JP3845502B2 - 生ごみ処理機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各家庭や飲食店等から日々廃棄される野菜や果物や魚類や残飯等の生ごみを、各家庭や飲食店或いは各種事業所や自治体等で、確実に且つ簡単に好気性分解処理することができる生ごみ処理機の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般家庭や飲食店等から出される生ごみの処理については、各自治体をはじめ各種事業所等において、より効果的に処理できる方法について研究開発されている。そして従来から生ごみ処理の方法としては、投棄するか、埋め立てるか、焼却するか、微生物によって分解処理するかの方法がある。しかし、投棄や埋め立てによる方法では水質汚染や悪臭、病害虫の発生等の公害問題を引き起こし、また、焼却処理する方法では処理に膨大や費用がかかるといった問題があった。
【0003】
そこで、微生物によって分解処理することが、生ごみ処理に最も有効な方法であると考えられ、従来から特公平2−34679号公報、特公平2−10398号公報、特公平2−30760号公報、実公平3−22385号公報、実公平3−88683号公報、特開平4−4084号公報、特開平5−57264号公報、特開平5−221765号公報、特開平7−51655号公報、特開平8−57458号公報等に開示のような方法や装置が開発されている。
【0004】
此処で一般に微生物(好気性細菌「バチルス菌」)によって生ごみを分解処理(好気性分解処理)するには、微生物に対して最適な住処と温度と酸素量と水分量が必要となる。この微生物にとって必要な4条件(最適な住処と温度と酸素量と水分量)を有効に確保してくれる物として、本発明者が開発した杉材のチップ(以下、担体という)がもっとも有効である。この1つの担体は無数のハニカム状の道管(空洞)によって構成されている。道管は植物が根から吸収した水を木の葉に送るための通路であり、微生物の住処にとって最適であり、また微生物の増殖にとって重要な保水性と通気性に優れている。
【0005】
本発明者と同一人は、この担体を使用して効果的に生ごみを処理する生ごみ処理機を先に開発していた。この生ごみ処理機は、駆動手段によって回転する攪拌羽根を内蔵した生ごみ処理機において、攪拌羽根が、回転軸の一端側から略中央位置まで一方の攪拌翼を右巻き螺旋状に設けると共に、回転軸の他端側から略中央位置までもう一方の攪拌翼を左巻き螺旋状に設けた構成のものである。
【0006】
この生ごみ処理機の中に所定量の担体を充填し、生ごみを投入して攪拌羽根で攪拌する。このことにより投入された生ごみは、担体とともに左右の攪拌翼によって生ごみ処理機内の下方から上方に移動させられ、且つ左右両側から中央に寄せられる。そしてこの中央に寄せられた生ごみと担体は、前方に落下させられている。
【0007】
このようにして投入された生ごみは、生ごみ処理機内で所定時間攪拌することにより、担体に生息している好気性微生物(以下、菌体という)によって炭酸ガスと水とに好気性分解処理される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、生ごみにも種々雑多のものがあり、特に魚の脂身等が生ごみとして投入された場合、生ごみ処理機内で攪拌されている間に脂身等が担体と絡まって団子状の固まりとなる。この固まりは、上記のような構成の生ごみ処理機では砕かれずに生ごみ処理機内の中央付近で回されるだけであった。
【0009】
このときの固まりの中の担体は、道管を脂身等によって閉塞されてしまい、道管内に生息している菌体には新鮮な空気や水が供給されなくなり、菌体を死滅させてしまっていた。その結果、嫌気性微生物が繁殖して生ごみを嫌気性分解処理してしまい、投入された生ごみの全てを効果的に好気性分解処理できなくなるばかりか、嫌気性分解処理によって悪臭を発生させてしまうといった問題があった。
【0010】
本発明は上述のような点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、投入された生ごみが攪拌中に担体とともに固まりとなっても砕いてしまうことができ、あらゆる種類の生ごみを効率良く好気性分解処理できて悪臭の発生も防止できる生ごみ処理機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記のような目的を有効に達成するために、次のような構成にしてある。すなわち、本発明の生ごみ処理機は、回転軸の一端側から中央付近まで一方の攪拌翼を右巻き螺旋状に、他端側から中央付近までもう一方の攪拌翼を左巻き螺旋状に夫々設け、且つこの両攪拌翼の先端部間に所定の間隔を設けてなる攪拌羽根を、駆動手段によって回転できるようにして開閉可能な処理機本体の中に設け、更に処理機本体の中に充填された担体と投入された生ごみとの攪拌により形成される固まりを砕く突状部を、両攪拌翼の先端部間に位置するようにして処理機本体の中に設けた構成にしてある。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は本発明に係る生ごみ処理機の要部説明図、図2は本発明に係る生ごみ処理機の側面からみた説明図、図3は本発明に係る生ごみ処理機の横断面を示す説明図、図4は本発明に係る生ごみ処理機の要部斜視図、図5は本発明に係る生ごみ処理機の全体斜視図、図6は本発明に係る生ごみ処理機の正面図である。
【0013】
これらの図において、生ごみ処理機1(図5参照)は、処理機本体2と、攪拌槽3(図1〜図4参照)と、攪拌羽根4と、突状部41と、駆動手段5と、散水器6(図5,図6参照)と、ヒーター(図示せず)と、温度検出センサ(図示せず)と、操作盤9(図5〜図7参照)及び制御盤10等によって構成されている。
【0014】
処理機本体2(図2〜図5参照)は、内部中空な略四角箱状であって、上部には生ごみ投入用の開口11が形成され、この開口11にはガススプリング13を介して蓋12が設けられている。この蓋12は上下動させることにより開口11を開閉できるようにしてある。また、処理機本体2の一部の前面部から底部にかけて担体排出用の切欠部14が形成され、この切欠部14には前方に開放できる扉14aが開閉可能に設けられている。また、処理機本体2の底部四隅には、ストッパー付キャスター15が設けられ、簡単に処理機本体2を移動させることができるようにしてある。
【0015】
処理機本体2(図1,図3参照)の中には、底部を円弧状に形成し両端を閉塞してなる上部開放の攪拌槽3が設けられている。この攪拌槽3内には、回転軸16と左右の攪拌翼21、22からなる攪拌羽根4が設けられている。
【0016】
すなわち、回転軸16は、攪拌槽3の両側壁部3aを貫通し、この両側壁部3aの外側に設けられた軸受17、18によって回転自在に支持されている。この各軸受17、18は支持部材19、20に固定されている。
【0017】
上記の回転軸16には、一端側から中央付近まで一方の攪拌翼21が右巻き螺旋状に設けられ、他端側から中央付近まではもう一方の攪拌翼22が左巻き螺旋状に設けられている。この攪拌翼21と攪拌翼22とは別体であって、攪拌翼21の先端部21aと攪拌翼22の先端部22aとは、水平方向に対し50mm〜70mm又は90mm位の間隔(所定の間隔)を空けてある。勿論、この間隔の距離は上記の数値に限定されるものではなく、他の数値(間隔)に設計変更してもよい。
【0018】
この各攪拌翼21、22は、回転軸16から外方に垂直に設けた複数の支持杆23と、この各支持杆23によって支持固定される螺旋状に形成された攪拌部材24とからなる。尚、回転軸16に対し攪拌翼21を左巻き螺旋状に設け、攪拌翼22を右巻き螺旋状に設けた構成としてもよい。
【0019】
上記した回転軸16は、駆動手段5に連結されて回転できるようにしてある。すなわち、この駆動手段5は、回転軸16の一端に設けたスプロケット25と、減速機付モーター26と、このモーター26の主軸27に設けたスプロケット28と、スプロケット25,28に張設したチェーン29とからなる。減速機付モーター26は、攪拌槽3の外側の処理機本体2の底面上に設けてある。勿論、駆動手段は上記のような構成に限らず、回転軸16を回転させることができれば、他の構成であってもよい。
【0020】
更に攪拌羽根4を内設した攪拌槽3の内部の前面部3bには、攪拌によって魚の脂身等と担体とが絡まって形成される固まりを、梳くようにして砕くための突状部41(図1〜図4参照)が設けられている。この突状部41は、図示の例では横断面が山型状(図1参照)であり、前面部3bの上部近傍から下部近傍にわたって設けられている。突状部41の稜線部41aは、上記した攪拌羽根4の両攪拌翼21,22の先端部21a,22aの間に位置し、回転軸16の近傍付近まで突出している。
【0021】
処理機本体2の上部内側(図5,図6参照)には散水器6が設けられ、菌体にとって適度な水分を各ノズル30から攪拌槽3内に自動的に或いは半自動的に散水できるようにしてある。31は処理機本体2の底部に設けた給水接続口であって上記散水器6と接続してある。
【0022】
32は処理機本体2の側面上部に設けた排気ファン、33は処理機本体2の背面上部に設けた吸気口である。処理機本体2の前面上部には操作盤9が設けてあり、処理機本体2の内部には制御盤10が設けてある。また、攪拌槽3内の温度を昇温したり一定温度に保持するためのヒーター(図示せず)と温度検出センサ(図示せず)が攪拌槽3に設けられている。
【0023】
更に処理機本体2の上記した担体排出用の切欠部14(図5参照)の前面位置と対向する攪拌槽3の部分(図6参照)には、小さい開口部34が形成され、この開口部34を開閉する蓋35が取出開閉ハンドル36を介して攪拌槽3の外側に設けられている。37はスイッチであって、攪拌羽根4を攪拌状態に制御できるように蓋35の近傍の攪拌槽3の外面に設けられている。
【0024】
上記の開口部34は、攪拌槽3内の担体を交換する時に使用するものであって、攪拌槽3内の担体を取り出すときには、処理機本体2の扉14aを手前に開け、開口部34の下方にトレイ(図示せず)を置く。スイッチ37を入れて攪拌羽根4を攪拌状態にする。次に取出開閉ハンドル36を回す。このことにより開口部34は開放され、攪拌槽3内の担体は自動的に開口部34からトレイに落下する。トレイが一杯になるとスイッチ37を切る。この作業を攪拌槽3内の担体が無くなるまで繰り返す。担体取り出し完了後は、取出開閉ハンドル36を回して開口部34を蓋35で閉じスイッチ37を切って、新しい担体を開口11から投入する。
【0025】
図中符号38(図5参照)は、処理機本体2の側面に形成した取手であり、39は電源プラグであってコード40は制御盤内の制御回路(図示せず)に接続されている。また、操作盤10の各スイッチを操作することによって、上記した種々の機器を自動的に或いは半自動または手動で作動・停止させることができるようにしてある。
【0026】
上記のような構成からなる生ごみ処理機1にあっては、先ず攪拌槽3内に担体を入れ、この中に生ごみを開口11から攪拌槽3内に投入する。開口11の蓋12は、生ごみ投入時に開けることによって攪拌羽根4の回転が停止し、蓋12を閉じると攪拌羽根4は回転するように制御されている。
【0027】
上記のようにして生ごみ投入後、自動的にヒーター(図示せず)が作動し、担体の道管等に付着している菌体の活動が活発になる40℃まで昇温するようにしてある。攪拌槽3内が40℃に達した時、自動的にヒーター(図示せず)の作動は停止するようにしてある。攪拌槽3内を40℃に昇温することにより菌体の活動温度を短時間に人工的につくり上げる。40℃以上の上昇温度は菌体の活動温度に任せる。
【0028】
このようにして菌体の生息する担体と共に生ごみを攪拌羽根4によって攪拌することにより、投入した生ごみは時間の経過と共に菌体によって水と炭酸ガスに分解され、水は菌体の生息に利用され、炭酸ガスは排気ファン32によって大気中に放出される。
【0029】
また、上記した構成の攪拌羽根4は、担体をソフトに攪拌する構造であり、菌体の必要とする酸素を攪拌槽3内の全ての担体に供給することができる。
すなわち、攪拌羽根4は駆動手段5によって回転することにより、攪拌槽3内に充填されている担体を攪拌槽3の左右両側から中央部手前側(前面部3b側)、並びに攪拌槽3の下部から上部に移動させる。移動した担体は、攪拌槽3の中央部の手前側(前面部3b側)の上方から下方に自然落下する。そのため、各担体は、練られるような攪拌ではなく上記のようにソフトな感じで破損されることなく攪拌される。また、菌体の必要とする酸素量を全ての担体に均一に供給することができる。したがって、嫌気性微生物の活動を抑圧し悪臭の発生を抑えることができる。
【0030】
更に生ごみが魚の脂身等のものである場合、担体と共に攪拌されることにより団子状の固まりとなる。しかしながら、攪拌槽3には突状部41が設けてあるので、攪拌羽根4によって攪拌槽3の中央に移動してきた固まりは、攪拌槽3の手前側(前面部3b側)の上部から下部に自然落下する時に、突状部41(図6短小)に当たって稜線部41aで梳くようにして砕かれる。そのため、脂身等の生ごみが投入されても攪拌槽3内で固まりとなって嫌気性分解を起こすのを防止できる。
【0031】
図7、図8は別の例の生ごみ処理機1であって、この生ごみ処理機1では、突状部41(図7,図8参照)が上記の例と異なる。尚、他の構成は上記した例と同様であり説明を省略する。
【0032】
この生ごみ処理機1の突状部41は、全体には図示のように菱形又は三日月形であり、稜線部41a(頂部)は、攪拌羽根4の両攪拌翼21,22の先端部21a,22aの間に位置している。この突状部41も上記例と同様に、担体と魚の脂身等が攪拌されて形成された固まりを、稜線部41a(頂部)で梳くようにして砕くことができる。尚、突状部41は攪拌槽3の後面部に設けるように設計変更してもよい。
【0033】
本発明に係る生ごみ処理機は、下水汚泥や沼湖汚泥、動植物食品残渣等の処理機としても利用することができる。
【0034】
【発明の効果】
このように本発明の生ごみ処理機では、魚の脂身等が生ごみとして投入された場合に攪拌によって担体とともに固まりとなるが、この固まりを突状部によって梳くようにして砕くことができる。そのため、攪拌槽内で嫌気性分解処理が行われることもなく、種々の生ごみを効率よく好気性分解処理することができ、悪臭の発生も無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る生ごみ処理機の要部説明図である。
【図2】本発明に係る生ごみ処理機の側面からみた説明図である。
【図3】本発明に係る生ごみ処理機の横断面の説明図である。
【図4】本発明に係る生ごみ処理機の要部斜視図である。
【図5】本発明に係る生ごみ処理機の全体斜視図である。
【図6】本発明に係る生ごみ処理機の正面図である。
【図7】本発明に係る他の例の生ごみ処理機の縦断面の簡略説明図である。
【図8】本発明に係る他の例の生ごみ処理機の内部の説明図である。
【符号の説明】
1 生ごみ処理機
2 処理機本体
4 攪拌羽根
5 駆動手段
16 回転軸
21 攪拌翼
22 攪拌翼
21a 先端部
22a 先端部
41 突状部
【発明の属する技術分野】
本発明は、各家庭や飲食店等から日々廃棄される野菜や果物や魚類や残飯等の生ごみを、各家庭や飲食店或いは各種事業所や自治体等で、確実に且つ簡単に好気性分解処理することができる生ごみ処理機の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般家庭や飲食店等から出される生ごみの処理については、各自治体をはじめ各種事業所等において、より効果的に処理できる方法について研究開発されている。そして従来から生ごみ処理の方法としては、投棄するか、埋め立てるか、焼却するか、微生物によって分解処理するかの方法がある。しかし、投棄や埋め立てによる方法では水質汚染や悪臭、病害虫の発生等の公害問題を引き起こし、また、焼却処理する方法では処理に膨大や費用がかかるといった問題があった。
【0003】
そこで、微生物によって分解処理することが、生ごみ処理に最も有効な方法であると考えられ、従来から特公平2−34679号公報、特公平2−10398号公報、特公平2−30760号公報、実公平3−22385号公報、実公平3−88683号公報、特開平4−4084号公報、特開平5−57264号公報、特開平5−221765号公報、特開平7−51655号公報、特開平8−57458号公報等に開示のような方法や装置が開発されている。
【0004】
此処で一般に微生物(好気性細菌「バチルス菌」)によって生ごみを分解処理(好気性分解処理)するには、微生物に対して最適な住処と温度と酸素量と水分量が必要となる。この微生物にとって必要な4条件(最適な住処と温度と酸素量と水分量)を有効に確保してくれる物として、本発明者が開発した杉材のチップ(以下、担体という)がもっとも有効である。この1つの担体は無数のハニカム状の道管(空洞)によって構成されている。道管は植物が根から吸収した水を木の葉に送るための通路であり、微生物の住処にとって最適であり、また微生物の増殖にとって重要な保水性と通気性に優れている。
【0005】
本発明者と同一人は、この担体を使用して効果的に生ごみを処理する生ごみ処理機を先に開発していた。この生ごみ処理機は、駆動手段によって回転する攪拌羽根を内蔵した生ごみ処理機において、攪拌羽根が、回転軸の一端側から略中央位置まで一方の攪拌翼を右巻き螺旋状に設けると共に、回転軸の他端側から略中央位置までもう一方の攪拌翼を左巻き螺旋状に設けた構成のものである。
【0006】
この生ごみ処理機の中に所定量の担体を充填し、生ごみを投入して攪拌羽根で攪拌する。このことにより投入された生ごみは、担体とともに左右の攪拌翼によって生ごみ処理機内の下方から上方に移動させられ、且つ左右両側から中央に寄せられる。そしてこの中央に寄せられた生ごみと担体は、前方に落下させられている。
【0007】
このようにして投入された生ごみは、生ごみ処理機内で所定時間攪拌することにより、担体に生息している好気性微生物(以下、菌体という)によって炭酸ガスと水とに好気性分解処理される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、生ごみにも種々雑多のものがあり、特に魚の脂身等が生ごみとして投入された場合、生ごみ処理機内で攪拌されている間に脂身等が担体と絡まって団子状の固まりとなる。この固まりは、上記のような構成の生ごみ処理機では砕かれずに生ごみ処理機内の中央付近で回されるだけであった。
【0009】
このときの固まりの中の担体は、道管を脂身等によって閉塞されてしまい、道管内に生息している菌体には新鮮な空気や水が供給されなくなり、菌体を死滅させてしまっていた。その結果、嫌気性微生物が繁殖して生ごみを嫌気性分解処理してしまい、投入された生ごみの全てを効果的に好気性分解処理できなくなるばかりか、嫌気性分解処理によって悪臭を発生させてしまうといった問題があった。
【0010】
本発明は上述のような点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、投入された生ごみが攪拌中に担体とともに固まりとなっても砕いてしまうことができ、あらゆる種類の生ごみを効率良く好気性分解処理できて悪臭の発生も防止できる生ごみ処理機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記のような目的を有効に達成するために、次のような構成にしてある。すなわち、本発明の生ごみ処理機は、回転軸の一端側から中央付近まで一方の攪拌翼を右巻き螺旋状に、他端側から中央付近までもう一方の攪拌翼を左巻き螺旋状に夫々設け、且つこの両攪拌翼の先端部間に所定の間隔を設けてなる攪拌羽根を、駆動手段によって回転できるようにして開閉可能な処理機本体の中に設け、更に処理機本体の中に充填された担体と投入された生ごみとの攪拌により形成される固まりを砕く突状部を、両攪拌翼の先端部間に位置するようにして処理機本体の中に設けた構成にしてある。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は本発明に係る生ごみ処理機の要部説明図、図2は本発明に係る生ごみ処理機の側面からみた説明図、図3は本発明に係る生ごみ処理機の横断面を示す説明図、図4は本発明に係る生ごみ処理機の要部斜視図、図5は本発明に係る生ごみ処理機の全体斜視図、図6は本発明に係る生ごみ処理機の正面図である。
【0013】
これらの図において、生ごみ処理機1(図5参照)は、処理機本体2と、攪拌槽3(図1〜図4参照)と、攪拌羽根4と、突状部41と、駆動手段5と、散水器6(図5,図6参照)と、ヒーター(図示せず)と、温度検出センサ(図示せず)と、操作盤9(図5〜図7参照)及び制御盤10等によって構成されている。
【0014】
処理機本体2(図2〜図5参照)は、内部中空な略四角箱状であって、上部には生ごみ投入用の開口11が形成され、この開口11にはガススプリング13を介して蓋12が設けられている。この蓋12は上下動させることにより開口11を開閉できるようにしてある。また、処理機本体2の一部の前面部から底部にかけて担体排出用の切欠部14が形成され、この切欠部14には前方に開放できる扉14aが開閉可能に設けられている。また、処理機本体2の底部四隅には、ストッパー付キャスター15が設けられ、簡単に処理機本体2を移動させることができるようにしてある。
【0015】
処理機本体2(図1,図3参照)の中には、底部を円弧状に形成し両端を閉塞してなる上部開放の攪拌槽3が設けられている。この攪拌槽3内には、回転軸16と左右の攪拌翼21、22からなる攪拌羽根4が設けられている。
【0016】
すなわち、回転軸16は、攪拌槽3の両側壁部3aを貫通し、この両側壁部3aの外側に設けられた軸受17、18によって回転自在に支持されている。この各軸受17、18は支持部材19、20に固定されている。
【0017】
上記の回転軸16には、一端側から中央付近まで一方の攪拌翼21が右巻き螺旋状に設けられ、他端側から中央付近まではもう一方の攪拌翼22が左巻き螺旋状に設けられている。この攪拌翼21と攪拌翼22とは別体であって、攪拌翼21の先端部21aと攪拌翼22の先端部22aとは、水平方向に対し50mm〜70mm又は90mm位の間隔(所定の間隔)を空けてある。勿論、この間隔の距離は上記の数値に限定されるものではなく、他の数値(間隔)に設計変更してもよい。
【0018】
この各攪拌翼21、22は、回転軸16から外方に垂直に設けた複数の支持杆23と、この各支持杆23によって支持固定される螺旋状に形成された攪拌部材24とからなる。尚、回転軸16に対し攪拌翼21を左巻き螺旋状に設け、攪拌翼22を右巻き螺旋状に設けた構成としてもよい。
【0019】
上記した回転軸16は、駆動手段5に連結されて回転できるようにしてある。すなわち、この駆動手段5は、回転軸16の一端に設けたスプロケット25と、減速機付モーター26と、このモーター26の主軸27に設けたスプロケット28と、スプロケット25,28に張設したチェーン29とからなる。減速機付モーター26は、攪拌槽3の外側の処理機本体2の底面上に設けてある。勿論、駆動手段は上記のような構成に限らず、回転軸16を回転させることができれば、他の構成であってもよい。
【0020】
更に攪拌羽根4を内設した攪拌槽3の内部の前面部3bには、攪拌によって魚の脂身等と担体とが絡まって形成される固まりを、梳くようにして砕くための突状部41(図1〜図4参照)が設けられている。この突状部41は、図示の例では横断面が山型状(図1参照)であり、前面部3bの上部近傍から下部近傍にわたって設けられている。突状部41の稜線部41aは、上記した攪拌羽根4の両攪拌翼21,22の先端部21a,22aの間に位置し、回転軸16の近傍付近まで突出している。
【0021】
処理機本体2の上部内側(図5,図6参照)には散水器6が設けられ、菌体にとって適度な水分を各ノズル30から攪拌槽3内に自動的に或いは半自動的に散水できるようにしてある。31は処理機本体2の底部に設けた給水接続口であって上記散水器6と接続してある。
【0022】
32は処理機本体2の側面上部に設けた排気ファン、33は処理機本体2の背面上部に設けた吸気口である。処理機本体2の前面上部には操作盤9が設けてあり、処理機本体2の内部には制御盤10が設けてある。また、攪拌槽3内の温度を昇温したり一定温度に保持するためのヒーター(図示せず)と温度検出センサ(図示せず)が攪拌槽3に設けられている。
【0023】
更に処理機本体2の上記した担体排出用の切欠部14(図5参照)の前面位置と対向する攪拌槽3の部分(図6参照)には、小さい開口部34が形成され、この開口部34を開閉する蓋35が取出開閉ハンドル36を介して攪拌槽3の外側に設けられている。37はスイッチであって、攪拌羽根4を攪拌状態に制御できるように蓋35の近傍の攪拌槽3の外面に設けられている。
【0024】
上記の開口部34は、攪拌槽3内の担体を交換する時に使用するものであって、攪拌槽3内の担体を取り出すときには、処理機本体2の扉14aを手前に開け、開口部34の下方にトレイ(図示せず)を置く。スイッチ37を入れて攪拌羽根4を攪拌状態にする。次に取出開閉ハンドル36を回す。このことにより開口部34は開放され、攪拌槽3内の担体は自動的に開口部34からトレイに落下する。トレイが一杯になるとスイッチ37を切る。この作業を攪拌槽3内の担体が無くなるまで繰り返す。担体取り出し完了後は、取出開閉ハンドル36を回して開口部34を蓋35で閉じスイッチ37を切って、新しい担体を開口11から投入する。
【0025】
図中符号38(図5参照)は、処理機本体2の側面に形成した取手であり、39は電源プラグであってコード40は制御盤内の制御回路(図示せず)に接続されている。また、操作盤10の各スイッチを操作することによって、上記した種々の機器を自動的に或いは半自動または手動で作動・停止させることができるようにしてある。
【0026】
上記のような構成からなる生ごみ処理機1にあっては、先ず攪拌槽3内に担体を入れ、この中に生ごみを開口11から攪拌槽3内に投入する。開口11の蓋12は、生ごみ投入時に開けることによって攪拌羽根4の回転が停止し、蓋12を閉じると攪拌羽根4は回転するように制御されている。
【0027】
上記のようにして生ごみ投入後、自動的にヒーター(図示せず)が作動し、担体の道管等に付着している菌体の活動が活発になる40℃まで昇温するようにしてある。攪拌槽3内が40℃に達した時、自動的にヒーター(図示せず)の作動は停止するようにしてある。攪拌槽3内を40℃に昇温することにより菌体の活動温度を短時間に人工的につくり上げる。40℃以上の上昇温度は菌体の活動温度に任せる。
【0028】
このようにして菌体の生息する担体と共に生ごみを攪拌羽根4によって攪拌することにより、投入した生ごみは時間の経過と共に菌体によって水と炭酸ガスに分解され、水は菌体の生息に利用され、炭酸ガスは排気ファン32によって大気中に放出される。
【0029】
また、上記した構成の攪拌羽根4は、担体をソフトに攪拌する構造であり、菌体の必要とする酸素を攪拌槽3内の全ての担体に供給することができる。
すなわち、攪拌羽根4は駆動手段5によって回転することにより、攪拌槽3内に充填されている担体を攪拌槽3の左右両側から中央部手前側(前面部3b側)、並びに攪拌槽3の下部から上部に移動させる。移動した担体は、攪拌槽3の中央部の手前側(前面部3b側)の上方から下方に自然落下する。そのため、各担体は、練られるような攪拌ではなく上記のようにソフトな感じで破損されることなく攪拌される。また、菌体の必要とする酸素量を全ての担体に均一に供給することができる。したがって、嫌気性微生物の活動を抑圧し悪臭の発生を抑えることができる。
【0030】
更に生ごみが魚の脂身等のものである場合、担体と共に攪拌されることにより団子状の固まりとなる。しかしながら、攪拌槽3には突状部41が設けてあるので、攪拌羽根4によって攪拌槽3の中央に移動してきた固まりは、攪拌槽3の手前側(前面部3b側)の上部から下部に自然落下する時に、突状部41(図6短小)に当たって稜線部41aで梳くようにして砕かれる。そのため、脂身等の生ごみが投入されても攪拌槽3内で固まりとなって嫌気性分解を起こすのを防止できる。
【0031】
図7、図8は別の例の生ごみ処理機1であって、この生ごみ処理機1では、突状部41(図7,図8参照)が上記の例と異なる。尚、他の構成は上記した例と同様であり説明を省略する。
【0032】
この生ごみ処理機1の突状部41は、全体には図示のように菱形又は三日月形であり、稜線部41a(頂部)は、攪拌羽根4の両攪拌翼21,22の先端部21a,22aの間に位置している。この突状部41も上記例と同様に、担体と魚の脂身等が攪拌されて形成された固まりを、稜線部41a(頂部)で梳くようにして砕くことができる。尚、突状部41は攪拌槽3の後面部に設けるように設計変更してもよい。
【0033】
本発明に係る生ごみ処理機は、下水汚泥や沼湖汚泥、動植物食品残渣等の処理機としても利用することができる。
【0034】
【発明の効果】
このように本発明の生ごみ処理機では、魚の脂身等が生ごみとして投入された場合に攪拌によって担体とともに固まりとなるが、この固まりを突状部によって梳くようにして砕くことができる。そのため、攪拌槽内で嫌気性分解処理が行われることもなく、種々の生ごみを効率よく好気性分解処理することができ、悪臭の発生も無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る生ごみ処理機の要部説明図である。
【図2】本発明に係る生ごみ処理機の側面からみた説明図である。
【図3】本発明に係る生ごみ処理機の横断面の説明図である。
【図4】本発明に係る生ごみ処理機の要部斜視図である。
【図5】本発明に係る生ごみ処理機の全体斜視図である。
【図6】本発明に係る生ごみ処理機の正面図である。
【図7】本発明に係る他の例の生ごみ処理機の縦断面の簡略説明図である。
【図8】本発明に係る他の例の生ごみ処理機の内部の説明図である。
【符号の説明】
1 生ごみ処理機
2 処理機本体
4 攪拌羽根
5 駆動手段
16 回転軸
21 攪拌翼
22 攪拌翼
21a 先端部
22a 先端部
41 突状部
Claims (1)
- 回転軸の一端側から中央付近まで一方の攪拌翼を右巻き螺旋状に、他端側から中央付近までもう一方の攪拌翼を左巻き螺旋状に夫々設け、且つこの両攪拌翼の先端部間に所定の間隔を設けてなる攪拌羽根を、駆動手段によって回転できるようにして開閉可能な処理機本体の中に設け、更に処理機本体の中に充填された担体と投入された生ごみとの攪拌により形成される固まりを砕く突状部を、両攪拌翼の先端部間に位置するようにして処理機本体の中に設けたことを特徴とする生ごみ処理機。
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JPH1157665A JPH1157665A (ja) | 1999-03-02 |
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Family Applications (1)
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Country | Link |
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-
1997
- 1997-08-11 JP JP21658297A patent/JP3845502B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH1157665A (ja) | 1999-03-02 |
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