JP3846808B2 - ペスチウイルス株のヌクレオチド配列、それらの配列によりコードされるポリペプチド、ならびにペスチウイルス感染の診断および予防のためのそれらの使用 - Google Patents

ペスチウイルス株のヌクレオチド配列、それらの配列によりコードされるポリペプチド、ならびにペスチウイルス感染の診断および予防のためのそれらの使用 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、C−株、すなわち古典的ブタコレラのゲノムの全長DNAコピーの構築、および細胞内へのトランスフェクション後には感染性C−株ウイルスの合成を生じるそのコピーのRNAの転写のための方法を開示する。本発明は更に、C−株由来(ペスチウイルス)ワクチン、ならびにペスチウイルスに対するサブユニットワクチン、およびペスチウイルス感染に関する診断用手段と方法をも含む。それに加え本発明は、競合的アッセイによる、ある試料中の免疫活性物質の検出方法を提供する。
発明の背景
古典的ブタコレラ(CSF)もしくはブタペストは接触伝染性が高く、かつブタの致死的疾患となることがしばしばであり、この疾患は発熱および出血を特徴とし、かつ急性もしくは慢性過程を辿ることがある(Van Oischot. 1986. Hog Cholera、p.289−300.In Diseases of Swine.Iowa State University Press,Ames)。この疾患の大流行は幾つかの欧州諸国および他の諸国で間欠的に生じており、かつ多大な経済的損失をもたらすことがある。
ブタの、生弱毒化古典的ブタコレラウイルス(CSFV)ワクチン株、すなわち「チャイニーズ(Chinese)」株(C−株)での予防接種は、ブタをCSFから保護する(Terpstra and Wensvoort、1988、Vet.Microbiol.16:123−128)。ブタを通常のワクチン(この内の一つがC−株である)で予防接種することの主な欠点は、予防接種を施したそれらのブタが、CSFVの牧草地に見られる株に感染したブタと血清学的に区別できなくなることである。しかしながらこのC−株は、最も効果的かつ安全な生ワクチンの内の一つと考えられている。C−株への(血清学的)マーカーの添加は非常に有利でありかつそのワクチンを改善するものと思われる。
CSFVは、フラビビリダエ(Flaviviridae)の内のペスティウイルス(Pestivirus)属のメンバーである(Francki,R.I.B.et al,、1991、Flavividae、p.223−233. In Fifth report of the International Committee on Taxonomy of Viruses.Archiv.Virol.Suppl. 2、Springer Verlag、Vienna)。CSFVに、構造的、抗原性的、および遺伝子的に密接に関連するペスティウイルス(Pestivirus)属の他の2つのメンバーは、主にウシを冒すウシウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)および主にヒツジを冒すボーダー病ウイルス(BDV)である(Moenning and Plagemann、1992.Adv.Virus Res. 41:53−98;Moormann et al.、1990. Virology 177:184−198;Becher et al. 1994.Virology 198:542−551)。
ペスチウイルスのゲノムは、約12.5kbの正の鎖のRNA分子でできている(Renard et al. 1985. DNA 4:429−438;Moormann and Hulst 1988. Virus Res.11:281−291;Becher et al.1994. Virology 198:542−551)。しかしながら数々の非細胞変性性BVDV株の正の鎖のRNAゲノムはかなり巨大であったりもする(Meyers et al. 1991. Virology 180:602−616;Meyers et al,1992.Virology 191:368−386:Qi et al. 1992. Virology 189:285−292)。
正の鎖のRNAゲノムを有するウイルス固有の特徴は、それらのゲノムRNAが感染性を示すことであり、すなわちウイルス複製を支持する細胞内へのこのRNAのトランスフェクションの後には感染性ウイルスが産生されるということである。予測されるとうり、ペスチウイルスのゲノム(ウイルス性)RNAもやはり感染性を示す(Moenning and Plagemann、1992、Adv.Virus Res. 41:53−98)。
ここ数年間の組換えDNA技法は、クローン化されたDNAのインビトロ転写を可能にした。この可能性により正の鎖のRNAウイルスのゲノムのDNAコピーからインビトロで感染性RNAを合成するための方法が開発されている。分子工学の分野では、DNAはRNAとは対照的に、部位特異的突然変異誘発により操作することが容易なことが熟知されている。従って、合成感染性RNAにより、例えばその正の鎖のRNAウイルスの複製、菌力、病因、RNA組換え、ベクターの開発、および抗ウイルス的攻略法についての研究が著しい飛躍を見せた。しかしながらこの技術の適用により深刻な問題が引き起こされることがある。これらの問題の特徴が、BoyerおよびHaenni、1994(Virology 198:415−426)による最近の総説に記載されている。実際のところ、正の鎖のRNAウイルスのゲノムの全長DNAコピーを構築すること、およびそのような全長DNAコピーから合成感染性RNAを作製することの可否を確実に予測することはできないのである。
発明の要約
本発明は、配列番号1に記載されるCSFV C−株のヌクレオチド配列の一部、またはそのようなヌクレオチド配列の相補物もしくはRNA等価物、またはそれらの突然変異体の少なくとも一部分を含むCSFVゲノムに相当するヌクレオチド配列を提供する。異なるヌクレオチドを有するが、同一のアミノ酸をコードする縮重ヌクレオチド配列も提供される。本発明は更に、それらのヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドおよびワクチン株(そのワクチン株のゲノムはそのようなヌクレオチド配列を含む、特にCSFV C−株のゲノムの全長DNAコピーの転写物に基づく組換えウイルス株)をも包含する。
先に示される部分的ヌクレオチド配列、特に、そのウイルスゲノムの構造性領域、すなわち配列番号1に記載される配列の内のアミノ酸1−1063をコードするヌクレオチド配列内にある突然変異を含む部分的ヌクレオチド配列も有用である。この突然変異は、他のペスチウイルス株のゲノムの対応部分による置換、ゲノムもしくはアミノ酸の内の一つの置換または欠失であることがある。この突然変異は更に、CSFVヌクレオチド配列の翻訳様式を変化させるか、もしくはCSFVヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドのプロセシングを変化させる挿入もしくは置換された異種ヌクレオチド配列であってもよい。それに加え、その突然変異は他の病原体に対する免疫を誘導するポリペプチドをコードする挿入もしくは置換された異種ヌクレオチド配列であってもよく;この場合、CSFV配列は異種免疫原のためのベクターとして用いられる。
本発明は更に、一般的にはペスチウイルスゲノムのヌクレオチド配列、またはその部分もしくは突然変異体(この配列はE1蛋白質の小領域、すなわち配列番号1に示される配列の内のアミノ酸691−750もしくは785−870に対応するアミノ酸をコードするヌクレオチド配列内に一つの突然変異を含む)、ならびにそれらのヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドにも関する。これらのポリペプチドは、ペスチウイルスの牧草地に見られる株に感染した動物と予防接種を施した動物との間を認識する診断を可能にするというような方法で、ペスチウイルス感染から動物を保護するのに特に有用である。
それに加え本発明は、先に示されるヌクレオチド配列、ポリペプチド、もしくはワクチン株を含むワクチン、ならびに先に記載されるヌクレオチド配列もしくはポリペプチドを含む診断用組成物、またはそのようなポリペプチドに対して作製された抗体にも関する。
本発明は更に、ペスチウイルス感染の診断用の方法と手段、特に感染した動物と予防接種を施した動物との間を認識するような手段および方法に関する。
本発明は更に、免疫アッセイにおいて抗体もしくは抗原のような検査用物質を、特異的結合性検査により決定するための方法を提供し、この方法では、固定化された形態をとる特異的結合性対照用物質およびラベル化された形態をとる同一の特異的結合性対照用物質が用いられる。
発明の詳細な記述
本発明は、CSFVの「チャイニーズ(Chinese)」株(C−株;欧州特許出願公開第351901号)のRNAゲノムの完全なcDNA配列を提供する。このことにより、この配列の全長DNAコピーの構築が可能となり、そのDNAコピーの合成RNAを転写させることができ、その合成RNAは適切な細胞(例えば、SK6−M細胞(Kasza,L. et al.1972、Res.Vet.Sci.、13:46−51;欧州特許出願公開第351901号)内へのトランスフェクションの後には感染性C−株ウイルスの合成を生じる。改変されたC−株ワクチン(例えば、(血清学的)マーカーを含むワクチン)の開発についてのこの知見の使用が記載される。本発明は一つのCSFV株について説明されるが、本発明は、他のペスチウイルスとCSFV C−株との間で特異的ゲノムセグメントを交換することによるか(これは以下に記載される)、もしくは他のペスチウイルスの「感染性」DNAコピーを構築することにより他のペスチウイルスについても適用可能かつ有用である。
C−株のゲノムRNAのDNAコピーのヌクレオチド配列が配列番号1に記載される。本文中に記載される番号は全てこの配列に関し、そして他のペスチウイルスの配列では若干の差異を生じることがある。このヌクレオチド配列は長さが12,311ヌクレオチドであり、かつ3,898のアミノ酸のポリ蛋白質をコードする11,694のヌクレオチドからなる一つの巨大な読み取り枠(ORF)を含む。このORFのサイズはCSFV株Brescia(Moormann et al.、1990、Virology 177:184−198)およびAlfort(Meyers et al.、1989、Virology 171:555−567)のゲノムのものと同一である。
このORFはヌクレオチドの位置374〜376のATGで開始し、そしてヌクレオチドの位置12,068〜12,070のTGAコドンで停止する。このORFの前方に存在する5’非コーディング領域は長さ373ヌクレオチドである。この配列は、株Brescia、Alfort、およびCとの間では高度に保存されており(図2)、かつこの領域の予想される二次構造は、他のフラビビリダエ(Flaviviridae)のメンバーであるC型肝炎ウイルス(Brown et al.、1992、Nucleic Acids Res. 20:5041−5045)の5’非コーディング領域のものに類似する。C型肝炎ウイルスの5’非コーディング領域は内部リポソームエントリー部位を含むことが既に示されている(Tsukiyama−Kohara et al.、1992、J.Virol. 66:1467−1483)。このような部位は重要な調節機能を有する(Agol、1991、Adv.Virus.Res. 40:103−180)。C型肝炎ウイルスとの類似性により、CSFVの5’−非コーディング領域が内部リボソームエントリー部位をも含むことが示され、この部位は重要な調節因子として、おおまかに言うと配列番号1の配列の内のヌクレオシド124と374との間に位置する。この内部リボソームエントリー部位は、そのウイルスを弱毒化させる目的での突然変異のため、ならびにORFの翻訳様式を変化させるための部位として用いられることがある。
ペスチウイルスの複製を調節する第二の重要領域は3’非コーディング領域である。株BresciaおよびAlfortの配列とC−株配列とを整列させた際に、このC−株に独特な13ヌクレオチドの配列がその領域内に見いだされた(図2B)。この独特な配列TTTTCTTTTTTTTは、配列番号1の配列の内のヌクレオチドの位置12,128〜12,140に位置する。株BresciaおよびAlfortの配列と比較した際にはC−株の配列内には一列に並んだ2つを上回るヌクレオチドの挿入のみが観察される。残りの部分に関しては、3つのCSFV株の3’非コーディング領域における配列は相同性が高い。この領域内での各配列間の総体的相同性は、CSFV株とBVDV株とを比較する際には低下する。それにも拘わらず、C−株のTTTTCTTTTTTTT配列はBVDVの3’非コーディング領域の配列中には非存在であることが明らかになっている。従って、このTTTTCTTTTTTTTはC−株のゲノムに特異的であるように思われ、かっこの配列はC−株特異的配列のために秀でたマーカーを提供するであろう。この配列を、C−株特異的ペスチウイルスを同定するためにはヌクレオチドプローブのための基盤、および配列決定のための基盤として用いることができる。従って、3’非コーディング領域内(C−株内と同一の位置である必要はない)にこの配列を有する全ペスチウイルス株はC−株に関連するものと考えられ、かつ本発明の部分ともなる。
ペスチウイルスのゲノムのDNAコピーの転写物の感染性についての厳密なパラメーターはアミノ酸配列である。この点では、一般的にはRNAウイルス、そして具体的にはペスチウイルスのクローニングおよび配列決定に関する2つの側面を考慮する必要がある。第一には正の鎖のRNAウイルスのゲノムの突然変異頻度は高く(複製中約1/104ヌクレオチド)、そしてそのため保存物に含まれるウイルス性RNAに関してはウイルスもしくはウイルス性RNA調製物の保存物がクローンであるものは、これまでには全く存在しない。これらのRNA分子の中でも、非感染性である分子が存在することがある。この現象が巨大読み取り枠内での早発性な停止コドンにより生じる場合には、この現象の認識は容易であろう。ウイルス酵素の活性部位もしくは蛋白質の既知の構造に影響を及ぼす突然変異も認識されるであろう。しかしながらアミノ酸配列と、ある蛋白質の機能および構造との間の関連が未知である場合には(ほとんどのペスチウイルスがこの事例に相当する)、どのアミノ酸が変化を生じているか、およびどのアミノ酸がそうではないのかを予想することは不可能となる。第二に、cDNA合成中に突然変異が導入されてしまうことがある。そのため、C−株のゲノムのクローン化および配列決定を独立に二度行った。配列間で不一致を示す領域については少なくとも3回のクローン化および配列決定を実施した(図1と比較されたい)。特別な部位で2度の一致を示した配列をその位置についての正しい配列とみなした。C−株のゲノムのDNAコピーの感染性転写物の作製のためのこの研究法にとっての必須事項は、以下の所見により示される。全長DNAコピーであるpPRKflc−113を第二周期目のクローニングおよび配列決定の後に作製したが(図3)、これは非感染性であるように思われる。第一および第二周期目のcDNAクローンの配列間に不整合を示す領域のクローニングおよび配列決定後には、第二周期目のcDNAクローンの全長コピーおよび正しいとみなされるC−株の配列中に違いを示す5つのアミノ酸が存在するように思われる。pPRKflc−133中のこれらの5つのアミノ酸の修正後には感染性転写物を作製するクローンpPRKflc−113が取得された(図4)。この5つの相違点はアミノ酸の位置1414(Val→Ala);2718(Gly→Asp);2877(Val→Met);3228(Leu→Met);3278(Tyr→Glu)に存在する。非感染性であるcDNA配列によりこれらの位置でコードされるアミノ酸が矢印の前に示されており、感染性を示すコピー中のこれらの位置でのアミノ酸が矢印の後に示されている(配列番号1)。各アミノ酸変化が個々にC−株DNAコピーの感染性を破壊するかどうかについては、それら5つのアミノ酸の各々について個々の突然変異を有する転写物の感染性を分析することによる決定を行う必要があるであろう。しかしながらこの所見により、アミノ酸配列中のささいな差異がC−株のゲノムのDNAコピーの転写物の感染性にとっては重要であることがあるということが示される。この所見によっては更に、未確認のままとされてしまうことがある配列中のささいな違い(たとえ一つのアミノ酸レベルであったとしても)のため、ペスチウイルスの配列のコピーの感染性転写物を調製することは実際には不可能であるものとみなせる可能性があることが示される。
(マーカー)ワクチン開発に適するC−株由来の突然変異体は本発明の一部である。それらは配列番号1に記載されるヌクレオチド配列中に、欠失、挿入(複数)、ヌクレオチド突然変異のような突然変異、ならびに他のペスチウイルス株を起源とする挿入および/または交換されたゲノム断片を含むことがある。
C−株の配列を、突然変異および/または交換に適する4つの領域に分割することができる。領域1は、ヌクレオチド1〜373に連なる5’非コーディング配列である。領域2は構造蛋白質Npro−C−E2−E3−E1をコードし、かつヌクレオチド374〜3563に連なる。領域3は非構造性蛋白質をコードし、かつヌクレオチド3564〜12068に連なる。領域4はヌクレオチド12069〜12311に連なる3’非コーディング配列である。
C−株マーカーワクチンを作製するのに特に適する一つの領域は、構造蛋白質Npro−C−E2−E3−E1をコードするゲノム領域を含む。この領域は配列番号1の配列中のアミノ酸1と1063との間に位置する。ゲノムのこの部分の好ましい小領域は以下のアミノ酸配列 1〜168(Npro)、169〜267(C)、268〜494(E2)、495〜689(E3)、および690〜1063(E1)、もしくはそれらの部分により特定される。一例としては、C−株のE1(これはアミノ酸690〜877に連なる)をコードする領域のN−末端抗原性部分を、株BresciaのE1の対応領域と交換した(図4、pPRKflc−h6)。この新規に作製されたC−株誘導体は感染性を示し、かつ野生型株および株Bresciaから、C−株およびBrescia特異的モノクローナル抗体(これらはE1およびE2に対するものである)との反応を通して識別することができ:一例としては、得られるC−株を、株BresciaのE1に特異的なモノクローナル抗体特異的と反応させる(表1)。従ってこの新規の突然変異体の抗原性特性は親ウイルスに関して既に変化させられており、C−株のE1のN−末端側半分の、他のCSFV株のものとの交換がC−株マーカーワクチンの開発への一つの研究法であることが示される。しかしながら本発明は、C−株と他のCSFV株との間のE1のN−末端側半分の交換に限定されることはない。いずれかの他のペスチウイルス株からのE1のN−末端側半分が、C−株のE1の対応部分(複数)と交換されることがある。この点では、ブタから単離されるが、ただしC−株以外の抗原群に属するペスチウイルス株のE1配列が特に適する。交差中和性を基に選択されたこのような株の例には、株「Van EE」、「Stam」、「SF UK 87]、「Wisman」、および「5250」が含まれる(Wensvoort et al.、1989、Vet.Microbiol. 20:291−306;Wensvoort、1992. In:Report on meeting of national swine laboratories within the European Community. 16−17 june 1992. VI/4059/92−EN(PVET/EN/1479)1992、p59−62)。
E1のN−末端側半分は3つの異なる抗原ドメインA、B、およびCを含み、それらはE1蛋白質の異なる部分に位置し、そして各抗原は中和用モノクローナル抗体と強固に反応することが既に示されている(Wensvoort、1989、J.Gen.Virol. 70:2865−2876;Van Rijn et al.、1992、Vet.Mocrobiol. 33:221−230;Van Riji et al.、1993、J.Gen.Virol.、74:2053−2060)。検査に供した94のCSFV株中で保存されるエピトープはドメインAであるとマッピングにより決定された一方で、ドメインBおよびCのエピトープは非保存的である(Wensvoort、1989、J.Gen.Virol. 70:2865−2876)。エピトープの、株BresciaおよびCのE1遺伝子のハイブリッド(Van Riji et al.、1992、Vet.Microbiol. 33:221−230)、ならびに株BresciaのE1の欠損突然変異体を用いてのマッピングにより、ドメインAおよびB+CはE1のN−末端側半分中に2つの異なる抗原単位を形成することが示唆される(Van Riji et al.、1993、J.Gen.Virol. 74:2053−2060)。この示唆は更に、E1のN−末端側半分中の位置693、737、792、818、828、および856に存在する6つのシステインがE1の正確な折り畳み構造にとって重要であるという知見によっても支持された。しかしながら少なくともCys792は株Bresciaの感染性にとっては重要ではなく、それはこのウイルスのモノクローナル抗体耐性突然変異体がこの位置ではCys→Arg突然変異を伴って単離されたためである(Van Raji et al.、1993、Presentation and abstract at the 9th International Congress of Virology、8−13 August、Glasgow、Scotland)。
アミノ酸配列中の僅かな変化がC−株のRNAの感染性を破棄してしまうことがある一方で(実施例2を参照されたい)、位置792でのシステイン変化は、ある位置でのアミノ酸変化(これは機能の喪失を伴わない改変に適するとは予測しがたい)が依然として生存可能なウイルス突然変異体を生じることがあることを示す。従って、このウイルスの性質における特別なアミノ酸変化の効果を、経験に基づき株Cの配列中の各アミノ酸について決定する必要があるであろう。このことにより再度、C−株の改変にとっての明白な標的配列(例えば、マーカーワクチン開発のためのもの)はこれまでに公開されている情報に基づいてでは全く同定できないことが示される。
C−株マーカーワクチンの開発にとっての必須事項は、予防接種を施したブタとVSFVの牧草地に見られる株に感染したブタとの間を血清学的に識別する可能性である。E1もしくは免疫親和性的に精製されたE1を発現する生の弱毒化仮性狂犬病ウイルスベクターはバキュロウイルスベクターを用いると昆虫細胞内で発現されるが、この生の弱毒化仮性狂犬病ウイルスベクターはブタにおいて、ブタペストに対する防御免疫応答を誘導することが既に示されている(国際公開第91/00352号;Van Zijl et al.、1991、J.Virol. 65:2761−2765;Hulst et al.、1993、J.Virol. 67:5435−5442)。驚くべきことに、欠失を生じたAドメインもしくは欠失を生じたB+Cドメインを有するE1の突然変異体(図5)もやはりブタにおいて、ブタペストに対する防御免疫応答を誘導することが見いだされた(表2)。このことにより、このワクチン株により誘導された防御免疫は、ドメインAおよびB+Cの両方に対する中和用抗体には依存しないことが示される。従って、他のペスチウイルス、好ましくはブタから単離されたC−株とは異なる抗原群に所属するペスチウイルス(しかしこれにのみ限定されるわけではない)の対応部分(例としては上記を参照されたい)を用いてAドメインのみ、またはB+Cドメインのみ、またはその複数部分に変化もしくは突然変異させてあるペスチウイルス株突然変異体も、本発明の部分である。ドメインAを含みかつ交換もしくは突然変異に適するE1の領域は、アミノ酸785と870との間に位置する。この領域の内の複数部分が適切に交換もしくは突然変異される小領域(例えば、アミノ酸785と830との間、およびアミノ酸829と870との間に位置する小領域)であることもある。ドメインB+Cを含みかつ交換もしくは突然変異に適するE1の領域は、アミノ酸691と750との間に位置する。この領域の内の複数部分も適切に交換もしくは突然変異される小領域(例えば、アミノ酸691と718との間、およびアミノ酸717と750との間に位置する小領域)であることもある。
ペスチウイルスに感染した動物はE2に対する抗体を産生する(Kwang et al.、1992. Vet.Microbiol. 32:281−292;Wensvoort、非公開所見)。従って、突然変異(欠失、挿入、点突然変異)、または対応する遺伝子物質の抗原的に異なるペスチウイルスもしくは異なる抗原性群に属するペスチウイルスでの交換を介する(マーカー)ワクチン開発に適する第二領域は、E2をコードする領域である。
C−株は異種遺伝子物質(配列)の挿入および発現のためのベクターとして用いられることがある。ベクターの開発のためには、このC−株内に挿入された異種遺伝子物質が、巨大ORFの翻訳方法およびこのORFによりコードされるポリ蛋白質のプロセシングを変化させるように作用する。巨大ORFの翻訳方法を変化させるのに適する配列の例は、内部リボソームエントリー部位(Internal Ribosome Entry Site)(IRES)を特定する配列である(Duke et al.、1992、J.Voirol. 66:1602−1609、およびそこに含まれる引用文献)。ポリ蛋白質のプロセシングを変化させるのに適する配列の例は、小胞体の膜を横切って細胞から輸出されるかもしくは膜内に挿入される蛋白質の移送の原因となるシグナル配列である(Blobel、1980、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A. 77:1496−1500;Kreil、1981、Annu.Rev.Biochem. 50:317−348)。シグナル配列は細胞性シグナルペプチダーゼにより開裂される。しかしながら、ウイルス性プロテアーゼの開裂部位をコードする配列が同様に、そのポリ蛋白質のプロセシングを変化させるのに用いられることがある。
C−株ベクター内に挿入され、かつその株により発現される配列が予防接種を施されたブタを同定するためのマーカーとして用いられることがあるか、あるいは挿入された異種配列の起源である病原体からブタを防御するのに用いられることがある。マーカー配列は恐らくは抗原性が高くかつ微生物に所属しながらも、ブタ内では複製することはないであろう。それらは既知の完全な遺伝子産物(例えば、カプシドもしくは包膜蛋白質)、またはそれらの遺伝子産物の抗原性部分(例えば、エピトープ)をコードすることがある。ウイルスを起源とする好ましいマーカー配列は以下の科に属する:アデノビリダエ(Adenoviridae)、アレナビリダエ(Arenaviridae)、アルテリビリダエ(Arteriviridae)、ブニアビリダエ(Bunyaviridae)、カリキビリダエ(Caliciviridae)、キルコビリダエ(Circoviridae)、コロナビリダエ(Coronaviridae)、フラビビリダエ(Flaviviridae)、ヘパドナビリダエ(Hepadnaviridae)、ヘルペスビリダエ(Herpesviridae)、オルソミクソビリダエ(Orthomyxoviridae)、パラミクソビリダエ(Paramyxobiridae)、パポバビリダエ(Papovaviridae)、ラブドビリダエ(Rhabdoviridae)、パルボビリダエ(Parvoviridae)、ポキシビリダエ(Poxviridae)、ピコルナビリダエ(Picornaviridae)、レオビリダエ(Reoviridae)、レトロビリダエ(Retroviridae)、およびトガビリダエ(Togaviridae)。しかしながら、マーカー配列が更に、天然の状態では通常は出現することのない人工抗原、または例えば大腸菌(Escherichia coli)のβ−ガラクトシダーゼ、ドロソフィラ(Drosophila)のアルコールデヒドロゲナーゼ、ヒト胎盤のアルカリ性ホスファターゼ、ホタルのルシフェラーゼ、およびクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼのような組織化学的マーカーをもコードすることがある。
異種遺伝子物質はその異種遺伝子物質に対応する病原体により引き起こされる疾患に対する防御免疫を誘導する一つもしくは複数の蛋白質をコードするが、その異種遺伝子物質は、先に特定される株、ブタのパルボウイルス、ブタの呼吸性コロナウイルス、伝染性胃腸炎ウイルス、ブタの生殖性および呼吸性症候群ウイルス(レイリースタッド(Lelystad)ウイルス、欧州特許第92200781.0号)、オージェツキー(Aujeszky’s)病ウイルス(仮性狂犬病ウイルス)、ブタの風土性下痢症ウイルス、およびブタのインフルエンザウイルス、ならびに細菌(例えば、パステウレラ ムルトキダ(Pasteurella multocida)、ボルデテラ ブロンキセプティカ(Bordetella bronchiseptica)、アクチノバキルス プレウロプネウモニアエ(Actinobacillus pleuropneumoniae)、ストレプトコックス スイス(Streptococcus suis)、トレポネマ ヒオディセンテリァ(Treponema hyodysenteria)、エスケリキア コリ(Escherichia coli)(大腸菌)、レプトスピラ(Leptospira))、ならびにマイコプラズマ(例えば、M.ハイポプネウモニアエ(M. hypopneumoniae)およびM.リオリニス(M. lyorhinis))の配列を初めとする他のペスチウイルス株に由来することがある。
C−株中の異種配列の挿入に適する部位(しかしこれらのみばかりではない)は、アミノ酸残基170と171との間、残基690と691との間、および残基691と692との間に位置し、かつ配列番号1に示される。
本発明は更に、マーカーワクチン、または(突然変異を生じている)E1および/もしくは(突然変異を生じている)E2を含むサブユニットワクチンでの予防接種を施したブタと、ペスチウイルスの牧草地に見られる株に感染したブタとの間を識別するのに用いることができる診断検査も含む。このような識別用診断検査の適切な形態が実施例4および5に記載されている。通常の非識別的CSFV ELISA検査では、E1は、Wensvoortら、1988(Vet.Microbiol. 17:129−140)により記載される複合体捕捉的遮断性(CTB)ELISAにおける抗原として用いられる。従来の技術であるこのCTB−ELISAは液相遮断的(Liquid Phase Blocking)ELISAもしくは二重抗体サンドイッチELISAとも称され、CSFV株Bresciaに対して作製された2つのモノクローナル抗体(Mab)を用いる。Mab b3についてのエピトープはドメインA内に存在し、このエピトープはCSFV株中では保存される一方で、Mab b8のエピトープはドメインC内に位置し、こちらのエピトープは非保存的である(Wensvoort、1989、J.Gen.Virol. 70:2865−2876)。先のCTB−ELISAは感受性および信頼性が高く、かつペスチウイルスに感染したブタにおけるCSFV特異的抗体を検出する。従って、この検査はCSFV株に感染したブタと、例えばBVDVに感染したブタとの間を認識する。しかしながら、この検査はCSFVの牧草地に見られる株に感染したブタとC−株ワクチンでの予防接種を施されたブタとの間を認識することはない。この検査は更に、E1サブユニットワクチン(生ワクチンもしくは死滅化ワクチンのいかんにかかわらず)と共に用いるのには適さない。
本発明に従うある検査は、唯一のMAb(例えば、MAb b3)のみに基づく改変CTB−ELISAである。このようなCTB−ELISAは、ELISAプレートの表面への抗原の結合ならびに牧草地に見られる株に感染した動物血清との競合反応のために用いられる唯一つのMAbにのみ基づくものであり、このようなCTB−ELISAは未だに記載がなされてはおらず、かつ本発明の本質部分である。ここでこの検査の原理が記載されれば、他の抗体(これには、他のウイルスもしくは他の疾患に対する抗体、またはヒトもしくは動物の身体の他の症状の指標となる抗体が含まれる)の検出のための診断用キットの開発に有用となるようにこの原理を適用することができる。従ってこの知見は、全てのCTB−ELISAもしくはCTB−ELISAと同一の原理に基づくELISA(複数)にとって有用であり、これらのELISAは単一のMabならびに二量体形成もしくは多量体形成を生じた抗原に基づいて開発される。特許請求される検査方法は、特異的な結合相手分子同士(例えば、活性化因子/レセプター、および酵素/インヒビターなど)の他のメンバーの決定にも適用可能であり、この場合、これらの相手の内の一方は少なくとも2つの同一な結合部位を有する。
従って、本発明は、ある試料中で、ある結合相手(例えば、抗原)の結合部位と特異的に結合することが可能な検査用物質(例えば、抗体)の存在を、前記結合相手の同一の結合部位と特異的に結合することが可能な対照用物質(抗体)の測定可能量との前記検査用物質の競合により検出する方法を含み、この方法は、
(1)前記試料を、(a)固体担体に結合させた前記対照用物質(抗体)、(b)前記対照用物質の結合相手(抗原)(前記結合相手分子は前記対照用物質のための少なくとも2つの同一な結合部位を含む)、および(c)ラベルを備えた前記対照用物質(抗体)、と接触させ;
(2)前記担体からの前記ラベルの分離の度合いを測定することを含む。一例としては、前記対照用物質(抗体)への前記結合相手(抗原)(これは、少なくとも2つの同一な結合部位を含む)は、前記対照用物質に対する結合相手(抗原)の二量体である。
同一原理を使用すると、本発明は、ある試料中で、分子当たり少なくとも2つの同一な結合部位(これは結合相手(抗体)との特異的結合のためのものである)を有する検査用物質(抗原)の存在を検出する方法をも含み、この方法は、
(1)前記試料を、(a)固体担体に結合させた前記結合相手(抗体)、および(b)ラベルを備えた前記結合相手(抗体)、と接触させ;
(2)前記担体に対する前記ラベルの結合の度合いを測定することを含む。
これらの方法では、抗体および抗原は例としてのみ引用されるに過ぎず;それらは他の特異的結合相手分子により置換されることがある。
更に、(a)前記固体担体に結合される対照用モノクローナル抗体、(b)ラベルが提供されている前記対照用モノクローナル抗体;および場合によっては(c)前記対照用抗体のための少なくとも2つの同一な結合部位を含む前記対照用抗体に対する抗原;あるいは前記構成成分(a)および/または(b)と(c)との間の複合体;ならびに競合性免疫学的アッセイを実施するための更に別の構成成分を含む診断用キットも提供される。
この方法は、E1の一つもしくは複数のエピトープ(例えば、ドメインA)に一つの欠失を有するE1サブユニットワクチと共に用いる識別的診断用検査として適切である。この検査は更に、Aドメインが既に突然変異を受けており、そのためそのような突然変異を受けたAドメインに対して誘導された抗体が、Mab b3のエピトープについてはMab b3とは競合しないE1サブユニット共に用いるのにも適する。それに加え、この検査は、ドメインAに一つの欠失を有するか、例えばCSFV(先を参照されたい)とは異なる抗原群に属するペスチウイルスのものと既に交換されているドメインAを有するか、あるいはそのドメインに対する抗体がMab b3のエピトープについてMab b3とは競合することがないように既に突然変異を施してあるドメインAを有する改変されたC−株もしくは他のCSFV株のワクチンと共に用いるのに適する。この検査はE1のドメインAについて記載および例示されているが、Mab b8にのみ基づく類似の検査を、ドメインB+CもしくはドメインC内に一つの欠失を有するか、CSFV(先を参照されたい)とは異なる抗原群に属するペスチウイルスのもので予め交換されているドメインB+CもしくはドメインCを有するか、あるいはそれらのドメインに対して作製された抗体がMab b8のエピトープについてMab b8と競合することのないように予め突然変異を生じさせてあるドメインB+CもしくはドメインCを有するワクチンと共に用いることができる。この検査は株BresciaのMab b3もしくはMab b8と共に用いて説明されている。しかしながらこの検査は、株BresciaのE1のドメインAもしくはドメインB+Cに対して作製されたか、あるいはいずれかの他のCSFV株のドメインAもしくはドメインB+Cに対して作製された他のMab(複数)ばかりでなく、いずれかの他のペスチウイルスのE1内の類似ドメインに対するMab(複数)をも用いて有用なものとして設計されることがある。この検査は更に、E2のエピトープにも基づくことがある(実施例5を参照されたい)。本発明に従う(改変された)CTB−ELISAに適する抗原は、Mab b3もしくはMab b8、またはE2エピトープに対して作製された類似のMab(複数)と反応するCSFV株のE1(プラスもしくはマイナス3’−TMR)あるいはE2(実施例5を参照されたい)の二量体もしくは多量体であることが好ましい。突然変異を生じさせてあるAドメインを有するワクチンの場合には、診断用検査に用いられる抗原の二量体もしくは多量体は、欠失B+C構築物により合成されることがあるし(実施例5を参照されたい)、あるいは突然変異を生じさせてあるB+Cドメインを有するワクチンの場合には、その診断用検査に用いられる抗原の二量体もしくは多量体は、欠失A構築物により合成されることがある(構築物に関しては図5と比較されたい;実施例4および5と比較されたい)。E1抗原の二量体(もしくは多量体)形成形態は、E1のC−末端部分内のシステイン残基により形成されるジスルフィド架橋に基づくものと考えられている。このことにより非常に感度の高い免疫アッセイが可能となるが、それは二量体を形成した抗原分子が一つのMabのエピトープの2コピー分を含むためである。従って、この一つのMabを、二量体形成を生じている抗原を一つのエピトープを介して固定化させるため、および二量体形成を生じている抗原を他のエピトープを介してラベル化するのに用いることができる。牧草地に見られる株での感染の結果として生じる試料血清抗体による競合は、ラベル化された抗体の抗原に対する結合を阻害し、そしてそのためそのような抗体の存在にとっては感受性の高い検査をもたらすことになる。本発明は更に、本方法に基づく診断用キットにも関し、そのようなキットはE1−もしくはE2−を基にする抗原、ならびに(酵素)でラベルされかつ固定化された同一の種類の抗体(これはE1もしくはE2エピトープに対するものである)、ならびに競合性タイプの免疫アッセイを実施するための更に別の通常の構成成分(プレート、賦形剤、酵素基質、着色料など)を含む。
本発明に従うワクチンは、先に記載されるヌクレオチド配列か(これは、そのもの自体としてか、またはワクチン株としてか、またはベクターもしくは宿主生物体内のいずれかで用いられる)、あるいは先に記載されるポリペプチドを、ペスチウイルス感染に対する防御を提供するのに有用な量で含む。このワクチンは更に、他の免疫原もしくはそれらをコードするヌクレオチドを含む多目的ワクチンであることもできる。これらのワクチンは更に、通常の担体、アジュバント、可溶化剤、乳化剤、保存料などを含むこともできる。本発明に従うワクチンは、通常の方法により調製することができる。
CSFV株、すなわちC−株のゲノムの全長DNAコピーの感染性転写物の産生のための本発明の方法は、取得されるいずれかの他のC−株もしくはペスチウイルス株に有用である。生の弱毒化CSFVワクチン株について本明細書に記載される方法を、ワクチン目的のための、C−株もしくは他のいずれかのCSFVもしくはペスチウイルス株をインビトロで弱毒化(改変)させるのに非常に都合よく適用させることがある。
本発明に従うC−株ワクチンにより、予防接種を施したブタとCSFVの牧草地に見られる株に感染したブタとの間の血清学的識別が可能となる。いずれかの他のCSFV−株もしくはペスチウイルス株のマーカーワクチンが、本発明の方法を用いて同様に首尾よく取得されることがある。このようなマーカーワクチンは、例えばE1、またはE1のN−末端側半分、またはE1のドメインAもしくはB+Cをコードする領域、あるいはC−株のE2をコードする領域、またはC−株由来であるかもしくは他のペスチウイルス株のゲノム内の類似領域に突然変異(欠失、点突然変異、挿入)を生じさせることか、そうでなければそれらの領域を抗原的に異なるペスチウイルスか、または異なる抗原群に属するペスチウイルスの対応領域と交換することにより開発されることがある。
C−株マーカーワクチンの開発のための別の研究法は、そのゲノムに、ブタ内では複製することがない微生物か、あるいは人工的性質でありかつブタでは通常は生じることがない抗原性の高い蛋白質もしくはエピトープ(複数)を発現する異種遺伝子物質を添加することである。
それに加え、そのような異種遺伝子物質は、ブタにとっての微生物性病原体により引き起こされる疾患に対する防御免疫を誘導する抗原をコードすることがある。従って、C−株もしくはC−株に由来する株、または何であれ他のペスチウイルス株の、宿主生物体(この宿主生物体は哺乳類である)における特別な疾患に対する防御を含む異種抗原の発現のためのベクターとしての適用も、本発明の部分である。異種配列を発現する組換えC−株ウイルスの構築法およびそれらの異種配列の挿入に適する部位は先に記載される。類似の組換えウイルスを、C−株由来のウイルスについてか、もしくはいずれかの他のペスチウイルスについて作製することができる。従ってこれらのウイルスも、本発明の部分である。
本発明の本質的部分は、ドメインAもしくはドメインB+Cに欠失を有するサブユニットE1の免疫原性能力に関する。表2にまとめられているように、これらの突然変異体E1の両方共が、高毒性Brescia株の致死量での攻撃誘発に対してブタに防御免疫を誘導させることが可能である。CSFに対する、ドメインAおよびB+Cに複数の欠失もしくは他の突然変異を含むE1の突然変異体の死滅化サブユニットワクチンとしてか、もしくは予防接種を施した動物内のベクター系により発現される生のサブユニットワクチンとしての使用も、本発明の部分である。他の抗原性CSFV蛋白質(例えば、E2もしくはE2の突然変異形態)と共に用いられる突然変異E1も、死滅化サブユニットワクチンもしくは生のサブユニットワクチンとして適切である(先を参照されたい)。
本発明は更に、CSFVマーカーワクチンまたは(突然変異を生じている)E1および/もしくは(突然変異を生じているE2)を含むサブユニットワクチンでの予防接種を施したブタと、ペスチウイルスの牧草地に見られる株に感染したブタとの間を識別するのに用いることができる診断用検査をも含む。このような診断用検査は、血清学、抗原検出、もしくは核酸検出に基づくことがある。どの検査が所定の症例に適切であるかの選択は、中でも用いられるマーカーの特異性に依存する。血清学的診断用検査の一つの適切な形態は、実施例4に記載される改変CTB−ELISAである。本発明に従うと、単一抗体を用いるCTB−ELISAに基づくこの方法はCSFVもしくは他のペスチウイルスの状況下での使用に制約されることはなく、しかもヒトもしくは動物の分野における他の診断目的用の他の抗体の決定、ならびに他の特異的結合性物質の決定に適用可能でもある。
C−株マーカーワクチンと共に用いる適切な抗原検出用検査の例は、ブタの血液中で、ワクチン株E1ではなくCSFVの牧草地に見られる株であるE1を検出する検査である。C−株のAドメインは既に、例えば、CSFV以外の異なる抗原群に属するペスチウイルス株のものとの、このドメインの交換により改変されている場合には、このような検査はCSFVのAドメインの保存されるエピトープを認識するモノクローナル抗体に基づくことがある。
しかしながら、C−株のE2領域がマーカーワクチン開発のために改変される場合には、そのようなワクチンを伴う血清学的もしくは抗原的診断用検査により、その改変されたE2領域に関連して、予防接種を施した動物と、感染を受けた動物との間の差異が検出される。従って、このような診断用検査は、抗原としてE2特異的配列を用いる。これらのE2特異的配列は、親C−株(実施例5を参照されたい)か、C−株とは抗原的に異なるCSFV株か、もしくはCSFVとは異なる抗原群に属するペスチウイルスを起源とすることがある。しかしながら、これらのE2特異的配列は、いずれかのペスチウイルスの天然のE2の突然変異(欠失(一つもしくは複数)、挿入(一つもしくは複数)、または点突然変異(一つもしくは複数))を介して取得されることもあるか、あるいはいずれかのペスチウイルスのE2の(突然変異を生じさせてある)複数部分からできていることがある。二量体E2および多量体E2が診断用検査における抗原として用いられることがある(実施例5を参照されたい)。一つのモノクローナル抗体と組み合わせて用いられるE2がCTB−ELISA検査(この原理は既に先に記載されている)において用いられることがある。E2に基づく診断用検査が実施例5に記載される。抗原検出用キットがペスチウイルスE2を検出すべきものであり、かつ一つのMabに基づく場合には、このような検査用キットはE2上の保存されるエピトープを認識する抗体を含むことが好ましい。このような検査もやはり本発明の部分である。
最後に、診断用検査は、CSFVの牧草地に見られる株の内の、ある領域(これはC−株では改変される)の特異的検出に基づくことがある。この検査に適する技術には、例えば、特異的プローブとの核酸ハイブリダイゼーション、および/または例えばポリメラーゼ連鎖反応での増幅が含まれる。別法では、C−株配列が、C−株ゲノムに独特なTTTTCTTTTTTTT配列を含む3’非コーディング領域(の一部分)のPCR増幅により、CSFVの牧草地に見られる株の配列から識別されることがある。
C−株が異種マーカー配列の挿入により改変される場合には、この配列に基づく(例えば、抗原、エピトープ(一つもしくは複数)、またはこの配列によりコードされる組織化学的産物)か、あるいは核酸ハイブリダイゼーション技術(例えば、特異的プローブ)、および/または増幅技術(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応)を介する異種遺伝子情報の検出に基づく診断用検査のいずれかの形態も、やはり本発明の部分である。
実施例1
C−株のゲノムの分子クローニングおよび配列決定
細胞および細菌 ブタの腎臓細胞(SK6−M、欧州特許出願公開第351901号)は、5%のウシ胎仔血清(FBS)および抗生物質を含むイーグル(Eagle’s)の基本培地中で生育させた。FBSは記載される要領(Moormann et al.、1990.Virology 177:184−198)で、BVDVおよびBVDV抗体の存在について検査した。BVDVおよびBVDV抗体を含まない血清のみを用いた。古典的ブタコレラウイルス(CSFV)の「チャイニーズ(Chinease)」ワクチン株(C−株)を、欧州特許出願公開第351901号に記載される要領でSK6−M細胞に適用させた。「Cedipest」と表示される株は非細胞変性性であり、そしてこれを3倍終点稀釈により生物学的にクローン化した。3回の増幅段階の後、3.5×106TCID50/mlの力価を示すクローン化されたウイルス保存物が産生された。
C−株に感染したSK−6細胞の細胞質RNAの単離
C−株に感染した細胞からの細胞内RNAは、本質的には記載される要領(Moormann et al.、1990.Virology 177:184−198)で単離した。簡潔に記載すると、162cm2のボトル(Coster社)中の単層のSK6−M細胞を、細胞当たり5 TCID50の感染多重度(m.o.i.)でのCedipestで感染させた。その後に細胞を37℃で1.5時間インキュベートし、そして新鮮な培地を40mlの最終容量になるまで添加した。7時間後に、アクチノマイシンDを、1μg/mlの最終濃度になるまで添加した。24時間後には細胞を水冷リン酸緩衝食塩水(PBS)で2度洗浄し、そして氷冷溶解緩衝液(50mM Tris−HCl pH8.2、0.14M NaCl、2mM MgCl2、5mM DTT、0.5%[v/v]NP−40、0.5%[w/v]Na−デオキシコール酸塩、および10mM バナジルリボヌクレオシド複合体(New England Biolabs社))中で溶解させた。この溶解物を遠心分離にかけ(4℃、5分間、4000g)、そしてその上清をプロテイナーゼK(250μg/ml、最終濃度)で30分間、37℃で処理し、フェノール、クロロホルム、およびイソアミルアルコール(49:49:2)で2度抽出し、次いでクロロホルムおよびイソアミルアルコール(24:1)で一回抽出した。RNAはエタノール中に保存した。
cDNAの合成および増幅
C−株に感染した細胞の1〜2μgの細胞質RNA、および20pモルの(−)センスプライマーを、1μlの10mM水酸化メチル水銀と共に10分間、室温でインキュベートした。その後には、変性させたRNAを1μlの286mM β−メルカプトエタノールと共に5分間、室温でインキュベートさせた。このRNAを、RNase Hが欠損している200〜400単位のM−MLV逆転写酵素(Promega社)を用い、45分間、42℃で、1×M−MLV逆転写酵素用緩衝液(50mM Tris−HCl pH8.3、75mM KCl、3mM MgCl2、および10mM DTT)、40UのrRNasin(Promega社)、ならびに80μMのdATP、dGTP、dCTP、およびdTTP中で逆転写させた。最終反応容積は25μlであった。この試料に30μlの鉱油(Sigma社)を重層した。
逆転写(RT)の後、この試料を10分間94℃で変性させた。各RT−反応の2.5μl部を、1μMの(+)および(−)センスプライマー、200μMの4つの各dNTP、ならびに2.5UのTaq DNAポリメラーゼ(Boehringer Mannheim社)を含む100μlのTaqポリメラーゼ緩衝液(Taqポリメラーゼの製造業者により供給されたもの)中、39周期(周期:94℃、60秒間;55℃、60秒間、および72℃、1〜2分間)のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で増幅させた。この試料に75μlの鉱油(Sigma社)を重層した。
C−株の完全なゲノムを含むcDNAのクローニング
C−株のゲノムを独立に2度クローン化した。初回のクローニング中(図1A)、第一鎖cDNA合成およびPCRのためのプライマーを、CSFV株Brescia(Moormann et al. 1990、Virology.177:184−198)とAlfort(Meyeres et al. 1989、Virology 171:555−567)との間、およびBVDV株Osloss(Renard et al.欧州特許第0208672号)とNADL(Collett et al. 1988、Virology. 165:191−199)との間の配列相同性を基に選択した。cDNA断片のサイズは至適増幅を達成する目的で0.5−2.5kbの間で選択した。ゲル精製された増幅産物をT4 DNAポリメラーゼおよびクレノウ(Klenow)DNAポリメラーゼ Iで処理し、そしてT4ポリヌクレオシドキナーゼでリン酸化させた。その後にはcDNA断片をT4リガーゼでpGEM4z−blueのSmaI部位内に連結させた。
第二周期のクローニングでは(図1B)プライマーは、第一周期のクローニング後に取得されたcDNAクローンの配列から選択した。可能な場合にはプライマーは、増幅されたcDNA断片のクローニングに適する制限部位を含んでいた。RTおよびPCR増幅(先を参照されたい)の後にはcDNA断片を2つの異なる制限酵素で切り出すか、あるいは一方の末端で平滑化およびリン酸化させ(先に記載される要領で)かつ他方の末端では適切な制限酵素で消化するか、のいずれかが行われる。PCRにより誘導される制限部位(これは、そのプライマー中に存在する)を用いることが可能ではない場合には、増幅されたcDNA断片内の一つの部位をクローニング用に選択する。ゲル精製の後にはPCR産物をゲル精製したpGEM4z−blue(Promega社)もしくはpGEM5zf(+)(Promega社)内に連結させ、制限酵素で消化させて、そのPCR産物のものに適合する末端を作製した。
C−株のゲノムの最終的な5’および3’末端を含むcDNAクローンを取得するためには我々は、3’−5’連結法(Mandl et al. 1991、Journal of Virology 65:4047−4077)を用いた。細胞質RNAを先に記載の要領で、C−株に感染した細胞から単離し、そして5.7 CsClクッションを通して更に精製した(Moormann and Hulst. 1988、Virus Res. 11:281−291)。BVDVゲノムの5’末端にはCap構造が存在しないという示差に基づき(Brock et al. 1992、J.Virol.Meth. 38:39−46)、C−株のゲノムRNAはピロホスファターゼでの前処理なしで連結させた。8μgのRNAを、50mM Tris−HCl pH8.0、10mM MgCl2、10mM DTT、20U rRNasin(Promega社)、10μl/ml BSA(RNaseを含まない)、および1mM ATPの反応混合物中、10UのT4 RNAリガーゼ(New England Biolabs社)を用いて連結させた。この混合物を4時間、37℃でインキュベートした。RNAをフェノール/クロロホルムで抽出し、エタノールで沈殿させ、ペレット化させ、そしてRNaseを含まない水中に再懸濁させた。2μl部のRNAを逆転写させ、そして先に記載の要領で増幅させた。各PCRの2μl部をネスト式プライマーセットを用いて再増幅させた。逆転写のためには、(−)センスプライマーを用いて5’非コーディング領域に対するハイブリダイゼーションを実施した。2つのPCR増幅段階については、我々は(+)センスプライマーを用いて3’非コーディング領域をハイブリダイズさせ、そして(−)センスプライマーを用いて5’非コーディング領域へのハイブリダイゼーションを行った。フェノール/クロロホルムでの抽出およびエタノール沈殿の後、PCR産物をNcoI(ネスト式PCRで用いられる(+)センスプライマー内に取り込ませてある)およびEagI(配列番号1の配列内のヌクレオチド81)で消化させ、そしてpUC21のNcoI−EagI部位内に連結させた(Vieira and Messing、1991、Gene 100:189−194)。
実施例1に用いられる全改変法およびクローニング法は、本質的には記載の要領で実施した(Sambrook et al. 1989、Molecular cloning:A Laboratory Manual. Cold Spring Harbor Laboratory、 Cold Spring Harbor、N.Y.)。制限酵素およびDNA改変用酵素は商品として購入し、そして供給社により記載される要領で使用した。プラスミドは大腸菌(Escherichia coli)株DH5α内で形質転換および維持した(Hanahan、1985、in DNA cloning 1:109−135)。
cDNAクローンの配列決定
配列決定に用いられるプラスミドDNAは、アリカリ性溶解およびLiCl沈殿によるか、あるいはCsCl遠心分離のいずれかにより抽出および精製した(Sambrook et al.1989.Molecular Cloning:A Laboratory Manual. Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、N.Y.)。T7ポリメラーゼを基にする配列決定用キット(Pharmacia社)をプラスミドDNAの直接的二本鎖配列決定のために用いた。SP6、T7、ならびに万能型pUC/M13の正方向および逆方向プライマーに加え、CSFV株Bresciaの配列を基にするオリゴヌクレオチドプライマーを用いた(Moormann et al. 1990. Virology 177:184−198)。プライマーはCyclone DNA合成機(New Brunswick Scientific社)もしくは392 DNA/RNA合成機(Applied Biosystems社)で合成した。配列反応物を、8M尿素を含む6%のアクリルアミドゲル上で分析した。配列データは、SpeedreaderハードウエアおよびPCgeneソフトウエア(Intelligenetics Inc.社、Applied Imaging Corp.社、Geneva、Switzerland)を用いるCompaq 386コンピューター、およびプログラムMacMollytetraを用いるApple Macintoshコンピューターで解析した。
TaqポリメラーゼもしくはC−株RNAの異種性により生じる配列誤差もしくは配列の差異の可能性を考慮して、C−株のcDNAクローンの全ゲノム配列は、独立したPCR反応の後に取得される最小の2つのcDNAクローンの配列決定を行うことにより決定した。2つのクローンの特別な領域のヌクレオチド配列間に差異が観察される場合には、その領域の共通ヌクレオチド配列を、更に別の独立したPCR反応の後に取得される第三のcDNAクローンの配列決定を行うことにより決定した(図1A)。
実施例2
C−株のゲノムの全長DNAコピーの感染性転写物の作製
cDNAクローンpPRKflc−113の構築 C−株のゲノムRNAの全長DNAコピーは、図3に示されるスキームに従って構築した。最初に2つのサブクローン(その内の一つ(pPRc64)はそのゲノムの5’側半分のcDNA配列(ヌクレオチド 1〜5,560)を含み、そしてもう一方(pPRc111)はそのゲノムの3’側半分のcDNA配列(ヌクレオチド 5,463〜12,311)を含む)を構築した。まず最初に全長cDNAクローンの構築を、pGEM4z−blue内で試してみた。しかしながらこのベクター内では全長挿入断片が不安定であるためこの研究法は失敗に終わった。このクローンの安定性を増加させるため、5’側半分および3’側半分のクローンの挿入断片を低コピー数のベクターpOK12の誘導体内に再クローン化させて(Vieira and Messing、1991. Gene 100:189−194)pPRc108およびpPRc123を各々取得した。この目的のためにはpOK12を、多重クローニング部位(MCS)の制限部位の大半およびT7プロモーター配列を除去することにより改変させた。得られるベクター、pPRKは更に進んだ全ての全長クローニングのために用いられたが、このベクターは依然として非反復のSpeI、NotI、EagI、BamHI、EcoRV、EcoRI、およびXbaI部位をMCS中に含む。
詳細を記載すると、全長クローンpPRKflc−113の構築は、以下の要領で進めた(図3)。プラスミドpPRc45とpPRc46との各挿入断片を、C−株の配列(配列番号1)内のヌクレオチドの位置1249に位置するHpaI部位で連結させてプラスミドpPRc49を取得した。その後にpPRc49の挿入断片を、ヌクレオチドの位置3241(配列番号1)に位置するNsiI部位でpPRc44の挿入断片と連結させてpPRc63を取得した。5’側半分のクローンであるpPRc64(配列番号1のヌクレオチド1〜5560)を、pPRc63の挿入断片を、以下の要領で、C−株のゲノムRNAの最終的5’領域の増幅(PCR)cDNA断片と連結させることにより構築した。EcoRIおよびSaiI部位、ならびにその後に続くT7 RNAポリメラーゼプロモーター配列およびC−株のゲノムRNAの最初の23ヌクレオチドを含む5’末端(+)センスプライマーを合成した。このプライマーおよび第二周期のクローニングの(−)センスプライマーを用いてcDNA断片を増幅させ、これをEcoRIおよびXhoIで消化させて、EcoRI−XhoI(配列番号1中のヌクレオチド216)消化させたpPRc63内にクローン化させた。最後に、pPRc64の挿入断片を、EcoRI−XbaI消化させたpPRK内に再度クローン化させてpRc108を取得した。
3’側半分のクローンpPRc111(配列番号1のヌクレオチド5,463〜12,311)は、4つの第二周期のクローン(pPRc67、53、58、および55)ならびに一つの第一周期のクローン(pPRc14)を連結させることにより構築した。pPRc67とpPRc53の挿入断片を、ヌクレオチドの位置7,778に位置するNheI部位で連結させてpPRc71を取得した。pPRc55とpPRc58とをヌクレオチドの位置10,387に位置するApaI部位で連結させてpPRc65を取得した。その後にpPRc65およびpPRc14の各挿入断片をヌクレオチドの位置11,717のAffII部位で連結させてpPRc73を取得した。pPRc73の挿入断片を、ヌクレオチドの位置8,675に存在するPstI部位でpPRc71の挿入断片と連結させてpPRc79を取得した。その後にpPRc79の挿入断片(これは、C−株のcDNAの完全な3’末端配列を含む)を、SrfI部位が導入されるように改変させ、消化後にはこの部位によりC−株 cDNA配列の厳密な3’末端が取得された(3’末端での厳密なランオフ転写のためのもの)。この作業を達成するために、SrfIおよびXbaI部位、ならびにC−株のゲノムRNAの3’末端配列に相補的な18ヌクレオチドを含む3’末端の(−)センスプライマーを合成した。このプライマーおよび第一周期のクローニングの(+)センスプライマーを用いてcDNA断片を増幅させた。この断片をSpeI(配列番号1のヌクレオチドの位置11,866)およびXbaIで消化させ、そしてSpeI−XbaI消化させたpPRc79内にクローン化させてpPRc111を取得した。
最終的には全長cDNAクローンpPRKflc−113は、pPRc111のC−株特異的Nco5532XbamcsNco5532Xbamcs消化させたpPRc108内に挿入することにより構築した。
全長クローンpPRKflc−133の構築
全長クローンpPRKflc−133はサイレントヌクレオチド突然変異の他にも、少なくとも第一周期のcDNAクローンの配列から決定されるアミノ酸配列と比較してみると、アミノ酸変化を生じさせることになる5つの点突然変異を有していた。pPRKflc−113中のこれら5つの点突然変異を、冒されたDNA断片と、優勢配列を含む対応DNA断片との交換を通して優勢配列(3つの内の2つ)に変化させた。
ヌクレオチドの位置4,516に点突然変異を有する5’側半分のcDNAクローンpPRc108は、pPRc108のSca108Nco5532断片をpPRc124のものと置換することにより変化させた。クローンpPRc124は、pPRc44のPvuII4485Nhe5065断片を、pPRc32の対応断片で置換することにより作製した(図1と比較されたい)。この新規の5’側半分のcDNAクローンをpPRc129と表示した。
クローニングの目的で、3’側半分のクローンを、そのベクターのSalI部位からpPRc113のC−株配列の5’部分を、ヌクレオチドの位置5,509(配列番号1)のHpaI部位まで欠失させることにより構築してpPRc123を取得した。pPRc123突然変異体では、ヌクレオチドの位置8,526、9,002、10,055、および10,205が変化を受けていなければならない。位置8,526での突然変異は2段階で復帰させた。最初にpPRc53のApa8506Psf8675断片をpPRc90のものと交換してpPRc125を取得した。第二にpPRc123のNhe7378Pst8675断片をpPRc125のものと交換してpPRc127を取得した。
位置9,002、10,055、および10,205の3つの突然変異を復帰を可能にするために、我々はまずpPRc58を、そのベクター中のFspI部位が欠失を生じるように改変させた。この目的のためには、pPRc58のEcoRImcsNdeI断片に欠失を生じさせて(pGEM4z−blue中でNdeI開裂させる)pPRc126を取得した。位置10,055および10,205での突然変異を、そのSac9975Apa10387断片をpPRc96の対応断片で置換することにより復帰させるためにプラスミドpPRc126を用いてpPRc128を取得した。位置9002での突然変異を、pPRc128のAatII−Fsp9016(pGEM4z−blue中でAafII開裂させる)をpPRc90のAafII−Fsp9016断片で置換することにより復帰させてpPRc130を取得した。最終的にはpPRc127のPst8675Apa10387断片をpPRc130の対応断片で置換させてプラスミドpPRc132を取得した。単一突然変異を変化させる全サブクローニング段階は配列決定により確認した。
pPRc133の全長クローンを、pPRc132のNco5532Xbamcs断片をNco5532Xbamcs消化させたpPRc129内に挿入することにより構築した。
ハイブリッド全長クローンpPRKflc−h6の構築
抗原的には異なるが、生存可能なC−株突然変異体をpPRKflc−133から、この構築物のE1遺伝子の部分をCSFV株Bresciaのものと交換することにより作製することができる。この目的のためには、pPRc129のNhe2443AflIII2998断片をpPEh6(van Rijn et al.、1992)の対応断片で置換することにより5’側半分のハイブリッドクローンpPRc139を取得した。ハイブリッド全長クローンpPRKflc−h6を、pPRc132のNco5532Xbamcs断片をpPRc139内に挿入することにより構築した。このクローンは今度は、非反復のBglII部位を含むCSFV−株BresciaのE1の抗原領域を含んでいた。
実施例2に用いられる全改変およびクローニング方法は本質的には記載される要領(Sambrook et al. 1989、Molecular cloning:a laboratory manual. Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、N.Y.)で実施された。制限酵素およびDNA改変用酵素は商品として購入し、そして供給社により記載される要領で使用した。プラスミドは大腸菌(Escherichia coli)株DH5α形質転換内で形質転換および維持した(Hanahan. 1985、in DNA cloning 1:109−135)。
インビトロRNA転写
インビトロ転写に用いられるプラスミドDNAは、Qiagenカラム(Westburg社)を、製造業者の条件に従って用いて精製した。XbaIもしくはSrfIでの直線化の後には、プラスミドDNAをフェノールおよびクロロホルムで抽出し、エタノールで沈殿させ、減圧乾固させ、そしてRNaseを含まない適当量の水に溶解させた。
1μgの直線化させたプラスミドDNAをインビトロ転写用の鋳型として用いた。RNAを37℃で1時間、40mM TriS−HCl pH7.5、6mM MgCl2、2mM スペルミジン(Spermidine)、10mM DTT、100U rRNasin(Promega社)、0.5mMの各ATP、GTP、CTP、UTP、および170単位のT7 RNAポリメラーゼ(Pharmacia社)を含む100μlの反応混合物中で合成させた。鋳型DNAをRNaseを含まないDNase I(Pharmacia社)での15分間、37℃下の消化により除去し、その後にフェノールおよびクロロホルムでの抽出、ならびにエタノール沈殿を実施した。このRNAを20μlのRNaseを含まないH2O中に溶解させ、そして260nmでのUV測定により定量した。
RNAトランスフェクション
RNAトランスフェクションミックスは、50μlのリポフェクチン(Gibco BRL社)の希釈液(RNaseを含まないH2O中の10μgのリポフェクチン)および50μlのRNA溶液(RNaseを含まないH2O中の1μgのRNA)を緩和に混合させること、およびこのミックスの室温下、15分間のインキュベーションにより作製された。φ35mm、6−ウエルの組織培養用プレート(Greiner社)中の密集状態には至っていない単層のSK6−細胞をRNAトランスフェクションのために用いた。この細胞をダルベッコーの改変イーグル培地(Dulbecco’s modified Eagles medium(DMEM))で2度洗浄した。その後に1mlのDMEMをこの細胞に添加し、次いでRNAトランスフェクションミックスを添加した。16時間、37℃下でのインキュベーションの後、培地を、5%FBSを補足してある2mlのDMEMに置き換えた。インキュベーションを更に3日間、37℃で継続させた。その後に細胞を、Wensvoortら(Vet.Nicrobiol. 1986. 12:101−108)により記載される要領で、免疫パーオキシダーゼ単層アッセイ(IPMA)によりCSFV特異的モノクローナル抗体(Mab)(複数)で免疫染色した。
組換えC−株ウイルスの特徴決定
トランスフェクトさせた細胞の上清を、φ35mmのウエル中のSK−6細胞の密集単層に移し、そして5日間、37℃下でインキュベートした。トランスフェクトさせた単層の細胞をトリプシン処理に付し、そしてDMEMで7.5倍に希釈し、そして更に7日間、37℃下、75cm2のフラスコ(Coster社)中で成長させた。その後にウイルス保存物を、その細胞を2度凍結−解凍させ、細胞上清を5,000×gで10分間、4℃下での遠心分離により清澄化させ、そしてその上清を回収することにより調製した。
ウイルスの特徴決定は、IPMAにより、かつRT−PCR増幅させたウイルス断片の制限分析により実施した。SK−6細胞の、ウイルスFLc−h6およびFlc−133での感染の後、単層を4日間、37℃下でインキュベートした。その後に単層を、BresciaのE1上で保存されるエピトープ(Mab b3、ドメインA)ならびに保存されないエピトープ(Mab b5およびb6、ドメインB+C)に対して作製されたMab(複数)を、C−株に特異的であってかつE1(Mab c2)もしくはE2(Mab c5)に対して作製されたMab(複数)と共に用いて免疫染色した(Wensvoort.G、1989、In Thesis、pp99−113、Utrecht、The Netherlands)。天然のBresciaウイルスもしくは天然のC−株ウイルスに感染したSK−6細胞の単層が、このアッセイにおける対照であった。この結果が表1に示されており、そしてそれは予想どうりのものとなっている。簡潔に説明すると、Mab b3はCSFV株中で保存されるE1上のエピトープを認識し、そしてそのため表1内の全株を認識する。Mab b5およびb6はC−株のE1は認識せず、そしてそのため株BresciaおよびFlc−h6のみと反応する。それとは対照的に、Mab c2は株BresciaのE1は認識せず、そしてそのため株CおよびFLc−133とのみ反応する。最終的にはMab c5は株BresciaのE2を認識はせず、そしてそのため株Bresciaを除く表1の全ウイルスと反応する。
ウイルスFLc−h6のゲノムRNAは非反復のBglII部位を含むはずであり、この部位はE1遺伝子上に存在する(先を参照されたい)。この部位の存在についての確認をとるためには、細胞質RNAを組換えウイルスFLc−h6に感染しているか、もしくはFLc−133に感染しているSK6−細胞から単離し、先に記載の要領でVan Rijnら(1993、J.Gen.Virol. 74:2053−2060)により記載されるプライマーを用いてPCR−増幅させ、そしてBglIIで消化させた。FLc−h6の1,091塩基対の増幅断片は確かにBglIIによる切断を受けて590塩基対および501塩基対の断片を生じた一方で、FLc−133の増幅断片は切断を受けない状態に留まった。
実施例3
E1の欠失突然変異体でのブタの免疫化
CSFV株BresciaのE1の欠失突然変異体の構築および発現
CSFV株Bresciaの無TMR E1が昆虫細胞により発現され、ブタにおいてCSFに対する防御免疫応答を誘導することが既に示されている(Hulst et al.、1993、J.Virol. 67:5435−5442)。E1のN−末端側半分内の2つの異なる抗原単位、AおよびB+CはCSFVに対する中和抗体を誘導するが、これらの抗原単位もやはり特定されている(Wensvoort、1878、J.Gen.Virol. 70:2865−2876;Van Rijn et al.、1992、Vet.Microbiol. 33:221−230;Van Rijn et al.、1993、J.Gen.Virol. 74:2053−2060)。それに加え、ドメインAおよびドメインB+Cに対して作製された中和抗体はCSFVの中和の際には共同的に作用する(Wensvoort、1889、J.Gen.Virol. 70:2865−2876)。ドメインB+Cの欠失、もしくはドメインAの欠失を有する突然変異体E1(複数)の免疫原性を評定するため、バキュロウイルスベクター中に関連性構築物を作製し、そして発現される突然変異蛋白質をブタにおいて検査した。
バキュロウイルスが発現する突然変異体E1(複数)は、野生型AcNPV(アウトグラファ カリフォルニカ(Autographa californica)の核多角体病ウイルス)DNAと、特別な突然変異体E1をコードする配列を含む転移ベクターpAcMo8のDNAとの重複組換えを介して構築した。転移ベクターpAcMo8は、pAcAs3(Vlak et al.、1990、Virology 179:312−320)から、後者のベクターの非反復BamHI部位の5’側の第一塩基(G)に直接挿入することにより取得された。この方法でATG開始コドンが、BamHI部位の最初のGと重複した状態で作製された。AcNPV p10プロモーターにより、BamHI部位内に挿入された異種配列からメッセンジャーRNAが転写される。
突然変異体E1(複数)をコードする配列は、PCR増幅を介してpPRb2(Van Rijn et al.、1992、Vet.Microbiol. 33:221−230)のE1挿入断片から取得された。この目的のためには、配列中に一つのBamHI部位を含む2つのプライマーを構築した。5’末端側(+センス)プライマーは、配列5’−AGA TTG GAT CCT AAA GTA TTA AGA GGA CAG GT−3’(配列番号2)を有する、このプライマー中で下線が施されている配列は、株Bresciaの配列中のヌクレオチド2362−2381と同一であり(Moormann et al.、1990、Virology 177:184−198);太字体はBamHI部位を示す。3’末端(−センス)プライマーはBamHI部位付近に停止コドンを含む。これは配列5’−TA GTC GGA TCC TTA GAA TTC TGC GAA GTA ATC TGA−3’(配列番号3)を有する。このプライマー中の下線が施された配列は、株Bresciaの配列中のヌクレオチド3433−3453に対して相補的であり(Moormann et al.、1990、Virology 177:184−198);太字体はBamHI部位を示し、そして斜字体の文字は停止コドンを示す。
増幅させた配列をpAcMo8のBamHI部位内にクローン化させ、そして制限酵素分析によりベクター内での正しい配向についての検査を施した。正しい転移ベクターをpPAb11と表示した。AcNPV DNAとpPAb11のDNAとの間の重複組換え、ならびにバキュロウイルスベクターが発現するE1の選択および精製を記載される要領で実施した(Hulst et al.、1993、J.Virol.67:5435−5442)。放射性免疫沈降アッセイおよびE1特異的Mab(複数)でのE1の更に進んだ特徴決定もHulstら(J.Virol.、1993、67:5435−5442)により記載されている。得られる組換えバキュロウイルスはTMRを含まない野生型Brescia E1を発現する(図3の上から2番目の横線を比較されたい)。この無TMR E1は細胞から分泌される(Hulst et al.、1993、J.Virol.67:5435−5442)。
pPAb11のE1遺伝子からのドメインB+Cをコードする領域の欠失は、この構築物のNheI−BglII断片を、pPEh14の対応断片で交換することにより達成された(Van Rijn et al.、1993、J.Gen.Virol. 74:2053−2060)。得られる転移ベクターをpPAb16と表示した。このベクターはE1遺伝子内にコドン636から746にまで広がる欠失を含む。同様に、pPAb11のNheI−BglII断片をpPEh18の対応断片と交換することによりpPAb11からのドメインAをコードする領域の欠失が生じて(Van Rijn et al.、1993453、J.Gen.Virol. 74:2053−2060)転移ベクターpPAb12が取得された。pPAb12はE1遺伝子中にコドン800から864にまで広がる欠失を含む。
組換えバキュロウイルスが発現する欠失E1については、先に記載される要領での構築、選択、およびそれらのE1発現産物に関する特徴決定を実施した。
ブタの免疫化および攻撃誘発露出
4匹(もしくは2匹)の群の特異的病原体を含まない(SPF)6〜8週令のブタに0日日に、4μgの(突然変異体)E1を含む水中油中水型乳剤1mlでの筋肉内注射による予防接種を施し、そして28日目に15μgの(突然変異体)E1を含む水中油中水型乳剤1mlでの再予防接種を施した(表2)。ドメインAの欠失もしくはドメインB/Cの欠失を含む突然変異体E1、および野生型E1の構築法が先に記載されており、そして図5に示される構築物により具体化されている。0日目の第一回目の予防接種については、適切な組換えバキュロウイルスで感染させた昆虫細胞の上清を用いた。その上清中のE1の量を以前に記載される要領で換算した(Hulst et al.、1993、J.Virol.67:5435−5442)。28日目の再予防接種についてはE1を、感染した昆虫細胞の上清から免疫親和性精製した(Hulst et al.、1993、上述)。予防接種を施した全ての群のブタ、および2匹のSPF動物からなる予防接種を施していない対照群を、100LD50のCSFV株Brescia 456610で鼻内的に攻撃誘発させた(Terpstra and Wensvoort. 1988. Vet.Microbiol. 16:123−128)。この攻撃誘発は、無防護のブタにおいては3〜5日目に出現する高熱および血小板減少症を特徴とする急性疾患をもたらし、そして7〜11日目にはそれらのブタを死に至らしめる。ヘパリン処理を施した(EDTA)血液試料を予防接種後、40、42、45、47、49、51、53、および56日目に採取し、そして記載される要領で血小板およびCSFVウイルスについての分析を行った(Hulst et al.、1993、上述)。血清血液試料を、0、21、28、42、および56日目に採取し、そしてCSFVに対する(中和用)抗体を検出する目的で、CTB−ELISA(Wensvoort et al.、1988、Vet.Microbiol. 17:129−140)内、および中和用パーオキシダーゼ−関連性アッセイ(NPLA、Terpstra et al. 1984、Vet.Microbiol. 9:113−120)内での検査を実施した。CTB−ELISAにおける検査結果は標準シグナルのパーセンテージ阻害として表示され;<30%阻害は陰性、30〜50%阻害は偽陽性、>50%阻害は陽性である。NPLA力価は、同型培養の100 TCID50の株Bresciaを50%中和する血清稀釈率の逆数として表示される。
全動物は毎日、疾患の兆候についての所見をとり、そして体温の測定を実施した。疾患の臨床的兆候は:発熱、食欲低下、白血球減少、血小板減少、および麻痺であった。
実施例4
モノクローナル抗体に基づくCSFVのためのCTB−ELISA(CTB−DIF)の開発
診断用検査の説明
本実施例はCTB−ELISA(CTB−DIF)についての記載を行っており、このELISAは現存するCTB−ELISA(Wensvoort et al.、1988、Vet.Microbiol. 17:129−140)のCSFV特異的抗体の検出のための改変物である。
CTB−DIFは、E1−TMRを発現する組換えバキュロウイルスに感染したSF21細胞が二量体を形成しているE1を培地中に効率的に分泌するという所見に基づいている。二量体を形成しつつ分泌されるこのE1は、先のバキュロウイルスに感染した細胞の培地を、非還元的条件下でのSDS−PAGEにおける電気泳動後にウエスタンブロットで分析することにより検出された。E1特異的Mab(複数)については2コピーのエピトープがE1の二量体上に存在する(各単量体上に一つずつ)。従って二量体を形成している抗原と組み合わせて用いることで、特別なE1特異的Mabを捕捉用抗体(これは、マイクロタイタープレートのウエルの壁面にコートされている)ならびにセイヨウワサビパーオキシダーゼ(HRPO)と複合体形成している検出用抗体として用いることができる。
CTB−DIFは、ドメインA内に欠失を有するE1サブユニットワクチンと組み合わせて用いるのに有用であることが示されており(構築法については図5を参照されたい)、かつドメインAに欠失を生じているE1で予防接種したブタにおいて誘導されたCSFV特異的抗体と、低毒性CSFV株Henken、Zoelen、Bergen、331、およびCedipestに感染したブタにおいて誘導されたCSFV特異的抗体との間を認識することが示されている(欧州特許出願公開第351901号)。
766、786、789、および770と番号付けされる4匹のSPFブタに、実施例3に記載される要領で、ドメインAに欠失を含む突然変異体E1での予防接種を施し(表2も参照されたい)、そして予防接種後44日目に毒性CSFV株Bresciaでの攻撃誘発を施した。予防接種後28、42、および56日目に採取された血清を検査した。
低毒性CSFV株に対する血清も、4匹のSPFブタの群において調製した。株Henken、Zoelen、Bergen、および331に感染したブタからの血清を、感染後、0、21、28、および42日目に検査した。Cadepestワクチンでの予防接種を施したブタからの血清を、予防接種後、0、44、72、および170日目に検査した。
先の血清に関し、3つの異なる血清学的検査を実施した。検査1は、Terpstra et al. 1984、(Vet.Microbiol. 9:113−120)により記載される、CSFVに対する中和抗体を検出するための中和用パーオキシダーゼー関連性アッセイ(NPLA)である。検査2は、CSFVに対する抗体を日常的に検出するためのCTB−ELISA(Wensvoort et al.、1988、Vet.Microbiol. 17:129−140)である。
CTB−DIFはMab b3(CVI−HCV−39.5とも称される)(Wensvoort、1989. J.Gen.Virol. 70:2865−2876)を用い、このMab b3はCSFVのE1のドメインA1に位置するエピトープを認識する。ELISAプレートのウエルをMab b3(1:2,000の希釈率)(捕捉用抗体)でコートする。これらのウエルを洗浄した後に、HRPOに対して複合体結合させたMab b3(1:4,000の希釈率)(検出用抗体)をこれらのウエルに添加する。バキュロウイルスが産生するE1−TMRに感染し、かつ二量体を形成しているE1を20μg/mlの濃度まで含むSf21細胞の培地を1:500に希釈し、そして検査用血清(1:2.5の希釈率)と共に予備インキュベートする。その後にこの血清−抗原混合物を、コーティングが施されているELISAプレートの各ウエル内の複合体に添加する。インキュベーションの後、これらのウエルを再度洗浄し、そして色素原−基質溶液を添加する。捕捉用Mabおよび複合体形成したMabの両方がその抗原に結合している場合には、このHRPOは色素原性反応を誘導し、このことにより、この検査用血清がCSFV抗体については陰性であることが示される。抗原上のエピトープが検査用血清からの抗体により遮断される場合には、このHRPO−複合体は洗い落とされるであろうし、そしてそれらのウエルは透明のままに留まるであろうし、このことによりその検査用血清はCSFV、ドメインAに対する抗体を含むことが示される。これら3つの異なる血清学的検査に関する結果が表3に示される。
ドメインA内に欠失を有するE1での予防接種を施したブタの血清は、予防接種後42日目に、NPLAおよびCTB−ELISA中では反応を示すが、CTB−DIF中では何の反応も示さない。毒性CSFV株Bresciaでの攻撃誘発後には、同一のブタの血清は予防接種後56日目(攻撃誘発後12日目)での3つ全ての検査において陽性反応を示し、このことにより追加応答が攻撃誘発後に生じたことが示される。感染後21日目から開始するが、株Henken、Zoelen、Bergen、および331での予防接種を施したブタからの血清は、NPLA、CTB−ELISA、およびCTB−DIFにおいて陽性反応を示す。予防接種後44日目から開始するが、Cadipestワクチン株での予防接種を施したブタについても同一のことが当てはまる。
従って、CTB−DIFは真に所望されるとうりの作用を示し、かつE1のドメインAに突然変異を生じているCSFVマーカーワクチンと共に用いるのに適し、その結果、この突然変異を生じているドメインAに対して作製された抗体は、Mab b3のエピトープに関してはMab b3と競合することがない。
CTB−DIFに用いられる抗体は、図5に示される、二量体を形成している無TMR野生型Brescia E1である。しかしながら、図5の「欠失ドメインB+C」構築物により合成される、二量体を形成するE1もこの検査における抗原として適切である。
実施例5
E1およびE2に基づくCSFVについてのCTB−ELISAの比較
診断用検査の比較
この実施例は、実施例4のCTB−DIFの改変法、およびCSFVのE2を基にするCTB−ELISAを説明し、かつこれらのELISAについて、E1およびNPLAに対して作製された抗体を検出する他の3つのCTB−ELISAと、感度の点での比較を行う(Terpstra et al.、1984、Vet.Microbiol. 9:113−120)。
実施例4のCTB−DIF(表4〜8ではE1−Bac−DIFと称される)は、抗原として、昆虫細胞(SF21細胞)内で合成された昆虫の無TMR E1を用いる。E1−Bac−DIF(E1−Bac−dBC−DIFと称される)の改変物は、抗原として、欠損を生じたドメインB+Cを有する昆虫細胞(SF21細胞)(図5と比較されたい)内で合成された無TMR E1を用いる。ウエスタンブロット上で確認したところ、欠損を生じたドメインB+Cを有する無TMR E1が細胞から二量体として分泌される(結果非公開)。検査E1−bac−dBC−DIFは以下の要領で実施される。ELISAプレートの各ウエルをMab b3(1:4,000の希釈率)(捕捉用抗体)で、16時間、37℃下でコートし、そして洗浄する。20μg/mlの濃度までの、二量体を形成している抗原E1−dBCを含む培地を1:50に希釈し、そして検査用血清(1:2.5の希釈率)と共に予備インキュベートする(0.5時間、37℃下)。その後にこの血清−抗原混合物をコーティングを施したELISAプレートに添加する。インキュベーション(1時間、37℃下)の後、各ウエルを洗浄し、そしてMab b3(HRPOに対して複合体形成させてある)(1:1,000の希釈率)(検出用抗体)を添加する。インキュベーション(1時間、37℃下)の後、各ウエルを再度洗浄し、そして色素原−基質溶液を添加する。色素原反応は10分間、室温で実施される。色素原反応の解釈法は、実施例4に説明されるものと同一である。
表4〜8に記載されるCSFVのE1に対して作製された抗体を検出する他のCTB−ELISAは、抗原としてCSFV感染細胞からの天然のE1を用いるE1−CSFV ELISA(Wensvoort et al.、1988、Vet.Microbiol. 17:129−140);抗原として昆虫細胞中で合成される無TMR E1を用いるE1−BacおよびE1−Bac−DIF ELISAである。E1−CSFVおよびE1−Bac ELISAは、捕捉用および検出用抗体に、それぞれCSFV Mab b3およびb8(Wensvoort et al.、1989、J.Gen.Virol. 70:2,865−2,876)を用いる一方で、E1−Bac−DIF ELISAは、捕捉用および検出用の両抗体として、Mab b3のみを用いる。E1−CSFV ELISAは、Wensvoortら、1988(Vet.Microbiol. 17:129−140)により記載される要領に従い忠実に実施される。E1−BacおよびE1−Bac−DIF ELISAは、以下の改変事項を伴いながら、E1−Bac−dBC−DIFについて先に記載される要領で実施される。E1−Bac ELISAでは、用いられる抗原は、20μg/mlの濃度での関連するE1バキュロウイルス構築物(図5と比較されたい)で感染させたSF21細胞の培地中に存在する、1:400の希釈率の二量体を形成するE1である。HRPOに対して複合体形成させてあるMab b8は、このELISAでは検出用抗体であり、かつこれは1:1000の希釈率で用いられる。E1−Bac−DIF ELISAはE1−Bac ELISAと同一の抗原を用いるが、ただし希釈率は1:200である。HRPOと複合体形成させたMab b3は、1:1,000の希釈率で、このELISAの検出用抗体として用いられる。
E2−Bac ELISAは、Bac CE2構築物(Hulst et al.、1994、Virology 200:558−565)に感染したSF21細胞内で合成されるCSFV E2抗原を用いる。E2は感染させた昆虫細胞からは分泌されないため、これらの細胞の溶解物が用いられる。E1と同様に大半のE2は、感染細胞の溶解物をSDS−PAGEゲルでの非変性性条件下で分析する際には二量体を形成する分子として見いだされる(結果非公開)。このE2抗原を基に開発されたCTB−ELISAは、Mab C5およびC12(Wensvoort,G.、1989、In Thesis、pp99−113、Utrecht)と共に用いると至適状態で作動する。しかしながらE2は、Mab C5もしくはMab C12とのみ組み合わせても用いられることがある。競合アッセイでは、Mab C5およびC12は、E2に対する結合に関して互いに阻害し合う。このことにより、これらのMabはE2上の同一もしくは重複するエピトープを認識することが示される(結果非公開)。E2−Bac ELISAは以下の要領で実施される。Mab C12を1:1,000に希釈し、そしてELISAプレートの各ウエルにコーティングする(16時間、37℃下)。その後に各ウエルを洗浄する。Bac CE2に感染したSF21細胞の溶解物(1:1,250に稀釈されている)を検査用血清(1:1)と共に、0.5時間、37℃下で予備インキュベートする。その後にこの血清−抗原混合物を、コーティングを施してあるプレートの各ウエルに添加する。その後にプレートを洗浄し、そしてHRPOに対して複合体形成させてあるMab C5(1:2,000の希釈率)と共にインキュベートする。1時間、37℃下の後に、プレートを再度洗浄し、そして色素原−基質溶液を添加する。この色素原反応は10分間、室温で実施される。色素原反応の解釈法は実施例4に説明されるものと同一である。先に記載される稀釈は全て、NPLA緩衝液+4% PS中で実施される(Terpstra et al.、Vet.Microbiol. 9:113−120)。
表4は、Cadipestワクチンでの予防接種を施した3匹のSPFブタの血清の、先に記載されるCTB−ELISA(複数)およびNPLAでの分析の結果を示す。血清は、予防接種後、0、16、23、30、37、44、50、72、113、141、および170日目に分析した。表5〜8は、各々低毒性のCSFV株 331、Bergen、Henken、およびZoelenに感染した5匹のSPFブタの群の血清の、先に記載されるCTB−ELISA(複数)およびNPLAでの分析の結果を示す。血清は、感染後、0、10、14、17、24、28、35、および42日目に分析した。予防接種後16日目から開始し、Cedipest株での予防接種を施したブタからの血清は、5つのCTB−ELISAならびにNPLAの各々で反応を示す。この時点で、E2−Bac ELISAおよびE1−Bac−dBC−DIFの感度は、他の3つのCTB−ELISAのものと比較して一層優れているというわけでなくとも、同程度には良好である。予防接種後37日目から最高170日目まで、全血清は一致して(陽性を示す)5つのCTB−ELISAならびにNPLAで反応する。低毒性CSFV株に感染したプタの血清も、5つのCTB−ELISAならびにNPLAで反応を示す。時として生じる例外として、5つのCTB−ELISAならびにNPLAにおける血清の反応における一貫性が感染後21日目から最高42日目まで観察される。低毒性株に感染した動物のより多くの血清を分析して、これらが感染後初期(最高17日目まで)での5つのCTB−ELISAの感度の間の有意な差異であるかどうかの結論付けを可能にすることが必要である。
E2−Bac ELISAおよびE1−Bac−CTB−DIF ELISAの両方共が所望されたように作用するということを結論付けることができる。従って、E2−Bac ELISAは、このELISAにおいてはMab(複数)と競合する抗体を誘導することのないCSFVマーカーワクチン(例えば、サブユニットE1(突然変異を生じているかいないかのいかんにかかわりなく)、E2領域での改変を受けているC−株マーカーワクチン)と共に使用するのに適する。E1−Bac−dBC−DIF ELISAは、E1のドメインAが突然変異を受けているCSFVマーカーワクチンと共に用いるのには、E1−Bac−DIF ELISA(実施例4のCTB−DIF ELISA)と同程度に適切であり、そのためこの突然変異を生じたドメインAに対して作製された抗体は、Mab b3のエピトープについてMab b3と競合することはない。
図面の説明
図1、
C−株のヌクレオチド配列を決定するのに用いられるcDNAクローンの概略図。図1は第一周期のcDNAクローンを示す(本文を参照されたい)。番号32、90、および96のcDNAクローンを用いてpPRKflc−113をpPRKflc−133に変化させた(実施例2を参照されたい)。クローン14は、pPRKflc−113の構築のために用いられた唯一の第一周期cDNAクローンであった(図3を参照されたい)。図1Bは第二周期のcDNAクローンを示す(本文を参照されたい)。番号付けされている第二周期cDNAクローンを用いてpPRKflc−133を構築した(配列番号1を参照されたい)。C−株のゲノムのヌクレオチド配列に関するcDNAの位置は、図の下段のスケールバー(キロベースでの表示)により示される。CSFVの現行で同定される遺伝子の概略図およびCSFVゲノム内でのそれらの配向が図の上段に示される。
ペスチウイルス蛋白質の命名法に関しては当業者間でも未だ合意に達してはいない。本明細書に記載されるE2蛋白質も、gp42(Tamura et al.、1993、Virology 193:1−10)、gp44/48(Thiel et al.、1991、J.Virol. 65:4705−4712)、もしくはE0
Figure 0003846808
とも称される。E3蛋白質は、gp25(Tamura et al.、1993、Virology 193:1−10)、gp33(Thiel et al.、1991、J.Virol. 65:4705−4712)、もしくはE1
Figure 0003846808
とも称される。本発明のE1蛋白質は、gp53(Tamira et al.、1993、Virology 193:1−10)、gp55(Thiel et al.、1991、J.Virol. 65:4705−4712)、gp51−54(Moormann et al.、1990、Virology 177:184−198)、およびE2
Figure 0003846808
とも称される。CSFVのN−末端オートプロテアーゼNpro(BVDVのp20、Wiskerchen et al.、1991、J.Virol. 64:4508−4514)(p−23とも称される)はThiel et al.、1991(J.Virol. 65:4705−4712)により同定された。このプロテアーゼの認識配列(この配列は、ペスチウイルス間で保存される)の開裂によりCのN−末端が取得される(Stark et al.、1993、J.Virol. 67:7088−7095)。
図2、
CSFV株Brescia、Alfort、およびCの5’(A)および3’(B)非コーディング領域のヌクレオチド配列のアラインメント。最初の12ヌクレオチドを除いた株Bresciaの5’非コーディング配列が、Moormannら、1990、Virology 177:184−198、により既に記載されている。株Bresciaの5’非コーディング配列の最初の12ヌクレオチドは以前には発表されてはいなかった。C−株のゲノムの最終的5’および3’配列と同様、これらは本出願の実施例1に記載される3’−5’ RNA連結方法を用いて決定された。最初の9ヌクレオチドを除いた株Alfortの5’非コーディング配列が、Meyersら、1989、Virology 171:555−567、により既に記載されている。株Alfortのゲノムの最初の9ヌクレオチドはMeyersにより、
Figure 0003846808
に発表された。株BresciaおよびAlfortの3’非コーディング領域の配列は、Moormannら、1990、Virology 177:184−198、およびMeyersら、1989、Virology 171:555−567、により既に各々記載されている。巨大ORFのATG開始コドンおよびTGA停止コドン(配列番号1と比較されたい)に下線が施されている。
図3、
全長cDNAクローンpPRKflc−113の構築法の概略。クローン番号は図1の説明文に既に説明されている。クローンの挿入断片の融合部位が縦線で示されている。これらの線に相当する部位が図の下段に示されている。下線を施したクローン番号は、pOK12(Vieira and Messing、1991、Gene 100:189−194)由来のベクター配列を有するcDNAを示す(図4を参照されたい)。pPRKflc−113の5’および3’末端は、cDNA断片のPCR増幅を介して特別にあつらえた(実施例2を参照されたい)。PCRで増幅させた断片が示される。図の下段のスケールバー、およびCSFVのゲノム構成の概略図は、図1の説明文に既に記載されている。
図4、
ベクター配列、ならびにクローンpPRKflc−113、pPRKflc−133、およびpPRKflc−h6中の全長cDNA挿入断片の概略図。ベクターpPRK(pOK12の誘導体)(Vieira and Messing、1991、Gene 100:189−194)の構築法は既に実施例2に記載されている。KanR(カナマイシン耐性遺伝子);Ori(複製起点);’i(β−ガラクトシダーゼ遺伝子のレプレッサーをコードする遺伝子);PO(β−ガラクトシダーゼ遺伝子のプロモーター/オペレーター領域);lacZ(β−ガラクトシダーゼのαサブユニットをコードするβ−ガラクトシダーゼ遺伝子)。このベクターの幾つかの制限部位、およびこのベクター内の全長挿入断片を直接フランクする配列が示されている。関連部位が実施例2の本文中に記載されている。pPRKflc−113中の丸つき棒線および番号は、この構築物内で変化させられ、結果としてpPRKflc−133を生じた5つのコドンのヌクレオチドに相当する。後者の構築物は、配列番号1に記載される配列を有する。
pPRKflc−h6中の黒四角は、株Bresciaの対応領域と交換されているpPRKflc−133のE1領域を示す。特別な全長構築物に由来する転写物が感染性(+)であるか非感染性(−)であるかが、その構築物の右端に示される。T7、T7プロモーター配列、全長構築物の挿入断片が、配列番号1に示されるC−株のヌクレオチド配列を表すスケールバー(キロベースで表示される)に関連して示される。
図5、
バキュロウイルスベクターを用いて昆虫細胞内で発現される突然変異体E1蛋白質の概略図。全E1蛋白質は株Bresciaのヌクレオチド配列によりコードされ(Moornann et al.、1990、Virology 177:184−198)、かつこの配列中の巨大ORF内のコドンの位置668に存在するLysでそれらのN−末端が開始する。天然のE1のC−末端は巨大ORF内のコドンの位置1,063でのLeuである一方で、他の3つのE1蛋白質のC−末端は、アミノ酸の位置1,031に位置する。棒線中の斑入り四角はN−末端シグナル配列(このシグナル配列は、E1のアミノ酸残基668〜689に広がる)、内部疎水性配列(この配列は、E1のアミノ酸残基806〜826に広がる)、およびC−末端貫膜領域(TMR)(E1のアミノ酸残基1,032〜1,063に広がる領域内に存在する)を表す。欠失を生じているB+CもしくはAドメインを有する突然変異E1(複数)内の欠失されたアミノ酸配列は、これらの蛋白質を表す棒内の中断部分により示されている。E1のアミノ酸配列に関するこれら欠失の位置は、図の下段のスケールバーから決定することができる。このスケールバーは、株Bresciaの巨大ORFによりコードされるアミノ酸配列中のE1の位置を示す。
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本発明の特徴および主要な態様は次のとおりである。
1.古典的ブタコレラウイルス(CSFV)のゲノム、またはその一部分もしくは突然変異体に相当し、配列番号1に示されるCSFV C−株のヌクレオチド配列、またはそのようなヌクレオチド配列の相補物もしくはRNA相同物の少なくとも一部分を含むことを特徴とするヌクレオチド配列。
2.古典的ブタコレラウイルス(CSFV)のゲノム、またはその一部分もしくは突然変異体に相当し、配列番号1に示されるアミノ酸配列の内の少なくともアミノ酸配列268−494をコードするヌクレオチド配列、またはそのようなヌクレオチド配列の相補物もしくはRNA相同物を含むことを特徴とするヌクレオチド配列。
3.配列番号1に示される配列の内のアミノ酸配列1−1063をコードするヌクレオチド配列内に一つの突然変異を含む、上記1もしくは2に記載のヌクレオチド配列。
4.アミノ酸690−870をコードするヌクレオチド配列内に一つの突然変異を含む、上記3に記載のヌクレオチド配列。
5.前記突然変異が、他のペスチウイルス株のゲノムの対応部分による置換である、上記1〜4の内のいずれか一つに記載のヌクオチド配列。
6.前記突然変異が、欠失、挿入、またはそのヌクレオチド配列によりコードされる一つもしくは複数のアミノ酸の置換をもたらす突然変異である、上記1〜4の内のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列。
7.前記突然変異が、CSFVヌクレオチド配列の翻訳方法を変化させるか、あるいはCSFVヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドのプロセシングを変化させる異種ヌクレオチド配列の挿入である、上記1〜4の内のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列。
8.前記突然変異が、他の病原体に対する免疫を誘導するポリペプチドをコードする異種ヌクレオチド配列の挿入である、上記1〜4の内のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列。
9.前記突然変異が、マーカーポリペプチドをコードする異種ヌクレオチド配列の挿入である、上記1〜4の内のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列。
10.上記1〜9の内のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチド。
11.配列番号1のアミノ酸配列690−1063もしくはその部分に相当し、アミノ酸配列691−750もしくは785−870内に含まれるエピトープの内の一つに一つの突然変異を含み、前記突然変異が前記エピトープを変化させることを特徴とする、ペスチウイルスのポリペプチド。
12.上記11に記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列。
13.そのゲノムが、上記1〜8の内のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列の全長DNAコピーおよび/またはその感染性転写物に由来するワクチン株。
14.上記1〜9もしくは12の内のいずれか一つに記載の配列を有するポリヌクレオチド、上記10もしくは11に記載のポリペプチド、または上記13に記載のワクチン株を含むワクチン。
15.上記1〜9の内のいずれか一つに記載のヌクレオチド配列、上記10もしくは11に記載のポリペプチド、および/または上記10もしくは11に記載のポリペプチドに対して作製された抗体を少なくとも含む、診断用組成物。
16.CSFV C−株由来の配列のためのマーカーとしての、ヌクレオチド配列TTTTCTTTTTTTTの使用。
17.予防接種を施した動物からペスチウイルスに感染した動物を識別し、前記予防接種を施した動物が、配列番号1のアミノ酸配列268−494もしくは690−1063に一つの突然変異を含むペスチウイルスポリペプチドもしくはペスチウイルス株での予防接種を施され、ある検査用試料を、アミノ酸配列268−494もしくはアミノ酸配列690−1063に相当するペスチウイルス抗原またはそれらの部分、および前記ペスチウイルス抗原のエピトープに対して作製された抗体と接触させ、そのエピトープは予防接種に用いられる突然変異を生じさせたポリペプチドもしくはペスチウイルス株内に機能的状態では存在しない、診断方法。
18.前記ペスチウイルス抗原が二量体もしくは多量体を形成するポリペプチドであって、かつ前記抗体の部分が固定化されており、そして前記抗体の他の部分がラベル化されている、上記17に記載の方法。
19.前記ペスチウイルスポリペプチドおよび前記抗原がアミノ酸配列690−1063に相当し、そして前記エピトープがアミノ酸785と870との間に位置する、上記17もしくは18に記載の方法。
20.ある試料中で、ある結合相手の結合部位に特異的に結合することが可能な検査用物質の存在を、前記検査用物質と、前記結合相手の同一の結合部位と特異的に結合することが可能な対照用物質の測定可能量との競合により決定する:
(1)前記試料を、(a)前記対照用物質の結合相手(前記結合相手分子は、前記対照用物質のための少なくとも2つの同一な結合部位を含む)、(b)固体担体に結合させてある前記対照用物質、および(c)ラベルが提供されている前記対照用物質、と接触させること;
(2)前記担体への前記ラベルの結合の度合いを測定すること、
を含む方法。
21.前記結合相手が、前記対照用物質に対する結合相手の二量体もしくは多量体である、上記20に記載の方法。
22.ある試料中で、ある結合相手との特異的に結合について、分子当たり少なくとも2つの同一な結合部位を有する検査用物質の存在を決定する:
(1)前記試料を、(a)固体担体に結合させてある前記結合相手、および(b)ラベルが提供されている前記結合相手物質、と接触させること;
(2)前記担体への前記ラベルの結合の度合いを測定すること、
を含む方法。
23.(a)固体担体に結合させてある対照用抗体、(b)ラベルが提供されて入る前記対照用抗体;および場合によっては(c)前記対照用抗体のための少なくとも2つの同一な結合部位を含む、前記対照用抗体に対する抗原か;あるいは前記構成成分(a)、(b)、および(c)の間の複合体;ならびに競合的免疫学的アッセイを実施するための更に別の構成成分、を含む診断用キット。
(配列表)
配列番号:1
配列の長さ:12311
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:cDNA
起源
生物名:Classical Swine Fever Virus C-strain
配列の特徴
特徴を表す記号:Unique seq.TTTTCTTTTTTTT
存在位置:12128−12140
特徴を表す記号:Insertion site
存在位置:883−884
特徴を表す記号:Insertion site
存在位置:3443−2444
特徴を表す記号:Insertion site
存在位置:3446−3447
配列
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配列番号:2
配列の長さ:32
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列の特徴
特徴を表す記号:Primer bind
存在位置:2362−2381
配列
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配列番号:3
配列の長さ:35
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列の種類:他の核酸 合成DNA
配列
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Claims (4)

  1. 古典的ブタコレラウイルス(CSFV)のC株のゲノムの配列番号1に記載のヌクレオチドにおいて、該ゲノムのE1タンパク質をコードする領域中のAドメインもしくはB+CドメインもしくはA+B+Cドメインに代えペスチウイルスのブレシア(Brescia)株の対応する各ドメインを含有することを特徴とするCSFVのC株のゲノムに相当するヌクレオチドまたは該ヌクレオチドの相補的ヌクレオチドもしくはRNA相同物。
  2. 請求項1に記載のヌクレオチドによりコードされるポリペプチド。
  3. ゲノムが、請求項1に記載のヌクレオチドの全長DNAコピーおよび/またはその感染性転写物に由来する古典的ブタコレラウイルス(CSFV)ワクチン株。
  4. 請求項に記載のポリペプチドまたは請求項に記載のワクチン株と少なくともキャリアーを含有するワクチン。
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