JP3849126B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、始動時の燃料噴射方式を改良した内燃機関の燃料噴射制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの各気筒に独立噴射やグループ噴射を行う場合、どの気筒に噴射するかを判別する必要があり、そのために、特定気筒の基準クランク角(例えば圧縮TDC)を判別する気筒判別を行うようにしている。この気筒判別を行うには、実際にスタータを作動させて内燃機関のクランク軸やカム軸を回す必要があるため、気筒判別完了後に噴射を開始すると、始動完了が遅くなり、始動性が悪くなってしまう。
【0003】
そこで、始動性を向上させるために、特開平6−185387号公報では、始動開始時に直ちに全気筒に対して非同期噴射を行い、気筒判別完了後に、クランクセンサの出力信号を用いて、始動開始時の非同期噴射が各気筒のどの行程で行われたかを判定し、非同期噴射の燃料を吸入し終えた気筒から順次、同期噴射(独立噴射)に切り替えるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記公報の始動時の噴射制御では、エンジン停止位置が不明のまま全気筒に非同期噴射されるため、エンジン停止位置によっては、非同期噴射中に吸気弁が閉じてしまう気筒が発生することがある。この気筒では、噴射燃料の一部しか吸入されないため、気筒内の混合気がリーン状態となって、リーン失火等の不完全燃焼が発生し、未燃焼ガス(HC)が多量に排出されて、エミッションが悪化してしまう。しかも、リーン失火が発生した気筒では、次の噴射時に前回吸入されなかった残りの燃料も気筒内に吸入されるため、気筒内に過剰な燃料が吸入されてリッチ燃焼となり、HC排出量が益々増加してしまう。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、始動性を確保しながら、始動時のリーン失火やリッチ燃焼による不完全燃焼を防止することができて、始動時のHC排出量を低減することができる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、特定気筒の基準クランク角又は該基準クランク角から360度クランク角(360°CA)離れたクランク角のどちらかであるであることを判別(以下「第1の気筒判別」という)する第1の気筒判別手段と、特定気筒の基準クランク角を判別(以下「第2の気筒判別」という)する第2の気筒判別手段とを備え、始動時に第2の気筒判別手段による第2の気筒判別が完了する以前より、前記第1の気筒判別手段の判別結果に基づいて一部の気筒に燃料を同期噴射する。ここで、燃料を噴射する気筒は、全気筒ではなく、第1の気筒判別手段により絞り込まれた一部の気筒である。その後、第2の気筒判別が完了すると、通常の燃料噴射制御が行われるが、第2の気筒判別完了直後の噴射については、第2の気筒判別完了前に噴射した燃料が残っている気筒があるので、始動時噴射制御手段は、第2の気筒判別完了直後の各気筒の噴射量を第2の気筒判別完了前に噴射した燃料が残っているか否かを考慮して決定する。
【0007】
これにより、第2の気筒判別完了前に噴射した燃料が残っている気筒については、第2の気筒判別完了直後の噴射によって燃料供給が過剰にならないように制御され、リッチ燃焼による不完全燃焼が防止される。また、第2の気筒判別完了前は、第1の気筒判別手段の判別結果に基づいて内燃機関の回転に同期して燃料を噴射するため、従来の始動時非同期噴射とは異なり、噴射中に吸気弁が閉じてしまうような中途半端なタイミングで燃料が噴射されることはなく、リーン失火等の不完全燃焼が防止される。このようにして、本発明では、始動時のリーン失火やリッチ燃焼による不完全燃焼を防止することができて、始動時のHC排出量を低減することができる。しかも、第2の気筒判別完了前より燃料を噴射するため、第2の気筒判別完了後に噴射を開始する場合と比較して始動性も向上できる。
【0008】
この場合、請求項2のように、第1及び第2の気筒判別手段は、クランク角を検出するクランクセンサの出力信号と、カム軸の基準位置を検出するカムセンサの出力信号とを組み合わせて気筒判別するようにしても良い。これにより、簡単な信号処理で全気筒の気筒判別を精度良く行うことができる。
【0009】
また、請求項3のように、第2の気筒判別完了前に噴射した燃料が残っている気筒については第2の気筒判別完了直後の噴射を休止することが好ましい。このようにすれば、第2の気筒判別完了前に噴射した燃料が残っている気筒に対して重複して燃料が噴射されることを防ぐことができ、リッチ燃焼による不完全燃焼を確実に防止できて、始動時のHC排出量を低減できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を3気筒エンジンに適用した一実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエンジン制御系システム全体の概略構成を説明する。内燃機関である例えば3気筒のエンジン10の吸気ポート11に接続された吸気管12の最上流部にはエアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流に吸気温センサ14が設けられている。また、吸気管12の途中部には、スロットルバルブ15が設けられ、このスロットルバルブ15をバイパスするバイパス路16にはアイドルスピードコントロールバルブ17が設けられている。上記スロットルバルブ15の開度は、スロットル開度センサ18によって検出され、スロットルバルブ15の下流側の吸気管圧力は、吸気管圧力センサ19によって検出される。
【0011】
また、吸気ポート11の近傍には、燃料タンク21から供給される燃料を噴射する燃料噴射弁20が設けられている。燃料タンク21内の燃料は燃料ポンプ22→燃料フィルタ23→プレッシャレギュレータ24の経路を経て燃料噴射弁20に供給され、プレッシャレギュレータ24により燃料圧力(燃圧)が吸気管圧力に対して一定圧力に保たれると共に、余剰燃料がリターン配管25を通して燃料タンク21内に戻される。
【0012】
一方、エンジン10の排気ポート26に接続された排気管27には、排ガス中の空燃比(A/F)を検出する空燃比センサ28や排ガス浄化用の三元触媒(図示せず)が設けられている。エンジン10を冷却するウォータジャケット29には、冷却水温を検出する水温センサ30が取り付けられている。また、エンジン10の各気筒のシリンダヘッドには点火プラグ31が取り付けられ、各気筒の点火プラグ31は、各気筒毎に設けたS−DLIコイル32により点火される。このS−DLIコイル32は、バッテリ33から供給される一次電流をイグナイタ34により断続することで、二次側に高電圧を発生し、この高電圧が点火プラグ31に印加される。
【0013】
次に、燃料噴射時期の制御や点火時期の制御に用いられるクランクセンサ35とカムセンサ36の構成について図2及び図3に基づいて説明する。
【0014】
クランクセンサ35は、図2に示すように、クランク軸37に嵌着されたクランク側検出円板38の外周に対向し、その外周に例えば10°CAのピッチで等間隔に形成された歯39を検出する電磁ピックアップ式センサである。クランク側検出円板38の外周の4箇所に、歯が2個ずつ欠損した欠歯40〜43が形成されており、欠歯40の位置は、気筒#1(以下単に「#1」と表記する)の圧縮TDC/排気TDCにてクランクセンサ35と対向する歯39aよりも、クランク軸37の回転方向(矢印方向)に4,5歯分離れたところに位置する。また、欠歯41,42は、気筒#2(以下単に「#2」と表記する)の圧縮TDC/排気TDCにてクランクセンサ35と対向する歯39bよりも、クランク軸37の回転方向に1,2歯分、4,5歯分離れたところに位置する。また、欠歯43は、気筒#3(以下単に「#3」と表記する)の圧縮TDC/排気TDCにてクランクセンサ35と対向する歯39cよりも、クランク軸37の回転方向に4,5歯分離れたところに位置する。
【0015】
このクランクセンサ35は、クランク軸37の回転に応じて、図4に示すように、欠歯40〜43の位置を除き、等間隔のパルス信号(NE信号)を出力し、欠歯40〜43の位置でパルス間隔が3倍程度長くなる。従って、欠歯40〜43の検出は、NE信号入力毎に、そのパルス間隔Tn を直前のパルス間隔Tn-1 と比較し、Tn >K・Tn-1 (ここでKは判定基準値)であるか否かによって欠歯40〜43か否かを判定する。
【0016】
一方、カムセンサ36は、図3に示すように、カム軸44に嵌着されたカム側検出円板45の外周に対向し、その外周の所定位置に形成された3個の歯46a,46b,46cを検出する電磁ピックアップ式センサである。この場合、歯46aがカムセンサ36と対向する位置は、#1圧縮行程のBTDC30℃Aであり、歯46bがカムセンサ36と対向する位置は、#1排気行程のBTDC30℃Aであり、歯46cがカムセンサ36と対向する位置は、#2圧縮行程のBTDC30℃Aである。尚、クランクセンサ35、カムセンサ36は、電磁ピックアップ式センサに限定されるものではなく、ホールセンサやMREセンサであっても良い。
【0017】
カムセンサ36から出力されるパルス信号(G信号)は、図5に示すようにGラッチを無(0)から有(1)に反転させるために用いられる。ここで、Gラッチとは、図5(A)に示すように、G信号が入力されると、その直後のNE信号入力から7番目の信号入力に至るまでの間、連続して出力される矩形パルスである。このGラッチが出力されている間に、#1圧縮/排気TDCや#2圧縮TDCが来るように設定することによって、次の表1に示すように、欠歯40〜43の種類とGラッチの有無で、3気筒エンジン10における#1圧縮/排気TDCと#3圧縮/排気TDCとの判別や、#2圧縮TDCと#2排気TDCとの判別を可能にしている。
【0018】
【表1】
【0019】
ここで、「連続欠歯」とは、連続する2つの欠歯41,42のことであり、「単一欠歯」とは、連続しない単一の欠歯40又は43のことである。この表1から明らかなように、クランクセンサ35で、連続欠歯41,42を検出すると、Gラッチの有無で、#2圧縮TDCか#2排気TDCかを判別することができ、気筒判別が完了する。この場合、表1に示されている単一欠歯40,43とGラッチの有無との組み合わせによる気筒判別が特許請求の範囲でいう「特定気筒の基準クランク角又は該基準クランク角から360°CA離れたクランク角のどちらかであるであることを判別する第1の気筒判別」に相当し、連続欠歯41,42とGラッチの有無との組み合わせによる気筒判別が特許請求の範囲でいう「特定気筒の基準クランク角を判別する第2の気筒判別」に相当する。図6に示すように、TDCの順序は、#2圧縮TDC→#3排気TDC→#1圧縮TDC→#2排気TDC→#3圧縮TDC→#1排気TDC→#2圧縮TDC→……の順序に予め決まっているため、#2圧縮TDCか#2排気TDCのいずれか一方を判別すれば、以後は、単一欠歯40又は43でもTDCを判別できる。
【0020】
また、判別されるTDCと噴射気筒との関係は次の表2のように設定されている。
【0021】
【表2】
【0022】
前述したクランクセンサ35、カムセンサ36、水温センサ30等の各種センサの出力信号は、図1に示すエンジン制御回路(以下「ECU」という)47に入力される。このECU47は、バッテリ33を電源として動作し、イグニッションスイッチ48のオン信号によりスタータ(図示せず)に通電してエンジン10を始動させる。
【0023】
このECU47は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)には、図7〜図10に示す噴射制御用の各ルーチンが記憶されている。以下、各ルーチンの処理内容を説明する。
【0024】
[気筒判別ルーチン]
図7の気筒判別ルーチンは、クランクセンサ35の出力信号(NE信号)とカムセンサ36の出力信号(G信号)によってセットされるGラッチとから第1及び第2の気筒判別を行うルーチンであり、特許請求の範囲でいう第1及び第2の気筒判別手段としての役割を果たす。本ルーチンは、イグニッションスイッチ48のオン後にクランクセンサ35からNE信号が入力される毎に次のように実行される。まず、ステップ101で、いずれかの欠歯40〜43を検出したか否かを判定し、欠歯40〜43を検出しなければ、気筒判別のタイミングではないので、以降の処理を行うことなく、本ルーチンを終了する。
【0025】
一方、いずれかの欠歯40〜43を検出した場合には、ステップ101からステップ102に進み、単一欠歯40又は43であるか否かを判定する。単一欠歯40又は43である場合には、ステップ103に進み、Gラッチが有(1)か否かを判定し、Gラッチ有の場合には、前掲した表1に示すように、#1圧縮TDCか#1排気TDCのいずれか一方と判定され、ステップ200に進み、後述する図8の#2噴射制御ルーチンを実行する。これにより、単一欠歯40又は43で且つGラッチ有の場合、つまり第1の気筒判別により#1圧縮TDCか#1排気TDCのいずれか一方と判定される場合には、第2の気筒判別完了前で、#1圧縮TDCか#1排気TDCかを判別できない場合でも、#1圧縮TDCとみなして、#2への噴射を実行する。
【0026】
また、単一欠歯40又は43で且つGラッチ無の場合には、第1の気筒判別により#3圧縮TDCか#3排気TDCのいずれか一方と判定され、ステップ300に進み、後述する図9の#1噴射制御ルーチンを実行する。これにより、第2の気筒判別完了前で、#3圧縮TDCか#3排気TDCかを判別できない場合でも、#3圧縮TDCとみなして、#1への噴射を実行する。
【0027】
一方、連続欠歯41,42を検出した場合には、ステップ102からステップ104に進み、Gラッチが有(1)か否かを判定し、Gラッチ有の場合には、前掲した表1に示すように、#2圧縮TDCと判定され、第2の気筒判別が完了する。この場合には、ステップ105に進み、第1の気筒判別フラグXCYLJDG1を#2圧縮TDCの気筒判別完了を意味する「1」にセットし、続くステップ106で、クランク角カウンタCOUNTを「0」にクリアする。このクランク角カウンタCOUNTは、30℃A毎にインクリメントされるカウンタであり、初期値は「$FF」にセットされる(図6参照)。そして、次のステップ400で、後述する図10の#3噴射制御ルーチンを実行する。
【0028】
また、連続欠歯41,42で且つGラッチ無の場合には、#2排気TDCと判定され、第2の気筒判別が完了する。この場合には、ステップ107に進み、第2の気筒判別フラグXCYLJDG2を#2排気TDCの気筒判別完了を意味する「1」にセットし、続くステップ108で、クランク角カウンタCOUNTを「12」にセットして本ルーチンを終了する。前掲した表2に示すように、#2排気TDCの場合には、噴射は行われない。以下の説明文で、単に「気筒判別完了」という場合は、「第2の気筒判別完了」を意味する。
【0029】
[#2噴射制御ルーチン]
図8の#2噴射制御ルーチンは、単一欠歯40又は43で且つGラッチ有の場合、つまり#1圧縮TDCか#1排気TDCのいずれか一方と判定された場合に実行される。この#2噴射制御ルーチンでは、まずステップ201で、第1の気筒判別フラグXCYLJDG1が「1」であるか否かで、#2圧縮TDCの気筒判別が完了したか否かを判定し、XCYLJDG1=0(気筒判別完了前)であれば、ステップ205へ進み、#1圧縮TDCとみなして、#2への噴射を実行する。
【0030】
一方、XCYLJDG1=1(#2圧縮TDCの気筒判別完了)であれば、ステップ202へ進み、最初のXCYLJDG1=1であるか否か、つまり気筒判別完了直後の最初の#2への噴射であるか否かを判定し、気筒判別完了直後の最初の#2への噴射であれば、ステップ203に進み、過去720℃A以内に#2への噴射が実行されたか否かを判定し、「Yes」であれば、気筒判別完了前に#2へ噴射した燃料が残っているので、#2への噴射を休止する。これにより、#2の同じ吸気行程に対して2回の噴射が重複して行われることが防止される。
【0031】
これに対し、過去720℃A以内に#2への噴射が無ければ、噴射が重複しないため、ステップ204に進み、クランク角カウンタCOUNTが「8」の時に#2への噴射を実行する。
【0032】
また、前記ステップ202で、最初のXCYLJDG1=1でない場合、つまり気筒判別完了後の2回目以降の#2への噴射である場合には、通常の噴射制御となり、ステップ204に進み、クランク角カウンタCOUNTが「8」の時に#2への噴射を実行する。
【0033】
[#1噴射制御ルーチン]
図9の#1噴射制御ルーチンは、単一欠歯40又は43で且つGラッチ無の場合、つまり#3圧縮TDCか#3排気TDCのいずれか一方と判定された場合に実行される。この#1噴射制御ルーチンでは、まずステップ301で、第2の気筒判別フラグXCYLJDG2が「1」であるか否かで、#2排気TDCの気筒判別が完了したか否かを判定し、XCYLJDG2=0(気筒判別完了前)であれば、ステップ305へ進み、#3圧縮TDCとみなして、#1への噴射を実行する。
【0034】
一方、XCYLJDG2=1(#2排気TDCの気筒判別完了)であれば、ステップ302へ進み、最初のXCYLJDG2=1であるか否か、つまり気筒判別完了直後の最初の#1への噴射であるか否かを判定し、気筒判別完了直後の最初の#1への噴射であれば、ステップ303に進み、過去720℃A以内に#1への噴射が実行されたか否かを判定し、「Yes」であれば、気筒判別完了前に#1へ噴射した燃料が残っているので、#1への噴射を休止する。これにより、#1の同じ吸気行程に対して2回の噴射が重複して行われることが防止される。
【0035】
これに対し、過去720℃A以内に#1への噴射が無ければ、噴射が重複しないため、ステップ304に進み、クランク角カウンタCOUNTが「16」の時に#2への噴射を実行する。
【0036】
また、前記ステップ302で、最初のXCYLJDG2=1でない場合、つまり気筒判別完了後の2回目以降の#1への噴射である場合には、通常の噴射制御となり、ステップ304に進み、クランク角カウンタCOUNTが「16」の時に#2への噴射を実行する。
【0037】
[#3噴射制御ルーチン]
図10の#3噴射制御ルーチンは、連続欠歯41,42で且つGラッチ有の場合、つまり#2圧縮TDCの気筒判別が完了した場合に実行される。この場合、図7のステップ105,106で、XCYLJDG1=1、COUNT=0にセットしてから#3噴射制御ルーチンが起動される。この#3噴射制御ルーチンでは、まずステップ401で、最初のXCYLJDG1=1であるか否か、つまり気筒判別完了直後の最初の#3への噴射であるか否かを判定し、気筒判別完了直後の最初の#3への噴射であれば、ステップ402に進み、過去720℃A以内に#3への噴射が実行されたか否かを判定し、「Yes」であれば、#3への噴射を休止する。これにより、#3の同じ吸気行程に対して2回の噴射が重複して行われることが防止される。
【0038】
これに対し、過去720℃A以内に#3への噴射が無ければ、ステップ403に進み、クランク角カウンタCOUNTが「0」の時に、#3への噴射を実行する。
【0039】
また、前記ステップ401で、最初のXCYLJDG1=1でない場合、つまり気筒判別完了後の2回目以降の#3への噴射である場合には、通常の噴射制御となり、ステップ403に進み、クランク角カウンタCOUNTが「0」の時に#3への噴射を実行する。
【0040】
以上説明した図8〜図10の各噴射制御ルーチンは、特許請求の範囲でいう始動時噴射制御手段としての役割を果たす。
【0041】
次に、図6に基づいて上述した噴射制御を実施した場合の一例を説明する。図6の例では、エンジン停止位置が#2圧縮TDCである。この位置から始動すると、まず、120℃A回転した位置で、単一欠歯40又は43で且つGラッチ無の状態が検出され、#3圧縮TDCか#3排気TDCのいずれか一方と判定される。この段階では、#3圧縮TDCとみなして、#1への噴射を実行する。
【0042】
この後、120℃A回転すると、単一欠歯40又は43で且つGラッチ有の状態が検出され、#1圧縮TDCか#1排気TDCのいずれか一方と判定される。この段階では、#1圧縮TDCとみなして、#2への噴射を実行する。
【0043】
この後、120℃A回転すると、連続欠歯41,42で且つGラッチ無の状態が検出され、#2排気TDCと判定され、気筒判別が完了する。これにより、第2の気筒判別フラグXCYLJDG2を「1」がセットされると共に、クランク角カウンタCOUNTが「12」にセットされる。但し、#2排気TDCは、噴射タイミングではないので、噴射は実行されない。
【0044】
この後、120℃A回転すると、単一欠歯40又は43で且つGラッチ無の状態、つまり#3圧縮TDCか#3排気TDCのいずれか一方の状態が検出されるが、120℃A前が#2排気TDCと判別されているため、TDCの順序から#3圧縮TDCと判別される。この#3圧縮TDCに対応する噴射気筒は#1となるが、#1には、気筒判別完了前に噴射した燃料が残っているため、#1への今回の噴射を休止する。これにより、気筒判別完了前に噴射した燃料が残っている気筒に対して重複して燃料が噴射されることを防ぐことができ、リッチ燃焼による不完全燃焼を確実に防止できる。しかも、気筒判別完了前は、TDCに同期して燃料を噴射するため、従来の始動時非同期噴射とは異なり、噴射中に吸気弁が閉じてしまうような中途半端なタイミングで燃料が噴射されることはなく、リーン失火等の不完全燃焼も防止できて、始動時のHC排出量を低減することができる。
【0045】
気筒判別完了後、最初の#2圧縮TDCでは、噴射気筒が#3となる。#3については気筒判別完了前に噴射されていないため、#3への噴射が実行される。また、この#2圧縮TDCでは、#2に点火され、気筒判別完了前に#2へ噴射された燃料が燃焼し、これが初爆となる。このように、気筒判別完了前より燃料を噴射するため、気筒判別完了後に噴射を開始する場合と比較して始動性も向上できる。
【0046】
尚、図6の例では、気筒判別完了前より、S−DLIコイル32により同時点火(圧縮行程と排気行程との双方で点火)を行い、気筒判別完了後も同時点火を続けるようにしているが、気筒判別完了後は、通常の点火方式(圧縮行程のみの点火)に切り替えるようにしても良い。
【0047】
以上説明した一実施形態は、本発明を3気筒エンジンに適用したものであるが、例えば6気筒エンジンにも適用可能である。6気筒エンジン(点火順序#1→#5→#3→#6→#2→#4)の場合のクランクセンサ35とカムセンサ36の構成を図11と図12に示す。この場合の欠歯の種類とGラッチによって判別されるTDCは次の表3のようになる。
【0048】
【表3】
【0049】
また、判別されるTDCと噴射気筒との関係は次の表4のように設定されている。
【0050】
【表4】
【0051】
図2、図3と図11、図12から明らかなように、クランクセンサ35とカムセンサ36と検出円板38,45は3気筒エンジンと6気筒エンジンとで共通化可能である。
【0052】
表3から明らかなように、始動時に連続欠歯を検出すると、Gラッチの有/無で、#2圧縮TDCと#5圧縮TDCとを判別でき、気筒判別が完了する。気筒判別完了前は、単一欠歯を検出したときに、Gラッチ有であれば、#1圧縮TDCか#6圧縮TDCのいずれか一方と判定される。この場合には、#1圧縮TDCに対応する噴射気筒#2と#6圧縮TDCに対応する噴射気筒#5との双方に噴射する。
【0053】
また、気筒判別完了前は、単一欠歯を検出したときに、Gラッチ無であれば、#4圧縮TDCか#3圧縮TDCのいずれか一方と判定される。この場合には、#4圧縮TDCに対応する噴射気筒#6と#3圧縮TDCに対応する噴射気筒#1との双方に噴射する。尚、点火制御は、気筒判別完了前より、D−DLIコイルにより同時点火される。
【0054】
その後、連続欠歯を検出して気筒判別を完了すると、気筒判別完了前に噴射した燃料が残っている気筒については気筒判別完了直後の噴射を休止する。これにより、気筒判別完了前に噴射した燃料が残っている気筒に対して重複して燃料が噴射されることを防ぐことができ、リッチ燃焼による不完全燃焼を確実に防止できて、始動時のHC排出量を低減できる。
【0055】
尚、本発明は、気筒判別完了前に噴射した燃料が残っている気筒について、気筒判別完了直後の噴射を休止する場合に限定されず、例えば噴射量を減量補正するようにしても良い。
【0056】
また、上記実施形態では、欠歯の種類とGラッチとの組み合わせによって気筒判別するようにしたが、これ以外の方法で気筒判別するシステムにも本発明を適用することができる。
【0057】
以上説明した実施形態の噴射開始位置は、圧縮TDCであるが、エンジン運転状態(エンジン回転数、冷却水温等)に応じて前後に移動させても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるエンジン制御系システム全体の概略構成を示す図
【図2】3気筒エンジンのクランクセンサとクランク側検出円板との関係を示す図
【図3】3気筒エンジンのカムセンサとカム側検出円板との関係を示す図
【図4】クランクセンサから出力されるパルス信号(NE信号)の波形を示す図
【図5】カムセンサから出力されるG信号の役割を説明する各部の信号波形図
【図6】3気筒エンジン始動時の制御例を示すタイムチャート
【図7】気筒判別ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図8】#2噴射制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図9】#1噴射制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図10】#3噴射制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図11】6気筒エンジンのクランクセンサとクランク側検出円板との関係を示す図
【図12】6気筒エンジンのカムセンサとカム側検出円板との関係を示す図
【符号の説明】
10…エンジン(内燃機関)、20…燃料噴射弁、35…クランクセンサ、26…カムセンサ、37…クランク軸、38…クランク側検出円板、40〜43…欠歯、44…カム軸、45…カム側検出円板、47…エンジン制御回路(気筒判別手段,始動時噴射制御手段)。
Claims (3)
- 特定気筒の基準クランク角又は該基準クランク角から360度クランク角離れたクランク角のどちらかであることを判別(以下「第1の気筒判別」という)する第1の気筒判別手段と、
特定気筒の基準クランク角を判別(以下「第2の気筒判別」という)する第2の気筒判別手段と、
始動時に前記第2の気筒判別手段による第2の気筒判別が完了する以前より、前記第1の気筒判別手段の判別結果に基づいて一部の気筒に燃料を同期噴射する手段と、
前記第2の気筒判別手段による第2の気筒判別が完了した直後の各気筒の噴射量を第2の気筒判別完了前に噴射した燃料が残っているか否かを考慮して決定する始動時噴射制御手段と
を備えていることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。 - 前記第1及び第2の気筒判別手段は、クランク角を検出するクランクセンサと、カム軸の基準位置を検出するカムセンサとを備え、前記クランクセンサの出力信号と前記カムセンサの出力信号とを組み合わせて気筒判別することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
- 前記始動時噴射制御手段は、第2の気筒判別完了前に噴射した燃料が残っている気筒については気筒判別完了直後の噴射を休止することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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