JP3845323B2 - 車両用エンジン始動システム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両ユーザーが携帯可能な携帯器と、エンジンの始動を制御するロータリースイッチと、該ロータリースイッチのスイッチング態様を切換えるべく該ロータリースイッチに連結される回動部材を有して車両側に配設されるとともに前記携帯器との間での信号授受に基づいて前記回動部材の回動操作を可能とした錠装置とを含む車両用エンジン始動システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両ユーザーが携帯する携帯器と、車両側の錠装置との間での信号授受に基づいて車両用エンジンの始動を可能する技術が、たとえば特開平3−21575号公報等で既に知られている。
【0003】
また前記携帯器が故障や電池切れ等で使用不能となったときに、携帯器に着脱可能に装着されるメカニカルキーを用いて車両用エンジンを始動可能とした技術が、たとえば特公平6−74683号公報で開示されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
ところで、メカニカルキーを携帯器に着脱可能に装着せしめるためにはメカニカルキーを小型化することが必要であるが、小型化したメカニカルキーを操作するのは難しく、操作性が劣ることになる。そこで、上記特公平6−74683号公報で開示されたものでは、メカニカルキーに係合溝が予め設けられており、その係合溝にコイン等の被係合部材を係合することでメカニカルキーの回動、引き抜き操作を行なうようにしている。
【0005】
しかるに、このような技術では、コイン等の被係合部材を車両ユーザーが保持していることが前提になっているが、車両ユーザーがコイン等の被係合部材を常に保持しているとは限らない。また夜間等で係合溝を確認しづらい環境下では操作に手間取ってしまう。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、メカニカルキーを用いて錠装置の解錠操作を行なう際に、車両ユーザー側で準備することを不要としつつ操作性を向上した車両用エンジン始動システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、車両ユーザーが携帯可能な携帯器と、エンジンの始動を制御するロータリースイッチと、該ロータリースイッチのスイッチング態様を切換えるべく該ロータリースイッチに連結される回動部材を有して車両側に配設されるとともに前記携帯器との間での信号授受に基づいて前記回動部材の回動操作を可能とした錠装置とを含む車両用エンジン始動システムにおいて、前記回動部材には、前記携帯器に着脱可能に装着されるメカニカルキーの挿入を可能としたキー孔が設けられ、該キー孔に挿入されたメカニカルキーの操作による前記回動部材の回動を許容するように構成された前記錠装置に、前記携帯器から離脱せしめた前記メカニカルキーに嵌合、連結可能なキー操作部材が、着脱可能に装着されることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、メカニカルキーを該メカニカルキーに嵌合、連結されるキー操作部材で操作することができるので、操作性を向上することができるとともに、メカニカルキーを小型の携帯器に着脱可能に装着し得る程度の小型のものとして形成することができ、しかもメカニカルキー自体に操作部を不要とすることでメカニカルキーの形状の自由度を増大することができる。またキー操作部材が車両側の錠装置に着脱可能に装着されるものであるので、メカニカルキー使用時に車両ユーザー側で操作部材を準備する必要がない。
【0009】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記キー操作部材は、前記回動部材が備えるキー孔の前端開口付近で前記錠装置に着脱可能に装着されることを特徴とし、かかる構成によれば、メカニカルキーを使用する際に、キー操作部材を容易に見つけることができる。
【0010】
請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の発明の構成に加えて、前記回動部材には、前記キー孔を臨ませる開口部を有する操作ノブが結合され、該操作ノブのほぼ全体を覆うようにして操作ノブに着脱可能に装着される前記キー操作部材が、該キー操作部材に嵌合される前記メカニカルキーを前記キー孔に挿入した状態では前記操作ノブに相対回動不能に係合されることを特徴とし、また請求項4記載の発明は、上記請求項2記載の発明の構成に加えて、前記回動部材には、前記キー孔を臨ませる開口部を有する操作ノブが結合され、前記開口部を覆うようにして該操作ノブに着脱可能に装着される前記キー操作部材が、該キー操作部材に嵌合される前記メカニカルキーを前記キー孔に挿入した状態では前記操作ノブに相対回動不能に係合されることを特徴とする。
【0011】
このような請求項3または4記載の発明の構成によれば、メカニカルキーを用いない場合には、キー孔への塵埃の侵入をキー操作部材で防止することができ、しかもメカニカルキーの使用時にはキー操作部材が操作ノブに相対回動不能に係合するので、メカニカルキーの非使用時と同様に操作ノブを操作してロータリースイッチのスイッチング態様を変化させて、車両用エンジンを始動することができる。
【0012】
請求項5記載の発明は、上記請求項3または4記載の発明の構成に加えて、前記キー孔に挿入されたメカニカルキーに連結された状態にある前記キー操作部材が、前記操作ノブに装着されている状態での前記キー操作部材よりも前記操作ノブから突出した位置に配置されることを特徴とし、かかる構成によれば、メカニカルキーを使用しているか否かを容易に判断することができる。
【0013】
請求項6記載の発明は、上記請求項2記載の発明の構成に加えて、前記回動部材には、該回動部材を回動操作するための操作ノブとして機能するとともに前記回動部材から離脱した状態では前記メカニカルキーを嵌合、連結することを可能したキー操作部材が、着脱可能に装着されることを特徴とし、かかる構成によれば、操作ノブを兼ねるキー操作部材を用いることにより、部品点数の増加を回避しつつメカニカルキーの操作性を向上することができる。
【0014】
さらに請求項7記載の発明は、上記請求項6記載の発明の構成に加えて、前記キー孔に挿入されたメカニカルキーに連結された状態にある前記キー操作部材が、前記回動部材に装着されている状態での前記キー操作部材よりも前記回動部材から突出した位置に配置されることを特徴とし、かかる構成によれば、メカニカルキーを使用しているか否かを容易に判断することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0016】
図1〜図6は本発明の第1実施例を示すものであり、図1はメカニカルキー非使用時のシリンダ錠の縦断側面図、図2は携帯器の側面図、図3は図2の3矢視図、図4は図3の4−4線断面図、図5はメカニカルキーを用いるときの操作手順を順次示す斜視図、図6はメカニカルキー使用時の図1に対応した縦断側面図である。
【0017】
先ず図1において、図示しないステアリングコラムには、錠装置であるシリンダ錠11のハウジング12が取付けられており、このシリンダ錠11は、前記ハウジング12に回動可能に支承される連動軸13と、該連動軸13の後端部に連結されてハウジング12の後端部に取付けられるロータリースイッチ14と、ステアリング軸の回動を阻止するロック状態ならびにステアリング軸の回動を可能としたロック解除状態を前記連動軸13の回動に応じて切換可能なロック機構15と、前記連動軸13の前方でハウジング12内に回動可能に配置されるシリンダ体16と、連動軸13と同軸上に配置されて前記シリンダ体16に相対回動可能に挿入されるとともに連動軸13の前端部に後端部が相対回動不能に嵌合される回動部材としてのロータ17と、シリンダ体16との係合および係合解除を切換え可能としてロータ17に装着される複数のタンブラー18,18…と、シリンダ体16の回動を阻止すべく該シリンダ体16に係合し得るブロックレバー19とを備える。
【0018】
携帯器22は、車両ユーザが携帯可能な携帯ケース23内に、トランスポンダ24およびアンテナコイル25が内蔵されて成るものであり、車両側からの要求信号を受けて所定の信号を発信する。
【0019】
再び図1において、ブロックレバー19は、図1で示すようにシリンダ体16に一端を係合させて該シリンダ体16の軸線まわりの回動を阻止する状態と、シリンダ体16との係合を解除してシリンダ体16の軸線まわりの回動を許容する状態とを切換可能として、支軸26を介してハウジング12に回動自在に支承されており、ハウジング12およびブロックレバー19間には、シリンダ体16に係合する方向にブロックレバー19を付勢するばね27が縮設される。
【0020】
前記ブロックレバー19の他端部には、ソレノイド28が備えるロッド29の先端が挿通、係合されており、ソレノイド28がその通電状態でロッド29を引き込み作動せしめると、ブロックレバー19はばね27のばね力に抗してシリンダ体16との係合を解除する側に回動駆動される。
【0021】
而してソレノイド28の通電は、図示しない制御回路により制御されるものであり、該制御回路は、携帯器22との間での信号授受に基づいてシリンダ体16の回動を許可すると判断したときに前記ソレノイド28に通電し、それによりシリンダ体16の回動が可能となる。
【0022】
ロータ17の前端には、リング部材20よりも前方に突出する操作ノブ31がたとえばねじ込みにより結合される。またロータ17の軸方向に間隔をあけた複数箇所には、シリンダ体16の内面に係合する方向にばね付勢されたタンブラー18,18…が装着されており、通常の状態では、各タンブラー18,18…がシリンダ体16に係合しているので、ロータ17およびシリンダ体16は相対回動不能である。したがってソレノイド28が通電されてブロックレバー19のシリンダ体16への係合が解除された状態で、操作ノブ31を掴んで回動操作することによりロータ17を回動することができる。
【0023】
連動軸13の前端およびロータ17の後端は、制限された範囲での軸方向相対移動を可能とするものの軸線まわりの相対回動は阻止するようにして連動、連結される。
【0024】
ロック機構15は、ステアリング軸に係合して該ステアリング軸の回動を阻止するロック状態と、ステアリング軸との係合を解除してステアリング軸の回動を可能とするロック解除状態と切換えるものであり、連動軸13の中間部に設けられるカム32と、該カム32を貫通せしめる貫通孔33を有してハウジング12にスライド可能に支承されるスライダ34と、ステアリング軸に係合可能としてスライダ34に連結されるロックピン35と、ハウジング12に装着されたキャップ36およびスライダ34間に設けられてロックピン35をステアリング軸に係合せしめる方向にスライダ34を付勢するばね37とを備える。
【0025】
このようなロック機構15では、ロータ17がLOCK位置以外の位置、すなわちACC位置、ON位置およびSTART位置にあるときには、ロックピン35をステアリング軸から離脱させてステアリング軸の回動を許容する状態にあるのに対し、ロータ17がLOCK位置に在るときには、カム32がロックピン35をステアリング軸に係合させるようにスライダ34をばね37のばね力で移動せしめるような回動位置となる。
【0026】
連動軸13の後端は、ロータリースイッチ14が備える作動部材38に軸線まわりの相対回動を不能として連結されるものであり、ロータ17に連動する連動軸13の回動に伴う作動部材38の回動に応じてロータリースイッチ14がスイッチング作動する。
【0027】
ところで、携帯器22が使用不能となったときに備えて該携帯器22にはメカニカルキー40が着脱可能に装着されており、ロータ17には、該メカニカルキー40を挿入可能とした有底のキー孔41が設けられる。そしてキー孔41にメカニカルキー40を挿入すると、前記各タンブラー18,18…はシリンダ体16との係合を解除する位置に移動せしめられ、このような各タンブラー18,18…のシリンダ体16との係合解除時には、ブロックレバー19のシリンダ体16への係合および係合解除にかかわらず、ロータ16を回動操作することができる。
【0028】
携帯器22の携帯ケース23には有底の装着孔42が設けられており、一端に透孔43を有する板状のメカニカルキー40はその一端を携帯ケース23外に突出させるようにして装着孔42に挿脱可能に嵌合され、その嵌合状態が図示しないロック手段で保持される。而して前記ロック手段のロックを解除して、前記透孔43に爪を掛ける等によってメカニカルキー40の一端に力を加えることで、該メカニカルキー40を携帯ケース23から引き出すことができる。
【0029】
メカニカルキー40の一端には、合成樹脂から成るキー操作部材44を嵌合、連結することができる。このキー操作部材44は、ロータ17が備えるキー孔41の前端開口部付近でシリンダ錠11に着脱可能に装着されるものであり、この第1実施例では、ロータ17の前端に結合される操作ノブ31に、キー操作部材47が着脱可能に装着される。
【0030】
操作ノブ31は、ロータ17の前端に後端側が螺合される円筒部31aと、矩形状の横断面を有して円筒部31aの前端に連設される矩形筒部31bと、円筒部31aおよび矩形筒部31bの連設部から半径方向外方に張り出す鍔部31cとを一体に備える。
【0031】
また操作ノブ31には、キー孔41を臨ませる開口部45が設けられており、この開口部45は、キー孔41に間隔をあけて対向する挿入孔部45aと、操作ノブ31の前端に開口するとともに閉塞端中央に前記挿入孔部45aを開口させた凹部45bとから成る。
【0032】
キー操作部材44は、前記開口部45を覆って操作ノブ31の鍔部31cおよび矩形筒部31bを嵌合せしめるようにして帽状に形成されており、キー操作部材47は、操作ノブ31のほぼ全体を覆うようにして該操作ノブ31に着脱可能に装着されることになる。
【0033】
またキー操作部材44における閉塞端内面中央には、横断面を矩形とした連結筒部44aが、キー操作部材44の操作ノブ31への装着状態では開口部45の凹部45bに収容されるようにして一体に設けられており、この連結筒部44aに、メカニカルキー40の一端を挿脱可能に嵌合することができる。
【0034】
ここで、図5を参照しながらメカニカルキー40を用いるときの操作手順について説明すると、先ず図5(a)で示すように操作ノブ31に装着されているキー操作部材44を、図5(b)で示すように操作ノブ31から取外した後、キー操作部材44の連結筒部44aに、図5(c)で示すようにメカニカルキー40を嵌合、連結し、さらにメカニカルキー40を図5(d)で示すようにキー挿入孔41に挿入する。
【0035】
このようなメカニカルキー40のキー孔41への挿入状態で、キー操作部材44の一部は操作ノブ31に嵌合しており、キー操作部材44および操作ノブ31は相対回動不能である。これにより図5(e)で示すように、操作ノブ31を操作してロータ17を回動することができる。
【0036】
しかも図6で示すように、メカニカルキー40がキー孔41に最後まで挿入された状態でのキー操作部材44は、操作ノブ31に装着されている状態でのキー操作部材44よりも操作ノブ31から突出した位置に配置される。
【0037】
次にこの第1実施例の作用について説明すると、シリンダ錠11は、該シリンダ錠11が備えるロータ17に設けられたキー孔41に挿入されたメカニカルキー40の操作によってロータ17を回動操作可能に構成されており、メカニカルキー40は携帯器22に着脱可能に装着され、携帯器22から離脱せしめたメカニカルキー40に挿脱可能に嵌合されるキー操作部材44が、シリンダ錠11に着脱可能に装着されている。
【0038】
したがってメカニカルキー40を該メカニカルキー40に挿脱可能に嵌合されるキー操作部材44で操作するようにして操作性を向上することができる。しかもメカニカルキー40を、小型の携帯器22に着脱可能に装着し得る程度の小型のものとして形成することができ、メカニカルキー40自体に操作部を不要とすることでメカニカルキー40の形状の自由度を増大することができる。
【0039】
またキー操作部材44は車両側のシリンダ錠11に着脱可能に装着されるものであるので、メカニカルキー40の使用時に車両ユーザー側で操作部材を準備する必要がない。
【0040】
またキー操作部材44は、ロータ17が備えるキー孔41の前端開口付近でシリンダ錠11に着脱可能に装着されるものであり、メカニカルキー40を使用する際に、キー操作部材44を容易に見つけることができる。
【0041】
またロータ17には、キー孔41を臨ませる開口部45を有する操作ノブ31が結合されており、この操作ノブ31のほぼ全体を覆うキー操作部材44が操作ノブ31に着脱可能に装着されるので、メカニカルキー40を用いない場合には、キー孔41への塵埃の侵入をキー操作部材44で防止することができる。
【0042】
しかもキー操作部材44に嵌合されるメカニカルキー40をキー孔41に挿入した状態では、キー操作部材44が操作ノブ31に相対回動不能に係合されるので、メカニカルキー40の非使用時と同様に操作ノブ31を操作してロータリースイッチ22のスイッチング態様を変化させて、車両用エンジンを始動することができる。
【0043】
さらにキー孔41に挿入されたメカニカルキー40に嵌合、連結された状態にあるキー操作部材44は、操作ノブ31に装着されている状態でのキー操作部材44よりも前記操作ノブ31から突出した位置に配置されるので、メカニカルキー40を使用しているか否かを容易に判断することができる。
【0044】
図7〜図9を参照しながら本発明の実施例の第2実施例について説明すると、先ず図7および図8において、メカニカルキー40の一端には、合成樹脂から成るキー操作部材47を挿脱可能に嵌合することができる。このキー操作部材47は、シリンダ錠11′におけるロータ17が備えるキー孔41の前端開口付近でシリンダ錠11′に着脱可能に装着されるものであり、この第2実施例では、ロータ17の前端にたとえばねじ込みにより結合される操作ノブ31′にキー操作部材47が着脱可能に装着される。
【0045】
キー操作部材47は、操作ノブ31′の凹部45bに挿脱可能に嵌合し得るように形成されており、操作ノブ31′における矩形筒部31bの外面に設けられた一対の係止凹部48…に弾発的に係合する一対の係合爪49,49がキー操作部材47に一体に設けられる。而して凹部45bに嵌合したキー操作部材47の両係合爪49,49を係止凹部48…に弾発係合することにより、キー操作部材47は、操作ノブ31′の開口部45を覆うようにして操作ノブ31′に着脱可能に装着されることになる。
【0046】
またキー操作部材47における閉塞端内面中央には、横断面を矩形とした連結筒部47aが、キー操作部材47の操作ノブ31′への装着状態では開口部45の凹部45bに収容されるようにして一体に設けられており、この連結筒部47aに、メカニカルキー40の一端を挿脱可能に嵌合することができる。
【0047】
すなわち図8(a)で示すように操作ノブ31′に装着されているキー操作部材47を、図8(b)で示すように操作ノブ31′から取外した後、キー操作部材47の連結筒部47aにメカニカルキー40を、図8(c)で示すように嵌合、連結し、さらにメカニカルキー40を図8(d)で示すようにキー挿入孔41に挿入する。
【0048】
このようなメカニカルキー40のキー孔41への挿入状態で、キー操作部材47の一部は操作ノブ31′に嵌合しており、キー操作部材47および操作ノブ31′は相対回動不能である。したがって図8(e)で示すように、キー操作部材47とともに操作ノブ31′を回動操作することでロータ17を回動することができる。
【0049】
しかも図9で示すように、メカニカルキー40がキー孔41に最後まで挿入された状態でのキー操作部材47は、操作ノブ31′に装着されている状態でのキー操作部材47よりも操作ノブ31′から突出した位置に配置される。
【0050】
この第2実施例によっても、上記第1実施例と同様の効果を奏することができる。
【0051】
図10および図11を参照しながら本発明の第3実施例について説明すると、シリンダ錠11″におけるロータ17′の前端には、キー操作部材50が着脱可能に装着される。このキー操作部材50は、ロータ17′への装着時にはロータ17′を回動操作する操作ノブとして機能するものであり、相対回動を不能としてロータ17′の前端に着脱可能に装着される。
【0052】
キー操作部材50を相対回動を不能としつつ着脱可能に装着するために、たとえばロータ17′の前端には、外面の横断面形状を非円形とした筒部51が設けられ、合成樹脂から成る前記キー操作部材50には、前記筒部51を弾発的に嵌合せしめるようにして内面の横断面形状を非円形とした嵌合筒部50aが設けられる。しかも筒部51の外周の複数箇所に設けられた係合突起52…を係合せしめる係止凹部53…が前記嵌合筒部50aの内面に設けられる。
【0053】
またキー操作部材50には、該キー操作部材50をロータ17′の前端から離脱せしめたときに、メカニカルキー40の一端を挿脱可能に嵌合することができる連結筒部50bが一体に設けられており、この連結筒部50bに嵌合することでキー操作部材50にメカニカルキー40を連結することができる。
【0054】
そしてキー操作部材50に連結されたメカニカルキー40が、図11で示すように、ロータ17′のキー孔41に最後まで挿入された状態でのキー操作部材50は、回動部材17′に装着されている状態でのキー操作部材50よりも回動部材17′から突出した位置に配置される。
【0055】
しかもロータ17′のキー孔41に最後まで挿入された状態でのキー操作部材50の嵌合筒部50aに、ロータ17′における筒部51の一部が相対不能に嵌合されている。
【0056】
この第3実施例によっても上記第1および第2実施例と同様の効果を奏することができ、しかもキー操作部材50は操作ノブを兼ねるものであるので、部品点数の増加を回避することができる。
【0057】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0058】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、メカニカルキーをキー操作部材で操作するようにして操作性を向上することができるとともに、メカニカルキーの小型化を図り、メカニカルキーの形状の自由度を増大することができ、またメカニカルキー使用時に車両ユーザー側で操作部材を準備する必要がない。
【0059】
また請求項2記載の発明によれば、メカニカルキーを使用する際に、キー操作部材を容易に見つけることができる。
【0060】
請求項3または4記載の発明によれば、メカニカルキーを用いない場合には、キー孔への塵埃の侵入をキー操作部材で防止することができ、しかもメカニカルキーの使用時にはメカニカルキーの非使用時と同様に操作ノブを操作してロータリースイッチのスイッチング態様を変化させて、車両用エンジンを始動することができる。
【0061】
請求項5または7記載の発明によれば、メカニカルキーを使用しているか否かを容易に判断することができる。
【0062】
さらに請求項6記載の発明によれば、部品点数の増加を回避しつつメカニカルキーの操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を示すものであってメカニカルキー非使用時のシリンダ錠の縦断側面図である。
【図2】携帯器の側面図である。
【図3】図2の3矢視図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】メカニカルキーを用いるときの操作手順を順次示す斜視図である。
【図6】メカニカルキー使用時の図1に対応した縦断側面図である。
【図7】第2実施例を示すものであってメカニカルキー非使用時のシリンダ錠の一部縦断側面図である。
【図8】メカニカルキーを用いるときの操作手順を順次示す斜視図である。
【図9】メカニカルキー使用時の図7に対応した縦断側面図である。
【図10】第3実施例を示すものであってメカニカルキー非使用時のシリンダ錠の一部縦断側面図である。
【図11】メカニカルキー使用時の図10に対応した縦断側面図である。
【符号の説明】
11,11′,11″・・・錠装置としてのシリンダ錠
14・・・ロータリースイッチ
17,17′・・・回動部材としてのロータ
22・・・携帯器
31,31′・・・操作ノブ
40・・・メカニカルキー
41・・・キー孔
44,47,50・・・キー操作部材
45・・・開口部
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両ユーザーが携帯可能な携帯器と、エンジンの始動を制御するロータリースイッチと、該ロータリースイッチのスイッチング態様を切換えるべく該ロータリースイッチに連結される回動部材を有して車両側に配設されるとともに前記携帯器との間での信号授受に基づいて前記回動部材の回動操作を可能とした錠装置とを含む車両用エンジン始動システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両ユーザーが携帯する携帯器と、車両側の錠装置との間での信号授受に基づいて車両用エンジンの始動を可能する技術が、たとえば特開平3−21575号公報等で既に知られている。
【0003】
また前記携帯器が故障や電池切れ等で使用不能となったときに、携帯器に着脱可能に装着されるメカニカルキーを用いて車両用エンジンを始動可能とした技術が、たとえば特公平6−74683号公報で開示されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
ところで、メカニカルキーを携帯器に着脱可能に装着せしめるためにはメカニカルキーを小型化することが必要であるが、小型化したメカニカルキーを操作するのは難しく、操作性が劣ることになる。そこで、上記特公平6−74683号公報で開示されたものでは、メカニカルキーに係合溝が予め設けられており、その係合溝にコイン等の被係合部材を係合することでメカニカルキーの回動、引き抜き操作を行なうようにしている。
【0005】
しかるに、このような技術では、コイン等の被係合部材を車両ユーザーが保持していることが前提になっているが、車両ユーザーがコイン等の被係合部材を常に保持しているとは限らない。また夜間等で係合溝を確認しづらい環境下では操作に手間取ってしまう。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、メカニカルキーを用いて錠装置の解錠操作を行なう際に、車両ユーザー側で準備することを不要としつつ操作性を向上した車両用エンジン始動システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、車両ユーザーが携帯可能な携帯器と、エンジンの始動を制御するロータリースイッチと、該ロータリースイッチのスイッチング態様を切換えるべく該ロータリースイッチに連結される回動部材を有して車両側に配設されるとともに前記携帯器との間での信号授受に基づいて前記回動部材の回動操作を可能とした錠装置とを含む車両用エンジン始動システムにおいて、前記回動部材には、前記携帯器に着脱可能に装着されるメカニカルキーの挿入を可能としたキー孔が設けられ、該キー孔に挿入されたメカニカルキーの操作による前記回動部材の回動を許容するように構成された前記錠装置に、前記携帯器から離脱せしめた前記メカニカルキーに嵌合、連結可能なキー操作部材が、着脱可能に装着されることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、メカニカルキーを該メカニカルキーに嵌合、連結されるキー操作部材で操作することができるので、操作性を向上することができるとともに、メカニカルキーを小型の携帯器に着脱可能に装着し得る程度の小型のものとして形成することができ、しかもメカニカルキー自体に操作部を不要とすることでメカニカルキーの形状の自由度を増大することができる。またキー操作部材が車両側の錠装置に着脱可能に装着されるものであるので、メカニカルキー使用時に車両ユーザー側で操作部材を準備する必要がない。
【0009】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記キー操作部材は、前記回動部材が備えるキー孔の前端開口付近で前記錠装置に着脱可能に装着されることを特徴とし、かかる構成によれば、メカニカルキーを使用する際に、キー操作部材を容易に見つけることができる。
【0010】
請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の発明の構成に加えて、前記回動部材には、前記キー孔を臨ませる開口部を有する操作ノブが結合され、該操作ノブのほぼ全体を覆うようにして操作ノブに着脱可能に装着される前記キー操作部材が、該キー操作部材に嵌合される前記メカニカルキーを前記キー孔に挿入した状態では前記操作ノブに相対回動不能に係合されることを特徴とし、また請求項4記載の発明は、上記請求項2記載の発明の構成に加えて、前記回動部材には、前記キー孔を臨ませる開口部を有する操作ノブが結合され、前記開口部を覆うようにして該操作ノブに着脱可能に装着される前記キー操作部材が、該キー操作部材に嵌合される前記メカニカルキーを前記キー孔に挿入した状態では前記操作ノブに相対回動不能に係合されることを特徴とする。
【0011】
このような請求項3または4記載の発明の構成によれば、メカニカルキーを用いない場合には、キー孔への塵埃の侵入をキー操作部材で防止することができ、しかもメカニカルキーの使用時にはキー操作部材が操作ノブに相対回動不能に係合するので、メカニカルキーの非使用時と同様に操作ノブを操作してロータリースイッチのスイッチング態様を変化させて、車両用エンジンを始動することができる。
【0012】
請求項5記載の発明は、上記請求項3または4記載の発明の構成に加えて、前記キー孔に挿入されたメカニカルキーに連結された状態にある前記キー操作部材が、前記操作ノブに装着されている状態での前記キー操作部材よりも前記操作ノブから突出した位置に配置されることを特徴とし、かかる構成によれば、メカニカルキーを使用しているか否かを容易に判断することができる。
【0013】
請求項6記載の発明は、上記請求項2記載の発明の構成に加えて、前記回動部材には、該回動部材を回動操作するための操作ノブとして機能するとともに前記回動部材から離脱した状態では前記メカニカルキーを嵌合、連結することを可能したキー操作部材が、着脱可能に装着されることを特徴とし、かかる構成によれば、操作ノブを兼ねるキー操作部材を用いることにより、部品点数の増加を回避しつつメカニカルキーの操作性を向上することができる。
【0014】
さらに請求項7記載の発明は、上記請求項6記載の発明の構成に加えて、前記キー孔に挿入されたメカニカルキーに連結された状態にある前記キー操作部材が、前記回動部材に装着されている状態での前記キー操作部材よりも前記回動部材から突出した位置に配置されることを特徴とし、かかる構成によれば、メカニカルキーを使用しているか否かを容易に判断することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0016】
図1〜図6は本発明の第1実施例を示すものであり、図1はメカニカルキー非使用時のシリンダ錠の縦断側面図、図2は携帯器の側面図、図3は図2の3矢視図、図4は図3の4−4線断面図、図5はメカニカルキーを用いるときの操作手順を順次示す斜視図、図6はメカニカルキー使用時の図1に対応した縦断側面図である。
【0017】
先ず図1において、図示しないステアリングコラムには、錠装置であるシリンダ錠11のハウジング12が取付けられており、このシリンダ錠11は、前記ハウジング12に回動可能に支承される連動軸13と、該連動軸13の後端部に連結されてハウジング12の後端部に取付けられるロータリースイッチ14と、ステアリング軸の回動を阻止するロック状態ならびにステアリング軸の回動を可能としたロック解除状態を前記連動軸13の回動に応じて切換可能なロック機構15と、前記連動軸13の前方でハウジング12内に回動可能に配置されるシリンダ体16と、連動軸13と同軸上に配置されて前記シリンダ体16に相対回動可能に挿入されるとともに連動軸13の前端部に後端部が相対回動不能に嵌合される回動部材としてのロータ17と、シリンダ体16との係合および係合解除を切換え可能としてロータ17に装着される複数のタンブラー18,18…と、シリンダ体16の回動を阻止すべく該シリンダ体16に係合し得るブロックレバー19とを備える。
【0018】
携帯器22は、車両ユーザが携帯可能な携帯ケース23内に、トランスポンダ24およびアンテナコイル25が内蔵されて成るものであり、車両側からの要求信号を受けて所定の信号を発信する。
【0019】
再び図1において、ブロックレバー19は、図1で示すようにシリンダ体16に一端を係合させて該シリンダ体16の軸線まわりの回動を阻止する状態と、シリンダ体16との係合を解除してシリンダ体16の軸線まわりの回動を許容する状態とを切換可能として、支軸26を介してハウジング12に回動自在に支承されており、ハウジング12およびブロックレバー19間には、シリンダ体16に係合する方向にブロックレバー19を付勢するばね27が縮設される。
【0020】
前記ブロックレバー19の他端部には、ソレノイド28が備えるロッド29の先端が挿通、係合されており、ソレノイド28がその通電状態でロッド29を引き込み作動せしめると、ブロックレバー19はばね27のばね力に抗してシリンダ体16との係合を解除する側に回動駆動される。
【0021】
而してソレノイド28の通電は、図示しない制御回路により制御されるものであり、該制御回路は、携帯器22との間での信号授受に基づいてシリンダ体16の回動を許可すると判断したときに前記ソレノイド28に通電し、それによりシリンダ体16の回動が可能となる。
【0022】
ロータ17の前端には、リング部材20よりも前方に突出する操作ノブ31がたとえばねじ込みにより結合される。またロータ17の軸方向に間隔をあけた複数箇所には、シリンダ体16の内面に係合する方向にばね付勢されたタンブラー18,18…が装着されており、通常の状態では、各タンブラー18,18…がシリンダ体16に係合しているので、ロータ17およびシリンダ体16は相対回動不能である。したがってソレノイド28が通電されてブロックレバー19のシリンダ体16への係合が解除された状態で、操作ノブ31を掴んで回動操作することによりロータ17を回動することができる。
【0023】
連動軸13の前端およびロータ17の後端は、制限された範囲での軸方向相対移動を可能とするものの軸線まわりの相対回動は阻止するようにして連動、連結される。
【0024】
ロック機構15は、ステアリング軸に係合して該ステアリング軸の回動を阻止するロック状態と、ステアリング軸との係合を解除してステアリング軸の回動を可能とするロック解除状態と切換えるものであり、連動軸13の中間部に設けられるカム32と、該カム32を貫通せしめる貫通孔33を有してハウジング12にスライド可能に支承されるスライダ34と、ステアリング軸に係合可能としてスライダ34に連結されるロックピン35と、ハウジング12に装着されたキャップ36およびスライダ34間に設けられてロックピン35をステアリング軸に係合せしめる方向にスライダ34を付勢するばね37とを備える。
【0025】
このようなロック機構15では、ロータ17がLOCK位置以外の位置、すなわちACC位置、ON位置およびSTART位置にあるときには、ロックピン35をステアリング軸から離脱させてステアリング軸の回動を許容する状態にあるのに対し、ロータ17がLOCK位置に在るときには、カム32がロックピン35をステアリング軸に係合させるようにスライダ34をばね37のばね力で移動せしめるような回動位置となる。
【0026】
連動軸13の後端は、ロータリースイッチ14が備える作動部材38に軸線まわりの相対回動を不能として連結されるものであり、ロータ17に連動する連動軸13の回動に伴う作動部材38の回動に応じてロータリースイッチ14がスイッチング作動する。
【0027】
ところで、携帯器22が使用不能となったときに備えて該携帯器22にはメカニカルキー40が着脱可能に装着されており、ロータ17には、該メカニカルキー40を挿入可能とした有底のキー孔41が設けられる。そしてキー孔41にメカニカルキー40を挿入すると、前記各タンブラー18,18…はシリンダ体16との係合を解除する位置に移動せしめられ、このような各タンブラー18,18…のシリンダ体16との係合解除時には、ブロックレバー19のシリンダ体16への係合および係合解除にかかわらず、ロータ16を回動操作することができる。
【0028】
携帯器22の携帯ケース23には有底の装着孔42が設けられており、一端に透孔43を有する板状のメカニカルキー40はその一端を携帯ケース23外に突出させるようにして装着孔42に挿脱可能に嵌合され、その嵌合状態が図示しないロック手段で保持される。而して前記ロック手段のロックを解除して、前記透孔43に爪を掛ける等によってメカニカルキー40の一端に力を加えることで、該メカニカルキー40を携帯ケース23から引き出すことができる。
【0029】
メカニカルキー40の一端には、合成樹脂から成るキー操作部材44を嵌合、連結することができる。このキー操作部材44は、ロータ17が備えるキー孔41の前端開口部付近でシリンダ錠11に着脱可能に装着されるものであり、この第1実施例では、ロータ17の前端に結合される操作ノブ31に、キー操作部材47が着脱可能に装着される。
【0030】
操作ノブ31は、ロータ17の前端に後端側が螺合される円筒部31aと、矩形状の横断面を有して円筒部31aの前端に連設される矩形筒部31bと、円筒部31aおよび矩形筒部31bの連設部から半径方向外方に張り出す鍔部31cとを一体に備える。
【0031】
また操作ノブ31には、キー孔41を臨ませる開口部45が設けられており、この開口部45は、キー孔41に間隔をあけて対向する挿入孔部45aと、操作ノブ31の前端に開口するとともに閉塞端中央に前記挿入孔部45aを開口させた凹部45bとから成る。
【0032】
キー操作部材44は、前記開口部45を覆って操作ノブ31の鍔部31cおよび矩形筒部31bを嵌合せしめるようにして帽状に形成されており、キー操作部材47は、操作ノブ31のほぼ全体を覆うようにして該操作ノブ31に着脱可能に装着されることになる。
【0033】
またキー操作部材44における閉塞端内面中央には、横断面を矩形とした連結筒部44aが、キー操作部材44の操作ノブ31への装着状態では開口部45の凹部45bに収容されるようにして一体に設けられており、この連結筒部44aに、メカニカルキー40の一端を挿脱可能に嵌合することができる。
【0034】
ここで、図5を参照しながらメカニカルキー40を用いるときの操作手順について説明すると、先ず図5(a)で示すように操作ノブ31に装着されているキー操作部材44を、図5(b)で示すように操作ノブ31から取外した後、キー操作部材44の連結筒部44aに、図5(c)で示すようにメカニカルキー40を嵌合、連結し、さらにメカニカルキー40を図5(d)で示すようにキー挿入孔41に挿入する。
【0035】
このようなメカニカルキー40のキー孔41への挿入状態で、キー操作部材44の一部は操作ノブ31に嵌合しており、キー操作部材44および操作ノブ31は相対回動不能である。これにより図5(e)で示すように、操作ノブ31を操作してロータ17を回動することができる。
【0036】
しかも図6で示すように、メカニカルキー40がキー孔41に最後まで挿入された状態でのキー操作部材44は、操作ノブ31に装着されている状態でのキー操作部材44よりも操作ノブ31から突出した位置に配置される。
【0037】
次にこの第1実施例の作用について説明すると、シリンダ錠11は、該シリンダ錠11が備えるロータ17に設けられたキー孔41に挿入されたメカニカルキー40の操作によってロータ17を回動操作可能に構成されており、メカニカルキー40は携帯器22に着脱可能に装着され、携帯器22から離脱せしめたメカニカルキー40に挿脱可能に嵌合されるキー操作部材44が、シリンダ錠11に着脱可能に装着されている。
【0038】
したがってメカニカルキー40を該メカニカルキー40に挿脱可能に嵌合されるキー操作部材44で操作するようにして操作性を向上することができる。しかもメカニカルキー40を、小型の携帯器22に着脱可能に装着し得る程度の小型のものとして形成することができ、メカニカルキー40自体に操作部を不要とすることでメカニカルキー40の形状の自由度を増大することができる。
【0039】
またキー操作部材44は車両側のシリンダ錠11に着脱可能に装着されるものであるので、メカニカルキー40の使用時に車両ユーザー側で操作部材を準備する必要がない。
【0040】
またキー操作部材44は、ロータ17が備えるキー孔41の前端開口付近でシリンダ錠11に着脱可能に装着されるものであり、メカニカルキー40を使用する際に、キー操作部材44を容易に見つけることができる。
【0041】
またロータ17には、キー孔41を臨ませる開口部45を有する操作ノブ31が結合されており、この操作ノブ31のほぼ全体を覆うキー操作部材44が操作ノブ31に着脱可能に装着されるので、メカニカルキー40を用いない場合には、キー孔41への塵埃の侵入をキー操作部材44で防止することができる。
【0042】
しかもキー操作部材44に嵌合されるメカニカルキー40をキー孔41に挿入した状態では、キー操作部材44が操作ノブ31に相対回動不能に係合されるので、メカニカルキー40の非使用時と同様に操作ノブ31を操作してロータリースイッチ22のスイッチング態様を変化させて、車両用エンジンを始動することができる。
【0043】
さらにキー孔41に挿入されたメカニカルキー40に嵌合、連結された状態にあるキー操作部材44は、操作ノブ31に装着されている状態でのキー操作部材44よりも前記操作ノブ31から突出した位置に配置されるので、メカニカルキー40を使用しているか否かを容易に判断することができる。
【0044】
図7〜図9を参照しながら本発明の実施例の第2実施例について説明すると、先ず図7および図8において、メカニカルキー40の一端には、合成樹脂から成るキー操作部材47を挿脱可能に嵌合することができる。このキー操作部材47は、シリンダ錠11′におけるロータ17が備えるキー孔41の前端開口付近でシリンダ錠11′に着脱可能に装着されるものであり、この第2実施例では、ロータ17の前端にたとえばねじ込みにより結合される操作ノブ31′にキー操作部材47が着脱可能に装着される。
【0045】
キー操作部材47は、操作ノブ31′の凹部45bに挿脱可能に嵌合し得るように形成されており、操作ノブ31′における矩形筒部31bの外面に設けられた一対の係止凹部48…に弾発的に係合する一対の係合爪49,49がキー操作部材47に一体に設けられる。而して凹部45bに嵌合したキー操作部材47の両係合爪49,49を係止凹部48…に弾発係合することにより、キー操作部材47は、操作ノブ31′の開口部45を覆うようにして操作ノブ31′に着脱可能に装着されることになる。
【0046】
またキー操作部材47における閉塞端内面中央には、横断面を矩形とした連結筒部47aが、キー操作部材47の操作ノブ31′への装着状態では開口部45の凹部45bに収容されるようにして一体に設けられており、この連結筒部47aに、メカニカルキー40の一端を挿脱可能に嵌合することができる。
【0047】
すなわち図8(a)で示すように操作ノブ31′に装着されているキー操作部材47を、図8(b)で示すように操作ノブ31′から取外した後、キー操作部材47の連結筒部47aにメカニカルキー40を、図8(c)で示すように嵌合、連結し、さらにメカニカルキー40を図8(d)で示すようにキー挿入孔41に挿入する。
【0048】
このようなメカニカルキー40のキー孔41への挿入状態で、キー操作部材47の一部は操作ノブ31′に嵌合しており、キー操作部材47および操作ノブ31′は相対回動不能である。したがって図8(e)で示すように、キー操作部材47とともに操作ノブ31′を回動操作することでロータ17を回動することができる。
【0049】
しかも図9で示すように、メカニカルキー40がキー孔41に最後まで挿入された状態でのキー操作部材47は、操作ノブ31′に装着されている状態でのキー操作部材47よりも操作ノブ31′から突出した位置に配置される。
【0050】
この第2実施例によっても、上記第1実施例と同様の効果を奏することができる。
【0051】
図10および図11を参照しながら本発明の第3実施例について説明すると、シリンダ錠11″におけるロータ17′の前端には、キー操作部材50が着脱可能に装着される。このキー操作部材50は、ロータ17′への装着時にはロータ17′を回動操作する操作ノブとして機能するものであり、相対回動を不能としてロータ17′の前端に着脱可能に装着される。
【0052】
キー操作部材50を相対回動を不能としつつ着脱可能に装着するために、たとえばロータ17′の前端には、外面の横断面形状を非円形とした筒部51が設けられ、合成樹脂から成る前記キー操作部材50には、前記筒部51を弾発的に嵌合せしめるようにして内面の横断面形状を非円形とした嵌合筒部50aが設けられる。しかも筒部51の外周の複数箇所に設けられた係合突起52…を係合せしめる係止凹部53…が前記嵌合筒部50aの内面に設けられる。
【0053】
またキー操作部材50には、該キー操作部材50をロータ17′の前端から離脱せしめたときに、メカニカルキー40の一端を挿脱可能に嵌合することができる連結筒部50bが一体に設けられており、この連結筒部50bに嵌合することでキー操作部材50にメカニカルキー40を連結することができる。
【0054】
そしてキー操作部材50に連結されたメカニカルキー40が、図11で示すように、ロータ17′のキー孔41に最後まで挿入された状態でのキー操作部材50は、回動部材17′に装着されている状態でのキー操作部材50よりも回動部材17′から突出した位置に配置される。
【0055】
しかもロータ17′のキー孔41に最後まで挿入された状態でのキー操作部材50の嵌合筒部50aに、ロータ17′における筒部51の一部が相対不能に嵌合されている。
【0056】
この第3実施例によっても上記第1および第2実施例と同様の効果を奏することができ、しかもキー操作部材50は操作ノブを兼ねるものであるので、部品点数の増加を回避することができる。
【0057】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0058】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、メカニカルキーをキー操作部材で操作するようにして操作性を向上することができるとともに、メカニカルキーの小型化を図り、メカニカルキーの形状の自由度を増大することができ、またメカニカルキー使用時に車両ユーザー側で操作部材を準備する必要がない。
【0059】
また請求項2記載の発明によれば、メカニカルキーを使用する際に、キー操作部材を容易に見つけることができる。
【0060】
請求項3または4記載の発明によれば、メカニカルキーを用いない場合には、キー孔への塵埃の侵入をキー操作部材で防止することができ、しかもメカニカルキーの使用時にはメカニカルキーの非使用時と同様に操作ノブを操作してロータリースイッチのスイッチング態様を変化させて、車両用エンジンを始動することができる。
【0061】
請求項5または7記載の発明によれば、メカニカルキーを使用しているか否かを容易に判断することができる。
【0062】
さらに請求項6記載の発明によれば、部品点数の増加を回避しつつメカニカルキーの操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を示すものであってメカニカルキー非使用時のシリンダ錠の縦断側面図である。
【図2】携帯器の側面図である。
【図3】図2の3矢視図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】メカニカルキーを用いるときの操作手順を順次示す斜視図である。
【図6】メカニカルキー使用時の図1に対応した縦断側面図である。
【図7】第2実施例を示すものであってメカニカルキー非使用時のシリンダ錠の一部縦断側面図である。
【図8】メカニカルキーを用いるときの操作手順を順次示す斜視図である。
【図9】メカニカルキー使用時の図7に対応した縦断側面図である。
【図10】第3実施例を示すものであってメカニカルキー非使用時のシリンダ錠の一部縦断側面図である。
【図11】メカニカルキー使用時の図10に対応した縦断側面図である。
【符号の説明】
11,11′,11″・・・錠装置としてのシリンダ錠
14・・・ロータリースイッチ
17,17′・・・回動部材としてのロータ
22・・・携帯器
31,31′・・・操作ノブ
40・・・メカニカルキー
41・・・キー孔
44,47,50・・・キー操作部材
45・・・開口部
Claims (7)
- 車両ユーザーが携帯可能な携帯器(22)と、エンジンの始動を制御するロータリースイッチ(14)と、該ロータリースイッチ(14)のスイッチング態様を切換えるべく該ロータリースイッチ(14)に連結される回動部材(17,17′)を有して車両側に配設されるとともに前記携帯器(22)との間での信号授受に基づいて前記回動部材(17,17′)の回動操作を可能とした錠装置(11)とを含む車両用エンジン始動システムにおいて、前記回動部材(17,17′)には、前記携帯器(22)に着脱可能に装着されるメカニカルキー(40)の挿入を可能としたキー孔(41)が設けられ、該キー孔(41)に挿入されたメカニカルキー(40)の操作による前記回動部材(17,17′)の回動を許容するように構成された前記錠装置(11)に、前記携帯器(22)から離脱せしめた前記メカニカルキー(40)に嵌合、連結可能なキー操作部材(44,47,50)が、着脱可能に装着されることを特徴とする車両用エンジン始動システム。
- 前記キー操作部材(44,47,50)は、前記回動部材(17,17′)が備えるキー孔(41)の前端開口付近で前記錠装置(11)に着脱可能に装着されることを特徴とする請求項1記載の車両用エンジン始動システム。
- 前記回動部材(17)には、前記キー孔(41)を臨ませる開口部(45)を有する操作ノブ(31)が結合され、該操作ノブ(31)のほぼ全体を覆うようにして操作ノブ(31)に着脱可能に装着される前記キー操作部材(44)が、該キー操作部材(44)に嵌合される前記メカニカルキー(40)を前記キー孔(41)に挿入した状態では前記操作ノブ(31)に相対回動不能に係合されることを特徴とする請求項2記載の車両用エンジン始動システム。
- 前記回動部材(17)には、前記キー孔(41)を臨ませる開口部(45)を有する操作ノブ(31′)が結合され、前記開口部(45)を覆うようにして該操作ノブ(31′)に着脱可能に装着される前記キー操作部材(47)が、該キー操作部材(47)に嵌合される前記メカニカルキー(40)を前記キー孔(41)に挿入した状態では前記操作ノブ(31′)に相対回動不能に係合されることを特徴とする請求項2記載の車両用エンジン始動システム。
- 前記キー孔(41)に挿入されたメカニカルキー(40)に連結された状態にある前記キー操作部材(44,47)が、前記操作ノブ(31,31′)に装着されている状態での前記キー操作部材(44,47)よりも前記操作ノブ(31,31′)から突出した位置に配置されることを特徴とする請求項3または4記載の車両用エンジン始動システム。
- 前記回動部材(17′)には、該回動部材(17′)を回動操作するための操作ノブとして機能するとともに前記回動部材(17′)から離脱した状態では前記メカニカルキー(40)を嵌合、連結することを可能したキー操作部材(50)が、着脱可能に装着されることを特徴とする請求項2記載の車両用エンジン始動システム。
- 前記キー孔(41)に挿入されたメカニカルキー(40)に連結された状態にある前記キー操作部材(50)が、前記回動部材(17′)に装着されている状態での前記キー操作部材(17′)よりも前記回動部材(17′)から突出した位置に配置されることを特徴とする請求項6記載の車両用エンジン始動システム。
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