JPH09151758A - 筒内直噴式多気筒エンジンの制御装置 - Google Patents

筒内直噴式多気筒エンジンの制御装置

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JPH09151758A
JPH09151758A JP31096295A JP31096295A JPH09151758A JP H09151758 A JPH09151758 A JP H09151758A JP 31096295 A JP31096295 A JP 31096295A JP 31096295 A JP31096295 A JP 31096295A JP H09151758 A JPH09151758 A JP H09151758A
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fuel injection
energization
injection
fuel
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Koji Morikawa
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  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各気筒のインジェクタに対する通電期間の重
複を防止して、インジェクタ駆動用電源の負担を軽減
し、良好な噴射性能が得られるようにする。 【解決手段】 今回の噴射対象気筒#iのインジェクタ
に対して通電を開始する際に、他の気筒の燃料噴射タイ
マが計時中かを判断し(S121)、計時中の場合には、この
計時中の燃料噴射タイマの残り時間(燃料噴射タイマ計
時値)TManを読み出し(S122)、この時間に設定時間T
Ms を加算して当該気筒#iに対する噴射開始遅延時間
TMt#i を設定し(S123)、この噴射開始遅延時間TMt#
i を当該気筒#iの噴射開始タイミングタイマに再セッ
トして、該タイマをスタートさせると(S124,S126)、今
回の噴射対象気筒#iの噴射開始タイミングタイマで上
記噴射開始遅延時間TMt#i を計時後、今回の噴射対象
気筒#iのインジェクタに対する通電を開始する。その
結果、気筒間でインジェクタに対する通電が重複しない
ため、インジェクタ駆動用電源の負担が軽減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒内直噴用燃料噴
射弁に対する駆動用電源の負担を軽減する筒内直噴式多
気筒エンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、高圧に加圧された燃料(ガソ
リン)を気筒内に直接噴射して火花点火させることで出
力を得る筒内直噴エンジンが知られている。この種の筒
内直噴エンジンでは、短い噴射時間で多量の燃料を噴射
しなければならないため、燃料噴射弁は応答性良く設定
する必要があり、特に開弁時には、大電流(以下、「プ
ルアップ電流」)を流して、噴射弁開弁時の立上がり特
性を確保している。
【0003】また筒内直噴エンジンでは、成層燃焼によ
る希薄燃焼が可能であるが、成層燃焼時には余剰空気が
多く、その分排気ガス温度が低くなり易いので、触媒が
活性化し難くなる。
【0004】成層燃焼時の排気ガス温度を上昇させて触
媒の活性化を促す手段として、例えば、特開平4−27
2448号公報では、燃焼直後に後噴射を追加し、この
後噴射による燃焼で触媒を通過する排気ガス温度を上昇
させるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、1サイクル中
1回噴射では、燃焼方式が一定であれば燃料噴射弁に対
する通電期間が気筒間で重複することはないが、上述の
ように、後噴射を追加すると、ある気筒の後噴射に要す
る通電期間と他の気筒の通常噴射時の通電期間とが重複
する場合がある。
【0006】また、運転中の負荷変動に応じて燃焼方式
を、成層燃焼から均一燃焼へ切換える制御を行う筒内直
噴エンジンでは、燃焼方式が切換わるときに噴射タイミ
ングが大幅に変わるので、燃料噴射弁に対する通電が気
筒間で重なる場合がある。
【0007】この燃料噴射弁に対する通電期間が重なる
と、消費電流が過大になり、駆動用電源の電圧が降下し
て、上記燃料噴射弁のニードルのリフトが不充分となっ
たり、動作不良となり、適正な燃料噴射量が得られず、
燃焼の悪化、或いは失火を生じる不都合がある。特に、
燃料噴射弁開弁のためのプルアップ電流は、大電流であ
るため、このプルアップ電流が気筒間で重複すると、燃
料噴射弁の動作不良はより顕著になる。
【0008】これに対処するには、駆動用電源の容量を
アップすることも考えられるが、コスト高になり、しか
も容量アップにより耐久性が相対的に低下してしまう不
具合がある。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、燃料噴射弁を駆動する電源の負担を軽減して、常に
適正な燃料噴射量を供給することができ、その上、駆動
用電源の容量をアップすることなく、低コストでしかも
耐久性に優れた筒内直噴式多気筒エンジンの制御装置を
提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明は、図1(a)の基本構成図に示す
ように、各気筒の筒内に燃料を直接噴射して燃焼させる
筒内直噴式多気筒エンジンにおいて、1つの気筒の燃料
噴射弁に対して通電を開始するに際し他の気筒の燃料噴
射弁に対する通電が終了したかを判断する通電終了判別
手段と、他の気筒のいずれかの燃料噴射弁に対して通電
中のときには、この気筒の燃料噴射弁に対する通電が終
了した後に上記1つの気筒の燃料噴射弁に対して通電を
開始する燃料噴射弁通電制御手段とを備えたことを特徴
とする。
【0011】請求項2記載の発明は、図1(b)に示す
ように、各気筒の筒内に燃料を直接噴射して燃焼させる
筒内直噴式多気筒エンジンにおいて、1つの気筒の燃料
噴射弁に対して通電を開始するに際し他の気筒の燃料噴
射弁に対する開弁用プルアップ電流の通電が終了したか
を判断するプルアップ電流終了判別手段と、他の気筒の
いずれかの燃料噴射弁に対してプルアップ電流を通電中
のときには、この気筒のプルアップ電流の通電が終了し
た後に上記1つの気筒の燃料噴射弁に対して通電を開始
する燃料噴射弁通電制御手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0012】請求項3記載の発明は、図1(c)に示す
ように、各気筒の筒内に燃料を直接噴射して燃焼させる
と共に、エンジン運転状態に応じて少なくとも成層燃焼
を選択する筒内直噴式多気筒エンジンにおいて、1つの
気筒の燃料噴射弁に対して通電を開始するに際し他の気
筒の燃料噴射弁に対する通電、或いは開弁用プルアップ
電流の通電が終了したかを判断する通電終了判別手段
と、他の気筒のいずれかの燃料噴射弁に対して通電中の
とき、或いは他の気筒のいずれかの燃料噴射弁に対して
プルアップ電流を通電中のときには、この気筒の通電或
いはプルアップ電流の通電が終了した後に上記1つの気
筒の燃料噴射弁に対して通電を開始する燃料噴射弁通電
制御手段と、エンジン運転状態に基づき成層燃焼の選択
を判断する成層燃焼判別手段と、成層燃焼の選択時、上
記1つの気筒の燃料噴射弁に対する通電開始の変更に対
応して当該気筒の点火時期を遅角する点火時期変更手段
とを備えたことを特徴とする。
【0013】請求項4記載の発明は、請求項1ないし請
求項3の何れかに記載の発明において、上記燃料噴射弁
通電制御手段は、他の気筒の燃料噴射弁に対する通電、
或いは開弁用プルアップ電流の通電が終了してから設定
時間経過後に上記1つの燃料噴射弁に対して通電を開始
することを特徴とする。
【0014】すなわち、請求項1記載の発明では、1つ
の気筒である今回の燃料噴射対象気筒の燃料噴射弁に対
して通電を開始する際に、他の気筒で燃料噴射弁に対し
て通電中の気筒があるかを判断し、他の気筒の燃料噴射
弁に対して通電中のときには、他の気筒の燃料噴射弁に
対する通電が終了した後、今回の燃料噴射対象気筒の燃
料噴射弁に対して通電を開始する。その結果、燃料噴射
弁駆動用電源では、電源の供給が気筒間で重複せず、駆
動用電源の負担が軽減される。
【0015】請求項2記載の発明では、1つの気筒であ
る今回の燃料噴射対象気筒の燃料噴射弁に対して通電を
開始する際に、他の気筒で燃料噴射弁を開弁させるため
のプルアップ電流が通電中かを判断し、他の気筒の燃料
噴射弁に対してプルアップ電流を通電中のときには、他
の気筒の燃料噴射弁に対するプルアップ電流の通電が終
了した後に、今回の燃料噴射対象気筒の燃料噴射弁に対
して通電を開始する。その結果、燃料噴射弁駆動用電源
では、大電流を必要とするプルアップ電流の通電期間が
気筒間で重複しないので、負担が軽減される。
【0016】請求項3記載の発明では、1つの気筒であ
る今回の燃料噴射対象気筒の燃料噴射弁に対して通電を
開始する際に、他の気筒で燃料噴射弁に対して通電中の
気筒、或いはプルアップ電流通電中の気筒があるかを判
断し、他の気筒の燃料噴射弁に対して通電中のときに
は、他の気筒の燃料噴射弁に対する通電が終了した後、
今回の燃料噴射対象気筒の燃料噴射弁に対して通電を開
始すると共に、成層燃焼が選択されているときには、当
該気筒の燃料噴射弁に対する通電開始の変更に対応して
当該気筒の点火時期を遅角する。その結果、駆動用電源
の負担が軽減されると共に、成層燃焼時において必要と
する燃料噴射終了時期と点火時期との間隔が常に適正に
保持される。
【0017】請求項4記載の発明では、請求項1ないし
請求項3の何れかに記載の発明において、他の気筒の燃
料噴射弁に対して通電中のときには、他の気筒の燃料噴
射弁に対する通電が終了してから設定時間経過後に、今
回の燃料噴射対象気筒の燃料噴射弁に対して通電を開始
する。その結果、上記設定時間による遅延時間によっ
て、駆動用電源の電圧回復後、燃料噴射弁に対する通電
が開始され、燃料噴射弁による燃料調量精度が向上して
制御性が向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。
【0019】図2〜図29に本発明による第1の実施の
形態を示す。まず、図18に基づいて燃料供給系を含む
筒内直噴式多気筒エンジンの全体的な概略について説明
する。
【0020】本実施の形態に示す筒内直噴式多気筒エン
ジン(以下、単に「エンジン」と称する)1は、2サイ
クル4気筒ガソリンエンジンであり、このエンジン1の
シリンダヘッド2とシリンダブロック3とピストン4と
で形成される各気筒燃焼室5毎に、点火コイル6aの二
次側に接続された点火プラグ7と、燃料噴射弁である高
圧用インジェクタ8とが臨まされ、上記点火コイル6a
の一次側に、イグナイタ6bが接続されている。
【0021】また、上記シリンダブロック3に、掃気ポ
ート3aと排気ポート3bとが形成され、上記シリンダ
ブロック3に形成した冷却水通路3cに、水温センサ9
が臨まされている。上記掃気ポート3aには給気管10
が連通され、この給気管10には、上流側にエアクリー
ナ11が取付けられており、また中途に掃気ポンプ12
が介装されている。この掃気ポンプ12はクランクシャ
フト1aに連動するエンジン駆動式であり、この掃気ポ
ンプ12の動作により燃焼室5へ新気が強制的に供給さ
れると共に、この燃焼室5内を掃気する。
【0022】また、上記給気管10には、上記掃気ポン
プ12をバイパスするバイパス通路13が接続されてお
り、さらに、このバイパス通路13の流入ポート上流の
上記給気管10にスロットル弁15aが介装されてお
り、このスロットル弁15aを操作するアクセルペダル
14にアクセル開度(=スロットル開度)αを検出する
アクセル開度センサ16が連設されている。一方、上記
バイパス通路13には、上記掃気ポンプ12の掃気圧を
制御するバイパス制御弁15bが介装されている。
【0023】また、上記排気ポート3bには、上記クラ
ンクシャフト1aの回転に同期して開閉することで、排
気タイミングを制御する排気ロータリ弁17が設けら
れ、この排気ロータリ弁17を介して排気管18が連通
されている。さらに、この排気管18に触媒19が介装
されていると共に、下流端にマフラ20が接続されてい
る。
【0024】また、図19に示すように、上記クランク
シャフト1aにはクランク角検出用クランクロータ21
aと気筒判別用クランクロータ21bとが、所定間隔を
開けて軸着されており、この両クランクロータ21a,
21bの外周上に所定の間隙Sを有して電磁ピックアッ
プ等からなるクランク角センサ22aと気筒判別センサ
22bとが対設されている。
【0025】図20に示すように、上記クランク角検出
用クランクロータ21aには、複数のクランク角検出用
突起21cが形成されている。本実施の形態に示すエン
ジン1は2サイクル4気筒エンジンで、しかも等間隔燃
焼であれば、各気筒の上死点TDCは90°CA毎に設
定され、点火順序を#1→#4→#3→#2とすれば、
この各気筒の上死点TDCから進角方向(図の反時計回
り方向)へクランク角θ1〜θ3の位置に上記クランク
角検出用突起21cがそれぞれ形成されている。上記各
クランク角検出用突起の位置は、例えばθ1=BTDC
(上死点前)75°CA、θ2=BTDC45°CA、
θ3=BTDC15°CAであり、すなわち、各クラン
ク角検出用突起21cはBTDC15°CAの位置から
円周上に30°CAの等ピッチで形成されている。
【0026】また、図21に示すように、上記気筒判別
用クランクロータ21bの外周には気筒判別用突起21
dが形成されている。本実施の形態では、3個の気筒判
別用突起21dが形成されており、そのうちの2個の気
筒判別用突起21dが、#1気筒の上死点TDCを基準
として、進角方向へθ4,θ5の位置に形成されてい
る。また、他の気筒判別用突起21dが#3気筒の上死
点TDCを基準として進角方向へθ6の位置に形成され
ている。本実施の形態では、各気筒判別用突起21dの
クランク位置は、例えばθ4=BTDC60°CA、θ
5=BTDC30°CA、θ6=BTDC60°CAで
ある。
【0027】そして、上記クランク角検出用クランクロ
ータ21aの上死点TDCを示す位置に上記クランク角
センサ22aが対設され、一方、上記気筒判別用クラン
クロータ21bの上死点TDCを示す位置に上記気筒判
別センサ22bが対設されており、クランクシャフト1
aの回転により上記クランク角検出用クランクロータ2
1aのクランク角検出用突起21cが上記クランク角セ
ンサ22aに対向位置し、或いは、上記気筒判別用クラ
ンクロータ21bの気筒判別用突起21dが上記気筒判
別センサ22bに対向位置したとき、図19に示すよう
に、この各センサ22a,22bと上記各クランクロー
タ21a,21bの突起21c,21dの頂部との間隙
Sは、例えば、0.8±0.4(mm)に設定される。
【0028】なお、図18に示すように、上記両センサ
22a,22bは所定の挟み角を有して配設されている
が、図19〜図21では、説明を容易にするために両ク
ランクロータ21a,21bの互いの上死点を対応させ
た状態で示す。
【0029】また、クランクシャフト1aの回転に同期
して上記各クランクロータ21a,21bの突起21
c,21dを上記各センサ22a,22bで検出し、上
記各センサ22a,22bから出力されるクランクパル
ス及び気筒判別パルスの出力タイミングは、図27〜図
29のタイミングチャートに示す通りで、#1気筒のB
TDCθ4の気筒判別パルス(以下、「θ4パルス」と
略称)は#1気筒のBTDCθ1のクランクパルス(以
下、「θ1パルス」と略称)とBTDCθ2のクランク
パルス(以下、「θ2パルス」と略称)との間に割込ま
れ、またBTDCθ5の気筒判別パルス(以下、「θ5
パルス」と略称)は#1気筒のθ2パルスとθ3パルス
との間に割込まれる。さらに、#3気筒のBTDCθ6
の気筒判別パルス(以下、「θ6パルス」と略称)は#
3気筒のθ1パルスとθ2パルスとの間に割込まれる。
従って、上記気筒判別センサ22bで上記θ4パルスと
θ5パルスとを検出した後のクランクパルスは、#1気
筒のθ3パルスであることが判別でき、また上記気筒判
別センサ22bでθ6パルスを検出し、その後、上記ク
ランク角センサ22aで検出するθ2パルスとθ3パル
スとの間に気筒判別パルスが割込まれなければ、上記θ
3パルスは#3気筒のBTDCθ3を示すものであるこ
とが判別できる。
【0030】なお、図27のタイミングチャートは始動
時の燃料噴射及び点火を示し、図28のタイミングチャ
ートは始動後の通常時の燃料噴射及び点火を示し、図2
9のタイミングチャートは、燃焼方式が成層燃焼から均
一燃焼に切換わった際に気筒間の燃料噴射が重複したと
きの燃料噴射タイミングの補正状態を示す。また、上記
θ1パルスは、始動時のドエル開始タイミングタイマス
タートの基準クランク角となり、始動後は噴射開始タイ
ミングタイマスタートの基準クランク角となる。またθ
2パルスが始動後の点火時期タイマスタートの基準クラ
ンク角となる。さらに、θ3パルスが、始動時は燃料噴
射開始の基準点及び、点火時期タイマスタートの基準ク
ランク角になり、また始動後はドエル開始タイミングタ
イマスタートの基準クランク角になる。
【0031】なお、4サイクル4気筒エンジンでは、上
記気筒判別用クランクロータ21bをカムシャフトに軸
着したカムロータとし、上記気筒判別センサ22bを、
このカムロータに対設させるようにしても良い。
【0032】次に、燃料系の構成について説明する。
【0033】図18の符号23は燃料ラインで、この燃
料ライン23の中途に高圧用燃料ポンプ28が介装さ
れ、さらに、この高圧用燃料ポンプ28の下流側に高圧
用電磁式プレッシャレギュレータ33が介装されてい
る。また、この燃料ライン23の上記高圧用燃料ポンプ
28の上流側が、燃料タンク24から燃料を送出する低
圧デリバリライン23aを構成し、この高圧用燃料ポン
プ28の下流側と上記高圧用電磁式プレッシャレギュレ
ータ33との間が上記低圧デリバリライン23aからの
燃料を昇圧して高圧用インジェクタ8に供給する高圧ラ
イン23bを構成し、さらに、この高圧用電磁式プレッ
シャレギュレータ33から下流側が低圧リターンライン
23cを構成している。
【0034】上記高圧用電磁式プレッシャレギュレータ
33は常開式であり、デューティ制御あるいは、電流制
御により弁開度を制御し、デューティ制御では、デュー
ティ比を0〜100%の間で制御し、例えば、デューテ
ィ比≧80%で全閉となる。また電流制御では、制御電
流が高くなるに従って、次第に閉弁される。上記高圧用
電磁式プレッシャレギュレータ33では、上記高圧ライ
ン23bの燃料リリーフ量を制御することで、この高圧
ライン23bの燃料圧力を保持制御し、燃焼室5へ供給
する燃料量を高圧用インジェクタ8の開弁時間により正
確に計量できるようにしたものである。
【0035】また、上記低圧デリバリライン23aと上
記低圧リターンライン23cとが燃料バイパス通路23
dを介して連通され、この燃料バイパス通路23dに、
上記低圧デリバリライン23aの燃料圧力を調圧する低
圧用ダイヤフラム式プレッシャレギュレータ27が介装
されている。
【0036】上記低圧デリバリライン23aでは、上記
燃料タンク24内の燃料を、フィードポンプ25により
送出し、燃料フィルタ26を経て上記低圧用ダイヤフラ
ム式プレッシャレギュレータ27により調圧された状態
で上記高圧用燃料ポンプ28へ供給する。
【0037】上記高圧ライン23bは、いわゆるライン
圧力保持型高圧噴射システムを構成し、上記低圧デリバ
リライン23aから供給される燃料を上記高圧用燃料ポ
ンプ28によって加圧し、上記高圧用電磁式プレッシャ
レギュレータ33で調圧した所定の高圧燃料を、高圧燃
料フィルタ30、脈動圧を緩衝するアキュムレータ3
1、燃料圧力を検出する燃料圧力センサ32を併設する
燃料供給路を経て各気筒の高圧用インジェクタ8に供給
する。
【0038】上記高圧用燃料ポンプ28はエンジン駆動
式のプランジャポンプであり、吸入口及び吐出口に、そ
れぞれ逆止弁が設けられ、エンジン停止時には、低圧デ
リバリライン23aからの燃料が通過可能になる。
【0039】次に、図22に基づき、燃料圧力制御、燃
料噴射制御、及び点火制御等を行う制御装置40につい
て説明する。
【0040】この制御装置40は、CPU41、ROM
42、RAM43、バックアップRAM44、及びI/
Oインターフェース45等がバスライン46を介して互
いに接続されたマイクロコンピュータを中心として構成
され、その他、安定化電圧を各部に供給する定電圧回路
47、上記I/Oインターフェース45の出力ポートか
らの信号によりアクチュエータ類を駆動する駆動回路4
8等の周辺回路が組み込まれている。
【0041】また、上記定電圧回路47、及び駆動回路
48は電源リレー49のリレー接点を介して駆動用電源
としてのバッテリ50に並列接続され、また、この電源
リレー49のリレーコイルがイグニッションスイッチ5
1を介してバッテリ50に接続されている。また、上記
定電圧回路47は、直接、上記バッテリ50に接続され
ており、上記イグニッションスイッチ51がONされ、
上記電源リレー49の接点が閉となったとき、上記バッ
テリ50からの電圧を安定化して制御装置40の各部に
供給し、また、上記イグニッションスイッチ51のO
N,OFFに拘らず、常時、上記バックアップRAM4
4にバックアップ用の電源を供給する。また、上記バッ
テリ50にはフィードポンプ25がフィードポンプリレ
ー54のリレー接点を介して接続されている。
【0042】また、上記I/Oインターフェース45の
入力ポートには、バッテリ50が接続されて、バッテリ
電圧がモニタされると共に、クランク角センサ22a、
気筒判別センサ22b、アクセル開度センサ16、水温
センサ9、燃料圧力センサ32、及びスタータスイッチ
53が接続されている。
【0043】一方、上記I/Oインターフェース45の
出力ポートには、気筒毎に配設された点火コイル6aを
駆動するイグナイタ6bが接続され、さらに、上記駆動
回路48を介して高圧用電磁式プレッシャレギュレータ
33及びフィードポンプリレー54のリレーコイルが接
続されていると共に、この駆動回路48に備えた各イン
ジェクタ駆動回路48aを介して各気筒毎に配設された
高圧用インジェクタ8がそれぞれ接続されている。
【0044】上記ROM42には、エンジン制御プログ
ラムや各種テーブル等の固定データが記憶されており、
また、上記ROM43には、上記各種センサ類、スイッ
チ類の出力信号を処理した後のデータ、及び上記CPU
41で演算処理したデータが格納される。また、上記バ
ックアップRAM44には、各種学習値マップ、制御用
データ等がストアされ、上記イグニッションスイッチ5
1がOFFのときにもデータが保持される。
【0045】上記CPU41では、上記ROM42に記
憶されている制御プログラムに従い燃料噴射量、点火時
期等の各種制御量を所定周期毎に演算し、燃料噴射制
御、点火時期制御等の各種制御を行い、燃料噴射対象気
筒の高圧用インジェクタ8に対し通電を開始する際、他
の気筒のインジェクタに対する通電が行われているとき
には、このインジェクタに対する通電終了後に当該燃料
噴射対象気筒のインジェクタ8に対する通電を開始させ
ることで、各気筒間のインジェクタに対する通電が重複
しないようにし、インジェクタに対する駆動用電源の電
圧降下を防止して電圧降下に伴うインジェクタ8の動作
不良を防止する。
【0046】すなわち、上記制御装置40は、通電終了
判別手段、及び燃料噴射弁通電制御手段としての機能を
有し、一般的な燃料噴射制御に加え、今回の燃料噴射対
象気筒のインジェクタ8に対して通電を開始する際に、
他の気筒のインジェクタに対して通電中かを判断し、他
の気筒のインジェクタに対して通電中のときには、他の
気筒のインジェクタに対する通電終了後に今回の燃料噴
射対象気筒のインジェクタに対して通電を開始させ、イ
ンジェクタへの電源供給が気筒間で重複するのを防止し
インジェクタ駆動用電源の負担を軽減する。
【0047】また、上記制御装置40は、成層燃焼判別
手段、点火時期変更手段としての機能も備え、インジェ
クタへの電源供給が気筒間で重複するのを防止するため
今回の燃料噴射対象気筒のインジェクタに対する通電が
変更されたときにおいて、成層燃焼が選択されていると
き、当該気筒のインジェクタに対する通電開始の変更に
対応して当該気筒の点火時期を遅角させ、成層燃焼時に
必要とする燃料噴射時期と点火時期との間隔を常に適正
に保つ。さらに、他の気筒のインジェクタに対する通電
終了後、今回の燃料噴射対象気筒のインジェクタに対し
通電を開始する際、他の気筒のインジェクタに対する通
電が終了してから設定時間経過後に当該燃料噴射対象気
筒のインジェクタに対する通電を開始させ、上記設定時
間により定まる遅延時間によりインジェクタ駆動用電源
の電圧回復後、インジェクタに対する通電を開始するよ
うにし、インジェクタによる燃料調量精度を向上し制御
性を向上させる。
【0048】以下、上記制御装置40による燃料噴射制
御、及び点火時期制御に係わる処理について図2〜図1
7のフローチャートに従って説明する。
【0049】イグニッションスイッチ51のONにより
制御装置40に電源が投入されると、システムがイニシ
ャライズ(フローチャート中の各フラグ、各カウント値
がクリア)され、その後、各フローチャートに示された
ルーチンが所定タイミング毎に実行される。
【0050】図2に示すフローチャートは、クランクパ
ルス入力毎に割込み起動される気筒判別・エンジン回転
数算出ルーチンである。
【0051】イグニッションスイッチ51をON後、エ
ンジン回転に伴いクランク角センサ22aから出力され
るクランクパルスが入力されると、本ルーチンが起動
し、先ずステップS1で、今回入力したクランクパルス
がθ1〜θ3の何れであるのかを、気筒判別センサ22
bからの気筒判別パルスの割込みパターンに基づき識別
し、ステップS2で、上記気筒判別パルスの割込みパタ
ーンから、次の上死点TDCを迎える気筒#iを判別す
る。
【0052】すなわち、図27〜図29のタイミングチ
ャートに示すように、本実施の形態では、燃料噴射及び
点火順序を#1→#4→#3→#2とし、θ4パルスが
#1気筒の上死点前を示す上記θ1パルスとθ2パルス
との間に割込まれ、続いて、θ2パルスとθ3パルスと
の間にθ5パルスが割込まれるように設定されており、
さらに#3気筒の上死点前を示すθ1パルスとθ2パル
スとの間にθ6パルスが割込まれるように設定されてい
る。
【0053】従って、少なくとも前々回のクランクパル
スと前回のクランクパルスとの間に気筒判別パルスの割
込みがなく、しかも前回のクランクパルスと今回のクラ
ンクパルスとの間に気筒判別パルスが割込まれたときに
は、今回のクランクパルスは、θ2パルスであることが
識別できる。また、気筒判別は、前回と前々回のクラン
クパルスの間に気筒判別パルスの割込みがあり、しか
も、前回と今回のクランクパルスの間にも気筒判別パル
スが割込まれた場合には、今回のクランクパルスは#1
気筒のBTDCθ3パルスであることが識別できる。一
方、前回と前々回のクランクパルスの間に気筒判別パル
スの割込みがあり、前回と今回のクランクパルスの間に
は気筒判別パルスの割込みがない場合には、今回のクラ
ンクパルスは#3気筒のBTDCθ3パルスであること
が識別できる。その結果、このθ3パルスの入力によ
り、次の上死点TDCを迎える気筒#iを判別すること
ができる。
【0054】その後、ステップS3で、前回のクランク
パルスが入力されてから今回のクランクパルスが入力さ
れた間のパルス入力間隔時間Tθ(図28参照)、すな
わち、前回ルーチン実行時から今回ルーチン実行までの
時間を検出する。なお、本実施の形態(図20参照)の
ように、クランク再検出用クランクロータ21aの周囲
に突起21cが等間隔で形成されている場合には、パル
ス入力間隔時間Tθは実時間で設定することができる。
【0055】次いで、ステップS4で、上記パルス入力
間隔時間Tθからエンジン回転数Nを算出し、RAM4
3の所定アドレスに回転数データとしてストアしてルー
チンを抜ける。この回転数データは、後述する始動判定
ルーチン(図3参照)、燃料噴射パルス幅・噴射開始タ
イミング設定サブルーチン(図5〜図7参照)、及び点
火時期・通電開始時間設定ルーチン(図8,図9参照)
で読込まれる。
【0056】次に、運転状態に応じエンジン始動時制御
あるいは始動後制御を選択するための始動判定ルーチン
について、図3のフローチャートに従って説明する。こ
のルーチンは、イグニッションスイッチ51がONされ
て、制御装置40が通電されている間、10msec毎のタ
イマ割込みにより起動され、まず、ステップS11,S
12で始動判定を行う。本実施の形態では、ステップS
11でスタータスイッチ53がONと判断され、且つス
テップS12で、エンジン回転数Nが始動判定回転数N
ST(本実施の形態ではNST=450rpm)以下と判断され
た場合、始動時と判断する。なお、上記始動判定回転数
NSTは搭載するエンジンの特性等に基づいて適宜設定す
る。
【0057】そして、上記ステップS11,S12でエ
ンジン始動時と判断されてステップS13へ進むと、始
動判別フラグFSTをセットしてルーチンを抜ける。一
方、上記ステップS11でスタータスイッチ53がOF
F、或いはステップS12で、N>NSTと判断された場
合には、始動準備中、或いは始動後と判断してステップ
S14へ分岐して上記始動判別フラグFSTをクリアして
ルーチンを抜ける。
【0058】次に、上記始動判別フラグFSTにより示さ
れる運転状態に応じ、燃料噴射量及び燃料噴射時期を設
定する燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミング設定ルー
チン、及び点火時期、ドエル開始時期を設定する点火時
期・通電開始時間設定ルーチンを、それぞれ図4〜図
7,図8〜図9のフローチャートに従って説明する。こ
の両ルーチンは、θ2パルスの入力により演算が開始さ
れ、エンジン始動時は、燃料噴射パルス幅・噴射開始タ
イミング設定ルーチンが、点火時期・通電開始時間設定
ルーチンに優先して実行され、エンジン始動後は逆の優
先順位で実行される。
【0059】この両ルーチンでは、気筒判別により得ら
れた、これから上死点TDCを迎える気筒の2つ後の気
筒を、今回の燃料噴射・点火対象気筒#iとし、この気
筒#iに対する燃料噴射パルス幅、噴射開始タイミン
グ、及び点火時期、通電開始時間を気筒毎に設定するも
ので、図27〜図29のタイミングチャートに示すよう
に、噴射・点火順序を#1→#4→#3→#2とした場
合、例えば、これから上死点TDCを迎える気筒が#3
気筒であれば、#3気筒の上死点前BTDCθ2パルス
の割込みで起動されたルーチンの演算結果は、#1気筒
に対する燃料噴射及び点火に対して適用される。
【0060】まず、燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミ
ング設定ルーチンについて説明する。
【0061】図4に示すように、このルーチンのステッ
プS21では、現在のエンジン運転状態が始動時か始動
後かを、始動判別フラグFSTの値を参照して判断する。
この始動判別フラグFSTは、前述の始動判定ルーチン
(図3参照)で設定され、FST=1の場合には始動時で
あるため、ステップS22へ進み始動時制御を実行し、
一方、FST=0の場合には始動後であるため、ステップ
S26へ分岐して始動後制御を実行する。
【0062】まず、始動時制御について説明する。上記
ステップS21で始動時と判断されてステップS22へ
進むと、水温センサ9で検出した冷却水温TW に基づい
て始動時噴射量GFST〔g〕をテーブルを補間計算付で
参照して設定する。このテーブルはROM42の一連の
アドレスで構成され、各領域には主に冷態時の始動性能
を確保するための噴射量が予め実験等から求めて格納さ
れており、ステップ内に示すように、冷却水温TW が低
いほど上記始動時噴射量GFSTは高い値に設定されてい
る。
【0063】次いで、ステップS23で燃料圧力センサ
32で検出した高圧ライン23b中の燃料圧力PS 〔kp
a 〕に基づいて燃料圧力係数KS と、無効噴射時間TS
〔msec〕とをROM42にデータとして格納されている
テーブルを補間計算付で参照して設定する。このステッ
プ内に示すように、上記テーブルには上記燃料圧力PS
を格子として上記燃料圧力係数KS と無効噴射時間TS
とが予め実験或いは設計等により求めて設定されてい
る。燃料圧力係数KS は上記燃料圧力PS によって変化
する高圧用インジェクタ8の噴射特性であり、上記始動
時噴射量GFSTを燃料圧力PS に応じて補正すると共
に、この始動時噴射量GFST〔g〕を時間換算する。ま
た上記無効噴射時間TS は上記燃料圧力PS によって変
化する高圧用インジェクタ8の作動遅れを補償するもの
である。
【0064】次いで、ステップS24へ進むと、上記始
動時噴射量GFST〔g〕に上記燃料圧力係数KS を乗算
して時間換算し、その値に上記無効噴射時間TS を加算
して、始動時の燃料噴射時間により燃料噴射量を定める
燃料噴射パルス幅Tiを算出し、ステップS25へ進ん
で、上記燃料噴射パルス幅Tiを、今回の噴射・点火対
象気筒#iの燃料噴射タイマにセットしてルーチンを抜
ける。そして、このステップS25でセットされた始動
時の燃料噴射タイマは、図12のフローチャートに示す
θ3パルス入力毎に実行されるルーチンでスタートされ
る(詳細については後述する)。
【0065】一方、エンジンの始動が完了すると、図3
のフローチャートに示す始動判定ルーチンのステップS
14で、上記始動判別フラグFSTがクリアされる。する
と、燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミング設定ルーチ
ンでは、上記ステップS21からステップS26へ分岐
されて、始動後制御へ移行する。なお、上述したよう
に、エンジンが始動状態から始動後へ移行すると、ルー
チンの優先順位が反転し、この燃料噴射パルス幅・噴射
開始タイミング設定ルーチンの前に、後述する点火時期
・通電開始時間設定ルーチンが実行される。
【0066】上記ステップS26では、通常制御時の燃
料噴射パルス幅・噴射開始タイミング設定サブルーチン
が実行される。
【0067】この燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミン
グ設定サブルーチンは、図5〜図7に示すフローチャー
トに従って実行される。
【0068】まず、ステップS31で、アクセル開度セ
ンサ16で検出したアクセル開度(=スロットル開度)
αとエンジン回転数Nとに基づいて、ステップ内に示す
テーブルを補間計算付で参照して、吸入空気量に相当す
る基本給気比L0を設定する。なお、このテーブルの各
領域には、アクセル開度αとエンジン回転数Nとに応じ
て最適な基本給気比L0が予め実験等から求めて格納さ
れている。
【0069】次いで、ステップS32へ進み、燃料圧力
センサ32で検出した高圧ライン23b中の燃料圧力P
S に基づいて、始動後の燃料圧力係数KS 、及び無効噴
射時間TS を設定する。この燃料圧力係数KS 、及び無
効噴射時間TS は、前述のステップS23(図4参照)
中に示したテーブルを補間計算付で参照して設定する。
【0070】その後、ステップS33で上記エンジン回
転数Nに基づいて、均一・成層燃焼切換判定値LS2を設
定する。この燃焼切換判定値LS2は、このステップS3
3内に示す特性に基づいてテーブル化されており、この
テーブルを補間計算付で参照して設定する。
【0071】この均一・成層燃焼切換判定値LS2は、エ
ンジン負荷に応じて燃焼形態を切換える際の基準となる
判定値で、本実施の形態ではエンジン負荷として上記基
本給気比L0を取入れ、また、燃焼形態は均一燃焼方式
と、成層燃焼方式とに切換え設定する。すなわち、エン
ジンが高負荷運転のときは(L0>LS2)、均一燃焼方
式を採用し、中,低負荷運転のときは(L0≦LS2)、
成層燃焼方式を採用する。なお、この各燃焼方式は燃料
噴射タイミング、及び点火時期を変更することで切換え
る。
【0072】ここで、本実施の形態が採用する各燃焼方
式について説明する。
【0073】均一燃焼は、燃料を早い時期に噴射し、筒
内で均一に混合した後に点火する燃焼方式で、空気利用
率が高いので高負荷運転時に適している。この均一燃焼
の混合気形成及び燃焼過程を、図23の燃料噴射・点火
タイミング線図に基づき、図24の均一燃焼行程図に従
って説明する。
【0074】まず、図23に示す噴射開始タイミングI
JSTを排気ロータリ弁17の閉弁後の早い時期に設定す
る(図24(a))。ここで噴射開始タイミングは早い
程良いが、排気ロータリ弁17による排気ポート3bの
閉弁時期よりも早く燃料噴射を開始すると、上記排気ポ
ート3bを介して排気通路へ燃料が吹抜ける不都合を生
じるため、噴射開始タイミングは上記排気ポート3bの
閉弁後に設定する。そして、噴射終了した後(同図
(b))、ピストン4の上昇による圧縮混合で均一混合
気とし(同図(c))、所定点火進角度で点火させる
(同図(d))。すると、火炎が燃焼室5内を伝播して
燃焼する(同図(e))。
【0075】一方、成層燃焼は、燃料噴射を点火直前に
終了し、燃料噴霧の後端部に火花点火させる燃焼方式
で、燃料周辺の空気しか利用しないので、充填空気量に
比べて極めて少ない燃料量で安定した燃焼を得ることが
できるため低,中負荷運転に適している。この成層燃焼
による燃焼過程を、図25の燃料噴射・点火タイミング
線図に基づき、図26の成層燃焼行程図に従って説明す
る。まず、図25に示す噴射開始タイミングIJSTを、
点火のやや直前で燃料噴射が終了するように設定し(図
26(a))、噴射中の燃料が空気を取込みながら点火
プラグ7近傍に濃混合気を形成すると共に、その周囲に
希薄混合気を層状に形成する(同図(b))。そして、
噴射終了後の上記濃混合気に点火すると(同図
(c))、この濃混合気に着火した火炎が周囲の希薄混
合気に伝播して、この希薄混合気を燃焼させる(同図
(d))。
【0076】上記ステップS33で、今回の運転状態に
適応する燃焼方式を決定するために、均一・成層燃焼切
換判定値LS2を設定した後、ステップS34へ進むと、
上記基本給気比L0(=エンジン負荷)と、上記均一・
成層燃焼切換判定値LS2とを比較する。例えば、アイド
ル等の低負荷運転、定常走行等の中負荷運転時には、こ
のステップS34で、L0≦LS2と判断されて、ステッ
プS35へ進む。一方、L0>LS2の高負荷運転と判断
された場合には、図7のステップS41へ分岐する。
【0077】まず、低,中負荷運転時の制御ルーチンに
ついて説明する。低,中負荷運転と判断されてステップ
S34からステップS35へと進むと、燃焼方式判別フ
ラグF1をクリアする。この燃焼方式判別フラグF1
は、F1=0が成層燃焼方式を表し、またF1=1が均
一燃焼方式を表す。
【0078】そして、エンジン始動後の燃焼方式が、上
記ステップS35でF1=0の成層燃焼方式にセットさ
れると、ステップS36へ進み、上記基本給気比L0と
エンジン回転数Nとに基づいて、テーブルを補間計算付
で参照して、燃料噴射量GF〔g〕を設定する。その
後、ステップS37で、上記基本給気比L0とエンジン
回転数Nとに基づいてテーブルを補間計算付で参照して
点火前何°CAで燃料噴射を終了させるのかを定める噴
射エンドタイミングIJET(図28(b)参照)を設定
する。成層燃焼で最適な燃焼を得るためには、点火時に
点火プラグ7の周囲に濃混合気を形成させなければなら
ないため(図26(b),(c)参照)、噴射終了と点
火との時間間隔を管理する必要がある。本実施の形態で
は、この成層燃焼時の噴射エンドタイミングIJETを予
め実験的に求めて基本給気比L0とエンジン回転数Nと
をパラメータとするテーブルとして格納されている。な
お、この噴射エンドタイミングIJETの単位は、点火前
〔msec〕である。
【0079】次いで、上記ステップS37からステップ
S38へ進むと、上記ステップS36で設定した噴射量
GF〔g〕に、上記燃料圧力係数KS を乗算して時間換
算し、その値に上記無効噴射時間TS を加算して、燃料
噴射パルス幅Tiを算出する(Ti←KS ×GF+T
s)。
【0080】そして、ステップS39で、成層燃焼の際
の噴射開始タイミングIJSTを次式から算出する。
【0081】IJST←TθM1−(TADV +IJET+T
i) ここで、TθM1は、噴射開始タイミングを設定する際の
基準となるクランクパルス入力から該当噴射・点火対象
気筒#iの上死点TDCに到達するまでの時間で、本実
施の形態では、図28のタイミングチャートに示すよう
にθ1パルス入力を基準クランク角として設定される。
なお、このθ1パルス入力を基準クランク角とした場合
の上記TθM1は、 TθM1=2.5×Tθ により算出される。また、TADV は点火進角時間換算値
で、図8,図9の点火時期・通電開始時間設定ルーチン
で算出される。
【0082】その後、ステップS40へ進み、今回の燃
料噴射対象気筒#iの噴射開始タイミングタイマに、上
記ステップS39で算出した噴射開始タイミングIJST
をセットして、前記ステップS25(図4参照)へ戻
り、今回の噴射対象気筒#iの燃料噴射タイマに、上記
ステップS38で算出した燃料噴射パルス幅Tiをセッ
トしてルーチンを抜ける。
【0083】一方、加速運転等の過渡時、或いは高速運
転時等で、上記ステップS34において、上記ステップ
S31で設定した基本給気比L0と上記ステップS33
で設定した均一・成層燃焼切換判定値LS2とを比較した
結果、L0>LS2の高負荷運転のときには、ステップS
41へ分岐し、均一燃焼方式を示すため上記燃焼方式判
別フラグF1をセットして、ステップS42で、上記基
本給気比L0とエンジン回転数Nとに基づいて、テーブ
ルを補間計算付で参照して均一燃焼時の燃料噴射量GF
〔g〕を設定し、ステップS43で、上記燃料噴射量G
FにステップS32で設定した燃料圧力係数KS を乗算
して時間換算し、その値に上記無効噴射時間TS を加算
して、均一燃焼時の燃料噴射パルス幅Tiを算出する
(Ti←KS ×GF+Ts)。
【0084】次いで、ステップS44で上記基本給気比
L0とエンジン回転数Nとに基づいて、テーブルを補間
計算付で参照して均一燃焼時における今回の噴射・点火
対象気筒#iに対する噴射開始タイミングを定める上死
点前の噴射開始角度IJsa〔°CA〕を設定する。本実
施の形態では、この噴射開始角度IJsaは、今回の噴射
・点火対象気筒#iの上死点TDCを基準に設定されて
いる(図28(c)参照)。均一燃焼では、燃料噴射を
なるべく早い時期に終了させて新気と充分に混合させる
ことが望ましいが、燃料噴射を排気ポート3bが閉弁す
る時期よりも早く開始すると、燃料の吹抜けが生じるた
め、この燃料噴射開始時期をクランク角で管理し、排気
ポート3bが閉弁した後の早い時期に燃料噴射を開始さ
せる。
【0085】次いで、ステップS45へ進むと、上記噴
射開始角度IJsa〔°CA〕に対応する噴射開始タイミ
ングIJSTを、次式から算出する。
【0086】IJST←TθM2−(Tθ/θs)×IJsa 上記TθM2は噴射開始タイミングを設定する際の基準と
なるクランクパルス入力から今回の噴射・点火対象気筒
#iの上死点TDCに到達するまでの時間で、図28の
タイミングチャートに示すように、本実施の形態では1
気筒前のθ1パルス入力を基準クランク角として設定し
ており、 TθM2=5.5×Tθ により算出される。また、θsはクランクパルス間角度
で、本実施の形態では30°CAである。従って、 (Tθ/θs)×IJsa により、1°CA回転当りの時間から噴射開始角度を時
間換算し、この値を上記TθM2から減算することで、1
気筒前のθ1パルス入力を基準クランク角とする噴射開
始タイミングIJSTが算出される(図28(c)参
照)。
【0087】その後、ステップS40へ戻り、上記ステ
ップS45で算出した噴射開始タイミングIJSTを今回
の噴射・点火対象気筒#iの噴射開始タイミングタイマ
にセットする。そして、上記ステップS25(図4参
照)へ戻り、今回の噴射・点火対象気筒#iの燃料噴射
タイマに、上記ステップS43で算出した燃料噴射パル
ス幅Tiをセットしてルーチンを抜ける。
【0088】次に、図8,図9に示すフローチャートに
基づき、点火時期・通電開始時間設定ルーチンについて
説明する。上述のように、このルーチンは、エンジン始
動時は上述の燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミング設
定ルーチンの後に実行され、エンジン始動後は、この燃
料噴射パルス幅・噴射開始タイミング設定ルーチンに優
先して実行される。
【0089】まず、ステップS51では、現在の運転状
態が始動時か始動後かを、始動判別フラグFSTの値を参
照して判断する。この始動判別フラグFSTは、前述の図
3の始動判定ルーチンで設定され、FST=1の場合には
エンジン始動時であるため、ステップS52へ進み始動
時制御を実行し、一方、FST=0の場合には始動後であ
るため、ステップS57へ分岐して始動後制御を行う。
【0090】まず、始動時制御について説明し、続いて
始動後制御について説明する。
【0091】上記ステップS51で、FST=1の始動時
と判断されてステップS52へ進むと、バッテリ電圧V
B に基づいて通電時間DWL〔msec〕を、テーブルから補
間計算付で参照して設定する。このテーブルの一連のア
ドレスには、ステップ中に示すようにバッテリ電圧VB
が高い程、通電時間DWL〔msec〕を短く設定した特性
を、データ化して格納されている。
【0092】次いで、ステップS53へ進み、点火時期
IGt を次式から求める。
【0093】IGt ←Ti+IGSTIGST:噴射終了よ
り点火までの予め設定された時間〔msec〕(ROMデー
タとして格納されている) この点火時期IGt は、特定の基準クランクパルス入力
後、何msec後に点火するのかを定めるもので、本実施の
形態では、図27(b)に示すように、始動時の燃料噴
射パルス幅Tiをθ3パルスを基準クランク角として噴
射開始するように設定し、この燃料噴射パルス幅Tiに
よる燃料噴射が終了してから上記設定時間IGST経過後
に点火するように設定されている。
【0094】その後、ステップS54でドエル開始タイ
ミングDWLSTを次式から算出する。
【0095】DWLST←(TθM3+IGt )−DWL TθM3:ドエル開始タイミングを設定する際の基準とな
るクランクパルス入力から点火時期設定基準となるクラ
ンクパルス入力までの時間 図27(b)のタイミングチャートに示すように、本実
施の形態では、始動時のドエル開始の基準クランク角を
θ1パルスとし、点火時期設定の際の基準クランク角を
θ3パルスとしている。従って、上記TθM3は、 TθM3=2×Tθ により算出することができる。
【0096】その後、ステップS55で、今回の噴射・
点火対象気筒#iの点火時期タイマに上記点火時期IG
t をセットし、ステップS56でドエル開始タイミング
DWLSTをドエル開始タイミングタイマにセットしてルー
チンを抜ける。
【0097】始動時において上記ステップS56でセッ
トされた当該噴射・点火対象気筒#iのドエル開始タイ
ミングタイマは、上死点前BTDCθ1パルスを基準ク
ランク角としてスタートされ、一方、上記ステップS5
5でセットされた点火時期タイマは、上死点前BTDC
θ3パルスを基準クランク角としてスタートされる(詳
細については後述する)。
【0098】一方、エンジンの始動が完了すると、前述
の図3に示す始動判定ルーチンのステップS14で、上
記始動判別フラグFSTがクリアされるため、この点火時
期・通電開始時間設定ルーチンでは、上記ステップS5
1から図9に示すステップS57へ分岐して、始動後制
御を行う。なお、上述したように、エンジンが始動状態
から始動後へ移行すると、ルーチンの優先順位が反転
し、この点火時期・通電開始時間設定ルーチンは、前述
の燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミング設定ルーチン
の前に実行される。
【0099】そして、上記ステップS57で、最新の基
本給気比L0及びエンジン回転数Nを読み出す。次い
で、ステップS58で、本実施の形態において採用する
各燃焼方式に応じた点火時期を定める進角値ADV〔°
CA〕を設定するため、まず、燃焼方式判別フラグF1
の値を参照して現在選択されている燃焼方式を判別す
る。この燃焼方式判別フラグF1は、前述の燃料噴射パ
ルス幅・噴射開始タイミング設定ルーチンで、エンジン
負荷に応じて設定されており、F1=0が成層燃焼方式
を表し、またF1=1が均一燃焼方式を表す。
【0100】上記ステップS58で、現在の燃焼方式が
F1=0の成層燃焼と判断されると、ステップS59へ
進み、成層燃焼時の点火進角値ADV〔°CA〕を、上
記ステップS57で読み出した基本給気比L0とエンジ
ン回転数Nとに基づいてテーブルを補間計算付で参照し
て設定する。上記点火進角値ADVは、上死点前何°C
Aに点火するのかを定めるものであり、基本給気比L0
及びエンジン回転数Nをパラメータとしたテーブルとし
てROM42に格納されており、このテーブルには、予
め実験等により求めた基本給気比L0とエンジン回転数
Nとにより区分される領域毎に、成層燃焼に適応する点
火進角値ADVがストアされている。なお、ROM42
の一連のアドレスには、成層燃焼時の点火進角値ADV
を格納するテーブル以外に、後述する均一燃焼時の各点
火進角値ADVが予め実験等から求めて格納されてい
る。
【0101】その後、ステップS60で、バッテリ電圧
VB に基づいて通電時間DWLを、前述と同様にテーブル
を補間計算付で参照して設定し、ステップS61で、1
〔°CA〕回転当りの時間から、上記ステップS59で
設定した成層燃焼時の点火進角値ADV〔°CA〕を時
間に換算する点火進角時間換算値TADV を次式に基づい
て算出する。
【0102】TADV ←(Tθ/θs)×ADV Tθ:最新のクランクパルス入力間隔時間 θs:クランクパルス間角度(本実施の形態では、30
°CA) その後、ステップS62で、上記点火進角時間換算値T
ADV に基づいて点火時期IGt を次式から算出する。
【0103】IGt ←TθM4−TADV 上記TθM4は、点火時期〔msec〕を設定する際の基準と
なるクランクパルス入力から今回の噴射・点火対象気筒
#iの上死点TDCに到達するまでの時間で、本実施の
形態においては、噴射・点火対象気筒#iの上死点前B
TDCθ2パルスを基準クランクパルスとしており、図
28のタイミングチャートに示すように、 TθM4=1.5×Tθ により算出される。
【0104】次いで、ステップS63で、点火時期に対
応するドエル開始タイミングDWLSTを次式に基づいて算
出する。
【0105】DWLST←TθM5−(DWL+TADV ) ここで、TθM5はドエル開始タイミングを設定する際の
基準となるクランクパルス入力から今回の噴射・点火対
象気筒#iの上死点TDCに達するまでの時間で、本実
施の形態では、1気筒前の気筒の上死点前BTDCθ3
パルスを基準クランクパルスとしており、図28のタイ
ミングチャートに示すように、 TθM5=3.5×Tθ により算出される。
【0106】そして、上記ステップS55へ戻り、今回
の噴射・点火対象気筒#iの点火時期タイマに上記点火
時期IGt をセットし、ステップS56で上記ドエル開
始タイミングDWLSTをドエル開始タイミングタイマにセ
ットしてルーチンを抜ける。
【0107】一方、上記ステップS58で、今回の燃焼
方式が、F1=1の均一燃焼と判断されると、ステップ
S64へ進み、均一燃焼時の点火進角値ADV〔°C
A〕を、ステップS57で読み出した基本給気比L0と
エンジン回転数Nとに基づいてテーブルを補間計算付で
参照して設定する。そして、ステップS60へ戻り、バ
ッテリ電圧VB に基づいて通電時間DWLを、テーブル参
照により設定し、ステップS61で、上記ステップS6
4で設定した均一燃焼時の点火進角値ADV〔°CA〕
を時間に換算する点火進角時間換算値TADV を算出し
(TADV ←(Tθ/θs)+ADV)、ステップS62
で、上記点火進角時間換算値TADV に基づいて点火時期
IGt を算出し(IGt ←TθM4−TADV )、ステップ
S63で、ドエル開始タイミングDWLSTを算出する(D
WLST←TθM5−(DWL+TADV))。そして、上記ステッ
プS55へ戻り、今回の噴射・点火対象気筒#iの点火
時期タイマに、均一燃焼時の点火時期IGt をセット
し、ステップS56で上記ドエル開始タイミングDWLST
をドエル開始タイミングタイマにセットしてルーチンを
抜ける。
【0108】次に、上記各ルーチンでセットされた各タ
イマを起動させるルーチンについて、図10〜図17の
フローチャートに基づいて各々説明する。
【0109】まず、始動時において、θ1パルスが入力
されると、図10のフローチャートに示す始動時ドエル
開始タイミングタイマ・始動後噴射開始タイミングタイ
マスタートルーチンが起動される。
【0110】そして、ステップS71で、始動判別フラ
グFSTの値を参照して、現在の運転状態が始動時か否か
を判断する。エンジン始動時は、FST=1であるため、
ステップS72へ進み、ドエル開始タイミングDWLSTが
セットされた今回の噴射・点火対象気筒#iのドエル開
始タイミングタイマをスタートさせてルーチンを抜け
る。その結果、上記ドエル開始タイミングタイマにセッ
トされたドエル開始タイミングDWLST〔msec〕の計時が
開始され(図27(b)参照)、計時が終了したとき、
図15のフローチャートに示すドエル開始ルーチンが割
込み起動され、ステップS141で、イグナイタ6bを
介して、今回の噴射・点火対象気筒#iの点火コイル6
aに対するドエルを開始してルーチンを抜ける。
【0111】次いで、θ2パルスが入力されると、図1
1のフローチャートに示す始動後点火時期タイマスター
トルーチンが起動され、ステップS101で、上記始動
判別フラグFSTの値を参照し、現在の運転状態がFST=
1の始動時の場合は、そのままルーチンを抜ける。
【0112】続いて、θ3パルスが入力されると、図1
2のフローチャートに示す始動時噴射開始タイマ及び点
火時期タイマ・始動後ドエル開始タイミングタイマスタ
ートルーチンが起動され、ステップS111で、上記始
動判別フラグFSTの値を参照して、現在の運転状態がF
ST=1の始動時の場合、ステップS112へ進み、始動
時における今回の噴射・点火対象気筒#iの燃料噴射タ
イマをスタートさせる。すると、この燃料噴射タイマに
セットされた燃料噴射パルス幅Tiの計時が開始され
(図27(b)参照)、その間、該当気筒#iの高圧用
インジェクタ8に噴射信号が出力され、このインジェク
タ8で所定に計量された燃料が筒内に直接噴射される。
【0113】次いで、ステップS113へ進むと、当該
気筒#iの点火時期タイマをスタートさせて、ルーチン
を抜ける。すると、この点火時期タイマにセットされた
点火時期IGt 〔msec〕の計時が開始され(図27
(b)参照)、この計時が終了したとき、図16のフロ
ーチャートに示す点火制御ルーチンが割込み起動され
る。
【0114】そして、この点火制御ルーチンのステップ
S151で始動判別フラグFSTの値を参照し、FST=1
の始動時はステップS152へ進み、イグナイタ6bを
介しての噴射・点火対象気筒#iの点火コイル6aに対
するドエルをカットしてルーチンを抜ける。その結果、
点火プラグ7の火花点火により燃焼が開始され、エンジ
ンが始動する。
【0115】そして、エンジン始動後に、θ1パルスが
入力されて、図10のフローチャートに示すルーチンが
起動されると、ステップS71で、FST=0の始動後と
判断されてステップS73へ分岐し、現在の燃焼方式
が、均一燃焼か否かを、燃焼方式判別フラグF1の値を
参照して判断する。
【0116】本実施の形態においては、図28(b)の
タイミングチャートに示すように、成層燃焼では噴射開
始タイミングタイマを噴射・点火対象気筒#iの上死点
前BTDCのθ1パルス入力でスタートさせるように設
定されており、一方、同図(c)に示すように、均一燃
焼では、噴射開始タイミングタイマを今回の噴射・点火
対象気筒#iの1つ前の気筒の上死点前BTDCのθ1
パルス入力でスタートするように設定されている。
【0117】従って、噴射開始タイミングタイマをスタ
ートさせる噴射・点火対象気筒#iを判別するために、
上記ステップS73で、現在設定されている燃焼方式を
判断するのである。
【0118】上記ステップS73で、F1=0の成層燃
焼が選択されているときは、ステップS74へ進み、こ
れから上死点TDCを迎える気筒、すなわち現在の気筒
を今回の噴射・点火対象気筒#iとして設定し、ステッ
プS75で、当該噴射・点火対象気筒#iの噴射開始タ
イミングタイマをスタートさせてルーチンを抜ける。
【0119】一方、ステップS73でF1=1の均一燃
焼が選択されているときには、ステップS76へ分岐
し、これから上死点を迎える気筒の一つ後の気筒を今回
の噴射・点火対象気筒#iとして設定して上記ステップ
S75で当該気筒#iの噴射開始タイミングタイマをス
タートさせ、ルーチンを抜ける。
【0120】すなわち、図28のタイミングチャートに
示すように、例えば、噴射・点火対象気筒#iを#1気
筒とした場合、成層燃焼が選択されているときには、同
図(b)に示すように、上記噴射開始タイミングタイマ
は、当該#1気筒の上死点前BTDCθ1パルス入力で
スタートされ、また、均一燃焼時には、同図(c)に示
すように、一つ前の#2気筒の上死点前BTDCθ1パ
ルス入力でスタートされる。
【0121】そして、この噴射開始タイミングタイマに
セットした噴射開始タイミングIJST〔msec〕の計時が
終了したとき、図13のフローチャートに示す噴射開始
タイミングルーチンが割込み起動される。このルーチン
では、各気筒の燃料噴射期間、すなわち、各気筒のイン
ジェクタ8の通電期間が重ならないように、噴射開始時
期を制御する。
【0122】まず、ステップS121で、他気筒におい
て燃料噴射中か否かを、他気筒の燃料噴射タイマが計時
中か否かにより判断する。他気筒のいずれかの燃料噴射
タイマが計時中であるとき、今回の噴射・点火対象気筒
#iの燃料噴射を開始すると、複数のインジェクタ8に
対する通電が重なり、インジェクタ駆動回路48aを介
してインジェクタ8を開弁駆動するための電源の負担が
大きくなるため、ステップS122へ進み、ステップS
122ないしS126の処理により、他気筒の燃料噴射
終了後、すなわち、他気筒のインジェクタに対する通電
終了後、今回の噴射・点火対象気筒#iのインジェクタ
に対する通電を開始するよう当該気筒#iの燃料噴射開
始時期を遅延させる。
【0123】ステップS122では、上記計時中の他気
筒の燃料噴射タイマの計時値TManを読み出す。ここ
で、本実施の形態においては、カウントダウン式の燃料
噴射タイマを採用しており、上記計時値TManは、他気
筒の燃料噴射終了、すなわち他気筒のインジェクタ8に
対する通電終了までの時間を表している。
【0124】そして、ステップS123で、上記計時値
TManに設定時間TMs を加算して今回の噴射・点火対
象気筒#iに対する燃料噴射開始時期を遅延させるため
の当該気筒噴射開始遅延時間TMt#i を設定する。上記
設定時間TMs は、インジェクタ駆動用電源の電圧回復
を与える時間であり、他気筒の高圧用インジェクタ8に
対する通電が終了してから、さらに設定時間経過後に当
該気筒#iのインジェクタ8に対する通電を開始させる
ことで、インジェクタ駆動用電源の電圧回復後、当該気
筒#iのインジェクタ8に対する通電を開始させ、イン
ジェクタ8による燃料調量精度の向上を図るためのもの
である。なお、この設定時間TMs は必ずしも必要とす
るものではなく、上記計時値TManをそのまま噴射開始
遅延時間TMt#i としても良い。また、本実施の形態に
おいてはカウントダウン式の燃料噴射タイマを採用して
いるので、タイマの計時値TManを他気筒の燃料噴射が
終了するまでの時間として用いているが、燃料噴射タイ
マが0からTiまでカウントするカウントアップ式の場
合には、燃料噴射中の他気筒の燃料噴射パルス幅からタ
イマの計時値を減算した値を他気筒噴射終了までの時間
として採用する。
【0125】次いで、ステップS124で、上記当該気
筒噴射開始遅延時間TMt#i を今回の噴射・点火対象気
筒#iの噴射開始タイミングタイマに再セットし、ステ
ップS125で、成層燃焼が選択されているときに今回
の噴射・点火対象気筒#iの燃料噴射開始時期遅延に対
応して当該気筒#iの点火時期を遅延させるため点火時
期変更フラグFD#i をセットし、ステップS126で、
当該気筒#iの噴射開始タイミングタイマを再スタート
させて、ルーチンを抜ける。
【0126】そして、この噴射開始タイミングタイマに
セットした噴射開始遅延時間TMt#i 〔msec〕の計時が
終了したとき、図14のフローチャートに示す噴射開始
ルーチンが割込み起動され、ステップS131で、今回
の噴射・点火対象気筒#iの燃料噴射タイマをスタート
させて、ルーチンを抜ける。
【0127】その結果、今回の噴射・点火対象気筒#i
の高圧用インジェクタ8に対して、上記噴射開始遅延時
間TMt#i の経過後に、当該気筒#iの燃料噴射タイマ
にセットされた燃料噴射パルス幅(時間)Tiの計時が
開始され、当該気筒#iの燃料噴射タイマの計時値TM
anがTiから0になるまでの間、今回の噴射・点火対象
気筒#iの高圧用インジェクタ8へインジェクタ駆動回
路55aから噴射信号が出力されて燃料噴射される。
【0128】すなわち、図29のタイミングチャートに
示すように、今回の噴射・点火対象気筒#iを#1気筒
とした場合、この#1気筒に対する燃料噴射を開始する
際に、その前の気筒である#2気筒の燃料噴射が未だ終
了していない場合、そのときの#2気筒の噴射終了まで
の時間TManと設定値TMs とを加算した噴射開始遅延
時間TMt#i 経過後に、#1気筒の燃料噴射が開始され
ることになるため、各インジェクタ駆動回路48aを介
しての各インジェクタ8における通電が重複せず、従っ
て、このインジェクタ駆動用電源の負担が軽減される。
ところで、図29に示すように、燃料噴射が気筒間で重
複する場合、後から噴射する気筒の燃料噴射開始タイミ
ングが正規の噴射タイミングよりもやや遅れることにな
るが、各気筒の燃料噴射が重複する期間は、同図に示す
ように、例えば、燃焼方式が成層燃焼から均一燃焼へ切
換わるときに生じる。この均一燃焼では、噴射開始時期
をやや遅らせても、点火までには充分な時間があるため
燃焼に大きな影響を及ぼすことはない。
【0129】また、このとき、後述する点火時期制御で
は、点火時期を上記燃料噴射開始時期の変更に関係な
く、正規の点火時期で点火させている。すなわち、図2
9に示すように、均一燃焼では噴射開始から点火まで充
分に余裕があり、且つ点火時期をずらすと燃焼状態が悪
化してしまうからである。
【0130】一方、成層燃焼時においては、前述したよ
うに点火時に点火プラグ7の周囲に濃混合気を形成する
必要があり、燃料噴射終了と点火との時間間隔を管理す
る必要がある。
【0131】従って、成層燃焼において各気筒間のイン
ジェクタ8の通電の重複を回避すべく今回の噴射・点火
対象気筒#iの燃料噴射時期を上記噴射開始遅延時間T
Mt#i により遅延させた場合には、これに対応して当該
気筒#iの点火時期を遅延、すなわち遅角させなければ
ならない。このため、当該気筒#iの燃料噴射時期を遅
延させたときには、前記燃料噴射開始タイミングルーチ
ン(図13)のステップS125で当該気筒#iに対す
る点火時期変更フラグFD#i をセットすることで、詳し
くは後述するが、図16に示す点火制御ルーチンで、当
該気筒#iの点火時期を当該気筒噴射開始遅延時間TM
t#i に対応して遅角化させる。
【0132】なお、本実施の形態では、噴射・点火対象
気筒#iに対する燃料系(燃料噴射時期、燃料噴射量)
の演算、及び点火系(ドエル開始タイミング、点火時
期)の演算は、前述のようにその2つ前の気筒の上死点
前BTDCθ2パルスが入力されたときに割込み起動さ
れるルーチンで行われる。
【0133】一方、上記図13の噴射開始タイミングル
ーチンのステップS121において、他の全ての気筒の
燃料噴射タイマが駆動していない場合は、燃料噴射中の
気筒はなく今回の噴射・点火対象気筒#iのインジェク
タ8を通電しても他気筒のインジェクタの通電と重複す
ることがなくインジェクタ駆動用電源の負担超過がない
と判断して、ステップS127へ進み、ステップS12
7,S128で、当該気筒#iの点火時期変更フラグF
D#i 、及び噴射開始遅延時間TMt#i をクリアし、ステ
ップS129で今回の噴射・点火対象気筒#iの燃料噴
射タイマをスタートして、ルーチンを抜ける。
【0134】すると、今回の噴射・点火対象気筒#iの
高圧用インジェクタ8に対し、上記燃料噴射タイマにセ
ットされた燃料噴射パルス幅Tiの計時が行われている
間、インジェクタ駆動回路48aを介して噴射信号が出
力され、高圧用インジェクタ8の開弁により当該気筒#
iに燃料が噴射される。
【0135】従って、各気筒間の燃料噴射時期が重複せ
ず、各気筒間のインジェクタ通電が重複しないときに
は、今回の噴射・点火対象気筒#iに対し当初の噴射開
始タイミングで燃料噴射が行われる。
【0136】また、エンジン始動後の点火時期制御は、
図28のタイミングチャートに示すように、今回の噴射
・点火対象気筒#iの1つ前の気筒の上死点前BTDC
θ3パルス入力で、ドエル開始タイミングDWLSTが計時
されるように設定されるため、まず、図12のフローチ
ャートに示すθ3パルス入力により割込み起動されるル
ーチンから説明する。
【0137】θ3パルスが入力されて、図12のフロー
チャートに示すルーチンが起動されると、まず、ステッ
プS111で、現在の運転状態がFST=0の始動後と判
断されて、ステップS114へ分岐し、今回の噴射・点
火対象気筒#iのドエル開始タイミングタイマをスター
トさせる。
【0138】すると、このドエル開始タイミングタイマ
にセットしたドエル開始タイミングDWLSTの計時が開始
され、この計時が終了したとき、図15のフローチャー
トに示すドエル開始ルーチンが割込み起動される。そし
て、このドエル開始ルーチンのステップS141で、今
回の噴射・点火対象気筒#iのドエルをセットしてルー
チンを抜ける。その結果、イグナイタ6bを介して今回
の噴射・点火対象気筒#iの点火コイル6aに対するド
エルが開始される。
【0139】上記ドエル開始ルーチンでセットされた当
該噴射・点火対象気筒#iのドエルは、図16のフロー
チャートに示す点火制御ルーチン、或いは、図17に示
す点火ルーチンが起動されたときにカットされる(詳細
については後述する)。
【0140】その後、θ2パルスが入力されて、図11
に示す点火時期タイマスタートルーチンが割込み起動さ
れると、ステップS101で、始動判別フラグFSTの値
を参照し、現在の運転状態がFST=0の始動後のとき
は、ステップS102へ分岐し、今回の噴射・点火対象
気筒#iの点火時期タイマをスタートさせてルーチンを
抜ける。
【0141】すると、この点火時期タイマにセットされ
た点火時期IGt 〔msec〕が計時され、計時終了時に、
図16のフローチャートに示す点火制御ルーチンが割込
み起動される。そして、ステップS151で、始動判別
フラグFSTの値を参照し、FST=0のエンジン始動後
は、ステップS153へ分岐して、ステップS153,
S154で当該気筒#iの点火時期を燃料噴射時期の遅
延に対応して遅角させるか否かを判断する。
【0142】すなわち、成層燃焼において各気筒間のイ
ンジェクタ8の通電の重複を回避すべく今回の噴射・点
火対象気筒#iの燃料噴射時期が遅延されたときには、
これに対応して当該気筒#iの点火時期を遅延、すなわ
ち遅角させなければならない。そのため、ステップS1
53で、燃焼方式判別フラグF1の値を参照して現在の
燃焼方式が、成層燃焼が選択されているか均一燃焼が選
択されているかを判断し、F1=0の成層燃焼が選択さ
れているときのみステップS154へ進み、当該気筒#
iの点火時期変更フラグFD#i がセットされているかを
判断する。
【0143】そして、F1=0の成層燃焼が選択されて
いるとき、且つ当該気筒#iの点火時期変更フラグFD#
iがFD#i =1で当該気筒#iに対して燃料噴射時期の
遅延に伴い点火時期遅角が指示されているときには、ス
テップS155へ進み、当該気筒#iの噴射開始遅延時
間TMt#i を読み出して、ステップS156で、この噴
射開始遅延時間TMt#i を今回の噴射・点火対象気筒#
iの点火時期タイマに再セットして当該点火時期タイマ
を再スタートさせ、ルーチンを抜ける。
【0144】そして、この点火時期タイマにセットした
遅延時間TMt#i 〔msec〕の計時が終了したとき、図1
7のフローチャートに示す点火ルーチンが割込み起動さ
れ、ステップS161で、今回の噴射・点火対象気筒#
iに対するドエルをカットしてルーチンを抜ける。
【0145】その結果、成層燃焼時、当該気筒#iに対
して燃料噴射時期が遅延されているときには、これに対
応して点火時期が遅延され、当初設定した点火時期IG
t に対し遅延時間TMt#i 経過後、イグナイタ6bを介
して当該気筒#iの点火コイル6aに対するドエルがカ
ットされ、当該気筒#iが点火される。
【0146】従って、成層燃焼時、各気筒間のインジェ
クタ8の通電の重複を回避すべく、当該気筒#iの燃料
噴射時期が噴射開始遅延時間TMt#i により遅延されて
いるときには、これに対応して当該気筒#iの点火時期
が遅延されるので、点火時に点火プラグ7の周囲に濃混
合気を形成しなければならない成層燃焼時は、常に、燃
料噴射終了と点火との時間間隔が適正に管理されること
になる。
【0147】一方、上述の図16の点火制御ルーチンに
おいて、ステップS153でF1=1であり、均一燃焼
が選択されているときには燃料噴射時期の遅延の有無に
拘らず点火時期を遅角される必要がなく、また、F1=
0の成層燃焼時であってもステップS154でFD#i =
0であって当該気筒#iの燃料噴射時期が遅延されてお
らず点火時期の遅角が指示されていないときには、ステ
ップS152へ進み、当該気筒#iに対するドエルをカ
ットしてルーチンを抜ける。
【0148】従って、このときには、今回の噴射・点火
対象気筒#iに対し当初の点火時期IGt で点火が行わ
れる。
【0149】このように本実施の形態によれば、今回の
噴射・点火対象気筒#iの高圧用インジェクタ8に対し
て通電を開始するときに、他の気筒でインジェクタ8に
対し通電中の気筒があるときには、この気筒の通電が終
了した後に、今回の噴射・点火対象気筒#iのインジェ
クタ8に対して通電を開始するようにしたので、インジ
ェクタ駆動用電源の負担が軽減されて電圧降下が防止さ
れる。その結果、高圧用インジェクタ8のニードルのリ
フトが不充分になる等の動作不良が生じることがなく、
常に、適正な燃料量を供給することができる。
【0150】また、各気筒間のインジェクタ通電の重複
を回避するため今回の噴射・点火対象気筒#iの燃料噴
射時期を遅延させたときには、成層燃焼が選択されてい
るとき、燃料噴射時期の遅延に対応して当該気筒#iの
点火時期が遅延されるので、成層燃焼時は、常に燃料噴
射終了と点火との時間間隔が適正に管理されて、点火時
に点火プラグ7の周囲に濃混合気が形成され、燃料噴射
時期の変更に伴う着火性の悪化を確実に防止することが
できる。
【0151】また、各気筒間のインジェクタ通電の重複
を回避するため今回の噴射・点火対象気筒#iの燃料噴
射時期を遅延させる際、他気筒の高圧用インジェクタ8
に対する通電が終了してから更に設定時間TMs 経過後
に当該気筒#iのインジェクタ8に対する通電を開始さ
せるので、インジェクタ駆動用電源の電圧回復後、当該
気筒#iのインジェクタ8に対する通電が開始され、イ
ンジェクタ8による燃料調量精度を向上することが可能
となる。
【0152】次に、図30〜図35に基づき第2の実施
の形態を説明する。
【0153】上述の第1の実施の形態では、各気筒間の
高圧用インジェクタ8に対する通電が重複しないように
制御しているが、本実施の形態においては、各気筒の高
圧用インジェクタ8に対する通電初期のプルアップ通電
期間のみが重複しないように制御するものである。
【0154】なお、エンジンの構成、及び制御系の構成
は前記第1の実施の形態と同じである。
【0155】ここで、前記制御装置40は、第1の実施
の形態における通電終了判別手段に代えて、プルアップ
電流終了判別手段としての機能を有し、今回の燃料噴射
対象気筒のインジェクタに対して通電を開始する際に、
他の気筒のインジェクタに対してプルアップ電流通電中
の気筒があるのかを判断し、他の気筒のインジェクタに
対してプルアップ電流通電中のときには、他の気筒のイ
ンジェクタに対するプルアップ電流の通電終了後に今回
の燃料噴射対象気筒のインジェクタに対して通電を開始
させることで、大電流を必要とするプルアップ電流通電
期間のみ各気筒間のインジェクタ通電の重複を回避し、
燃料噴射時期の遅延を最小限とする。
【0156】具体的には、第1の実施の形態に対し、図
14に示す噴射開始ルーチンを廃し、プルアップ電流の
通電状態を表すプルアップフラグFPUL をプルアップ電
流通電状態に応じてセット、或いはクリアするために図
32,図33に示すルーチンを追加し、さらに、図13
に示す噴射開始タイミングルーチンに代えて、図34に
示す噴射開始タイミングルーチンを採用し、今回の噴射
・点火対象気筒#iに対するインジェクタ8への通電を
開始、すなわち燃料噴射を開始する際に、上記プルアッ
プフラグFPUL の値により他気筒のインジェクタに対し
てプルアップ電流通電中かを判断し、他気筒のインジェ
クタに対してプルアップ電流通電中のときには、このプ
ルアップ電流の通電終了後に当該気筒#iのインジェク
タ8に対して通電を開始させる。
【0157】本実施の形態による燃料噴射開始タイミン
グを制御する手順を説明する前に、インジェクタ駆動回
路48aの動作について簡単に説明する。
【0158】インジェクタ駆動回路48aは高圧用イン
ジェクタ8毎に対応して設けられており、各インジェク
タ駆動回路48aでは、燃料噴射を指示する噴射パルス
信号が入力されたとき、まず高圧用インジェクタ8の弁
体を高速で開弁させるために大電流(いわゆるプルアッ
プ電流)を微小時間通電し、その後、この通電を一旦停
止して通電電流値を下げ、上記高圧用インジェクタ8に
対する通電電流を検知して、上記弁体の開弁状態を保持
させるのに必要な保持電流となるように、閉ループで制
御する。
【0159】この保持電流はプルアップ電流と比較して
小さく、この保持電流が気筒間で重複しても、インジェ
クタ駆動用電源にかかる負担は少ない。従って、本実施
の形態では、このプルアップ通電期間のみが重複しない
ように気筒間の高圧用インジェクタ8に対する通電開始
時期を調整している。
【0160】ここで、本実施の形態によるプルアップ通
電期間を検出する具体例を、図30に示すインジェクタ
駆動回路48aの回路例に基づいて説明する。
【0161】図に示すインジェクタ駆動回路48aは、
タイミング信号発生回路151、フライホイール回路制
御信号発生回路151a、DC−DCコンバータ等から
なる昇圧電源回路60、電流制御回路70、電流検出回
路80、フライホイール回路90で構成され、上記昇圧
電流回路60及び電流制御回路70に駆動用電源VBが
印加される。
【0162】上記タイミング信号発生回路151は、昇
圧電源回路60及び電流制御回路70への開弁時電流印
加時間パルス信号SD を発生するワンショットマルチバ
イブレータ152と、フライホイール回路90の制御タ
イミングを決定する信号SCを発生するワンショットマ
ルチバイブレータ153、EX−ORゲート154、O
Rゲート155等からなるフライホイール回路制御信号
発生回路151aとを備えている。
【0163】また、上記各ワンショットマルチバイブレ
ータ152,153は、出力パルス幅を決定するための
CRを接続する外付け端子CX ,RX と、2つのトリガ
入力端子A,Bとを有する再トリガ可能なタイプであ
り、信号の立ち上がりでトリガするための各トリガ入力
端子Bに噴射パルス信号がそれぞれ入力され、信号の立
ち下がりでトリガするための各トリガ入力端子Aはそれ
ぞれ接地されている。
【0164】また、上記ワンショットマルチバイブレー
タ152の外付け端子CX には、コンデンサ156の負
極側が接続され、このコンデンサ156の正極側と抵抗
157の一端が外付け端子RX に接続されて、この抵抗
157の他端が定電圧電源VCCに接続されている。同様
に、前記ワンショットマルチバイブレータ153の外付
け端子CX に、コンデンサ158の負極側が接続され、
このコンデンサ158の正極側と抵抗159の一端が外
付け端子RX に接続されて、この抵抗159の他端が定
電圧電源VCCに接続されている。さらに、上記ワンショ
ットマルチバイブレータ153の非反転出力端子Qが、
上記EX−ORゲート154の一方の入力端子に接続さ
れ、また、上記EX−ORゲート154の他方の入力端
子に、噴射パルス信号が入力される。
【0165】本実施の形態では、上記ワンショットマル
チバイブレータ153の非反転出力端子QをI/Oイン
ターフェース45の割込端子に接続し、この非反転出力
端子Qからの出力信号によりプルアップ電流通電期間を
検出している。
【0166】また、上記ワンショットマルチバイブレー
タ152の非反転出力端子Qは、上記電流制御回路70
に接続されると共に上記ORゲート155の一方の入力
端子に接続され、このORゲート155の他方の入力端
子に、上記EX−ORゲート154の出力端子が接続さ
れている。そして、上記ORゲート155の出力端子が
上記フライホイール回路90に接続され、フライホイー
ル回路制御信号SE が出力される。
【0167】なお、各ワンショットマルチバイブレータ
152,153の反転出力端子*Qは未使用のため、開
放状態となっている。
【0168】制御装置40のI/Oインターフェース4
5からハイレベルの噴射パルス信号が、インジェクタ駆
動回路48aへ出力されると、その立ち上がりのエッジ
で各ワンショットマルチバイブレータ152,153が
トリガされ、各非反転出力端子Qから一定パルス幅(ハ
イレベル)の信号SD ,SC がそれぞれ出力される。
【0169】このワンショットマルチバイブレータ15
2から出力される信号SD のパルス幅は、外付けのコン
デンサ156及び抵抗157によって定められ、上記高
圧用インジェクタ8に開弁時の大電流(いわゆるプルア
ップ電流)を通電する期間(数百μsec 程度)を決定す
る。そして、この信号SD が開弁時電流印加時間パルス
信号として、昇圧電源回路60及び電流制御回路70に
出力され、この昇圧電源回路60では上記信号SD の出
力を受けて、12Vの駆動用電源VR を75Vに昇圧し
た高電圧を上記電流制御回路70へ出力する。この電流
制御回路70では、上記高電圧を用いて大電流のプルア
ップ電流を出力し、高圧用インジェクタ8を高速開弁さ
せて高圧燃料をエンジン1の燃焼室5内に直接噴射させ
る。
【0170】一方、ワンショットマルチバイブレータ1
53から出力される信号SC のパルス幅は、上記ワンシ
ョットマルチバイブレータ152から出力される信号S
D よりもパルス幅が長くなるよう、外付けのコンデンサ
158及び抵抗159の値が設定されており、この信号
SC がEX−ORゲート154に入力されると、このE
X−ORゲート154から、ハイレベルの噴射パルス信
号と信号SC との排他的論理和により信号SC を反転し
た波形となる信号が出力される。
【0171】図31に示すように、上記信号SD とEX
−ORゲート154からの信号とが入力されるORゲー
ト155の出力信号すなわちフライホイール回路制御信
号SE は、信号SC を反転した信号と信号SD とを合成
した信号となり、信号SC のパルス幅の立ち下がりエッ
ジが、高圧用インジェクタ8の電流を開弁時の大電流
(プルアップ電流)から減少させて保持電流制御を開始
する際にフライホイール回路90を作動させるタイミン
グとなる。
【0172】次に、本実施の形態の燃料噴射開始タイミ
ング制御手順について説明する。
【0173】図32のフローチャートに示すI/O入力
電圧レベルL→H割込みルーチンは、上記各インジェク
タ駆動回路48aから上記I/Oインターフェース45
の割込端子に入力される信号SC の電圧レベルがローレ
ベルからハイレベルに切換わったときに割込み起動され
るルーチンで、また、図33のフローチャートに示すI
/O入力電圧レベルH→L割込みルーチンは、上記割込
端子に入力される信号SC の電圧レベルがハイレベルか
らローレベルに切換わったときに割込み起動されるルー
チンである。
【0174】図31に示すように、ある気筒のインジェ
クタ駆動回路48aに噴射パルス信号が入力されると、
このインジェクタ駆動回路48aのワンショットマルチ
バイブレータ153の非反転出力端子Qからハイレベル
の信号Scが出力されて、上記図32に示すルーチンが
割込み起動されると、ステップS171でプルアップ電
流通電中を示すプルアップフラグFPUL をセットしてル
ーチンを抜ける。
【0175】次いで、上記非反転出力端子Qから出力さ
れる信号Scがローレベルに切換わると、図33のフロ
ーチャートに示すルーチンが割込み起動され、まず、ス
テップS181で、プルアップ電流の通電終了によりプ
ルアップフラグFPUL をクリアし、ステップS182で
噴射遅延フラグFINJ の値を参照して、FINJ =1の場
合には、ステップS183へ進み、FINJ =0の場合に
はそのままルーチンを抜ける。この噴射遅延フラグFIN
J は、後述する図34のフローチャートに示す噴射開始
タイミングルーチンで設定され、FINJ =1の場合に
は、プルアップ通電期間が重複するために噴射待機中の
気筒があることを示し、FINJ =0の場合には、待機中
の気筒はないことを示す。
【0176】そして、FINJ =1の噴射待機中の気筒が
存在するときには、ステップS183へ進み、待機中の
気筒#iの燃料噴射タイマをスタートさせて当該気筒#
iの燃料噴射、すなわち当該気筒#iのインジェクタ8
に対するプルアップ電流の通電を開始し、ステップS1
84で、計時中の当該気筒#iの噴射開始遅延時間TM
t#i の計時をストップする。この噴射開始遅延時間TM
t#i は、後述する図34の噴射開始タイミングルーチン
で計時が開始され、上記ステップS184で計時がスト
ップされることで、各気筒間の高圧用インジェクタ8の
プルアップ電流通電期間の重複を回避すべく当該気筒#
iの燃料噴射時期を遅延させた時間を表し、この噴射開
始遅延時間TMt#i の値が前述の図16の点火制御ルー
チンのステップS155で読み出され、成層燃焼時にお
いて燃料噴射時期が遅延されたときには、これに対応し
て、第1の実施の形態と同様に当該気筒#iの点火時期
が遅延される。
【0177】次いで、ステップS185で、上記噴射遅
延フラグFINJ をクリアしてルーチンを抜ける。
【0178】一方、前記第一の実施の形態の図10に示
すθ1パルスの入力で割込み起動される始動時ドエル開
始タイミングタイマ・始動後噴射開始タイミングタイマ
スタートルーチンのステップS75でスタートされた噴
射開始タイミングタイマにセットした噴射開始タイミン
グIJST〔msec〕の計時が終了したとき、図34のフロ
ーチャートに示す噴射開始タイミングルーチンが割込み
起動される。そして、ステップS191で今回の噴射・
点火対象気筒#iの噴射開始遅延時間計時値TMt#i を
クリアした後、ステップS192へ進み、プルアップフ
ラグFPUL の値を参照して他の気筒のインジェクタに対
してプルアップ電流通電中か否かを判断し、FPUL =0
でプルアップ通電中の気筒がない場合は、ステップS1
93,S194で、当該気筒#iの点火時期変更フラグ
FD#i 、噴射遅延フラグFINJ をそれぞれクリアし、ス
テップS195で、当該気筒#iの燃料噴射タイマをス
タートさせてルーチンを抜ける。
【0179】従って、今回の噴射・点火対象気筒#iの
燃料噴射を開始する際に、他の気筒のインジェクタに対
してプルアップ電流の通電が行われていないときには、
当初の噴射開始タイミングIJSTで、当該気筒#iに対
し直ちに燃料噴射が行われる。
【0180】一方、上記ステップS192においてFPU
L =1で、今回の噴射・点火対象気筒#iの燃料噴射を
開始する際に、他の気筒のインジェクタに対してプルア
ップ電流の通電中のときには、ステップS196へ分岐
し、当該気筒#iの燃料噴射開始時期を遅延させ、且つ
これに対応して当該気筒#iの点火時期を遅延させるた
めに、ステップS196で、当該気筒#iの点火時期変
更フラグFD#i をセットし、ステップS197で、当該
気筒#iに対する噴射開始遅延時間TMt#i の計時を開
始すると共に、ステップS198で噴射遅延フラグFIN
J をセットして、ルーチンを抜ける。
【0181】その結果、今回の噴射・点火対象気筒#i
に対して燃料噴射を開始する際に、他の気筒のインジェ
クタに対してプルアップ電流の通電中のときには燃料噴
射開始時期が遅延される。そして、他の気筒のインジェ
クタに対するプルアップ電流の通電が終了すると、図3
1のI/O入力電圧レベルH→L割込みルーチンが前述
のように起動され、このとき上記ステップS198で噴
射遅延フラグFINJ がセットされていることで、I/O
入力電圧レベルH→L割込みルーチンではステップS1
82からステップS183へ進み、当該気筒#iの燃料
噴射タイマがスタートされ、他の気筒のインジェクタに
対するプルアップ電流の通電終了後、今回の噴射・点火
対象気筒#iの高圧用インジェクタ8にプルアップ電流
の通電が開始され、燃料噴射タイマにセットされた燃料
噴射パルス幅Tiの計時中、インジェクタ駆動回路48
aを介して当該気筒#iの高圧用インジェクタ8に噴射
信号が出力されて当該気筒#iに対し燃料噴射が行われ
る。
【0182】従って、例えば図35に示すように、燃焼
方式が成層燃焼から均一燃焼に切換わったとき、最初の
噴射・点火対象気筒である#1気筒の正規の噴射開始タ
イミングでは、#2気筒のインジェクタ8に対するプル
アップ電流通電期間に重複するときには、当該#1気筒
のインジェクタ8に対する通電は、このプルアップ電流
の通電終了後に開始されることになる。このプルアップ
電流の通電期間は、極く微小時間(数百μsec 程度)で
あるため、燃料噴射開始時期の遅延を最小限に抑えるこ
とができる。
【0183】なお、本実施の形態においても、前述の第
1の実施の形態と同様に、他の気筒のインジェクタに対
するプルアップ電流の通電終了後、さらに設定時間TM
s 経過後、今回の噴射・点火対象気筒#iに対する燃料
噴射、すなわち、当該気筒#iのインジェクタに対する
通電を開始するようにしても良い。また、本発明は上記
実施の形態に限るものではなく、例えば昇圧電源回路6
0を用いず、12V電源を用いてプルアップ電流を制御
するようにしても良い。また、本出願人が先に出願した
特願平7−95362号に示すように1サイクル当り後
燃焼を追加するために二回噴射する場合は、第一の実施
の形態では、この後噴射と主噴射とが気筒間で重複した
ときに、この両噴射の期間を重複しないように制御し、
また第二の実施の形態では、上記主噴射と後噴射とのプ
ルアップ電流通電期間が重複しないように制御する。
【0184】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、今回の燃料噴射対象気筒の燃料噴射弁に対す
る通電を開始する際に、他の気筒の燃料噴射弁に対する
通電状態を判断し、他の気筒の燃料噴射弁に対して通電
中のときには、他の気筒の燃料噴射弁に対する通電が終
了した後、今回の燃料噴射対象気筒の燃料噴射弁に対す
る通電を開始するので、各気筒間の燃料噴射弁に対する
通電の重複がなくなり、従って、燃料噴射弁駆動用電源
の負担が軽減して、電圧降下による燃料噴射弁の動作不
良等が回避され、常に適正な燃料噴射量を供給すること
ができ耐久性に優れ、また、従来のエンジン及び制御装
置の構造を変更することなく、単にソフトウェアの変更
のみで対処できるため低コストで実現することができ
る。
【0185】また、請求項2記載の発明では、プルアッ
プ電流の通電期間中のみが重複しないように制御してい
るので、大電流を消費する期間が重複せず、請求項1記
載の発明と同様に、燃料噴射弁駆動用電源の負担が軽減
し、電圧降下による燃料噴射弁の動作不良等が防止さ
れ、常に適正な燃料噴射量を得ることができ、しかも、
このプルアップ電流の通電期間は極く微小時間のため、
燃料噴射開始時期の遅延を最小限に抑えることができ、
燃料噴射開始時期の遅延に伴う燃焼性の悪化を生じるこ
となく実現できる。
【0186】また、請求項3記載の発明では、上記効果
に加え、成層燃焼が選択されているときには、当該気筒
の燃料噴射弁に対する通電開始の変更、すなわち燃料噴
射時期の遅延に対応して当該気筒の点火時期を遅角させ
るので、燃料噴射時期を遅延しても成層燃焼時は、燃料
噴射終了時期と点火時期との間隔が常に適正に保持され
て、点火時に点火プラグの周囲に濃混合気が形成され、
燃料噴射時期の変更に伴う着火性の悪化を確実に防止す
ることができる。
【0187】さらに、請求項4記載の発明では、上記効
果に加え、他の気筒の燃料噴射弁に対する通電、或いは
開弁用プルアップ電流の通電が終了してから設定時間経
過後に今回の燃料噴射対象気筒の燃料噴射弁に対して通
電を開始するので、燃料噴射弁駆動用電源の電圧回復
後、燃料噴射弁に対する通電が開始され、燃料噴射弁に
よる燃料調量精度がより向上して制御性を向上すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成図
【図2】本発明の第1の実施の形態に係わり、気筒判別
・エンジン回転数算出ルーチンを示すフローチャート
【図3】同上、始動判定ルーチンを示すフローチャート
【図4】同上、燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミング
設定ルーチンを示すフローチャート
【図5】同上、燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミング
設定サブルーチンを示すフローチャート
【図6】同上、燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミング
設定サブルーチンを示すフローチャート(続き)
【図7】同上、燃料噴射パルス幅・噴射開始タイミング
設定サブルーチンを示すフローチャート(続き)
【図8】同上、点火時期・通電開始時間設定ルーチンを
示すフローチャート
【図9】同上、点火時期・通電開始時間設定ルーチンを
示すフローチャート(続き)
【図10】同上、始動時ドエル開始タイミングタイマ・
始動後噴射開始タイミングタイマスタートルーチンを示
すフローチャート
【図11】同上、始動後点火時期タイマスタートルーチ
ンを示すフローチャート
【図12】同上、始動時燃料噴射タイマ及び点火時期タ
イマ・始動後ドエル開始タイミングタイマスタートルー
チンを示すフローチャート
【図13】同上、噴射開始タイミングルーチンを示すフ
ローチャート
【図14】同上、噴射開始ルーチンを示すフローチャー
【図15】同上、ドエル開始ルーチンを示すフローチャ
ート
【図16】同上、点火制御ルーチンを示すフローチャー
【図17】同上、点火ルーチンを示すフローチャート
【図18】同上、筒内直噴式多気筒エンジンの全体概略
【図19】同上、クランクシャフトに軸着したクランク
角検出用クランクロータと気筒判別用クランクロータ、
及びこれらに対設する各センサの側面図
【図20】同上、クランク角検出用クランクロータと、
このクランクロータに対設するクランク角センサの正面
【図21】同上、気筒判別用クランクロータと、このク
ランクロータに対設する気筒判別センサの正面図
【図22】同上、電子制御系の回路構成図
【図23】同上、均一燃焼時の燃料噴射、及び点火タイ
ミング線図
【図24】同上、均一燃焼時の行程図
【図25】同上、成層燃焼時の燃料噴射、及び点火タイ
ミング線図
【図26】同上、成層燃焼時の行程図
【図27】同上、始動時の燃料噴射、及び点火を示すタ
イミングチャート
【図28】同上、始動後の燃料噴射、及び点火を示すタ
イミングチャート
【図29】同上、気筒間の燃料噴射が重複したときの燃
料噴射タイミングの補正状態を示すタイミングチャート
【図30】本発明の第2の実施の形態に係わり、インジ
ェクタ駆動回路の回路図
【図31】同上、インジェクタ駆動回路の各部の信号波
形図
【図32】同上、I/O入力電圧レベルL→H割込みル
ーチンを示すフローチャート
【図33】同上、I/O入力電圧レベルH→L割込みル
ーチンを示すフローチャート
【図34】同上、噴射開始タイミングルーチンを示すフ
ローチャート
【図35】同上、気筒間のプルアップ電流通電期間が重
複したときの燃料噴射開始タイミングの補正状態を示す
タイミングチャート
【符号の説明】
1 筒内直噴式多気筒エンジン 6a イグナイタ 6b 点火コイル 7 点火プラグ 8 高圧用インジェクタ(燃料噴射弁) 40 制御装置 48a インジェクタ駆動回路 50 バッテリ(燃料噴射弁駆動用電源)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各気筒の筒内に燃料を直接噴射して燃焼
    させる筒内直噴式多気筒エンジンにおいて、 1つの気筒の燃料噴射弁に対して通電を開始するに際し
    他の気筒の燃料噴射弁に対する通電が終了したかを判断
    する通電終了判別手段と、 他の気筒のいずれかの燃料噴射弁に対して通電中のとき
    には、この気筒の燃料噴射弁に対する通電が終了した後
    に上記1つの気筒の燃料噴射弁に対して通電を開始する
    燃料噴射弁通電制御手段とを備えたことを特徴とする筒
    内直噴式多気筒エンジンの制御装置。
  2. 【請求項2】 各気筒の筒内に燃料を直接噴射して燃焼
    させる筒内直噴式多気筒エンジンにおいて、 1つの気筒の燃料噴射弁に対して通電を開始するに際し
    他の気筒の燃料噴射弁に対する開弁用プルアップ電流の
    通電が終了したかを判断するプルアップ電流終了判別手
    段と、 他の気筒のいずれかの燃料噴射弁に対してプルアップ電
    流を通電中のときには、この気筒のプルアップ電流の通
    電が終了した後に上記1つの気筒の燃料噴射弁に対して
    通電を開始する燃料噴射弁通電制御手段とを備えたこと
    を特徴とする筒内直噴式多気筒エンジンの制御装置。
  3. 【請求項3】 各気筒の筒内に燃料を直接噴射して燃焼
    させると共に、エンジン運転状態に応じて少なくとも成
    層燃焼を選択する筒内直噴式多気筒エンジンにおいて、 1つの気筒の燃料噴射弁に対して通電を開始するに際し
    他の気筒の燃料噴射弁に対する通電、或いは開弁用プル
    アップ電流の通電が終了したかを判断する通電終了判別
    手段と、 他の気筒のいずれかの燃料噴射弁に対して通電中のと
    き、或いは他の気筒のいずれかの燃料噴射弁に対してプ
    ルアップ電流を通電中のときには、この気筒の通電或い
    はプルアップ電流の通電が終了した後に上記1つの気筒
    の燃料噴射弁に対して通電を開始する燃料噴射弁通電制
    御手段と、 エンジン運転状態に基づき成層燃焼の選択を判断する成
    層燃焼判別手段と、 成層燃焼の選択時、上記1つの気筒の燃料噴射弁に対す
    る通電開始の変更に対応して当該気筒の点火時期を遅角
    する点火時期変更手段とを備えたことを特徴とする筒内
    直噴式多気筒エンジンの制御装置。
  4. 【請求項4】 上記燃料噴射弁通電制御手段は、他の気
    筒の燃料噴射弁に対する通電、或いは開弁用プルアップ
    電流の通電が終了してから設定時間経過後に上記1つの
    燃料噴射弁に対して通電を開始することを特徴とする請
    求項1ないし請求項3の何れかに記載の筒内直噴式多気
    筒エンジンの制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2855316A1 (fr) * 2003-05-23 2004-11-26 Bosch Gmbh Robert Procede de commande d'actionneurs notamment dans un vehicule automobile
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