JP3846093B2 - 蓋付き紙カップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アイスクリーム等に利用される紙カップの内面に蓋を接着した蓋付き紙カップに関する。
【0002】
【従来の技術】
アイスクリーム等に利用されるカップは、従来、紙カップに内容物を入れ開口部をフィルム状の内蓋で覆い、さらに外蓋を設け保護する構造のものが利用されている。特に内蓋は、内容物の乾燥防止、内容物の保護および内容物の表面を平らにする等の効果がある。この内蓋を設けたカップとしては、例えば図2に示すように、紙カップ2と折り曲げ部6を有する蓋1からなり、この折り曲げ部6を紙カップ2の内面に接し、シールヘッド4により、前記折り曲げ部6を紙カップ2の内面に接着し、蓋付き紙カップとしていた。ここで、前記蓋1と紙カップ2の内面との密封性を良好にしなければならない機能と、使用時に蓋1を容易に開封できる機能が必要である。この2つの機能を有する構造とするため、蓋1の折り曲げ部6の上部は、紙カップ2の内面に接着しないように、紙カップ2の上部の内面に剥離剤(シリコン等)を塗布して蓋1の端部付近を剥離し易くしていた。
【0003】
しかし蓋1の折り曲げ部6の上部のみ接着しないように、紙カップ2の内面に剥離剤を塗布、固定化することは困難で、塗布ムラが生じ密閉不良を起こしたり、カップ最端部に外蓋を取り付ける場合、この剥離剤がはみ出しシール不良を起こしたり、取り付けられないこと等があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、紙カップの開口部に断面凹状の周辺に折り曲げ部を有するおとし蓋で、前記蓋の折り曲げ部を紙カップの内面に接着し閉蓋してなる蓋付き紙カップにおいて、蓋を加熱圧着により良好に密封接着出来、しかも手等により容易に蓋を剥離出来る蓋付き紙カップを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するものであり、請求項1の発明は、紙カップの開口部を断面凹状の周辺に折り曲げ部を有するおとし蓋で、蓋の周辺の折り曲げ部を紙カップの内面に接着して閉蓋してなる蓋付き紙カップにおいて、紙カップの開口部のテーパーを、前記蓋の折り曲げ部との接着した接着面の中間部から上方の部分は、折り曲げ部のテーパーより大きくし、蓋の折り曲げ部の中間部から下方を接着したことにより接触面積を少なくし接着部分を少なくしたことを特徴とする蓋付き紙カップ、としたものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の紙カップを一実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例の説明図であり、紙カップ2と蓋1と接着部分5、及び張り合わせ時のシールヘッド4の位置を断面で示した説明図である。本発明は、予め成形した紙カップ2開口部の内面に、周辺に折り曲げ部6を形成した蓋1の前記折り曲げ部6を接し、シールヘッド4により加熱加圧し、接着部分5を形成し、閉蓋した蓋付き紙カップである。この時、紙カップ2の開口部のテーパーaを、前記蓋1の折り曲げ部6との接する部分の中間部から上方の部分は、折り曲げ部6のテーパーbより大きくする。この結果、紙カップ2と蓋1の折り曲げ部6が上記のような構成になっているので、シールヘッド4で接着したとき、蓋1の折り曲げ部6、蓋1と、紙カップ2の内面は、折り曲げ部6の下方のみ接着し、上方は接着されないので、紙カップ2との接触面積を少なくし接着部分5を少なくすることにより、蓋1と紙カップ2との剥離性が良くなる。
【0007】
【実施例】
次に、本発明の一具体的実施例を以下に詳細に説明する。
紙カップを、PE(ポリエチレン)/紙/PEの材料からなる胴部材料と底部材を利用しカップ成形機により開口部を有する紙カップを成形した。なおこの紙カップの上端は、外側にカールしたトップカール部が形成してある。なお、胴部のテーパーは、蓋を接着する部分の中間より上方のテーパーを、接着する部分の中間より下方より大きくなるように成形した。
【0008】
この後、充填機によりアイスクリームの流動体を紙カップに充填し、断面凹状で、周辺に折り曲げ部を形成した蓋を落とし込み加熱したヒートヘッドによりヒートシールし、紙カップを閉蓋した。この閉蓋の結果、図1に示したように、紙カップ2と蓋の折り曲げ部は、折り曲げ部の下方のみ紙カップの内面と接着し、折り曲げ部の上方は紙カップの内面に接着しない構造となる。
【0009】
本発明では、紙カップのテーパーは金型で設けるため安定性がよく成形できるので、蓋の折り曲げ部との接着面積が安定し、密封性が良好であり、従来のようにシリコン塗布による塗布ムラ等の不安定性がない。またシリコン塗布をしないので外蓋をしてもシール性にも悪影響を及ぼす事がない。
なお、実施例ではカップ胴部が円錐台形としたが、円柱形状のものでも同じ効果があり、採用できる。
【0010】
【発明の効果】
本発明は、以上のような構成要件であるから、紙カップの開口部を断面凹状の周辺の折り曲げ部を有するおとし蓋で蓋の周辺部分を接着して閉蓋してなる蓋付き紙カップにおいて、加熱圧着により良好に密封接着出来、しかも手等により容易に蓋を剥離出来る蓋付き紙カップとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の蓋付き紙カップの蓋の接着状態の例を断面で示す説明図である。
【図2】本発明に係る蓋付き紙カップの蓋の接着状態の実施例を断面で示す説明図である。
【符号の説明】
1・・・蓋
2・・・紙カップ
3・・・スウィング角
4・・・シールヘッド
5・・・接着部分
6・・・折れ曲がり部分
a,b・・・テーパー

Claims (1)

  1. 紙カップの開口部を断面凹状の周辺に折り曲げ部を有するおとし蓋で、蓋の周辺の折り曲げ部を紙カップの内面に接着して閉蓋してなる蓋付き紙カップにおいて、紙カップの開口部のテーパーを、前記蓋の折り曲げ部との接着した接着面の中間部から上方の部分は、折り曲げ部のテーパーより大きくし、蓋の折り曲げ部の中間部から下方を接着したことにより接触面積を少なくし接着部分を少なくしたことを特徴とする蓋付き紙カップ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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