JP3846832B2

JP3846832B2 - 自動車用内装部品

Info

Publication number: JP3846832B2
Application number: JP22418599A
Authority: JP
Inventors: 和泉堀井; 友博片野; 竜也樺島
Original assignee: Kasai Kogyo Co Ltd
Current assignee: Kasai Kogyo Co Ltd
Priority date: 1999-08-06
Filing date: 1999-08-06
Publication date: 2006-11-15
Anticipated expiration: 2019-08-06
Also published as: JP2001047920A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の側壁パネルに内装される自動車用ドアトリム，リヤコーナートリム等の自動車用内装部品に係り、特に、アームレストを精度良く取り付けることを可能にした自動車用内装部品に関する。
【０００２】
【従来の技術】
通常、車両の側壁パネルに内装される自動車用ドアトリムやリヤコーナートリムの表面所定箇所には、乗員が肘を掛けて休めるようにアームレストが設けられており、このアームレストにパワーウインドウスイッチ等のスイッチユニットが設けられることが多い。
【０００３】
例えば、図７，図８にドアトリムを例示して説明すると、自動車用ドアトリム１は、所望形状に成形されたドアトリム本体２とドアトリム本体２の表面ほぼ中央部に装着されるアームレスト３とから構成されており、アームレスト３には、パワーウインドウスイッチやドアロックスイッチ等のスイッチユニットパネル４及びクッション機能を持つアームレストパッド５がその上面に設けられている。
【０００４】
上記ドアトリム本体２は、車体パネルへの取付剛性並びに保形性を備えた樹脂芯材２ａの表面にクッション性の良好な表皮材２ｂを貼着して構成されており、所望により、中接部等にクロス等の中接部材６が装着され、ドアトリム１の商品価値を高めている。
【０００５】
そして、ドアトリム本体２の表面ほぼ中央部に装着されるアームレスト３は、図示はしないが、ドアトリム本体２とドアパネルにビス等を共締め固定することにより強固に取り付けられており、特に、図８に示すように、スイッチユニットパネル４の取付部分においては、アームレスト３は、スイッチユニットパネル４の下面に装備されるスイッチユニット４ａを収容するための取付用開口３ａが開設されているとともに、この取付用開口３ａの奥側にフランジ３ｂが形成され、このフランジ３ｂから上下方向規制プレート７が裏面側に向けて突設形成されており、この上下方向規制プレート７をドアトリム本体２の取付孔２ｃ内に差し込んで、アームレスト３の上下方向の取付位置精度を高めている。
【０００６】
また、図９に示すように、上下方向規制プレート７に替えて、超音波用ボス８を突設形成し、ドアトリム本体２の取付孔２ｃ内に超音波用ボス８を挿入した後、ボス８の先端を超音波溶着によりカシメ加工するアームレスト３の取付構造も実施されている。
【０００７】
従って、上下方向規制プレート７や超音波用ボス８のいずれの場合においても、スイッチユニットパネル４は、取付用開口３ａの周縁部で支持されており、特に、スイッチユニットパネル４の内奥縁部は、フランジ３ｂの僅かな寸法の上縁部に沿って支持されることになる。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
このように、スイッチユニットパネル４を備えたアームレスト３を装着した従来の自動車用ドアトリム１においては、スイッチユニットパネル４の支持構造として、スイッチユニットパネル４のドアトリム本体２と当接する縁部はアームレスト３のフランジ３ｂの上縁部という幅狭部分で支持されている。
【０００９】
従って、図８に示す上下方向規制プレート７を使用するタイプでは、中接部材６のクロス仕様に影響され易く、例えば、厚肉のクロスを使用した場合には、アームレスト３のフランジ３ｂがクロスの反発力により室内側に押しやられて、スイッチユニットパネル４に収容するユニット部４ａと干渉し、スイッチユニットパネル４の取り付けに支障を来すという問題点が指摘されている。また、フランジ３ｂは、スイッチユニットパネル４のユニット部４ａとの干渉を避けるため、肉厚を厚く設定できず、所望の剛性を確保することが難しく、スイッチユニットパネル４の支持強度を強化することが課題となっている。
【００１０】
更に、超音波用ボス８を超音波カシメ加工する場合においても、上述した同様の問題点が存在するとともに、超音波溶着ホーンを必要とする等、加工コストも嵩み、コストアップを招来するという問題点が指摘されていた。
【００１１】
この発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、スイッチユニットパネルを備えたアームレストを装着してなる自動車用ドアトリム，自動車用リヤコーナートリム等の自動車用内装部品において、スイッチユニットパネル取付用開口の縁部をトリム本体に廉価でかつ確実に取り付けることができ、特に、中接クロスの仕様差によってもスイッチユニットパネルをアームレストにより確実かつ堅固に支持できるようにした自動車用内装部品を提供することを目的としている。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明は、車両の側壁パネルに内装されるトリム本体の表面所定箇所に、スイッチユニットパネルを備えたアームレストが装着されてなる自動車用内装部品であって、上記アームレストの上面に開設した取付用開口にスイッチユニットパネルが嵌め込まれ、取付用開口縁部に沿ってスイッチユニットパネルが支持されるとともに、この取付用開口の内奥側縁部にフランジが下側に向けて突設され、このフランジの裏面にトリム本体の取付孔内に差し込む取付片が形成され、取付片の先端に抜け止め部を設けることにより、アームレストの車幅方向に沿う位置ずれが規制され、かつスイッチユニットパネルの支持面を有効に確保したことを特徴とする。
【００１３】
そして、本願発明によれば、アームレストの取付用開口の内奥縁部に沿うフランジの裏面に設けた取付片をトリム本体の取付孔に差し込めば、取付片先端の抜け止め部が取付孔縁部に係止されることにより、取付片の取付方向、すなわち車幅方向に沿ってアームレストが変形することがなく、確実かつ堅固な取付強度が期待できる。
【００１４】
更に、アームレストの上方部のトリム本体に設けられる中接部材の仕様差に影響されることなく、スイッチユニットパネルの支持面を有効に確保できる。
【００１５】
本願発明の構成において、取付片は、水平方向に延びるプレート体からなり、２つのスリットにより幅方向に３分割され、スリットに挟まれる中央部の先端に抜け止め部が設けられていることを特徴とする。
【００１６】
そして、上記構成によれば、取付方向に沿うスリットに挟まれた中央部の先端に抜け止め部が形成されるという構成であるため、取付片をトリム本体の取付孔に差し込む際に抜け止め部が上下方向に有効に撓むことから、アームレストの円滑な取り付けが期待できる。
【００１７】
また、本願発明の構成において、取付片におけるスリット外側の両側部の上面には、取付片の取付方向に沿って延びる当てリブが立設され、取付片をトリム本体の取付孔内に挿入した際、上記当てリブにより、アームレストの上下方向に沿う位置ずれを規制することを特徴とする。
【００１８】
そして、上記構成によれば、スリットの外側に沿って取付片の上面に当てリブが立設形成されており、取付片をトリム本体の取付孔に挿入した際、当てリブが取付孔の上縁に当接することにより、アームレストをトリム本体に取り付けた際の上下方向におけるガタツキを有効に防止できる。
【００１９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る自動車用内装部品の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【００２０】
図１は本発明に係る自動車用内装部品の一実施形態を示す自動車用ドアトリムの正面図、図２は同自動車用ドアトリムの要部断面図、図３は同自動車用ドアトリムにおけるアームレストとスイッチユニットパネルを示す説明図、図４はアームレストに設ける取付片を示すアームレストを内面側からみた斜視図、図５はドアトリム本体にアームレストを取り付ける構造を示す要部拡大断面図、図６は同アームレスト成形用の射出成形金型の構成を示す説明図である。
【００２１】
図１乃至図３において、自動車用ドアトリム１０の構成について説明すると、自動車用ドアトリム１０は、所望形状に成形され、図示しない車両の側壁パネルに内装されるドアトリム本体２０と、このドアトリム本体２０の表面ほぼ中央部に装着されるアームレスト３０から大略構成されている。
【００２２】
更に詳しくは、ドアトリム本体２０は、タルクを混入したポリプロピレン樹脂をモールドプレス成形することにより、所望の曲面形状に成形された樹脂芯材２１と、この樹脂芯材２１のモールドプレス成形時に一体化される表皮材２２とから構成されており、表皮材２２としては、ＴＰＯ（サーモプラスチックオレフィン）シート裏面にポリエチレンフォームを裏打ちした積層シート材料が成形性、クッション性に優れていることから好ましい。尚、アームレスト３０の上方部分（中接部）には、表皮材２２と風合い、色彩を相違させたクロス等の中接部材２３が装着されている。
【００２３】
次に、アームレスト３０は、ＰＰ樹脂、ＡＢＳ樹脂等の合成樹脂の射出成形体から構成されており、このアームレスト３０の上面部分のフロント側には、ユニットパネル４０が装着されるとともに、リヤ側には、アームレストパッド５０が装着されている。
【００２４】
上記スイッチユニットパネル４０は、パワーウインドウスイッチやドアロックスイッチ等を装備するもので、アームレスト３０の上面に開設した取付用開口３１にスイッチユニットパネル４０が嵌込み固定される。
【００２５】
すなわち、スイッチユニットパネル４０のフロント側縁部のフック４１を取付用開口３１のフロント側縁部３１ａに係止させた状態でスイッチユニットパネル４０のリヤ側に取り付けたクリップ４２を取付用開口３１のリヤ側縁部３１ｂに係着することにより、ユニットパネル４０がアームレスト３０の上面に取り付けられるが、このユニットバネルはアームレスト３０の取付用開口３１縁部に沿って支持される。尚、符号４３は、操作スイッチ、符号４４はスイッチユニットを示す。
【００２６】
ところで、本発明は、このようにユニットパネル４０を備えたアームレスト３０をドアトリム本体２０に精度良くかつ確実に取り付けることを可能にしたもので、図２，図４に示すように、アームレスト３０にユニットパネル４０を取り付けるために開設した取付用開口３１の周縁部のうち、特にドアトリム本体２０に当接する部位に沿って、下方向に所定幅を備えたフランジ３２を条設し、このフランジ３２をドアトリム本体２０に確実かつ堅固に固定するために、このフランジ３２の裏面に図４に示すように取付片３３を設け、この取付片３３をドアトリム本体２０の取付孔２４に係着することが特徴である。
【００２７】
取付片３３は、水平状に延びるプレート状の基体が取付方向に沿う２つのスリット３４により幅方向に３分割され、スリット３４に挟まれる中央部３３ａの先端に抜け止め部３５が形成されているとともに、スリット３４の両側部３３ｂには、上面に取付方向に沿って延びる当てリブ３６が立設形成されている。
【００２８】
このように構成されているため、ドアトリム本体２０にアームレスト３０を取り付けるとき、取付片３３の差し込み操作時には、スリット３４の間に抜け止め部３５が位置しているため、図５に示すように、図中矢印方向に抜け止め部３５が撓んで、取付片３３をドアトリム本体２０の取付孔２４内に簡単に挿入することができ、アームレスト３０を取り付けた状態では、抜け止め部３５が取付孔２４の下縁２４ａに係止しているため、図５中Ｘ方向、即ち車幅方向にアームレスト３０がずれ込むことがない。
【００２９】
従って、中接部材２３を廃止した仕様でも、また、中接部材２３を薄肉クロス、厚肉クロス、どのような仕様のものを使っても、アームレスト３０は車幅方向に変形することがないため、スイッチユニットパネル４０をフランジ３２により確実に支持することができる。
【００３０】
更に、取付片３３は、その上面に当てリブ３６が立設形成されているため、この当てリブ３６はドアトリム本体２０の取付孔２４の上縁２４ｂと当接することにより、アームレスト３０は上下方向、図中Ｚ方向に沿ってばらつくことがなく、アームレスト３０を確実に固定することができる。
【００３１】
次いで、アームレスト３０に上述した取付片３３を形成するには、図６に示すように、キャビ型６０、コア型７０の押し切りにより、アームレスト３０に取付片３３を一体形成することができ、スライドコアを使用することなく、簡単に成形できるとともに、また、従来のように超音波ホーンによるカシメ加工ではないため、取り付けもワンタッチで廉価に行なえる。
【００３２】
以上説明した実施形態は、自動車用ドアトリム１０に適用したが、ハードトップ車等のリヤシート側方に設けられるリヤコーナートリムに同様のアームレスト３０を設置するタイプに適用することもできる。
【００３３】
また、取付片３３の変形例として、図示はしないが、プレート状の基体をスリット３４により幅方向に３分割した上で、スリット３４の両側部３３ｂの先端に抜け止め部３５を形成し、中央部３３ａに当てリブ３６を形成することもでき、また、所望により、Ｘ方向規制だけを行なうために当てリブ３６を廃止することもできる。
【００３４】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明に係る自動車用内装部品は、スイッチユニットパネルを支持するアームレストが車幅方向に変形することなく、トリム本体に確実かつ強固に取り付けられるため、中接部材の仕様差に影響されることなく、スイッチユニットパネルを確実に支持することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る自動車用内装部品の一実施形態を示す自動車用ドアトリムの正面図である。
【図２】図１中II−II線断面図である。
【図３】図１に示す自動車用ドアトリムにおけるアームレストとスイッチユニットパネルの関係を示す説明図である。
【図４】図３中Ａ矢視図である。
【図５】図１に示す自動車用ドアトリムにおけるアームレストの取付部分を示す要部拡大断面図である。
【図６】図１に示す自動車用ドアトリムにおけるアームレストの成形金型構造を示す説明図である。
【図７】従来の自動車用ドアトリムを示す正面図である。
【図８】図７中VIII−VIII線断面図である。
【図９】アームレストの従来の取付構造を示す断面図である。
【符号の説明】
１０自動車用ドアトリム
２０ドアトリム本体
２１樹脂芯材
２２表皮材
２３中接部材
２４取付孔
３０アームレスト
３１取付用開口
３２フランジ
３３取付片
３４スリット
３５抜け止め部
３６当てリブ
４０スイッチユニットパネル
５０アームレストパッド
６０キャビティ型
７０コア型

Claims

車両の側壁パネルに内装されるトリム本体（２０）の表面所定箇所に、スイッチユニットパネル（４０）を備えたアームレスト（３０）が装着されてなる自動車用内装部品であって、上記アームレスト（３０）の上面に開設した取付用開口（３１）にスイッチユニットパネル（４０）が嵌め込まれ、取付用開口（３１）縁部に沿ってスイッチユニットパネル（４０）が支持されるとともに、この取付用開口（３１）の内奥側縁部にフランジ（３２）が下側に向けて突設され、このフランジ（３２）の裏面にトリム本体（２０）の取付孔（２４）内に差し込む取付片（３３）が形成され、取付片（３３）の先端に抜け止め部（３５）を設けることにより、アームレスト（３０）の車幅方向に沿う位置ずれが規制され、かつスイッチユニットパネル（４０）の支持面を有効に確保したことを特徴とする自動車用内装部品。