JP3844108B2 - 丸太を面材とした土留工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は丸太を面材とした土留工法に係り、詳しくは、土石等が崩落するおそれのある法面に適用される土留工や床固工であって、埋め戻された表面を覆って地山の安定を図る木製の面材を交換可能とした工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
土留工や床固工によって法面表面の崩壊を防止するための壁面の剛構造化・急傾斜化を実現する場合、種々な方法が採られる。例えば枠組構造のフレームとその表面に張りつけられる板材を備えた土留工においては、法面の土石等を除去して地ならしされた箇所に鋼製フレームを自立するように設置し、これに鉄板やその他の面剛性の高い板材さらには金網といったものが張りつけられる。
【0003】
面材は大きい土圧を受けるのでフレームから簡単には外れないように固定されることや、鉄系材料であれば長期間使用できるということから、原則的に面材を取り替えるという思想は採用されない。コンクリートや鉄との組み合わせによる土留工も開発されているが、これにおいても同様である。
【0004】
ちなみに、ボルト締結や溶接により面材を固定する方法が採られていると、面材交換の必要が生じた場合、背面の土石を除去しても簡単に解体することができなかったり、再利用することが不可能となることが多い。ましてやボルト等が錆びつくといったことは避けられないので、フレームを引き続き使用することは容易でない。一方、コンクリートや金属材料を人目に触れるところに使用すると自然景観を著しく損なうことになり、特別な緑化対策も考慮しなければならなくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、山野や森林を維持するために適宜伐採が行われる。そこで、施工現場の近くで生じた間伐材等を土留工に使用することができれば、高価な資材の節約のみならず、廃物を利用する途が開かれる。しかし、木材を積み重ねたり適当に配置して土留め効果を発揮させることができるにしても、自然材はいずれ朽ちて土留工等として長期の使用に耐え得ない。
【0006】
木製面材を土留工等に使用する場合、従来から行われている例では実開昭63−5039号公報に記載されているように、土留工の柱をなすH形鋼や溝形鋼の凹みに丸太材を挿入したり、ボルトで直接取りつけるなどしている。しかし、上記したごとくいずれは全面的な再構築が余儀なくされるか、腐食を抑えて耐用期間を延ばす薬剤処理が必要となる。いずれにしても、長期的な視野に立てば、鋼製等の土留工に比較してコスト高は免れ得ない。
【0007】
上で触れた間伐材を木製面材として使用することができれば、森林の荒廃防止に一役かうことができる。間伐は森林における土砂流出の抑制や水源かん養機能の保持、病害虫や風倒木の発生防止のために不可欠であり、間伐材の利用促進は緊急課題の一つでもある。
【0008】
本発明は上記の問題に鑑みなされたもので、その目的は、施工現場で安価に入手でき森林の荒廃抑制にも寄与する間伐材を、土石の崩落を直接阻止する面材として使用することにより、周囲の自然景観に馴染みやすい土留工や床固工を実現すること、土留工の長期耐用を図るべく定期的もしくは不定期な面材の取り替え工事を極めて円滑に進められること、薬剤等の使用による環境破壊を回避して自然界の保全に寄与させることができる丸太を面材とした土留工法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、土石等が崩落するおそれのある法面に、土留工を構築する方法に適用される。その特徴とするところは、図1を参照して、法面の土石を除去して地ならしすると共に、法面に沿わせるべく傾斜して立設される柱部材4を前面左右に備えかつ埋め戻し空間11を隔てた背後に金網面7Cが形成されている鋼製枠体1を、地ならし箇所に設置する。埋め戻して形成された法面の表面を覆って地山の安定を図る多数の丸太材2,2を、鋼製枠体の前面に略水平姿勢で配列する。U字状部3Aが予め各丸太材に嵌められているクランパー3を左右に位置する柱部材4に向けて移動させ(図2を参照)、そのU字状部の背後に設けた係止部3Bと丸太材2とで柱部材4を挟みつけることによって丸太材を柱部材に固定する。そして、丸太材の背後の埋め戻し空間11に土石等の中詰材を埋め戻して鋼製枠体1を金網面7Cを介して固定し、またクランパー3を逆方向へ移動して丸太材2を解脱できるようにしたことである。
【0010】
柱部材4は、図2に示すように、隣りあう鋼製枠体1,1の柱部材を背中合わせにすることができるアングル材としておくと都合がよい。
【0011】
クランパー3のU字状部3Aは、図4の(b)および図7に示すように、丸太材2の前面を覆うように曲がった棒材もしくは帯材であり、係止部3Bはその棒材等の端部に設けられた板材となっている。
【0012】
【発明の効果】
本発明によれば、土石の崩落防止用面材として天然木材を使用するので、周囲の景観に融合した土留工とすることができる。時間の経過につれてますます自然環境に馴染み、面材相互の隙間から草本が生育すれば自然緑化も自ずと図られる。交換を前提として面材に木材を使用するので薬品による防腐処理は不要となり、化学物質等による土壌や河川の汚染を回避することができる。
【0013】
略一定形状に加工された丸太材はクランパーによって鋼製枠体に簡単に着装することができ、また丸太材の隙間から土石等を少し除去すればクランパーの逆移動が容易となり、鋼製枠体から簡単に取り外して交換することができる。したがって、丸太材が朽ち果てる以前に面材の全部もしくは一部を新しくして、土留工としての耐用期間の延長が実現される。
【0014】
クランパーは丸太材を保持するU字状部と丸太材を柱部材に固定する係止部とを備えるが、いずれも簡単な構造や形状であるので、施工作業の簡略化が実現される。たとえクランパーが腐食してもクランパー自体は安価に製造でき、改修コストの増大も抑えられる。
【0015】
アングル材を柱部材に採用すれば、枠体の小型化が可能となり山間僻地への搬入も容易となる。また隣接する鋼製枠体の柱部材を背中合わせ的に配置すれば、隣りあう柱部材を共通のタイ材で地山に固定しておくこともできるようになり、資材の節減が図られる。
【0016】
クランパーのU字状部が丸太材の前面を覆うように曲がった棒材もしくは帯材であり、係止部を棒材等の端部に設けた板材としておけば、クランパーの製作は極めて容易となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る丸太を面材とした土留工法を適用して構築された構造物を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は法面の土石等を除去した箇所に設置された鋼製枠体1と、その前面に取りつけられた丸太材2を示した側面であり、図3は図1の前面である III−III 線矢視を、図4の(a)は図1中のA部の拡大を示している。
【0018】
図1を参照して、丸太材を使用した構造物は土石等が崩落するおそれのある法面もしくは傾斜地に適用される土留工や床固工であり、鋼製枠体1は地ならしされた箇所に自立できる構造となっている。丸太材2は鋼製枠体1の前面に配列して固定され、埋め戻して形成された法面の表面を覆って地山の安定を図るものである。その丸太材2を鋼製枠体1に装着するためのクランパー3が、丸太材2の両端部にそれぞれ一つ配置される(図3も参照)。
【0019】
鋼製枠体1は法面に沿って傾斜するように立設された柱部材4と、それを固定すると共に補強する各種の金属製枠材が採用されている。このような鋼製枠体1は高さが例えば2メートル、奥行きが1メートル程度であり、予め工場で組み立てておくことができる。
【0020】
枠体の下には左右にアングル材5Aが水平に配置され、背後に向かって延びる前面側がガセットプレート6Aを介して柱部材4に固定される。その底面部分に配置された左右一対のアングル材5A,5A(他方のアングル材は表されていない)間には、図5に示すように例えば100ミリメートル程度の間隔で鉄線を交差させた溶接金網7Aが固定され、埋め戻した土砂や土石といった中詰材との密着を図ることができるようになっている。
【0021】
図1に戻って、各柱部材4の上下の中間位置にもガセットプレート6Bが配置され、上記と同様の構成をしたアングル材5Bおよび溶接金網7Bが取りつけられている。本例では柱部材が上下二本のアングル材からなっているので、相互を接続するためにもガセットプレート6Bが使用される。
【0022】
このような鋼製枠体1においては、柱部材4と水平なアングル材5とに斜材8を配置して枠体の剛性が図られている。そして、柱部材4の背後には埋め戻し空間11を隔てて金網面が設けられる。この金網面は法面の土石等を除去して形成された斜面に沿う姿勢の溶接金網7Cであって、土石を埋め戻した際には水平に敷設された溶接金網7A,7Bとあいまって枠体を不動状態に維持する。
【0023】
面材の背後に位置する溶接金網7Cと柱部材4との間には、タイ材9Aが適数本配置され、土石を埋め戻したときの土圧で柱部材4が変形するのを抑止する。この前後に延びるように配置されたタイ材9Aはその先端が曲げられており、図2に示すように柱部材4に設けた孔4aにひっ掛けられる一方、他端は溶接金網7Cに係止される。
【0024】
柱部材4をアングル材で構成しそれを図のように背中合わせに配置すれば、一本のタイ材9Aで隣りあう鋼製枠体1,1の連結状態を保持させることができると共に、タイ材の使用本数も少なくなる。なお、タイ材9Aの背後側では、面剛性の低い溶接金網7Cとの係合が強固となるように、タイ材受けとしての横バー10が左右方向へ縦通するように配置される。
【0025】
図1を参照して、柱部材4の上端にもガセットプレート6Cが設けられているが、これは鋼製枠体1の上に他の鋼製枠体を積み上げて土留工を高層化するためのジョイントとしても機能する。すなわち、そのガセットプレート6Cと積み上げられた鋼製枠体の下部に位置するガセットプレートとに跨がるように接続板材(図示せず)をボルト止めするなどすれば、簡単に鋼製枠体1,1の上下の一体化を図ることができる。
【0026】
このような鋼製枠体1には、土圧を受け止めるための面材として、丸太材2が多数平行して上下に配置される。したがって、正面から見ると図3のように整然とした面を形成する。この丸太材2,2の上下間隔は任意に選定することができるので、植生マットを背面に配置したい場合や、自然発生的な草本を覗かせたい場合には、適度な隙間δをあけて配列される。
【0027】
丸太材2は鋼製枠体1の前面に配列して固定され、埋め戻して形成された法面の表面を覆って地山の安定を図るが、正面から見て分かるように、左右の柱部材4,4の前面側のアングル辺に被さる程度の長さとなっている。なお、丸太材2は製材することにより丸い断面を有したものとしておけば見栄えは向上するが、完全な円形棒体である必要もない。
【0028】
もちろん、丸太材2の断面は円形に限らず、少々矩形状や三角状となっていてもよい。いずれにしても、後述するクランパー3により鋼製枠体1に対して取りつけ取り外し操作ができる一様な断面形状であればよい。また、そのための部分としては端部のみが対象となるので、極端に言えば、端部以外の断面は他の丸太材と形状や寸法が少々異なっていても差し支えない。
【0029】
個々の要素について、以下に詳しく述べる。まず、クランパー3を用いて丸太材2を着脱するために、鋼製枠体1の前面左右端に設けられて上下方向へ延びる柱部材4は、図2に示すように、前後面が一つの鋼製枠体1において少なくとも相互の対向する方向へ延びる平坦部4Aを有したものとなっている。
【0030】
この例においては、隣りあう鋼製枠体1の柱部材4と背中合わせにすることができるアングル材が採用され、一方のアングル辺が隣りあう鋼製枠体1のアングル辺と、前面で同一面をなすように配置される。このような姿勢にしておけば、水平な姿勢でアングル材の平坦部4Aの前面に接触させるようにして丸太材2を整然と配置することができる。
【0031】
クランパー3は、図4の(a)に示すように、丸太材を保持するU字状部3Aと、丸太材を柱部材に固定する平爪状の係止部3Bとを備える。そのU字状部3Aは丸太材2の前面周囲に沿うようにU字形に曲がった棒材であり、係止部3Bは図4の(b)に示すように棒材の両端を固定して橋渡すと共に棒材のない部分3B1 が柱部材4の平坦部4A(図4の(a)を参照)の後面に係合することができる鉄製の板材となっている。
【0032】
このような構造によれば、以下に述べる手順によって施工することができる。まず、図1に示すように法面の土石等を除去して地ならしし、鋼製枠体1を設置する。柱部材4は法面に沿うべく傾斜して立設された状態にあり、埋め戻し空間11を隔てた背後には金網面(溶接金網7C)が配置された恰好となる。
【0033】
この鋼製枠体1の前面に略水平姿勢で丸太材2が配列され、埋め戻して形成される法面の表面を覆って地山の安定を図る準備が整えられる。その際に各丸太材2に予め嵌められているU字状部3Aを、図2中の仮想線の状態から例えば右方向へずらせてクランパー3を柱部材4に向けて移動する。U字状部3Aの背後に設けた係止部3Bと丸太材2とで柱部材4を前後から挟みつけるようにすれば、丸太材が柱部材に固定される。
【0034】
図からも分かるように、U字状部3Aはその形状からして柱部材4と重なることがないので、図3の右下部の例で言えば、係止部3Bのうち図中に3B1 と付した部分のみが、柱部材4の平坦部4Aと重なる。その結果、U字状部3Aに拘束された丸太材2は、柱部材4のアングル辺により前方への変位が阻止された係止部3Bによって、鋼製枠体1から外れることはない。
【0035】
同様の手順により次々と上方に丸太材2を柱部材4に取りつければ、図1や図3のような前面が形成される。必要であれば、その鋼製枠体1の上に他の鋼製枠体を積み上げ、相互を接続した後に丸太材を装着する。左右の鋼製枠体についても同じ作業が行われ、相互をボルト等によって接続する。図2に表されたタイ材9Aも順次配置される。
【0036】
また、土砂や土石を埋め戻した場合に柱部材4,4が開き勝手となるのを防止するために、開き防止材としてのタイ材9Bを図6のように取りつける。このタイ材9Bは図1に示したガセットプレート6A等や柱部材4に設けた孔を利用して止められる。
【0037】
面材の背面と後方の溶接金網7C(図1を参照)との間に土石等を埋め戻して転圧するなどすれば、鋼製枠体1は埋め戻し土砂等に絡む溶接金網7A,7B,7Cを介して固定される。一方、法面や傾斜面は丸太材2によって覆われ、その表層が補強される。
【0038】
丸太材を交換する場合には、クランパー3を図2中に仮想線で示したように戻せば、係止部3Bが柱部材4から外れるので、丸太材2をクランパー3と共に鋼製枠体1から前方へ解脱させることができる。
【0039】
すなわち、面材の背後の土が馴染んで密着していても、クランパー3は金具であって力を掛けて柱部材4から遠ざかる方向へ移動させれば、クランパー3を柱部材4から外すことができる。丸太材2,2間の隙間δ(図3を参照)から土石を少し除去すればクランパー3の移動が一層容易となり、簡単に取り外すことができる。土がかなり固化していても係止部3Bは薄い板材であり、特別大きな力を及ぼす必要もない。
【0040】
なお、石等が噛みこんでいる場合や丸太材2が腐食しているときなどでは、クランパー3を敢えてスライドさせるまでもなく、丸太材2を適当な位置で鋸断すれば、丸太材を単独もしくはクランパーと共に取り去ることができる。
【0041】
除去した跡は丸太材2の形に土が固まった状態にあるので、同じサイズの丸太材とクランパーであれば、空隙部分に簡単に取りつけることができる。クランパー3の係止部3Bは、鋼製枠体1の柱部材4の平坦部4Aに係合した状態で係止されているだけであり、柱部材4が地山に埋もれている状態においても、上記した作業に何ら支障をきたすことはない。
【0042】
このような操作や構造から分かるように、面材は一本ずつ交換可能であることから、腐食したもののみを交換することができる。もちろん、全部を交換することもできるので、丸太使用構造物としての寿命は鋼製枠体の耐用年まで持続させることが可能となる。すなわち、木製面材を採用したことによる短命化は回避され、半永久的な構造物となる。
【0043】
それのみならず、天然材を使用した面材は周囲の自然景観に融合し、年月の経過によりますます環境に馴染んだ土留工等となる。面材の裏に植生マットを貼るなどしておけば丸太材相互の隙間から草本が生育することにもなる。また自然発生的な緑化も図ることができる。
【0044】
折りを見て面材を交換することにすれば丸太材の延命処理は必要でなく、したがって薬品による防腐処理は回避され、化学物質等による土壌や河川の汚染をきたすおそれもなくなる。
【0045】
クランパーは丸太材を保持するU字状部と丸太材を柱部材に固定する係止部とを備えるが、いずれも簡単な構造であって製作が容易で施工時の作業性も向上する。たとえクランパーが腐食して再使用に耐えない状態となっていてもU字形に曲がった棒材と平板部材とからなる安価なものであり、大幅な費用の追加も回避される。
【0046】
クランパーの係止部は鋼製枠体の柱部材に横方向から係合されているだけであり、柱部材が地山に密着している状態においても、上記した作業に支障をきたすことはほとんどない。ちなみに、柱部材4としてアングル材を用いれば、上記したごとく隣りあう鋼製枠体1の柱部材4と背中合わせにすることができ(図2を参照)、これによって左右に配置される鋼製枠体1,1の連結も簡単となる。またフレームの小型化も図られ、山間僻地への搬入も容易である。
【0047】
以上述べた例から分かるように、柱部材は前後面が少なくとも相互の対向する方向に延びる平坦部を有して前面が面一となるものであればよいので、図示しないがT形鋼を採用することもできる。そのT形鋼は一つの鋼製枠体の柱部材であってもよいし、左右に並ぶ二つの鋼製枠体の境界で跨がるものでもよい。
【0048】
柱部材自体は上記のように薄板部分のある鋼材でなければならないというものでなく、アングル材以外の形状をした資材を使用することもできる。要は、U字状部が丸太材を抱えるように機能し、係止部が丸太材を円形,矩形,H形断面等のいかなる形状の柱部材にもその背後にひっ掛けることができるようになっていればよい。もちろん、クランパーを柱部材に係止したとき許容しがたいガタつきが生じる場合には、適宜な形状のスペーサを丸太材と係止部との間に介装するなどして姿勢の安定を図ればよい。
【0049】
なお、上記したクランパーは曲がった棒材と板材とからなるが、図7に示すようにU字状部3Aとして帯材の曲げたものを使用することもできる。いずれにしても、溶接等によって一体化したものとなっている。
【0050】
丸太材としては間伐材で十分であるが、丸太に代えて竹材を採用すれば製材加工が極めて簡単となる。いずれも施工現場もしくはその近傍で簡単に入手できることが多く、構築費の低廉化が促進される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る工法により構築された土留工の側面図。
【図2】 土留工の部分拡大平面図。
【図3】 図1中の III−III 線矢視である土留工の正面図。
【図4】 クランパーであって、(a)は図1中のA部拡大図、(b)は単体の斜視図。
【図5】 鋼製枠体の下部に取りつけられるアングル材と溶接金網の設置状態を説明する平面図および側面図。
【図6】 柱部材の開き防止材としてのタイ材の取付状態説明図。
【図7】 帯材を曲げ加工した異なる形状のクランパーの斜視図。
【符号の説明】
1…鋼製枠体、2…丸太材、3…クランパー、3A…U字状部、3B,3B1 …係止部、4…柱部材、7C…溶接金網(金網面)、11…埋め戻し空間。
Claims (3)
- 土石等が崩落するおそれのある法面に、土留工を構築する方法において、
法面の土石を除去して地ならしすると共に、法面に沿わせるべく傾斜して立設される柱部材を前面左右に備えかつ埋め戻し空間を隔てた背後に金網面が形成されている鋼製枠体を、前記地ならし箇所に設置し、
埋め戻して形成された法面の表面を覆って地山の安定を図る多数の丸太材を、前記鋼製枠体の前面に略水平姿勢で配列し、
U字状部が予め各丸太材に嵌められているクランパーを左右に位置する前記柱部材に向けて移動させ、該U字状部の背後に設けた係止部と丸太材とで柱部材を挟みつけることによって丸太材を柱部材に固定し、
該丸太材の背後の埋め戻し空間に土石等の中詰材を埋め戻して鋼製枠体を前記金網面を介して固定し、また前記クランパーを逆方向へ移動して丸太材を解脱できるようにしたことを特徴とする丸太を面材とした土留工法。 - 前記柱部材はアングル材であって、前記鋼製枠体を左右に隣りあうように並べたとき背中合わせにすることができるようになっていることを特徴とする請求項1に記載された丸太を面材とした土留工法。
- 前記U字状部は丸太材の前面を覆うように曲がった棒材もしくは帯材であり、前記係止部は該棒材等の端部に設けられた板材であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された丸太を面材とした土留工法。
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