JP3849337B2 - 回動部構造及び該構造を備えた鍵盤装置 - Google Patents

回動部構造及び該構造を備えた鍵盤装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、楽器をはじめ、打撃、押下、回動等の動作を伴う各種装置に適用可能な回動部構造及び該構造を備えた鍵盤装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、打撃、押下等により部材が回動して所望の効果を得るようにした楽器をはじめとする各種装置が存在する。例えば、グランドピアノでは、ジャック、ハンマ、バックチェック、レペティション等の部品で構成されるアクション機構を備え、押鍵操作によりハンマが回動して弦を叩くことにより音が発生するように構成されている。
【0003】
このグランドピアノは一般に、適切に打弦し良好な押鍵感触を得るために、レットオフ機能、バックチェック機能、レペティション機能の全てを備えたウィペンアッセンブリを有している。ここに、レットオフ機能は、押鍵した力で駆動したハンマが弦に当接した後、そのリバウンドで戻る余地を与えるためのもので、鍵に連動したハンマを連動から解放する機能であって、主にジャックがこの機能を遂行する。バックチェック機能は、打弦により跳ね返ってきたハンマをホールドする機能であって、鍵に設けられたチェック(ハンマキャッチャ)がこの機能を遂行する。レペティション機能は、離鍵時においてバックチェック状態からハンマが解放される際、ハンマを押鍵可能な状態に速やかに復帰させ、連打性を良好にする機能であって、レペティションレバーがこの機能を遂行する。
【0004】
ところで、電子鍵盤楽器において、上記のようなグランドピアノの機能を簡単でコンパクトな構成で実現する種々の工夫がなされている。
【0005】
例えば、バックチェック機能を実現したものとして、電子楽器の鍵盤装置(特公平7-19138号公報)がある。この鍵盤装置では、ハンマの回動軸の上方に回動抑制部を設け、押鍵時に鍵の下面に回動抑制部が当接すると共に、その当接部からハンマの回動軸へ向けて垂直方向に力が作用してハンマの回動を抑制するようにしている。これにより、ハンマのリバウンドによるあばれやノイズを防止することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記電子楽器の鍵盤装置では、鍵が回動抑制部に適当に当接するようにするために、高い位置精度が必要とされ、安定度の高いバックチェックを実現するためには構成の複雑化が避けられない。そして構成の複雑化により他の機能の実現が困難になりがちである。例えば上記鍵盤装置では、押鍵感触を向上させるための構成上の自由度が少なく、バックチェック機能以外の機能の同時実現をあまり考慮していない。例えば、鍵がハンマを連動から解放するように構成されていない結果、押鍵時に指に伝わる反動が大きく、長時間演奏すると疲れるという不具合がある。
【0007】
また、バックチェック機能は、鍵盤装置以外の装置にも好適な場合がある。例えば、リズムマシンへのデータ打ち込み等に使用されるフットペダル(実登2501792号公報)では、ペダルの上下動によりビータを上下動させ、圧電センサによりビータヘッドの叩打を検出するようにしている。この場合でも、ビータヘッドが圧電センサに当接するとき、微少なあばれが発生する。従って、適当なバックチェック機能を設けることにより、正確な検出ができ、ノイズを防止することが期待できる。
【0008】
このように、バックチェック機能は、上記のような楽器に限らず、打撃、押下や回動動作を伴う各種装置において有用な場合があり得る。一方、そのための構成は、簡単で且つその他の機能の実現を阻害するものでないことが望ましい。
【0009】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡単な構成でバックチェックを安定的に行うことができ、各種装置に適用容易な回動部構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1の回動部構造は、回動操作され第1回動軸を中心として回動自在な第1回動部材と、前記第1回動部材の回動操作により第2回動軸を中心として回動可能な第2回動部材と、前記第1回動部材の回動操作による前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置を規制する規制手段とを備え、前記第1回動部材に駆動部を設けると共に、前記第2回動部材に被駆動部を設け、前記第1回動部材の回動操作により該第1回動部材の駆動部がその回動開始位置で前記第2回動部材の被駆動部に当接して、前記第1回動部材が前記第2回動部材を回動駆動可能に構成し、前記第1回動部材または前記第2回動部材の一方に設けた摺接面が他方の回動部材に設けた摺接面に、前記第2回動部材が往方向回動終了位置近傍に位置するときに摺接可能であり、前記第1回動部材の前記駆動部と前記第1回動部材の前記摺接面とは、いずれも該第1回動部材に一体に形成され、前記第2回動部材の前記摺接面は、前記第2回動軸側を向く面であって、且つ前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置方向にいくにつれて前記摺接面が前記第2回動軸側に近づくように傾斜しており、それによって、前記第2回動部材が復帰方向に回動するにつれて、前記両摺接面が強く摺接するように構成したことを特徴とする。
【0011】
この構成により、簡単な構成でバックチェックを安定的に行うことができ、各種装置に適用容易である。
【0012】
請求項2の回動部構造は、回動操作され第1回動軸を中心として回動自在な第1回動部材と、前記第1回動部材の回動操作により第2回動軸を中心として回動可能な第2回動部材と、前記第1回動部材の回動操作による前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置を規制する規制手段とを備え、前記第1回動部材に駆動部を設けると共に、前記第2回動部材に被駆動部を設け、前記第1回動部材の回動操作により該第1回動部材の駆動部がその回動開始位置で前記第2回動部材の被駆動部に当接して、前記第1回動部材が前記第2回動部材を回動駆動可能に構成し、前記第1回動部材または前記第2回動部材の一方に設けた摺接面が他方の回動部材に設けた摺接面に、前記第2回動部材が往方向回動終了位置近傍に位置するときに摺接することにより、前記第2回動部材による前記第1回動部材のバックチェック状態が形勢されるように構成し、前記第1回動部材の前記駆動部と前記第1回動部材の前記摺接面とは、いずれも該第1回動部材に一体に形成されたことを特徴とする。
【0013】
この構成により、簡単な構成でバックチェックを安定的に行うことができ、各種装置に適用容易である。
【0014】
請求項3の回動部構造は、回動操作され第1回動軸を中心として回動自在な第1回動部材と、前記第1回動部材の回動操作により第2回動軸を中心として回動可能な第2回動部材と、前記第1回動部材の回動操作による前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置を規制する規制手段とを備え、前記第1回動部材に駆動部を設けると共に、前記第2回動部材に被駆動部を設け、前記第1回動部材の回動操作により該第1回動部材の駆動部がその回動開始位置で前記第2回動部材の被駆動部に当接して、前記第1回動部材が前記第2回動部材を回動駆動可能に構成し、前記第1回動部材または前記第2回動部材の一方に設けた摺接面が他方の回動部材に設けた摺接面に、前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了直前に近接乃至摺接可能であると共に前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了の直後で且つ復行程において摺接可能であり、前記第1回動部材の前記駆動部と前記第1回動部材の前記摺接面とは、いずれも該第1回動部材に一体に形成され、前記第2回動部材の前記摺接面は、前記第2回動軸側を向く面であって、且つ前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置方向にいくにつれて前記摺接面が前記第2回動軸側に近づくように傾斜しており、それによって、前記第2回動部材が復帰方向に回動するにつれて、前記両摺接面が強く摺接するように構成したことを特徴とする。
【0015】
この構成により、事前にバックチェックの準備状態が整い、前記摺接面が前記他方の回動部材に適切な位置、角度、タイミングで摺接して、適切なバックチェックをすることができる。よって、簡単な構成でバックチェックを安定的に行うことができ、各種装置に適用容易である。
【0016】
請求項4の回動部構造は、回動操作され第1回動軸を中心として回動自在な第1回動部材と、前記第1回動部材の回動操作により第2回動軸を中心として回動可能な第2回動部材と、前記第1回動部材の回動操作による前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置を規制する規制手段とを備え、前記第1回動部材に駆動部を設けると共に、前記第2回動部材に被駆動部を設け、前記第1回動部材の回動操作により該第1回動部材の駆動部がその回動開始位置で前記第2回動部材の被駆動部に当接して、前記第1回動部材が前記第2回動部材を回動駆動可能に構成し、前記第1回動部材または前記第2回動部材の一方に設けた摺接面が他方の回動部材に設けた摺接面に、前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了直前から回動の往行程における回動終了直後までの間に摺接可能であり、前記第1回動部材の前記駆動部と前記第1回動部材の前記摺接面とは、いずれも該第1回動部材に一体に形成され、前記第2回動部材の前記摺接面は、前記第2回動軸側を向く面であって、且つ前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置方向にいくにつれて前記摺接面が前記第2回動軸側に近づくように傾斜しており、それによって、前記第2回動部材が復帰方向に回動するにつれて、前記両摺接面が強く摺接するように構成したことを特徴とする。
【0017】
この構成により、簡単な構成でバックチェックを安定的に行うことができ、各種装置に適用容易である。
請求項5の回動部構造は、回動操作され第1回動軸を中心として回動自在な第1回動部材と、前記第1回動部材の回動操作により第2回動軸を中心として回動可能な第2回動部材と、前記第1回動部材の回動操作による前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置を規制する規制手段とを備え、記第2回動部材に設けた摺接面が、前記第1回動部材に、前記第2回動部材が往方向回動終了位置近傍に位置するときに摺接可能であり、前記第2回動部材が復帰方向に回動するにつれて、前記第1回動部材に前記摺接面が強く摺接するように構成し、前記摺接面は、前記第2回動軸側を向く面であって、且つ前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置方向にいくにつれて前記摺接面が前記第2回動軸側に近づくように傾斜していることを特徴とする。
請求項6の回動部構造は、回動操作され第1回動軸を中心として回動自在な第1回動部材と、前記第1回動部材の回動操作により第2回動軸を中心として回動可能な第2回動部材と、前記第1回動部材の回動操作による前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置を規制する規制手段とを備え、記第2回動部材に設けた摺接面が、前記第1回動部材に、前記第2回動部材が往方向回動終了位置近傍に位置するときに摺接することにより、前記第2回動部材による前記第1回動部材のバックチェック状態が形勢されるように構成し、前記摺接面は、前記第2回動軸側を向く面であって、且つ前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置方向にいくにつれて前記摺接面が前記第2回動軸側に近づくように傾斜していることを特徴とする。
請求項7の回動部構造は、回動操作され第1回動軸を中心として回動自在な第1回動部材と、前記第1回動部材の回動操作により第2回動軸を中心として回動可能な第2回動部材と、前記第1回動部材の回動操作による前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置を規制する規制手段とを備え、記第2回動部材に設けた摺接面が、前記第1回動部材に、前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了直前に近接乃至摺接可能であると共に前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了の直後で且つ復行程において摺接可能であり、前記第2回動部材が復帰方向に回動するにつれて、前記第1回動部材に前記摺接面が強く摺接するように構成し、前記摺接面は、前記第2回動軸側を向く面であって、且つ前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置方向にいくにつれて前記摺接面が前記第2回動軸側に近づくように傾斜していることを特徴とする。
請求項8の回動部構造は、回動操作され第1回動軸を中心として回動自在な第1回動部材と、前記第1回動部材の回動操作により第2回動軸を中心として回動可能な第2回動部材と、前記第1回動部材の回動操作による前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置を規制する規制手段とを備え、記第2回動部材に設けた摺接面が、前記第1回動部材に、前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了直前から回動の往行程における回動終了直後までの間に摺接可能であり、前記第2回動部材が復帰方向に回動するにつれて、前記第1回動部材に前記摺接面が強く摺接するように構成し、前記摺接面は、前記第2回動軸側を向く面であって、且つ前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置方向にいくにつれて前記摺接面が前記第2回動軸側に近づくように傾斜していることを特徴とする。
【0018】
なお、前記第1回動部材または前記第2回動部材の一方に設けた摺接面が他方の回動部材に、前記第1回動部材の回動操作の態様に応じて前記第2回動部材の回動終了時から回動終了直後までのいずれの時においても摺接し得えるように構成してもよい。この場合は、第1回動部材の回動操作の態様によっては、第2回動部材の回動終了時点において前記摺接面が前記他方の回動部材に摺接する場合があり得る。例えば、第1回動部材の回動操作が弱い場合(弱タッチ)は第2回動部材の回動終了時に摺接し、第1回動部材の回動操作が強い場合(強タッチ)は第2回動部材の回動終了直後に摺接する。
【0019】
請求項9の回動部構造は、前記第2回動部材の前記摺接面は、前記第2回動軸側を向く面であって、且つ前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置方向にいくにつれて前記摺接面が前記第2回動軸側に近づくように傾斜していることを特徴とする。
【0020】
この構成により、第2回動部材が復帰方向に回動するにつれて、第2回動部材の摺接面が第1回動部材に強く摺接するように作用する。よって、簡単な構成でバックチェックを安定的に行うことができ、各種装置に適用容易である。
【0021】
請求項10の回動部構造は、前記摺接面と前記第1回動部材との接線は、前記摺接面と前記第1回動部材との当接点と第1回動軸とを結ぶ線分とは45゜より小さい鋭角を成す一方、前記当接点と前記第2回動軸とを結ぶ線分とは45゜より大きい鋭角を成すように設定されたことを特徴とする。
【0022】
この構成により、第2回動部材が復帰方向に回動するときは、摺接面が第1回動部材に45゜より小さい鋭角でくい込むように作用する一方(楔効果)、回動操作解除時は、第1回動部材が第2回動部材から45゜より大きい鋭角で速やかに離間する。よって、バックチェックを安定的に且つ確実に行うと共に、バックチェックからの復帰を円滑にすることができる。
【0023】
請求項11の回動部構造は、前記第1回動部材の回動操作による前記第2回動部材の回動の往行程において、前記第1回動部材と前記第2回動部材とが連動している状態で、前記第2回動部材が前記規制手段に当接する前に、前記第1回動部材の回動を抑制するための回動抑制手段を設けたことを特徴とする。
【0024】
この構成により、第1回動部材の回動が抑制された後、第1回動部材と第2回動部材の連動回動を強制的に断つように構成することができる。例えば鍵盤装置に適用すれば、連動回動が断たれたときに明瞭なレットオフ感触が得られ、また、連動が断たれた後に第2回動部材が自由に回動するように構成すれば、第2回動部材を打弦用に用いて発音が可能になる。
【0025】
請求項12の回動部構造は、前記回動抑制手段は、前記第1回動部材を支持する支持部材または前記第1回動部材の一方が他方の部材に設けられた弾性部材に当接することにより前記第1回動部材の回動を抑制するように構成されると共に、前記第2回動部材は、前記第1回動部材の回動が前記回動抑制手段により抑制されたときは該第1回動部材から解放され前記規制手段に当接して跳ね返るように構成されたことを特徴とする。
【0026】
この構成により、通常の回動操作では、弾性部材により第1回動部材の回動が抑制されると、第2回動部材は第1回動部材から完全に解放され慣性で自由に回動し、規制手段に当接して跳ね返り、復帰方向に回動するので、第2回動部材が第1回動部材と摺接する。これにより、確実なバックチェックを確保することができる。なお、当該回動部構造を鍵盤装置に適用し、規制手段を弦等の音源部材として構成すれば、打弦後に確実にバックチェックをすることができる。
【0033】
請求項13の回動部構造は、前記第1回動部材の回動操作による前記第2回動部材の回動の往行程において、前記摺接面が、前記第2回動部材が往方向回動終了位置近傍に位置するときに前記第1回動部材に摺接して前記第1回動部材の回動が抑制され得るように構成したことを特徴とする。
【0034】
この構成により、第1回動部材の回動終了位置をストッパ等で規制する場合、第2回動部材の回動位置等との関係で高い位置精度が要求されるが、このストッパを設ける必要がなくなるため、構成を簡単にすることができる。
【0035】
請求項14の回動部構造は、前記第1回動部材に駆動部を設けると共に、前記第2回動部材に被駆動部を設け、前記第1回動部材の回動操作により該第1回動部材の駆動部が前記第2回動部材の被駆動部に当接して該第2回動部材が回動するように構成したことを特徴とする。
【0036】
この構成により、簡単な構成で第2回動部材を回動させることができ、第1回動部材と第2回動部材との連動回動を途中で断つように構成することも容易である。
【0037】
請求項15の回動部構造は、前記第2回動部材の回動の復行程において、前記摺接面が前記第1回動部材に摺接したときに、前記第1回動部材または前記第2回動部材の一方に設けた弾性体に他方が当接したときは前記弾性体が弾性変形するように構成したことを特徴とする。
【0038】
この構成により、第2回動部材が強く跳ね返ってきたときでも、弾性体が弾性変形することにより第2回動部材の復行程における運動エネルギを吸収するので、バックチェックをより安定的に行うと共に、第1回動部材に衝撃を与えないので、適切なバックチェックによる良好なタッチ感触が得られる。また、バックチェック時の消音効果も得ることができる。
【0039】
請求項16の回動部構造は、前記第1回動部材に駆動部を設けると共に、前記第2回動部材に被駆動部を設け、前記第1回動部材の回動操作により該第1回動部材の駆動部が前記第2回動部材の被駆動部に当接して該第2回動部材が回動するように構成し、さらに前記第1回動部材の駆動部から弾性体を延設して、前記第2回動部材の回動の復行程において前記摺接面が前記第1回動部材に摺接したときに、前記第2回動部材の被駆動部が前記弾性体に当接したときは該弾性体が弾性変形可能に構成したことを特徴とする。
【0040】
この構成により、簡単な構成で第2回動部材を回動させることができ、第1回動部材と第2回動部材との連動回動を途中で断つように構成することも容易である。また、第2回動部材が強く跳ね返ってきたときでも、弾性体が弾性変形することにより第2回動部材の復行程における運動エネルギを吸収するので、バックチェックをより安定的に行うと共に、第1回動部材に衝撃を与えないので、適切なバックチェックによる良好なタッチ感触が得られる。また、バックチェック時の消音効果も得ることができる。さらに、弾性体は第1回動部材の駆動部から延設されると共に、第2回動部材の被駆動部が弾性体に当接し得るようにしたので、バックチェック状態で第1回動部材の押下を解除すると、第2回動部材の被駆動部は、弾性体の弾性によって該弾性体から速やかに離間すると共に、第1回動部材の戻りの途中においても、第2回動部材の被駆動部が弾性体に沿って第1回動部材の駆動部に当接する位置まで速やかに復帰することができる。従って、弾性体がレペティション機能を果たし、簡単な構成で連打性を向上することができる。
【0041】
請求項17の回動部構造は、前記第1回動部材の駆動部、前記摺接面が前記第1回動部材に摺接する摺接位置及び前記弾性体を互いに近接させたことを特徴とする。
【0042】
この構成により、回動部構造をコンパクトにすることができる。
【0043】
請求項18の回動部構造は、前記第1回動部材に係合部を設けると共に前記第2回動部材に被係合部を設け、前記第1回動部材の復帰方向への回動により前記係合部が前記被係合部と係合して前記第2回動部材が復帰方向へ付勢されるように構成したことを特徴とする。
【0044】
この構成により、第1回動部材に対する第2回動部材の回動の復帰方向への追従性を高め、操作性を向上することができる。
【0045】
請求項19の回動部構造は、前記第1回動部材の係合部または前記第2回動部材の被係合部の一方に他方と当接可能な弾性体を設けたことを特徴とする。
【0046】
この構成により、当接係合により弾性体が弾性変形するように構成すれば、簡単な構成で係合時の消音効果を得ることができる。
【0056】
なお、上記各請求項において、第1回動部材または第2回動部材50の一方に間隙部を設け、他方が該間隙部を貫通して、間隙部内で回動運動可能にしてもよい。これにより、鍵並び方向における鍵盤の厚さを小さくすることができ、コンパクト化を図ることができる。さらに、両回動部材を交差させる構成に比し、両回動部材のフレームに対するねじれ方向の力が生じないように構成容易である。従って、リバウンドやあばれ等が減少し、タッチ感触も良く、長時間弾いても疲れない。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0058】
(第1の実施の形態)
図1〜図7を用いて第1の実施の形態に係る回動部構造を説明する。本実施の形態では、回動部構造を電子ピアノ(鍵盤装置)に適用している。
【0059】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る回動部構造を備えた鍵盤装置の部分斜視図である。同図は非押鍵状態を示したものである。本装置は、後述するように、鍵20の回動(押下)操作による第1回動部材30の回動を介して第2回動部材50が上下方向に回動すると共に、鍵20の回動終了位置近傍で第1回動部材30と第2回動部材50とが係合してバックチェックがなされ、グランドピアノに近似した押鍵感触が得られるように構成されている。
【0060】
図1〜図7において、鍵盤装置の演奏者側を前方、その反対側を後方と称する。また、鍵20の回動操作及びその解除により第1、第2回動部材30、50は上下方向に往復回動するが、それらの各往行程における回動方向を「往方向」あるいは「回動終了位置方向DF」と称し、各復行程における回動方向を「復方向」あるいは「復帰方向DB」と称する(図1、図3)。
【0061】
図1に示すように、鍵20全体が鍵盤フレーム部10により支持されている。鍵20は、白鍵及び黒鍵から成り、鍵盤フレーム部上部10aの後部に設けられた鍵支持部11により、鍵回動軸R20の回りに上下方向に回動可能に支持されている。鍵20の前部には第1回動部材30を駆動するための垂下片21が形成されている。
【0062】
鍵支持部11から後方に延設された保持部12の下面にはフェルト製の当接片15(規制手段)が取り付けられ、当接片15は第2回動部材50の往行程における回動終了位置を規制する。鍵盤フレーム部上部10aの鍵支持部11よりやや前方には、フェルト製の上限ストッパ14(回動抑制手段)が取り付けられ、上限ストッパ14は第1回動部材30の往行程における回動動作を抑制する。上限ストッパ14の取り付け位置は後述する。鍵盤フレーム部下部10bの後部には、フェルト製の下限ストッパ13が取り付けられ、下限ストッパ13は第2回動部材50の回動開始位置を規制する。なお、後述するように、第1回動部材30の回動開始位置は第1回動部材30と第2回動部材50との当接により規制され、鍵20の回動開始位置は鍵20と第1回動部材30との当接より規制される。
【0063】
第1回動部材30は、鍵20の下方において鍵盤フレーム部10により支持されている。第1回動部材30は、鍵盤フレーム部下部10bの前部に立設した支持部16の上端部(第1回動軸R30)に第1回動部材30の凹部31が係合することにより、第1回動軸R30を回動中心として上下方向に回動自在にされている。鍵20と第1回動部材30との間にはS字状ばね41が介装されている。S字状ばね41は、一端が鍵20の後部下部を押圧する一方、他端が第1回動部材30の凹部38を押圧し、これにより、第1回動部材30と支持部16との係合が確保される。
【0064】
第1回動部材30は、その前端部30aが鍵20の垂下片21の下端部に接しており、鍵20の押鍵による回動動作が垂下片21を介して第1回動部材30に伝達される。また、非押鍵状態では、垂下片21と前端部30aとの当接により鍵20の回動開始位置が規制される。
【0065】
第1回動部材30の前部下部には、下方に延び一対の脚部を備えたアクチュエータ37が設けられている。一方、第1回動部材30の前部下方には、スイッチ基板42が鍵盤フレーム部10により支持されている。このスイッチ基板42上には、導電性ゴムから成る一対の導通用部材43が固定されている。この一対の導通用部材43は、対応する第1回動部材30のアクチュエータ37の一対の脚部に押圧されて、これにより押鍵動作が検出される。その際、接点距離の相違に基づく導通開始時間差を利用して押鍵速度も検出される。
【0066】
第1回動部材30の後部には、上下方向に貫通した間隙部36が形成されている。第1回動部材30の間隙部36よりさらに後方には、平面状の駆動部33が第1回動部材30と一体に形成されている。駆動部33近傍には爪34(弾性体)が駆動部33と一体に形成されている。爪34は、駆動部33から前方斜め下方に向かって延び先端側ほど少し薄肉となっている(図1、図2等では表現されていない)。後述するように、駆動部33は第1回動部材30の往方向への回動動作を第2回動部材50に伝達、すなわち第2回動部材50を駆動する。爪34は、そのひげ状の形状により弾性を有し、押鍵の態様に応じて第2回動部材50の駆動の補助、バックチェック時における衝撃吸収、及びレペティション等の機能を果たす。
【0067】
駆動部33より前方の第1回動部材30の上部はバックチェック用の当接部32が形成されている。当接部32は、幅方向には略平面状に形成されるが、その縦断面はわずかに凸状になっている(図1には表現していない)。これは、バックチェック時に、後述する第2回動部材50の先端部53の摺接面53aと当接部32との面接触に近い摺接状態を確保するためである。
【0068】
駆動部33より後方の第1回動部材30の下部には、当接片35が第1回動部材30と一体に形成されている。非押鍵状態において、当接片35は第2回動部材50に当接し、これにより、第1回動部材30の回動開始位置が規制される。また、前述したように、第1回動部材30の後部上面が鍵盤フレーム部10の上限ストッパ14に当接して、第1回動部材30の回動が抑制され、停止する。
【0069】
第2回動部材50は、鍵20の下方において鍵盤フレーム部10により支持されている。第2回動部材50は、鍵盤フレーム部下部10bに設けられた第2回動軸R50を中心として上下方向に回動自在に軸支されている。第2回動部材50は、大アーム51及び小アーム52を備えて、全体が略L字状を呈している。大アーム51は第2回動軸R50から後方へ延びている。小アーム52は、第1回動部材30の間隙部36を貫通して第2回動軸R50から斜め上後方へ延びている。これにより、鍵並び方向における鍵盤の厚さを小さくすることができ、コンパクト化を図っている。小アーム52の上部には、後述する先端部53が第2回動部材50と一体に形成されている。
【0070】
また、大アーム51は、自由端部に質量集中部51mを有し、この質量集中部51mには、薄板部51cに比べて厚みのある厚板部が形成されている。そして第2回動部材50の質量中心点m1が、この質量集中部51m内に存在している。なお、質量集中部51mは、各鍵20毎に厚さが相違し、低、中音鍵では厚く、高音鍵にいくにつれてより薄く設定されている。最高音鍵では、質量集中部51mは、薄板部51cとほぼ同厚に設定されている。質量集中部51mの厚さは、オクターブ毎または半オクターブ毎に設定してもよい。このようにして、タッチ感触のキースケーリングが実現されている。
【0071】
図2は、本実施の形態に係る回動部構造を備えた鍵盤装置の縦断面図である。同図は図1と同様に非押鍵状態を示す。図3は、第2回動部材50の側面図である。
【0072】
図2に示すように、第2回動部材50の先端部53は、消音及び緩衝のためフェルト製のカバー54で覆われている。先端部53には、第1回動部材30の当接部32に対向する摺接面53a、及び駆動部33に対向する被駆動部53bが形成されている。被駆動部53bは縦断面が丸く形成されている。押鍵時には、被駆動部53bに第1回動部材30の駆動部33が当接して、これにより第2回動部材50が往方向に回動する。
【0073】
第2回動部材50の摺接面53aは、幅方向には略平面状に形成されるが、その縦断面はわずかに凹状に形成されている。その曲率半径は、第1回動部材30の当接部32の縦断面(凸状円弧)の曲率半径よりもやや大きい値に設定され、前述したような両者の面接触に近い摺接状態を可能としている。従って、このような摺接状態が確保できる形状であれば、両者の形状の組み合わせを適宜変更してもよい。摺接面53aはさらに、図3に示すように、第2回動部材50の回動終了位置方向(DF)にいくにつれて第2回動軸R50側に近づくように傾斜(角度φだけ)している。すなわち、摺接面53aはその回動終了位置側ほど第2回動軸R50に近接している。これにより、後述するように、バックチェック時に第2回動部材50の摺接面53aが第1回動部材30の当接部32により強く摺接するように作用する。より具体的には、摺接面53aは次のように形成される。
【0074】
図7は、本実施の形態に係る回動部構造を備えた鍵盤装置の縦断面図である。同図はバックチェック状態を示したものである。摺接面53aと当接部32との当接点をC(実際には幅方向に線接触している)と記す。摺接面53aと当接部32の接線L0が、当接点Cと第1回動軸R30とを結ぶ線分L1とは鋭角θ1を成す一方、当接点Cと第2回動軸R50とを結ぶ線分L2とは鋭角θ2を成すように、摺接面53a及び当接部32の形状が設定される。鋭角θ1は0゜に近い値に設定され、且つ鋭角θ2は90゜に近い値にそれぞれ設定される。
【0075】
このような設定により、バックチェック時には、摺接面53aが当接部32に0゜に近い鋭角でくい込むように作用し、いわゆる楔効果により接触過程で圧力が漸増する。そのため、第2回動部材50を確実に保持すると共に、摺接面53aと当接部32の当接後、第2回動部材50が再び往方向に押し戻される(リバウンド)ようなこともなく、良好なバックチェックがなされる。一方、回動操作解除時は、当接部32が摺接面53aから直角に近い角度で離間するので、両面はほとんど摺動することなく速やかに離間する。なお、鋭角θ1は少なくとも45゜より小さい値に、鋭角θ2は少なくとも45゜より大きい値にそれぞれ設定するのが望ましい。
【0076】
図1に戻り、第2回動部材50後部の上部には、被当接片55が設けられる。被当接片55は、上述した当接片15と当接して、これにより第2回動部材50の回動終了位置が規制される。
【0077】
第1回動部材30の駆動部33、爪34及び当接部32、並びに第2回動部材50の摺接面53a及び被駆動部53bの各要素は、上述した形状及び角度等の設定の結果として互いに近接した配置構成になっており、回動部構造をコンパクトにしている。また、回動部構造全体が鍵20の下方に配置されているので、鍵盤装置としてもコンパクトである。
【0078】
なお、本鍵盤装置では、質量体である第2回動部材50の質量をm0とし、質量集中部51m近傍に偏在する質量をMとしたとき、質量Mが第2回動部材50の質量中心点m近傍に存在するとほぼみなせる。すなわち、第2回動部材50の質量のほとんどが、理想的に質量集中部51mに存在すると仮定した場合、第2回動部材50の運動を考える上で、質量Mの質量中心は質量中心点mであるとみなせる。この限りに置いて、実質的にM=m0と考えても差し支えない。鍵20の動作に対する第2回動部材50の動作速度、すなわち拡大機構の動作速度の拡大率をkと記すと、質量M及び拡大率kは下記数式1により決定される。
【0079】
【数1】
2M=(FT2)/(2D)
ここにFは押鍵力、Dは鍵20の押鍵時の最大移動距離、Tは距離Dの押鍵に要する時間であり、これらは一定値に設定される。これにより、大きな慣性力(押鍵時の抵抗力)が効率的に得られる鍵盤装置を容易に構成することができる。
【0080】
かかる構成において、押鍵時の動作を説明する。押鍵時の回動機構の動作は押鍵の態様によって異なり、例えば押鍵の強さあるいは速度だけでなく、加速度の与え方等によっても相違する多様なものである。特に、グランドピアノにおいて発音するかしないかという程度の弱いタッチ(以下「弱タッチ」と称する)の場合と、発音する通常の演奏、例えばフォルテ(f)程度の強さのタッチ(以下「通常タッチ」と称する)の場合では、第1回動部材30と第2回動部材50との係合関係が顕著に相違するため、これらの2つの場合を例示して説明する。
【0081】
図4〜図7は、本鍵盤装置の縦断面図である。図4は押鍵開始直後の状態を示し、図7は上述したようにバックチェック状態を示し、図5、図6はその間の態様をそれぞれ時系列的に示す。各図では、弱タッチの態様を各図(a)において表すと共に、各図のPで示す部分について通常タッチの態様を各図(b)に表した。
【0082】
イ.弱タッチの場合
まず、図1の非押鍵状態から鍵20の押鍵を開始すると、鍵20は鍵回動軸R20を中心に下方に回動し、これに連動して、第1回動軸R30を中心に第1回動部材30の前部が下方に、後部が上方にそれぞれ回動する。第1回動部材30が回動すると、ほどなく第1回動部材30の駆動部33が第2回動部材50の被駆動部53bに当接し、第2回動部材50が第2回動軸R50を中心とした往方向への回動を開始する。第1回動部材30が更に回動するにつれて、被駆動部53bが駆動部33上を爪34の先端方向に摺動していく(図4(a))。爪34はここでは駆動部33と共にジャックの機能の一部を果たし、駆動部33の補助的な役割を果たす。
【0083】
第1回動部材30が更に回動すると、図5(a)に示すように第1回動部材30の当接部32が第2回動部材50の摺接面53aに当接点Cで当接する。これとほぼ同時に、第1回動部材30の後部が上限ストッパ14に当接する。なお、第1回動部材30の上限ストッパ14との当接と摺接面53aとの当接の時期的前後は、弱タッチの範囲においても押鍵の態様によって変わり得る。
【0084】
第1回動部材30が更に回動すると、図6(a)に示すように被駆動部53bが当接部32上を前方(爪34から遠ざかる方向)に摺動していき、第2回動部材50はわずかずつ往方向への回動を持続する。これと同時に、第1回動部材30の後部が上限ストッパ14を少しずつ押しつぶしていく。そして、第2回動部材50の回動によりやがて被当接片55が当接片15に当接する。弱タッチでは、被駆動部53bと当接部32が当接した時点から押鍵抵抗が急増するので、この時点からバックチェックが始まっていると考えることができる。
【0085】
上限ストッパ14の上下方向の取り付け位置は、往行程において第1回動部材30と第2回動部材50とが連動している状態(摺接面53aと当接部32が当接を維持している状態)で、被当接片55が当接片15に当接する前に第1回動部材30が上限ストッパ14に当接するように設定される。これは、第1回動部材30から第2回動部材50が解放されて慣性で自由に回動するための距離を確保するためである。
【0086】
なお、駆動部33と被駆動部53bとの当接により第2回動部材50が回動すときと比べると、当接部32と摺接面53aとの当接により第2回動部材50が回動するときの方が、第1回動部材30の回動量に対する第2回動部材50の回動量の比(拡大比)が小さい。すなわち、拡大比が非線形となりバックチェック時にはより小さくなるので、抜けるような良好な押鍵感触を設定する上で好都合である。
【0087】
第2回動部材50の被当接片55が当接片15に当接すると、第2回動部材50は当接片15の弾性で跳ね返り、復方向に回動する。一方、第1回動部材30は押鍵力を受けているので往方向にさらに回動しようとする。その結果、図7に示すように摺接面53aが当接部32にθ1の角度をもってくい込むように摺接し、鍵20及び第1、第2回動部材30、50の各回動が完全に停止する。これにより、安定したバックチェックがなされる。その際、第2回動部材50の跳ね返りが強ければ被駆動部53bが爪34に当接する場合もあり得るが、弱タッチではほとんどの場合当接には至らない。また、バックチェック時には当接片15と被当接片55とは離間するが、弱タッチの場合は第2回動部材50の跳ね返りが弱いため、離間量はわずかである。なお、図6に示す状態から図7に示す状態に推移するまでの間、第1回動部材30は、厳密には第2回動部材50により復方向へ戻されるように作用するが、実際には摺接面53a及び当接部32や第1、第2回動部材30、50自体の弾性変形があるので、鍵20自体の戻り量はほとんど無く、押鍵感触上問題はない。
【0088】
次いで、鍵20への押鍵力を解除すると、鍵20が上方に回動して鍵20の垂下片21による第1回動部材30の前端部30aへの押圧が解除されるから、第1回動部材30も自重で復方向に回動する。その際、当接部32が摺接面53aからθ2の角度をもって離間するので離間が速やかであり、これにより、バックチェック状態からの復帰を円滑にすることができる。バックチェック状態が解かれた後は、第1回動部材30の復方向への回動に伴い第2回動部材50も自重で復方向に回動し、やがて図1に示す非押鍵状態に復帰する。
【0089】
ロ.通常タッチの場合
ここでいう通常タッチとしては、第1回動部材30が第2回動部材50に初期に与えた駆動力で第2回動部材50が解放され自由に回動するような押鍵状態を想定する。
【0090】
まず、図1の非押鍵状態から鍵20の押鍵を開始すると、鍵20の回動に連動して第1回動部材30が回動する。第1回動部材30が回動すると、ほどなく第1回動部材30の駆動部33が第2回動部材50の被駆動部53bに当接し、第1回動部材30の駆動力を第2回動部材50に与える。第2回動部材50に駆動力が付与されると、第2回動部材50の被駆動部53bが駆動部33から離間し(図4(b))、第2回動部材50は第1回動部材30から解放されて慣性により自由に往方向に回動していく。
【0091】
その後、第1回動部材30の後部が上限ストッパ14に当接すると共に(図5(a))、被駆動部53bが駆動部33からさらに離間していく(図5(b))。今回想定した通常タッチでは、第1回動部材30の後部が上限ストッパ14に当接する以前に第2回動部材50が解放されるので問題ないが、例えばある加速度をもって押鍵した場合、摺接面53aと当接部32が当接したまま第1、第2回動部材30、50が回動し得る。その場合であっても、上限ストッパ14に第1回動部材30の後部が当接することにより、第1回動部材30と第2回動部材50との連動を確実に絶つことができ、明瞭なレットオフ感触を得ることができる。
【0092】
その後、第1回動部材30はさらに往方向へわずかに回動して、第1回動部材30の後部が上限ストッパ14を押しつぶしていくと共に、第2回動部材50の被当接片55が当接片15に当接する(図6(a))。それと同時に、被駆動部53bが駆動部33からさらに離間していく(図6(b))。
【0093】
第2回動部材50の被当接片55が当接片15に当接すると、第2回動部材50は当接片15の弾性力で跳ね返り、復方向に回動する。一方、第1回動部材30は押鍵力を受けているので往方向にさらに回動する。その結果、弱タッチの場合とほぼ同様に、図7に示すように摺接面53aが当接部32にくい込むように摺接し、鍵20及び第1、第2回動部材30、50の各回動が完全に停止する。これにより、安定したバックチェックがなされる。またその際、第2回動部材50の跳ね返りにより被駆動部53bが爪34に当接し、爪34が弾性変形する。これにより、第2回動部材50が強く跳ね返ってきたときでも、爪34が第2回動部材50の復行程における運動エネルギを吸収するので、バックチェックがより安定的になると共に、第1回動部材30には衝撃を与えないので、適切なバックチェックによる良好なタッチ感触が得られる。また、バックチェック時の消音効果も得ることができる。
【0094】
なお、バックチェック時には当接片15と被当接片55とは離間するが、弱タッチの場合に比べ離間量は大きい。また、第2回動部材50による第1回動部材30の復方向への戻し作用によっては押鍵感触上問題がない点は、弱タッチの場合と同様である。
【0095】
次いで、鍵20への押鍵力を解除すると、弱タッチの場合と同様に鍵20、第1回動部材30及び第2回動部材50がそれぞれ復方向に回動する。押鍵が普通に解除された場合は、弱タッチの場合と変わりはなく、図1に示す非押鍵状態に復帰する。当接部32が摺接面53aから速やかに離間する点も弱タッチの場合と同様である。
【0096】
ただし、通常タッチの場合は第2回動部材50の被駆動部53bが第1回動部材30の爪34を強く押し込んでいるので、被駆動部53bは爪34の弾性によって該爪34から速やかに離間する。また、第1回動部材30の回動が例えば復行程の途中で抑制された場合(連打しようとした場合等)には、被駆動部53bが爪34に沿って斜め上後方に移動し、駆動部33に当接する位置まで速やかに復帰することができる。従って、このような場合、爪34はレペティション機能を果たし、簡単な構成で連打性を向上することができる。
【0097】
本実施の形態によれば、第2回動部材50が復帰方向(DB)に回動するにつれて、第1回動部材30の当接部32に第2回動部材50の摺接面53aがより強く摺接するように構成したので、簡単な構成でバックチェックを安定的に行うことができる。また、第2回動部材50が復帰方向(DB)に回動するときは、摺接面53aが当接部32に0゜に近い鋭角でくい込むように作用する一方(楔効果)、回動操作解除時は、当接部32が摺接面53aから90゜に近い角度で速やかに離間するようにしたので、バックチェックを安定的に且つ確実に行うと共に、バックチェックからの復帰を円滑にすることができる。
【0098】
また、第1回動部材30が上限ストッパ14に当接して回動が抑制されるようにしたので、摺接面53aと当接部32が当接したまま第1、第2回動部材30、50が回動するような押鍵態様であっても、第1回動部材30と第2回動部材50との連動を確実に絶つことができ、明瞭なレットオフ感触を得ることができる。
【0099】
また、被駆動部53bに駆動部33が当接するだけで第2回動部材50が回動するようにしたので、第1回動部材30と第2回動部材50とを簡単な構成で連動回動させることが可能であると共に、両者の連動回動を途中で断つように構成することも容易である。
【0100】
また、摺接面53aと当接部32との摺接は、第2回動部材50の回動の往行程及び復行程のいずれでも生じ得るようにしたので、弱タッチから強タッチまで、第1回動部材30の回動操作の態様に応じた広い範囲で適切なバックチェックを可能にすることができる。
【0101】
また、摺接面53aと当接部32とは、第2回動部材50の回動の往行程における回動終了直前に少なくとも近接しているので、事前にバックチェックの準備状態が整い、摺接面53aが当接部32に適切な位置、角度、タイミングで摺接することが容易となり、適切なバックチェックをすることができる。
【0102】
また、第2回動部材50の跳ね返りにより被駆動部53bが爪34に当接し、爪34が弾性変形するようにしたので、爪34が第2回動部材50の復行程における運動エネルギを吸収し、バックチェックがより安定的になると共に、第1回動部材30には衝撃を与えないので、適切なバックチェックによる良好なタッチ感触が得られる。さらに、バックチェック時の消音効果も得ることができる。また、第1回動部材30の回動が例えば復行程の途中で抑制された場合であっても爪34がレペティション機能を果たすので、簡単な構成で連打性を向上することができる。
【0103】
また、第1回動部材30の駆動部33、爪34及び当接部32、並びに第2回動部材50の摺接面53a及び被駆動部53bの各要素を互いに近接させ、しかも回動部構造全体を鍵20の下方に配置したので、回動部構造だけでなく鍵盤装置としてもコンパクト化を図ることができる。
【0104】
また、第2回動部材50が第1回動部材30の間隙部36を貫通し、間隙部36内で回動運動可能にしたので、鍵並び方向における鍵盤の厚さを小さくすることができ、コンパクト化を図ることができる。さらに、駆動部33と被駆動部53bとが互いに鍵並び方向における中央で当接するようにすれば、第1、第2回動部材30、50に鍵盤フレーム部10に対するねじれ方向の力が生じず、リバウンドやあばれ等が減少する。そのため、タッチ感触も良く、長時間弾いても疲れない。
【0105】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、回動部構造から上限ストッパ14を取り除いた点のみが第1の実施の形態と異なる。その他の構成は第1の実施の形態と全く同様であるので、図示を省略する。第2の実施の形態では、次のように動作する。
【0106】
弱タッチの場合は、第1回動部材30の当接部32に第2回動部材50の被駆動部53bが当接し、その時点から第1回動部材30の回動動作が徐々に抑制される。そして、第2回動部材50の被当接片55が当接片15に当接して第2回動部材50が跳ね返ると、バックチェック状態となる。
【0107】
通常タッチの場合は、押鍵直後に被駆動部53bと駆動部33とが当接した後、第2回動部材50は、第1回動部材30から解放され慣性で往方向に自由に回動し、第2回動部材50の被当接片55が当接片15に当接して第2回動部材50が跳ね返る。そして、摺接面53aが当接部32に当接してバックチェック状態となる。
【0108】
このように、上限ストッパ14が無くてもバックチェックが確実になされる。特に、上限ストッパ14を設ける場合は、当接部32と被駆動部53bとの当接タイミング、及び被当接片55と当接片15との当接タイミング、さらにはあらゆる押鍵態様をも考慮して、上限ストッパ14の上下方向の位置を設定しなければならず、高い位置精度が要求されるが、本実施の形態ではその必要がないので構成を簡単にすることができる。
【0109】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏するだけでなく、上限ストッパ14を設けなくてよいので、構成を簡単にすることができる。
【0110】
(第3〜第6の実施の形態)
次に、本発明の第3〜第6の実施の形態を図8〜図15を用いて説明する。これらの実施の形態は、第1、第2の実施の形態を設計変更したものであるが、いずれも上限ストッパ14が無い点で第2の実施の形態と共通し、基本的構成及び動作は第2の実施の形態とほぼ同様である。
【0111】
図8及び図9は第3の実施の形態、図10及び図11は第4の実施の形態、図12及び図13は第5の実施の形態、図14及び図15は第6の実施の形態をそれぞれ示し、いずれも各回動部構造の要部を示す縦断面図である。図8、図10、図12、図14は非押鍵状態、図9、図11、図13、図15はバックチェック状態をそれぞれ示す。図8〜図15では、鍵盤装置に備えられた回動部構造の要部のみを示し、鍵20や鍵盤フレーム部10の図示を適宜省略している。
【0112】
図8、図9に示す第3の実施の形態に係る回動部構造では、第1回動部材330に第1の実施の形態における間隙部36が存在せず、第2回動部材50は第1回動部材330の右方(同図手前側)に配置される点が第2の実施の形態と異なる。動作は第2の実施の形態と同様である。
【0113】
図10、図11に示す第4の実施の形態に係る回動部構造では、まず非押鍵状態において下限ストッパ13が第2回動部材450だけでなく第1回動部材430とも当接している点が第2の実施の形態と異なる。従って、第1回動部材430の回動開始位置は下限ストッパ13によって規制される。なお、第2回動部材450はL字状を呈してはおらず、爪34に相当するものも備えていない。
【0114】
第1回動部材430の駆動部433が第2回動部材450の被駆動部453bに当接して第2回動部材450が回動する(図10)。第2回動部材450の摺接面453aが第1回動部材430の当接部432に摺接してバックチェックとなる(図11)。摺接面453aと当接部432との相対的関係は第1、第2の実施の形態と同様である。従って、第2回動部材450が復方向に回動するにつれて、摺接面453aが当接部432により強く摺接すると共に、押鍵解除時には両面が速やかに離間するように構成されている。
【0115】
図12、図13に示す第5の実施の形態に係る回動部構造では、第4の実施の形態と同様に、非押鍵状態において下限ストッパ13が第2回動部材550のみでなく第1回動部材530とも当接している点が第2の実施の形態と異なる。従って、第1回動部材530の回動開始位置は下限ストッパ13によって規制される。なお、第2回動部材550はL字状を呈してはおらず、爪34に相当するものも備えていない。
【0116】
第5の実施の形態では、駆動部533及び当接部532が互いに隣接し、摺接面553a及び被駆動部553bが第2回動部材550の同じ凹部内に設けられており、コンパクト性を確保している。摺接面553aと当接部532との相対的関係は第1、第2の実施の形態と同様である。
【0117】
図14、図15に示す第6の実施の形態に係る回動部構造では、第1回動部材630と第2回動部材650との係合部が第1回動軸R630と第2回動軸R650との間に位置する点が第1〜第5の実施の形態と相違する。
【0118】
第6の実施の形態では、下限ストッパ13はないが、第1回動部材630用の下限ストッパ603が鍵盤フレーム部10上に設けられている。非押鍵状態において、第1回動部材630が下限ストッパ603に当接すると共に、第1回動部材630の駆動部633には第2回動部材650の被駆動部653bが当接しており、これにより第1、第2回動部材630、650の回動開始位置が共に規制される。これにより、第2回動部材650の回動開始位置規制用のストッパを設けることなく、第2回動部材650が直ちに回動開始可能な状態で安定を維持することができるので、構成を簡単にすることができる。摺接面653aと当接部632との相対的関係は第1、第2の実施の形態と同様である。
【0119】
第3〜第6の実施の形態によれば、良好なバックチェックを確保する上で第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0120】
(第7の実施の形態)
次に、本発明の第7の実施の形態を図16〜図19を用いて説明する。
【0121】
図16〜図19は、第7の実施の形態に係る回動部構造の要部を示す縦断面図である。図16は非押鍵状態を示し、図19はバックチェック状態を示し、図17、図18はその間の態様をそれぞれ時系列的に示す。図16〜図19では、鍵盤装置に備えられた回動部構造の要部のみを示し、鍵20等の図示を省略している。
【0122】
図16に示すように、第1回動部材730は第1回動軸R730を中心として上下方向に回動自在にされている。駆動部733、爪734及び当接部732は第1回動部材730後部に設けられ、その配置順序は第1の実施の形態の場合とは逆になっているが、機能に変わりはない。鍵盤フレーム部10上には下限ストッパ703が設けられ、これに第1回動部材730が当接してその回動開始位置が規制されている。
【0123】
第2回動軸R750は第2回動部材750の後部に配置され、第2回動部材750は第2回動軸R750を中心として上下方向に回動自在にされている。第1の実施の形態とは異なり、図16中、時計方向が第2回動部材750の回動の往方向となる。非押鍵状態において、第2回動部材750の被駆動部753bは第1回動部材730の駆動部733に当接しており、これにより、第2回動部材750の回動開始位置規制用のストッパを設けることなく、第2回動部材750が直ちに回動開始可能な状態で安定を維持することができるので、構成を簡単にすることができる。
【0124】
鍵盤フレーム部10の上方には適当な支持部材(図示せず)を介して上限ストッパ714及び当接片15が鍵盤フレーム部10に対して固定状態にされている。上限ストッパ714は第1の実施の形態における上限ストッパ14と同様に第1回動部材730の回動を抑制し、当接片15は第2回動部材750の回動終了位置を規制する機能を有する。
【0125】
第2回動部材750の摺接面753aと第1回動部材730の当接部732との相対的関係は第1、第2の実施の形態における摺接面53a及び当接部32の関係と同様である。すなわち、第2回動部材750が復方向に回動するにつれて、摺接面753aが当接部732により強く摺接すると共に、押鍵解除時には両面が速やかに離間するように構成されている。
【0126】
かかる構成において、押鍵時は次のように動作する。鍵20の押鍵に伴い第1回動部材730が回動すると第2回動部材750も回動を開始する。そして、第1回動部材730が上限ストッパ714に当接すると、第2回動部材750は第1回動部材730から完全に解放され慣性で自由に回動する(図17)。なお、通常タッチの場合は、上限ストッパ714が無くとも第2回動部材750は押鍵直後に第1回動部材730から解放されるが、本実施の形態では上限ストッパ714が存在するので、弱タッチに近い場合であっても発音可能な程度である限り第2回動部材750は解放される。よって、レットオフ感触を確実に得ることができる。
【0127】
その後、第2回動部材750は、往方向に自由に回動して当接片15に当接すると(図18)、当接片15の弾性により跳ね返り、第2の実施の形態の場合と同様に、摺接面753aが当接部732に摺接してバックチェック状態となる(図19)。その際、第2回動部材750の跳ね返りが強い場合は、爪734に被駆動部753bが当接して、爪734が弾性変形する。爪734と被駆動部753bの当接方向は第2の実施の形態とは異なるが、作用は略同様である。また、爪734のレペティション機能も同様に発揮される。
【0128】
第7の実施の形態によれば、良好なバックチェックを確保する上で第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。また、第1回動部材730と第2回動部材750との連動を確実に絶つことができると共に、当接片15を最後部に配置することができるので、例えば以下に示す第8〜第10の実施の形態のように、第2回動部材750の回動終了位置に音響を発生するための機構を設けて楽音を鳴らすように構成することが容易になる。
【0129】
(第8〜第10の実施の形態)
図20〜図22は、本発明の第8〜第10の実施の形態に係る回動部構造の要部を示す縦断面図である。各図において、非押鍵状態(図22では非打撃状態)を実線で示し、第2回動部材の回動終了位置及びバックチェック状態を鎖線で示す。これらの実施の形態では、押鍵状態を鍵から直接検出するスイッチ基板42に相当するものを設けていない。
【0130】
図20に示す第8の実施の形態では、第1回動部材830は鍵自体で構成され、直接押鍵操作されて、第1回動軸R830を中心に回動する。鍵盤フレーム部10の後部に立設した支持部81の上部には、光センサ部82が設けられる。この光センサ部82は、各第2回動部材850に対応して設けられ、各部材850と当接して該部材850の回動終了位置を規制すると共に、その当接を検知する機能を有する。光センサ部82の構成としては、フォトインタラプタやレーザ光反射制御等が考えられる。その他の構成として、ピエゾ素子を用いたセンサ、2つ折りフィルムの接触型スイッチ、打撃センサ等が考えられ、いずれを採用してもよい。また、当接強さや当接時の速度を検出してタッチセンサを実現してもよい。光センサ部82の検知結果に基づいて、不図示の制御部により音響が発生される。
【0131】
本実施の形態によれば、光センサ部82が、第2回動部材850の回動終了位置を規制すると共に音響発生手段の一部を兼ねるので、簡単な構成で、バックチェック機能付きの鍵盤楽器を実現することができる。
【0132】
図21に示す第9の実施の形態は、音響発生手段として光センサ部82及び制御部の代わりに平板92を設けた点が第8の実施の形態と異なり、その他の構成は同様である。平板92は鉄等の金属で成り、各鍵20に対応して設けられ、支持部91により直立支持されている。各平板92は、各対応する第2回動部材950と当接して該第2回動部材950の回動終了位置を規制すると共に、その当接により振動してそれぞれ決まった音高の音響を発生する。なお、音響を発生するものであれば、弦等の平板92以外のものであってもよい。
【0133】
本実施の形態によれば、第8の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0134】
図22に示す第10の実施の形態は、本発明の回動部構造をドラムマシンに適用したものである。
【0135】
第1回動部材1030は、鍵ではなく足踏み込み部として構成され、第1回動軸R1030を中心として回動する。フレーム部1010には支持部1011が立設され、支持部1011上部には第1回動部材1030の回動を抑制するためのストッパクッション1003が設けられている。ストッパクッション1003は、第2の実施の形態における上限ストッパ14よりも層が厚く構成され、第1回動部材1030の当接によるつぶれ量が大きく設定されている。これにより、第1回動部材1030が当接した後もさらに第1回動部材1030を踏み込み可能となっている。
【0136】
フレーム部1010の後部にはドラム支持部1001が立設され、ドラム支持部1001の上部にドラム部1002が取り付けられている。ドラム部1002は、第2回動部材1050と当接して第2回動部材1050の回動終了位置を規制する。ドラム部1002はさらに、打面部内側に貼着された圧電素子(図示せず)により打撃時の振動を検出可能に構成されており、不図示の制御部がドラム部1002による検出信号に基づいて音響を発生するように構成されている。
【0137】
第2回動部材1050はドラム部1002を打撃するハンマとして構成され、第2回動軸R1050を中心として回動する。
【0138】
第1回動部材1030を踏み込むと、第2回動部材1050が連動して回動し、ドラム部1002が打撃され、音響が発生する。上述したように、ストッパクッション1003はつぶれ量が大きいので、第1回動部材1030の回動終了位置は踏み込み強さによって異なり、その結果、バックチェックの位置も異なる。この作用を特殊奏法に応用することができる。例えば第1回動部材1030を通常の強さで踏み込んだ場合は、第2回動部材1050がドラム部1002に当接して跳ね返るので、普通の「はずむ音」が発生する。一方、第1回動部材1030を強く踏み込んだ場合は、ストッパクッション1003に当接した後、さらに第1回動部材1030が相当量回動する。そのため、第2回動部材1050がドラム部1002に当接してもほとんど跳ね返らず、両者が当接したままの状態でバックチェックする。従って、この場合は「はずまない音」が発生する。なお、「はずまない音」を発生させる場合でも、発生音の強弱は踏み込み開始位置を中間位置にする等、奏者によって調整可能である。
【0139】
本実施の形態によれば、簡単な構成で、バックチェック機能付きのドラムマシンを実現することができる。
【0140】
(第11の実施の形態)
図23〜図25は、第11の実施の形態に係る回動部構造の要部を示す縦断面図である。図23は非押鍵状態を示し、図24はバックチェック状態を示し、図25は復行程途中の状態を示す。図23〜図25では、鍵盤装置に備えられた回動部構造の要部のみを示し、鍵20等の図示を省略している。第11の実施の形態では、復行程においても第1、第2回動部材の回動の連動を維持できるようにした点が第2の実施の形態と異なり、その他の基本的構成は第2の実施の形態と同様である。
【0141】
図23に示すように、第1回動部材1130は第1回動軸R1130を中心として回動し、下限ストッパ1104により回動開始位置が規制される。第1回動部材1130の後端部(同図では左端部)には、第1の実施の形態における当接部32及び駆動部33と同様の構成、機能を有する当接部1132及び駆動部1133が形成されている。第1回動部材1130の後端部下部には、凸状の係合部1101が形成されており、係合部1101は後述する第2回動部材1150の被係合部1103aと係合する。
【0142】
第2回動部材1150は第2回動軸R1150を中心に回動自在で、第1アーム1102及び第2アーム1103を有する。第1アーム1102には、第1の実施の形態における被駆動部53b及び摺接面53aと同様の構成、機能を有する被駆動部1153b及び摺接面1153aが形成されている。第2アーム1103には、被係合部1103aが形成されている。押鍵解除後の復行程において、第1回動部材1130の係合部1101が被係合部1103aに当接係合することにより、第2回動部材1150が自重によらずとも強制的に復方向に回動する。第2回動部材1150は、下限ストッパ13に第2アーム1103が当接してその回動開始位置が規制され、当接片15に当接してその回動終了位置が規制される。
【0143】
次に押鍵時から押鍵解除時の動作を説明する。
【0144】
押鍵により第1回動部材1130が回動すると、第2回動部材1150も連動して回動し、第2回動部材1150は当接片15によって跳ね返り、バックチェックの状態となる(図24)。本実施の形態では、第2の実施の形態と同様に第1回動部材1130の回動終了位置規制用のストッパを設けていないが、摺接面1153aが当接部1132に必ず当接するので、バックチェックは確実になされる。
【0145】
次いで、押鍵力を解除すると、第1回動部材1130が復方向に回動するが、第2回動部材1150は第1回動部材1130が離間してから復帰開始する。従って、第1回動部材1130の復帰が先行し、やがて第1回動部材1130の係合部1101が第2回動部材1150の被係合部1103aに当接する(図25)。すると、第2回動部材1150が復方向へ付勢され、速やかに初期位置である被押鍵状態に復帰する。
【0146】
本実施の形態によれば、第2の実施の形態と同様の効果を奏するだけでなく、第1回動部材1130に対する第2回動部材1150の回動の復帰方向への追従性を高め、操作性を向上することができる。
【0147】
なお、第1回動部材1130の係合部1101または第2回動部材1150の被係合部1103aのいずれかを、前述した第1の実施の形態における第1回動部材30の爪34のような弾性を有する形状に形成してもよい。そのようにすれば、復行程における係合部1101と被係合部1103aとの当接時の消音効果を得ることができる。
【0148】
(第12の実施の形態)
図26〜図28は、第12の実施の形態に係る回動部構造の要部を示す縦断面図である。図26は非押鍵状態を示し、図27はバックチェック状態を示し、図28は復行程途中の状態を示す。図26〜図28では、鍵盤装置に備えられた回動部構造の要部のみを示し、鍵20等の図示を省略している。第12の実施の形態では、第1回動部材1230及び第2回動部材1250等の各要素の形状が異なるだけであり、各機能及び動作は第11の実施の形態と全く同様である。第12の実施の形態によれば、第11の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0149】
なお、第1、第2、第3、第6〜第10の各実施の形態において、駆動部33及び爪34の形態は例示したものに限られない。弾性を有し、押鍵の態様に応じて、第2回動部材50の駆動の補助、バックチェック時における衝撃吸収、及びレペティション等の機能を果たす形態であれば他のものでもよい。
【0150】
図29は、駆動部33及び爪34の変形例を示す部分断面図である。同図(a)では、爪34の駆動部33に近い根本部分に、第1回動部材30の幅方向に延びる突条1301が設けられている。特に、第2回動部材50の被駆動部53bが駆動部33上を摺動していくような押鍵態様(弱タッチに近い押鍵や継続的に加速度が加わるような押鍵)の場合には、被駆動部53bが突条1301に当接して上方へ付勢されるので、第2回動部材50が第1回動部材30との連動回動から解放されやすい。これにより、明瞭なレットオフ感触が容易に得られる。この場合、突条1301はジャックとしての機能の一部を果たすことになる。
【0151】
また、同図(b)では、爪34の代わりに板状部材1334がばねを介して第1回動部材30に取り付けられている。なお、同図(b)の形態は、第11、第12の実施の形態において、第1回動部材1130の係合部1101または第2回動部材1150の被係合部1103aを爪34のような形状に形成する場合にも適用可能である。
【0152】
なお、第1、第2、第3の実施の形態においては、バックチェック時に第2回動部材50の摺接面53aが第1回動部材30の当接部32により強く摺接するようにするべく、摺接面53aを第2回動部材50の回動終了位置方向(DF)にいくにつれて第2回動軸R50側に近づくようにやや傾斜させたが、これに限るものでなく、図30に示すように傾斜を当接部側に設けるようにしてもよい。
【0153】
すなわち、第1回動部材30’の当接部32’を第2回動部材50’の回動終了位置方向にいくにつれて第2回動軸R50側に近づくようにやや傾斜させる。第2回動部材50’の先端部53’の摺接面53a’は断面が凸状に丸く形成されている。なお、このようにしても、線分L1、鋭角θ1、線分L2及び鋭角θ2の関係は第1の実施の形態と同様の関係を維持するように設定することができ、バックチェックを安定的に且つ確実に行うと共に、バックチェックからの復帰を円滑にすることが可能である。このような設定は、第5〜第10の実施の形態にも適用可能である。また、第4、第11、第12の実施の形態ではこのような設定となっている。
【0154】
なお、上述した各実施の形態では、本発明の回動部構造を主に鍵盤装置等の楽器へ適用する場合を例示したが、当該回動部構造は、打撃、押下、回動等の動作を伴う各種装置に適用可能である。
【0155】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1、5に係る回動部構造によれば、簡単な構成でバックチェックを安定的に行うことができ、各種装置に適用容易である。
【0156】
請求項2、6の回動部構造によれば、簡単な構成でバックチェックを安定的に行うことができ、各種装置に適用容易である。
【0157】
請求項3、7の回動部構造によれば、簡単な構成でバックチェックを安定的に行うことができ、各種装置に適用容易である。
【0158】
請求項4、8の回動部構造によれば、簡単な構成でバックチェックを安定的に行うことができ、各種装置に適用容易である。
【0159】
請求項の回動部構造によれば、簡単な構成でバックチェックを安定的に行うことができ、各種装置に適用容易である。
【0160】
請求項10の回動部構造によれば、バックチェックを安定的に且つ確実に行うと共に、バックチェックからの復帰を円滑にすることができる。
【0161】
請求項11の回動部構造によれば、連動回動が断たれたときに明瞭なレットオフ感触を得ることが容易になると共に、第2回動部材を打弦用に用いて発音が可能になる。
【0162】
請求項12の回動部構造によれば、確実なバックチェックを確保することができる。
【0166】
請求項13の回動部構造によれば、構成を簡単にすることができる。
【0167】
請求項14の回動部構造によれば、簡単な構成で第2回動部材を回動させることができ、第1回動部材と第2回動部材との連動回動を途中で断つように構成することも容易である。
【0168】
請求項15の回動部構造によれば、バックチェックをより安定的に行うと共に、適切なバックチェックによる良好なタッチ感触が得られる。また、バックチェック時の消音効果も得ることができる。
【0169】
請求項16の回動部構造によれば、簡単な構成で第2回動部材を回動させることができ、第1回動部材と第2回動部材との連動回動を途中で断つように構成することも容易である。また、バックチェックをより安定的に行うと共に、適切なバックチェックによる良好なタッチ感触が得られる。さらに、バックチェック時の消音効果も得ることができる。また、弾性体がレペティション機能を果たし、簡単な構成で連打性を向上することができる。
【0170】
請求項17の回動部構造によれば、回動部構造をコンパクトにすることができる。
【0171】
請求項18の回動部構造によれば、第1回動部材に対する第2回動部材の回動の復帰方向への追従性を高め、操作性を向上することができる。
【0172】
請求項19の回動部構造によれば、簡単な構成で係合時の消音効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る回動部構造を備えた鍵盤装置の部分斜視図である。
【図2】 同形態に係る回動部構造を備えた鍵盤装置の縦断面図である。
【図3】 同形態に係る第2回動部材の側面図である。
【図4】 同形態における押鍵開始直後の状態を示す鍵盤装置の縦断面図である。
【図5】 同形態における押鍵開始からバックチェックに至るまでの途中の状態を示す鍵盤装置の縦断面図である。
【図6】 同形態における押鍵開始からバックチェックに至るまでの途中の状態を示す鍵盤装置の縦断面図である。
【図7】 同形態におけるバックチェック状態を示す鍵盤装置の縦断面図である。
【図8】 第3の実施の形態に係る回動部構造の非押鍵状態における要部を示す縦断面図である。
【図9】 同形態に係る回動部構造のバックチェック状態における要部を示す縦断面図である。
【図10】 第4の実施の形態に係る回動部構造の非押鍵状態における要部を示す縦断面図である。
【図11】 同形態に係る回動部構造のバックチェック状態における要部を示す縦断面図である。
【図12】 第5の実施の形態に係る回動部構造の非押鍵状態における要部を示す縦断面図である。
【図13】 同形態に係る回動部構造のバックチェック状態における要部を示す縦断面図である。
【図14】 第6の実施の形態に係る回動部構造の非押鍵状態における要部を示す縦断面図である。
【図15】 同形態に係る回動部構造のバックチェック状態における要部を示す縦断面図である。
【図16】 第7の実施の形態に係る回動部構造の非押鍵状態における要部を示す縦断面図である。
【図17】 同形態における押鍵開始からバックチェックに至るまでの途中の状態を示す鍵盤装置の縦断面図である。
【図18】 同形態における押鍵開始からバックチェックに至るまでの途中の状態を示す鍵盤装置の縦断面図である。
【図19】 同形態に係る回動部構造のバックチェック状態における要部を示す縦断面図である。
【図20】 第8の実施の形態に係る回動部構造の要部を示す縦断面図である。
【図21】 第9の実施の形態に係る回動部構造の要部を示す縦断面図である。
【図22】 第10の実施の形態に係る回動部構造の要部を示す縦断面図である。
【図23】 第11の実施の形態に係る回動部構造の非押鍵状態における要部を示す縦断面図である。
【図24】 同形態に係る回動部構造のバックチェック状態における要部を示す縦断面図である。
【図25】 同形態に係る回動部構造の復行程途中の状態における要部を示す縦断面図である。
【図26】 第12の実施の形態に係る回動部構造の非押鍵状態における要部を示す縦断面図である。
【図27】 同形態に係る回動部構造のバックチェック状態における要部を示す縦断面図である。
【図28】 同形態に係る回動部構造の復行程途中の状態における要部を示す縦断面図である。
【図29】 駆動部及び爪の変形例を示す部分断面図である。
【図30】 他の変形例におけるバックチェック時の摺接面と当接部との当接部分の部分断面図である。
【符号の説明】
14 上限ストッパ(回動抑制手段)、 15 当接片(規制手段)、 20鍵、 30 第1回動部材、 R30 第1回動軸、 32 当接部、 33駆動部、 34 爪(弾性体)、 50 第2回動部材、 R50 第2回動軸、 53b 被駆動部、 53a 摺接面、 55 被当接片、 DF 回動終了位置方向、 DB 復帰方向

Claims (19)

  1. 回動操作され第1回動軸を中心として回動自在な第1回動部材と、
    前記第1回動部材の回動操作により第2回動軸を中心として回動可能な第2回動部材と、
    前記第1回動部材の回動操作による前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置を規制する規制手段とを備え、
    前記第1回動部材に駆動部を設けると共に、前記第2回動部材に被駆動部を設け、前記第1回動部材の回動操作により該第1回動部材の駆動部がその回動開始位置で前記第2回動部材の被駆動部に当接して、前記第1回動部材が前記第2回動部材を回動駆動可能に構成し、
    前記第1回動部材または前記第2回動部材の一方に設けた摺接面が他方の回動部材に設けた摺接面に、前記第2回動部材が往方向回動終了位置近傍に位置するときに摺接可能であり、
    前記第1回動部材の前記駆動部と前記第1回動部材の前記摺接面とは、いずれも該第1回動部材に一体に形成され、
    前記第2回動部材の前記摺接面は、前記第2回動軸側を向く面であって、且つ前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置方向にいくにつれて前記摺接面が前記第2回動軸側に近づくように傾斜しており、それによって、前記第2回動部材が復帰方向に回動するにつれて、前記両摺接面が強く摺接するように構成したことを特徴とする回動部構造。
  2. 回動操作され第1回動軸を中心として回動自在な第1回動部材と、
    前記第1回動部材の回動操作により第2回動軸を中心として回動可能な第2回動部材と、
    前記第1回動部材の回動操作による前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置を規制する規制手段とを備え、
    前記第1回動部材に駆動部を設けると共に、前記第2回動部材に被駆動部を設け、前記第1回動部材の回動操作により該第1回動部材の駆動部がその回動開始位置で前記第2回動部材の被駆動部に当接して、前記第1回動部材が前記第2回動部材を回動駆動可能に構成し、
    前記第1回動部材または前記第2回動部材の一方に設けた摺接面が他方の回動部材に設けた摺接面に、前記第2回動部材が往方向回動終了位置近傍に位置するときに摺接することにより、前記第2回動部材による前記第1回動部材のバックチェック状態が形勢されるように構成し、
    前記第1回動部材の前記駆動部と前記第1回動部材の前記摺接面とは、いずれも該第1回動部材に一体に形成されたことを特徴とする回動部構造。
  3. 回動操作され第1回動軸を中心として回動自在な第1回動部材と、
    前記第1回動部材の回動操作により第2回動軸を中心として回動可能な第2回動部材と、
    前記第1回動部材の回動操作による前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置を規制する規制手段とを備え、
    前記第1回動部材に駆動部を設けると共に、前記第2回動部材に被駆動部を設け、前記第1回動部材の回動操作により該第1回動部材の駆動部がその回動開始位置で前記第2回動部材の被駆動部に当接して、前記第1回動部材が前記第2回動部材を回動駆動可能に構成し、
    前記第1回動部材または前記第2回動部材の一方に設けた摺接面が他方の回動部材に設けた摺接面に、前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了直前に近接乃至摺接可能であると共に前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了の直後で且つ復行程において摺接可能であり、
    前記第1回動部材の前記駆動部と前記第1回動部材の前記摺接面とは、いずれも該第1回動部材に一体に形成され、
    前記第2回動部材の前記摺接面は、前記第2回動軸側を向く面であって、且つ前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置方向にいくにつれて前記摺接面が前記第2回動軸側に近づくように傾斜しており、それによって、前記第2回動部材が復帰方向に回動するにつれて、前記両摺接面が強く摺接するように構成したことを特徴とする回動部構造。
  4. 回動操作され第1回動軸を中心として回動自在な第1回動部材と、
    前記第1回動部材の回動操作により第2回動軸を中心として回動可能な第2回動部材と、
    前記第1回動部材の回動操作による前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置を規制する規制手段とを備え、
    前記第1回動部材に駆動部を設けると共に、前記第2回動部材に被駆動部を設け、前記第1回動部材の回動操作により該第1回動部材の駆動部がその回動開始位置で前記第2回動部材の被駆動部に当接して、前記第1回動部材が前記第2回動部材を回動駆動可能に構成し、
    前記第1回動部材または前記第2回動部材の一方に設けた摺接面が他方の回動部材に設けた摺接面に、前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了直前から回動の往行程における回動終了直後までの間に摺接可能であり、
    前記第1回動部材の前記駆動部と前記第1回動部材の前記摺接面とは、いずれも該第1回動部材に一体に形成され、
    前記第2回動部材の前記摺接面は、前記第2回動軸側を向く面であって、且つ前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置方向にいくにつれて前記摺接面が前記第2回動軸側に近づくように傾斜しており、それによって、前記第2回動部材が復帰方向に回動するにつれて、前記両摺接面が強く摺接するように構成したことを特徴とする回動部構造。
  5. 回動操作され第1回動軸を中心として回動自在な第1回動部材と、
    前記第1回動部材の回動操作により第2回動軸を中心として回動可能な第2回動部材と、
    前記第1回動部材の回動操作による前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置を規制する規制手段とを備え、
    記第2回動部材に設けた摺接面が、前記第1回動部材に、前記第2回動部材が往方向回動終了位置近傍に位置するときに摺接可能であり、
    前記第2回動部材が復帰方向に回動するにつれて、前記第1回動部材に前記摺接面が強く摺接するように構成し、
    前記摺接面は、前記第2回動軸側を向く面であって、且つ前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置方向にいくにつれて前記摺接面が前記第2回動軸側に近づくように傾斜していることを特徴とする回動部構造。
  6. 回動操作され第1回動軸を中心として回動自在な第1回動部材と、
    前記第1回動部材の回動操作により第2回動軸を中心として回動可能な第2回動部材と、
    前記第1回動部材の回動操作による前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置を規制する規制手段とを備え、
    記第2回動部材に設けた摺接面が、前記第1回動部材に、前記第2回動部材が往方向回動終了位置近傍に位置するときに摺接することにより、前記第2回動部材による前記第1回動部材のバックチェック状態が形勢されるように構成し、
    前記摺接面は、前記第2回動軸側を向く面であって、且つ前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置方向にいくにつれて前記摺接面が前記第2回動軸側に近づくように傾斜していることを特徴とする回動部構造。
  7. 回動操作され第1回動軸を中心として回動自在な第1回動部材と、
    前記第1回動部材の回動操作により第2回動軸を中心として回動可能な第2回動部材と、
    前記第1回動部材の回動操作による前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置を規制する規制手段とを備え、
    記第2回動部材に設けた摺接面が、前記第1回動部材に、前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了直前に近接乃至摺接可能であると共に前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了の直後で且つ復行程において摺接可能であり、
    前記第2回動部材が復帰方向に回動するにつれて、前記第1回動部材に前記摺接面が強く摺接するように構成し、
    前記摺接面は、前記第2回動軸側を向く面であって、且つ前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置方向にいくにつれて前記摺接面が前記第2回動軸側に近づくように傾斜していることを特徴とする回動部構造。
  8. 回動操作され第1回動軸を中心として回動自在な第1回動部材と、
    前記第1回動部材の回動操作により第2回動軸を中心として回動可能な第2回動部材と、
    前記第1回動部材の回動操作による前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置を規制する規制手段とを備え、
    記第2回動部材に設けた摺接面が、前記第1回動部材に、前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了直前から回動の往行程における回動終了直後までの間に摺接可能であり、
    前記第2回動部材が復帰方向に回動するにつれて、前記第1回動部材に前記摺接面が強く摺接するように構成し、
    前記摺接面は、前記第2回動軸側を向く面であって、且つ前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置方向にいくにつれて前記摺接面が前記第2回動軸側に近づくように傾斜していることを特徴とする回動部構造。
  9. 前記第2回動部材の前記摺接面は、前記第2回動軸側を向く面であって、且つ前記第2回動部材の回動の往行程における回動終了位置方向にいくにつれて前記摺接面が前記第2回動軸側に近づくように傾斜していることを特徴とする請求項2記載の回動部構造。
  10. 前記摺接面と前記第1回動部材との接線は、前記摺接面と前記第1回動部材との当接点と第1回動軸とを結ぶ線分とは45゜より小さい鋭角を成す一方、前記当接点と前記第2回動軸とを結ぶ線分とは45゜より大きい鋭角を成すように設定されたことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の回動部構造。
  11. 前記第1回動部材の回動操作による前記第2回動部材の回動の往行程において、前記第1回動部材と前記第2回動部材とが連動している状態で、前記第2回動部材が前記規制手段に当接する前に、前記第1回動部材の回動を抑制するための回動抑制手段を設けたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の回動部構造。
  12. 前記回動抑制手段は、前記第1回動部材を支持する支持部材または前記第1回動部材の一方が他方の部材に設けられた弾性部材に当接することにより前記第1回動部材の回動を抑制するように構成されると共に、前記第2回動部材は、前記第1回動部材の回動が前記回動抑制手段により抑制されたときは該第1回動部材から解放され前記規制手段に当接して跳ね返るように構成されたことを特徴とする請求項11記載の回動部構造。
  13. 前記第2回動部材が往方向回動終了位置近傍に位置しているときに、前記摺接面が前記第1回動部材に摺接したときは、前記第1回動部材の往方向への回動が抑制され得るように構成したことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の回動部構造。
  14. 前記第1回動部材に駆動部を設けると共に、前記第2回動部材に被駆動部を設け、前記第1回動部材の回動操作により該第1回動部材の駆動部が前記第2回動部材の被駆動部に当接して該第2回動部材が回動するように構成したことを特徴とする請求項5〜8、10、13のいずれか1項に記載の回動部構造。
  15. 前記第2回動部材の回動の復行程において、前記摺接面が前記第1回動部材に摺接したときに、前記第1回動部材または前記第2回動部材の一方に設けた弾性体に他方が当接したときは前記弾性体が弾性変形するように構成したことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の回動部構造。
  16. 前記第1回動部材に駆動部を設けると共に、前記第2回動部材に被駆動部を設け、前記第1回動部材の回動操作により該第1回動部材の駆動部が前記第2回動部材の被駆動部に当接して該第2回動部材が回動するように構成し、さらに前記第1回動部材の駆動部から弾性体を延設して、前記第2回動部材の回動の復行程において前記摺接面が前記第1回動部材に摺接したときに、前記第2回動部材の被駆動部が前記弾性体に当接したときは該弾性体が弾性変形可能に構成したことを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の回動部構造。
  17. 前記第1回動部材の駆動部、前記摺接面が前記第1回動部材に摺接する摺接位置及び前記弾性体を互いに近接させたことを特徴とする請求項16記載の回動部構造。
  18. 前記第1回動部材に係合部を設けると共に前記第2回動部材に被係合部を設け、前記第1回動部材の復帰方向への回動により前記係合部が前記被係合部と係合して前記第2回動部材が復帰方向へ付勢されるように構成したことを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の回動部構造。
  19. 前記第1回動部材の係合部または前記第2回動部材の被係合部の一方に他方と当接可能な弾性体を設けたことを特徴とする請求項18記載の回動部構造。
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