JP3239580B2 - 内燃機関の始動時燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の始動時燃料噴射制御装置

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JP3239580B2
JP3239580B2 JP00623994A JP623994A JP3239580B2 JP 3239580 B2 JP3239580 B2 JP 3239580B2 JP 00623994 A JP00623994 A JP 00623994A JP 623994 A JP623994 A JP 623994A JP 3239580 B2 JP3239580 B2 JP 3239580B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の始動時燃料噴
射制御装置に係り、特に始動時に機関状態に応じて最適
な始動時燃料噴射制御を行う構成とされた始動時燃料噴
射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、内燃機関制御(エンジン制御)の
電子化が進み、エンジンに供給される燃料量をエンジン
の運転状態に基づいてマイクロコンピュータにより算出
し、燃料噴射弁の開弁時間を制御することによってエン
ジンを最適状態で駆動させる電子式燃料噴射量制御装置
が広く普及している。
【0003】上記のような電子式燃料噴射量制御装置に
おいては、通常はエアフローメータ等を用いて検出され
た吸入空気量とディストリビュータから入力されるエン
ジン回転数信号から検出されるエンジン回転数に応じて
算出される基本燃料噴射量(基本燃料噴射時間)に、エ
ンジン各部に配設されたセンサから入力されるエンジン
状態に応じた信号に基づき各種補正を行うことにより燃
料噴射量(燃料噴射時間)を決定している。
【0004】また、一般にエンジンは複数の気筒を有
し、各気筒毎に燃料噴射弁を有した構成(いわゆる独立
噴射)のエンジンが知られている。この複数気筒を有し
たエンジンでは、各気筒毎に吸気,圧縮,爆発,排気の
行程が繰り返し実施され、この行程に同期させて燃料
噴射が行われるよう構成されている。マイクロコンピュ
ータは、ディストリビュータから例えば30°CA或い
は360°CA毎に送られてくるエンジン回転数信号及
び気筒判別信号に基づき上記各気筒の行程を判別し、各
気筒に対して吸気行程前に上記の如く算出された燃料噴
射時間だけ燃料噴射弁を開弁して燃料噴射を行う(この
ように実施される燃料噴射を同期燃料噴射という)。ま
た、始動時においてこの同期燃料噴射を行う際、通常マ
イクロコンピュータは吸気管或いは燃焼室内に残留燃料
が無いものとして最適始動特性を得られる燃料噴射量を
演算する。
【0005】一方、通常エンジン停止中においても燃圧
は各燃料噴射弁に印加される構成とされている。このよ
うにエンジン停止中においても燃圧を印加しておく構成
としたのは、エンジン停止後に再始動する際に燃圧の上
昇を早めると共に、高温となったエンジンを停止された
後にデリバリパイプ内にボイド(気泡)が発生するのを
防止し、始動性を向上させるためである。
【0006】このようにエンジン停止中においても各燃
料噴射弁に燃圧が印加される構成とすると、エンジン停
止中に各燃料噴射弁より燃料が漏れ出すことが考えられ
る。このように漏れ燃料が発生し吸気管内に溜まってい
る場合、前記のようにマイクロコンピュータは吸気管或
いは燃焼室内に残留燃料が無いものとして燃料噴射量を
演算するため、始動時にはマイクロコンピュータが演算
し燃料噴射弁から噴射された燃料と吸気管内に溜まった
漏れ燃料との両方が燃焼室内に吸気されてしまう。この
ため、始動空燃比がオーバリッチとなり始動不良や始動
時における排気エミッションが悪化してしまう。
【0007】このため従来では、始動時に一定時間或い
は一定行程の間、マイクロコンピュータの制御により燃
料噴射を停止させ、この間に吸気管内の残留燃料を燃焼
させることにより、残留燃料と始動時燃料噴射とが重複
されるのを防止し、始動不良や始動時における排気エミ
ッションが悪化するのを防止した始動時燃料噴射制御装
置が提供されている(特開平2−61343号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、燃料噴射弁
からの燃料漏れは必ず生じるものではなく、製造誤差等
に起因して燃料漏れの発生するもの、また燃料漏れが発
生しないものがある。また燃料漏れが発生する場合で
も、漏れ燃料量は燃料噴射弁のバラツキやエンジン停止
後の放置時間により大きく変動する。
【0009】漏れ燃料量が非常に多い場合には、前記し
た従来技術の構成を採用することにより始動不良や排気
エミッションの悪化を防止することができる。しかる
に、漏れ燃料量が少ない場合には、従来技術のように始
動時に一定時間或いは一定行程の間にわたり燃料噴射を
停止さることにより始動に要する時間が長くなってしま
う。
【0010】即ち、前記のようにマイクロコンピュータ
は吸気管或いは燃焼室内に残留燃料が無いものとして最
適始動特性を得られる燃料噴射量を演算するため、漏れ
燃料量が少ない場合には直ちに通常の燃料噴射を開始し
ても始動不良や排気エミッションの悪化は発生しない。
しかるに、従来技術の始動時燃料噴射制御では漏れ燃料
の発生の有無を検知することなく、一律に一定時間或い
は一定行程の間燃料噴射を停止する構成とされていた。
このため、漏れ燃料が無い場合にはこの燃料噴射を停止
する時間分だけ始動時間が長くなってしまうという問題
点があった。
【0011】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、初爆時の検出を行うことにより漏れ燃料の有無を
検出し、漏れ燃料の有無に応じて燃料噴射を開始するタ
イミングの適正化を図ることにより、始動時間の短縮及
びリッチ失火やエミッションの悪化の発生を防止しうる
内燃機関の始動時燃料噴射制御装置を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理図で
ある。同図に示されるように、上記課題を解決するため
に本発明では、機関回転数の同期した所定のタイミング
で燃料を燃料噴射弁(A1)より噴射させる燃料噴射制御手
段(A2)を備えた内燃機関の始動時燃料噴射制御装置にお
いて、機関始動した後、燃料未噴射時期での初爆を検
出する初爆検出手段(A3)と、 初爆の有無により燃料
噴射弁(A1)からの燃料漏れの有無を判定する燃料漏れ判
定手段(A4)と、この燃料漏れ判定手段(A4)により該漏れ
燃料が存在しないと判断された場合は、直ちに吸気工程
である気筒の該燃料噴射弁(A1)から燃料噴射を開始する
と共に、該燃料漏れ判定手段(A4)により該漏れ燃料が存
在すると判断された場合は、所定期間燃料噴射を停止し
た後に燃料噴射を開始する始動時燃料噴射制御手段(A5)
とを設けたことを特徴とするものである。
【0013】
【作用】上記構成とされた内燃機関の始動時燃料噴射制
御装置では、初爆検出手段(A3)により検出された初爆時
の燃料が始動時燃料噴射によるものか、或いは燃料噴射
弁(A1)から漏出した漏れ燃料によるものかを燃料漏れ判
定手段(A4)により判定する。
【0014】そして、燃料漏れ判定手段(A4)により上記
漏れ燃料が存在しないと判断された場合は、直ちに燃料
噴射を開始しても始動不良や排気エミッションの悪化は
発生しないため、始動時燃料噴射制御手段(A5)は直ちに
吸気行程である気筒の燃料噴射弁(A1)から燃料噴射を開
始する。一方、燃料漏れ判定手段(A4)により漏れ燃料が
存在すると判断された場合は、直ちに燃料噴射を開始す
ると燃料噴射弁から噴射された燃料と吸気管内に溜まっ
た漏れ燃料との両方が燃焼室内に吸気されオーバーリッ
チとなってしまうため、始動時燃料噴射制御手段(A5)は
所定期間燃料噴射を停止した後に燃料噴射を開始する。
【0015】上記のように、始動時燃料噴射制御手段(A
5)は、漏れ燃料が存在する場合にはこの漏れ燃料を燃焼
或いは排気するまで燃料噴射弁(A1)からの燃料噴射を停
止し、リッチ失火やエミッションの悪化の発生を防止す
る。また、漏れ燃料が存在しない場合には直ちに吸気
にある気筒から燃料噴射を開始するため、始動時間の
短縮を図ることができる。
【0016】
【実施例】次に本発明の実施例について図面と共に説明
する。図2は本発明の一実施例である内燃機関の始動時
燃料噴射制御装置を適用した内燃機関(エンジン)10
の要部構成図である。同図に示すエンジン10は、車両
搭載用の4気筒4サイクル火花点火式エンジンであり、
後述するマイクロコンピュータ26によって制御され
る。
【0017】先ず、エンジン10の構造について説明す
る。図2において、11はスロットルバルブであり、そ
の下流側にはサージタンク12,インテークマニホルド
13が配設されている。インテークマニホルド13は吸
入ポート(吸気管)17を介してエンジン本体14の燃
焼室15に連通されると共に燃料噴射弁16が配設され
ている。燃料噴射弁16はインテークマニホルド13内
にその一部が突出するよう各気筒毎に配設されており、
この燃料噴射弁16によりインテークマニホルド13内
を流れる空気流に対し燃料が噴射される。
【0018】この燃料噴射弁16は、図示しないデリバ
リパイプに接続されている。このデリバリパイプには燃
料ポンプから燃料が圧送される構成とされており、また
エンジン停止後はこのデリバリパイプ内の燃料には再始
動時の始動特性の向上及びボイドの発生防止を目的とし
て所定圧の燃圧が印加される構成とされている。従っ
て、複数(本実施例では4気筒であるため4本)配設さ
れる燃料噴射弁16の中にはエンジン10が停止されて
閉弁されている間に上記の燃圧により燃料が噴射口より
漏れ出すものが存在するおそれがある。エンジン10の
停止中に漏洩した漏れ燃料は吸入ポート17内に残留す
る。
【0019】一方、燃焼室15は排気ポート18及びエ
キゾーストマニホルド19を介して図示しない触媒装置
に接続されている。また、20は点火プラグで、一部が
燃焼室15に突出するよう設けられている。この点火プ
ラグ20は、後述する点火装置により点火のタイミング
を制御されている。また、21はピストンであり、図中
上下方向に往復動作する。
【0020】22は機関回転数を検出するための回転角
センサであり、ディストリビュータ23のシャフト23
aの回転を検出して例えば30°CA毎にエンジン回転
数信号(NE信号)を、また180°CA毎に気筒判別
信号(G1信号,G2信号)をマイクロコンピュータ2
6へ出力する。ディストリビュータ23は、エンジン1
0の行程と同期した点火信号を発生し、その点火信号を
制御することにより各気筒にイグニションコイル24に
て発生した高電圧を分配する機能を奏する。また、イグ
ニションコイル24は、一次側コイル24aの通電時間
とその電流遮断のタイミングを適宜図ることにより、二
次側コイル24bに点火プラグ20を点火させるための
高電圧を発生させるものである。
【0021】このイグニションコイル24はイグナイタ
25により、その動作を制御されている。イグナイタ2
5はマイクロコンピュータ26に接続されており、マイ
クロコンピュータ26からの制御信号に基ずきイグニシ
ョンコイル24の一次側コイル24aの電流の通電,遮
断を行ったり、また一次側コイル24aの通電時間を可
変させる機能を奏するものである。
【0022】マイクロコンピュータ26は中央処理装置
(MPU)27,処理プログラムを格納したリード・オ
ンリ・メモリ(ROM)28,作業領域として使用され
るランダム・アクセス・メモリ(RAM)29,エンジ
ン停止後もデータを保持するバックアップRAM(B−
RAM)30,MPUへマスタークロックを供給するク
ロック発生器31等から構成されている。双方向のバス
ライン32は、上記のマイクロコンピュータ26を構成
する各要素を互いに接続させると共に、バッファを内蔵
してなる入力ポート33,出力ポート34を上記各構成
要素と接続させる機能を奏する。尚、このマイクロコン
ピュータ26は種々のセンサ及び装置と接続されている
が、同図には本発明に必要な構成との接続のみ示した。
【0023】かかるハードウェア構成のマイクロコンピ
ュータ26は、前記した燃料噴射弁(A1),初爆検出手段
(A3),燃料漏れ判定手段(A4),始動時燃料噴射制御手段
(A5)をソフトウェア処理動作により実現するものであ
り、上記した燃料噴射弁16と共に始動時燃料噴射制御
装置を構成するものである。ここで、先ず図4及び図5
を用いて本発明になる始動時燃料噴射制御装置の動作原
理について説明する。
【0024】各図において、上部に示されるタイミング
チャートは複数(本実施例は4気筒エンジンを例に挙げ
ているため4本。)の各吸入ポート17に配設された各
燃料噴射弁16の燃料噴射状態、及び回転角センサ22
から出力される気筒判別信号(G1信号,G2信号)を
示している。燃料噴射弁16のタイミングチャートで
は、立ち上がりで燃料噴射弁16がON(噴射開始)
し、立ち下がりで燃料噴射弁16がOFF(噴射停止)
する構成とされている。また、同図にける下部には各気
筒の行程と点火位置が示されている。尚、各図では各気
筒を#1〜#4で区別して示しており、また点火位置を
★印で示している。
【0025】いま、図中時刻T0 で示すタイミングでエ
ンジン10が始動したものと仮定する。そこで第3気筒
(#3)に注目すると、第3気筒(#3)はエンジン1
0が始動した状態で吸気行程となっている。ここで、更
に燃料噴射弁16から燃料が漏れている場合と、燃料が
漏れていない場合に別けて説明を続ける。図4は燃料が
漏れている場合を示し、図5は燃料が漏れていない場合
を示している。
【0026】いま、燃料噴射弁16から多量の燃料が漏
れていると想定すると、この漏れ燃料は始動後の最初の
吸気行程で燃焼室15内に吸入されるため、よって図4
C点の着火位置で爆発する。始動直後(クランキング
状態)においては、まだ燃料噴射弁16から燃料は噴射
されていないため、よって始動後の最初の吸気行程で吸
引されたガスに対し爆発行程において爆発が発生した場
合には、燃料噴射弁16から燃料が漏れ出していると判
断することができる。
【0027】また、4個の燃料噴射弁16は同一のデリ
バリパイプに接続されており同一の燃圧が印加されてい
るため、一つの燃料噴射弁16で漏れ燃料が発生してい
る場合には、残る3個の燃料噴射弁16にも燃料漏れが
発生している可能性が高い。よって、始動後の最初の吸
行程で吸引されたガスに対し爆発が発生した場合に
は、一定の期間(本実施例では1サイクル)にわたり燃
料噴射を停止させる構成とした。よって、漏れ燃料が発
生している時の最初の燃料噴射のタイミングは時刻T4
となる。
【0028】この燃料噴射を行わない一定期間において
吸入ポート17に残存する漏れ燃料は燃焼或いはエキゾ
ーストマニホルド19に排出される。従って、第3気筒
(#3)に時刻T4 のタイミングで燃料噴射が行われる
時は、吸入ポート17に漏れ燃料が存在することはな
い。よって、図4中A点の着火位置(時刻T6 )におい
ては燃焼室15内には時刻T4 のタイミングで噴射され
た燃料のみが存在する構成となるため、リッチ失火や排
気エミッションの悪化の発生を防止することができる。
以下、第4気筒(#4),第2気筒(#2),第1気筒
(#1)の順で順次同期噴射が開始される。
【0029】一方、燃料噴射弁16から燃料が漏れてい
ないと想定すると、始動後の最初の吸気行程は空気のみ
が燃焼室15内に吸入されるため、よって図5中C点の
着火位置で着火されても爆発は発生しない。よって始動
後の最初の吸気行程で吸引されたガスに対し爆発行程
おいて爆発が発生しない場合には、燃料噴射弁16から
の燃料の漏出はないと判断することができる。
【0030】このように燃料噴射弁16からの燃料の漏
出が無い場合には、直ちに同期噴射を開始しても空燃比
がオーバリッチとなることはなくリッチ失火や排気エミ
ッションの悪化が発生するようなことはない。却って、
直ちに噴射を開始することにより始動時間を早めること
が可能となる。このため、燃料噴射弁16からの燃料の
漏出が無い場合には、図5に示すように最も早く始動で
きる吸気行程にある気筒、即ち同図に示す例では第2気
筒(#2)より燃料噴射を開始する構成とした(燃料噴
射の時刻を 2 で示す)。
【0031】このように、燃料噴射弁16からの燃料の
漏出が無い場合に吸気行程にある気筒から燃料噴射を行
う構成とすることにより、初爆のタイミングは図5中
点の着火位置(時刻T5 )となる。これに対して、従来
のように1サイクル遅らせて燃料噴射を開始する構成で
は、噴射開始のタイミングは時刻T4 となり、また点火
のタイミングは図中A点の着火位置(時刻T6 )とな
る。よって、本発明の構成とすることにより、初爆のタ
イミングを(T6 −T5 )だけ早めることが可能となり
始動時間の短縮を図ることができる。この(T6
5 )の間は、クランクアングルにして360°CAで
あり、時間にすると0.2 〜0.3 秒に相当する。
【0032】尚、本実施例においては、燃料噴射弁16
からの燃料の漏出が無いと判断された場合には、吸気
にある気筒に対する燃料噴射と共に通常の同期噴射も
開始する構成とされている。図5において時刻T3 にお
いて第1気筒において実施される燃料噴射は、この通常
の同期噴射開始に伴う燃料噴射である。上記のように本
発明によれば、漏れ燃料が存在する場合にはこの漏れ燃
料を燃焼或いは排気するまで燃料噴射弁16からの燃料
噴射を停止するため、リッチ失火やエミッションの悪化
の発生を防止する。また、漏れ燃料が存在しない場合に
は直ちに吸気行程にある気筒から燃料噴射を開始するた
め、始動時間の短縮を図ることができる。
【0033】続いて、上記した基本原理に基づきマイク
ロコンピュータ26が実行する始動時燃料噴射制御処理
について説明する。図3は始動時燃料噴射制御処理を示
すフローチャートであり、イグニションスイッチがON
されたと同時に起動する構成とされている。同図に示す
処理が起動すると、先ずステップ10(図ではステップ
をSと略称する)において気筒判別信号(以下、G信号
という)をカウントするG信号カウンタGCをゼロリセ
ットする。続くステップ12では、回転角センサ22か
ら出力されるG信号が入力されたか否かを判断する。G
信号が入力される前では気筒判別が行えないため、G信
号が入力されるまでステップ12の処理は繰り返し実施
される。
【0034】ステップ12においてG信号が入力された
と判断されると、処理はステップ14に進み、G信号カ
ウンタGCを1カウントだけインクリメントする。即
ち、G信号カウンタGCはG信号が入力される毎にイン
クリメント処理が行われる。続くステップ16では、回
転角センサ22から出力されるエンジン回転数信号(N
E信号)が検出されたか否かを判断する。前記したよう
に、本実施例におてはNE信号は30°CA毎にマイク
ロコンピュータ26に入力される構成とされている。ス
テップ16の処理はNE信号がマイクロコンピュータ2
6に入力されるまで繰り返し実施される。
【0035】ステップ16においてNE信号が検出され
ると処理はステップり18に進み、ステップ16で検出
されたNE信号に基づき第1回目のエンジン回転数NE
の演算処理が実施される。このエンジン回転数NEの演
算処理は、イグニションスイッチがONされた時刻(始
動時刻)を起点として、今回NE信号が検出された時刻
と始動時刻との間の時間と、前回NE信号が検出された
時刻と始動時刻との間の時間との差(検出間隔時間とい
う)に基づいて演算される。尚、1回目のNE信号検出
時においては1回目のNE信号が検出された時刻と始動
時刻との間の時間を検出間隔時間としてエンジン回転数
NEが演算される。
【0036】また、上記のように第1回目のエンジン回
転数NEが演算されると、演算されたエンジン回転数N
E値は1回目エンジン回転数NE0としてマイクロコン
ピュータ26のRAM29内に格納される。続くステッ
プ20では、再びNE信号が回転角センサ22から出力
されたか否かを判断する。ステップ20の処理もNE信
号がマイクロコンピュータ26に入力されるまで繰り返
し実施される。前記したように、本実施例におてはNE
信号は30°CA毎にマイクロコンピュータ26に入力
される構成とされているため、ステップ16でNE信号
が検出された後、クランク軸が30°CA回転した時点
でNE信号は回転角センサ22から出力される。
【0037】ステップ20においてNE信号が検出され
たと判断されると、ステップ22で先に述べたステップ
18の処理と同様な処理により第2回目のエンジン回転
数NEを演算する。そして、演算されたエンジン回転数
NE値は2回目エンジン回転数NE1としてマイクロコ
ンピュータ26のRAM29内に格納される。上記のよ
うに、ステップ18において1回目エンジン回転数NE
0が演算され、ステップ22において2回目エンジン回
転数NE1が演算されると、処理はステップ24に進
む。ステップ24では、演算された2回目エンジン回転
数NE1より1回目エンジン回転数NE0を減算処理
し、各エンジン回転数の差値(即ち、エンジン回転数の
変動値)が所定の判定値(DNE)より小さいか否かが
判断される。
【0038】一般に、4気筒4サイクルエンジンでは、
G信号は5°BTDC(Befor TopDead Center)に設定
されており、本実施例ではG信号が検出された後に検出
演算される1回目エンジン回転数NE0と2回目エンジ
ン回転数NE1とに基づきエンジン回転数の変動値が求
められる構成とされている。また、前記のようにNE信
号は30°CA毎に出力される構成とされている。
【0039】よって、ステップ24では、30°BTD
CからTDC(上死点)との間と、TDCから30°A
TDC(After Top Dead Center)との間におけるエンジ
ン回転数の変動に基づき、所定の判定値(DNE)より
エンジン回転数の変動が小さいか否かの判断がされる構
成とされている。ここで、燃料噴射弁16に漏れ燃料が
発生していると仮定すると、この漏れ燃料を吸入した気
筒に着火が行われると爆発が発生し、エンジン回転数N
Eに大きな変動が発生する。一方、燃料噴射弁16に漏
れ燃料が発生していない場合には、着火が行われても爆
発は発生せずエンジン回転数NEに大きな変動は発生し
ない。本実施例においては、G信号の検出毎にステップ
16,20及びステップ20,22で2回にわたりエン
ジン回転数NEを検出演算し、その変化量に基づき初爆
の発生を検出する構成とされている。即ち、初爆が発生
した場合に生じるエンジン回転数NEの変化量の最低値
を判定値DNEとして設定している。
【0040】従って、ステップ24において1回目エン
ジン回転数NE0に対する2回目エンジン回転数NE1
の変動量が判定値DNEを越えていると判断された場合
には、マイクロコンピュータ26は初爆が発生し、よっ
て燃料噴射弁16から燃料漏れが発生していると判断す
る。一方、上記変動量が判定値DNEより小さいと判断
された場合には、マイクロコンピュータ26は初爆は発
生しておらず、よって燃料噴射弁16に燃料漏れは発生
していないと判断する。即ち、上記したステップ16〜
ステップ24の処理は、図1を用いて説明した初爆検出
手段(A3)及び燃料漏れ判定手段(A4)を構成する処理とな
る。
【0041】尚、本発明者が4気筒,排気量2200c
cエンジンを用いて実験した結果によれば、クランキン
グ時におけるエンジン回転数はエンジン水温やバッテリ
ー電圧に依存しており、水温25℃でかつバッテリーが
満充電されている場合には、約250rpmとなる。ま
た、初爆によるエンジン回転数の上昇は30°CAで約
50〜100rpmであり、エンジン回転数NEをNE
信号検出毎(本実施例では30°CA毎)に検出するこ
とで、確実に初爆のタイミングを検知することができ
る。また、この初爆のタイミングを検出した時点で爆発
行程にある気筒を判別することことで、初爆気筒を検知
することができる。
【0042】上記のステップ24において、エンジン回
転数の変動が判定値DNEより小さいと判断された場合
は、処理はステップ26に進み、G信号カウンタGCが
2以上であるかどうかが判断される。そして、ステップ
26においてG信号カウンタGCが1以下であると判断
された場合には、処理はステップ12に戻り、前記した
ステップ12〜ステップ24の初爆検出処理及び燃料漏
れ判定処理を繰り返し実施する。
【0043】一方、ステップ26において肯定判断がさ
れると処理はステップ28に進む。ステップ26におい
て肯定判断がされる機関状態は、既に吸気行程を終えた
気筒が爆発行程にきても着火しない状態である。また、
図4及び図5を用いて説明すると、ステップ26におい
て肯定判断がされるタイミングは同図における時刻T2
であり、この時刻T2 においてC点で示す着火が行われ
ても初爆が発生しない状態である。
【0044】このように、既に吸気行程を終えた気筒が
爆発行程にきても着火しない場合には、マイクロコンピ
ュータ26は燃料噴射弁16に燃料漏れは発生していな
いと判断し、ステップ28において燃料噴射を開始する
気筒(以下、始動時噴射開始気筒CTという)として現
在吸気行程の気筒を設定する。図4及び図5に示す例に
おいては、C点で示す着火が行われても初爆が発生しな
いことが検知された時刻T2 において吸気行程となる気
筒は第2気筒(#2)である。よって図5に示すよう
に、ステップ28の処理に基づきマイクロコンピュータ
26は第2気筒(#2)の燃料噴射弁16から燃料噴射
を開始する。
【0045】このように、燃料の漏出が無い場合に吸気
行程にある気筒から燃料噴射を行う構成とすることによ
り、初爆のタイミングは図5中B点の着火位置(時刻T
5 )となり、従来のように1サイクル遅らせて燃料噴射
を開始する構成における初爆のタイミング時刻T6 (図
中A点の着火位置)に比べ、初爆のタイミングを(T6
−T5 )だけ早めることが可能となり始動時間の短縮を
図ることができる。
【0046】一方、ステップ24において否定判断がさ
れた場合、即ちエンジン回転数の変動が判定値DNEよ
り大きいと判断された場合は、処理はステップ30に進
む。ステップ26において否定判断がされる機関状態
は、既に吸気行程を終えた気筒が爆発行程にきた際初爆
が発生した状態である。このように、既に吸気行程を終
えた気筒が爆発行程にきた際初爆が生じた場合には、マ
イクロコンピュータ26は燃料噴射弁16に燃料漏れが
発生していると判断し、ステップ30において始動時噴
射開始気筒CTとして現在爆発行程の気筒を設定する。
【0047】図4及び図5に示す例においては、C点で
示す着火が行われても初爆が発生したことが検知された
時刻T2 において爆発行程となる気筒は第3気筒(#
3)である。よって図4に示すように、ステップ30の
処理に基づきマイクロコンピュータ26は第3気筒(#
3)の燃料噴射弁16から燃料噴射を開始する。このよ
うに、燃料の漏出が有る場合に爆発行程にある気筒から
燃料噴射を行う構成とすることにより、始動後に1サイ
クルが経過するまでは燃料の噴射が行われない構成とな
り、この燃料噴射が実施されない1サイクル経過時間内
において漏れ燃料は燃焼するか或いはエキゾーストマニ
ホルド19に排出される。従って、第3気筒(#3)に
時刻T4 のタイミングで同期噴射が行われる時は、吸入
ポート17に漏れ燃料が存在することはなく、よって図
中A点の着火位置(時刻T6 )においては燃焼室15内
には時刻T4 のタイミングで噴射された燃料のみが存在
する構成となるため、リッチ失火や排気エミッションの
悪化の発生を防止することができる。
【0048】尚、上記した実施例にいおては、初爆を検
出する手段としてエンジン回転数を用いた例を示した
が、初爆を検出する手段はエンジン回転数を検出するば
かりでなく、燃焼圧センサ等の爆発の発生を検知するこ
とが可能な他の検出手段を用いることも可能である。
【0049】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、漏れ燃料が
存在する場合にはこの漏れ燃料を燃焼或いは排気するま
で燃料噴射弁からの燃料噴射を停止するため、リッチ失
火やエミッションの悪化の発生を防止することができ
る。また、漏れ燃料が存在しない場合には直ちに吸気
にある気筒から燃料噴射を開始するため、始動時間の
短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明の一実施例である始動時燃料噴射制御装
置が搭載されるエンジンの構成図である。
【図3】本発明の一実施例である始動時燃料噴射制御装
置が実行する処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施例である始動時燃料噴射制御装
置が搭載されたエンジンの行程図である。
【図5】本発明の一実施例である始動時燃料噴射制御装
置が搭載されたエンジンの行程図である。
【符号の説明】
10 エンジン 15 燃焼室 16 燃料噴射弁 17 吸気ポート 20 点火プラグ 23 ディストリビュータ 24 イグニションコイル 25 イグナイタ 26 マイクロコンピュータ GC G信号カウンタ NE0 1回目エンジン回転数 NE1 2回目エンジン回転数 DNE 判定値 CT 始動時噴射開始気筒
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/06 330 F02D 41/22 330 F02D 45/00 362

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機関回転数の同期した所定のタイミング
    で燃料を燃料噴射弁より噴射させる燃料噴射制御手段を
    備えた内燃機関の始動時燃料噴射制御装置において、 機関始動した後、燃料未噴射時期での初爆を検出する
    初爆検出手段と、 初爆の有無により燃料噴射弁からの燃料漏れの有無
    を判定する燃料漏れ判定手段と、 該燃料漏れ判定手段により該漏れ燃料が存在しないと判
    断された場合は、直ちに吸気工程である気筒の該燃料噴
    射弁から燃料噴射を開始すると共に、該燃料漏れ判定手
    段により該漏れ燃料が存在すると判断された場合は、所
    定期間燃料噴射を停止した後に燃料噴射を開始する始動
    時燃料噴射制御手段とを設けたことを特徴とする内燃機
    関の始動時燃料噴射制御装置。
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