JP3852828B2 - トルクセンサの中点設定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトルクセンサの中点設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図9に示すように、車両の電動パワーステリング装置に用いられ得るトルクセンサが知られている(特開2000−283863号公報)。このトルクセンサでは、トーションバー90が軸方向に延在されており、このトーションバー90の上端にはトーションバー90と同軸をなす中空の入力軸91がピン96により連結されている。この入力軸91の上部には図示しない車両の操舵ハンドルが連結され得る。
【0003】
また、トーションバー90の下端にはトーションバー90及び入力軸91と同軸をなす一部中空の出力軸92がスプライン嵌合及び圧入により連結され、出力軸92の下部にはピニオン92aが一体に形成されている。
【0004】
これら入力軸91及び出力軸92の外周にはベアリング95a、95bを介してアッパーハウジング93及びアンダーハウジング94が設けられており、アンダーハウジング94内には出力軸92のピニオン92aと噛合するラックバー81が保持されている。このラックバー81には操舵力をアシストする図示しないモータが設けられる。
【0005】
アッパーハウジング93内では、磁性材料からなる第1センサリング97が入力軸91に固定されている。また、磁性材料からなる第2センサリング98が出力軸92に固定されている。さらに、第1、2センサリング97、98に外周側から対面するコイル99が固定されている。また、このコイル99を囲包し、第1、2センサリング97、98とともに磁気回路を形成すべく、ガイド85及びスペーサ86が固定されている。第1、2センサリング97、98、コイル99、ガイド85及びスペーサ86がトーションバー90に作用するねじれに基づくトルク信号を検出する検出部である。かかる構成のトルクセンサ本体はコイル99がインターフェース回路(以下、I/F回路という。)80に接続され、かつI/F回路80が図示しないECUに接続されてトルクセンサとされる。I/F回路80及びECUが制御部である。
【0006】
このトルクセンサでは、車両の操舵ハンドルの操作により、入力軸91にトルクが伝わると、トーションバー90がねじれることにより、入力軸91と出力軸92との間で相対変位を生じる。これにより、第1、2センサリング97、98の対面面積が変化し、コイル99のインダクタンスが変化する。このインダクタンスの変化による出力信号は、I/F回路80を介しトルク信号としてECUに入力される。このため、このトルクセンサが採用された電動パワーステアリング装置においては、トルクに応じた操舵力がモータによりラックバー81にアシストされることとなる。
【0007】
ここで、このトルクセンサでは、図10に示すように、横軸にトルク(Nm)、縦軸にトルク信号T(V)をとれば、トルク信号Tは付加されたトルクに比例する。横軸は、中央がトーションバー90にねじれが作用しない、すなわちトルクがゼロである機械的な中点O(以下「中点O」と省略)を表し、左方向が操舵ハンドルを左に切った左方向トルク、右方向が操舵ハンドルを右に切った右方向トルクを表す。また、Aは操舵ハンドルを左エンド(トーションバー90の最大許容左ねじれ角の位置)まで切った左方向最大トルクを表し、Dは操舵ハンドルを右エンド(トーションバー90の最大許容右ねじれ角の位置)まで切った右方向最大トルクを表す。さらに、B及びCは、トルクとトルク信号Tとが比例する比例限界トルクを表す。したがって、トルク信号Tは、AB間で最小のトルク信号T1、CD間で最大のトルク信号T3となる。また、BC間では、トルクとトルク信号Tとは比例し、中点Oにおいてトルク信号T2となる。このS1が理想特性を示すトルクセンサのトルク信号直線である。このトルク信号直線S1を有するトルクセンサでは、左方向トルクと右方向トルクとの大きさが同じであれば、ECUに入力されるトルク信号TのT2からの偏差(絶対値)の大きさも同じである。そして、ECUはトルク信号TのT2からの偏差(絶対値)に基いて操舵力をアシストするモータを制御する。
【0008】
しかしながら、図11に示すように、トルクセンサは、組み付けのバラツキにより、中点Oにおけるトルク信号TがT2からT4にシフトして、トルク信号直線がS2のようになることがある。トルク信号直線S2においては、比例限界トルクがB、CからB1、C1にシフトしている。また、中点Oを示すトルク信号T2に対応するトルクがOからO1にシフトしている。したがって、このままでは、ECUはトーションバー90に左方向トルクO1が加わわっているにもかかわらず、その位置を中点Oと判断してしまうため、検出精度が左右でアンバランスを生じてしまう。こうしたトルクセンサを車両の電動パワーステアリング装置に用いれば、左右のアシストのバランスが崩れてしまう。
【0009】
このような場合を考慮して、トルクセンサでは、組み付け完成後、次のような手順で中点設定を行っている。まず、トーションバー90にねじれが作用しない状態にして、この状態を中点Oとする。そして、中点Oにおけるトルク信号T4を読み取り、トルク信号T2からのオフセット値(T4−T2)をECUのメモリに書き込む。
【0010】
このようにして、中点設定がなされたトルクセンサでは、ECUに入力されたトルク信号Tがオフセット値(T4−T2)を参照して補正された後、モータへの出力信号とされる。こうしたトルクセンサを車両の電動パワーステアリング装置に用いれば、ある程度バランスよく、左右のアシストを行なうことができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のトルクセンサの中点設定方法では、トーションバー90の残留ねじれが考慮されていないため、使用中、折角設定した中点Oにおけるトルク信号Tがシフトしてしまう虞がある。
【0012】
具体的に説明すると、組み付け直後のトルクセンサは、たとえ図9に示すトーションバー90自体にねじれが作用しない状態で組み付けを行なったとしても、ベアリング95a、95b等の回転抵抗により、トーションバー90にはねじれが残留してしまうことがある。つまり、トーションバー90にねじれが残留した状態、換言すればトーションバー90が完全に自由状態(中立状態)になっていない状態でのトルク信号を中点として設定してしまうことがある。そのようにして、図12に示すトルク信号T5(またはT6)を中点Oとして設定した場合のトルク信号直線はS3(またはS4)となり、トルク信号T5(またはT6)を出力している状態が、操舵ハンドルに操舵トルクが作用していない状態として認識される。これに対して、S5が使用によってトーションバー90の残留ねじれが開放された後のトルク信号直線、すなわち、真のトルク信号直線であり、トルク信号T7が真の中点でのトルク信号である。
【0013】
そのため、トルク信号T5に基づいて中点設定をしたのでは、使用中にトーションバー90の残留ねじれが開放され、中点Oにおけるトルク信号TがT5からT7にシフトする。つまり、トーションバー90の残留ねじれが開放され、トルクセンサが真の中点にあるにもかかわらず、このときのトルク信号T7は、前記のようにトルク信号T5を中点でのトルク信号として設定した状況下では、左トルクO3が作用しているものとしてECUに認識されてしまう。また、トルク信号T6に基いて中点設定した場合も同様に、真の中点でのトルク信号T7は、右トルクO2が作用しているものとしてECUに認識されてしまう。こうして、これらのトルクセンサでは、検出精度が使用中に左右でアンバランスを生じてしまう。この場合、電動パワーステアリング装置としては、左右のアシストにアンバランスを生じることとなってしまう。
【0014】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、検出精度が使用中に左右でアンバランスを生じ難いトルクセンサを提供することを解決すべき課題としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のトルクセンサの中点設定方法は、軸方向に延在するトーションバーと、該トーションバーの一端に連結され、該トーションバーと同軸をなす入力軸と、該トーションバーの他端に連結され、該トーションバー及び該入力軸と同軸をなす出力軸と、該入力軸と該出力軸との間に設けられ、該トーションバーに作用するねじれに基づくトルク信号を検出する検出部と、該検出部と接続された制御部とからなるトルクセンサを用い、該ねじれのない該トルク信号の中点を該制御部に設定するトルクセンサの中点設定方法であって、前記入力軸及び前記出力軸を相対回転させる力を加えることにより前記トーションバーに前記ねじれを生じさせ、この加えた力を開放することにより該トーションバーに残留する該ねじれを開放する残留ねじれ開放工程と、該残留ねじれ開放工程後、前記制御部に前記中点を設定する中点設定工程とからなることを特徴とする。
【0016】
本発明の中点設定方法では、組み付け後のトルクセンサに対し、残留ねじれ開放工程によりトーションバーに残留するねじれを開放するため、トルク信号直線のヒステリシスをほとんど除去することができる。これにより、トルクとトルク信号とがほぼ一対一に対応し、中点におけるトルク信号もほぼ一定となる。そして、残留ねじれ開放工程後の中点設定工程において制御部に中点を設定するため、中点におけるトルク信号のシフトを防止することができる。
【0017】
したがって、本発明の中点設定方法によれば、検出精度が使用中に左右でアンバランスを生じ難いトルクセンサを得ることができる。こうして得られたトルクセンサを車両の電動パワーステアリング装置に用いれば、使用中において、左右のアシストがバランス良く行なわれることとなる。
【0018】
残留ねじれ開放工程は、一方向への相対回転及び開放を行う第1工程と、逆方向への相対回転及び開放を行う第2工程とからなることが好ましい。これにより、より確実にトルク信号直線のヒステリシスを除去することができる。
【0019】
残留ねじれ開放工程において、入力軸及び出力軸を相対回転させる際、予め設定されているトーションバーの最大許容ねじれ角まで相対回転させることが好ましい。これにより、確実にトルク信号直線のヒステリシスを除去することができる。入力軸及び出力軸を相対回転させるに際し、入力軸と出力軸との間には、それらの相対回転を規制する規制部が設けられている。この規制部により、トーションバーのねじれを最大許容ねじれ角内に抑えることができ、入力軸と出力軸とが必要以上に相対回転することを防止することができる。このため、残留ねじれ開放工程を行なう際にも、入力軸及び出力軸を過剰に相対回転させることがなく、中点設定時に欠陥品を生じることを防止できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面を参照しつつ説明する。なお、実施形態のトルクセンサの主な機械的構成は、図9のものと同様であり、図9に示した従来の機械的構成と同一の構成については同一の符号を用いることとし、その説明を省略する。
【0021】
本実施形態のトルクセンサの中点設定方法では、図1に示すように、トルクセンサが車両組み付け前の電動パワーステアリング装置に組み付けられた状態で中点の設定が行われる。
【0022】
トルクセンサは、入力軸91、出力軸92、アッパーハウジング93、アンダーハウジング94、ECU19及びコネクタ5、18を有している。また、このトルクセンサでは、図2に示すように、入力軸91と出力軸92との間に、規制部としてのマニュアルストッパ10が設けられている。このマニュアルストッパ10では、出力軸92に軸直角方向の断面形状が十文字の凹部92aが凹設され、入力軸91には凹部92aよりやや小径をなす軸直角方向の断面形状が十文字の凸部91aが形成されている。これにより、凸部91aは、トーションバー90を中心とし、凹部92a内を予め設定したトーションバー90の最大許容ねじれ角(約±6度)の範囲で回動可能にされている。なお、トーションバー90の上部は入力軸91に固定され、トーションバー90の下部は出力軸92に固定されている。
【0023】
このトルクセンサは、図1に示すように、電動パワーステアリング装置に組み付けられている。この電動パワーステアリング装置では、アッパーハウジング93にハウジングチューブ1が固定されている。また、ハウジングチューブ1内において、入力軸91がアッパーシャフト2と固定されている。アッパーシャフト2は図示しないベアリングによりハウジングチューブ1内で回転可能とされ、アッパーシャフト2の回転が入力軸91に伝達されるようになっている。さらに、ハウジングチューブ1には、電動パワーステアリング装置を車体に固定するためのアッパーブラケット3が設けられている。一方、出力軸92は、ロアシャフト5に固定され、出力軸92の回転がロアシャフト5に伝達されるようになっている。また、アッパーハウジング93及びアンダーハウジング94には、アッパーブラケット3とともに電動パワーステアリング装置を車体に固定するためのロアブラケット4が設けられている。
【0024】
この電動パワーステアリング装置について、トルクセンサの中点設定のための準備が行われる。まず、ロアブラケット4を治具11に固定することにより、電動パワーステアリング装置が垂直に固定される。また、ロアシャフト5が治具12によりクランプされ、その回転が規制される。さらに、電源16、電圧計15及び負荷14の接続されたコネクタ13がコネクタ5に接続される。そして、アッパーシャフト2の上端にT字バー17が取り付けられる。
【0025】
以上のように準備された電動パワーステアリング装置において、まず残留ねじれ開放工程が実行される。残留ねじれ開放工程は、第1工程と第2工程とからなる。
【0026】
第1工程においては、図3に示すように、T字バー17を右エンドまで切って、トーションバー90に右方向最大トルクDを加える。この際、マニュアルストッパ10の働きにより、入力軸91と出力軸92とが必要以上に相対回転することを防止することができ、トーションバー90のねじれを一定範囲内に抑えることができる。この状態において、電圧計15にはトルク信号T3が表示される。そして、T字バー17に加えた力を開放し、T字バー17の動きが静止するまで待つ。この際、トルク信号TはT3から矢印のように減少し、T字バー17の動きとともに増減を繰り返して、最終的にT8が電圧計15に表示される。こうして、第1工程が終了する。
【0027】
次に、第2工程において、T字バー17を左エンドまで切って、トーションバー90に左方向最大トルクAを加える。この場合も、マニュアルストッパ10の働きにより、トーションバー90のねじれを一定範囲内に抑えることができる。この状態において、電圧計15にはトルク信号T1が表示される。そして、T字バー17に加えた力を開放し、T字バー17の動きが静止するまで待つ。この際、トルク信号TはT1から矢印のように増加して、T字バー17の動きとともに増減を繰り返して、最終的にT9が電圧計15に表示される。こうして、第2工程が終了し、残留ねじれ開放工程が終了する。
【0028】
この残留ねじれ工程が終了すると、図4に示すように、トルク信号直線はS6のようになり、中点Oにおけるトルク信号TはT9となる。なお、トルク信号直線S1は、図10にも示す理想特性のトルク信号直線であり、中点Oにおけるトルク信号TはT2である。
【0029】
残留ねじれ開放工程後、中点設定工程が実行される。中点設定工程においては、電圧計15に表示されたトルク信号T8とT9との値が一定値(0.008V)以下であることを確認し、図1に示すコネクタ5をコネクタ13からコネクタ18に切り替える。そして、図4に示す中点Oにおけるトルク信号T9が読み取られ、トルク信号T2からのオフセット値(T9−T2)がECU19のメモリに書き込まれる。こうして、トルクセンサの中点設定が終了する。
【0030】
この中点設定方法では、組み付け後のトルクセンサに対し、残留ねじれ開放工程によりトーションバー90に残留するねじれを開放するため、トルク信号直線のヒステリシスをほとんど除去することができる。特に、残留ねじれ開放工程は、右方向への相対回転及び開放を行う第1工程と、左方向への相対回転及び開放を行う第2工程とからなるため、より確実にトルク信号直線のヒステリシスを除去することができる。こうして、トルクとトルク信号Tとがほぼ一対一に対応し、中点Oにおけるトルク信号T9もほぼ一定となる。そして、残留ねじれ開放工程後の中点設定工程において、トルク信号T2からのオフセット値(T9−T2)としてECU19のメモリに中点Oを設定するため、中点Oにおけるトルク信号T9のシフトを防止することができる。なお、残留ねじれ開放工程は、この実施形態では第1、2工程により左右両方向への相対回転及び開放を行っているが、左右いずれか一方向への相対回転及び開放を行うだけでもよい。
【0031】
したがって、この中点設定方法によれば、検出精度が使用中に左右でアンバランスを生じ難いトルクセンサを得ることができる。そして、このトルクセンサが組み付けられた電動パワーステアリング装置によれば、使用中において、左右のアシストがバランス良く行なわれることとなる。
【0032】
上記の治具11、12、T字バー17等を用いて、残留ねじれの開放方法による中点Oにおけるトルク信号Tのトルク信号T2からのオフセット値のバラツキを調べた。図5は、T字バー17を右エンド又は左エンドまで切って、その後開放した場合のオフセット値のバラツキを表す。これに対して、図6は、T字バー17を右又は左に1度〜2度切って、その後開放した場合のオフセット値のバラツキを表す。
【0033】
ここで、オフセット値のバラツキの要因を考慮すると、中点設定によるオフセット値のバラツキの許容値は±0.01275V(トルクのバラツキの許容値±0.1Nm)であることが望ましい。T字バー17を右エンド又は左エンドまで切った場合、図5に示すように、オフセット値のバラツキは全て許容値の範囲内である。また、T字バー17を右又は左に1度〜2度切った場合、図6に示すように、オフセット値のバラツキの一部が許容値の範囲を超えている。したがって、T字バー17を右エンド又は左エンドまで切った場合の方が、T字バー17を右又は左に1度〜2度切った場合よりも優れていることがわかる。本実施形態の場合、残留ねじれ開放工程は、右方向への相対回転及び開放を行う第1工程と、左方向への相対回転及び開放を行う第2工程とからなるため、オフセット値のバラツキはさらに小さくなるものと考えられる。ここで、上記中点設定工程における一定値(0.008V)は、図5に示すデータから算出したものである。
【0034】
なお、T字バー17の慣性力の大小がオフセット値のバラツキに影響を与えるか否かについも調べた。すなわち、T字バー17におもりを付けない場合と付けた場合(0.86kgf、1.5kgf)とにおいて、オフセット値のバラツキを比較した。その結果、おもりの有無はオフセット値のバラツキに影響を与えないことが判明した。
【0035】
この電動パワーステアリング装置を実機に搭載した場合の操舵力のアシストについて説明する。図7は、トルクセンサからのトルク信号TとECU19によるモータへの供給電流IMとの関係を示している。ただし、横軸はトルク信号Tをトルクに対応させて表している。この場合、中点O近辺において不感帯(トルクが加わっているにもかかわらず、モータへの供給電流IMがゼロである領域)が設けられているのは、僅かなトルクに対して過剰に操舵力をアシストするのを防止して、安全を確保するためである。また、図8は、モータへの供給電流IMとモータによるアシストトルクTMとの関係を示している。ただし、横軸はモータへの供給電流IMをトルクに対応させて表している。この場合においても、中点O近辺において不感帯が設けられることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のトルクセンサの中点設定方法に係り、中点設定装置の模式図である。
【図2】実施形態のトルクセンサのマニュアルストッパに係り、図1のII−II矢視断面図である。
【図3】実施形態のトルクセンサの中点設定方法に係り、トルク信号直線を表すグラフである。
【図4】実施形態のトルクセンサの中点設定方法に係り、トルク信号直線を表すグラフである。
【図5】T字バーを右エンド又は左エンドまで切った場合の中点におけるトルク信号のオフセット値のバラツキを表すグラフである。
【図6】T字バーを右又は左に1度〜2度切った場合の中点におけるトルク信号のオフセット値のバラツキを表すグラフである。
【図7】トルク信号とモータへの供給電流との関係を表すグラフである。
【図8】モータへの供給電流とアシストトルクとの関係を表すグラフである。
【図9】トルクセンサの縦断面図である。
【図10】理想特性を示すトルクセンサのトルク信号直線を表すグラフである。
【図11】従来のトルクセンサの中点設定方法に係り、トルク信号直線を表すグラフである。
【図12】トルクセンサのトルク信号直線を表すグラフである。
【符号の説明】
90…トーションバー
91…入力軸(入力軸)
92…出力軸(出力軸)
97、98、99、85、86…検出部(97…第1センサリング、98…第2センサリング、99…コイル、85…ガイド、86…スペーサ)
80、19…制御部(80…I/F回路、19…ECU)
10…規制部(マニュアルストッパ)
Claims (3)
- 軸方向に延在するトーションバーと、該トーションバーの一端に連結され、該トーションバーと同軸をなす入力軸と、該トーションバーの他端に連結され、該トーションバー及び該入力軸と同軸をなす出力軸と、該入力軸と該出力軸との間に設けられ、該トーションバーに作用するねじれに基づくトルク信号を検出する検出部と、該検出部と接続された制御部とからなるトルクセンサを用い、該ねじれのない該トルク信号の中点を該制御部に設定するトルクセンサの中点設定方法であって、
前記入力軸及び前記出力軸を相対回転させる力を加えることにより前記トーションバーに前記ねじれを生じさせ、この加えた力を開放することにより該トーションバーに残留する該ねじれを開放する残留ねじれ開放工程と、
該残留ねじれ開放工程後、前記制御部に前記中点を設定する中点設定工程とからなることを特徴とするトルクセンサの中点設定方法。 - 残留ねじれ開放工程は、一方向への相対回転及び開放を行う第1工程と、逆方向への相対回転及び開放を行う第2工程とからなることを特徴とする請求項1記載のトルクセンサの中点設定方法。
- 残留ねじれ開放工程において、入力軸及び出力軸を相対回転させる際、予め設定されているトーションバーの最大許容ねじれ角まで相対回転させることを特徴とする請求項1又は2記載のトルクセンサの中点設定方法。
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