JP3851988B2 - ノルマル及び分枝脂肪酸から作られる2−オキセタノン・サイズによってサイジングされた紙 - Google Patents

ノルマル及び分枝脂肪酸から作られる2−オキセタノン・サイズによってサイジングされた紙 Download PDF

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本発明は、その完成紙料に於いて添加剤を有する紙グレードを製造する方法に関し、該方法に於いて、アルカリ性疎水化紙サイズが使用される。これらのサイズは、セルロース繊維と共有結合を形成可能な反応性官能基と、前記繊維から外側に向けられる疎水性尾部とを有する。
アルカリ性条件下で製造されるファイン紙グレードの生産量は、沈降炭酸カルシウム(PCC)の手軽さに依り、エージングに対する耐性の増加とより良好な白色度とを伴いながら、急速に増大してきた。製紙機(papers machine)の水循環も、より完全に近いものとすることが可能となっている。
ファイン紙グレードの最近の印刷用途に於いては、サイジングが特に重要視されており、その具体例としてノンインパクト印刷(NIP)、そして特に、インクジェット印刷がある。多機能で、インクジェットプリンタを含む様々なタイプのコピー機及びプリンタ用に適することが期待される従来の事務用紙グレードは、まだ、所謂「多目的」事務用紙グレード用に設定された要件を満たすことができない。これらの紙グレードは、インクジェット・プリンタとレーザ・プリンタとの異なるタイプの両方と、更にコピー機とに於いて良好な印刷適性を示すことが期待される
Figure 0003851988
インクジェット印刷は、連続ジェット式プリンタとドット・オン・デマンド(DOD)式プリンタとの二つの異なるタイプとして実現可能である。インクジェット・プリンタの用途は、今日、モノクロオフィス用プリンタから4色写真品質プリンタまで、オンライン同定及びマーキング装置、及び超大型フォーマットシート/ロール媒体プロッタの、幅広い用途に渡っている。他のNIP法と比較して、インクジェット印刷は、最も多数の様々な用途を有している。インクジェット式印刷の格別の利点は、その多色能力と印刷速度に見られる。この印刷方法のコストも又、比較的低い。
インクジェット印刷に於いて、その印刷プロセスは、コンピュータシステムによって容易に制御でき、その結果、データ処理技術のすべての簡便性を容易に利用することができる。たとえば、演色と色バランスの調節とを、データ処理システムを利用して単純に制御することができる。
インクジェット印刷の結果から収集された経験から、印刷品質は、繊維組成、従って、主として、落葉樹に対する針葉樹の比率によって影響される。最終紙製品の品質に関して、上述した方法に於いて、印刷プロセスの結果に対して最終シートの孔の構造と微細構造(トポグラフィー)とが最重要である。紙の品質に関して、その印刷結果は、シートの圧縮不能グレインと、シートのインク吸収性を特徴付けるその他のパラメータとによって決まる。インクジェット印刷用に最適化された紙グレードは、インクが繊維に沿って広がったり、シート構造の孔の中に入り込んでしまう前にインクが十分すばやく乾燥することを許容しながら、印刷インクを吸着する十分な能力を有することが要求される。このことから、シートとインクとの表面上での化学的相互反応がインクジェット印刷に於いては強調される。
紙の構造に関連する前記基本的要因に加えて、インクジェット印刷の品質は、疎水化性内部サイズと表面サイズ製剤、表面サイズ・スターチ、及び表面積の大きな顔料、等の製紙時に使用される添加剤によって改変することが可能である。
紙サイジング用の製剤は、当該技術に於いて、紙の表面化学特性を改変し、紙の疎水性を増加させることによって白黒モノクロ印刷品質を改善する目的で開発されている。紙の疎水性を高めることによって、シートの水平方向及び深さ方向の両方に於いてシート構造への毛管力によるインクの吸収の制御の改善によて、シートの黒インクの印刷結果の改善を達成することが可能であった。このアプローチに依り、シャープな印刷パターンと、シート上に於ける黒インクの広がり(ウィッキング)の除去が得られている。
アルカリ条件下で製造されるファイン紙に適した最も一般的に使用されているサイジング製剤は、アルケニルコハク酸酸無水物(ASA)とアルキルケテンダイマ(AKD)とをベースにしたものである。これらのサイズタイプは共に、セルロース繊維と共有結合を形成することが可能な反応性官能基と、更にファイバから離間した疎水性尾部とを有する。これらの疎水性尾部の性質と向きとによって、ファイバがはっ水性となる。AKD及びASAサイズは、製紙機械のウェット側端部へエマルジョンとして供給され、そのサイジング力はそのドライヤ部と機械ロールとに於いて発生する。
一つのβ−ラクトン環を有する商用等級アルキルケテンダイマサイズは、二つの飽和直鎖脂肪酸塩化物の二量化によって作られ、最も一般的に使用されているアルキルケテンダイマサイズは、パルミチン酸および/又はステアリン酸から作られる。アルケニルコハク酸酸無水物又はASA化合物は、長鎖オレフィン(C15−C20)とマレイン酸無水物の反応生成物として得られる。
紙の内部サイジングに於いて紙のより高い疎水性を得る目的の為に、製紙機械に於いて、より大きな注入量でASAとAKDサイズを使用する必要があり、これによって、機械の運転性能が劣化するとともに、プロセスに於ける様々な種類の汚染問題が増加していた。
黒インクの印刷作用を制御するためのより高い疎水性を使用するというアプローチによっては、残念ながら、カラー印刷に於いて最適の結果をもたらすものではない。事実、この方法によって、インクのホールドアウトが改善されるとともに、その結果として密度を改善することが可能となった。しかし、カラー印刷に於いては、インクの塗布量は白黒印刷においてよりも大きく、このことと、より高い吸収性とにより、印刷されたカラーインクの乾燥速度が遅く、これによって、印刷されたシート上で重ねられた色の展着(spreading)と混合(カラーブリーディングとして知られている)という不都合が発生していた。
従って、たとえば、その量を変えて、より表面積の大きな充填剤を使用することによって、カラーインクジェット印刷の品質を改善するための様々な試みが行われてきた。表面サイジングも、紙の印刷性に影響を与える一つの可能性である。
インクジェット印刷のために、シート吸収性の改善と、十分な疎水性のバランスのとれた程度のために様々なアプローチが提案されてきたが、当該分野に於いて、多色インクジェット印刷用に最適化されたファイングレードのアルカリ紙を製造する別の方法がいまだに捜し求められている。
中性又はアルカリ性条件下に於いて、添加剤、特に、充填剤として沈降炭酸カルシウムを含有する紙グレードを製造する時、2−オキセタノン官能基を有するサイズ剤が添加される方法に於いて、前記紙グレードのインクジェット印刷適性が、前記パルプスラリに対して、飽和結合によって互いにリンクされた6−22の炭素から成る主鎖を有する一種以上の直鎖脂肪酸と、飽和結合によって互いにリンクされた6−22の炭素から成る主鎖を有し、分枝化炭素鎖を備えた一種以上の分岐鎖脂肪酸を含む、二種以上の脂肪酸から作られる2−オキセタノン官能基を有するサイズ剤を添加することによって確保される。
2−オキセタノンをベースとするサイズの使用は、製紙技術に於いて知られて久しい(たとえば、米国特許第2,627,477号及び、ジェイ・ダブリュ・デイヴィス(J.W.Davis)他の“A new sizing agent for paper−alkylketene dimer,Tappi 1956,Vol.39,No.1を参照)。しかしこの文献は、少なくとも一つの分枝炭素酸を有する、飽和脂肪酸から作られる2−オキセタノンの使用には言及していない。
従来のAKDサイズと同様に、これらの新規なサイズは、脂肪酸から作ることができ、ここで、それら脂肪酸の少なくとも一つが分枝炭素鎖を有し、但し、これら鎖が二重結合を有しいないことが必須である。前記出発材料としての脂肪酸中の炭素鎖の長さは、6ないし22の炭素の範囲で変化することができる。
本発明の一態様に依れば、特に、直鎖と分枝鎖の脂肪酸の混合物(たとえば、50/50の混合比)によって、インクジェット印刷用の紙グレード用に最適な品質が得られ、これによって「多目的」紙として供することができることが判った。製紙に於いて、ここで、所望の最終結果を達成するために前記新規な方法に於いて必要とされるサイズの量は、従来のサイズ製剤との関連に於いて必要とされる量よりも小さく、したがって、製紙機械に於いてサイズによって引き起こされる汚染とゴミの付着の問題が軽減されるということを指摘しておかなければならない。
本発明は、更に、少なくとも一つの分枝炭素鎖を有する、脂肪酸から製造される2−オキセタノンをベースとしたサイズ製剤によって処理されることによって製造された紙グレードにも関する。前記紙には、ミョウバンと沈降炭酸カルシウム(PCC)を含むものであってよい。
前記新規なサイズの安定エマルジョンを、標準的なAKDエマルジョンと同じ方法で製造することができる。
本発明に依る紙グレードは、一般に、紙1トン当たり、少なくとも200g、好ましくは少なくとも600g、更に最も好ましくは少なくとも1kgのサイズが添加されるようにサイジングされる。このように製造された紙グレードは、インクジェット印刷用に最適化することができ、これによって、この紙グレードは、コピー機及びレーザプリンタにも使用可能である(「多目的」紙として)。
好ましくは、本発明によって製造された紙グレードは、通常、インクジェット印刷に絡む問題無く、黒インクとカラーインクとの両方を使用したインクジェット印刷の必要性に答えることができる。特に、本発明に依る紙グレードは、紙の吸着性と疎水性とのバランスの取れた妥協を達成するものであり、黒インクとカラーインクとの両方で高品質の印刷結果(即ち、その利点として、透き通しが最小限であること、印刷密度が高いこと、ウィッキングが無いこと、ブリーディングが無いこと、カラーインクに黒インク又は別のカラーインクを重ねて印刷した時に印刷された色の凹凸が最小限であること、等がある)が達成される。更に、そのようなバランスの取れた印刷結果が、シートのコーティングや、表面処理に依る疎水性の改善、又は、通常の添加量以上の表面サイズスターチの使用無しで、本発明に依る紙グレードによって達成される。このように、本発明に依る紙グレードは、オフィス用のプリンタ紙グレード用に設定された要件を満たすものであり、更に、「多目的」紙として給することができるものである。
更に、本発明に依るサイズ製剤に依れば、従来のAKDサイズに於いて必要とされる量よりも少ない量のサイズ注入量で、インクジェット印刷に於いて所望の結果を達成することが可能であり、これによって、従来のAKDサイズの欠点であった、製紙機械の汚染、ロールへのゴミと毛羽立ちの付着の問題を回避することが可能である。
本発明に依る一つのタイプのサイズ製剤は、イソステアリン酸、又は、好ましくは、少なくとも40%のイソステアリン酸と、分枝炭素鎖を有するその他の脂肪酸とを含有する複数の脂肪酸の混合物から作られる2−オキセタノンサイズである。
例 1
上記方法を評価するために、先ず、循環水シート型と、ウェットプレスと、乾燥シリンダとを使用して、標準式SCANテスト法に依り、80g/m2ベース重量のテストシートを作った。60/40の比率の樺/松パルプと、ファイバ重量0.3%の内部サイズスターチRaisamyl 135ESP(Rasio Chemicals Oy社製)と、シート重量22%のPCC充填剤と、総ファイバ重量0.16%の保持剤とを使用して前記パルプのスラリを作った。前記内部サイズを、前記パルプスラリに、ファイバ重量0.06、0.12及び0.20%、注入した。
上記即席テストシートを、乾燥直後と、次の日の養生の前と、乾燥と養生との後に、それぞれ、Cobb60水吸収テストと、
Figure 0003851988
インク侵入テストとでテストした。養生は、前記テストシートを、熱チャンバ中で105℃で10分間保持することによって行った。
この例の比較用サイズ製剤は、従来型のAKDサイズ(Raisafob5105)であった。前記イソステアリン酸ベースAKDサイズを、カチオン型スターチを使用した前記従来型AKDサイズと同じように拡散させた。
Figure 0003851988
表1に示された結果から明らかなように、前記イソステアリン酸ベースAKDサイズ(分枝鎖/無分枝化炭素鎖の比率が50/50)は、パルミチン酸/ステアリン酸の混合物をベースとする従来型サイズによって可能なサイジング品質に匹敵するサイジング品質を達成する。
例 2
様々なタイプのAKDサイズを、60m/分(4.1kg/分)で作動し、80g/m2のベース重量のファインーグレード紙を作り出すパイロットスケールテスト機でも評価した。
作動中の前記パイロットスケールテスト機中のパルプ成分は、次の通りであった:75/25の比率で混合、25°SRのろ水度にまで攪拌された樺/松パルプ。前記充填剤は、紙重量22%の沈降炭酸カルシウム(PCC)であった。前記内部サイズスターチは、ファイバ重量0.5%のRaisamyl135(Raisio Chemicals社)であり、前記保持剤は、全体ファイバ重量0.22%で使用された。
前記内部サイズは、0.15及び0.20%のファイバ重量で前記パルプスラリに注入された。前記表面サイズは、Raisio Chemicals社のRaisamyl 408SP表面サイズスターチであり、これは、乾燥重量ベース8%の濃度で使用された。
前記パイロットスケール製紙機で製造されたシートの疎水性を、前記Popeワインダから取り出し直後で、テスト前に10分間調整されたサンプルを使用してCobb60水吸収テストに於いてテストした。更に、前記パイロットスケールで作られたシートの疎水性を、Cobb60吸収テストと、HSTインク侵入テストとの両方でテストした。前記HSTテストは、所与の時間におけるインクスポットの反射率、たとえば、反射率がその初期値の80%にまで低下する間の時間、からモニタされたシートに対するインクの侵入に基づくものである。前記紙サンプルのインクジェット印刷に対する適合性を、商業用グレードのインクジェットプリンタ(Hewlet−Packard社製)を使用してテストした。プリント結果のウィッキングとブリーディングとを、視覚によってと、画像分析装置を使用してとの両方によって、印刷色領域の光学濃度を測定することによって評価した。
Figure 0003851988
表2に示された結果から明らかなように、前記イソステアリン酸ベースAKDサイズ(分枝鎖/無分枝化炭素鎖の比率が50/50)は、従来型サイズによって可能な疎水性品質に匹敵する疎水性品質を達成する。
Figure 0003851988
表3に示された結果から明らかなように、分枝鎖/無分枝化炭素鎖の比率が50/50の前記イソステアリン酸ベースAKDサイズは、印刷輪郭の凹凸(テストパターンブリーディング、ウィッキング、面積及び周辺)とサイズ消費量との間の最適バランスを達成するものである。更に、本発明に依る表面サイジングは、従来の疎水化剤や、その他の表面疎水化技術を使用することなく行われるものであることを銘記しなければならない。
例 3
本発明に依る内部サイズ、特に、前記実験室及びパイロットスケールテストに於いて最も性能が優れたものであることが判った分枝鎖/無分枝化炭素鎖の比率が50/50の前記イソステアリン酸ベースAKDサイズを、ファイン・グレード紙を工業スケールで製造する製紙機でテストした。テストの比較用サンプルを、従来型AKDサイズを使用して作成した。製造された紙の組成は、沈降炭酸カルシウム(PCC)を含有する典型的なファイン・グレード紙と同等であり、従って、インクジェット印刷用に適したものであった。前記テストランに於いて製造された紙のベース重量は、70g/m2であった。添加されたサイズの量は、紙1トン当たり1.3kgであった。
前記テストラン中に作られた多数の機械ロールから採られたシートサンプルの、疎水性(Cobb60及びHST)と、インクジェット印刷に対する適合性を特徴付けるパラメータ(ウィッキング、ブリーディング、及び光学密度)とを、その上側面から分析した。
Figure 0003851988
イソステアリン酸ベースAKDサイズによってサイジングされたシートと、市販のAKDサイズによってサイジングされたシートとのインクジェット印刷適合性の比較から(表4に示されている結果に依り)、イソステアリン酸ベースAKDサイズが、黒インクとカラーインクとの両方に於いて明白に優れた印刷結果を達成するものであることが明らかである。イソステアリン酸ベースAKDサイズによってサイジングされた紙は、シートに対するインクの貫通も、ウィッキング又はブリーディングのいずれをも示さなかった。更に、その印刷されたインクの密度は、市販グレードAKDサイズによってサイジングされた紙サンプルよりも実質的に良好であった。又、前記シートの高品質印刷適性は、シート表面疎水化の必要なく達成されたものであることを銘記しなければならない。
最後に、フルスケール製造テストベースで、製紙機上でのテストランによって製造された前記紙は、インクジェット印刷用に適したものであるばかりでなく、コピー機やレーザプリンタ出力用として十分な程度の疎水性等の、「多目的」紙に設定されている要件をも満たすものであることが証明された。前記テスト中に於いて、前記製紙機の運転は極めて良好で、この製紙機の部品の表面上にゴミの付着や汚染は認められなかった。
例 4
この例に於いては、紙グレードを表面処理し、この紙には、その製造のスラリ段階に於いて内部サイジングすることによって、予め、或る程度の疎水性が与えられていた。その疎水化作用は、Cobb60で30g/m2のレベルであった。前記紙の表面サイジングは、処理されるべき紙シートが回転ドラム上に載置され、表面サイジングスターチを、添加された表面疎水化剤とともに、選択されたブレード圧を使用して塗布可能な、Helicor装置を使用して行われた。
この例に於いて使用された前記表面サイジングスターチは、10%溶液としての酸化カチオン型表面スターチ(Raisamyl 406SP,Raisio Chemicals Oy社)であった。この濃度10%のスターチ溶液を、スターチ乾燥物質上の活性剤をベースにして計算された様々な量の表面サイズ添加剤と混合した。表面サイズ添加剤として、イソステアリン酸AKD、スチレンアクリレート及びSMA表面サイズ添加剤がテストされた。前記AKDサイズに対するイソステアリン酸の比率(即ち、分枝化−無分枝鎖)は、1:1であった。スチレンアクリレートとしては、サイズRaisafob P400(Raisio Chemicals Oy社)が使用された。前記使用されたSMAは、Raiso Chemicals社によって製造され、Raisafab D100の名の元に市販されているスチレンマレイン酸無水物であった。
そのテスト結果は下記の表5に示され、ここで、サイジング結果は、Cobb60及びHST値で示されている。
Figure 0003851988
表5の値は、イソステアリン酸を含有する脂肪酸から作られたAKDサイズは、使用された最も低い添加量に於いても、既に、最良の特性を示し、Cobb60とHSTとの両方に依る最も高い疎水性を提供するものであることを示している。
前記白黒印刷適性の評価に使用されたテスト結果を次の表6に示す。テストプローブを、ヒューレットパッカード社製500C型インクジェットプリンタを使用して印刷し、これらプリントの光学密度を測定した。
Figure 0003851988
表6の結果は、白黒印刷は、紙の表面サイジングに使用される一般的な化合物よりも更に良好な印刷結果を提供するものであることを示している。
例 5
前記表面サイズ添加剤を、パイロット製紙機上でもテストし、ここでは、予め表面サイジングしていない紙グレードを、ポンド(pond)サイズプレス、フィルムサイズプレスとを使用してサイジングした。紙完成紙料は、坪量80g/m2のファイン紙グレードであり、これは、前記紙完成紙料の充填剤として沈降炭酸カルシウムを20%含有していた(一般的な多目的オフィス紙)。使用された表面サイズは、濃度8%の溶液としての、酸化カチオン型表面サイズ(Raisamyl 405SP,Raisio Chemicals Oy社)であった。前記表面サイズスターチを、様々な疎水化表面サイズ剤、即ち、基本(elementary)AKD(パルミチン酸/ステアリン酸,60/40%)、イソステアリン酸−ステアリン酸AKD(分枝化/無分枝化、50/50%)、スチレン−アクリレート(Raisafob P400,Raisio Chemicals Oy社)及びSMAベース(スチレンマレイン酸無水物,Raisafob D100,Raisio Chemicals Oy社)表面サイズ添加剤、と混合した。
下記の表7は、パイロット製紙機上で得られたテスト結果を示し、ここでは、フィルムサイズプレスが使用された。
Figure 0003851988
下記の表8は、紙プローブのインクジェット印刷によって得られ結果を示し、ここで、HP560Cプリンタが印刷に使用された。印刷結果は、乾燥評価法によって分析された。
Figure 0003851988
表7及び8に示された数値は、前記基本AKDは評価されたプローブに於いて非常に良好な疎水性を提供したことを示している。しかしながら、この高い疎水性によて、色の乾燥が非常に遅くなり、その結果、カラー印刷に於ける色の凹凸が発生しうる。これらの結果は、サイズ消費量と、白黒印刷とカラー印刷との最適バランスは、分枝化及び無分枝鎖から成る、前記イソステアリン酸/ステアリン酸AKDを使用することによって達成可能であることを示しているようである。

Claims (6)

  1. 中性又はアルカリ性条件下に於いて、沈降炭酸カルシウムを含有する紙グレードを製造する方法であって、前記紙に、そのパルプスラリ工程に於いて、シートの疎水性を制御するために、2−オキセタノン官能基を有するサイズが添加される方法に於いて、前記紙グレードのインクジェット印刷適性が、前記パルプスラリに対して、飽和結合によって互いにリンクされた6−22の炭素から成る主鎖を有する一種以上の直鎖脂肪酸と飽和結合によって互いにリンクされた6−22の炭素から成る主鎖を有し、分枝化炭素鎖を備えた一種以上の分岐鎖脂肪酸を含む、二種以上の脂肪酸を2量体化して作られる2−オキセタノン官能基を有するサイズを添加することによって確保されることを特徴とする方法。
  2. 請求項1の方法であって、前記パルプスラリに、一種の直鎖脂肪酸と一種の分岐鎖脂肪酸との混合物の脂肪酸を2量体化して作られる2−オキセタノン官能基を有するサイズが添加される。
  3. 請求項1又は2の方法であって、前記パルプスラリに、直鎖脂肪酸と分岐鎖脂肪酸との比率が:1である脂肪酸の混合物の脂肪酸を2量体化して作られる2−オキセタノン官能基を有するサイズが添加される。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項の方法であって、前記パルプスラリに、スラリのファイバ重量.05−0.25%の2−オキセタノン官能基を有するサイズが添加される。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項の方法であって、前記内部サイジングに加えて、前記紙は、請求項1の特徴項に定義された疎水化サイズを含有するサイズを使用して表面サイジングされる。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項の方法を使用して製造される紙グレード。
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