JP3845306B2 - エンジン作業機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、箱形のケース内に、エンジンと、該エンジンで駆動される作業機とが収容されるエンジン作業機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
エネルギーの有効利用を図るために、コージェネレーション装置のように、エンジンの運転に伴って生じる排熱を回収利用することが、地球環境問題に対する取り組み等から近年注目されている。この種のコージェネレーション装置等の排熱回ユニットを備えるエンジン作業機では、周囲環境への運転騒音を考慮して、たとえば実公平7−46741号公報で開示されるように、エンジン、作業機および排熱回収ユニット等の機器全体が箱形のケースで覆われている。
慮して箱形のケースで覆われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジンおよび作業機の制御のための電装品も箱形のケース内に収容して全体構造のコンパクト化を図る際に、それらの電装品に、エンジンおよび作業機側からの熱影響が及ぶことは避けねばならないが、上記実公平7−46741号公報には、そのような工夫は開示されていない。
【0004】
一方、本出願人は、特開2001−132565号公報で開示されるように、空気の流れを遮断するようにしてケース内を上下に区画し、下方の部屋にエンジンおよび作業機を収容し、熱的影響を回避したい電装品を上方の部屋に収容するようにしたエンジン作業機を既に実現しているが、この構成では、仕切り壁自体が下方の部屋の一番高温に近い位置に配置されることになるので、温度設定等の条件によっては、仕切り壁を介して上方の部屋に伝達される熱の影響を避けるための工夫も必要となる。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、熱影響を避けたい部品への熱影響を容易に避けるようにしたエンジン作業機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、箱形のケ―ス内に,エンジンと、該エンジンで駆動される作業機とが収容されるエンジン作業機において、前記エンジンおよび前記作業機を収容する作業機収容室および電装品収容室に前記ケース内を区画して上下に延びるとともに作業機収容室および電装品収容室間を結ぶ通気孔を下部に備える仕切り壁と、前記電装品収容室を外部に通じさせる冷却用空気吸気口と、前記エンジンで駆動されるファンにより強制的に導出される前記作業機収容室内の空気を外部に排出する排気口とが、前記ケースに設けられ、前記電装品収容室内に、前記冷却用空気吸気口からの空気を電装品収容室内の上部に一旦導いてから前記通気孔に導く迷路状の吸気通路が形成され、前記電装品収容室内には複数の電装品が収容され、該複数の電装品は、前記通気孔よりも上側で前記仕切り壁に上下に並べて、且つ前記ケースの外壁とは非接触状態で取付けられることを特徴とする。
【0007】
このような請求項1記載の発明の構成によれば、エンジンで駆動されるファンで強制的に排気される空気量に対応した空気量の空気が電装品収容室から作業機収容室に流入することになり、エンジンおよび発電機の温度が上昇し過ぎないように空気を流通させることができ、冷却用空気は電装品収容室を介して作業機収容室へと流通するので、電装品収容室内の部品を温度が比較的低い状態での冷却用空気で冷却することができる。しかも仕切り壁が上下に延びるものであるので、ケース内を上下に仕切る仕切り壁に比べると、仕切り壁自体の温度を低く抑制することができ、仕切り壁を介して電装品収容室側に伝達される熱量は低くなるので、電装品収容室内の環境温度を適切な状態に維持するのが容易となる。また迷路状の吸気通路を構成する壁が、作業機収容室内の運転音が電装品収容室側から外部に放射されるのを仕切り壁と共働して抑制する機能を果たすことになり、吸気通路自体は、電装品収容室内の各部品に効果的に冷却用の空気を分配して冷却するとともに、吸気サイレンサチャンンバとしての機能も果たすことになる。さらに冷却用空気吸気口から電装品収容室内への雨水の浸入を吸気通路により防止することができる。
【0008】
また請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記複数の電装品は、発熱量の大きな電装品が下方位置となるようにして、前記仕切り壁に上下に並べて取付けられることを特徴とし、かかる構成によれば、電装品収容室内を流通する空気が、発熱量の大きな電装品を最後に冷却して作業機収容室側に流れることになるので、電装品収容室内の各電装品に冷却用空気を適切に配分して各電装品を適切に冷却することができる。
【0009】
請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の発明の構成に加えて、前記吸気通路の途中には上下方向に延びる狭隘通路部が形成され、前記発熱量の大きな電装品が備える櫛歯状の放熱板が、複数の上下に延びる通路部分を相互間に形成して前記狭隘通路部に突出されることを特徴とし、かかる構成によれば、作業機収容室側に流れる冷却用空気のほとんどが放熱板に吹きつけられることになり、発熱量が大きな電装品を効果的に冷却することができる。またケース側への前記電装品からの熱伝達を抑えることができる。
【0010】
請求項4記載の発明は、箱形のケ―ス内に,エンジンと、該エンジンで駆動される作業機とが収容されるエンジン作業機において、前記エンジンおよび前記作業機を収容する作業機収容室および電装品収容室に前記ケース内を区画して上下に延びるとともに作業機収容室および電装品収容室間を結ぶ通気孔を下部に備える仕切り壁と、前記電装品収容室を外部に通じさせる冷却用空気吸気口と、前記エンジンで駆動されるファンにより強制的に導出される前記作業機収容室内の空気を外部に排出する排気口とが、前記ケースに設けられ、前記電装品収容室内に、前記冷却用空気吸気口からの空気を電装品収容室内の上部に一旦導いてから前記通気孔に導く迷路状の吸気通路が形成され、前記通気孔には、前記作業機収容室内の下部の温度が所定値を超えるのに応じて作動して前記電装品収容室内の空気を前記作業機収容室内に送りこむアシストファンが配設されることを特徴とし、かかる構成によれば、請求項1記載の発明の構成による前記効果に加えて、作業機収容室内の下部の温度が所定値以下の場合には、アシストファンは作動せず、通気孔に配設されているアシストファンが通気抵抗となり、電装品収容室から作業機収容室内に過度の量の空気が流入することはなく、エンジンで駆動されるファンで強制的に排気される空気量に対応した空気量の空気が電装品収容室から作業機収容室に流入するだけであるので、作業機収容室内の温度が過度に低下しないようにすることができる。また作業機収容室内の下部の温度が所定値を超えるときだけにアシストファンで冷却用空気を作業機収容室に送り込むことで作業機収容室内の温度が過度に上昇することを防止することができる。
【0011】
請求項5記載の発明は、上記請求項4記載の発明の構成に加えて、前記エンジンおよび前記作業機のうち少なくともエンジンは、緩衝部材を介して前記ケースの底部に支持され、前記アシストファンは、前記緩衝部材に向けて前記電装品収容室内の空気を吹き付けるようにして前記仕切り壁に取り付けられることを特徴とし、かかる構成によれば、作業機収容室内の下部の温度が所定値を超えるのに応じて作動するアシストファンからの空気が、緩衝部材に吹き付けられるので、熱的影響を受け易いマウントゴム等の緩衝部材の温度を許容温度範囲以内に抑えることが容易である。
【0012】
さらに請求項6記載の発明は、上記請求項1〜5のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記作業機収容室に、エンジンの排熱を回収する排熱回収ユニットが収容されることを特徴とし、かかる構成によれば、作業機収容室内の温度を適正に保持してエンジンの排熱回収効率を向上することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
【0014】
図1〜図5は本発明をコージェネレーション装置に適用したときの一実施例を示すものであり、図1はコージェネレーション装置の縦断正面図であって図2の1−1線断面図、図2は図1の2矢視方向から見たコージェネレーション装置の一部切欠き左側面図、図3は図1の3矢視方向から見たコージェネレーション装置の右側面図、図4はエンジンの排熱回収に関連する部分の回路構成を示す図、図5は図1の5−5線拡大断面図である。
【0015】
先ず図1〜図3において、エンジン作業機としてのコージェネレーション装置は、箱形のケ―ス11内に、エンジンE、該エンジンEで駆動される作業機である発電機12、エンジンEの排熱を回収する排熱回収ユニット13、ならびに電装品である電子制御ユニット14、制御用電源ユニット15およびインバータユニット16等が収容されて成るものである。
【0016】
ケース11は、前部パネル17、右側部パネル18、左側部パネル19、背部パネル20、天井部パネル21および底部パネル22が相互に締結されることで箱形に構成され、右側部および左側部パネル18,19と平行な方向に延びる一対の脚部材23,23が、前記底部パネル22の下面に締結される。
【0017】
前部パネル17は、ケース11の前面の一部および右側面の一部を構成するようにして略L字状の横断面形状を有するように形成されるものであり、ケース11の右側面は、前部パネル17の一部および右側部パネル18で構成される。而して、前部パネル17および右側部パネル18の接合部は、底部パネル22および天井部パネル21間で上下に設けられる支持枠24に締結される。
【0018】
また左側部パネル19は、ケース11の前面の一部および左側面を構成するようにして略L字状の横断面形状を有するように形成されており、ケース11の前面は、前記前部パネル17の残部および左側部パネル19の一部で構成される。而して、ケース11の前面は、前記前部パネル17の残部と、左側部パネル19の一部とで構成される。
【0019】
前記ケース11には、該ケース11内を、前記エンジンE、前記発電機12および前記排熱回収ユニット13等を収容する作業機収容室27と、前記電子制御ユニット14、制御用電源ユニット15およびインバータユニット16等を収容する電装品収容室28とに区画して上下に延びる仕切り壁29が設けられており、前記前部パネル17および左側部パネル19の接合部は該仕切り壁29の側端に支持される。
【0020】
エンジンEは、クランクシャフト30の軸線を上下方向として作業機収容室27に収容されるものであり、該エンジンEの下部のオイルパン31が、エンジンマウントブラケット32上に固定されており、このエンジンマウントブラケット32は、複数のマウントゴム等の弾性材料から成る緩衝部材33,33…を介してケース11の底部パネル22に支持される。
【0021】
発電機12は、そのロータがクランクシャフト30に連結されるようにしてエンジンEの上部に設けられており、エンジンEおよび発電機12のうち少なくともエンジンE(この実施例では両方)は、複数の緩衝部材33,33…を介してケース11の底部に支持される。
【0022】
また前記発電機12上には、エンジンEにより駆動されるべくクランクシャフト30に連結される羽根34を有する遠心式のファン35が設けられており、該ファン35は、作業機収容室27内の空気を吸引してケース11外に強制的に排気する。すなわちファン35に接続される蛇腹状のダクト36が、ファン35の上方で作業機収容室27に収容されるようにしてケース11に支持されるサイレンサ37の入口に接続され、サイレンサ37の出口は、ケース11における右側部パネル18の上部に設けられる排気口38に接続される。しかも排気口38は下方に向けて空気を排出するように形成される。すなわちエンジンEで駆動されるファン35により強制的に導出される作業機収容室27内の空気は、サイレンサ37を経て排気口38から外部の下方に向けて排出される。
【0023】
また前記ファン35の上方の前記サイレンサ37には、エアクリーナ39が取付けられており、このエアクリーナ39内に通じる複数のエンジン用吸気口40,40…が、前記排気口38に隣接した位置で上下に間隔をあけて前記右側部パネル18の上部に設けられる。
【0024】
エアクリーナ39内には、図示しないミキサーが内蔵されるものであり、前記エンジン用吸気口40,40…から吸引されて浄化された新鮮な空気と、ケース11における右側部パネル18の下部に設けられる燃料ガス接続管41から導管42を介して導入される燃料ガスとがミキサーで混合される。而してミキサーで生じた混合気が吸気管43を介してエンジンEに供給されることになる。
【0025】
図4を併せて参照して、エンジンEにおけるオイルパン31内にはオイルクーラ46が内蔵されており、このオイルクーラ46と共に排熱回収ユニット13の一部を構成する排気熱交換器47がオイルパン31の側方でケース11の底部パネル22に支持される。
【0026】
ケース11における右側部パネル18の下部で前記燃料ガス接続管41の下方には媒体出口接続管48が設けられ、さらに該媒体出口接続管48の下方で右側部パネル18には媒体入口接続管49が設けられる。媒体入口接続管49には、エンジンEの排熱を回収する媒体としての水を導く導管(図示せず)が外部から接続されるものであり、媒体入口接続管49が導管50を介してオイルクーラ46の入口に接続され、オイルクーラ46の出口は導管51を介して排気熱交換器47に接続される。
【0027】
排気熱交換器47は、媒体である前記水と、エンジンEからの排ガスとを熱交換するものであり、エンジンEの排ガスは排気熱交換器47内を上部から下方に向けて流通する。而して排ガスとの熱交換を終了した水は排気熱交換器47の上部から導出され、導管52を経てエンジンE内のウォータージャケットに導かれる。すなわち排熱回収ユニット13は、前記ウォータージャケットと、オイルクーラ46と、排気熱交換器47とで構成される。
【0028】
排熱回収ユニット13の前記ウォータージャケットから導出される水は導管53を介して前記媒体出口接続管48に接続されており、エンジンEの排熱を回収することで高温となった水を媒体出口接続管48から得ることができる。
【0029】
排気熱交換器47の下部から排出される排ガスは、エアクリーナ39の下方に配置されたサイレンサ54に排ガス導管55を介して導かれた後、エンジン用排気管58から外部に放出されるものであり、エンジン用排気管58は排ガスを上方に向けて放出するようにしてケース11の天井部パネル21に設けられる。
【0030】
作業機収容室27と電装品収容室28とにケース11内を区画する仕切り壁29の下部には、作業機収容室27および電装品収容室28間を結ぶ通気孔59が設けられており、この通気孔59には、作業機収容室27内の温度が所定値を超えるのに応じて作動して電装品収容室28内の空気を作業機収容室27内に送りこむアシストファン60が配設される。
【0031】
しかもアシストファン60は、ケース11の底部パネル22およびエンジンE間に設けられる複数の緩衝部材33,33…に向けて電装品収容室28内の空気を吹き付けるようにして仕切り壁29に取り付けられるものであり、この実施例では、作業機収容室27側に向けて下方に傾斜した通気孔59にアシストファン60が配設される。
【0032】
図5をさらに併せて参照して、ケース11における左側部パネル19には、外方側に向けて下がるように傾斜して上下に間隔を開けた位置に配列される複数のルーバ61,61…が配置される冷却空気用吸気口62が設けられており、電装品収容室28内に、前記冷却空気用吸気口62からの空気を電装品収容室28内の上部に一旦導いてから該電装品収容室28内に供給する迷路状の吸気通路63が形成される。
【0033】
ところで、電装品収容室28内に収容される電子制御ユニット14、制御用電源ユニット15およびインバータユニット16は、発熱量の大きな電装品であるインバータユニット16が下方位置となるようにして、仕切り壁29の電装品収容室28側の面に上下に並べて取付けられるものであり、前記吸気通路63は、インバータユニット16にほぼ対応する部分で左側部パネル19の内面に取付けられる通路形成部材64と、前記インバータユニット16よりも上方で通路形成部材64および仕切り壁29間にわたるようにして仕切り壁29に固着される邪魔板65と、前記インバータユニット16の基板16aの一側に連なって仕切り壁29に取付けられて上下に延びる隔壁板66とで構成される。
【0034】
而して吸気通路63は、左側部パネル19および通路形成部材63間に形成されるとともに下部が前記冷却用吸気路62に通じる上り通路部63aと、電装品収容室28のうち電子制御ユニット14および制御用電源ユニット15が配置される部分を占めるようにして前記邪魔板65の上方に形成される上部通路部63bと、前記邪魔板65の下方で仕切り壁29および通路形成部材64間に形成されて通気孔59に通じる下降通路部63cと、邪魔板65および通路形成部材64間の間隙に通気性シール部材100が設けられることで形成されて上部通路部63bおよび下降通路部63c間を結ぶ絞り通路部63dと、上部通路部63bに上端を通じさせて前記隔壁板66および背部パネル20間に形成されて下端を前記通気孔59に通じさせる狭隘通路部63eとから成る。
【0035】
而して、冷却空気用吸気口62から導入された空気は、上り通路部63aから上部通路部63bまで一旦上昇した後、その一部が下降通路部63cに、また残りの大部分が狭隘通路部63eに分配されて通気孔59まで下降することになり、この吸気通路63を流通する空気により、電子制御ユニット14、制御用電源ユニット15およびインバータユニット16が冷却されることになる。
【0036】
また発熱量の大きな電装品であるインバータユニット16の基板16aに設けられた櫛歯状の放熱板67が、上下に延びる複数の通路部分68,68…を相互間に形成して前記狭隘通路部63eに突出される。
【0037】
次にこの実施例の作用について説明すると、エンジンE、発電機12および排熱回収ユニット13を収容する作業機収容室27と、電装品収容室28とにケース11内を区画するとともに作業機収容室27および電装品収容室28間を結ぶ通気孔59を有する仕切り壁29と、電装品収容室28を外部に通じさせる冷却空気用吸気口62と、エンジンEで駆動されるファン35により強制的に導出される作業機収容室28内の空気を外部に排出する排気口38とが、ケース11に設けられている。
【0038】
したがってファン35で強制的に排気される空気量に対応した空気量の空気が電装品収容室28から作業機収容室27に流入することになり、エンジンE、発電機12および排熱回収ユニット13の温度が上昇し過ぎない程度に空気を流通させることができ、この空気は電装品収容室28を介して作業機収容室27へと流通するので、電装品収容室28内の電子制御ユニット14、制御用電源ユニット15およびインバータユニット16等を、温度が比較的低い状態での冷却用空気で冷却することができる。
【0039】
しかも電装品収容室28内に収容される電子制御ユニット14、制御用電源ユニット15およびインバータユニット16は、発熱量の大きなインバータユニット16が下方位置となるようにして、仕切り壁29に上下に並べて取付けられるので、電装品収容室28内を流通する空気が、発熱量の大きなインバータユニット16を最後に冷却して作業機収容室27側に流れることになり、電装品収容室28内の電子制御ユニット14、制御用電源ユニット15およびインバータユニット16に対する冷却用空気を適切に配分することができる。
【0040】
また仕切り壁29が上下に延びるものであるので、ケース11内を上下に仕切る仕切り壁に比べると、仕切り壁29自体の温度を低く抑制することができ、仕切り壁29を介して電装品収容室28側に伝達される熱量は低くなるので、電装品収容室28内の電子制御ユニット14、制御用電源ユニット15およびインバータユニット16等の温度環境を適切に維持することができる。
【0041】
また通気孔59には、作業機収容室27内の下部の温度が所定値を超えるのに応じて作動して電装品収容室28内の空気を作業機収容室27内に送りこむアシストファン60が配設されているので、作業機収容室27内の温度が所定値以下の場合には、アシストファン60は作動せず、通気孔59に配設されているアシストファン60が通気抵抗となり、電装品収容室28から作業機収容室27内に過度の量の空気が流入することはなく、エンジンEで駆動されるファン35で強制的に排気される空気量に対応した空気量の空気が電装品収容室28から作業機収容室27に流入するだけであるので、作業機収容室27内の温度が過度に低下しないようにして排熱エネルギーの回収効率を高めることができる。作業機収容室27内の温度が所定値を超えるときにはアシストファン60で冷却用空気を作業機収容室27内に送り込むことで作業機収容室27内の温度が過度に上昇することを防止することができる。
【0042】
またエンジンEおよび発電機12のうち少なくともエンジンEは、緩衝部材33,33…を介してケース11の底部に支持され、アシストファン60は、各緩衝部材33,33…に向けて電装品収容室28内の空気を吹き付けるようにして仕切り壁29に取り付けられるので、作業機収容室27内の下部の温度が所定値を超えるのに応じて作動するアシストファン60からの空気が、緩衝部材33,33…に吹き付けられることになり、熱的影響を受け易いマウントゴム等の弾性材から成る緩衝部材33,33…の温度を許容温度範囲以内に抑えることが容易である。
【0043】
さらに電装品収容室28内に、冷却空気用吸気口62からの空気を電装品収容室28内の上部に一旦導いてから該電装品収容室28内を通気孔59に導く迷路状の吸気通路63が形成されており、迷路状の吸気通路63を構成する壁である通路形成部材64は、作業機収容室27内の運転音が電装品収容室28側から外部に放射されるのを仕切り壁29と共働して抑制する機能を果たすことになり、吸気通路63自体は、電装品収容室28内の電子制御ユニット14、制御用電源ユニット15およびインバータユニット16に冷却用の空気を分配して冷却するとともに、吸気サイレンサチャンンバとしての機能も果たすことになる。
【0044】
しかも冷却空気用吸気口62から電装品収容室28内への雨水の浸入を吸気通路63により防止することができる。
【0045】
また吸気通路63の途中には上下方向に延びる狭隘通路部63eが形成されており、吸気通路63を流通する冷却用空気は絞り通路部63dで絞られることにより下降通路部63c側にわずかに流通するだけで、大部分の冷却用空気は狭隘通路部63eを流通する。そして発熱量の大きな電装品であるインバータユニット16が備える櫛歯状の放熱板67が、複数の通路部分68,68…を相互間に形成して前記狭隘通路部63eに突出されるので、発熱量が大きなインバータユニット16の放熱板67には冷却用空気の殆どが吹きつけられる状態となり、インバータユニット16を効果的に冷却することができる。またケース11側への前記インバータユニット16からの熱伝達を抑えることができる。
【0046】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0047】
たとえば上記実施例では、エンジンで駆動される作業機を発電機としたコージェネレーション装置について説明したが、本発明は、箱形のケ―ス内に,エンジンと、該エンジンで駆動される作業機とが収容されるエンジン作業機に関連して広く実施することができる。
【0048】
またアシストファン60の回転数を可変制御するようにしてもよく、そうすれば温度調節が可能となる。さらにアシストファン60の吹き出し方向を可変としてもよく、そうすれば緩衝部材以外にも冷却が必要な部材を効果的に冷却することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上のように請求項1,4記載の各発明によれば、エンジンおよび発電機の温度が上昇し過ぎないように空気を流通させることができ、電装品収容室内の部品を温度が比較的低い状態での冷却用空気で冷却することができる。しかも仕切り壁を介して電装品収容室側に伝達される熱量は低くなるので、電装品収容室内の環境温度を適切な状態に維持するのが容易となる。また迷路状の吸気通路を構成する壁が、作業機収容室内の運転音が電装品収容室側から外部に放射されるのを仕切り壁と共働して抑制する機能を果たすことになり、吸気通路自体は、電装品収容室内の各部品に効果的に冷却用の空気を分配して冷却するとともに、吸気サイレンサチャンンバとしての機能も果たすことになる。さらに冷却用空気吸気口から電装品収容室内への雨水の浸入を吸気通路により防止することができる。
【0050】
また請求項2記載の発明によれば、電装品収容室内を流通する空気が、発熱量の大きな電装品を最後に冷却して作業機収容室側に流れることになるので、電装品収容室内の各電装品を適切に冷却することができる。
【0051】
請求項3記載の発明によれば、発熱量が大きな電装品を効果的に冷却することができ、ケース側への前記電装品からの熱伝達を抑えることができる。
【0052】
請求項4記載の発明によれば、作業機収容室内の温度が過度に低下しないようにすることができ、またアシストファンで冷却用空気を作業機収容室に送り込むことで作業機収容室内の温度が過度に上昇することを防止することができる。
【0053】
請求項5記載の発明によれば、熱的影響を受け易いマウントゴム等の緩衝部材の温度を許容温度範囲以内に抑えることが容易である。
【0054】
さらに請求項6記載の発明によれば、作業機収容室内の温度を適正に保持してエンジンの排熱回収効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コージェネレーション装置の縦断正面図であって図2の1−1線断面図である。
【図2】 図1の2矢視方向から見たコージェネレーション装置の一部切欠き左側面図である。
【図3】 図1の3矢視方向から見たコージェネレーション装置の右側面図である。
【図4】 エンジンの排熱回収に関連する部分の回路構成を示す図である。
【図5】 図1の5−5線拡大断面図である。
【符号の説明】
11・・・ケ―ス
12・・・作業機としての発電機
13・・・排熱回収ユニット
14・・・電装品としての電子制御ユニット
15・・・電装品としての制御用電源ユニット
16・・・電装品としてのインバータユニット
27・・・作業機収容室
28・・・電装品収容室
29・・・仕切り壁
33・・・緩衝部材
35・・・ファン
38・・・排気口
59・・・通気孔
60・・・アシストファン
62・・・冷却用空気吸気口
63・・・吸気通路
63e・・狭隘通路部
67・・・放熱板
68・・・通路部分
E・・・・エンジン
Claims (6)
- 箱形のケ―ス(11)内に、エンジン(E)と、該エンジン(E)で駆動される作業機(12)とが収容されるエンジン作業機において、
前記エンジン(E)および前記作業機(12)を収容する作業機収容室(27)および電装品収容室(28)に前記ケース(11)内を区画して上下に延びるとともに作業機収容室(27)および電装品収容室(28)間を結ぶ通気孔(59)を下部に備える仕切り壁(29)と、前記電装品収容室(28)を外部に通じさせる冷却用空気吸気口(62)と、前記エンジン(E)で駆動されるファン(35)により強制的に導出される前記作業機収容室(27)内の空気を外部に排出する排気口(38)とが、前記ケース(11)に設けられ、前記電装品収容室(28)内に、前記冷却用空気吸気口(62)からの空気を電装品収容室(28)内の上部に一旦導いてから前記通気孔(59)に導く迷路状の吸気通路(63)が形成され、前記電装品収容室(28)内には複数の電装品(14,15,16)が収容され、該複数の電装品(14,15,16)は、前記通気孔(59)よりも上側で前記仕切り壁(29)に上下に並べて、且つ前記ケース(11)の外壁とは非接触状態で取付けられることを特徴とするエンジン作業機。 - 前記複数の電装品(14,15,16)は、発熱量の大きな電装品(16)が下方位置となるようにして、前記仕切り壁(29)に上下に並べて取付けられることを特徴とする請求項1記載のエンジン作業機。
- 前記吸気通路(63)の途中には上下方向に延びる狭隘通路部(63e)が形成され、前記発熱量の大きな電装品(16)が備える櫛歯状の放熱板(67)が、複数の上下に延びる通路部分(68)を相互間に形成して前記狭隘通路部(63e)に突出されることを特徴とする請求項2記載のエンジン作業機。
- 箱形のケ―ス(11)内に、エンジン(E)と、該エンジン(E)で駆動される作業機(12)とが収容されるエンジン作業機において、前記エンジン(E)および前記作業機(12)を収容する作業機収容室(27)および電装品収容室(28)に前記ケース(11)内を区画して上下に延びるとともに作業機収容室(27)および電装品収容室(28)間を結ぶ通気孔(59)を下部に備える仕切り壁(29)と、前記電装品収容室(28)を外部に通じさせる冷却用空気吸気口(62)と、前記エンジン(E)で駆動されるファン(35)により強制的に導出される前記作業機収容室(27)内の空気を外部に排出する排気口(38)とが、前記ケース(11)に設けられ、前記電装品収容室(28)内に、前記冷却用空気吸気口(62)からの空気を電装品収容室(28)内の上部に一旦導いてから前記通気孔(59)に導く迷路状の吸気通路(63)が形成され、前記通気孔(59)には、前記作業機収容室(27)内の下部の温度が所定値を超えるのに応じて作動して前記電装品収容室(28)内の空気を前記作業機収容室(27)内に送りこむアシストファン(60)が配設されることを特徴とする、エンジン作業機。
- 前記エンジン(E)および前記作業機(12)のうち少なくともエンジン(E)は、緩衝部材(33)を介して前記ケース(11)の底部に支持され、前記アシストファン(60)は、前記緩衝部材(33)に向けて前記電装品収容室(28)内の空気を吹き付けるようにして前記仕切り壁(29)に取り付けられることを特徴とする請求項4記載のエンジン作業機。
- 前記作業機収容室(27)に、エンジン(E)の排熱を回収する排熱回収ユニット(13)が収容されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエンジン作業機。
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