JP3852012B2 - 床置き型空気調和機 - Google Patents
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Description
〈構成〉
〔全体構成〕
本発明の第1実施形態が採用された床置き型空気調和機1の外観の正面図を図1に示す。なお、本実施形態において、「横方向」あるいは「左右」というときは、水平方向のうち図1の正面視における左右方向をいうものとする(実線矢印D1参照)。また、「鉛直方向」或いは「上下」という場合には、図1に示す正面視における上下方向をいうものとする(実線矢印D2参照)。
熱交換器2は、図2および図3に示すように、ケーシング4の内部に収容されており、ケーシング4内に取り込まれた空気との間で熱交換を行う。熱交換器2は、図2に示すように、床置き型空気調和機1の上半分の位置を占め、後述する第1吹出口12および第2吹出口13と同じ高さに配置されている。また、熱交換器2は、図4に示すように、上部が床置き型空気調和機1の後側へ傾斜するように設けられている。なお、図2は、前面パネル43が取り外された床置き型空気調和機1の正面図であり、図3は図1におけるIII−III断面図であり、図4は図1におけるIV−IV断面図である。
ファン3は、ケーシング4の内部に収容されている。ファン3は、室内の空気を後述する吸込み部6(図1参照)からケーシング4内に吸込んだ後、熱交換器2に通し、第1吹出口12と第2吹出口13へと送る。ファン3は、床置き型空気調和機1の正面と平行な面内で回転するように配置された一台のシロッコファンであり、図2に示すように、熱交換器2の下方に設けられる。また、ファン3は、図4に示すように、後述する吸込み部6の近傍に配置される。ファン3は、図2に示すように、ファンケーシング30に収容されている。ファンケーシング30は、ファン3の側面に沿ってファン3の円周の約4分の3を囲む円弧状の側面32を有しており、ファン3の側面に対向するように配置されている。ファンケーシング30は、ファン3の側面の左半分と右側の下半分を囲んでいる。また、ファンケーシング30には、ファンケーシング出口31が設けられている。ファンケーシング出口31は、ファン3から上方の熱交換器2へ向けて空気が出て行く部分であり、ファンケーシング30に囲まれていないファン3の右側の上半分に面する位置に配置されている。ケーシング出口31は、ファン3の回転中心から右方向に偏心して設けられる。なお、ファン3は、図2において左回りに回転して熱交換器2へと空気を送る(図2の白抜き矢印A1及び実線矢印A2参照)。
ケーシング4は、熱交換器2やファン3などを収容する、鉛直方向D2に長い箱状の部材である。ケーシング4は、図3に示すように、背面40の角42が面取りされている。ケーシング4の前面41は、図1に示すように、前面パネル43、窪み部44、傾斜面45を有する形状となっている。また、ケーシング4は、第1吹出口12、第2吹出口13、吸込み部6、第1垂直フラップ部5、第2垂直フラップ部7、第1水平フラップ部8、第2水平フラップ部9を備えている。
第1吹出口12と第2吹出口13は、ケーシング4の前面41の上半分に設けられており、熱交換器2により温度調整された空気が吹出す。なお、送風運転時などには第1吹出口12および第2吹出口13から温度調整されていない空気が吹き出してもよい。
吸込み部6は、室内の空気をケーシング4内へと吸込む部分であり、図1に示すように、ケーシング4の前面41の下半分に設けられている。吸込み部6は、第1吸込み口61、第2吸込み口62および側面吸込み口66,67により構成される。
第1水平フラップ部8は、第1吹出口12から吹き出される空気を案内して鉛直方向D2に吹き分けるための部分である。第1水平フラップ部8は、図5に示すように、複数の第1水平フラップ80、第1フラップ調整機構21、第2フラップ調整機構22および第3フラップ調整機構23を有している。
複数の第1水平フラップ80は、第1吹出口12に鉛直方向D2に並んで配置され、第1吹出口12から吹出す空気を鉛直方向D2に吹き分けるように案内する。本実施形態では、複数の第1水平フラップ80は、第1水平フラップ群G1、第2水平フラップ群G2および第3水平フラップ群G3の3つのグループに分割されており、1つのグループは、5枚の第1水平フラップ80を有している。第1水平フラップ群G1、第2水平フラップ群G2および第3水平フラップ群G3は、それぞれ第1吹出口12の上部S1、中部S2、下部S3に配置されており、鉛直方向D2に並んでいる。第1水平フラップ80は、弾性材により形成された薄い板状の形状を呈しており、概ね水平に配置されている。
第2フラップ調整機構22は、第2水平フラップ群G2に属する複数の第1水平フラップ80の向きを調整可能な機構であり、第2リンク部材82と第2固定部材85とを有する。また、第3フラップ調整機構23は、第3水平フラップ群G3に属する複数の第1水平フラップ80の向きを調整可能な機構であり、第3リンク部材83と第3固定部材86とを有する。第2リンク部材82と第3リンク部材83も第1リンク部材81と同様の構成であるが、各リンク部材81−83は別体であり、個々に独立して移動可能である。なお、第2リンク部材82は第2水平フラップ群G2を連結し、第3リンク部材83は第3水平フラップ群G3を連結している。第2固定部材85は第2水平フラップ群G2に固定され、第3固定部材86は第3水平フラップ群G3に固定されている。
第2水平フラップ部9は、第2吹出口13から吹き出される空気を鉛直方向D2に案内する部分である。第2水平フラップ部9は、複数の第2水平フラップ90、第4フラップ調整機構24、第5フラップ調整機構25、第6フラップ調整機構26を有している。
複数の第2水平フラップ90は、第2吹出口13に鉛直方向D2に並んで配置され、第2吹出口13から吹出す空気を鉛直方向D2に案内する。第2水平フラップ90は、第1水平フラップ80と同様に、第4水平フラップ群G4、第5水平フラップ群G5、第6水平フラップ群G6の3つのグループに分割されている。第4フラップ調整機構24は、第4水平フラップ群G4に属する複数の第2水平フラップ90の向きを調整可能な機構であり、第4リンク部材91と第4固定部材94とを有する。第5フラップ調整機構25は、第5水平フラップ群G5に属する複数の第2水平フラップ90の向きを調整可能な機構であり、第5リンク部材92と第4固定部材95とを有する。また、第6フラップ調整機構26は、第6水平フラップ群G6に属する複数の第2水平フラップ90の向きを調整可能な機構であり、第6リンク部材93と第6固定部材96とを有する。
第4リンク部材91は第4水平フラップ群G4を連結し、第5リンク部材92は第5水平フラップ群G5を連結し、第6リンク部材93は第6水平フラップ群G6を連結している。第2水平フラップ90は、第1水平フラップ80と左右対称に配置されており、第4水平フラップ群G4が第1水平フラップ群G1に対応し、第5水平フラップ群G5が第2水平フラップ群G2に対応し、第6水平フラップ群G6が第3水平フラップ群G3に対応している。また、第2水平フラップ部9の各リンク部材91−93も第1水平フラップ部8の各リンク部材81−83と同様の構成であり、左右対称となっている。固定部材94−96についても同様である。
第1垂直フラップ部5と第2垂直フラップ部7とは、図3に示すように、第1吹出口12と第2吹出口13とから吹出す空気を横方向D1に吹き分けるように案内する部分であり、第1吹出口12と第2吹出口13とにそれぞれ設けられている。
第1垂直フラップ51は、正面視において左側に配置され、第1吹出口12を開閉する。第1垂直フラップ51は、第1吹出口12の外縁とほぼ同一形状であり鉛直方向D2に長い板状を呈する第1板部52と、第1板部52の裏側表面に鉛直方向D2に並んで設けられた複数の第1リブ53とを有している。第1板部52は、開状態において第1吹出口12から吹き出される空気を案内する部材である。第1リブ53は、第1板部52の裏面から略垂直に突出しており、鉛直方向D2に貫通する円形の孔が設けられている。第1板部52の下端近傍に位置する第1リブ53の孔には、ケーシング4に設けられた第1フラップモーター50の駆動軸が挿入されて固定される(図5参照)。また、第1リブ53の他の孔には、第1吹出口12の内部に設けられた複数の突起部14a−14cがそれぞれ嵌合する。第1垂直フラップ51は、第1リブ53に設けられた孔を通り鉛直方向D2に延びる第1回転軸AX1を中心に回転自在に設けられている。なお、第1リブ53に設けられた孔は、第1板部52の中心よりも外側すなわち左側に偏心して設けられており、第1吹出口12の中心からも外側に偏心している。このため、第1回転軸AX1も第1吹出口12の中心よりも外側に位置しており、第1吹出口12の中心と第1吹出口12の外側端部すなわち左側端部との間に位置している。
第1フラップモーター50は、鉛直方向D2に平行な第1回転軸AX1を中心に第1垂直フラップ51を回転させる。第1フラップモーター50は、第1垂直フラップ51の配置角度を変更して第1垂直フラップ51の向きを変更する。これにより、第1吹出口12から吹き出される空気の風向が変更される。このときの第1垂直フラップ51の動作については後に詳述する。
第2フラップモーター70は、第1フラップモーター50とは別に独立して駆動可能であり、鉛直方向D2に平行な第2回転軸AX2を中心に第2垂直フラップ71を回転させる。第2フラップモーター70は、第2垂直フラップ71の配置角度を変更して第2垂直フラップ71の向きを変更する。これにより、第2吹出口13から吹き出される空気の風向が変更される。なお、図1および図3は、第1垂直フラップ51および第2垂直フラップ71が各吹出口12,13を閉じた全閉状態を示している。
制御部10は、図8に示すように、ファン3、第1フラップモーター50、第2フラップモーター70などと接続されており、ファン3、第1フラップモーター50、第2フラップモーター70などを制御する。制御部10は、第1フラップモーター50と第2フラップモーター70とをそれぞれ個別に制御可能であり、第1垂直フラップ部5と第2垂直フラップ部7とを別々の態様に制御することが可能である。従って、制御部10は、第1垂直フラップ51と第2垂直フラップ71とを左右対称に移動させるだけではなく、非対称に移動させることができる。これにより、第1吹出口12から吹き出される空気の風向と第2吹出口13から吹き出される空気の風向とをそれぞれ個別に変更可能となっている。
本発明において特徴的な第1垂直フラップ51、第2垂直フラップ71、第1水平フラップ80および第2水平フラップ90の動作および空気の流れについて詳述する。
運転停止時には、第1吹出口12および第2吹出口13は、図3に示すように、第1垂直フラップ部5および第2垂直フラップ部7によって閉じられている(以下、この状態を「全閉状態」という)。床置き型空気調和機1が運転を開始すると、第1垂直フラップ51と第2垂直フラップ71とが移動し、第1吹出口12および第2吹出口13が開かれる。このとき、第1フラップモーター50と第2フラップモーター70とが駆動され、第1垂直フラップ51が第1回転軸AX1を中心に回転し、第2垂直フラップ71が第2回転軸AX2を中心に回転する。第1垂直フラップ51は、上面視において右回りに回転し、全閉状態において内側に位置していた第1板部52の右側端部が前方へと移動する。このように、第1垂直フラップ51は、全閉状態の第1板部52の内側端部が第1吹出口12の外側端部側へ近接するように回転する。また、第2垂直フラップ71は、上面視において左回りに回転し、全閉状態において内側に位置していた第2板部72の左側端部が前方へと移動する。このように、第2垂直フラップ71は、全閉状態の第2板部72の内側端部が第2吹出口13の外側端部側へ近接するように移動する。制御部10は、第1フラップモーター50と第2フラップモーター70とを制御することによって、第1垂直フラップ51と第2垂直フラップ71とを所望の開度に開くことができる。例えば、第1垂直フラップ51と第2垂直フラップ71とは、図9に示すような第1開状態、第2開状態および第3開状態に開くことができる。第1開状態は、図9(a)に示すように、第1板部52の前側端部と第2板部72の前側端部とが内側を向いた状態である。このとき、第1板部52の前側端部は第1吹出口12の中心よりも内側すなわち右側に位置しており、後側端部は第1吹出口12の中心よりも外側すなわち左側に位置している。この第1開状態では、第1吹出口12および第2吹出口13から吹き出される空気は、床置き型空気調和機1の中心方向に集約されて吹き出される。第2開状態は、図9(b)に示すように、第1板部52の前側端部および第2板部72の前側端部が正面を向いた状態である。このとき、第1板部52と第2板部72とは、正面に垂直な方向に略平行な状態となる。この状態において、第1板部52は、第1回転軸AX1の外側に位置しており、第1吹出口12の中心よりも外側に位置している。また、第2板部72は、第2回転軸AX2の外側に位置しており、第2吹出口13の中心よりも外側に位置している。この第2状態では、第1吹出口12および第2吹出口13から吹き出される空気は、正面方向へ真っ直ぐに吹き出される。第3開状態は、図9(c)に示すように、第1板部52と第2板部72とが全開に開いた状態であり、第1板部52の前側端部と第2板部72の前側端部とが外側を向いている。このとき、第1板部52の前側端部は、第1吹出口12の外側端部よりも外側に位置しており、後側端部は、第1吹出口12の中心よりも内側に位置している。第2板部72の前側端部は、第2吹出口13の外側端部よりも外側に位置しており、後側端部は、第1吹出口12の中心よりも内側に位置している。この第3開状態では、第1吹出口12および第2吹出口13から吹き出される空気は、外側に広く吹き出される。
なお、第1垂直フラップ51と第2垂直フラップ71との開度は、上記の第1開状態から第3開状態の3段階に開かれるだけではなく、その中間の開度で開かれてもよい。また、第1垂直フラップ51と第2垂直フラップ71とは、段階的な開度となるだけではなく、任意の開度に開くことも可能である。
この床置き型空気調和機1では、第1水平フラップ群G1から第3水平フラップ群G3および第4水平フラップ群G4から第6水平フラップ群G6までがそれぞれ個別に水平フラップ80,90の角度を変更することができる。このため、使用者が所望の角度に各フラップ80,90の向きを設定することができる。例えば、図11(a)に示すように、第1水平フラップ群G1から第3水平フラップ群G3までを全て上向きに設定したり、図11(b)に示すように、第1水平フラップ群G1から第3水平フラップ群G3までを全て下向きに設定したりすることが可能である。第1水平フラップ群G1から第3水平フラップ群G3までが全て上向きに設定されると、第1吹出口12から吹き出される空気は上向きに吹き出る。このため、冷房時に冷たい空気を上方へと吹き出させたいときに効果的である。また、第1水平フラップ群G1から第3水平フラップ群G3までが全て下向きに設定されると、第1吹出口12から吹き出される空気は下向きに吹き出る。このため、暖房時に暖かい空気を下方へと吹き出させたいときに効果的である。第4水平フラップ群G4から第6水平フラップ群G6についても同様である。
また、第1水平フラップ群G1から第6水平フラップ群G6はそれぞれ独立して向きを変えることができるため、図12のように各水平フラップ80,90が異なる方向を向くように設定されてもよい。例えば、図12(a)では、第1水平フラップ群G1は上向きに設定され、第2水平フラップ群G2は正面向きに設定され、第3水平フラップ群G3は下向きに設定されている。このため、第1吹出口12の上部S1からは空気が上向きに吹き出され、中部S2からは空気が真っ直ぐ正面向きに吹き出され、下部S3からは空気が下向きに吹き出される。これにより、鉛直方向D2に幅広く空気を吹き出すことができ、室内を上下から包み込むような空気の流れを実現することができる。また、図12(b)に示すように、第1水平フラップ群G1は下向きに設定され、第2水平フラップ群G2は正面向きに設定され、第3水平フラップ群G3は上向きに設定されてもよい。この場合、第1吹出口12の上部S1からは空気が下向きに吹き出され、中部S2からは空気が真っ直ぐ正面向きに吹き出され、下部S3からは空気が上向きに吹き出される。これにより、正面方向に集約されるように空気を吹き出すことができ、遠方にまで空気の流れを到達させることができる。第4水平フラップ群G4、第5水平フラップ群G5および第6水平フラップ群G6についても同様である。
なお、第1水平フラップ80は、第1リンク部材81、第2リンク部材82、第3リンク部材83がそれぞれ鉛直方向D2に移動することによって、連結された第1水平フラップ80が湾曲してその向きを変更するが、第1リンク部材81、第2リンク部材82、第3リンク部材83は段階的に位置を変更するだけではなく、連続的に所望の位置に変更されることも可能である。また、第1水平フラップ80の向きは、手動で変更されるだけではなく、第1水平フラップ群G1、第2水平フラップ群G2および第3水平フラップ群G3のそれぞれに駆動モーターが設けられることによって、自動で変更されることも可能である。第2水平フラップ90についても同様である。
(1)
この床置き型空気調和機1では、第1垂直フラップ51および第2垂直フラップ71がそれぞれ第1吹出口12および第2吹出口13の中心よりも外側に位置するように開かれる。従来の床置き型空気調和機のように、第1垂直フラップ51および第2垂直フラップ71が内側寄りに配置される場合において第1垂直フラップ51および第2垂直フラップ71が内側を向いた第1開状態とされると、図13(a)に示すように、空気の流れが外側にも分散するため、正面方向への空気の流れの集約が困難である。これに対して、第1垂直フラップ51および第2垂直フラップ71がそれぞれ第1吹出口12および第2吹出口13の中心よりも外側に位置するように開かれると、図13(b)に示すように、空気の流れの外側への分散が抑えられるため、正面方向への空気の流れの集約性が向上する。これにより、中央方向への空気の流れの集約によって直進性が向上している。このため、遠方への空気の流れの到達が可能となっている。
また、この床置き型空気調和機1では、第1吹出口12と第2吹出口13とが横方向に距離を隔てて配置されているため、図9(c)に示す第3開状態のように第1垂直フラップ51と第2垂直フラップ71とが左右に大きく開くことによって、左右に幅広く空気を吹き出させることも可能である。このため、左右両方向への吹き分けによる左右から包み込むような空気の流れの実現も可能である。
以上のように、この床置き型空気調和機1では、風向の制御範囲が拡大している。これにより、この床置き型空気調和機1では、多様な場所への設置や多様な使用方に対応することが可能である。
(2)
この床置き型空気調和機1では、第1吹出口12からの風向と第2吹出口13からの風向を個別に制御することができる。このため、部屋に合わせた空気の流れの分配や使用者の好みに合わせた空気の流れの分配などが可能である。また、空気の流れの分配の自由度が向上しているため、床置き型空気調和機1が配置された部屋の形状に応じて空気の流れの分配を変更したり、冷暖房等の空調が特に必要な部分にのみ気流を分配したりして空調効率を向上させることができる。例えば、床置き型空気調和機1が一方向に長い形状を呈する長部屋の角部分に配置される場合、左右に均等な方向に空気を吹き出すと、床置き型空気調和機1の対角に位置する角部分まで空気の流れを到達させることは困難である。この場合、図14に示すように、第1吹出口12からの風向と第2吹出口13からの風向とを部屋の長手方向に偏った向きとすることによって、空気の流れが到達しにくかった部分まで空気の流れを到達させることができる。
(3)
この床置き型空気調和機1では、水平フラップ80,90が複数のグループに分割されており、グループ毎に水平フラップ80,90の向きを自由に変更することができる。このため、部屋の形状や使用者の好みなどに応じて、鉛直方向D2の吹き出しの態様を自由に選択することができる。例えば、室内を上下から包み込むような空気の流れが実現可能であり、逆に、空気の流れを集約させることによって空気の流れの到達エリアを拡大させることも可能である。
この床置き型空気調和機1では、上記のように第1垂直フラップ51、第2垂直フラップ71、第1水平フラップ80および第2水平フラップ90によって、様々な方向に空気を吹き出すことができる。このため、ファン3が複数設けられるのではなく一台しか設けられていない場合であっても、多様な空気の吹き出しが可能となっている。
〈構成〉
上記の第1実施形態では、左右の風向の調整が個別に制御可能となっているが、左右の吹出口からの空気の風量を個別に制御可能となってもよい。本発明の第2実施形態にかかる床置き型空気調和機1の制御ブロック図を図15に示す。
この床置き型空気調和機1では、第1吹出口12からの風向と第2吹出口13からの風量を個別に制御することができため、部屋に合わせた空気の流れの分配や使用者の好みに合わせた空気の流れの分配などが可能である。また、空気の流れの分配の自由度が向上しているため、床置き型空気調和機1が配置された部屋の形状に応じて空気の流れの分配を変更したり、冷暖房等の空調が特に必要な部分にのみ気流を分配したりして空調効率を向上させることができる。例えば、床置き型空気調和機1が一方向に長い形状を呈する長部屋の角部分に配置される場合、図16に示すように、室内の長手方向に面する側の吹出口からの風量を増大させ、他方の吹出口からの風量を減少させるとよい。これにより、空気の流れが到達しにくかった部分まで空気の流れを到達させることができる。
(1)
上記の実施形態に係る床置き型空気調和機1では、第1回転軸AX1および第2回転軸AX2がそれぞれ外側に偏心して配置されることによって、第1垂直フラップ51と第2垂直フラップ71とが外側に偏心して開かれているが、第1回転軸AX1および第2回転軸AX2がそれぞれ第1吹出口12の中心と第2吹出口13の中心とに配置されてもよい。このような場合も、例えば、第1リブ53の形状や第1リブ53の孔の位置を第1板部52から離れた位置にすることによって、第1垂直フラップ51が外側に偏心するように第1吹出口12を開くことが可能である。ただし、第1吹出口12や第1垂直フラップ51の寸法上の制限を考慮すると、第1回転軸AX1を外側に偏心させた配置がより望ましい。第2垂直フラップ71についても同様である。
上記の実施形態に係る床置き型空気調和機1では、第1垂直フラップ51は、上面視において右回りに回転して第1吹出口12を開いているが、左回りに回転して第1吹出口12を開いてもよい。第2垂直フラップ71についても同様である。
上記の実施形態に係る床置き型空気調和機1では、第1垂直フラップ51と第2垂直フラップ71とが回転することによって第1吹出口12と第2吹出口13とを開いているが、回転移動に限らず他の態様で移動することによって第1吹出口12と第2吹出口13とが開かれてもよい。
上記の実施形態に係る床置き型空気調和機1は、第1実施形態において示した第1垂直フラップ部5および第2垂直フラップ部7と、第2実施形態において示した第1風量調整部58および第2風量調整部78とのいずれか一方のみを備えるものに限らず、両方を同時に備えるものであってもよい。
上記の実施形態に係る床置き型空気調和機1では、第1水平フラップ80は、鉛直方向に3つのグループに分かれているが、2以上のグループに分かれるものであればよく、例えば、2つ或いは4つのグループに分かれていてもよい。第2水平フラップ90についても同様である。
4 ケーシング
12 第1吹出口
13 第2吹出口
51 第1垂直フラップ(第1フラップ)
52 第1板部
71 第2垂直フラップ(第2フラップ)
72 第2板部
AX1 第1回転軸
AX2 第2回転軸
D1 横方向
Claims (4)
- 正面視において横方向(D1)に並んで配置され調和された空気が吹き出す第1吹出口(12)および第2吹出口(13)が設けられたケーシング(4)と、
開状態において前記第1吹出口(12)から吹き出される空気を案内する第1板部(52)を有し前記第1吹出口(12)を開閉可能な第1フラップ(51)と、
開状態において前記第2吹出口(13)から吹き出される空気を案内する第2板部(72)を有し前記第2吹出口(13)を開閉可能な第2フラップ(71)と、
を備え、
前記第1板部(52)は、正面に垂直な方向に略平行な状態において前記第1吹出口(12)の中心よりも横方向における外側に位置し、
前記第2板部(72)は、正面に垂直な方向に略平行な状態において前記第2吹出口(13)の中心よりも横方向における外側に位置する、
床置き型空気調和機(1)。 - 前記第1フラップ(51)は、鉛直方向に延び前記第1吹出口(12)の中心よりも横方向における外側に位置する第1回転軸(AX1)を有し、
前記第2フラップ(71)は、鉛直方向に延び前記第2吹出口(13)の中心よりも横方向における外側に位置する第2回転軸(AX2)を有する、
請求項1に記載の床置き型空気調和機(1)。 - 前記第1フラップ(51)は、閉状態の前記第1板部(52)の内側端部が前記第1吹出口(12)の外側端部側へ近接するように回転することによって前記第1吹出口(12)を開き、
前記第2フラップ(71)は、閉状態の前記第2板部(72)の内側端部が前記第2吹出口(13)の外側端部側へ近接するように回転することによって前記第2吹出口(13)を開く、
請求項2に記載の床置き型空気調和機(1)。 - 前記第1板部(52)は、全開状態においてその前端部が前記第1吹出口(12)の外側端部よりも外側に位置し、
前記第2板部(72)は、全開状態においてその前端部が前記第2吹出口(13)の外側端部よりも外側に位置する、
請求項1から3のいずれかに記載の床置き型空気調和機(1)。
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