JP3848197B2 - 乗用型の茶園管理作業機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、茶畝を跨いでその両側の畝間を走行しつつ茶園の防除作業等を行う乗用型の茶園管理作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
上述のような防除作業を行う乗用型の茶園管理作業機として、本出願人は先に特開平11−206224号公報に記載された先行技術を提案している。
【0003】
上述の先行技術では、図7、図8に示しているように茶畝を跨いでその両側の畝間を走行する一対のクローラ型走行装置bを備えた乗用車体aに、薬液タンクとして左右に分離された2個のタンクc,dを機体の左右位置に張り出して分離搭載しており、この左右の薬液タンクc,dに連通して複数列の茶畝に薬液を散布できる長さを有したノズルパイプeを乗用車体aの機体後部において起倒可能に装備し、薬液タンクc,dからノズルパイプeを介して複数列の茶畝に薬液を散布できるようにしている。
そして上述の先行技術では、左右の薬液タンクc,dの、それぞれ後部底面に薬液流出口fが設けられ、この薬液流出口fを、複数に分岐されたホースによりノズルパイプeの連通口に接続して左右の薬液タンクc,dからノズルパイプeに噴霧する薬液が供給できるようにしている。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】
ところで上述の先行技術では、以下に説明するような問題点があった。
まず第1の問題点として、左右の薬液タンクc,dを、乗用車体aの機体左右位置に張り出して分離搭載している形態では、タンクc,dの張り出しによって機体巾が大きくなり、作業時、防霜ファンの支柱がある等の狭い所を通行する際や作業機を不使用時等に納屋に格納する際に、タンクが邪魔になる不都合がある上に、また格納スペースも広く要することから不使用時の格納に不都合を生じることが屡々あった。
【0005】
また第2の問題点として、防除作業を行う茶園管理作業機は、平坦地ばかりでなく傾斜地の茶園でも使用され、また茶園の傾斜方向もまちまちであり、等高線方向の傾斜、縦畝方向の傾斜に対応できる構成が要求される。
この場合、図7に示すように茶園が等高線方向において、例えば10度以上に傾斜していると、低地側に位置する薬液タンクcに向けて、高地側に位置する薬液タンクd内から薬液が流れ込む結果、低地側に位置する薬液タンクcにオーバーフローの現象が発生する懸念がある。
【0006】
また図8に示すように茶園が縦畝方向において傾斜角が10度を越えるような場合には、タンクc,d内の薬液残量が多いにも拘らず、薬液流出口fが、薬液の残留レベルgより上位に位置してノズルパイプeへの薬液の流出が不能になるという問題点もあった。
【0007】
さらに第3の問題点として、噴霧装置を構成するノズルパイプeは、乗用車体aの機体後部に位置して不使用時には機体巾内に収まるように上方位置に折り畳まれ、防除作業時には左右水平方向に張り出して複数列(例えば3条)の茶畝上を移動するように起倒可能に支持されているが、この支持部材となるアーム部材や伸縮動作する油圧シリンダが、乗用車体aの機体後部より大きく突出してこれが格納の際に邪魔になる等の問題点もあった。
【0008】
さらに第4の問題点として、防除作業を行う際、作業者は乗用車体aの操縦席に搭乗して所定の運転操作を行なうが、この作業時に、ノズルパイプeから噴霧される薬液が、風に流されて操縦者や操作部材に降りかかって操縦に支障を生じることがあった。
【0009】
本発明は、上記のような諸問題を解消した防除機能を有する茶園管理作業機を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、以下のA〜Dの構成事項を特徴としている。
A.左右一対のクローラ型走行装置により茶畝を跨いでその両側の畝間を走行する正面視門形の乗用車体フレームに、薬液タンクと、薬液タンクに連通して複数列の茶畝に薬液を散布する起倒式のノズルパイプを備えた薬剤散布装置とを装備してなる乗用型の茶園管理作業機において、
B.上記薬液タンクは、所要の中空高さを有する水平形状のタンクを平面視L字形に形成して進行方向(縦畝方向)に沿うタンク部分と、左右方向(等高線方向)に沿うタンク部分とを一体に連通形成した単一タンクに構成してなり、
C.上記薬液タンクを、乗用車体フレームの門形上面に位置して車体巾よりタンクが突出しないように搭載し、
D.上記薬液タンクには、薬液供給口をタンク上面の適所に形成すると共に、ノズルパイプと連通する薬液流出口を、進行方向に沿うタンク部分と左右方向に沿うタンク部分とのL字形切欠コーナ部近傍に位置して左右方向に沿うタンク部分の側面底部寄りに開口形成し、該薬液流出口が、縦畝方向の傾斜及び等高線方向の傾斜のいずれの傾斜角に対してもタンク内の薬液残量が所定の低レベルになるまでノズルパイプへの薬液の流出が確保できるように構成してなることを特徴としている。
【0011】
上述のA〜Dの構成事項を特徴とする請求項1記載の発明では、薬液タンクが車体巾より突出しない構成となることで、従来の先行技術に比して機体の小形化を図ることができ、作業機を不使用時に納屋等に格納する際に薬液タンクが邪魔になったり、格納スペースを広く要する等の不都合を解消することができる。
【0012】
また、防除作業を行う茶園が、縦畝方向に傾斜している場合、あるいは等高線方向に傾斜している場合、これらの傾斜地において防除作業を行っても、ノズルパイプと連通する薬液流出口の開口位置が上述のような位置に開口していることで、薬液タンク内の薬液残量が、所定の低レベルになるまでノズルパイプに対する薬液の流出が確保され、防除作業が安定して行われるようになる。
【0013】
また、請求項2記載の発明は、前記請求項1記載の発明を前提として、以下のEの構成事項を特徴としている。
E.前記薬液タンクには、タンク内部に位置して所要の巾寸法を有する複数個の波動防止板を、進行方向と直交する方向に沿ってタンク内を横断し且つ複数個が所要の対向間隔をあけて平行するように並列に内装してなることを特徴としている。
【0014】
上述のEの構成事項を特徴とする請求項2記載の発明では、波動防止板の内装によってタンク内での薬剤の移動が抑制される結果、茶園の凹凸地面を走行する際に車体フレームの傾斜に伴う重心位置の移動が防止され、走行の安定性を保つことができるようになる。
【0015】
さらに、請求項3記載の発明は、前記請求項1又は2記載の発明を前提として以下のF,Gの構成事項を特徴としている。
F.前記薬剤散布装置は、乗用車体フレームの後部に位置して中央及び左右の3個のノズルパイプで構成され、中央ノズルパイプは、車体フレームの後部に枢支されたアーム部材と伸縮動作する油圧シリンダとを介して水平姿勢で上下高さ調整可能に支持してあり、また左右ノズルパイプは、中央ノズルパイプを挟んでその上方位置に起倒可能で、防除作業を行わない非作業時は、左右ノズルパイプが起立して中央及び左右の3個のノズルパイプが三角形状をなすように折畳んだ状態とし、また防除作業時は、左右ノズルパイプが倒伏して中央ノズルパイプの左右位置に直線状に張り出すように起倒動作可能に支持してなり、G.且つ上記アーム部材及び油圧シリンダは、ノズルパイプの枢支部に対する連結を着脱可能にし、格納時等にその連結状態を解除するとノズルパイプが乗用車体より離脱でき、離脱状態ではアーム部材及び油圧シリンダが車体フレーム側に折れて車体外部に対する突出状態が縮小するように構成してなることを特徴としている。
【0016】
上述のF,Gの構成事項を特徴とする請求項3記載の発明では、薬剤散布装置を構成するノズルパイプを不使用時には車体フレームから離脱でき、離脱状態ではノズルパイプを支持するリンク部材及び油圧シリンダが車体フレームの外方向に大きく突出しないから、作業機の格納スペースを縮小できる。
【0017】
さらに請求項4記載の発明は、前記請求項1又は2又は3記載の発明を前提として、以下のHの構成事項を特徴としている。
H.前記乗用車体の門形フレーム上面には、操縦席及び操縦席の前方に配備される操縦部の上方空間を覆うキャビンを設け、該キャビンの内部に、防除作業の際に操作される操作レバー類、制御コック類を配置してなることを特徴としている。
【0018】
上述のHの構成事項を特徴とする請求項4記載の発明では、ノズルパイプから散布される薬剤が、風に流されても、薬剤が操縦者や操作部材、操作レバー類に降りかかる不都合が解消できる。
【0019】
【実施例】
以下、図面に示す実施例を参照して本発明の詳細を具体的に説明する。
図1は防除装置を装備した茶園管理作業機の側面図であり、図2は同作業機の後面図である。
図1、図2において、1は乗用車体の車体フレームであり、この車体フレーム1は、茶畝を跨ぐように進行方向正面からみて門形に構成された腰高の前後一対のフレーム部材で構成されており、車体フレーム1の左右両支脚1a,1bにはそれぞれ下端に畝間を走行するクローラ型の走行装置3が設けられている。
【0020】
上記走行装置3は、後端に配設された駆動輪31と、先端に配設された従動輪32との間にゴムクローラ33を巻装してなるもので、駆動輪31と従動輪32との間には補強フレーム34が連結され、この補強フレーム34には複数の転輪35が枢支されている。
本実施例では駆動輪31が、油圧モータ36によって駆動されるようになっており、油圧モータ36に対する制御回路には、図示していないが車体フレーム1に搭載されたエンジン2を駆動源とするオイルポンプ21からのオイルを、左右の駆動輪31の各油圧モータ36に対して給排制御する方向切り換え弁(図示省略)および油圧モータ36の正転、逆転および停止を制御のための回転用方向切り換え弁(図示省略)が主要部として備えられている。
なお走行装置としては、上述したゴムクローラを用いた構成に代えてタイヤやキャタピラなどを用いた構成とすることも可能である。
【0021】
上述の車体フレーム1の門形を形成するフレーム上面には、車体巾から突出しないように薬液タンク5が搭載されている。
この薬液タンク5は、図3(A)(B)(C)に示すように所要の中空高さh及びHを有する水平形状のタンクを、平面視L字形に形成して進行方向X(縦畝方向)に沿うタンク部分5aと、左右方向Y(等高線方向)に沿うタンク部分5bとを一体に連通形成した単一タンクに構成してなるものである。
【0022】
そして上記薬液タンク5には、進行方向Xに沿うタンク部分5aと、左右方向Yに沿うタンク部分5bとのL形コーナ部のタンク上面に薬液供給口51を形成しており、またタンク内に収容した薬剤の流出口52として、進行方向Xに沿うタンク部分5aと、左右方向Yに沿うタンク部分5bとのL形切欠部のコーナに位置して左右方向に沿うタンク部分5bの側面底部寄りに薬剤流出口52を開口形成している。
【0023】
上述の薬液流出口52は、これに接続されるホース(図示省略)を介して後述の薬剤散布装置6を構成する3個のノズルパイプ61,62,63に連通されるものであり、薬液流出口52の開口位置を上述のような位置に開口設定している場合には、図4(A)(B)に示す縦畝方向(進行方向X)の傾斜に対して傾斜角が10度の勾配でも、タンク内の薬液残量が、レベルLの低位置になるまでノズルパイプ61〜63への薬液の流出が確保できるようになる。
また図5(A)(B)に示す等高線方向(左右方向Y)の傾斜に対しても傾斜角が10度の勾配の場合、タンク内の薬液残量が、レベルLの低位置になるまでノズルパイプ61〜63への薬液の流出が確保できるようになる。
【0024】
また上述の薬液タンク5には、傾斜地を走行する際にタンク内に収容した薬液の移動を抑制する意図でタンク内に所要の巾寸法Sを有する波動防止板53を設けている。
この波動防止板53は、進行方向Xと直交する方向に沿ってタンク内を横断するように設けてあり、また複数個が所要の対向間隔をあけて互いに平行するように並列に内装されている。
【0025】
前記薬剤散布装置6は、乗用車体のフレーム1の後部に位置して中央のノズルパイプ61と、左右のノズルパイプ62,63の3個が、それぞれのノズルパイプに平行して設けた支持棒61a,62a,63aを介して以下のように取付けられている。
中央ノズルパイプ61は、その支持棒61aを、車体フレーム1の後部位置において複数のアーム部材64,65により水平状に支持しており、車体フレーム1が跨いで走行する茶畝Zの上方を中央ノズルパイプ61が水平移動するようにしている。
また中央ノズルパイプ61は、その支持棒61aと、車体フレーム1との間に噴管上下用油圧シリンダ67が架設されていて、油圧シリンダ67の伸縮動作により中央ノズルパイプ61が上下動し、茶畝上面に対する薬剤の散布高さを調整できるようにしている。
【0026】
また左右ノズルパイプ62,63は、それぞれの支持棒62a,63aの一端に備えたアーム部材(図示省略)と、噴管起倒用の油圧シリンダ68,69とを介して中央ノズルパイプ61の上に起倒可能に支持しているもので、防除作業を行わない非作業時は、左右ノズルパイプ62,63が上方に起立して3個のノズルパイプ61〜63が、図2に示すように三角形状をなすように車体巾内に折り畳まれ、また、防除作業時は、左右のノズルパイプ62,63が水平状態に倒伏して中央ノズルパイプ61の左右位置に直線状に張り出し、3個のノズルパイプ61,62,63が3列の茶畝上に対応して進行するようにしている。
【0027】
上述の中央ノズルパイプ61を支持するアーム部材64,65及び噴管上下用油圧シリンダ67は、図1、図6に示すようにそれぞれ一端が車体フレーム1の後部に枢支され、他端が中央ノズルパイプの支持棒61aに連結されている。
このような連結状態の場合、アーム部材64,65及び噴管上下用油圧シリンダ67が、図1に示すように車体フレーム1の後部より大きく突出した支持形態となり、乗用車体を不使用時に納屋等に格納する際に格納スペースを広く要する結果となる。
本発明においては、上記の不便を解消する意図で、中央ノズルパイプの支持棒61aと、これに接続するアーム部材64,65の他端及び噴管上下用油圧シリンダ67の他端を、脱着可能な接続手段とし、格納時等に連結状態を解除することで薬剤散布装置6を構成するノズルパイプ61,62,63を車体フレーム1から離脱でき、この離脱状態では、図6に示すようにアーム部材64,65及び噴管上下用油圧シリンダ67が車体フレーム1の後部面に近接して上述の突出形態が縮小するように構成している。
【0028】
前記車体フレーム1の門形上面には、前記薬液タンク5の搭載面と重合しない空白スペースを利用して、図1、図2に示すように燃料タンク22と、運転者が搭乗する操縦席23と、この操縦席23の前方に配設される操縦部24とが配設されており、車体フレーム1の門形下面には油圧タンク25が配置されている。
また、上記操縦席23の周辺には、薬剤散布装置6の操作部として、左ノズルパイプ62を起倒操作する油圧シリンダ68の操作レバー42、噴管上下用油圧シリンダ67の操作レバー43、右ノズルパイプ63を起倒操作する油圧シリンダ69の操作レバー44等が設けてある他、さらに薬液タンク5の薬液流出制御用として、薬液流出口52の開閉主コック45、左ノズルパイプ62に至る系路に設けた開閉操作コック46、中央ノズルパイプ61に至る系路に設けた開閉操作コック47、右ノズルパイプ63に至る系路に設けた開閉操作コック48等が設けてある。
【0029】
また車体フレーム1の門形上面には、上記操縦席23及び操縦部24の上方空間を覆うキャビン7を設けてあり、このキャビン7の内部に、前記した薬剤散布装置6の操作部であるレバー類42〜44及び薬液流出操作コック類45〜48を配置した構成としている。
【0030】
本実施例は、以上のような構成であるから、防除作業時は、3個のノズルパイプ61,62,63を直線状に張り出して3列の茶畝Zに対する薬剤散布作業を実施する。
この作業時に、防除作業を行う茶園においては、図4(A)(B)に示す縦畝方向(進行方向X)に傾斜している場合、あるいは図5(A)(B)に示す等高線方向(左右方向Y)に傾斜している場合があり、これらの傾斜地において傾斜角が10度の勾配であっても、ノズルパイプ61,62,63と連通する薬液流出口52の開口位置が、進行方向に沿うタンク部分5aと左右方向に沿うタンク部分5bとのL形切欠コーナ部近傍に位置して左右方向に沿うタンク部分5bの側面底部寄りに開口形成していることで、薬液タンク5内の薬液残量が、レベルLの低位置になるまでノズルパイプ61,62,63に対する薬液の流出が確保され、防除作業が安定して行われるようになる。
【0031】
また薬液タンク5は、これが車体フレーム1の機体巾より突出しない搭載形態であるから、従来の先行技術に比して機体の小形化を図ることができ、作業時に防霜ファンの支柱がある狭い所を通行する際や、不使用時に納屋等に格納する際に、薬液タンク5が邪魔になる等の不都合も解消でき、格納スペースも縮小することができる。
【0032】
また薬液タンク5には、そのタンク5内部に位置して所要の巾寸法Sを有する波動防止板53を設けている場合、この波動防止板53によってタンク5内での薬剤の移動が抑制される結果、茶園の凹凸地面を走行する際等に車体フレームの傾斜に伴う重心位置の移動が防止され、走行の安定性を保つことができるようになる。
【0033】
さらに、薬剤散布作業を実施する際、ノズルパイプ61〜63から散布される薬剤が風に流されて周辺に飛散するが、作業者が搭乗する乗用車体の操縦席及び操縦席の前方に配備される操縦部の上方空間にはキャビン7が設けてあり、このキャビン7の内部に、防除作業の際に操作される操作レバー類52〜44、及び薬液流出制御用の操作コック類45〜48を配置してなるから、飛散した薬剤が操縦者や操作部材である操作レバー類52〜44や、操作コック類45〜48に降りかかる不都合が防止され、運転操作性の向上及び作業環境が改善される。
【0034】
【発明の効果】
以上に説明したように請求項1記載の発明によれば、薬液タンクが車体巾より突出しない構成となることで、従来の先行技術に比して機体の小形化を図ることができ、作業機を不使用時に納屋等に格納する際に薬液タンクが邪魔になったり格納スペースを広く要する等の不都合を解消することができる。
【0035】
また、請求項1記載の発明では、防除作業を行う茶園が、縦畝方向に傾斜している場合、あるいは等高線方向に傾斜している場合の、いずれの傾斜地であっても、ノズルパイプと連通する薬液流出口の開口位置が、進行方向に沿うタンク部分と左右方向に沿うタンク部分とのL形切欠コーナ部近傍に位置して左右方向に沿うタンク部分の側面底部寄りに開口形成していることで、薬液タンク内の薬液残量が、所定の低レベルになるまでノズルパイプに対する薬液の流出が確保されることで防除作業を安定して行うことができる効果が得られる。
【0036】
また請求項2記載の発明によると、薬液タンクには、タンク内部に位置して所要の巾寸法を有する波動防止板が内装され、この波動防止板の内装によってタンク内での薬剤の移動が抑制される結果、茶園の凹凸地面を走行する際等に車体フレームの傾斜に伴う重心位置の移動が防止され、走行の安定性を保つことができるようになる。
【0037】
さらに請求項3記載の発明によると、薬剤散布装置を構成するノズルパイプを不使用時には車体フレームから離脱でき、離脱状態ではノズルパイプを支持するアーム部材及び伸縮油圧シリンダが車体フレームの外方向に大きく突出しないから作業機の格納スペースを縮小できる効果が得られる。
【0038】
さらに請求項4記載の発明によると、乗用車体の門形フレーム上面には操縦席の上方空間を覆うキャビンを設けており、このキャビンの内部に、防除作業の際に操作される操作レバー類や制御コック類を配置してなるから、防除作業時に薬剤が風に流されて飛散しても、飛散した薬剤が操縦者や操作部材である操作レバー類及び操作コック類に降りかかる不都合が防止され、運転操作性の向上及び作業環境の改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 防除装置を装備した本発明に係る乗用型茶園管理作業機の側面図。
【図2】 同上茶園管理作業機を後方から見た後面図。
【図3】 (A)は薬液タンクの平面図、(B)はその平面図のB−B線に沿う断面図、(C)は上記平面図のC−C線に沿う断面図。
【図4】 (A)(B)は薬液タンクの作用説明図。
【図5】 (A)(B)は薬液タンクの作用説明図。
【図6】 図1に示した乗用型茶園管理作業機において、ノズルパイプからなる薬剤散布装置を離脱した状態の側面図。
【図7】 従来例の説明図。
【図8】 従来例の説明図。
【符号の説明】
1 乗用車体の車体フレーム
1a,1b 支脚
2 エンジン
21 オイルポンプ
22 燃料タンク
23 操縦席
24 操縦部
25 油圧タンク
3 走行装置
31 駆動輪
32 従動輪
33 ゴムクローラ
34 補強フレーム
35 転輪35
36 油圧モータ
42 左ノズルパイプ起倒用油圧シリンダ68の操作レバー
43 噴管上下用油圧シリンダ67の操作レバー
44 右ノズルパイプ起倒用油圧シリンダ69の操作レバー
45 薬液流出口52の開閉用主コック
46 左ノズルパイプの開閉用操作コック
47 中央ノズルパイプの開閉用操作コック
48 右ノズルパイプの開閉用操作コック
5 薬液タンク
5a 進行方向X(縦畝方向)に沿うタンク部分
5b 左右方向Y(等高線方向)に沿うタンク部分
51 薬液供給口
52 薬剤流出口
53 波動防止板
6 薬剤散布装置
61,62,63 ノズルパイプ
61a,62,63a 支持棒
64,65 アーム部材
67 噴管上下用油圧シリンダ
68,69 噴管起倒用油圧シリンダ
7 キャビン
Z 茶畝
h,H 薬液タンクの中空高さ
X 進行方向(縦畝方向)
Y 左右方向(等高線方向)
S 波動防止板の巾寸法
L 薬液残量レベル
Claims (4)
- 左右一対のクローラ型走行装置により茶畝を跨いでその両側の畝間を走行する正面視門形の乗用車体フレームに、薬液タンクと、薬液タンクに連通して複数列の茶畝に薬液を散布する起倒式のノズルパイプを備えた薬剤散布装置とを装備してなる乗用型の茶園管理作業機において、
上記薬液タンクは、所要の中空高さを有する水平形状のタンクを平面視L字形に形成して進行方向(縦畝方向)に沿うタンク部分と、左右方向(等高線方向)に沿うタンク部分とを一体に連通形成した単一タンクに形成してなり、
上記薬液タンクを、乗用車体フレームの門形上面に位置して車体巾よりタンクが突出しないように搭載し、
上記薬液タンクには、薬液供給口をタンク上面の適所に形成すると共に、ノズルパイプと連通する薬液流出口を、進行方向に沿うタンク部分と左右方向に沿うタンク部分とのL字形切欠コーナ部近傍に位置して左右方向に沿うタンク部分の側面底部寄りに開口形成し、該薬液流出口が、縦畝方向の傾斜及び等高線方向の傾斜のいずれの傾斜角に対してもタンク内の薬液残量が所定の低レベルになるまでノズルパイプへの薬液の流出が確保できるように構成してなることを特徴とする乗用型の茶園管理作業機。 - 請求項1記載の乗用型の茶園管理作業機において、
前記薬液タンクには、タンクの内部に位置して所要の巾寸法を有する複数個の波動防止板を、進行方向と直交する方向に沿ってタンク内を横断し且つ複数個が所要の対向間隔をあけて平行するように並列に内装してなることを特徴とする乗用型の茶園管理作業機。 - 請求項1又は2記載の乗用型の茶園管理作業機において、
前記薬剤散布装置は、乗用車体フレームの後部に位置して中央及び左右の3個のノズルパイプで構成され、中央ノズルパイプは、車体フレームの後部に枢支されたアーム部材と伸縮動作する油圧シリンダとを介して水平姿勢で上下高さ調整可能に支持してあり、また左右ノズルパイプは、中央ノズルパイプを挟んでその上方位置に起倒可能で、防除作業を行わない非作業時は、左右ノズルパイプが起立して中央及び左右の3個のノズルパイプが三角形状をなすように折畳んだ状態とし、また防除作業時は、左右ノズルパイプが倒伏して中央ノズルパイプの左右位置に直線状に張り出すように起倒動作可能に支持してなり、
且つ上記アーム部材及び油圧シリンダは、ノズルパイプの枢支部に対する連結を着脱可能にし、格納時等にその連結状態を解除するとノズルパイプが乗用車体より離脱でき、離脱状態ではアーム部材及び油圧シリンダが車体フレーム側に折れて車体外部に対する突出状態が縮小するように構成してなることを特徴とする乗用型の茶園管理作業機。 - 請求項1又は2又は3記載の乗用型茶園管理作業機において前記乗用車体の門形フレーム上面には、操縦席及び操縦席の前方に配備される操縦部の上方空間を覆うキャビンを設け、該キャビンの内部に、防除作業の際に操作される操作レバー類、制御コック類を配置してなることを特徴とする乗用型の茶園管理作業機。
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