JP3849416B2 - 動圧流体スラスト軸受装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
近年、事務機器や民生機器に使われている各種モータでは小型化、高速化、高精度化等が要求されており、ラジアル軸受、スラスト軸受共に動圧発生溝を有する動圧流体軸受の必要性が高まっている。本発明は、高精度回転に最適な動圧流体スラスト軸受装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下図面を参照しながら、従来の動圧流体スラスト軸受装置の一例について説明する。図6は従来の動圧流体スラスト軸受装置の主要部断面図である。図6において、11は軸であり、両面に動圧発生溝12を有するスラスト板13が圧入等の方法で固定されている。この動圧発生溝12の実際の形状は、図7に示すように円盤状のスラスト板13の両面に設けられた、軸11の回転方向Aとは逆方向へ延びる略V字形状の溝である。14はスリーブ、15は止め板で、共に動圧発生溝12に近接対向するよう構成してある。なお、止め板15は図示しないネジ止めなどの方法でスリーブ14へ固定されている。一方、軸11の一部には動圧流体ラジアル軸受を形成するためにラジアル動圧発生溝16が設けられ、ここと近接対向するようスリーブ14にはラジアル突起部17が設けられている。なお、動圧を発生するためのオイルはあえて図示していないが、スリーブ14、止め板15、スラスト板13、軸11で囲まれた空間に充満されている。
【0003】
以上のように構成された従来の動圧流体スラスト軸受について、以下その動作を説明する。図6において、軸11は図示しないモータ構成部品により矢印A方向へ回転される。これにより動圧流体ラジアル軸受部では、軸11に設けられたラジアル動圧発生溝16により図示しないオイルがそのV型形状の中央部へかき集められることで動圧が発生し、軸11はスリーブ14に対しラジアル方向は非接触で回転することとなる。また動圧流体スラスト軸受部でも同様に、動圧発生溝12が図7に示すような略V字状の溝形状であるため、図示しないオイルがそのV字状中央部へかき集められることで動圧が発生し、スラスト方向でも軸11は、スリーブ14、止め板15に対し非接触で回転することとなる。なお、スラスト板13の両面に動圧発生溝12を設ける理由は、両面のスラスト方向の浮上量Bを確保するためである。具体的には片面の動圧発生溝12で得られる浮上量よりも近接対向する浮上量Bを小さく設定することで、スラスト板13が両面の動圧発生溝12による動圧で挟み付けられ、両面の浮上高さが共にBとなるよう規制されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のような構成では、実際得られる浮上高さBが確保できずかつ安定しないという課題が発生する。この原因を以下に説明する。軸11が停止している時は、当然動圧が発生していないのでスラスト板13はそれ自体の重量を含む回転体の重量により止め板15に密着している。次にこの状態から軸11が回転を始めると、止め板15側の動圧発生溝12がオイルをかき集めて浮上を始めようとするが、この時の浮上量に見合う量のオイルがスラスト板13の外周部もしくは内周部から供給される必要がある。しかしながら実際には、スラスト板13の最内周側と最外周側の非動圧溝部がオイル流入時の抵抗となるので、止め板15側の動圧発生溝12では十分な動圧が発生しない。具体的には、両面の浮上量Bを10μmで設計し、この浮上量Bに見合う動圧発生溝12を形成していても、非動圧溝部の長さCが500μmの時はオイルの流入抵抗が極めて大きくなり、実際の止め板15側の浮上高さBは4μm前後しか得られない。更にこの少ない浮上量Bは非動圧溝部の抵抗に起因するので、回転中に外部から振動を与えたり軸受の姿勢を逆向きにするなどの外乱を与えると、止め板側15とスリーブ14側浮上量Bが同じになったり、逆にスリーブ14側の浮上量Bが小さくなったりするなど、浮上量Bが安定しないことが容易に想像できる。
【0005】
この結果、このような課題を有する動圧流体スラスト軸受装置では、まず軸11とスラスト板13との取付の直角度が悪い時に、浮上量Bが小さい分コスレ易いので焼き付きを起こしやすいという問題があった。またスラスト動圧軸受の製造工程においても浮上量Bが安定していないので、浮上量Bの検査、確認工程自体に意味が無く、結果製造時の品質確保が困難となるという問題も有していた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明の第1の発明は、回転する軸と、この軸に固定され、前記軸を中心とする同一円周上にその端部が位置し、オイルをかき集めて動圧を発生する複数の動圧発生溝を少なくとも片面に有するスラスト板と、このスラスト板の表裏各面にそれぞれ近接対向して設けたスリーブおよび止め板とで構成され、前記スラスト板において、前記動圧発生溝の内周部側と外周部側からそれぞれ前記動圧発生溝へ至る段差を設けて形成した前記動圧発生溝の開口部のうち少なくとも一方の開口部において、スラスト板の軸方向段差寸法と前記動圧発生溝の最内周部又は最外周部の円周長との積で表されるオイルの流路面積が、前記動圧発生溝の最内周部又は最外周部における前記動圧発生溝の周長と溝深さ及び溝本数との積で表されるオイルの流路面積より大なる構成としたことで、オイルが流入するときの抵抗を大幅に低減でき、浮上量の確保と安定化を実現する。
【0007】
また本発明の第2の発明では、回転する軸と、この軸に固定され、前記軸を中心とする同一円周上にその端部が位置し、オイルをかき集めて動圧を発生する複数の動圧発生溝を少なくとも片面に有するスラスト板と、このスラスト板の表裏各面にそれぞれ近接対向して設けたスリーブおよび止め板とで構成され、前記スラスト板における前記動圧発生溝の内周側もしくは外周側に位置する非溝部のうち、少なくとも一方の非溝部に対する前記スリーブおよび止め板それぞれの対向位置に逃がし部を設け、前記逃がし部の軸方向段差寸法と前記動圧発生溝の最内周部又は最外周部の円周長との積で表されるオイルの流路面積が、前記動圧発生溝の最内周部又は最外周部における前記動圧発生溝の周長と溝深さ及び溝本数との積で表されるオイルの流路面積より大なる構成としたもので、オイルが流入するときの抵抗を大幅に低減でき、浮上高さの確保と安定化を実現できる。また本発明の第3の発明では、回転する軸と、この軸に固定されたスラスト板と、このスラスト板の両面にそれぞれ近接対向して設けたスリーブおよび止め板にそれぞれ設けられ、前記軸を中心とする同一円周上にその端部が位置し、オイルをかき集めて動圧を発生する複数の動圧発生溝とから構成され、前記スリーブおよび止め板における前記動圧発生溝の内周側もしくは外周側の少なくとも一方に対する前記スラスト板の対向位置に段差部を設け、前記段差部の軸方向寸法と前記動圧発生溝の最内周部又は最外周部の円周長との積で表されるオイルの流路面積が、前記動圧発生溝の最内周部又は最外周部における前記動圧発生溝の周長と溝深さ及び溝本数との積で表されるオイルの流路面積より大なる構成としたもので、オイルが流入するときの抵抗を大幅に低減でき、浮上高さの確保と安定化を実現できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明の第1の実施形態について図1を参照しながら説明する。図1は本実施形態における動圧流体スラスト軸受装置の主要部断面図である。図1において、1は軸であり、両面に動圧発生溝2を有するスラスト板3が圧入等の方法で固定されている。なお動圧発生溝2の実際の形状は、図7に示す従来例と全く同様であり、説明は省略する。4はスリーブ、5は止め板で、共に動圧発生溝2に近接対向する面を有して構成される。なお、止め板5は図示しないネジ止めなどの方法でスリーブ4へ固定されている。一方、軸1の一部には動圧流体ラジアル軸受を形成するためにラジアル動圧発生溝6が設けられ、ここと近接対向するようスリーブ4にはラジアル突起部7が設けられている。なお、動圧を発生するためのオイルはあえて図示していないが、従来例同様スリーブ4、止め板5、スラスト板3、軸1で囲まれた空間に充満されている。
【0009】
以上のように構成された動圧流体スラスト軸受の動作は以下の通りである。軸1が図示しないモータ構成部品により矢印A方向へ回転すると、ラジアル軸受部では軸1に設けられたラジアル動圧発生溝6により図示しないオイルがそのV字形状の中央部へかき集められることで動圧が発生し、軸1はスリーブ4に対しラジアル方向は非接触で回転することになる。またスラスト軸受部でも同様に、動圧発生溝2が略V溝形状であるため、図示しないオイルがV字形状の中央部へかき集められることで動圧が発生するので、スラスト方向でも軸1とスラスト板3はスリーブ4、止め板5に対し非接触で回転することとなる。なお、スラスト板3の両面に動圧発生溝2を設ける理由も従来例と全く同じであり、説明は省略する。
【0010】
従来例と異なるのは、スラスト板3の非動圧溝部の半径方向長さCを小さくした点であり、以下詳細に説明する。
【0011】
従来例においては非動圧溝部の長さCがオイルの流入時の抵抗となり、結果浮上量Bの確保と安定化に問題が生じると説明したが、この抵抗は小さいほど良いが0である必要はない。これは、非動圧溝部の有無に関わらずオイルは狭い動圧発生溝2の中を通るためで、目安としてはこの動圧発生溝2の面積に比べ小さい抵抗とすればよい。このことは非動圧溝部の長さCは小さくする必要はあるが0とする必要はないことを示す。
【0012】
更に現実的な問題としては、浮上量Bにスラスト板3の直角度やスラスト板3の軸1への取付誤差によるフレの影響、更には設計した浮上量Bに対して現実の浮上量Bをどの程度まで許容するかなどを考慮して決定する必要がある。
【0013】
図2は設計での浮上量Bが10μmの動圧流体スラスト軸受装置を12000rpmで回転させるときの、実際に得られる浮上量Bが非動圧溝部長さCによりどのように変化するかを実験、実測した結果を示すグラフである。図2において、上記したようにスラスト板3のフレ量を3μm、余裕を2倍と見積もると、最低でも浮上量Bは約6μmが必要であり、結果として非動圧溝部の長さCは0.2mm以下にすれば良いことになる。
【0014】
一方ここで浮上量Bを小さく設計する場合を考えると、浮上量Bが小さくなること自体でオイルの流入抵抗は増えるので、非動圧溝部の長さCが同じ0.2mmのままでは結果としてオイルの抵抗が大きくなることは容易に理解できる。すなわち非動圧溝部の長さCは0.2mmという長さ自体に意味があるのではなく、浮上量Bと関連して決定される長さであり、単純には浮上量Bが半分ならCも半分とすればよい。
【0015】
以上から図2で示す非動圧溝部長さCの0.2mmは、浮上量10μmの20倍と考えればよい。なお、本実施形態では、動圧発生溝2の内周側と外周側共に非動圧溝部の長さCを浮上量Bの20倍以下としたが、内周側、もしくは外周側のいずれか一方だけを浮上量の20倍以下にしても良い。また当然のことながら、非動圧溝部の長さCが0の時に浮上量Bは最も大きくかつ安定することになる。
【0016】
以上の説明から明らかなように本実施形態では、非動圧溝部の長さCを浮上量Bの20倍以下とすることで実質的に十分な浮上量Bが得られるので、部品精度に起因するコスレが発生しない動圧流体スラスト軸受を実現でき、かつ浮上量検査を行うことで製造時の品質確保も可能となる。
【0017】
以下本発明の第2の実施形態について図3を用いて説明する。なお図3では、第1の実施形態の構成と同一機能部品には同一番号を付与し、構成とその動作の共通部分の説明は省略する。図3において、図1と異なる点はスラスト板3の両面に設けた動圧発生溝2の内周側と外周側に開口部Dを設けてある点にある。更にこの開口部Dの大きさは、開口部Dにおける軸方向段差寸法と動圧発生溝2の最内周または最外周の円周長との積で表される面積が、動圧発生溝2の深さEと動圧発生溝2の最内周または最外周における溝2の周長、および動圧発生溝2の溝本数との積で表される面積より同等以上の大きさとなるよう設けてある。すなわち、動圧発生溝2を通るオイルの流路面積より大きい面積のオイル流路面積が、動圧発生溝2の内周側と外周側に設けた構成にしてある。
【0018】
以上のように構成した動圧流体スラスト軸受装置の動作は、以下の通りである。動圧発生溝2の内周側と外周側から動圧発生溝2へ至る開口部Dでのオイル流入抵抗が、少なくとも動圧発生溝2の中を通るオイルの抵抗よりより小さく設けてあるので、第1の実施形態と同様にオイルの流入抵抗を十分小さくでき、十分な浮上量Bとその安定性が確保できることになる。なおこの開口部Dの大きさを、動圧発生溝2の深さEと同等以上とすればより効果的であることは言うまでもない。
【0019】
以上の説明から明らかなように本発明の第2の実施形態では、動圧発生溝2の内周側と外周側から動圧発生溝へ至る少なくとも一方の開口部を、その流路面積が、ここに接する動圧発生溝2の流路面積より大きくすることにより十分な浮上量Bが得られるので、部品精度に起因するコスレが発生しない動圧流体スラスト軸受を実現でき、かつ製造時も浮上量Bの検査を行うことで品質確保も可能となる。
【0020】
次に本発明の第3の実施形態について図4を用いて説明する。なお図4でも、第1の実施形態と同一機能部品には同一番号を付与し、構成とその動作の共通部分の説明は省略する。図4において図1と異なる点は、動圧発生溝2の内周側と外周側の非動圧溝部の長さCに対向するスリーブ4と止め板5に、逃がし部Fを設けてあることである。この逃がし部Fの軸方向寸法は、逃がし部Fの軸方向寸法と動圧発生溝2の内周側または外周側の円周長との積で表される面積が、動圧発生溝2の深さEと動圧発生溝2の接する最内周または最外周の周長、および動圧発生溝2の溝本数との積で表される面積より同等以上の大きさとなるよう設けてある。このことにより逃がし部Fでのオイルの流入抵抗は、動圧発生溝2の中を通るオイルの流入抵抗より小さく構成されることになる。
【0021】
以上のように構成した動圧流体スラスト軸受装置の動作は、内周側と外周側に設けた逃がし部Fを通るオイルの流入抵抗が、少なくとも動圧発生溝2の中を通るオイルの抵抗よりより小さく設けてあるので、十分な浮上量Bが確保できると共に、浮上量Bの安定化も可能となる。なお、逃がし部Fの大きさは深くしすぎても影響しないので、例えばスリーブ4を施盤で加工するときのバイトの逃げ形状と共用しても良い。
【0022】
以上の説明から明らかなように本発明の第3の実施形態では、内周側もしくは外周側の少なくても一方の非動圧溝部の長さCに対向するスリーブ4と止め板5に逃がし部Fを設けることにより、十分な浮上量Bとその安定性が得られるので、部品精度に起因するコスレが発生しない動圧流体スラスト軸受装置を実現でき、かつ製造時に浮上量Bを検査できるので品質確保も可能となる。
【0023】
次に本発明の第4の実施形態について図5を用いて説明する。なお図5でも、第1の実施形態と同一機能部品には同一番号を付与し、構成とその動作の共通部分の説明は省略する。図5において図1と異なる点は、動圧発生溝2がスリーブ4と止め板5に設けられ、スラスト板3には動圧発生溝2より内周側と外周側に段差部Gが対向して設けられたことにある。この段差部Gの軸方向寸法は、段差部Gの軸方向段差寸法と動圧発生溝2の内周側または外周側の円周長との積で表される面積が、動圧発生溝2の深さEと動圧発生溝2の最内周部または最外周部での周長、および動圧発生溝2の溝本数との積で表される面積より同等以上の大きさとなるよう設けてある。これにより段差部Gを通るオイルの流入抵抗は、動圧発生溝2の中を通るオイルの流入抵抗より小さくできる。なおこのような非回転側に動圧発生溝2を設けた構成自体は従来からある構造で、本実施形態ではこのような構成においても浮上量Bとその安定性を実現するものである。
【0024】
以上のように構成した動圧流体スラスト軸受装置の動作は、以下の通りである。段差部Gによるオイルの流入面積は、動圧発生溝2の中を通るオイルの流路面積より大きく構成されているので、段差部Gでのオイルの流入抵抗が十分小さくでき、十分な浮上量Bが確保できると共に、その安定化も可能となる。
【0025】
以上の説明から明らかなように本発明の第4の実施形態では、動圧発生溝2の内周側もしくは外周側の少なくとも一方に対向するスラスト板3に段差部Gを設けることにより、十分な浮上量Bが得られるので、部品精度に起因するコスレが発生しない動圧流体スラスト軸受装置を実現でき、かつ浮上量検査を行うことで製造時の品質確保も可能となる。
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明の第1の発明では、動圧発生溝の外周部と内周部側から動圧発生溝へ至る少なくとも一方の開口部のオイル流路面積を、ここに接する動圧発生溝のオイル流路面積より大きくすることで、浮上量の確保と安定化が可能な動圧流体スラスト軸受装置が実現できる。
【0027】
また本発明の第2の発明では、動圧発生溝の外周側もしくは内周側の少なくとも一方の非動圧溝部に対向するスリーブと止め板に逃がし部を設け、前記逃がし部の軸方向段差寸法と前記動圧発生溝の最内周部又は最外周部の円周長との積で表されるオイルの流路面積が、前記動圧発生溝の最内周部又は最外周部における前記動圧発生溝の周長と溝深さ及び溝本数との積で表されるオイルの流路面積より大なる構成としたことで、浮上量の確保と安定化が可能な動圧流体スラスト軸受装置が実現できる。
【0028】
また本発明の第3の発明では、スリーブと止め板に動圧発生溝を有する構成において、スリーブと止め板の動圧発生溝の外周側もしくは内周側の少なくとも一方のスラスト板側の対向面に段差部を設け、前記段差部の軸方向寸法と前記動圧発生溝の最内周部又は最外周部の円周長との積で表されるオイルの流路面積が、前記動圧発生溝の最内周部又は最外周部における前記動圧発生溝の周長と溝深さ及び溝本数との積で表されるオイルの流路面積より大なる構成としたことで、浮上高さの確保と安定化が可能な動圧流体スラスト軸受装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における動圧流体スラスト軸受装置の主要部断面図
【図2】図1に示す動圧流体スラスト軸受装置の、非動圧溝部Cの長さと得られる浮上量の関係を示すグラフ
【図3】本発明の第2の実施形態における動圧流体スラスト軸受装置の主要部断面図
【図4】本発明の第3の実施形態における動圧流体スラスト軸受装置の主要部断面図
【図5】本発明の第4の実施形態における動圧流体スラスト軸受装置の主要部断面図
【図6】従来の動圧流体スラスト軸受装置の主要部断面図
【図7】スラスト板の斜視図
【符号の説明】
1 軸
2 動圧発生溝
3 スラスト板
4 スリーブ
5 止め板
B 浮上量
C 非動圧溝部の長さ
D 開口部
E 動圧発生溝の深さ
F 逃がし部
G 段差部
Claims (3)
- 回転する軸と、この軸に固定され、前記軸を中心とする同一円周上にその端部が位置し、オイルをかき集めて動圧を発生する複数の動圧発生溝を少なくとも片面に有するスラスト板と、このスラスト板の表裏各面にそれぞれ近接対向して設けたスリーブおよび止め板とで構成され、前記スラスト板において、前記動圧発生溝の内周部側と外周部側からそれぞれ前記動圧発生溝へ至る段差を設けて形成した前記動圧発生溝の開口部のうち少なくとも一方の開口部において、スラスト板の軸方向段差寸法と前記動圧発生溝の最内周部又は最外周部の円周長との積で表されるオイルの流路面積が、前記動圧発生溝の最内周部又は最外周部における前記動圧発生溝の周長と溝深さ及び溝本数との積で表されるオイルの流路面積より大なる構成としたことを特徴とする動圧流体スラスト軸受装置。
- 回転する軸と、この軸に固定され、前記軸を中心とする同一円周上にその端部が位置し、オイルをかき集めて動圧を発生する複数の動圧発生溝を少なくとも片面に有するスラスト板と、このスラスト板の表裏各面にそれぞれ近接対向して設けたスリーブおよび止め板とで構成され、前記スラスト板における前記動圧発生溝の内周側もしくは外周側に位置する非溝部のうち、少なくとも一方の非溝部に対する前記スリーブおよび止め板それぞれの対向位置に逃がし部を設け、前記逃がし部の軸方向段差寸法と前記動圧発生溝の最内周部又は最外周部の円周長との積で表されるオイルの流路面積が、前記動圧発生溝の最内周部又は最外周部における前記動圧発生溝の周長と溝深さ及び溝本数との積で表されるオイルの流路面積より大なる構成としたことを特徴とする動圧流体スラスト軸受装置。
- 回転する軸と、この軸に固定されたスラスト板と、このスラスト板の両面にそれぞれ近接対向して設けたスリーブおよび止め板にそれぞれ設けられ、前記軸を中心とする同一円周上にその端部が位置し、オイルをかき集めて動圧を発生する複数の動圧発生溝とから構成され、前記スリーブおよび止め板における前記動圧発生溝の内周側もしくは外周側の少なくとも一方に対する前記スラスト板の対向位置に段差部を設け、前記段差部の軸方向寸法と前記動圧発生溝の最内周部又は最外周部の円周長との積で表されるオイルの流路面積が、前記動圧発生溝の最内周部又は最外周部における前記動圧発生溝の周長と溝深さ及び溝本数との積で表されるオイルの流路面積より大なる構成としたことを特徴とする動圧流体スラスト軸受装置。
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