JP3850149B2 - 芳香族ジカルボン酸の回収方法 - Google Patents

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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製造過程で排出された、または使用後に回収された、触媒や顔料などの微細無機固形物を含むポリエステル廃棄物を加水分解して、そのポリエステルの原料モノマーである芳香族ジカルボン酸を回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル樹脂は、多価アルコールと多価カルボン酸がエステル結合により重合したものであり、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートに代表される熱可塑性樹脂と、熱硬化性の不飽和ポリエステル樹脂がある。熱可塑性樹脂はポリエステル繊維やボトル、シート、およびエンジニアリング樹脂として、また、熱硬化性樹脂は主にFRPの形で広く用いられている。ポリエステル樹脂は、加水分解により比較的容易に原料モノマーに戻すことができる特徴を持つ。解重合の技術としては、酢酸亜鉛などの触媒存在下にメタノールを反応させてメチルエステル体モノマーを回収するメタノリシス法、炭酸ナトリウムなどの触媒存在下にエチレングリコールを反応させてオリゴマーを回収するグルコリシス法などの技術が知られており、すでにこれらの技術によりポリエチレンテレフタレートの解重合を行う商業設備が稼働している。
【0003】
これらの方法は、生成物を溶液状態で扱え、また、生成物の蒸留が可能など、精製方法が比較的容易な利点がある。しかし、これらの方法で得られる製品は、カルボン酸ではなくエステル体であり、例えば、メタノリシス法では製品を利用する際に副生物としてメタノールが発生し、これを処理するための設備が必要となる欠点があった。このため、これらの解重合設備は、重合設備などの生成物の消費設備と併設されることが常であった。また、アルコール類による解重合反応の速度は比較的遅いため、長時間の反応が必要で、設備が大型化する問題があった。
【0004】
一方で、熱可塑性ポリエステルの大部分を占め、繊維やボトルなどの用途に多量に用いられているポリエチレンテレフタレートや、優れた物性を持ちエンジニアリングプラスチックとして用途が拡大しているポリブチレンテレフタレートなどの樹脂の重合方法は、プロセスの単純なテレフタル酸を原料とする方法が主流となってきており、解重合法としても、生成物としてテレフタル酸などの多価カルボン酸を直接回収できる方法が望まれている。
特に近年は、1997年に容器包装リサイクル法によりPETボトルのリサイクルが義務づけられるなど、廃ポリエステルを有用な資源として活用しようとする要求が高まっており、効率的な解重合技術が切望されている。
【0005】
ポリエステル樹脂廃棄物から芳香族ジカルボン酸を回収するプロセスでの極めて重要な技術の一つに、製品の精製、特に原料のポリエステルに含まれる触媒や顔料などの微細無機固形物を分離除去する技術を挙げることができる。これは、製品である芳香族ジカルボン酸の沸点が高いため蒸留精製が不能な上、200℃以下では水に対する溶解度が小さく、濾過精製が困難なことに起因する。芳香族ジカルボン酸は、通常晶析による精製を行うが、母液に微細無機固形物が分散している場合、これが結晶核となって結晶成長が生じるため、晶析による分離精製も困難である。
【0006】
ポリエチレンテレフタレートを高温高圧水により解重合してテレフタル酸を回収する技術は公知であり、例えば、特公平3−16328号公報には、廃ポリエチレンテレフタレートを、脱色炭存在下に200〜300℃の高圧水で加水分解し、生成したテレフタル酸が高温高圧水に溶解している状態で濾過により固形物を除去し、濾液を冷却してテレフタル酸を結晶化させて回収する方法が開示されている。しかし、この方法は、原料に微細無機固形物や他種の樹脂などの不純物が含まれることを想定しておらず、これらの存在系では、脱色炭表面に微細無機固形物や加水分解しない他種の樹脂などが付着してその作用を阻害し、さらに、経時的には脱色炭の固着と反応器の閉塞を引き起こすため、安定した処理は困難である。また、高温高圧下で脱色炭を含む多量の固形物を濾過により分離除去することは、設備的にも、製品収率の面からも極めて不利である。さらに、この公報で示される温度範囲内において高収率でテレフタル酸を回収するためには、反応時間を長大にするか、またはポリエステルに対して用いる水の割合を著しく大きくすることが必要で、いずれの場合も反応器が大きくなり、工業的に不利である。
【0007】
また、フランスのフレンチオイルインスティテュート社は、ポリエチレンテレフタレートを水酸化ナトリウムで加水分解し、得られたテレフタル酸ナトリウム塩を水に溶解して精製後、酸で中和してテレフタル酸として回収する、Reco−PETケミカルリサイクルプロセスを発表している(EPN,12(Feb.1994))。しかし、この方法は、有機物を含む多量のナトリウム塩廃棄物が発生し、経済的にも、また、環境保護の観点からも好ましくない。
【0008】
特開平5−31000号公報には、亜臨界または超臨界の水と反応させることにより、ポリエステルを含む種々の樹脂を短時間の内に分解できることが開示されている。しかし、この公報は、分解生成物の内訳や実用的なプロセスの構築には言及していない。さらに、その後公開された文献(例えば、リサイクル技術発表会講演論文集 第3巻 P65−68(1995),ケミカルエンジニアリング紙1996年9月号 P17−20)も、この技術を用いたプロセスについては言及していない。
また、特開平9−77905号公報には、押出機型の反応器により低い水比でポリエチレンテレフタレートを加水分解する技術が開示されている。しかし、この方法では、生成するテレフタル酸は反応器中でも完全溶解しておらず、原料に微細無機固形物が混入している場合、その除去はできない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、触媒や顔料などの微細無機固形物を含む廃ポリエステル樹脂を加水分解して、ポリマーの重合原料などに使用できる高純度の芳香族ジカルボン酸を、不要な副生物を生じることなく、コンパクトな設備により短時間の内に高収率で回収するための技術を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、特定の温度、圧力の範囲でポリエステル樹脂と液体状の亜臨界水、または超臨界水を接触させれば、短時間の内に高収率で芳香族ジカルボン酸に分解できること、300℃を越える高温高圧水中であれば、芳香族ジカルボン酸が水に溶解した状態で、顔料や触媒などの微粒無機固形物を容易に分離し得ること、固形物を除去した高温高圧水を連続的に降温落圧して、高純度の芳香族ジカルボン酸結晶を連続的に得ることが可能なことを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、下記のとおりである。
1.一次粒子径1μm以下の微細無機固形物を含む、芳香族ジカルボン酸と多価アルコールの脱水縮合物であるポリエステルを、温度300℃を越えて500℃以下、圧力9MPa以上50MPa以下の条件下に、重量比で2倍以上20倍以下の量の液体状の亜臨界水、または超臨界水を用いて、反応時間1分以上60分以下の範囲で加水分解せしめ、生成した芳香族ジカルボン酸が亜臨界水または超臨界水に溶解している状態で、該微細無機固形物を300℃を越えて500℃以下の温度条件下で精密分離除去し、しかる後に降温落圧して芳香族ジカルボン酸を析出、回収することを特徴とする芳香族ジカルボン酸の回収方法。
2.ポリエステルがポリエチレンテレフタレートである上記1記載の芳香族ジカルボン酸の回収方法。
3.温度300℃を越えて400℃以下、圧力9MPa以上50MPa以下の条件下に、重量比で3倍以上10倍以下の量の液体状の亜臨界水、または超臨界水を用いて加水分解を行うことを特徴とする上記1記載の芳香族ジカルボン酸の回収方法。
4.微細無機固形物の精密分離除去が、液体サイクロン、セラミックフィルターまたはこれらの組み合わせを用いて行われることを特徴とする上記1記載の芳香族ジカルボン酸の回収方法。
【0012】
本発明におけるポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸と多価アルコールの脱水縮合反応により得られる、エステル結合を分子の主鎖に持つポリマーであり、熱可塑性ポリエステル樹脂と熱硬化性の不飽和ポリエステル樹脂の両方を包含する。
熱可塑性ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどを挙げることができ、不飽和ポリエステル樹脂としては、オルトフタル酸系、イソフタル酸系、テレフタル酸系の樹脂を挙げることができるが、ポリエチレンテレフタレートが特に好適に用いられる。
【0013】
本発明における微細無機固形物とは、ポリエステル樹脂の合成または成型加工時に添加される触媒や顔料などの、一次粒子径が1μm以下の無機添加物であり、例えば、触媒に用いられる酸化アンチモンや、顔料として用いられる酸化チタンなどを挙げることができる。
本発明の芳香族ジカルボン酸の回収プロセスは、大きく分けると、高温高圧水を発生させる高温高圧水製造部、原料のポリエステルを反応器に送り込む原料供給部、高温高圧水とポリエステルを接触させて加水分解を行う反応部、生成した水溶液から固形物および不溶物を分離除去する固液分離部、降温落圧して芳香族ジカルボン酸を析出させる晶析部、および晶析した芳香族ジカルボン酸を分離精製する精製部から成る。
【0014】
高温高圧水の製造法は、例えば、ボイラーなどの外部加熱による方法や、有機物の湿式酸化などによる加熱などの方法を取ることができる。ここで高温高圧水とは、100℃以上、本発明においては300℃を超える温度に加熱され、かつ、液体状態を保つよう加圧された亜臨界水および超臨界水を表す。
原料の供給方法は、例えば、ポリエステルを粉砕して水に分散させてスラリーと成しギアポンプなどにより供給する方法、熱可塑性ポリエステルについては押出し機などにより供給する方法、溶融後ポンプにより送液する方法などを採用することができる。金属屑や他種ポリマーなどの比較的大型の不純物を含む可能性のある使用済みPETボトルや、繊維製品の廃棄物などを対象とする場合は、樹脂を溶融して不溶成分をフィルターなどで荒取りした上で、反応部に供給することが好ましい。
【0015】
反応器に供給する高温高圧水の量は、ポリエステルに対して、重量比で2〜20倍の範囲が好ましい。ポリエステルの加水分解に必要な水の量は、例えば、ポリエチレンテレフタレートの場合、量論的にはポリエステルに対して、重量比で約0.2倍である。しかし、ポリエステルの加水分解は平衡反応であり、水の割合が多いほど分解は容易に進行するので、量論比よりも過剰の水を用いる。また、ポリエステルに対する高温高圧水の割合が重量比で2倍未満では、生成する芳香族ジカルボン酸が高温高圧水に溶解しきれず、次工程の固形分分離除去が困難となる。一方、ポリエステルに対する高温高圧水の割合が重量比で20倍を越えると、加水分解反応が速やかに生じる利点がある反面、晶析時の芳香族ジカルボン酸の収率が低下する上、反応器や高温高圧水製造、水処理などの設備の大型化と、処理に要するエネルギーの増大に繋がり、好ましくない。さらに好ましい範囲は、ポリエステルに対する高温高圧水の量が重量比で3〜10倍の範囲である。
【0016】
使用する反応器は、バッチ式でも連続式でもよい。反応器の形状は、例えば、パイプ型、円筒状の垂直型、水平型、およびそれらの内部に隔壁、攪拌機、スラリー搬送用のスクリューなどを備えたもの、反応器底部に大型の不溶性不純物を排出するノズルを設けたものなどを用いることができる。
加水分解のための反応温度は、ポリエステルの種類によって異なり、300℃を越えて500℃以下の範囲で選ばれる。300℃以下では製品収率を確保するために数時間の反応が必要となり、設備の大型化と生産性の低下を招く。また、500℃を越えると、反応時間を短縮しても芳香族ジカルボン酸からの脱炭酸反応が著しくなり、製品収率が低下する。さらに好ましい範囲は、300℃を越えて400℃以下の範囲である。
【0017】
圧力は亜臨界状態では高温高圧水が液体状体を保てる圧力、超臨界状態では溶解度を確保するために水の密度が0.2g/cm3 以上となる圧力が必要であり、具体的には300℃において9MPa以上で、反応温度が高いほど高圧を要する。圧力の上限は、反応面での規制はないが、設備的な面で50Mpa以下が実用的である。
反応器内の滞留時間は、ポリエステルの種類と反応温度により最適値が決定されるが、滞留時間に比例して反応器が大型化するため、1時間以下が好ましい。また、滞留時間が1分未満では設備的に反応の調節が困難で、わずかな過分解が脱炭酸反応に繋がって製品の収率低下を起こすおそれがあることから、1分以上となるよう反応温度を調節することが好ましい。
【0018】
昇温時の熱履歴の影響を避けるため、反応器内での混合により所定の反応温度が確保されるように調節した、過剰に加熱した高温高圧水を反応器に供給することが好ましい。
反応器内で加水分解を受けたポリエステルは、芳香族ジカルボン酸とジオール、ポリオールおよび/またはそれらの誘導体の高温高圧水溶液として反応器を出る。この際、ポリエステルに含まれていた触媒、顔料、フィラーなどの微細無機固形物は、水溶液中に分散した形で反応器から搬出される。これらの不純物は、製品への混入を避けるため、芳香族ジカルボン酸を析出させる前に分離除去しなければならない。
【0019】
分離除去工程では、原料ポリエステルに混合する触媒や顔料などの微細な無機固形物を精密分離する。精密分離の方法は、バッチ処理の場合は、例えば、精密濾過のできる金属フィルターやセラミックフィルター、連続的に処理を行う場合は、例えば、高速液体サイクロンや逆洗設備付きの金属フィルター・セラミックフィルター、およびこれらの組み合わせが好適に用いられる。
分離工程の温度は、芳香族ジカルボン酸を水溶液として扱うため、および流体の粘度を概ね1cp以下まで下げて分離を容易にするために300℃を超える温度とする。この場合、副反応による生成物の回収率低下が起こらない500℃以下の範囲で、分離工程の温度を反応工程の温度以上にしてもよい。また、分離工程における副反応の進行を防止するために、分離工程における滞留時間を反応行程における滞留時間の概ね1/10以下とすることが好ましい。
【0020】
なお、原料ポリエステルに混入してくる汚れやゴミ、異種ポリマー、金属屑などの比較的大きな不純物は、精密分離工程の負荷を下げるため、例えば、重力沈降分離やストレーナーなどを用いて事前に除去しておくことが好ましい。また、アップフロー型リアクターにおいて、リアクター底部に溜まる成分を連続的または断続的に抜き出す方法も好ましい。
固形物を除去した反応後の水溶液は、冷却して芳香族ジカルボン酸の結晶を析出させる。この工程では、圧力を保ったまま温度を下げて結晶を析出せしめた後、固液分離を行い、抜き出しバルブなどを通して、スラリーを連続的または断続的に落圧して抜き出してもよいし、水溶液のまま保圧弁を通して瞬時に落圧冷却を行い、結晶化後に固液分離して芳香族ジカルボン酸結晶を回収してもよい。
回収した芳香族ジカルボン酸結晶は、水洗などにより含浸される有機不純物を除いた後、乾燥して製品とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【実施例】
本発明の実施例に用いた装置を図1に示す。
ホッパー1の原料ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート:繊維グレード、触媒:酸化アンチモン220ppm、顔料:酸化チタン0.2重量%含有)は、スクリュー熱交換器2で溶解し、ストレーナー3にて大きな固形不純物を除いた後、ポンプ4で反応器5に送られる。
【0022】
水タンク6の純水は、高圧ポンプ7により、熱交換器8および加熱器9にて所定温度まで加熱した上で反応器5に送られ、原料ポリエステルと混合される。
反応器は上昇流方式であり、器内滞留中にポリエチレンテレフタレートは加水分解を受けてテレフタル酸とエチレングリコール、およびその誘導体に転化され、水溶液となって反応器上部からセラミックフィルター10に導かれ、ここで触媒や顔料などの微細無機固形物が除去される。一方、反応器内に滞留する原料に混入するゴミや反応残渣などの比較的大きな固形物は、反応器底部の抜き出しバルブ11を通して抜き出される。
【0023】
固形物を除去された高温高圧水溶液は、熱交換器8で冷却されて晶析槽12に入る。ここで生成した芳香族ジエステル結晶は、槽底部から抜き出しバルブ13を通して洗浄精製槽14に入り、水洗後、脱水機15、乾燥機16を通って製品となる。なお、図中17は保圧弁を示す。
本装置を用いてポリエチレンテレフタレートの加水分解を行うに当たり採用した反応条件および運転成績を、表1および表2に示す。
【0024】
【表1】
Figure 0003850149
【0025】
【表2】
Figure 0003850149
【0026】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、触媒や顔料などの微細無機固形物を含む廃ポリエステル樹脂から、塩類などの不要な副生物を生成することなく、ポリマーの重合原料として利用できる高純度の芳香族ジカルボン酸を、コンパクトな設備により短時間の内に高収率で回収することができ、環境に優しいリサイクルプロセスとして極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示すプロセスフローシートである。
【符号の説明】
1.ポリエステルホッパー
2.スクリュー熱交換器
3.ストレーナー
4.原料供給ポンプ
5.反応器
6.水タンク
7.水供給高圧ポンプ
8.熱交換器
9.加熱器
10.フィルター
11.抜き出しバルブ
12.晶析槽
13.製品抜き出しバルブ
14.洗浄精製槽
15.製品脱水機
16.製品乾燥機
17.保圧弁

Claims (4)

  1. 一次粒子径1μm以下の微細無機固形物を含む、芳香族ジカルボン酸と多価アルコールの脱水縮合物であるポリエステルを、温度300℃を越えて500℃以下、圧力9MPa以上50MPa以下の条件下に、重量比で2倍以上20倍以下の量の液体状の亜臨界水、または超臨界水を用いて、反応時間1分以上60分以下の範囲で加水分解せしめ、生成した芳香族ジカルボン酸が亜臨界水または超臨界水に溶解している状態で、該微細無機固形物を300℃を越えて500℃以下の温度条件下で精密分離除去し、しかる後に降温落圧して芳香族ジカルボン酸を析出、回収することを特徴とする芳香族ジカルボン酸の回収方法。
  2. ポリエステルがポリエチレンテレフタレートである請求項1記載の芳香族ジカルボン酸の回収方法。
  3. 温度300℃を越えて400℃以下、圧力9MPa以上50MPa以下の条件下に、重量比で3倍以上10倍以下の量の液体状の亜臨界水、または超臨界水を用いて加水分解を行うことを特徴とする請求項1記載の芳香族ジカルボン酸の回収方法。
  4. 微細無機固形物の精密分離除去が、液体サイクロン、セラミックフィルターまたはこれらの組み合わせを用いて行われることを特徴とする請求項1記載の芳香族ジカルボン酸の回収方法。
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