JP3848034B2 - 音声メール装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばPBXやボタン電話装置等に設けられ、音声メールサービスを提供する音声メール装置に関し、更に詳しくは、複数の通信回線と複数の端末との間の通信を処理するとともに、通信回線からの着信呼に対して音声メールサービスを提供する音声メール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来の音声メール装置は、図3に示すように、着信呼を受け付け、該当する端末に着信呼を接続するように制御したり、音声メールの記録制御を含む全体の動作を制御する呼制御部21、音声メールを記録する音声メール記録部27、呼制御部21からの制御により音声メール記録部27に対する音声メールの記録を制御する音声メール制御部25、着信呼に対して音声メールの記録を開始させるに当たり音声ガイダンスを着信呼に送出する音声応答部29、通信回線などの各リソースに対して音声メール機能登録状態を設定している音声メール機能動作登録テーブル23を有する。
【0003】
このように構成される従来の音声メール装置においては、次の表1に示すように各リソースIDに対する音声メール機能登録状態を音声メール機能動作登録テーブル23に設定している。なお、リソースとは、電話回線やダイヤルインなどの仮想電話回線を含む通信回線、端末等であって、呼が着信先として指定することができる対象を示すものである。
【0004】
【表1】
この表1で示す音声メール機能動作登録テーブル23には、各リソースIDに対応して音声メール機能登録状態が「オン」または「オフ」として設定されている。すなわち、表1では、例えばリソースID001のリソースに対しては音声メール機能登録状態が「オン」に設定され、リソースID002のリソースに対しては音声メール機能登録状態が「オフ」に設定されている。そして、音声メール機能登録状態として「オン」が設定されているリソース、具体的には例えば通信回線に着信呼が到来すると、この着信呼に対して音声応答部29から音声ガイダンスを送出してから、音声メール記録部27内の前記リソースに対応する音声メール記録エリアに着信呼からの音声メールを記録するように呼制御部21により音声メール制御部25を介して制御し、また音声メール機能登録状態として「オフ」が設定されているリソース、例えば通信回線に着信呼が到来すると、この着信呼はその通信回線を割り当てられた端末に直接着信、すなわち接続されるように呼制御部21によって制御される。
【0005】
上述したように、音声メール装置では、通信回線などの各リソース毎に音声メール機能を実施するか否かを音声メール機能動作登録テーブル23において設定しているが、このような各リソースに対する音声メール機能の設定を変更するには、従来電話端末から予め決められた音声メール機能登録用特番、すなわち音声メール機能の「オン」または「オフ」を指定するための特殊番号と、対象とするリソースを指定するためのリソースIDをダイヤル入力することが必要となっている。
【0006】
そして、呼制御部21は、電話端末からダイヤル入力される音声メール機能登録用特番を検出すると、音声メール機能動作登録テーブル23にアクセスし、該特番によって指定される内容に基づいて該当するリソースの登録内容を変更するようになっている。
【0007】
また、呼が呼制御部21に着信した場合には、呼制御部21は音声メール機能動作登録テーブル23を参照して、着信番号に対応する通信回線、すなわちリソースに対する音声メール機能登録状態を読み込み、この登録状態が「オフ」の場合には、該通信回線を割り当てられた端末に呼を着信させるようになっている。
【0008】
更に、音声メール機能動作登録テーブル23に設定された音声メール機能登録状態が「オン」である場合には、呼制御部21は、呼を音声応答部29に着信させ、発信者に対して音声ガイダンスを送出し、音声ガイダンスの送出が完了すると、呼制御部21は呼を音声メール制御部25を介して音声メール記録部27に接続し、音声メール記録部27において各リソース毎に設けられている音声メール記録エリアに発信者の音声メールを記録する。
【0009】
そして、このように音声メール記録部27に記録された音声メールを読み出すためには、ユーザは音声メール再生特番、すなわち音声メールの再生を指示するための特殊番号と対象とするリソースを指定するためのリソースIDをダイヤル入力する。
【0010】
呼制御部21は、このようにダイヤル入力される音声メール再生特番を検出すると、音声メール制御部25を介して音声メール記録部27にアクセスし、リソースIDによって指定された音声メール記録エリアの記録内容を読み出して再生するようになっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、ユーザが音声メール装置を操作する場合、音声メール機能登録特番や音声メール再生特番などのサービス特番とリソースIDをダイヤル入力する必要があり、操作が煩雑であるという問題がある。
【0012】
このような問題を解決して、操作を簡単化するために、ワンタッチダイヤル、すなわち予め設定されたダイヤル番号を生成する機能ボタンを用いることも考えられるが、音声メールサービスを対象とするリソースがN個あり、またサービス特番がM個ある場合には、N×M個のワンタッチダイヤルが必要となり、非常に非経済的であるとともに、このN×M個のワンタッチダイヤルの多くのボタンを設置するのに大きな場所が占有されてしまうという問題がある。
【0013】
また、複数のリソースに対して音声メールを区別して利用するユーザに対して、各リソースに対応する音声メールの状態、例えば着信あり、留守設定中などの状態を可視的に表示することができないという問題がある。
【0014】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、少ない操作ボタンを用いながらも音声メールの操作を簡略化して使い勝手を向上するとともに、音声メールサービスの状態を可視的に認識し得る音声メール装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、複数の通信回線と複数の機能ボタンを有する複数の端末との間の通信を処理するとともに、通信回線からの着信呼に対して音声メールサービスを提供する音声メール装置であって、前記複数の端末の各々に設けられた前記複数の機能ボタンの各々に対して、通信回線を含むリソースまたは音声メールサービスを含むサービス機能を設定する機能ボタン設定テーブルと、前記複数の端末の各々に設けられた前記複数の機能ボタンの各々毎に、音声メールを実施するか否かを設定した音声メール機能動作登録テーブルと、前記機能ボタン設定テーブルおよび音声メール機能動作登録テーブルに設定された情報に基づいて各リソースに対する呼処理、音声メールサービスを含む処理を実施するように制御する制御手段とを有することを要旨とする。
【0016】
請求項1記載の本発明にあっては、各端末に設けられた複数の機能ボタンの各々に対して、通信回線を含むリソースまたは音声メールサービスを含むサービス機能を機能ボタン設定テーブルに設定しておくとともに、各端末に設けられた複数の機能ボタンの各々毎に、音声メールを実施するか否かを音声メール機能動作登録テーブルに設定しておき、この機能ボタン設定テーブルおよび音声メール機能動作登録テーブルに設定された情報に基づいて各リソースに対する呼処理、音声メールサービスを含む処理を実施している。
【0017】
また、請求項2記載の本発明は、複数の通信回線と複数の機能ボタンを有する複数の端末との間の通信を処理するとともに、通信回線からの着信呼に対して音声メールサービスを提供する音声メール装置であって、前記複数の端末の各々に設けられた前記複数の機能ボタンの各々に対して、通信回線、音声メール記録エリアを含むリソースのいずれを各リソースの識別情報とともに割り当てるかまたは音声メールを設定する音声メール設定機能、音声メールを消去する音声メール消去機能を含むサービス機能のいずれを割り当てるかを設定した機能ボタン設定テーブルと、前記複数の端末の各々に設けられた前記複数の機能ボタンの各々毎に、音声メールを実施するか否かについての情報を設定した音声メール機能動作登録テーブルと、通信回線に着信呼があった場合、該着信呼のあった通信回線が設定されている機能ボタンを前記機能ボタン設定テーブルから検索し、この検索した機能ボタンに対する音声メール実施に関する情報を前記音声メール機能動作登録テーブルから読み出し、該音声メール実施に関する情報に基づいて着信呼のあった通信回線に対して音声メールの録音を実施するか否かを判定する音声メール判定手段とを有することを要旨とする。
【0018】
請求項2記載の本発明にあっては、各端末に設けられた複数の機能ボタンの各々に対して、通信回線、音声メール記録エリアを含むリソースのいずれを各リソースの識別情報とともに割り当てるかまたは音声メールを設定する音声メール設定機能、音声メールを消去する音声メール消去機能を含むサービス機能のいずれを割り当てるかを機能ボタン設定テーブルに設定しておくとともに、各端末に設けられた複数の機能ボタンの各々毎に、音声メールを実施するか否かについての情報を音声メール機能動作登録テーブルに設定しておき、通信回線に着信呼があった場合、該着信呼のあった通信回線が設定されている機能ボタンを機能ボタン設定テーブルから検索し、この検索した機能ボタンに対する音声メール実施に関する情報を音声メール機能動作登録テーブルから読み出し、該音声メール実施に関する情報に基づいて着信呼のあった通信回線に対して音声メールの録音を実施するか否かを判定している。
【0019】
更に、請求項3記載の本発明は、請求項2記載の発明において、各通信回線に対応して設けられている複数の音声メール記録エリアを持ち、該音声メール記録エリアのそれぞれに対して該当する通信回線からの音声メールを記録し得る音声メール記録手段と、前記音声メール判定手段による判定の結果、着信呼に対して音声メールの記録を実施する場合、着信呼のあった通信回線に対する音声メール記録エリアの識別情報を前記機能ボタン設定テーブルから検索し、この検索した識別情報の音声メール記録エリアに着信呼からの音声メールを記録するように制御する音声メール記録制御手段とを有することを要旨とする。
【0020】
請求項3記載の本発明にあっては、着信呼に対して音声メールの記録を実施する場合、着信呼のあった通信回線に対する音声メール記録エリアの識別情報を機能ボタン設定テーブルから検索し、この検索した識別情報の音声メール記録エリアに着信呼からの音声メールを記録している。
【0021】
請求項4記載の本発明にあっては、請求項3記載の発明において、前記複数の機能ボタンの各々に対応して設けられ、各機能ボタンに割り当てられたリソースまたはサービス機能の状態を表示する表示手段と、前記着信呼のあった通信回線に対する音声メール記録エリアに音声メールが記録された場合、該音声メール記録エリアに対応する機能ボタンを前記音声メール機能動作登録テーブルから読み出し、該機能ボタンの表示手段を作動させて、前記通信回線に音声メールが着信していることを可視的に表示するように制御する表示制御手段とを有することを要旨とする。
【0022】
請求項4記載の本発明にあっては、着信呼のあった通信回線に対する音声メール記録エリアに音声メールが記録された場合、該音声メール記録エリアに対応する機能ボタンを音声メール機能動作登録テーブルから読み出し、該機能ボタンの表示手段を作動させて、音声メールが着信していることを可視的に表示する。
【0023】
また、請求項5記載の本発明は、請求項4記載の発明において、前記表示手段が作動して音声メールの着信を可視的に表示している機能ボタンが操作された場合、該機能ボタンに対するリソース識別情報として設定されている音声メール記録エリアの識別情報を前記音声メール機能動作登録テーブルから読み出し、該音声メール記録エリアから前記音声メールを読み出して出力するように制御する音声メール出力手段を有することを要旨とする。
【0024】
請求項5記載の本発明にあっては、音声メールの着信を可視的に表示している機能ボタンが操作された場合、該機能ボタンに対するリソース識別情報として設定されている音声メール記録エリアの識別情報を音声メール機能動作登録テーブルから読み出し、該音声メール記録エリアから音声メールを読み出して出力する。
【0025】
更に、請求項6記載の本発明は、請求項3記載の発明において、着信呼に対して音声ガイダンスを送出する音声ガイダンス送出手段と、着信呼に対する音声メールの記録を実施する場合、該実施の前に前記音声ガイダンス送出手段から音声ガイダンスを該当する通信回線に送出するように制御する音声ガイダンス送出制御手段とを有することを要旨とする。
【0026】
請求項6記載の本発明にあっては、着信呼に対する音声メールの記録を実施する前に音声ガイダンス送出手段から音声ガイダンスを該当する通信回線に送出する。
【0027】
請求項7記載の本発明は、請求項2記載の発明において、端末においてサービス機能を設定された機能ボタンを操作してから、リソースを設定された機能ボタンを操作することにより、該リソースに対して前記サービス機能を実施するように制御するサービス実施制御手段を有することを要旨とする。
【0028】
請求項7記載の本発明にあっては、端末においてサービス機能を設定された機能ボタンを操作してから、リソースを設定された機能ボタンを操作することにより、該リソースに対してサービス機能を実施する。
【0029】
また、請求項8記載の本発明は、請求項2記載の発明において、端末において音声メール設定機能を設定された機能ボタンを操作してから、通信回線を設定された機能ボタンを操作することにより、該通信回線を設定された機能ボタンに対する前記音声メール機能動作登録テーブルにおける音声メール実施についての情報を音声メール実施状態に設定するように制御する音声メール設定制御手段を有することを要旨とする。
【0030】
請求項8記載の本発明にあっては、端末において音声メール設定機能を設定された機能ボタンを操作してから、通信回線を設定された機能ボタンを操作することにより、該通信回線を設定された機能ボタンに対する音声メール機能動作登録テーブルにおける音声メール実施についての情報を音声メール実施状態に設定する。
【0031】
更に、請求項9記載の本発明は、請求項2記載の発明において、端末において音声メール消去機能を設定された機能ボタンを操作してから、音声メール記録エリアをリソースとして設定された機能ボタンを操作することにより、該音声メール記録エリアに記録されている音声メールを消去するように制御する音声メール消去制御手段を有することを要旨とする。
【0032】
請求項9記載の本発明にあっては、端末において音声メール消去機能を設定された機能ボタンを操作してから、音声メール記録エリアをリソースとして設定された機能ボタンを操作することにより、該音声メール記録エリアに記録されている音声メールを消去する。
【0033】
請求項3記載の本発明は、請求項8記載の発明において、前記複数の機能ボタンの各々に対応して設けられ、各機能ボタンに割り当てられているリソースまたはサービス機能の状態を表示する表示手段と、
前記端末において音声メール設定機能を設定された機能ボタンを操作してから、通信回線を設定された機能ボタンを操作し、これにより該通信回線を設定された機能ボタンに対する前記音声メール機能動作登録テーブルにおける音声メール実施についての情報を音声メール実施状態に設定した場合、前記端末において通信回線を設定された機能ボタンおよび音声メール設定機能を設定された機能ボタンのそれぞれの表示手段を表示して音声メール機能が設定されていることを表示するように制御する表示制御手段とを有することを要旨とする。
【0034】
請求項10記載の本発明にあっては、端末において音声メール設定機能を設定された機能ボタンを操作してから、通信回線を設定された機能ボタンを操作し、これにより該通信回線を設定された機能ボタンに対する音声メール機能動作登録テーブルにおける音声メール実施についての情報を音声メール実施状態に設定した場合、端末において通信回線を設定された機能ボタンおよび音声メール設定機能を設定された機能ボタンのそれぞれの表示手段を表示して音声メール機能が設定されていることを表示している。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る音声メール装置の構成を示すブロック図である。同図に示す音声メール装置は、着信呼に対する接続制御、音声メールの記録制御を含む全体の動作を制御する呼制御部1、機能ボタン設定テーブル3、音声メール機能動作登録テーブル5、音声メールを記録する音声メール記録部9、呼制御部1からの制御により音声メール記録部9に対する音声メールの記録、音声メールの読み出し再生などを制御する音声メール制御部7、および着信呼に対して音声メールの記録を開始させるに当たり音声ガイダンスを着信呼に送出する音声応答部11から構成されている。
【0036】
また、図1に示す音声メール装置は、複数の通信回線と複数の端末との間の通信を処理するとともに、通信回線からの着信呼に対して音声メールサービスを提供する装置であるが、複数の端末の各々は、図2に示すように、複数の表示器つき機能ボタン31〜36、複数の表示器なし機能ボタン41〜46、ダイヤルボタン51などを有する。
【0037】
表示器つき機能ボタン31〜36(以下、説明の簡単化のため機能ボタンとも略称する)の各々は、通信回線を含むリソースまたは音声メールサービスを含むサービス機能のいずれかを割り当てられるようになっている。表示器なし機能ボタン41〜46は、例えばワンタッチダイヤルボタンなどのボタンを構成するものであり、またダイヤルボタン51は電話番号や各種特番をダイヤルするためのものである。なお、図2では、機能ボタン31〜36として6個の機能ボタンのみが図示されているが、機能ボタンの数はこれに限定されるものではない。
【0038】
図1に示した音声メール装置に設けられている機能ボタン設定テーブル3は、次の表2に示すように、各端末の複数の表示器つき機能ボタン31〜36の各々に対して割り当てられるリソースまたはサービス機能を設定している。
【0039】
【表2】
この表2に示す機能ボタン設定テーブル3では、各機能ボタンに対してリソースが割り当てられているのかまたはサービス機能が割り当てられているのかを識別するための区分情報、割り当てられるリソースまたはサービス機能の種別、リソースの識別情報であるリソースIDが各端末の各機能ボタン31〜36毎に設定されている。
【0040】
具体的には、端末10の機能ボタン番号1,2でそれぞれ示す機能ボタンに対しては、区分がリソースとされて、種別として通信回線なるリソースが割り当てられ、この通信回線の識別情報であるリソースIDとして「TR1」「TR2」がそれぞれ設定されている。また、端末10の機能ボタン3,4でそれぞれ示す機能ボタンに対しては、区分がリソースとされて、種別として音声メールボックスなるリソースが割り当てられ、この種別情報であるリソースIDとして「BOX(TR1)」「BOX(TR2)」がそれぞれ設定されている。
【0041】
音声メールボックスは、各リソースに対応して割り当てられた音声メール記録部9の音声メール記録エリアを示すものであり、このような音声メール記録エリアも本実施形態では通信回線や端末と同様にリソースとして扱っているものである。図1に示すように、音声メール記録部9には、各リソースに対応して割り当てられた音声メール記録エリアが「BOX(TR1)」「BOX(TR2)」「BOX(TR3)」などのように図示されているが、例えばBOX(TR1)で示す音声メール記録エリアは、リソースID「TR1」で示される通信回線に対して設けられているものであり、この音声メール記録エリアには通信回線TR1に着信した呼の音声メールが記録されるようになっている。
【0042】
更に、端末10の機能ボタン番号5で示す機能ボタンに対しては、区分がサービスとされ、種別として留守設定なるサービスが割り当てられている。これは、該機能ボタンを操作すると、留守設定なるサービス、すなわち音声メールサービスが指定されることを意味している。具体的には、この留守設定を割り当てられた機能ボタンを操作してから、例えばリソースIDがTR1の通信回線が割り当てられている機能ボタンを操作すると、リソースIDがTR1の通信回線は留守番電話状態、すなわち音声メールサービス状態に設定され、該通信回線に対する着信呼には留守電話サービス、すなわち音声メールサービスが提供されるようになっているものである。
【0043】
また、端末10の機能ボタン番号6で示す機能ボタンに対しては、区分がサービスとされ、種別として音声メール消去なるサービスが割り当てられている。これは、この機能ボタンを操作すると、音声メールサービスが消去されることを意味している。具体的には、その音声メール消去なるサービスを割り当てられた機能ボタンを操作してから、リソースとして音声メールボックスを割り当てられた機能ボタンを操作すると、該音声メールボックスで示す音声メール記録エリアに記録された音声メールが消去されるものである。
【0044】
図1に示した音声メール装置に設けられている音声メール機能動作登録テーブル5は、次の表3に示すように、各端末の複数の表示器つき機能ボタン31〜36の各々毎に、音声メールを実施する(オン)か否(オフ)かについてのオン/オフ情報を設定しているものである。
【0045】
【表3】
この表3に示す音声メール機能動作登録テーブル5において、機能ボタンに対して「オン」が設定されている場合には、該機能ボタンに対して機能ボタン設定テーブル3で割り当てられているリソース、例えば通信回線に対して音声メールサービスを実施するものである。すなわち、この通信回線に着信があった場合には、該着信呼に対して音声応答部11から音声ガイダンスを送出し、それから該着信呼の発信者の音声メールを音声メール記録部9の記録エリアに記録するという音声メールサービスを実施する。
【0046】
また、「オフ」が設定されている場合には、その機能ボタンに対して機能ボタン設定テーブル3で割り当てられているリソース、例えば通信回線に対する音声メールサービスを実施しないものである。すなわち、この通信回線に着信があっても、該着信呼に対して音声メールサービスを行わず、該通信回線を割り当てられた端末に対して直接着信するものである。
【0047】
呼制御部1は、呼が着信した場合に、機能ボタン設定テーブル3と音声メール機能動作登録テーブル5を参照することにより、着信呼が関係する機能ボタンの設定内容を検索し、この検索結果に基づいて着信呼を処理する。また、呼制御部1は、サービス機能が割り当てられた端末の機能ボタンが押下された場合に、機能ボタン設定テーブル3を参照することにより、押下された端末の機能ボタンの設定内容を検索し、この検索結果に基づいて音声メールに関する設定および操作を制御するようになっている。
【0048】
次に、以上のように構成される本実施形態の音声メール装置の作用について説明する。
【0049】
まず、音声メール機能動作登録テーブル5の更新に関わる作用について説明する。
【0050】
例えば、端末10において機能ボタン番号2の機能ボタンに対応するリソースである回線(TR2)への着信呼を音声メールサービスに着信させるように音声メール機能動作登録テーブル5を更新したい場合には、ユーザは機能ボタン設定テーブル3において種別が留守設定サービスに設定されている機能ボタン番号5の機能ボタンをまず押下し、それから続けて対象とする回線リソースを指定するために機能ボタン設定テーブル3においてリソースIDがTR2である回線に対応する機能ボタン番号2の機能ボタンを押下する。
【0051】
呼制御部1は、この押下された各機能ボタンの情報を受信すると、表3において端末10の機能ボタン番号2の機能ボタンに対する音声メール機能動作の設定内容を「オン」に書き換える。また、呼制御部1は、回線TR2が留守設定サービス状態、すなわち音声メールサービス状態にあることを示すために機能ボタン番号2と5のそれぞれの機能ボタンに設けられている表示器、すなわち表示器つき機能ボタンの表示器を作動させる。ユーザは、この表示を見て、回線TR2が音声メールサービス状態にあることを知ることができる。
【0052】
次に、着信呼に対して音声メールサービスを提供する動作について説明する。
【0053】
例えばリソースIDがTR2の回線に着信があると、呼制御部1は、機能ボタン設定テーブル3を参照し、回線TR2を割り当てられているすべての機能ボタンを検索する。この検索の結果得られた機能ボタン、すなわち機能ボタン設定テーブル3に示す本例では、端末10の機能ボタン2と端末20の機能ボタン3について音声メール機能動作登録テーブル5を参照し、音声メール機能を動作させるか否かを判定する。
【0054】
この判定では、音声メール機能動作登録テーブル5から端末10の機能ボタン2は、「オフ」であり、端末20の機能ボタン3は、「オン」であることがわかる。このように複数の機能ボタンが対象となり、音声メール機能動作登録テーブル5の設定内容がそれぞれ異なる場合があるが、このような場合には、「1つでも該当する機能ボタンの設定がオンとなっているときには、音声メール機能を作動させる」というように設定することもできるし、または「1つでも該当する機能ボタンの設定がオフとなっている場合には一定時間はその機能ボタンを鳴動させ、応答がない場合に音声メールに着信させる」などのような設定も行うことができる。
【0055】
ここでは、「1つでも該当する機能ボタンの設定がオンとなっているときには、音声メール機能を作動させる」というルールに従い、端末20の機能ボタン3がオンとなっているので、音声メールを起動することとなり、呼制御部1は機能ボタン設定テーブル3を参照し、該当する回線リソース(回線TR2)への音声メールを記録する音声メール記録エリアを検索する。この検索の結果、端末10の機能ボタン4に対するリソースIDとしてBOX(TR2)および端末20の機能ボタン4に対するリソースIDとしてBOX(TR2)を得るので、図1の音声メール記録部9内で示すように、このBOX(TR2)で指定される音声メール記録エリアに着信呼の音声メールを記録することになる。
【0056】
なお、上述したように、回線リソースに対応した音声メールサービスを提供する機能ボタンが端末10の機能ボタン4と端末20の機能ボタン4のように複数存在するが、本実施形態では同一の回線リソースに対する音声メール記録エリアは一致していることが前提となっている。
【0057】
上述したように、着信呼に対する音声メール記録エリアBOX(TR2)が検出されると、このエリアに音声メールを記録する前に、呼制御部1はまず着信呼を音声応答部11に接続し、着信呼の発信者に対して音声ガイダンスを送出する。そして、音声ガイダンスが終了すると、呼制御部1は着信呼を音声メール制御部7に接続し、該音声メール制御部7の制御により音声メール記録部9の該当する音声メール記録エリアBOX(TR2)に発信者の音声メールを記録する。
【0058】
そして、このように音声メール記録エリアBOX(TR2)に音声メールが記録されると、呼制御部1は音声メールボックスも回線などと同じリソースとして定義し、音声メールボックスへの着信を通常の着信と同様に扱っているので、リソースIDがBOX(TR2)の音声メールボックスに呼が着信すると、その該当する機能ボタン4の表示器を作動し、これにより着信表示を行う。この結果、ユーザは機能ボタン4のリソースIDで示されるTR2の回線に音声メールが着信していることを可視的に知ることができる。なお、この着信表示は記録された内容が消去されるまで保持される。
【0059】
次に、上述したように記録された音声メールの読み出し動作について説明する。
【0060】
ユーザは、音声メールボックスが割り当てられている機能ボタン、上記例では機能ボタン4の表示器が作動し、音声メールの着信があることを示している場合、該機能ボタン4を押下する。この機能ボタン4を押下した情報は、呼制御部1に供給され、呼制御部1は機能ボタン設定テーブル3を参照して、機能ボタン4のリソースIDで示されるBOX(TR2)で指定される音声メール記録部9の音声メール記録エリアに記録されている音声メールを音声メール制御部7の制御により読み出し、ユーザに該音声メールを聴取させる。
【0061】
次に、音声メールの消去動作について説明する。
【0062】
ユーザは、表2で示すように音声メール消去機能を割り当てられている機能ボタンを押下し、続けて消去対象とする音声メールボックスが割り当てられている機能ボタンを押下する。表2の例では、端末10において機能ボタン3に割り当てられている音声メールボックスの内容を消去したい場合には、音声メール消去機能を割り当てられている機能ボタン6を押下し、続いて機能ボタン3を押下すると、該音声メールボックスに該当する音声メール記録エリアに記録されていた音声メールが消去されることになる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、各端末に設けられた複数の機能ボタンの各々に対してリソースまたはサービス機能を機能ボタン設定テーブルに設定し、各端末の複数の機能ボタンの各々毎に音声メールを実施するか否かを音声メール機能動作登録テーブルに設定し、この機能ボタン設定テーブルおよび音声メール機能動作登録テーブルに設定された情報に基づいて各リソースに対する呼処理、音声メールサービスを含む処理を実施しているので、従来、特番入力により区別されていたサービスとリソースを機能ボタンへの割り当てで行うことができ、従来の煩雑な操作を簡単化できるとともに、また音声メールサービスを実施するために必要な機能ボタンの数を少なくすることができ、効率化、小型化を図ることができる。
【0064】
また、本発明によれば、各端末に設けられた複数の機能ボタンの各々に対して通信回線、音声メール記録エリアを含むリソースのいずれを割り当てるかまたは音声メール設定機能、音声メール消去機能を含むサービス機能のいずれを割り当てるかを機能ボタン設定テーブルに設定し、各端末の複数の機能ボタンの各々毎に音声メールを実施するか否かについての情報を音声メール機能動作登録テーブルに設定し、通信回線に着信呼があった場合、該着信呼のあった通信回線が設定されている機能ボタンを機能ボタン設定テーブルから検索し、この機能ボタンに対する音声メール実施に関する情報を音声メール機能動作登録テーブルから読み出し、該音声メール実施に関する情報に基づいて着信呼のあった通信回線に対して音声メールの録音を実施するか否かを判定するので、従来、特番入力により区別されていたサービスとリソースを機能ボタンへの割り当てで行うことができるとともに、音声メール記録エリアもリソースとして扱うことができ、従来の煩雑な操作を簡単化でき、また音声メールサービスを実施するために必要な機能ボタンの数を少なくすることができ、効率化、小型化を図ることができる。
【0065】
更に、本発明によれば、着信呼に対して音声メールの記録を実施する場合、着信呼のあった通信回線に対する音声メール記録エリアの識別情報を機能ボタン設定テーブルから検索し、この検索した識別情報の音声メール記録エリアに着信呼からの音声メールを記録するので、音声メールの記録を適確に行うことができる。
【0066】
本発明によれば、着信呼のあった通信回線に対する音声メール記録エリアに音声メールが記録された場合、該音声メール記録エリアに対応する機能ボタン情報を音声メール機能動作登録テーブルから読み出し、該機能ボタンの表示手段を作動させて、音声メールが着信していることを可視的に表示するので、音声メールサービスの状態を可視的に認識でき、使い勝手を向上することができる。
【0067】
また、本発明によれば、端末においてサービス機能を設定された機能ボタンを操作してから、リソースを設定された機能ボタンを操作することにより、該リソースに対してサービス機能を実施するので、少ない機能ボタンで効率的かつ簡単な操作で音声メールサービスを実施できる。
【0068】
更に、本発明によれば、端末において音声メール設定機能を設定された機能ボタンを操作してから、通信回線を設定された機能ボタンを操作することにより、音声メール実施についての情報を音声メール実施状態に設定するので、従来のように特番を使用することなく、少ない機能ボタンで効率的かつ簡単な操作で音声メールサービスを実施できる。
【0069】
本発明によれば、端末において音声メール消去機能を設定された機能ボタンを操作してから、音声メール記録エリアをリソースとして設定された機能ボタンを操作することにより、音声メール記録エリアに記録されている音声メールを消去するので、従来のように特番を使用することなく、少ない機能ボタンで効率的かつ簡単な操作で音声メールサービスを実施できる。
【0070】
また、本発明によれば、端末において音声メール設定機能を設定された機能ボタンを操作してから、通信回線を設定された機能ボタンを操作し、これにより音声メール実施状態が設定された場合、端末において通信回線を設定された機能ボタンおよび音声メール設定機能を設定された機能ボタンのそれぞれの表示手段を表示して音声メール機能が設定されていることを表示しているので、音声メールの設定を可視的に認識することができ、使い勝手を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る音声メール装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す音声メール装置に使用される端末の構成を示す図である。
【図3】従来の音声メール装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 呼制御部
3 機能ボタン設定テーブル
5 音声メール機能動作登録テーブル
7 音声メール制御部
9 音声メール記録部
11 音声応答部
31〜36 表示器つき機能ボタン
Claims (10)
- 複数の通信回線と複数の機能ボタンを有する複数の端末との間の通信を処理するとともに、通信回線からの着信呼に対して音声メールサービスを提供する音声メール装置であって、
前記複数の端末の各々に設けられた前記複数の機能ボタンの各々に対して、通信回線を含むリソースまたは音声メールサービスを含むサービス機能を設定する機能ボタン設定テーブルと、
前記複数の端末の各々に設けられた前記複数の機能ボタンの各々毎に、音声メールを実施するか否かを設定した音声メール機能動作登録テーブルと、
前記機能ボタン設定テーブルおよび音声メール機能動作登録テーブルに設定された情報に基づいて各リソースに対する呼処理、音声メールサービスを含む処理を実施するように制御する制御手段とを有することを特徴とする音声メール装置。 - 複数の通信回線と複数の機能ボタンを有する複数の端末との間の通信を処理するとともに、通信回線からの着信呼に対して音声メールサービスを提供する音声メール装置であって、
前記複数の端末の各々に設けられた前記複数の機能ボタンの各々に対して、通信回線、音声メール記録エリアを含むリソースのいずれを各リソースの識別情報とともに割り当てるかまたは音声メールを設定する音声メール設定機能、音声メールを消去する音声メール消去機能を含むサービス機能のいずれを割り当てるかを設定した機能ボタン設定テーブルと、
前記複数の端末の各々に設けられた前記複数の機能ボタンの各々毎に、音声メールを実施するか否かについての情報を設定した音声メール機能動作登録テーブルと、
通信回線に着信呼があった場合、該着信呼のあった通信回線が設定されている機能ボタンを前記機能ボタン設定テーブルから検索し、この検索した機能ボタンに対する音声メール実施に関する情報を前記音声メール機能動作登録テーブルから読み出し、該音声メール実施に関する情報に基づいて着信呼のあった通信回線に対して音声メールの録音を実施するか否かを判定する音声メール判定手段とを有することを特徴とする音声メール装置。 - 各通信回線に対応して設けられている複数の音声メール記録エリアを持ち、該音声メール記録エリアのそれぞれに対して該当する通信回線からの音声メールを記録し得る音声メール記録手段と、
前記音声メール判定手段による判定の結果、着信呼に対して音声メールの記録を実施する場合、着信呼のあった通信回線に対する音声メール記録エリアの識別情報を前記機能ボタン設定テーブルから検索し、この検索した識別情報の音声メール記録エリアに着信呼からの音声メールを記録するように制御する音声メール記録制御手段とを有することを特徴とする請求項2記載の音声メール装置。 - 前記複数の機能ボタンの各々に対応して設けられ、各機能ボタンに割り当てられたリソースまたはサービス機能の状態を表示する表示手段と、
前記着信呼のあった通信回線に対する音声メール記録エリアに音声メールが記録された場合、該音声メール記録エリアに対応する機能ボタンを前記音声メール機能動作登録テーブルから読み出し、該機能ボタンの表示手段を作動させて、前記通信回線に音声メールが着信していることを可視的に表示するように制御する表示制御手段とを有することを特徴とする請求項3記載の音声メール装置。 - 前記表示手段が作動して音声メールの着信を可視的に表示している機能ボタンが操作された場合、該機能ボタンに対するリソース識別情報として設定されている音声メール記録エリアの識別情報を前記音声メール機能動作登録テーブルから読み出し、該音声メール記録エリアから前記音声メールを読み出して出力するように制御する音声メール出力手段を有することを特徴とする請求項4記載の音声メール装置。
- 着信呼に対して音声ガイダンスを送出する音声ガイダンス送出手段と、
着信呼に対する音声メールの記録を実施する場合、該実施の前に前記音声ガイダンス送出手段から音声ガイダンスを該当する通信回線に送出するように制御する音声ガイダンス送出制御手段とを有することを特徴とする請求項3記載の音声メール装置。 - 端末においてサービス機能を設定された機能ボタンを操作してから、リソースを設定された機能ボタンを操作することにより、該リソースに対して前記サービス機能を実施するように制御するサービス実施制御手段を有することを特徴とする請求項2記載の音声メール装置。
- 端末において音声メール設定機能を設定された機能ボタンを操作してから、通信回線を設定された機能ボタンを操作することにより、該通信回線を設定された機能ボタンに対する前記音声メール機能動作登録テーブルにおける音声メール実施についての情報を音声メール実施状態に設定するように制御する音声メール設定制御手段を有することを特徴とする請求項2記載の音声メール装置。
- 端末において音声メール消去機能を設定された機能ボタンを操作してから、音声メール記録エリアをリソースとして設定された機能ボタンを操作することにより、該音声メール記録エリアに記録されている音声メールを消去するように制御する音声メール消去制御手段を有することを特徴とする請求項2記載の音声メール装置。
- 前記複数の機能ボタンの各々に対応して設けられ、各機能ボタンに割り当てられているリソースまたはサービス機能の状態を表示する表示手段と、
前記端末において音声メール設定機能を設定された機能ボタンを操作してから、通信回線を設定された機能ボタンを操作し、これにより該通信回線を設定された機能ボタンに対する前記音声メール機能動作登録テーブルにおける音声メール実施についての情報を音声メール実施状態に設定した場合、前記端末において通信回線を設定された機能ボタンおよび音声メール設定機能を設定された機能ボタンのそれぞれの表示手段を表示して音声メール機能が設定されていることを表示するように制御する表示制御手段とを有することを特徴とする請求項8記載の音声メール装置。
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