバイス4へのアクセス要求を送信することができる。このように、本実施形態に係る通信システムでは、各マスタデバイス1は、待ち時間情報21を参照して、第1のアクセス情報15を送出するため、これにより、マスタスレーブ装置の性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るクロスバースイッチを適用したマスタスレーブ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すマスタスレーブ装置の通常動作モード下における動作の一例を示すタイムチャートである。
【図3】図1に示すマスタスレーブ装置の解析モード下における動作の一例を示すタイムチャートである。
【図4】図1に示すマスタスレーブ装置の通常動作モード下、及び解析モード下において、制御部9が送出する制御信号である許可/不許可11を説明するための図である。
【図5】図1に示すマスタスレーブ装置の通常動作モード下、及び解析モード下における状態遷移図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るクロスバースイッチを適用したマスタスレーブ装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示すマスタスレーブ装置の解析モード下における動作の一例を示すタイムチャートである。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るクロスバースイッチを適用したマスタスレーブ装置の構成を示すブロック図である。
【図9】図8に示す第1及び第2のアクセス情報15及び16に含まれる情報の内容を説明するための図である。
【図10】図8に示すマスタスレーブ装置の動作の一例を示すタイムチャートである。
【図11】本発明の第4の実施形態に係るクロスバースイッチを適用したマスタスレーブ装置の構成を示すブロック図である。
【図12】図11に示すマスタスレーブ装置の動作の一例を示すタイムチャートである。
【図13】本発明の第5の実施形態に係るクロスバースイッチを適用したマスタスレーブ装置の構成を示すブロック図である。
【図14】図13に示すマスタスレーブ装置の動作の一例を示すタイムチャートである。
【図15】クロスバースイッチの形態を有するシステムバスを備える従来のマスタスレーブ装置を示すブロック図である。
【図16】図15に示すマスタスレーブ装置の処理の一例を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1…マスタデバイス
13…送受信制御部
2…アクセス仲裁部
18…アクセス履歴格納部
19…待ち時間通知部
3…スレーブ制御部
4…スレーブデバイス
5…第1の制御信号線
6,14…システムバス
9…制御部
10…第2の制御信号線
12…インターフェイス部

Claims (5)

  1. 複数のマスタデバイスが複数のスレーブデバイスに対してアクセスするマスタスレーブ装置であって、
    クロスバースイッチの形態を有しており、各前記マスタデバイスと各前記スレーブデバイスとの間を、任意の組み合わせで通信可能なように接続するシステムバスと、
    前記システムバスを制御するバス制御手段とを備え、
    前記バス制御手段は、
    第1のモードである通常の動作時には、各前記マスタデバイスがそれぞれ互いに異なるスレーブデバイスへ同時にアクセスできるように前記システムバスを制御し、
    前記第1のモードから切り替えられることにより実行される第2のモードにおいては、選択された単一のマスタデバイスが選択された単一のスレーブデバイスにアクセスするための1つの通信路のみが確立されるように前記システムバスを制御することを特徴とする、マスタスレーブ装置。
  2. 前記第2のモードにおいて、前記選択された単一のマスタデバイスが前記選択された単一のスレーブデバイスにアクセスしている際に、前記システムバス上の伝送信号を入力し、当該入力した伝送信号を外部に送信するインターフェイス部をさらに備える、マスタスレーブ装置。
  3. 複数のマスタデバイスが複数のスレーブデバイスに対してアクセスするために、クロスバースイッチの形態を有しており、かつ各前記マスタデバイスと各前記スレーブデバイスとの間を任意の組み合わせで通信可能に接続するシステムバスを含むマスタスレーブ装置であって、
    各前記マスタデバイス毎に設けられており、アクセスすべき前記スレーブデバイスに向けてアクセスの要求を前記システムバスに送出する複数の送受信制御手段と、
    各前記スレーブデバイス毎に設けられており、前記システムバスを介して入力される各前記アクセス要求に対して所定の仲裁処理を実行することにより、前記スレーブデバイスへのアクセスを許可すべき単一のマスタデバイスのみを選択する複数の仲裁手段とを備えており、
    各前記マスタデバイスの送受信制御部は、前記仲裁手段によってアクセスを許可された場合に限り、前記システムバスを介して該当する前記スレーブデバイスとの間でデータの通信を行い、
    少なくとも前記アクセスの要求と前記データとは、前記システムバスにおいて同一の通信路上を伝送されることを特徴とする、マスタスレーブ装置。
  4. 各前記アクセス仲裁部は、入力される各前記アクセス要求に対して前記所定の仲裁処理を実行することにより、前記スレーブデバイスへ短時間でアクセスできる単一のマスタデバイスを選択することを特徴とする、請求項3に記載のマスタスレーブ装置。
  5. 各前記スレーブデバイスがアクセス可能な状態になるまでの待ち時間を各前記マスタデバイスの送受信制御部に通知する複数の待ち時間通知部が接続されており、
    各前記マスタデバイスの送受信制御部は、各前記待ち時間通知部により通知された前記待ち時間を参照して、前記アクセスの要求を前記システムバスに送出することを特徴とする、請求項3に記載のマスタスレーブ装置。
JP34977497A 1997-12-18 1997-12-18 マスタスレーブ装置 Expired - Fee Related JP3852882B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34977497A JP3852882B2 (ja) 1997-12-18 1997-12-18 マスタスレーブ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34977497A JP3852882B2 (ja) 1997-12-18 1997-12-18 マスタスレーブ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11184827A JPH11184827A (ja) 1999-07-09
JP3852882B2 true JP3852882B2 (ja) 2006-12-06

Family

ID=18406030

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34977497A Expired - Fee Related JP3852882B2 (ja) 1997-12-18 1997-12-18 マスタスレーブ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3852882B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101034494B1 (ko) * 2004-02-11 2011-05-17 삼성전자주식회사 개방형 코어 프로토콜을 기반으로 하는 버스 시스템
CN1297921C (zh) * 2004-03-09 2007-01-31 北京中星微电子有限公司 一种二级总线设备
CN100365602C (zh) * 2004-12-31 2008-01-30 北京中星微电子有限公司 实现多个主动装置对单一总线上从动装置进行存取的设备

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11184827A (ja) 1999-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4139771B2 (ja) キャッシュメモリバーストサイクル中にバスアービトレーションを制御するためのシステム及び方法
US7162556B2 (en) Matrix type bus connection system and power reduction method therefor
JPH06261052A (ja) 共用バスのフロー制御装置
JPH0650493B2 (ja) データ処理装置
JPH04268938A (ja) データ処理装置およびメモリコントローラ
US20040225760A1 (en) Method and apparatus for transferring data at high speed using direct memory access in multi-processor environments
JPH10143467A (ja) データ処理システムにおいてバス所有権を調停するための方法および装置
US6323755B1 (en) Dynamic bus locking in a cross bar switch
JP3852882B2 (ja) マスタスレーブ装置
KR100757791B1 (ko) 공유 자원 중재 프로토콜 방법 및 중재기
JPS59148952A (ja) 優先順位回路
JP2005505858A (ja) 通信バスを持つコンピュータシステム
JPS5852264B2 (ja) マルチユニツト・システム
JP2020204877A (ja) 半導体装置及びその動作方法
JPH0689257A (ja) バスブリッジの調停装置
KR100737904B1 (ko) 마스터/슬레이브 디바이스간의 인터페이스 장치 및 그 방법
JPH05274141A (ja) プログラムローディング方式
JPH10116225A (ja) アドレス変換回路及びマルチプロセッサシステム
KR20060039719A (ko) 시스템 버스 성능 개선을 위한 상호접속 장치
JP2000076199A (ja) デバッグ端子を有するマルチプロセッサ装置
JPH0673099B2 (ja) ファイル装置の占有制御方式
JP2001167049A (ja) バス調停装置
JPH1055341A (ja) バスインタフェース制御方式
CN113625942A (zh) 半导体器件
CN118734304A (zh) 集成电路的安全资源访问方法、装置及电子设备

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041102

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060831

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060904

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060904

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090915

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100915

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees