JP3846479B2 - 鍵構造体及び鍵構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金型装置で射出成形される合成樹脂製の一体成型品から取り出される鍵構造体及び鍵構造体の製造方法に関する。
従来、鍵構造体の一部を構成する鍵構成部材を、一度に多数得るために、金型装置で射出成形される合成樹脂製の1つの一体成型品中に、多数の鍵構成部材を、必要に応じて他の部品と共に含ませ、この一体成型品から各々の鍵構成部材を切り離して取り出すようにすることが行われている。
また、下記特許文献1に例示されるように、成型品において、鍵構成部材同士を接続部で連結したものが知られている。この種の成型品における接続部は、溶融プラスチックをスプルーブシュから金型キャビティ内に導く通路である「ランナ」とは別の目的で設けられ、例えば、後加工における位置決め等のために、成型品中に含まれる部品同士の間隔を予め適正に確保する目的で、ランナより正確な寸法で設けられる。
例えば、木質部を有する木質鍵を製造する場合、複数の鍵構成部材を含ませた一体成型品に木板を接着等で接合固定し、各鍵構成部材と接続部との間を丸鋸等で切断することで、鍵構成部材が接続部から切り離されると共に、木質部が固着された木質鍵を得るようにすることが考えられる。あるいは、接続部の切断と併せて、木板と共に鍵構成部材の幅加工を行うことも考えられる。これらの場合、接続部は、成型品における所定位置を基準とした各鍵構成部材の加工位置を適切に規定するのに役立つ。
また、例えば、合成樹脂製の鍵構成部材として、演奏操作面を有する上板体と鍵ベース体とを設け、木質系部材の上面に上板体が固定されると共に、木質系部材の下面に鍵ベース体が固定されて成る木質鍵を製造する場合、上記上板体を多数含んだ成型品と、各上板体に対応する鍵ベース体を多数含んだ成型品とを別々に射出成形し、両成型品間に木板を挟み固定してから、個々の木質鍵となるように接続部を切断するようにすることが考えられる。この場合、木板を介して両成型品を固定する際、外観上、各上板体と対応する各鍵ベース体との幅方向の位置関係が重要となるが、上記接続部は、これらの位置関係を適切に規定するのに役立つ。
実開昭54−172722号公報
しかしながら、接続部は、通常、薄くて剛性が高くないため、丸鋸等による切断加工の際に、切刃が当たる部分以外で不要な割れが生じたり、破片が切刃にからんで被削部を傷付けたりすることがあり、安定的に高速で加工することができず、良好な加工精度を維持するのが容易でないという問題があった。
また、丸鋸等で接続部から切り離された状態では、鍵構成部材に、接続部の切断跡が目視でわかる程度に残るため、これが外部から見えると、外観上好ましくない。そのため、仕上げ処理等の追加工が必要となって、製造工数が増える要素となるという問題があった。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その第1の目的は、一体成型品中の接続部の切断加工における加工精度を向上させることができる鍵構造体及び鍵構造体の製造方法を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、一体成型品中の接続部の切断跡の仕上げ追加工を不要として、製造工程を簡略化することができる鍵構造体及び鍵構造体の製造方法を提供することにある。
上記第1の目的を達成するために本発明の請求項1の鍵構造体の製造方法は、盤装置に取り付けられたとき、押鍵操作により奏者側端部が上下方向に回動する1つの鍵として機能する鍵構造体を製造する鍵構造体の製造方法であって、多部品が含まれると共に、該多部品のうち保持部材が、隣接部品との間に所望の間隔を保つためにランナとは別に設けられる接続部を介して接続された合成樹脂製の一体成型品を、金型射出成形で成形する成形工程と、前記成形した一体成型品に、木質系部材でなる木板を接合固定する木板固定工程と、前記木板を接合固定した一体成型品の前記接続部を前記木板と共に切断して、前記保持部材を前記一体成型品から取り出すことで、前記保持部材に前記木質系部材が固定保持されてなる鍵構造体を得る取り出し工程とを有し、前記成形工程においては、前記接続部が、側面視において、前記木板固定工程において前記保持部材と前記木質系部材との接合面となる面が含まれる平面に接する面を有するように成形を行うことを特徴とする。
この構成によれば、接続部は、側面視において、保持部材と木質系部材との接合面が含まれる平面に接する面を有しているので、接続部を切断加工する際、接続部の一部が必ず木板に接した状態となっており、接続部が宙に浮いた状態で切断加工されるような場合に比し、クランプ状態を含む加工条件が有利である。従って、切刃が当たる部分以外での不要な割れ等を生じさせることなく、接続部を安定的に高速で効率よく切断加工することができる。また、高速加工が可能になるので加工効率も向上する。
上記第1の目的を達成するために本発明の請求項2の鍵構造体の製造方法は、盤装置に取り付けられたとき、押鍵操作により奏者側端部が上下方向に回動する1つの鍵として機能する鍵構造体を製造する鍵構造体の製造方法であって、多部品が含まれると共に、該多部品のうち保持部材が、隣接部品との間に所望の間隔を保つためにランナとは別に設けられる接続部を介して接続された合成樹脂製の一体成型品を、金型射出成形で成形する成形工程と、前記成形した一体成型品に、木質系部材でなる木板を接合固定する木板固定工程と、前記木板を接合固定した一体成型品の前記接続部を前記木板と共に切断して、前記保持部材を前記一体成型品から取り出すことで、前記保持部材に前記木質系部材が固定保持されてなる鍵構造体を得る取り出し工程とを有し、前記成形工程においては、前記接続部、1つの前記保持部材の少なくとも片方の側面に3つ以上存在し、そのうち少なくとも3つの接続部が、同一直線上に位置しないように成形を行うことを特徴とする。
この構成によれば、一体成型品の幅方向における剛性が高くなるので、接続部を切断加工する際、3次元的な歪みが小さくなり、保持部材の接続部からの切り離し加工の精度が増す。また、一体成型品の取り扱いが容易で、しかも高速加工が可能になるので加工効率も向上する。
上記第2の目的を達成するために本発明の請求項の鍵構造体の製造方法は、盤装置に取り付けられたとき、押鍵操作により奏者側端部が上下方向に回動する1つの鍵として機能する鍵構造体を製造する鍵構造体の製造方法であって、多部品が含まれると共に、該多部品のうち鍵構成部材が、隣接部品との間に所望の間隔を保つためにランナとは別に設けられる接続部を介して接続された合成樹脂製の一体成型品を、金型射出成形で成形する成形工程と、前記成形した一体成型品の前記接続部から前記鍵構成部材を切り離して前記一体成型品から取り出すことを経て、該取り出した鍵構成部材を含んだ鍵構造体を得る取り出し工程とを有し、前記成形工程においては、前記接続部が、前記鍵構成部材の、鍵側部に相当する部位で且つ演奏時及び非演奏時に外観となって視認されない非見え懸かり部位にのみ設けられるように成形を行うことを特徴とする。
この構成によれば、鍵盤装置への組み付け後においては、接続部からの切り離しのために生じる切断跡が外部から見えないので、切断跡の仕上げ追加工が不要で、製造工程を簡略化することができる。
上記第1または第2の目的を達成するために本発明の請求項10の鍵構造体は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の鍵構造体の製造方法により製造されたことを特徴とする。
なお、上記括弧内の符号は例示である。
本発明の請求項1によれば、一体成型品中の接続部の切断加工における加工精度を向上させることができる。
本発明の請求項2によれば、一体成型品の剛性を高めて、一体成型品中の接続部の切断加工における加工精度を向上させることができる。
本発明の請求項5によれば、一体成型品中の接続部の切断跡の仕上げ追加工を不要として、製造工程を簡略化することができる。
本発明の請求項10によれば、一体成型品中の接続部の切断加工における加工精度を向上させることができる。あるいは、一体成型品中の接続部の切断跡の仕上げ追加工を不要として、製造工程を簡略化することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る鍵構造体を製造するにあたって成形される上側成型品の斜視図である。図2は、本実施の形態に係る鍵構造体を製造するにあたって成形される下側成型品の斜視図である。図3(a)は、本実施の形態に係る1つの鍵構造体を示す側面図である。図3(a)では、複数の鍵構造体Kのうち、一例として、E鍵(音高E用の白鍵)である鍵構造体K1の構成を示す。なお、他の音高の白鍵の鍵構造体Kも構成は同様であり、黒鍵の鍵構造体Kにも同様の構成を適用することができる。以降、鍵構造体Kの奏者側を前方、奏者からみた右側を右方と呼称する。
図3(a)に示すように、鍵構造体K1は、上板体10、鍵ベース体30及び木質部50とから構成される。図1、図2に示す上側成型品MD1及び下側成型品MD2は、いずれも、不図示の金型装置で射出成形により成形される合成樹脂製の一体成型品である。図1に示すように、上側成型品MD1には、個々の鍵構造体K(白鍵)の上板体10となる上板体10(1)〜10(3)・・・、及び個々の鍵構造体K(黒鍵)の上板体20となる上板体20(1)、20(2)・・・が含まれ、例えば、1オクターブ分が含まれている。図2に示すように、下側成型品MD2には、個々の鍵構造体K(白鍵)の鍵ベース体30となる鍵ベース体30(1)〜30(3)・・・が含まれている。なお、下側成型品MD2に、鍵構造体K(黒鍵)の鍵ベース体となる部品が含まれていてもよい。また、上側成型品MD1、下側成型品MD2には、上板体や鍵ベース体以外の部品が含まれていてもよい。
後述するように、上側成型品MD1と下側成型品MD2との間に木質系材で構成される平板状の木板BDが固着された後、切断加工によって複数の鍵構造体Kが取り出される。
図3(a)に示すように、鍵ベース体30(30(1))は、基端部31から前方(奏者方向)に延設部32が延設されて構成される。木質部50は、鍵ベース体30の延設部32の上面30aに不図示の接着剤等で固定される。鍵構造体K1は、不図示の鍵盤装置に取り付けられたとき、基端部31の回動支点33を中心として先端部が上下方向に回動自在になる。上板体10(10(1))は、その上面10aが演奏操作面となっており、木質部50の上面50aに接着剤等で固定されている。
図1に示すように、上側成型品MD1は、隣接する上板体10乃至上板体20間が、接続部41、42、43で接続されて、一体となっている。また、図2に示すように、下側成型品MD2は、隣接する鍵ベース体30間が、接続部44、45で接続されて、一体となっている。
ここで、これら接続部41〜45は、溶融樹脂をスプルーブシュから金型キャビティ内に導く通路である「ランナ」とは別の目的で設けられ、本実施の形態では、加工等の後処理における位置決めのために、上板体10乃至上板体20間、及び鍵ベース体30間の間隔を予め適正に確保する目的で設けられる。従って、ランナに比し寸法が正確に規定されている。なお、実際には、上側成型品MD1、下側成型品MD2にもランナが存在するが、それらの図示は省略されている。
鍵構造体Kは次のようにして製造される。まず、上側成型品MD1及び下側成型品MD2を各々射出成形する。そして、下から下側成型品MD2、木板BD、上側成型品MD1の順に積層し、木板BDを両成型品MD1、MD2間に接着剤等で固定状態とする。このとき、上側成型品MD1と下側成型品MD2との鍵並び方向(左右方向)の位置を正確に合わせる。その後、不図示の丸鋸等で、接続部41〜45と、上板体10、20、鍵ベース体30との境界付近を切断することで、個々の鍵構造体Kを切り出す。例えば、上板体10(1)及び鍵ベース体30(1)に対応する鍵構造体K1でいえば、上板体10(1)の右側面10b及び鍵ベース体30(1)の右側面30b(図1、図2参照)にほぼ沿って切断加工する。左側面についても同様である。
なお、鍵構造体Kの切り出し(上側成型品MD1、下側成型品MD2からの取り出し)の際に、右側面10b、30bを残して切断するのではなく、あえて幅方向に切り込む幅加工を行うようにしてもよい。その場合、接続部41〜45と共に、鍵構造体Kの側部に相当する部分も加工により少し除去される。このようにして、図3(a)に示すような鍵構造体Kが複数得られる。同図(a)において、41a〜45aは、それぞれ、接続部41〜45の切断跡である。
ところで、上記のように、木板BDを介して両成型品MD1、MD2を固定する際、各鍵構造体Kとしての外観上、各上板体10と、対応する各鍵ベース体30との幅方向の位置関係が重要となる。特に、白鍵においては、隣接鍵との隙間がばらつくと目立つため、鍵並び方向の位置精度が重要である。ところが、接続部41〜45により、各上板体10及び鍵ベース体30の位置が正確に規定されているので、鍵並び方向における適切な位置決めが容易に行える。しかも、上側成型品MD1において、特に接続部41が、先端部(奏者側端部)に位置しているので、仮に、上側成型品MD1に、鍵長手方向の曲がりが多少生じたとしても、重要な先端部の位置は接続部41により正確に規定されて位置決めされるので、加工精度が向上する。幅加工を行う場合も同様に加工精度が向上する。なお、先端部の位置決め確保の観点からは、先端部に設ける接続部は、少なくとも1つで十分である。
ところで、上側成型品MD1と下側成型品MD2とを固定状態とする際、鍵並び方向における両成型品MD1、MD2の剛性が低いと、撓みを生じ、扱いにくいだけでなく、両者の位置合わせも容易でなくなる。また、接続部41〜45はいずれも側面視で薄板状に形成され、それ自体の剛性は低い。そこで、本発明実施の形態では、接続部41〜45を、薄板形状でありながら、剛性が高くなるように形成している。
すなわち、図1、図3(a)に示すように、上板体10において、接続部41(切断跡41a)は、接続部42(切断跡42a)及び接続部43(切断跡43a)に対して、側面視において略垂直となっている。これにより、各接続部の部位を包含する直線状の帯を考えたとき、その帯の幅が広くなるので、上側成型品MD1の鍵並び方向の剛性が高められ、両成型品MD1、MD2の適切な位置合わせが容易となり、ひいては切断加工の精度向上に寄与する。また、上側成型品MD1の取り扱いも容易である。しかも、各接続部は、薄板状であるので、その形成も困難でない。
鍵ベース体30についても同様で、図2、図3(a)に示すように、接続部44(切断跡44a)と接続部45(切断跡45a)とが互いに略垂直となっている。なお、剛性確保の観点からは、少なくとも2つの接続部が互いに略垂直となっていればよい。また、必ずしも垂直でなくても、薄板状に形成された2つ以上の接続部が、側面視において互いに平行とならないようにすればよい。
また、図1、図2、図3(a)からわかるように、両成型品MD1、MD2が木板BDを挟んで固定状態とされたとき、接続部41〜45はいずれも、側面視において、木板BDに接している。言い換えると、切断加工前において、接続部41〜43の下面は、上側成型品MD1と木板BDとの接合面が含まれる平面に接し、接続部44、45の上面は、下側成型品MD2と木板BDとの接合面が含まれる平面に接している。
接続部は、通常、それ自体薄くて剛性が高くないため、丸鋸による切断加工の際に、切刃が当たる部分以外で不要な割れが生じやすい。しかし、上記のように、接続部41〜45を切断加工する際、接続部41〜45の各々の一部が必ず木板BDに接した状態となることで、接続部41〜45が宙に浮いた状態で切断加工されるような場合に比し、クランプ状態を含む加工条件が有利となる。従って、接続部41〜45の、切刃が当たる部分以外での不要な割れ等を生じさせることなく、安定的に高速の切削条件で効率よく切断加工することができる。これによって、接続部の切断加工における加工精度が向上し、高速加工により加工効率も向上する。
本実施の形態によれば、両成型品MD1、MD2共に、接続部41〜45によって、対応する上板体10、20と鍵ベース体30との相対的位置関係を規定するようにしたので、鍵並び方向における位置決めが容易であり、しかも、接続部41、44を、鍵構造体K1の先端部となる部分に配置したので、接続部の切断加工の際、特に先端部近傍における幅方向の位置決めが正確となり、加工精度を向上させることができる。
また、切断加工時に各接続部41〜45が木板BDに接しているようにしたので、接続部の切断加工における加工精度及び加工効率を向上させることができる。さらに、接続部のうち少なくとも2つを、側面視において互いに平行でない薄板状の接続部としたので、両成型品MD1、MD2の剛性が高まって、加工精度及び加工効率が一層向上する。
(第2の実施の形態)
図3(b)は、本発明の第2の実施の形態に係る1つの鍵構造体の鍵ベース体のみの側面図である。本第2の実施の形態の鍵構造体は、鍵ベース体のみが第1の実施の形態と異なり、上板体及び木質部等、その他の構成及び製造方法は第1の実施の形態の鍵構造体Kと同様である。また、鍵ベース体を含んでいる下側成型品の構成は、第1の実施の形態の下側成型品MD2に比し、接続部が異なるのみであり、その他の構成は同様である。
図3(b)に示すように、本発明第2の実施の形態における下側成型品MD3においては、各鍵ベース体130が3つの接続部46〜48で接続されている。しかも、これら接続部46〜48(乃至側面130bの切断跡46a〜48a)は、側面視において、三角形TRの頂点に位置し、従って、同一直線上に位置しない。
これにより、下側成型品MD3の鍵並び方向における剛性が高くなるので、接続部46〜48を切断加工する際、下側成型品MD3の3次元的な歪みが小さくなり、加工精度が高くなる。しかも、下側成型品MD3の取り扱いも容易となり、高速加工が可能になることで加工効率も向上する。
また、接続部46〜48は、単純な薄板形状でなく、断面が十字形状をしている。これにより、接続部46〜48の個々において、剛性の強弱の方向性がなくなって、切刃に対する特定の弱い方向が少なくなるので、接続部46〜48を安定的に加工でき、加工精度の向上につながるだけでなく、高速加工が容易になって加工効率も向上する。
本実施の形態によれば、3つの接続部46〜48が略同一直線上に位置しないので、下側成型品MD3の剛性が高くなる。また、各接続部46〜48の断面形状が十字形状であるので接続部の加工が安定する。よって、下側成型品MD3中の接続部46〜48の切断加工における加工精度を向上させることができる。
なお、接続部46〜48の断面形状が十字形状であることは、一例であり、断面積が大き過ぎず、且つ個々の剛性があらゆる方向において高い形状であればよい。そのためには、例えば、側面視における断面形状が、平行でない2枚以上の薄板形状を一体に組み合わせた形状を成すようにすればよく、具体的には、断面形状が「+」の他、「I」、「V」、「L」、「T」、「H」等が考えられるが、金型成形の容易さを考慮して形状を選定するのが望ましい。
なお、接続部46〜48の各断面形状は、1種類に統一する必要はなく、上記例示したような形状であれば、別々の形状を採用してもよい。
なお、加工精度を向上させる観点からは、本実施の形態のように、3つの接続部46〜48を略同一直線上に位置させない構成と、接続部46〜48の断面形状を十字形状等とする構成との双方を採用するのが望ましいが、片方のみを採用してもその構成による効果は得られる。
(第3の実施の形態)
図4(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る1つの鍵構造体を示す側面図である。図4(b)は、同図(a)のA−A線に沿う断面の端面図である。この鍵構造体Kxは、白鍵に適用されるが、黒鍵にも適用してもよい。
鍵構造体Kxは、合成樹脂製の鍵構成部材60に、木質系材の木質部70(70A、70B)が固定保持されて構成される。鍵構成部材60は、同図(a)、(b)に示すように、上板部60aと、下板部60cと、これらを連結する連結部60bと、前板部60dとから構成され、一体に形成されている。鍵構造体Kxは、不図示の鍵盤装置に取り付けられたとき、回動支点61を中心として先端部が上下方向に回動自在になる。上板体60は、上板部60aの上面が演奏操作面となっている。
鍵構造体Kxの断面形状は、同図(b)に示すように、「H」を横倒させた形になっている。そして、鍵構成部材60の上板部60a、下板部60cと連結部60bとで形成される両側の凹部に、木質部70A、70Bが配設される。木質部70A、70Bは、上板部60a、連結部60b及び下板部60cに接着固定され、鍵構造体Kxに木質感を付与している。
鍵構成部材60は、第1の実施の形態における上板体10や鍵ベース体30と同様に、金型装置で射出成形により一体に成形される図示しない一体成型品から取り出される。また、この一体成型品において、各鍵構成部材60は、隣接する鍵構成部材60に対して接続部64、65、66で接続され、これら接続部64〜66と各鍵構成部材60との境界付近を切断加工することで各鍵構成部材60が切り離される。図4(a)に示す、鍵構成部材60の右側面60eの64a〜66aは、接続部64〜66の切断跡である。
図4(a)に示すように、側面視において、接続部64〜66(乃至切断跡64a〜66a)はいずれも、見え懸かり境界線L1より下方に位置する。ここで、見え懸かり境界線L1より下方は、演奏時及び非演奏時に外観となって視認されない領域である。通常、接続部の切断跡は、そのままでは目立ち、見えると外観上問題となるので、仕上げ加工等が必要とされる。ところが、接続部64〜66は非見え懸かり部位に設けられるので、鍵盤装置に組み付けられた後においては、切断跡64a〜66aが外部から見えない。従って、仕上げ追加工が不要となり、製造工程が簡略化される。
本実施の形態によれば、切断跡64a〜66aの仕上げ追加工を不要として、製造工程を簡略化することができる。
また、第1の実施の形態と同様に、接続部64を、鍵構造体Kxの先端部となる部分に配置したこと、及び、接続部64、65と接続部66とを、側面視において薄板状で互いに垂直としたことで、接続部の切断加工の際、特に先端部近傍における幅方向の位置決めが正確となると共に、一体成型品の剛性が高まって、加工精度及び加工効率を向上させることができる。
さらに、鍵構成部材60に木質部70A、70Bを配設して共に幅加工する場合においては、接続部64〜66が木質部70A、70Bに接していることから、安定的に高速の切削条件で効率よく切断加工することができる。
なお、接続部を非見え懸かり部位に設けた鍵構成部材60等の部材に対して固定保持される別部材は、木質部70のように木質系材に限定されるものではない。
なお、接続部が非見え懸かり部位に設けられる点では、第1、第2の実施の形態における鍵ベース体30(図3(a)参照)、鍵ベース体130(図3(b)参照)も、鍵構成部材60と同様であり、これら鍵ベース体30、130の切断跡44a、45a、46a〜48aについても、仕上げ追加工が不要で製造工程を簡略化するという効果が得られる。
なお、第2の実施の形態において、接続部46〜48の断面形状を十字形状等としたが、このような構成は、第1、第3の実施の形態においても採用可能である。
本発明の第1の実施の形態に係る鍵構造体を製造するにあたって成形される上側成型品の斜視図である。 第1の実施の形態に係る鍵構造体を製造するにあたって成形される下側成型品の斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る1つの鍵構造体を示す側面図(図(a))、及び本発明の第2の実施の形態に係る1つの鍵構造体の鍵ベース体のみの側面図(図(b))である。 本発明の第3の実施の形態に係る1つの鍵構造体を示す側面図(図(a))、及び同図(a)のA−A線に沿う断面の端面図(図(b))である。
符号の説明
10 上板体(保持部材)、 30 鍵ベース体(保持部材、鍵構成部材)、 41〜48、64〜66 接続部、 50 木質部(木質系部材、別部材)、 60 鍵構成部材(保持部材、上板体、鍵ベース体)、 70 木質部(別部材)、 130 鍵ベース体(保持部材、鍵構成部材)、 MD1 上側成型品(一体成型品)、 MD2、MD3 下側成型品(一体成型品)、 BD 木板

Claims (10)

  1. 盤装置に取り付けられたとき、押鍵操作により奏者側端部が上下方向に回動する1つの鍵として機能する鍵構造体を製造する鍵構造体の製造方法であって、
    多部品が含まれると共に、該多部品のうち保持部材が、隣接部品との間に所望の間隔を保つためにランナとは別に設けられる接続部を介して接続された合成樹脂製の一体成型品を、金型射出成形で成形する成形工程と、
    前記成形した一体成型品に、木質系部材でなる木板を接合固定する木板固定工程と、
    前記木板を接合固定した一体成型品の前記接続部を前記木板と共に切断して、前記保持部材を前記一体成型品から取り出すことで、前記保持部材に前記木質系部材が固定保持されてなる鍵構造体を得る取り出し工程とを有し、
    前記成形工程においては、前記接続部が、側面視において、前記木板固定工程において前記保持部材と前記木質系部材との接合面となる面が含まれる平面に接する面を有するように成形を行うことを特徴とする鍵構造体の製造方法
  2. 盤装置に取り付けられたとき、押鍵操作により奏者側端部が上下方向に回動する1つの鍵として機能する鍵構造体を製造する鍵構造体の製造方法であって、
    多部品が含まれると共に、該多部品のうち保持部材が、隣接部品との間に所望の間隔を保つためにランナとは別に設けられる接続部を介して接続された合成樹脂製の一体成型品を、金型射出成形で成形する成形工程と、
    前記成形した一体成型品に、木質系部材でなる木板を接合固定する木板固定工程と、
    前記木板を接合固定した一体成型品の前記接続部を前記木板と共に切断して、前記保持部材を前記一体成型品から取り出すことで、前記保持部材に前記木質系部材が固定保持されてなる鍵構造体を得る取り出し工程とを有し、
    前記成形工程においては、前記接続部、1つの前記保持部材の少なくとも片方の側面に3つ以上存在し、そのうち少なくとも3つの接続部が、同一直線上に位置しないように成形を行うことを特徴とする鍵構造体の製造方法
  3. 前記成形工程においては、前記接続部の少なくとも1つが、前記保持部材の、奏者側端部に相当する範囲内に設けられるように成形を行うことを特徴とする請求項1または2記載の鍵構造体の製造方法。
  4. 前記成形工程においては、前記接続部が、1つの前記保持部材の少なくとも片方の側面に複数存在し、そのうち2つの接続部が、側面視において互いに平行でない薄板状に形成されるように成形を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鍵構造体の製造方法。
  5. 盤装置に取り付けられたとき、押鍵操作により奏者側端部が上下方向に回動する1つの鍵として機能する鍵構造体を製造する鍵構造体の製造方法であって、
    多部品が含まれると共に、該多部品のうち鍵構成部材が、隣接部品との間に所望の間隔を保つためにランナとは別に設けられる接続部を介して接続された合成樹脂製の一体成型品を、金型射出成形で成形する成形工程と、
    前記成形した一体成型品の前記接続部から前記鍵構成部材を切り離して前記一体成型品から取り出すことを経て、該取り出した鍵構成部材を含んだ鍵構造体を得る取り出し工程とを有し、
    前記成形工程においては、前記接続部が、前記鍵構成部材の、鍵側部に相当する部位で且つ演奏時及び非演奏時に外観となって視認されない非見え懸かり部位にのみ設けられるように成形を行うことを特徴とする鍵構造体の製造方法。
  6. 前記成形工程においては、前記接続部の少なくとも1つ、前記鍵構成部材の、奏者側端部に相当する範囲内に設けられるように成形を行うことを特徴とする請求項記載の鍵構造体の製造方法
  7. 前記成形した一体成型品に、前記鍵構成部材とは別個に構成される木質系部材でなる木板を接合固定する木板固定工程を有し、前記取り出し工程においては、前記木板を接合固定した一体成型品の前記接続部を前記木板と共に切断して、前記鍵構成部材を前記一体成型品から取り出すことで、前記鍵構成部材に前記木質系部材が固定保持されてなる鍵構造体を得、前記鍵構成部材は、演奏操作面を有する上板体、及び前記木質系部材の下部が固定される鍵ベース体の少なくとも一方であることを特徴とする請求項5または6記載の鍵構造体の製造方法
  8. 前記成形工程においては、前記接続部、1つの前記鍵構成部材の少なくとも片方の側面に複数存在し、そのうち2つの接続部、側面視において互いに平行でない薄板状に形成されるように成形を行うことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の鍵構造体の製造方法
  9. 前記成形工程においては、前記接続部の、側面視における断面形状が、平行でない2枚以上の薄板形状を一体に組み合わせた形状を成すように成形を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の鍵構造体の製造方法
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の鍵構造体の製造方法により製造されたことを特徴とする鍵構造体。
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