JP3847662B2 - 印刷機用シータのデリバリ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷機用シータにおいてカット紙の連続排出動作を行うためのデリバリ装置に関し、更に詳しく述べると、グリッパ機構でカット紙後端部を掴んで支えることにより、仮積みフォークの挿入動作が円滑に行われるようにして損紙とその処理作業が生じないように工夫した印刷機用シータのデリバリ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
印刷機用シータは、高速で供給されてくるウエブを取り込み、取り込んだウエブを所定寸法の枚葉に裁断し、裁断したカット紙を、前のカット紙の上に次のカット紙が積み重なる瓦積み状態で低速搬送して所定の位置(スタック部)に積み重ねる装置である。通常、輪転印刷機の下流側にオンラインで設備されるが、オフラインで設置されることもある。
【0003】
瓦積み状態で低速搬送手段により連続的に搬送されてくるカット紙は、スタック部でパレット上に積み重ねられていくが、輪転印刷機の動作を中断しないようにしつつ(裁断・搬送動作を継続しながら)、所定枚数積み重ねられたカット紙(メインパイル)を取り出すための機能が付加されている。具体的には、スタック部に対して入抜可能な仮積みフォーク機構を有し、該仮積みフォークの挿入時にスタック部に入ってくるカット紙を受け止め続けることでカット紙の連続排出動作を可能としている。
【0004】
従来の仮積みフォークは、10〜15本の丸棒又は角棒を一定間隔でカット紙の流れ方向に平行に且つ水平に配列した構造であり、低速搬送手段の下方に位置している。メインパイルを取り出す場合、仮積みフォークはスタック部に挿入されて、搬送されてくるカット紙を一時的に受け止めて積み上げておき、その間にパレット上に積み上げられているカット紙(メインパイル)をパレットごと取り出し、次に新しいパレットをスタック部に設置して仮積みフォークの下面に近づけ、次に仮積みフォークをスタック部から引き抜くことで該仮積みフォーク上に載っているカット紙をパレット上に移す。スタック部の入口側には通常2〜4本程度の紙ガイドが立設されており、仮積みフォーク引き抜き時にカット紙は該紙ガイドで止められ、乱れずにパレット上に綺麗に残るようになっている。紙ガイドは固定されているため、仮積みフォークは、スタック部への入抜動作が可能となるようにフォーク構造になっているのである。
【0005】
更に、スタック部に搬送されてくるカット紙を前後左右の位置を揃えてパレット上に積み上げるために、通常、スタック部の紙ガイドと反対側に出口ジョガーが、またカット紙搬送方向の両側にはサイドジョガーが設置されている。これらはジョガーフレームと振動プレートを有し、積み重ねられていくカット紙の端部に振動を付与して紙揃えする機能を果たす。従って、ジョガーフレーム及び振動プレートは、カット紙が落ち着くまでの範囲である程度の高さをもっている必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが従来の仮積みフォーク機構では、カット紙が積み重ねられていく最中にカット紙に向かって挿入するために、仮積みフォークを構成している十数本の丸棒(もしくは角棒)の各先端が全て揃って同じカット紙の間に挿入されることは殆ど無い。積み重ねられているカット紙は完全に水平ではなく、幅方向に不規則にカールしていることも、その要因の一つである。従って、仮積みフォークは少なくとも数枚、多ければ数十枚のカット紙を押し出す形で挿入されて皺くちゃになってしまい、押し出されたカット紙は損紙となる。
【0007】
このような事態はメインパイル取り出し作業の度に繰り返されるので、損紙発生量は非常に多くなり、コスト高、効率低下をもたらす。特に、高速運転になるほど、積み上げられつつあるカット紙を乱さずに損紙を抜き取る作業は難しくなり、更に損紙の発生量は大きくなる。そのため作業者には非常に高度な熟練が要求され、これが印刷機用シータの一つの大きな問題となっている。
【0008】
本発明の目的は、高速運転中であっても、仮積みフォーク前進時における損紙発生を無くし、未熟練作業者でも効率よくメインパイル取り出し作業が行える印刷機用シータのデリバリ装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、瓦積み状態で連続的に搬送されてくるカット紙を、スタック部の昇降可能なパレット上に積み重ねるようにし、該スタック部に対して入抜可能な仮積みフォークの挿入時にスタック部に入ってくるカット紙を一時的に受け止めることで、パレット上に積み重ねられているカット紙の取り出し作業を可能とした印刷機用シータのデリバリ装置である。本発明では、前記スタック部は、両側部に位置する幅可変方式のサイドジョガーを具備し、該サイドジョガーは、ジョガーフレームの下部に自重により鉛直面内で垂れ下がるように揺動自在に軸支されるスイングプレートを有し、それによってジョガーフレームの高さの不足が補完され、仮積みフォークの挿入動作が妨げられないようにすると共に、カット紙を瓦積み状態で連続的に搬送する搬送手段と該搬送手段の下方に位置する仮積みフォークとの間で且つスタック部に面した水平方向のほぼ中央位置に、スタック部に対して進退可能で且つ前記サイドジョガーにより揃えられつつある一部のカット紙の後端部を掴み離し可能な上爪と下爪を備えたグリッパ機構を設け、仮積みフォークの挿入動作に先立ってグリッパ機構の上爪と下爪とが共に前進しカット紙後端部の掴み支え動作が行われ、仮積みフォークの挿入動作の完了後にグリッパ機構の上爪と下爪とがカット紙後端部を離して共に後退するようにしており、その点に特徴がある。
【0010】
本発明において仮積みフォークは、間隔をあけて並設した3枚の先薄状プレートを有し、前記間隔によってスタック部の入口部に立設された2本の棒状の紙ガイドを避けてスタック部に対して入抜可能とし、中央プレートの先端縁は平面形状が山型をなし且つ側部プレートの先端縁に対して若干突出し、側部プレートは外側ほど後退した平面形状をなし且つ中央プレートに対向する側面の上側縁がテーパもしくはアールに加工されており、それら3枚のプレートが一体となって入抜・昇降可能となっている構造が好ましい。
【0012】
【実施例】
図1に印刷機用シータの一例の全体構成を示す。また図2に、本発明に係るデリバリ装置の一実施例の概略構成を示す。印刷機用シータは、輪転印刷機から高速で排出されるウエブを取り込むインフィード部10と、取り込んだウエブ11を所定寸法の枚葉に裁断するカット部12と、該カット部12の下流側に設けた高速搬送手段13と、カット紙を瓦積み状態で搬送する低速搬送手段14と、カット紙15を積み重ねるスタック部16を具備し、全体が筐体17で覆われている。スタック部16とその周辺に位置する各種の付属機構を含めてデリバリ装置が構成される。
【0013】
インフィード部10は、複数のフリーローラ、ドローローラ、ニップローラなどからなるウエブ取り込み機構と各種センサ等を有し、輪転印刷機から高速で排出されるウエブ11を適切にカット部12に送り込む部分である。カット部12は、下側の固定刃18と上側のカッタシリンダに装着された回転刃19を有し、輪転印刷機と同速で回転することでウエブ11を所定寸法の枚葉に裁断する部分である。高速搬送手段13は、第1エアブロー20、上第1バキュームドラム21a、上第2バキュームドラム21bなどを具備し、ウエブ11を緊張状態で搬送することでカット部12での裁断精度を向上させると共に、裁断後のカット紙後端部を同期回転するスナッパ22で低速搬送手段14側に押し付ける部分である。
【0014】
低速搬送手段14は、前方のプーリ23,24と後方のバキュームドラム25の間にバキュームベルト26を掛け渡し(図3及び図4参照)、該バキュームベルト26の内側上部にバキュームボックス27を設置すると共に、上方に第2エアブロー28を設置した構造である。図3はスタック部と低速搬送手段の平面図であり、図4は側面図である。以上の手段によって、カット紙の速度はウエブライン速度の1/10〜1/20程度に減速される。スナッパ22で押し付けられたカット紙が瓦積み状態に互いに一部オーバラップし、カット紙後端側の40mm程度がバキュームベルト26に吸着されつつ、カット紙先端部上面を第2エアブロー28によるコアンダ効果で引かれて、次のスタック部16へと順次搬送される。
【0015】
また、前記バキュームボックス27の先端には、図示していないが、出口側(スタック部)に向かって且つ水平方向に8〜10個のエアノズルが配列されている。各エアノズルは、その断面形状が水平方向にフラットであり、それによってスタック部16に積み重ねられるカット紙とカット紙の僅かな隙間に、より効率的に空気を流し込むことを可能とし、紙揃いの効果をより増大させている。なお、各エアノズルには、流量制御バルブがそれぞれ取り付けられており、個別に制御できるようにし、且つ供給側にレギュレータを設けて全体の供給圧力を調節できるようにして、様々な紙質、紙厚に対応可能としている。
【0016】
スタック部は、図2に示すように、入口部に立設された2本の棒状の紙ガイド30と、出口部で各紙ガイド30にそれぞれ対向して位置する2個の出口ジョガー31と、カット紙の流れ方向の左右に位置する一対の幅可変方式のサイドジョガー32(図3参照)とを具備し、それらによってスタック部16に入ってくるカット紙が揃えられ、下部に位置するパレット33上に積み重ねられるカット紙を昇降可能なパレット昇降機構が設けられている。このようなスタック部16に近接して、仮積みフォーク機構及びグリッパ機構などが付設されてメインパイルの取り出し作業を可能としたデリバリ装置が構成される。
【0017】
スタック部16の底部に位置するメインパイル昇降プレート34上に設置したパレット33上にカット紙15が積み上げられる。メインパイル昇降プレート34は、4本のチェーン35で吊られており、各チェーン35はスプロケット36を介して他端にバランスウエイト37が接続され、スプロケット36はメインパイル昇降モータ38で駆動される。これによって、パレット33上にカット紙15を載せ、その上面レベルをほぼ一定に保ちつつ自動降下できるようになっている。
【0018】
低速搬送手段のバキュームボックス27の下方のスタック部16に面したほぼ中央位置に、スタック部16に対して進退可能で且つ揃えられつつある一部のカット紙15の後端部を掴み離し可能なグリッパ機構40が設けられる。図5に詳細に図示されているように、グリッパ機構40は、上爪41と下爪42がリンク機構43で結合され、エアシリンダ44によって下爪42が上下動可能であり、且つ上爪41と下爪42を取り付けたブラケット45がスライドシリンダ46の可動部に結合されて全体が20〜30mm程度スタック部方向に前進できるように水平動(前後動)可能となっている。上爪41と下爪42の組み合わせからなるグリッパは、積み重ねられつつあるカット紙に挿入しやすいように、先端が平面的に見て山型となるように左右に角度を付け且つ先薄状とする。ここでは上爪41の上面及び下爪42の下面にテーパを付けて先薄状としている。なお、カット紙の束の掴み支えを確実にするために、下爪42の幅は70〜120mm程度で、下爪42の方を上爪41よりも幅広(例えば2〜3倍)とし、且つ上爪41と下爪42の対向面の中間部には凹部を設けている。このグリッパ機構40は、カット紙後端部を一時的に掴み支えする機能を果たす。
【0019】
仮積みフォーク50は、前記グリッパ機構40の更に下方(低速搬送手段の下方)に位置し、図6の平面図及び図8の正面図に示すように、紙ガイド30の幅よりも若干広い間隔をあけて並設した3枚の先薄状プレート(中央プレート51と両側の側部プレート52)を、それらの後端でフォークベース53で連結して一体化した構造である。プレート同士の隙間によってスタック部の入口部に立設された2本の棒状の紙ガイド30を避けてスタック部16に対して挿入可能となっている。フォークベース53は、フォーク昇降ベッド54上のレール55に直動ガイド56を介して搭載されており、複数のプーリ57と水平動タイミングベルト58及びフォーク水平動モータ59によって仮積みフォーク50がスタック部16に対して入抜可能となっている。そのため、仮積みフォーク50の長さは、スタック部への挿入時に仮積みフォーク先端が出口ジョガー31に達し、スタック部からの引き抜き時にはフォーク先端がスタック部から抜け出るように、カット紙の長さ以上とする。また、フォーク昇降ベッド54は、昇降チェーン60及びフォーク昇降モータ61等によって昇降可能に構成されている。
【0020】
ここで仮積みフォーク50の中央プレート51の先端縁は平面形状が山型で、側部プレート52の先端縁はそれに対して若干後退し且つ側方が更に後退して、3枚のプレート全体としても平面形状が山型をなしている。また、両側部プレート52の中央プレート51に対向する側面の上側縁64はテーパもしくはアールに加工されている。なお、中央プレート51及び側部プレート52の先端側面形状は、図7に示すように、先端上面に小さなテーパが形成され、先端下面に大きなテーパが形成された形状であり、それによって挿入しやすく且つカット紙を水平に保持できるような先薄状となっている。仮積みフォーク50を少数枚のプレートで構成することにより、カット紙がフォーク構成要素の間(プレート隙間)に入り込み難くなる。
【0021】
本実施例では、中央プレート51と側部プレート52の上面にはフォーク入抜方向に多数の平行溝(矩形断面)66が形成され、結果的に溝間に矩形断面の平行突条67が形成されている。これら多数の凹凸条は、フォーク入抜時にカット紙との密着を防ぎ、カット紙積み重ね状態を乱さないようにする機能を果たす。滑りを更に良くするためには、突条部分に滑り性の良好な材料(例えばフッ素樹脂やポリエチレン樹脂など)からなるテープを貼着したり膜を形成するのが好ましい。テープが厚い場合(例えば厚み1mm程度もしくはそれ以上の場合)には、プレートに溝を形成することなく、平坦なプレート上面に所定幅のテープを平行に貼り付けるだけでもよい。
【0022】
サイドジョガー32は、ジョガーフレーム70の内側中央に面一の振動プレート71が嵌め込まれ、該振動プレート71にはエアバイブレータ72が接続されている。ジョガーフレーム70は、カット紙を案内するように、内側面の上縁と側縁は面取りされている。エアバイブレータ72によって振動プレート71が振動しカット紙の側面に対して往復運動することで相手方のジョガーフレーム70との間でカット紙を徐々に揃える。このような機能を有するサイドジョガー32は、前記のように幅可変方式である。図示しないが、具体的には、モータと送り機構によって紙幅方向に移動可能となっており、輪転印刷機の適用最小紙幅から最大紙幅まで対応可能になっている。
【0023】
ところで、カット紙が完全に落ち着いて左右のずれが無くなるためには、ジョガーフレーム70は上下方向にある程度の高さ(エアブローの下面から150mm程度)は必要である。他方、仮積みフォーク50の上面は極力上方にあって、バキュームボックス27の先端側プーリ23に近づけて落差を小さくした方がカット紙の揃いがよくなる。このため、仮積みフォーク50とサイドジョガー32とが干渉しないように工夫する必要がある。
【0024】
そこで本発明では、ジョガーフレーム70の下方を短くし、該ジョガーフレーム70の内側の下部には、自重により鉛直面内で垂れ下がるように揺動自在にシャフト74により軸支される2個の下端が半円形のスイングプレート75を間隔をおいて(振動プレート71の両側に)ジョガーフレームの内面と面一に設け、それによってジョガーフレーム70の高さの不足が補完され、必要な下部長さ分を確保し、横方向のカット紙ずれを防止するように構成している。スイングプレート75は揺動自在に支持されているために、仮積みフォーク50の挿入動作が妨げられることはない。つまり、幅の狭いカット紙を揃えるために、サイドジョガー32を中央寄せしている場合でも、仮積みフォーク50はスイングプレート75を押し上げながら挿入可能である。しかもスイングプレート75は、仮積みフォーク50が自動降下していく場合も自然と下方に垂れ下がり、一点で仮積みフォーク50の上面に接し、横方向へのカット紙ずれを防止する。
【0025】
この構成は、仮積みフォークを分割したプレートで構成している本発明では特に有効である。両側部プレート52の外端縁間の距離はカット紙幅よりも常に幅広であり、しかもサイドジョガー32は幅可変構造であるため、従来同様の下方に長いジョガーフレーム構造ではサイドジョガーが仮積みフォークの挿入動作を妨げるからである。また、スイングプレート75は、ストッパピン76によって斜め下方の揺動範囲が制限されて、僅かに前下方に傾斜を持たせた状態で垂れ下がるように保持したことで、仮積みフォーク50又はパレット33が不用意に上方に移動してスイングプレート75に接触しても、該スイングプレート75は容易に回動できる。また、サイドジョガーには、図示していないが、上下方向に移動可能なように、シャフト及びガイドと移動検出センサが設けられており、仮積みフォーク又はパレットを不用意に上昇させてサイドジョガーと接触しても、過度に押し上げられないように、それぞれの昇降モータを停止させる回路が組み込まれている。これらにより、サイドジョガーや仮積みフォークなどの損傷発生を防止できる。
【0026】
また、スイングプレート75を設けたことにより、仮積みフォークの幅を紙幅に合わせて調整する操作が不要となり(従来技術では仮積みフォークを構成している多数の棒のうちの外側の1乃至数本を取り外す操作を必要としていた)、そのための不便さも解消される。少量多品種の生産が多い現在、仮積みフォークの着脱を要しない本実施例の構成は、オペレータの負担軽減と作業効率の向上効果が大きい。
【0027】
なお、出口ジョガー31も、ジョガーフレームの内側に面一の振動プレートが位置し、該振動プレートにエアバイブレータの振動が作用するように構成されている。
【0028】
次に本デリバリ装置の一連の動作について、順を追って説明する。
【0029】
スナッパ22で低速搬送手段14上に瓦積みされたカット紙は、その後端部下面でバキュームベルト26を介してバキュームボックス27に吸引されつつ、先端部上面を第2エアブロー28によるコアンダ効果で前方に引かれて進む。第2エアブロー28よりも前方では、カット紙は徐々に降下し、出口ジョガー31に突き当たる。カット紙の後端は、スタック部入口に面しているバキュームボックス27の先端のプーリ23を回りきって、全体としてパレット33に向かって下降を始める。その際、出口ジョガー31と紙ガイド30及び両方のサイドジョガー32によって、前後方向並びに横方向の紙揃えが行われる。この時、バキュームボックス27の先端に配置され、スタック部方向に水平に向けられているエアーノズルから空気が吹き出され、その空気がカット紙とカット紙の間に入り、密着を防止しつつ紙揃えが容易に行われるようにする。
【0030】
パレット33上に移ったカット紙は、上面レベルがほぼ一定に保たれるようにメインパイル昇降モータ38によって制御され、カット紙の積み重ねが進むにつれて、メインパイル昇降プレート34は徐々に降下していく。この間、サイドジョガー32のスタック部入口側に設置されているテープインサータ80により、500枚あるいは1000枚など、所定のカット紙枚数毎にテープを送り出してカット紙間に挿入すると、それが出来高管理の目安となる。部数のカウントは、シータ駆動部に設けられた回転検出センサ(図示せず)からの信号により行う。カット紙の積み重ねが更に進んでメインパイル昇降プレート34が床面に対して100mm程度の高さに近づいたところでグリッパ駆動スイッチをオンする。
【0031】
すると、バキュームボックス底部に位置するグリッパ機構40のスライドシリンダ46によってブラケット45がスタック部に向かって前進する(図9のAからB参照)。上爪41と下爪42が共に前進し、スタック部入口側からカット紙15の間に入る。次に、ブラケット45の一端に軸支されているエアシリンダ44が作動(伸長)し、リンク機構43を介して下爪42が上昇し、カット紙(数枚乃至数十枚)の後端部を掴み支える。引き続いて、メインパイル昇降モータ38が動作し、予め設定され量(約50mm)だけ降下する。これによりグリッパ機構40の下爪42の下方に空間が生じる(図9のC参照)。
【0032】
次に、その状態で、仮積みフォーク50が前記の空間に向かって挿入される。フォーク水平動モータ59によって、プーリ57、タイミングベルト58、レール55、直動ガイド56を介して『高速』で前進し、先端が出口ジョガー31の約50mm手前まで進み、減速センサ(図示せず)に近接すると『低速』に切り替わって更に前進し、次いで停止センサ(図示せず)に達することで正確な位置に停止する。この時、上方のカット紙はグリッパ機構40の上爪41と下爪42で掴み支えられているのでずれることはない。また下方のカット紙は出口ジョガー31によって規制されているのでずれることもない。仮積みフォーク50は、グリッパ機構40で支えられているカット紙と下方のカット紙との隙間(入口側に設けられた50mm程度の隙間)に侵入するため、仮積みフォーク50が前進してもカット紙は乱されない。
【0033】
仮積みフォーク50が前進し所定の停止位置に停止すると、グリッパ機構40のエアシリンダ44が戻って(収縮して)下爪42が下方に下がりグリッパが開き、カット紙の後端部を開放する。次にグリッパ機構40のスライドシリンダ46が自動的に停止位置に戻る。上爪41と下爪42が共にカット紙入口側から離れて、グリッパに掴まれていたカット紙は仮積みフォーク50上に降りる。
【0034】
その後、仮積みフォーク50のカット紙の上面レベルはレベルセンサ(図示せず)により検出される。そして、仮積みフォーク50は、フォーク昇降モータ61によって、スプロケット、昇降チェーン60、レールガイド等を介して駆動されて、カット紙上面レベルが常に一定範囲内に保たれるように自動降下する。
【0035】
この間にメインパイル昇降モータ38により、メインパイル昇降プレート34を降下させ、積み重ねられているカット紙(メインパイル)をパレット33と共に外部に引き出す。次にメインパイル昇降プレート34上に新しいパレットを紙ガイドに接するように、所定の位置に置く。仮積みフォーク50上にカット紙が積まれて自動降下を繰り返し、仮積みフォーク50の上面が出口ジョガー31の下面よりも十分下方に(約50mm下方に)位置したときに、パレット33を載せたメインパイル昇降プレート34の上昇スイッチをオンし、パレット33の上面を仮積みフォーク50の下面に対して約10mm近くまで寄せて停止する。
【0036】
仮積みフォーク50上に更にカット紙が積まれて仮積みフォーク下面がパレット上面に接触する間際まで自動降下したところで、仮積みフォーク後退スイッチをオンする。仮積みフォーク50は『高速』で後退し、最終後退位置の約50mm手前で減速センサ(図示せず)により『低速』に移行し、次に停止センサ(図示せず)により所定の位置まで後退して停止する。仮積みフォーク50が後退する際、カット紙はスタック部入口にあって常にカット紙後端に接している紙ガイド30に遮られるために、仮積みフォーク50に引きずり出されることなくパレット33上に移される。次に、仮積みフォーク50は自動的に上昇し、本来の待機位置で自動停止する。
【0037】
この状態で、カット紙はパレット33上に積まれていく。スタック部上部のカット紙の上面レベルを一定位置に保ちつつ、パレット33(メインパイル昇降プレート34)は自動降下を続ける。以下、このような操作を繰り返し、印刷機用シータをノンストップ運転(カット紙連続排出動作)する。但し、輪転印刷機を緩動より運転開始していく際は、スタック部に仮積みフォークを前進させてカット紙を受け取る状態から行うのがよい。その理由は、仮積みフォーク上面の最高レベルのほうがパレット上面の最高レベルよりも高く、低速搬送手段とのレベル差が小さいため、運転初期にカット紙が揃いやすいからである。
【0038】
上記の一連の動作は、各種センサからの信号を利用して全て自動運転することもできるし、一部の動作を手動で行ってもよい。自動的に行わせる動作についても、テスト的にあるいは必要に応じて手動操作可能とするのがよい。
【0039】
以上、本発明の好ましい一実施例について詳述したが、本発明はかかる構成に限られるものではない。前提となる印刷機用シータの具体的構成(例えばインフィード部、カット部、高速搬送手段、低速搬送手段など)は任意であってよい。上記の実施例では、グリッパの上爪を下爪よりも幅広にしているが、カット紙を掴み支えできる構造であれば、形状や駆動機構などは任意であってよい。仮積みフォークの形状や駆動機構なども適宜変更できる。スイングプレートはストッパピンによって斜め下方の揺動範囲が制限されるようにしているが、ジョガーフレームのスイングプレート組み込み凹部の形状を変えることでストッパ機能を付与することもできる。あるいはスイングプレートの下端形状を非対称形などに工夫することで、ストッパピンなどを用いなくても、仮積みフォークの予期せぬ上昇時に、スイングプレートが容易に回動して損傷発生を避ける手法も可能である。
【0040】
【発明の効果】
本発明は上記のように、仮積みフォークの挿入動作に先立ってグリッパによるカット紙後端部の掴み支え動作を行うように構成したことにより、高速運転中であっても、仮積みフォーク挿入時における損紙発生をほぼ完全に無くすことができ、未熟練作業者でも効率よく仮積み作業を行うことが可能となる。
【0041】
仮積みフォークは、2本の棒状の紙ガイドを避けるように間隔をあけて並設した3枚のプレートを有する構造をなし、またサイドジョガーは、ジョガーフレームの下部に自重により鉛直面内で垂れ下がるように揺動自在に軸支されるスイングプレートを有し、ジョガーフレームの高さの不足が補完されている構造をなしており、そのため任意の紙サイズに対応してサイドジョガーが幅可変したときでも、従来のように仮積みフォークの一部を脱着する必要が無くなり、しかも仮積みフォークがプレート状であるためにカット紙が幅方向でカールしていても巻き込まれる恐れが無くなり、それらによって作業効率は著しく改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】印刷機用シータの一例の全体概略構成を示す説明図。
【図2】本発明に係るデリバリ装置の一実施例の概略構成図。
【図3】スタック部と低速搬送手段の平面図。
【図4】その側面図。
【図5】グリッパ機構の説明図。
【図6】スタック部と仮積みフォークの平面図。
【図7】仮積みフォークの先端部の拡大側面図。
【図8】スタック部と仮積みフォークの正面図。
【図9】グリッパ機構の動作説明図。
【符号の説明】
11 ウエブ
14 低速搬送手段
15 カット紙
16 スタック部
30 紙ガイド
31 出口ジョガー
32 サイドジョガー
33 パレット
40 グリッパ機構
41 上爪
42 下爪
50 仮積みフォーク
51 中央プレート
52 側部プレート
70 ジョガーフレーム
71 振動プレート
75 スイングプレート
76 ストッパピン

Claims (2)

  1. 瓦積み状態で連続的に搬送されてくるカット紙を、スタック部の昇降可能なパレット上に積み重ねるようにし、該スタック部に対して入抜可能な仮積みフォークの挿入時にスタック部に入ってくるカット紙を一時的に受け止めることで、パレット上に積み重ねられているカット紙の取り出し作業を可能とした印刷機用シータのデリバリ装置において、
    前記スタック部は、両側部に位置する幅可変方式のサイドジョガーを具備し、該サイドジョガーは、ジョガーフレームの下部に自重により鉛直面内で垂れ下がるように揺動自在に軸支されるスイングプレートを有し、それによってジョガーフレームの高さの不足が補完され、仮積みフォークの挿入動作が妨げられないようにすると共に、カット紙を瓦積み状態で連続的に搬送する搬送手段と該搬送手段の下方に位置する仮積みフォークとの間で且つスタック部に面した水平方向のほぼ中央位置に、スタック部に対して進退可能で且つ前記サイドジョガーにより揃えられつつある一部のカット紙の後端部を掴み離し可能な上爪と下爪を備えたグリッパ機構を設け、仮積みフォークの挿入動作に先立ってグリッパ機構の上爪と下爪とが共に前進しカット紙後端部の掴み支え動作が行われ、仮積みフォークの挿入動作の完了後にグリッパ機構の上爪と下爪とがカット紙後端部を離して共に後退するようにしたことを特徴とする印刷機用シータのデリバリ装置。
  2. 仮積みフォークは、間隔をあけて並設した3枚の先薄状プレートを有し、前記間隔によってスタック部の入口部に立設された2本の棒状の紙ガイドを避けてスタック部に対して入抜可能とし、中央プレートの先端縁は平面形状が山型をなし且つ側部プレートの先端縁に対して若干突出し、側部プレートは外側ほど後退した平面形状をなし且つ中央プレートに対向する側面の上側縁がテーパもしくはアールに加工されており、それら3枚のプレートが一体となって入抜・昇降可能となっている請求項1記載の印刷機用シータのデリバリ装置。
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