JP3851826B2 - 鉄道車両軌道逸脱防止装置、及び鉄道車両の軌道逸脱防止方法 - Google Patents

鉄道車両軌道逸脱防止装置、及び鉄道車両の軌道逸脱防止方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道線路から脱線した鉄道車両が軌道外方へ逸脱することを防止するための鉄道車両軌道逸脱防止装置、及び鉄道車両の軌道逸脱防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄道においては、鉄道車両がレールから外れて脱線すると、さらに線路の外方へ向かって移動し、各種の事故や損害を発生することがあるため、各種の対策がとられている。鉄道車両の脱線そのものを防止するための対策としては、脱線防止レールや、脱線防止ガードと呼ばれる設備がある。
【0003】
また、脱線した鉄道車両が脱線後に軌道外に移動等することを防止し、以後の被害を最小限にとどめるための対策としては、「安全レール」と呼ばれる設備がある。この安全レールは、本線レールから所定の間隔(例えば180〜220ミリメートル)をあけて平行に配置されるレールである。安全レールは、脱線後の危険の大きな側(鉄道車両が転倒又は転落等を起こすと危険な側)に対し、それとは反対側となる側の本線レールの軌間内方(レールとレールの間)に設置されるのが一般的であるが、降雪区間や落石多発区間などで、軌間内方に安全レールを設けることが適切ではない場合には、脱線後の危険の大きな側の本線レールの軌間外方に安全レールが設置される。
【0004】
安全レールを設置した箇所では、脱線した鉄道車両の車輪は、この安全レールによって規制され、誘導される。このため、鉄道車両は、脱線後も本線レールに沿って走行できるようになっている。これにより、脱線した鉄道車両が転倒又は転落などの大事故を引き起こす、といった事態が防止されるようになっている。
【0005】
従来、安全レールは、在来線では、橋りょう上の区間、又は盛土上の区間の線路等に設置されていた。また、新幹線では、延長が500メートル以上となる橋りょう上の区間に設置されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、新幹線の橋りょう区間以外の高速運転区間、例えばPCまくらぎ区間等には設置されておらず、地震時に安全レール未設置区間で新幹線車両が脱線した場合の安全対策が求められていた。従来、安全レールが設置されていた区間では、まくらぎとして、木製の木まくらぎ、あるいはガラス繊維と発泡ウレタン等の複合材料からなる合成まくらぎ等が用いられていた。このため、安全レールは、犬くぎ等を打ち込むことにより容易にまくらぎに締結することが可能であった。しかし、PCまくらぎでは、犬くぎ等は用いることができず、従来の安全レールをそのまま取り付けることはできない、という問題があった。
【0007】
また、新幹線のバラスト軌道(支持構造物とまくらぎの間の道床にバラスト砕石等を用いる軌道)の区間においては、レールの長手方向の「通り狂い」を正しく修正する作業など、軌道状態を良好に保持する作業のために、「マルチプル・タイタンパー」等の軌道保守用車両を使用する。この場合、マルチプル・タイタンパーには、バラスト砕石の中に差し込まれ振動等を与えることにより道床バラストをつき固めるための部分であるタンピングツール(道床つき固めツール)が設けられているため、従来のような安全レールを設けると、タンピングツールの支障となり、機械による軌道保守作業が困難になる、という問題もあった。
【0008】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、PCまくらぎ区間等に設置可能で、かつ機械軌道保守作業の支障とならない安全レール、及びその締結方法等を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る鉄道車両軌道逸脱防止装置は、
鉄道線路の本線レール(201R)の軌道内側で前記本線レール(201R)に沿って設けられる安全レール(13)と、
まくらぎ(202)に取り付けられ前記安全レール(13)を下方から支持するレール保持プレート(11)と、
電気絶縁性を有する材料からなり略板状に形成され前記レール保持プレート(11)と前記まくらぎの(202)間に配置される絶縁プレート(12)と、
前記安全レール(13)を前記レール保持プレート(11)に取り付けるとともに前記レール保持プレート(11)を前記まくらぎ(202)に取り付ける締結ブロック(14、15)及び締結ボルト(16)及び雌ネジ部材(204、205)を備え、
レール保持プレート(11)に設けられた凸部である横圧受け凸部(11e)は前記安全レール(13)に作用する横圧を支持するように構成され、
前記鉄道線路から脱線した鉄道車両が軌道外方へ逸脱することを防止するとともに、前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間の距離(D1)は、前記鉄道線路の軌道保守を行うマルチプル・タイタンパーの道床つき固め用のタンピングツール(T)の幅よりも大きく設定され前記タンピングツール(T)が前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間に挿入可能に構成されていること
を特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2に係る鉄道車両軌道逸脱防止装置は、
鉄道線路の本線レール(201R)の軌道内側で前記本線レール(201R)に沿って設けられる安全レール(13)と、
まくらぎ(202A)に取り付けられ前記安全レール(13)を下方から支持するレール保持プレート(21)と、
電気絶縁性を有する材料からなり略板状に形成され前記レール保持プレート(21)と前記まくらぎの(202A)間に配置される絶縁プレート(22)と、
前記安全レール(13)を前記レール保持プレート(21)に取り付けるとともに前記レール保持プレート(21)を前記まくらぎ(202A)に取り付ける締結ブロック(25)及び締結ボルト(16)及び雌ネジ部材(205A)を備え、
レール保持プレート(21)に設けられた凸部である横圧受け凸部(21e)は前記安全レール(13)に作用する横圧を支持するように構成され、
前記鉄道線路から脱線した鉄道車両が軌道外方へ逸脱することを防止するとともに、前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間の距離(D1)は、前記鉄道線路の軌道保守を行うマルチプル・タイタンパーの道床つき固め用のタンピングツール(T)の幅よりも大きく設定され前記タンピングツール(T)が前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間に挿入可能に構成されていること
を特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項3に係る鉄道車両軌道逸脱防止装置は、
鉄道線路の本線レール(201R)の軌道内側で前記本線レール(201R)に沿って設けられる安全レール(13)と、
まくらぎ(202B)に取り付けられ前記安全レール(13)を下方から支持するレール保持プレート(31)と、
電気絶縁性を有する材料からなり略板状に形成され前記レール保持プレート(31)と前記まくらぎの(202B)間に配置される絶縁プレート(32)と、
前記安全レール(13)を前記レール保持プレート(31)に取り付けるとともに前記レール保持プレート(31)を前記まくらぎ(202B)に取り付ける締結ブロック(35)及び締結ボルト(16)及び雌ネジ部材(204A、205B)を備え、
レール保持プレート(31)に設けられた凸部である横圧受け凸部(31e)は前記安全レール(13)に作用する横圧を支持するように構成され、
前記鉄道線路から脱線した鉄道車両が軌道外方へ逸脱することを防止するとともに、前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間の距離(D1)は、前記鉄道線路の軌道保守を行うマルチプル・タイタンパーの道床つき固め用のタンピングツール(T)の幅よりも大きく設定され前記タンピングツール(T)が前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間に挿入可能に構成されていること
を特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項4に係る鉄道車両軌道逸脱防止装置は、
鉄道線路の本線レール(201R)の軌道内側で前記本線レール(201R)に沿って設けられる安全レール(13)と、
まくらぎ(202C)に取り付けられ前記安全レール(13)を下方から支持するレール保持プレート(41)と、
電気絶縁性を有する材料からなり略板状に形成され前記レール保持プレート(41)と前記まくらぎの(202C)間に配置される絶縁プレート(42)と、
前記安全レール(13)を前記レール保持プレート(41)に取り付けるとともに前記レール保持プレート(41)を前記まくらぎ(202C)に取り付ける締結ブロック(44、45)及び締結ボルト(16)及び雌ネジ部材(204B、205C)を備え、
レール保持プレート(41)に設けられた凸部である横圧受け凸部(41e)は前記安全レール(13)に作用する横圧を支持するように構成され、
前記鉄道線路から脱線した鉄道車両が軌道外方へ逸脱することを防止するとともに、前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間の距離(D1)は、前記鉄道線路の軌道保守を行うマルチプル・タイタンパーの道床つき固め用のタンピングツール(T)の幅よりも大きく設定され前記タンピングツール(T)が前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間に挿入可能に構成されていること
を特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項5に係る鉄道車両の軌道逸脱防止方法置は、
鉄道線路の本線レール(201R)の軌道内側で前記本線レール(201R)に沿って設けられる安全レール(13)と、
まくらぎ(202)に取り付けられ前記安全レール(13)を下方から支持するレール保持プレート(11)と、
電気絶縁性を有する材料からなり略板状に形成され前記レール保持プレート(11)と前記まくらぎの(202)間に配置される絶縁プレート(12)と、
前記安全レール(13)を前記レール保持プレート(11)に取り付けるとともに前記レール保持プレート(11)を前記まくらぎ(202)に取り付ける締結ブロック(14、15)及び締結ボルト(16)及び雌ネジ部材(204、205)を備え、
レール保持プレート(11)に設けられた凸部である横圧受け凸部(11e)は前記安全レール(13)に作用する横圧を支持するように構成された鉄道車両軌道逸脱防止装置を用い、
前記鉄道線路から脱線した鉄道車両が軌道外方へ逸脱することを防止するとともに、前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間の距離(D1)は、前記鉄道線路の軌道保守を行うマルチプル・タイタンパーの道床つき固め用のタンピングツール(T)の幅よりも大きく設定され前記タンピングツール(T)が前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間に挿入可能とすること
を特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項6に係る鉄道車両の軌道逸脱防止方法置は、
鉄道線路の本線レール(201R)の軌道内側で前記本線レール(201R)に沿って設けられる安全レール(13)と、
まくらぎ(202A)に取り付けられ前記安全レール(13)を下方から支持するレール保持プレート(21)と、
電気絶縁性を有する材料からなり略板状に形成され前記レール保持プレート(21)と前記まくらぎの(202A)間に配置される絶縁プレート(22)と、
前記安全レール(13)を前記レール保持プレート(21)に取り付けるとともに前記レール保持プレート(21)を前記まくらぎ(202A)に取り付ける締結ブロック(25)及び締結ボルト(16)及び雌ネジ部材(205A)を備え、
レール保持プレート(21)に設けられた凸部である横圧受け凸部(21e)は前記安全レール(13)に作用する横圧を支持するように構成された鉄道車両軌道逸脱防止装置を用い、
前記鉄道線路から脱線した鉄道車両が軌道外方へ逸脱することを防止するとともに、前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間の距離(D1)は、前記鉄道線路の軌道保守を行うマルチプル・タイタンパーの道床つき固め用のタンピングツール(T)の幅よりも大きく設定され前記タンピングツール(T)が前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間に挿入可能とすること
を特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項7に係る鉄道車両の軌道逸脱防止方法置は、
鉄道線路の本線レール(201R)の軌道内側で前記本線レール(201R)に沿って設けられる安全レール(13)と、
まくらぎ(202B)に取り付けられ前記安全レール(13)を下方から支持するレール保持プレート(31)と、
電気絶縁性を有する材料からなり略板状に形成され前記レール保持プレート(31)と前記まくらぎの(202B)間に配置される絶縁プレート(32)と、
前記安全レール(13)を前記レール保持プレート(31)に取り付けるとともに前記レール保持プレート(31)を前記まくらぎ(202B)に取り付ける締結ブロック(35)及び締結ボルト(16)及び雌ネジ部材(204A、205B)を備え、
レール保持プレート(31)に設けられた凸部である横圧受け凸部(31e)は前記安全レール(13)に作用する横圧を支持するように構成された鉄道車両軌道逸脱防止装置を用い、
前記鉄道線路から脱線した鉄道車両が軌道外方へ逸脱することを防止するとともに、前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間の距離(D1)は、前記鉄道線路の軌道保守を行うマルチプル・タイタンパーの道床つき固め用のタンピングツール(T)の幅よりも大きく設定され前記タンピングツール(T)が前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間に挿入可能とすること
を特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項8に係る鉄道車両の軌道逸脱防止方法置は、
鉄道線路の本線レール(201R)の軌道内側で前記本線レール(201R)に沿って設けられる安全レール(13)と、
まくらぎ(202C)に取り付けられ前記安全レール(13)を下方から支持するレール保持プレート(41)と、
電気絶縁性を有する材料からなり略板状に形成され前記レール保持プレート(41)と前記まくらぎの(202C)間に配置される絶縁プレート(42)と、
前記安全レール(13)を前記レール保持プレート(41)に取り付けるとともに前記レール保持プレート(41)を前記まくらぎ(202C)に取り付ける締結ブロック(44、45)及び締結ボルト(16)及び雌ネジ部材(204B、205C)を備え、
レール保持プレート(41)に設けられた凸部である横圧受け凸部(41e)は前記安全レール(13)に作用する横圧を支持するように構成された鉄道車両軌道逸脱防止装置を用い、
前記鉄道線路から脱線した鉄道車両が軌道外方へ逸脱することを防止するとともに、前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間の距離(D1)は、前記鉄道線路の軌道保守を行うマルチプル・タイタンパーの道床つき固め用のタンピングツール(T)の幅よりも大きく設定され前記タンピングツール(T)が前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間に挿入可能とすること
を特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
(1)第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態である鉄道車両軌道逸脱防止装置の配置位置を示す図であり、図1(A)は軌道の平面図を、図1(B)はレール長手方向に見た軌道の正面断面図を、それぞれ示している。
【0019】
図1は、鉄道線路のうち、片側の本線レール201Rと、PCまくらぎ202の一部(本線レールの進行方向に向かって右側の約半分)が図示されている。図1(A)及び図1(B)において、符号C3は軌道中心線を、符号202aは、PCまくらぎ202の端部(本線レールの進行方向に向かって右側の端部)を示している。図1の左側の欄外には、同様の構成を有する本線レールと、PCまくらぎの残りの部分(本線レールの進行方向に向かって左側の約半分)が存在しているが、図示は省略されている。また、図1においては、PCまくらぎ202の下部及び側部のバラスト道床は、図示を省略している。また、図1においては、本線レール201RをPCまくらぎ202に締結しているレール締結装置203の詳細な構成については、図示を省略している。
【0020】
図1に示すように、第1実施形態の鉄道車両軌道逸脱防止装置101は、鉄道線路のPCまくらぎ202上に設置されており、本線レールの進行方向に向かって右側となる本線レール201Rの図における左側、すなわち右側の本線レール201Rの内側となる位置に設置されている。また、この鉄道車両軌道逸脱防止装置101の図における左側に、軌道中心線C3がある。
【0021】
図2は、本発明の第1実施形態である鉄道車両軌道逸脱防止装置の全体構成を示す正面断面図であり、図1と同様に、本線レールの進行方向に向かって右側に配置される鉄道車両軌道逸脱防止装置を図示している。図2に示すように、この鉄道車両軌道逸脱防止装置101は、レール保持プレート11と、絶縁プレート12と、安全レール13と、締結ブロック14及び15と、2本の締結ボルト16を備えて構成されている。
【0022】
まず、安全レール13について説明する。図2に示すように、安全レール13は、在来線用又は新幹線用に使用可能なレールであり、頭部13aと、腹部13bと、底部13c1及び13c2を有している。
【0023】
次に、レール保持プレート11について説明する。図3(A)及び図3(B)は、図1、2に示す鉄道車両軌道逸脱防止装置101におけるレール保持プレート11のさらに詳細な構成を示す図であり、図3(A)はレール保持プレート11の平面図を、図3(B)はレール長手方向に見たレール保持プレート11の正面図を、それぞれ示している。
【0024】
図3(A)及び図3(B)に示すように、レール保持プレート11は、鋼等からなる略板状の部材である。レール保持プレート11の底面11aは、PCまくらぎ202の軌道内側箇所の上面の傾斜面とほぼ同様の傾斜面となっている。また、レール保持プレート11の上部には、締結ブロック支持面11b及び11cと、安全レール支持面11dと、横圧受け凸部11eが設けられている。
【0025】
締結ブロック支持面11bは、本線レールの進行方向に向かって左側に位置する平面となっており、締結ブロック支持面11cは、本線レールの進行方向に向かって右側に位置する平面となってる。また、安全レール支持面11dは、締結ブロック支持面11b及び11cよりも高い位置となるような平面に形成されている。この安全レール支持面11dの幅(図2における左右方向の長さ)は、安全レール13の底面13fの幅とほぼ同じ値に設定されている。また、本線レールの進行方向に向かって左側となる安全レール支持面11dの端部には、横圧受け凸部11eが上方に突出するように形成されている。
【0026】
また、左側の締結ブロック支持面11bの図における右端部には、締結ブロック支持面11bに対して略垂直となる直壁面11iが接続しており、この直壁面11iは、横圧受け凸部11eの図における左の側壁を構成している。安全レール支持面11dの図における左端部には、安全レール支持面11dに対して略垂直となる直壁面11fが接続しており、この直壁面11fは、横圧受け凸部11eの図における右の側壁を構成している。以下、この横圧受け凸部11eの右の側面11fを、「横圧支持面」という。この横圧支持面11fの高さは、安全レール13の左側の底部13c1の側面13e1の高さとほぼ同じ値に設定されている。
【0027】
また、右側の締結ブロック支持面11cの図における左端部には、締結ブロック支持面11cに対して略垂直となる直壁面11jが接続しており、この直壁面11jは、安全レール支持面11dの図における右端部に接続している。
【0028】
また、左側の締結ブロック支持面11bの中央付近には、鉛直方向に貫通するボルト挿通孔11gが設けられている。また、右側の締結ブロック支持面11cの中央付近には、鉛直方向に貫通するボルト挿通孔11hが設けられている。
【0029】
次に、絶縁プレート12について説明する。図3(C)及び図3(D)は、図1、2に示す鉄道車両軌道逸脱防止装置101における絶縁プレート12のさらに詳細な構成を示す図であり、図3(C)は絶縁プレート12の平面図を、図3(D)はレール長手方向に見た絶縁プレート12の正面図を、それぞれ示している。
【0030】
図3(C)及び図3(D)に示すように、絶縁プレート12は、電気的な絶縁性を有する材料、例えば、天然ゴム、合成ゴム等のゴム系材料、あるいは合成樹脂材料等からなる略板状の部材であり、レール保持プレート11とPCまくらぎ202とを電気的に絶縁するために用いる部材である。また、絶縁プレート12の平面形状は、レール保持プレート11の平面形状とほぼ同一であり、レール保持プレート11のボルト挿通孔11gの位置に対応する箇所には、同じ径のボルト挿通孔12cが設けられている。また、レール保持プレート11のボルト挿通孔11hの位置に対応する箇所には、同じ径のボルト挿通孔12dが設けられている。
【0031】
また、図3(D)に示すように、絶縁プレート12の底面12aは、PCまくらぎ202の軌道内側箇所の上面の傾斜面と同様の傾斜面となっている。また、絶縁プレート12の上面12bは、絶縁プレート12の底面12aと平行な傾斜面となっている。
【0032】
次に、図2における左側の締結ブロック14について説明する。図4(A)及び図4(B)は、図1、2に示す鉄道車両軌道逸脱防止装置101における締結ブロック14のさらに詳細な構成を示す図であり、図4(A)はレール長手方向に見た締結ブロック14の正面図を、図4(B)は締結ブロック14の平面図を、それぞれ示している。
【0033】
図4(A)及び図4(B)に示すように、締結ブロック14は、鋼等からなるブロック状の部材である。締結ブロック14の底面14aは、レール保持プレート11の締結ブロック支持面11bに密接可能な平面となっている。また、底面面14aの図における右端部には、底面14aに対して略垂直となる直壁面14bが接続している。直壁面14bの上端には、図4(A)の右斜め上方へ向かって突出するような略板状のレール底部係止突起14cが設けられている。
【0034】
また、締結ブロック14の中央付近には、締結ブロック14の上面14fから下方に凹むような凹部であるボルト頭部収容凹部14eが形成され、ボルト頭部収容凹部14eの内底部からは、鉛直方向に貫通するボルト挿通孔14dが設けられている。ボルト挿通孔14dの内径は、ボルト頭部収容凹部14eの内径よりも小さな値に設定されている。
【0035】
次に、図2における右側の締結ブロック15について説明する。図4(C)及び図4(D)は、図1、2に示す鉄道車両軌道逸脱防止装置101における締結ブロック15のさらに詳細な構成を示す図であり、図4(C)はレール長手方向に見た締結ブロック15の正面図を、図4(D)は締結ブロック15の平面図を、それぞれ示している。
【0036】
図4(C)及び図4(D)に示すように、締結ブロック15は、鋼等からなるブロック状の部材である。締結ブロック15の底面15aは、レール保持プレート11の締結ブロック支持面11cに密接可能な平面となっている。また、底面面15aの図における左端部には、底面15aに対して略垂直となる直壁面15bが接続している。この直壁面15bの高さは、レール保持プレート11の横圧受け凸部11eの左側の側壁面の高さとほぼ同じ値に設定されている。直壁面15bの上端には、図4(C)の左斜め上方へ向かって突出するような略板状のレール底部係止突起15cが設けられている。
【0037】
また、締結ブロック15の中央付近には、締結ブロック15の上面15fから下方に凹むような凹部であるボルト頭部収容凹部15eが形成され、ボルト頭部収容凹部15eの底部からは、鉛直方向に貫通するボルト挿通孔15dが設けられている。ボルト挿通孔15dの内径は、ボルト頭部収容凹部15eの内径よりも小さな値に設定されている。
【0038】
締結ブロック14のレール底部係止突起14cの突出長さは、レール保持プレート11の横圧受け凸部11eの幅に、安全レール13の左側の底部13c1を押さえるための所要幅を加えた値に設定されている。また、締結ブロック15のレール底部係止突起15cの突出長さは、安全レール13の右側の底部13c2を押さえるための所要幅の値に設定されている。
【0039】
次に、締結ボルト16について説明する。図4(E)は、図1、2に示す鉄道車両軌道逸脱防止装置101における締結ボルト16のさらに詳細な構成を示す図である。
【0040】
図4(E)に示すように、締結ボルト16は、鋼等からなり、頭部16aと軸部16bを有するボルトである。頭部16aは、円柱状に形成されており、円柱状の部分の上面中央から凹ませた凹部である締結用凹部16dが、例えば六角柱状に形成されており、ボルトを回動させるためのレンチ等の治具が嵌合できるようになっている。また、軸部16bは、頭部16aの下部に接続し、頭部16aよりも小さな外径の円柱状の部分であり、その外周面に雄ネジが形成された雄ネジ部16cを有している。また、上記した締結ブロック14の上部に設けられたボルト頭部収容凹部14e、又は締結ブロック15の上部に設けられたボルト頭部収容凹部15eは、締結ボルト16の頭部16aを収容可能な深さを有している。
【0041】
なお、上記の説明は、本線レールの進行方向に向かって右側に配置される鉄道車両軌道逸脱防止装置101についてのものである。本線レールの進行方向に向かって左側に配置される鉄道車両軌道逸脱防止装置(図示せず)は、図2に示す鉄道車両軌道逸脱防止装置101に対し、鏡対称の構成となっている。すなわち、図2における構成の左右を逆にしたものとなっている。したがって、レール保持プレート11を、鉛直方向の直線の回りに180度回転させてレール保持プレート11の向きを逆転させればよく、部品等の構成は、上記した鉄道車両軌道逸脱防止装置101と全く同一である。
【0042】
次に、上記した各部材を用いて、安全レール13をPCまくらぎ202に取り付け、鉄道車両軌道逸脱防止装置101を構成する方法について説明する。
【0043】
この場合、PCまくらぎ202には、鉄道車両軌道逸脱防止装置101を取り付ける箇所に、図2において符号204、205で示す雌ネジ部材(埋込み栓)を設けておく。この雌ネジ部材204、205は、円筒状の部材の内壁に雌ネジが形成されたものであり、雌ネジは、上記した締結ボルト16の雄ネジ部16cと螺合可能な形状及び寸法を有しているものとする。また、雌ネジ部材204、205の下端は、閉塞されている。また、雌ネジ部材204、205は、安全レール13とレール保持プレート11とPCまくらぎ202とを電気的に絶縁する必要性から、電気的絶縁性を有する材料で形成されていることが望ましい。
【0044】
この雌ネジ部材204、205は、PCまくらぎ202を製造する際に、コンクリート中に埋設するようにしてもよい。あるいは、既設のPCまくらぎ202に、雌ネジ部材204等の外径よりも大きな内径を有する孔を削孔し、雌ネジ部材204等を挿入し、接着剤やモルタル等により固定するようにしてもよい。
【0045】
このような雌ネジ部材204、205を有するPCまくらぎ202を用意したのち、まず、図2に示すように、PCまくらぎ202の上に絶縁プレート12を敷設する。その際、PCまくらぎ202の雌ネジ部材204の中心と、絶縁プレート12のボルト挿通孔12cの中心が一致し、同様に、PCまくらぎ202の雌ネジ部材205の中心と、絶縁プレート12のボルト挿通孔12dの中心が一致するように、絶縁プレート12を敷設する。
【0046】
次に、絶縁プレート12の上にレール保持プレート11を載置する。この際、絶縁プレート12のボルト挿通孔12cの中心と、レール保持プレート11のボルト挿通孔11gの中心が一致し、同様に、絶縁プレート12のボルト挿通孔12dの中心と、レール保持プレート11のボルト挿通孔11hの中心が一致するように、レール保持プレート11を載置する。
【0047】
この状態で、レール保持プレート11の安全レール支持面11dの上に、安全レール13の底部13c1及び13c2を載置する。この際、安全レール13の図2における左側の底部側面13e1が、レール保持プレート11の横圧支持面11fと密接するように載置する。
【0048】
次に、この状態で、例えば、締結ブロック14を、レール保持プレート11の締結ブロック支持面11bの上に載置する。この際、締結ブロック14のボルト挿通孔14dの中心と、レール保持プレート11のボルト挿通孔11gの中心が一致するようにし、かつ、レール底部係止突起14cの下面が、安全レール13の左側の底部13c1の左端部付近の上面を押さえる状態となるようにして、締結ブロック14を載置する。
【0049】
また、同様にして、締結ブロック15を、レール保持プレート11の締結ブロック支持面11cの上に載置する。この際、締結ブロック15のボルト挿通孔15dの中心と、レール保持プレート11のボルト挿通孔11hの中心が一致するようにし、かつ、レール底部係止突起15cの下面が、安全レール13の右側の底部13c2の右端部付近の上面を押さえる状態となるようにして、締結ブロック15を載置する。なお、締結ブロック14の載置と、締結ブロック15の載置は、どちらが先に行われてもよい。
【0050】
次に、この状態で、例えば、締結ボルト16を、締結ブロック14のボルト頭部収容凹部14eからボルト挿通孔14dへ挿入し、さらにレール保持プレート11のボルト挿通孔11gと絶縁プレート12のボルト挿通孔12cへ挿入したのち、レンチ等のボルト回動用治具(図示せず)を締結用凹部16dに嵌合等させて回動し、締結ボルト16をPCまくらぎ202の雌ネジ部材204の雌ネジにねじ込む。これにより、最終的には、締結ボルト16の頭部16aの下面が、締結ブロック14のボルト頭部収容凹部14eの内底面を押圧し、締結ブロック14のレール底部係止突起14cが、安全レール13の左側の底部13c1の左端部付近を固定する。この際、締結ボルト16の上面は、締結ブロック14のボルト頭部収容凹部14eに収容されており、締結ブロック14の上面から突出する部分はない。
【0051】
同様にして、締結ボルト16を、締結ブロック15のボルト頭部収容凹部15eからボルト挿通孔15dへ挿入し、さらにレール保持プレート11のボルト挿通孔11hと絶縁プレート12のボルト挿通孔12dへ挿入したのち、レンチ等のボルト回動用治具(図示せず)を締結用凹部16dに嵌合等させて回動し、締結ボルト16をPCまくらぎ202の雌ネジ部材205の雌ネジにねじ込む。これにより、最終的には、締結ボルト16の頭部16aの下面が、締結ブロック15のボルト頭部収容凹部15eの内底面を押圧し、締結ブロック15のレール底部係止突起15cが、安全レール13の右側の底部13c2の右端部付近を固定する。この際、締結ボルト16の上面は、締結ブロック15のボルト頭部収容凹部15eに収容されており、締結ブロック15の上面から突出する部分はない。
【0052】
このようにして安全レール13がPCまくらぎ202に固定された状態(図2参照)では、安全レール13が本線レール201Rに沿って平行に設置されており、鉄道車両軌道逸脱防止装置101が構成されている。次に、図1、図2、及び図5を参照しながら、この鉄道車両軌道逸脱防止装置101の作用を説明する。
【0053】
上記のように、安全レール13がPCまくらぎ202に固定された状態(図2参照)では、安全レール13は、レール保持プレート11によって下方から支持されており、レール保持プレート11は、PCまくらぎ202に取り付けられて下方から支持されている。
【0054】
この状態で、図5(A)に示すように、本線レール201Rから車輪Wが脱線し、本線レール201Rから左下方へ落下したとする。その後、図5(A)において符号W″で示すように、脱線した車輪W´がさらに図の左方へ移動しても、車輪W´の内側の側面Sは、安全レール13の頭部の外方の側面13d2によって規制され、それよりも内方への車輪W″の移動は阻止される。このため、脱線した鉄道車両が、図5(A)において左側の軌道外方へ逸脱することが確実に防止される。
【0055】
脱線した車輪W″の内側面Sが、安全レール13の頭部の外方の側面13d2を横圧Pで押圧している状態(図5(A)参照)では、この横圧Pは、図2に示すように、安全レール13の底部側面13e1から、レール保持プレート11の横圧受け凸部11eの横圧支持面11fに付加され、その後、レール保持プレート11から締結ボルト16に伝達され、最終的には、横圧PはPCまくらぎ202と、その下部のバラスト道床によって支持される。
【0056】
この場合、図5(B)に示すように、安全レール13と本線レール201Rの間隔(レール底部の側面の間の距離)はD1となっている。このD1の下限値としては、マルチプル・タイタンパーのタンピングツール(道床つき固めツール)が、安全レール13と本線レール201Rの間に挿入でき、その下方のバラスト道床の中に支障なく差し込める必要がある。
【0057】
ある型(以下、「第1型」という。)のマルチプル・タイタンパーでは、軌道の内側の道床つき固め用のタンピングツール(図1(A)における符号Tを参照)の2つの端部(レール長手方向に垂直な方向の両端部)のうち軌道内方(図1における左方)となる端部(図1(A)における符号T1を参照)と、本線レール201Rの中心線C1(以下、「本線レールセンター」という。)との距離が400ミリメートルとなっている。新幹線の場合は、本線レール(60kgレール)の底部の幅は145ミリメートルであり、本線レールセンターから本線レール底部の側面までの距離は72.5(=145×0.5)ミリメートルであるから、上記のD1の値は、327.5(=400−72.5)ミリメートルよりも大きな値であることが必要である。すなわち、新幹線で第1型のマルチプル・タイタンパーを使用する場合には、D1の下限値は、327.5ミリメートルとなる。
【0058】
なお、安全レール13と本線レール201Rの間隔として、レール頭部の側面の間の距離D2(図5(B)参照)を採用する場合には、D2=D1+δ1+δ2となる。ここで、安全レール13として新幹線レールを使用する場合には、新幹線レール(60kgレール)の頭部の幅は65ミリメートルであるので、δ1=δ2=40(=145×0.5−65×0.5)ミリメートルとなる。したがって、上記のようにD1の下限値が327.5ミリメートルとなる場合は、D2の下限値は407.5(=327.5+40+40)ミリメートルとなる。
【0059】
また、他の型(以下、「第2型」という。)のマルチプル・タイタンパーでは、軌道の内側の道床つき固め用のタンピングツールの軌道内方となる端部(図1(A)における符号T1を参照)と、本線レール201Rの本線レールセンターC1との距離が484ミリメートルとなっている。新幹線で第2型のマルチプル・タイタンパーを用いる場合は、上記のD1の値は、411.5(=484−72.5)ミリメートルよりも大きな値であることが必要である。すなわち、新幹線で第2型のマルチプル・タイタンパーを使用する場合には、D1の下限値は、411.5ミリメートルとなる。
【0060】
なお、安全レール13と本線レール201Rの間隔として、レール頭部の側面の間の距離D2(図5(B)参照)を採用する場合には、上記のようにD1の下限値が411.5ミリメートルとなる場合は、D2の下限値は491.5(=411.5+40+40)ミリメートルとなる。
【0061】
この鉄道車両軌道逸脱防止装置101を在来線に設置する場合も、上記と同様にして、D1の下限値を設定する必要がある。
【0062】
一方、D1の値が上記の下限値より大きい場合であっても、ある上限値より大きくなると、列車が脱線した後に、安全レール13によって横移動が阻止される側の車輪W″とは反対側の車輪(図示せず。以下、「反対側車輪」という。)が、PCまくらぎの他の端部(図1における左の端部。図1には図示せず。)から外れて、PCまくらぎの外側のバラスト道床部分や、さらにその外側を走行することになる。このような状態となると、復旧作業に長時間がかかる、等の問題がある。したがって、反対側車輪がPCまくらぎの反対側の端部から脱輪するときのD1の値をD1の上限値とし、D1の値がこの上限値を越えないようにしておくと、脱線後の復旧が容易となる、という効果がある。
【0063】
このようなD1の上限値について考察すると、新幹線のPCまくらぎでは、まくらぎ端部202aと本線レールセンターC1とのとの距離が450ミリメートルのタイプがある。また、新幹線の場合は、レール(60kgレール)の頭部の幅は65ミリメートルであるので、レールセンターからレール頭部の内側面(車輪のフランジが接触する側面)までの距離は32.5(=65×0.5)ミリメートルであるから、このタイプの新幹線PCまくらぎでは、反対側車輪のフランジ付近は、反対側の本線レール(図1における本線レール201Rとは反対側の本線レール。図1には図示せず。)から脱線した後、482.5(=450+32.5)ミリメートルを越えて横移動すると、反対側のまくらぎ端部から車輪のフランジが脱輪する可能性があることがわかる。
【0064】
図5(B)において、車輪Wが脱線したとして、車輪Wが図の左方向へ移動できる最大移動可能距離をLとすると、Lの値は、本線レール201Rの頭部の左側面と、安全レール13の頭部の右側面の間の距離D2から、車輪Wのフランジfの幅bを減じた値(D2−b)となる。したがって、最大移動可能距離Lの値は、(D1+δ1+δ2−b)となるから、この場合のD1の値は、(L−δ1−δ2+b)となる。ここで、安全レール13として新幹線レールを用いた場合には、距離δ1と距離δ2は等しく、その値は、40(=72.5−32.5)ミリメートルとなる。また、Lとして、上記した482.5ミリメートルを用いる。そして、新幹線車両におけるフランジfの幅bは、30ミリメートルとする。これらより、反対側のまくらぎ端部から車輪のフランジが脱輪する場合のD1の値、すなわちD1の上限値は、432.5(=482.5−40−40+30)ミリメートルとなるから、D1≦432.5ミリメートルとなる。
【0065】
なお、安全レール13と本線レール201Rの間隔として、レール頭部の側面の間の距離D2を採用する場合には、上記のようにD1の上限値が432.5ミリメートルとなる場合は、D2の上限値は512.5(=432.5+40+40)ミリメートルとなるから、D2≦512.5ミリメートルとなる。
【0066】
この鉄道車両軌道逸脱防止装置101を在来線に設置する場合も、上記と同様にして、D1の上限値を設定する必要がある。
【0067】
また、図5(B)において、安全レール13の頭部上面と、本線レール201Rの頭部上面の高低差はHとなっている。このHの値は、大きければ大きいほど、脱線した車輪W″の阻止のためには有効である。しかし、鉄道における建築限界の制限から、Hの値は、新幹線の場合、最高でも35ミリメートル程度とする必要がある。ここに、鉄道における建築限界とは、鉄道車両が軌道上を安全に走行するために軌道上に確保されるべき空間領域の外縁線をいう。軌道近傍の設備、建築物、構造物等は、どの部分も、この建築限界の線の内部に入ってはならないと規定されている。この鉄道車両軌道逸脱防止装置101を在来線に設置する場合も、上記と同様にして、Hの上限値を設定する必要がある。
【0068】
上記の第1実施形態において、本線レール201Rは、特許請求の範囲における第1レールに相当している。また、図示していない他方の本線レールは、特許請求の範囲における第2レールに相当している。締結ブロック14及び15と、2本の締結ボルト16と、雌ネジ部材204及び205は、特許請求の範囲における安全レール取付手段に相当するとともに、特許請求の範囲におけるレール保持プレート取付手段にも相当している。また、レール保持プレート11の横圧受け凸部11eは、特許請求の範囲における横圧支持手段に相当している。
【0069】
上記のような構成により、第1実施形態の鉄道車両軌道逸脱防止装置101は、以下のような利点を有している。
【0070】
a)安全レール13をPCまくらぎ202に容易に取り付けることができ、鉄道線路のPCまくらぎ区間においても、脱線した鉄道車両が軌道外方へ逸脱することを確実に防止することができる。
【0071】
b)脱線車輪W″が安全レール13に与える横圧Pは、安全レール13の底部側面13e1から、レール保持プレート11の横圧受け凸部11eに加えられ、レール保持プレート11から締結ボルト16を経て、PCまくらぎ202と、その下部のバラスト道床に伝達され支持される。
【0072】
c)また、本線レールと安全レールの間の離隔(例えば、図5(B)におけるD1の値等)を適宜調整することにより、マルチプル・タイタンパーのタンピングツール(道床つき固めツール)を挿入して道床バラスト内へ差し込めるようにすることが可能であり、機械による軌道保守の支障となることはない。
【0073】
d)図2に示すように、締結ボルト16の頭部16aが、締結ブロック14のボルト頭部収容凹部14e又は15eの内部に収容され、締結ボルト16の締付後は、締結ボルト16の上面は、締結ブロック14又は15の上面から突出することはない。このため、図5(A)において、脱線後の車輪W″のフランジfが、締結ブロック15の上に乗り上げたとしても、フランジfによって締結ボルト16の頭部が破損されることはない。
【0074】
e)図2に示すように、PCまくらぎ202と、レール保持プレート11との間には、絶縁プレート12が敷設されているため、両者は電気的に絶縁されており、鉄道信号等への影響が生じないように配慮されている。なお、PCまくらぎ202とレール保持プレート11との間の電気的絶縁性をさらに向上させるため、図2において、符号17及び18で示すように、電気的絶縁材料からなる管状部材である絶縁チューブを配置し、締結ボルト16と、その周辺の部材との電気的絶縁性を確保するようにしてもよい。この絶縁チューブ17、18を用いる場合には、締結ボルト16を挿入する前に、絶縁チューブ17、18を挿入しておき、その後に締結ボルト16を挿入し、ねじ込むようにすればよい。
【0075】
f)また、鉄道車両軌道逸脱防止装置101を取り付けることにより、軌きょう(まくらぎとレールにより構成されるハシゴ状の構造体)の横方向(レール長手方向に垂直な方向)の剛性が強化され、レール温度が高温となった場合にレールが横方向に張り出す「座屈」を防止することができる。さらに、軌きょうの鉛直方向の剛性も強化され、車両の荷重がレールに付加された時の荷重の分散効果が大きくなり、PCまくらぎを通して道床バラストに加えられるまくらぎ圧力を軽減できるため、道床バラストの沈下を抑制する作用も果たす。
【0076】
(2)第2実施形態
本発明は、他の構成によっても実現可能である。図6(A)は、本発明の第2実施形態である鉄道車両軌道逸脱防止装置の全体構成を示す正面断面図である。
【0077】
この第2実施形態の鉄道車両軌道逸脱防止装置102は、レール保持プレート21と、絶縁プレート22と、安全レール13と、締結ブロック25と、締結ボルト16を備えて構成されている。この場合、図示はしていないが、図6(A)の右方の図の欄外に、第1実施形態における本線レール201Rと同様な本線レールが設置されているものとする。
【0078】
この第2実施形態の鉄道車両軌道逸脱防止装置102が、第1実施形態の鉄道車両軌道逸脱防止装置101と異なる点は、異なる構成のレール保持プレート21を有する点である。締結ブロック25は、第1実施形態における締結ブロック15とほぼ同一の構成と作用を有している。また、絶縁プレート22は、第1実施形態における絶縁プレート12とは、形状が異なるが、レール保持プレート21とPCまくらぎ202Aの間の電気的絶縁という機能の点では、第1実施形態における絶縁プレート12と略同一の作用を有している。
【0079】
以下、レール保持プレート21について説明する。レール保持プレート21が、第1実施形態のレール保持プレート11と異なる点は、異なる構成の横圧受け凸部21eを有する点である。この横圧受け凸部21eの断面形状は、図6(A)に示すように、略「コ」字状となっており、図の左方向に凹んだ凹部が形成されている。
【0080】
このような構成により、横圧受け凸部21eは、脱線した車輪から安全レールの底部側面13e1を経て加えられる横圧を支持するとともに、第1実施形態における左側の締結ブロック14のレール底部係止突起14cと同様なレール底部の端部上面を押さえ付ける機能も果たしている。
【0081】
第2実施形態の各部材を用いて、安全レール13をPCまくらぎ202Aに取り付け、鉄道車両軌道逸脱防止装置102を構成する方法は、以下の通りである。まず、PCまくらぎ202Aの上の所定箇所には、第1実施形態の場合と同様な雌ネジ部材205Aが設けられているものとする。次に、PCまくらぎ202Aの上に、絶縁プレート22、レール保持プレート21の順に、第1実施形態の場合と同様に設置し、安全レール13を図6(A)の右方からスライドさせるようにして、安全レール13の左側の底部端部を横圧受け凸部21eの凹部の中に嵌合させる。その後、締結ブロック25を第1実施形態の場合と同様に設置し、締結ボルト16を第1実施形態の場合と同様にねじ込んで締結する。この場合も、第1実施形態の場合と同様に、絶縁チューブを併用してもよい。
【0082】
上記の第2実施形態において、横圧受け凸部21eは、特許請求の範囲における安全レール取付手段に相当している。また、締結ブロック25と、締結ボルト16と、雌ネジ部材205Aは、特許請求の範囲における安全レール取付手段に相当するとともに、特許請求の範囲におけるレール保持プレート取付手段にも相当している。また、レール保持プレート21の横圧受け凸部21eは、特許請求の範囲における横圧支持手段に相当している。
【0083】
上記のような構成により、第2実施形態の鉄道車両軌道逸脱防止装置102は、第1実施形態の場合と同様な利点を有している。
【0084】
(3)第3実施形態
本発明は、さらに他の構成によっても実現可能である。図6(B)は、本発明の第3実施形態である鉄道車両軌道逸脱防止装置の全体構成を示す正面断面図である。
【0085】
この第3実施形態の鉄道車両軌道逸脱防止装置103は、レール保持プレート31と、絶縁プレート32と、安全レール13と、締結ブロック35と、2本の締結ボルト16を備えて構成されている。この場合、図示はしていないが、図6(B)の右方の図の欄外に、第1実施形態における本線レール201Rと同様な本線レールが設置されているものとする。
【0086】
この第3実施形態の鉄道車両軌道逸脱防止装置103が、第1実施形態の鉄道車両軌道逸脱防止装置101と異なる点は、異なる構成のレール保持プレート31を有する点である。締結ブロック35は、第1実施形態における締結ブロック15とほぼ同一の構成と作用を有している。また、絶縁プレート32は、第1実施形態における絶縁プレート12とは、形状が異なるが、レール保持プレート31とPCまくらぎ202Bの間の電気的絶縁という機能の点では、第1実施形態における絶縁プレート12と略同一の作用を有している。
【0087】
以下、レール保持プレート31について説明する。レール保持プレート31が、第1実施形態のレール保持プレート11と異なる点は、異なる構成の横圧受け凸部31eを有する点と、左側の締結ボルト16が締結ブロックを介さずに直接締結される点である。この横圧受け凸部31eの断面形状は、図6(B)に示すように、略「コ」字状となっており、図の左方向に凹んだ凹部が形成されている。
【0088】
このような構成により、横圧受け凸部31eは、脱線した車輪から安全レールの底部側面13e1を経て加えられる横圧を支持するとともに、第1実施形態における左側の締結ブロック14のレール底部係止突起14cと同様なレール底部の端部上面を押さえ付ける機能も果たしている。
【0089】
第3実施形態の各部材を用いて、安全レール13をPCまくらぎ202Bに取り付け、鉄道車両軌道逸脱防止装置103を構成する方法は、以下の通りである。まず、PCまくらぎ202Bの上の所定箇所には、第1実施形態の場合と同様な雌ネジ部材204A及び205Bが設けられているものとする。次に、PCまくらぎ202Bの上に、絶縁プレート32、レール保持プレート31の順に、第1実施形態の場合と同様に設置し、安全レール13を図6(B)の右方からスライドさせるようにして、安全レール13の左側の底部端部を横圧受け凸部31eの凹部の中に嵌合させる。その後、締結ブロック35を第1実施形態の場合と同様に設置し、左側と右側の2本の締結ボルト16を第1実施形態の場合と同様にねじ込んで締結する。この場合も、第1実施形態の場合と同様に、絶縁チューブを併用してもよい。
【0090】
上記の第3実施形態において、左側の締結ボルト16は、特許請求の範囲におけるレール保持プレート取付手段に相当している。また、横圧受け凸部21eは、特許請求の範囲における安全レール取付手段に相当している。また、締結ブロック35と、右側の締結ボルト16と、雌ネジ部材205Bは、特許請求の範囲における安全レール取付手段に相当するとともに、特許請求の範囲におけるレール保持プレート取付手段にも相当している。また、レール保持プレート31の横圧受け凸部31eは、特許請求の範囲における横圧支持手段に相当している。
【0091】
上記のような構成により、第3実施形態の鉄道車両軌道逸脱防止装置103は、第1実施形態の場合と同様な利点を有している。
【0092】
(4)第4実施形態
本発明は、さらに他の構成によっても実現可能である。図6(C)は、本発明の第4実施形態である鉄道車両軌道逸脱防止装置の全体構成を示す正面断面図である。
【0093】
この第4実施形態の鉄道車両軌道逸脱防止装置104は、レール保持プレート41と、絶縁プレート42と、安全レール13と、締結ブロック44及び45と、2本の締結ボルト16を備えて構成されている。この場合、図示はしていないが、図6(C)の右方の図の欄外に、第1実施形態における本線レール201Rと同様な本線レールが設置されているものとする。
【0094】
この第4実施形態の鉄道車両軌道逸脱防止装置104が、第1実施形態の鉄道車両軌道逸脱防止装置101と異なる点は、異なる構成のレール保持プレート41を有する点である。締結ブロック44、45は、第1実施形態における締結ブロック14、15とほぼ同一の構成と作用を有している。また、絶縁プレート42は、第1実施形態における絶縁プレート12とは、形状が異なるが、レール保持プレート41とPCまくらぎ202Cの間の電気的絶縁という機能の点では、第1実施形態における絶縁プレート12と略同一の作用を有している。
【0095】
以下、レール保持プレート41について説明する。レール保持プレート41が、第1実施形態のレール保持プレート11と異なる点は、異なる構成の横圧受け凸部41eを有する点である。この横圧受け凸部41eの断面形状は、第1実施形態の横圧受け凸部11eと同様であるが、その設置位置が異なっており、この横圧受け凸部41eは、左側の締結ブロック44の背後に直立するように形成されている。
【0096】
このような構成により、横圧受け凸部41eは、脱線した車輪から安全レールの底部側面13e1、左側の締結ブロック44を経て加えられる横圧を、締結ブロック44の背後で支持している。
【0097】
第4実施形態の各部材を用いて、安全レール13をPCまくらぎ202Cに取り付け、鉄道車両軌道逸脱防止装置104を構成する方法は、第1実施形態の場合とほぼ同様であるので、説明は省略する。この場合も、第1実施形態の場合と同様に、絶縁チューブを併用してもよい。
【0098】
上記の第4実施形態において、締結ブロック44及び45と、2本の締結ボルト16と、雌ネジ部材204B及び205Cは、特許請求の範囲における安全レール取付手段に相当するとともに、特許請求の範囲におけるレール保持プレート取付手段にも相当している。また、レール保持プレート41の横圧受け凸部41eは、特許請求の範囲における横圧支持手段に相当している。
【0099】
上記のような構成により、第4実施形態の鉄道車両軌道逸脱防止装置104は、第1実施形態の場合と同様な利点を有している。
【0100】
なお、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0101】
例えば、上記各実施形態においては、鉄道線路の進行方向に向かって右側の車両走行用レールである本線レール(201R)と、鉄道線路の進行方向に向かって左側の車両走行用レールである本線レール(図示せず)の両方に鉄道車両軌道逸脱防止装置を設ける例について説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成、例えば、鉄道線路の進行方向に向かって右側の車両走行用レールである本線レールのみに設けた鉄道車両軌道逸脱防止装置、鉄道線路の進行方向に向かって左側の車両走行用レールである本線レールのみに設けた鉄道車両軌道逸脱防止装置等であってもよい。
【0102】
また、上記各実施形態においては、レール保持プレートをまくらぎに取り付けるレール保持プレート取付手段と、安全レールをレール保持プレートに取り付ける安全レール取付手段とが兼用される例について説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成、例えば、これらを別個独立の構成要素とし、ボルト等(レール保持プレート取付手段)によりレール保持プレートをまくらぎに取り付け、さらに別のボルト等(安全レール取付手段)により安全レールをレール保持プレートに取り付けるように構成してもよい。また、その場合、横圧支持手段は、安全レール取付手段に設けられてもよいし、レール保持プレート取付手段に設けられてもよいし、これらの両者に設けられてもよい。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、鉄道線路の少なくとも一方のレールに沿って設けられる安全レールと、まくらぎに取り付けられ安全レールを支持するレール保持プレートと、電気絶縁材料からなりレール保持プレートの下部に配置される絶縁プレートと、レール保持プレートをまくらぎに取り付けるレール保持プレート取付手段と、安全レールをレール保持プレートに取り付ける安全レール取付手段と、安全レールに作用する横圧を支持する横圧支持手段を備えるように構成したので、鉄道線路から脱線した鉄道車両が軌道外方へ逸脱することを有効に防止することができる、という利点を有している。また、本線レールと安全レールの間の離隔を適宜調整することにより、マルチプル・タイタンパーの道床つき固めツールを挿入して道床バラスト内へ差し込めるようにすることが可能であり、機械による軌道保守の支障となることはない、という利点も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である鉄道車両軌道逸脱防止装置の配置位置を示す図であり、図1(A)は軌道の平面図を、図1(B)はレール長手方向に見た軌道の正面断面図を、それぞれ示している。
【図2】本発明の第1実施形態である鉄道車両軌道逸脱防止装置の全体構成を示す正面断面図である。
【図3】図1、2に示す鉄道車両軌道逸脱防止装置におけるレール保持プレート及び絶縁プレートのさらに詳細な構成を示す図である。
【図4】図1、2に示す鉄道車両軌道逸脱防止装置における締結ブロック及び締結ボルトのさらに詳細な構成を示す図である。
【図5】図1、2に示す第1実施形態である鉄道車両軌道逸脱防止装置の作用を説明する正面断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態である鉄道車両軌道逸脱防止装置の全体構成を示す正面断面図であり、図6(A)は本発明の第2実施形態を、図6(B)は本発明の第3実施形態を、図6(C)は本発明の第4実施形態を、それぞれ示している。
【符号の説明】
11 レール保持プレート
11a 底面
11b、11c 締結ブロック支持面
11d 安全レール支持面
11e 横圧受け凸部
11f 横圧支持面
11g、11h ボルト挿通孔
11i、11j 直壁面
12 絶縁プレート
12a 底面
12b 上面
12c、12d ボルト挿通孔
13 安全レール
13a 頭部
13b 腹部
13c1、13c2 底部
13d1 内方レール側面
13d2 外方レール側面
13e1 底部側面
13f 底面
14 締結ブロック
14a 底面
14b 直壁面
14c レール底部係止突起
14d ボルト挿通孔
14e ボルト頭部収容凹部
14f 上面
15 締結ブロック
15a 底面
15b 直壁面
15c レール底部係止突起
15d ボルト挿通孔
15e ボルト頭部収容凹部
15f 上面
16 締結ボルト
16a 頭部
16b 軸部
16c 雄ネジ部
16d 締結用凹部
17、18 絶縁チューブ
21 レール保持プレート
21e 横圧受け凸部
22 絶縁プレート
25 締結ブロック
31 レール保持プレート
31e 横圧受け凸部
32 絶縁プレート
35 締結ブロック
41 レール保持プレート
41e 横圧受け凸部
42 絶縁プレート
44、45 締結ブロック
101〜104 鉄道車両軌道逸脱防止装置
201R 本線レール
202〜202C PCまくらぎ
202a まくらぎ端
203 レール締結装置
204〜204B 雌ネジ部材
205〜205C 雌ネジ部材
C1 本線レールセンター
C2 安全レールセンター
C3 軌道中心線
D1、D2 安全レール間隔
f フランジ
H 安全レール突出高さ
W 車輪
W´、W″ 本線レールから脱線後の車輪
P 横圧
S 車輪内側面
T タンピングツール

Claims (8)

  1. 鉄道線路の本線レール(201R)の軌道内側で前記本線レール(201R)に沿って設けられる安全レール(13)と、
    まくらぎ(202)に取り付けられ前記安全レール(13)を下方から支持するレール保持プレート(11)と、
    電気絶縁性を有する材料からなり略板状に形成され前記レール保持プレート(11)と前記まくらぎの(202)間に配置される絶縁プレート(12)と、
    前記安全レール(13)を前記レール保持プレート(11)に取り付けるとともに前記レール保持プレート(11)を前記まくらぎ(202)に取り付ける締結ブロック(14、15)及び締結ボルト(16)及び雌ネジ部材(204、205)を備え、
    レール保持プレート(11)に設けられた凸部である横圧受け凸部(11e)は前記安全レール(13)に作用する横圧を支持するように構成され、
    前記鉄道線路から脱線した鉄道車両が軌道外方へ逸脱することを防止するとともに、前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間の距離(D1)は、前記鉄道線路の軌道保守を行うマルチプル・タイタンパーの道床つき固め用のタンピングツール(T)の幅よりも大きく設定され前記タンピングツール(T)が前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間に挿入可能に構成されていること
    を特徴とする鉄道車両軌道逸脱防止装置。
  2. 鉄道線路の本線レール(201R)の軌道内側で前記本線レール(201R)に沿って設けられる安全レール(13)と、
    まくらぎ(202A)に取り付けられ前記安全レール(13)を下方から支持するレール保持プレート(21)と、
    電気絶縁性を有する材料からなり略板状に形成され前記レール保持プレート(21)と前記まくらぎの(202A)間に配置される絶縁プレート(22)と、
    前記安全レール(13)を前記レール保持プレート(21)に取り付けるとともに前記レール保持プレート(21)を前記まくらぎ(202A)に取り付ける締結ブロック(25)及び締結ボルト(16)及び雌ネジ部材(205A)を備え、
    レール保持プレート(21)に設けられた凸部である横圧受け凸部(21e)は前記安全レール(13)に作用する横圧を支持するように構成され、
    前記鉄道線路から脱線した鉄道車両が軌道外方へ逸脱することを防止するとともに、前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間の距離(D1)は、前記鉄道線路の軌道保守を行うマルチプル・タイタンパーの道床つき固め用のタンピングツール(T)の幅よりも大きく設定され前記タンピングツール(T)が前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間に挿入可能に構成されていること
    を特徴とする鉄道車両軌道逸脱防止装置。
  3. 鉄道線路の本線レール(201R)の軌道内側で前記本線レール(201R)に沿って設けられる安全レール(13)と、
    まくらぎ(202B)に取り付けられ前記安全レール(13)を下方から支持するレール保持プレート(31)と、
    電気絶縁性を有する材料からなり略板状に形成され前記レール保持プレート(31)と前記まくらぎの(202B)間に配置される絶縁プレート(32)と、
    前記安全レール(13)を前記レール保持プレート(31)に取り付けるとともに前記レール保持プレート(31)を前記まくらぎ(202B)に取り付ける締結ブロック(35)及び締結ボルト(16)及び雌ネジ部材(204A、205B)を備え、
    レール保持プレート(31)に設けられた凸部である横圧受け凸部(31e)は前記安全レール(13)に作用する横圧を支持するように構成され、
    前記鉄道線路から脱線した鉄道車両が軌道外方へ逸脱することを防止するとともに、前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間の距離 (D1)は、前記鉄道線路の軌道保守を行うマルチプル・タイタンパーの道床つき固め用のタンピングツール(T)の幅よりも大きく設定され前記タンピングツール(T)が前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間に挿入可能に構成されていること
    を特徴とする鉄道車両軌道逸脱防止装置。
  4. 鉄道線路の本線レール(201R)の軌道内側で前記本線レール(201R)に沿って設けられる安全レール(13)と、
    まくらぎ(202C)に取り付けられ前記安全レール(13)を下方から支持するレール保持プレート(41)と、
    電気絶縁性を有する材料からなり略板状に形成され前記レール保持プレート(41)と前記まくらぎの(202C)間に配置される絶縁プレート(42)と、
    前記安全レール(13)を前記レール保持プレート(41)に取り付けるとともに前記レール保持プレート(41)を前記まくらぎ(202C)に取り付ける締結ブロック(44、45)及び締結ボルト(16)及び雌ネジ部材(204B、205C)を備え、
    レール保持プレート(41)に設けられた凸部である横圧受け凸部(41e)は前記安全レール(13)に作用する横圧を支持するように構成され、
    前記鉄道線路から脱線した鉄道車両が軌道外方へ逸脱することを防止するとともに、前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間の距離(D1)は、前記鉄道線路の軌道保守を行うマルチプル・タイタンパーの道床つき固め用のタンピングツール(T)の幅よりも大きく設定され前記タンピングツール(T)が前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間に挿入可能に構成されていること
    を特徴とする鉄道車両軌道逸脱防止装置。
  5. 鉄道線路の本線レール(201R)の軌道内側で前記本線レール(201R)に沿って設けられる安全レール(13)と、
    まくらぎ(202)に取り付けられ前記安全レール(13)を下方から支持するレール保持プレート(11)と、
    電気絶縁性を有する材料からなり略板状に形成され前記レール保持プレート(11)と前記まくらぎの(202)間に配置される絶縁プレート(12)と、
    前記安全レール(13)を前記レール保持プレート(11)に取り付けるとともに前記レール保持プレート(11)を前記まくらぎ(202)に取り付ける締結ブロック(14、15)及び締結ボルト(16)及び雌ネジ部材(204、205)を備え、
    レール保持プレート(11)に設けられた凸部である横圧受け凸部(11e)は前記安全レール(13)に作用する横圧を支持するように構成された鉄道車両軌道逸脱防止装置を用い、
    前記鉄道線路から脱線した鉄道車両が軌道外方へ逸脱することを防止するとともに、前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間の距離(D1)は、前記鉄道線路の軌道保守を行うマルチプル・タイタンパーの道床つき固め用のタンピングツール(T)の幅よりも大きく設定され前記タンピングツール(T)が前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間に挿入可能とすること
    を特徴とする鉄道車両の軌道逸脱防止方法
  6. 鉄道線路の本線レール(201R)の軌道内側で前記本線レール(201R)に沿って設けられる安全レール(13)と、
    まくらぎ(202A)に取り付けられ前記安全レール(13)を下方から支持するレール保持プレート(21)と、
    電気絶縁性を有する材料からなり略板状に形成され前記レール保持プレート(21)と前記まくらぎの(202A)間に配置される絶縁プレート(22)と、
    前記安全レール(13)を前記レール保持プレート(21)に取り付けるとともに前記レール保持プレート(21)を前記まくらぎ(202A)に取り付ける締結ブロック(2 5)及び締結ボルト(16)及び雌ネジ部材(205A)を備え、
    レール保持プレート(21)に設けられた凸部である横圧受け凸部(21e)は前記安全レール(13)に作用する横圧を支持するように構成された鉄道車両軌道逸脱防止装置を用い、
    前記鉄道線路から脱線した鉄道車両が軌道外方へ逸脱することを防止するとともに、前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間の距離(D1)は、前記鉄道線路の軌道保守を行うマルチプル・タイタンパーの道床つき固め用のタンピングツール(T)の幅よりも大きく設定され前記タンピングツール(T)が前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間に挿入可能とすること
    を特徴とする鉄道車の両軌道逸脱防止方法
  7. 鉄道線路の本線レール(201R)の軌道内側で前記本線レール(201R)に沿って設けられる安全レール(13)と、
    まくらぎ(202B)に取り付けられ前記安全レール(13)を下方から支持するレール保持プレート(31)と、
    電気絶縁性を有する材料からなり略板状に形成され前記レール保持プレート(31)と前記まくらぎの(202B)間に配置される絶縁プレート(32)と、
    前記安全レール(13)を前記レール保持プレート(31)に取り付けるとともに前記レール保持プレート(31)を前記まくらぎ(202B)に取り付ける締結ブロック(35)及び締結ボルト(16)及び雌ネジ部材(204A、205B)を備え、
    レール保持プレート(31)に設けられた凸部である横圧受け凸部(31e)は前記安全レール(13)に作用する横圧を支持するように構成された鉄道車両軌道逸脱防止装置を用い、
    前記鉄道線路から脱線した鉄道車両が軌道外方へ逸脱することを防止するとともに、前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間の距離(D1)は、前記鉄道線路の軌道保守を行うマルチプル・タイタンパーの道床つき固め用のタンピングツール(T)の幅よりも大きく設定され前記タンピングツール(T)が前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間に挿入可能とすること
    を特徴とする鉄道車両の軌道逸脱防止方法
  8. 鉄道線路の本線レール(201R)の軌道内側で前記本線レール(201R)に沿って設けられる安全レール(13)と、
    まくらぎ(202C)に取り付けられ前記安全レール(13)を下方から支持するレール保持プレート(41)と、
    電気絶縁性を有する材料からなり略板状に形成され前記レール保持プレート(41)と前記まくらぎの(202C)間に配置される絶縁プレート(42)と、
    前記安全レール(13)を前記レール保持プレート(41)に取り付けるとともに前記レール保持プレート(41)を前記まくらぎ(202C)に取り付ける締結ブロック(44、45)及び締結ボルト(16)及び雌ネジ部材(204B、205C)を備え、
    レール保持プレート(41)に設けられた凸部である横圧受け凸部(41e)は前記安全レール(13)に作用する横圧を支持するように構成された鉄道車両軌道逸脱防止装置を用い、
    前記鉄道線路から脱線した鉄道車両が軌道外方へ逸脱することを防止するとともに、前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間の距離(D1)は、前記鉄道線路の軌道保守を行うマルチプル・タイタンパーの道床つき固め用のタンピングツール(T)の幅よりも大きく設定され前記タンピングツール(T)が前記本線レール(201R)の底部側面と前記安全レール(13)の底部側面との間に挿入可能とすること
    を特徴とする鉄道車両の軌道逸脱防止方法。
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