本発明は、発電プラント等のプラントの運転訓練に利用されるプラント模擬装置に関する。
従来のプラント模擬装置について図40〜図47に基づいて説明する。
図40は、一般的なプラント模擬装置の全体構成を示すもので、プラント模擬装置は大きく分けて模擬制御盤1、プラント模擬部2、インストラクタ対話装置3、インストラクタ処理部4および現場盤模擬部5とで構成される。
模擬制御盤1は、実プラントの制御盤と同型、同機能を有するもので、この模擬制御盤1にはプラントの状態を把握するための各種ランプ、指示計、ディスプレイ等が設けられており、さらにプラント運転操作を行うための各種スイッチが設けられている。
プラント模擬部2は、プラント特性演算部6を有し、模擬制御盤1からの運転員(すなわち、シミュレータ訓練における訓練員)の操作信号に応じて実プラントにおける制御装置の機能の模擬演算を行い、ポンプ、弁等の補機状態量を求め、更にプラントの物理的動特性の模擬演算を実行し温度、圧力等のプラントプロセス量を求め、その結果を模擬制御盤1上の各種ランプ、指示計、ディスプレイへ出力しプラント状態として表示するものである。
また、インストラクタ対話装置3は、キーボード、マウス等の入力装置7と、CRT等の表示装置8で構成され、この入力装置7からのインストラクタ(シミュレータ訓練における指導員)の指令は、インストラクタ処理部4に伝えられる。
インストラクタ処理部4では、入力装置7からのインストラクタのプラント初期状態設定や模擬演算開始/停止やトレンド表示等の指令をインストラクタ入出力手段9により入力し、インストラクタ入出力手段9は入力した指令をその内容に応じてインストラクタ機能処理部10の中の事故模擬処理部11、故障模擬処理部12、リプレイ処理部13等に伝える。これらインストラクタ機能処理部10は、各種処理を実行し、前記プラント模擬部2に処理内容を伝えると同時に、インストラクタ入出力手段9を介してインストラクタ対話装置3の表示装置8に結果を表示する。
また、現場盤模擬部5は、実プラントにおける現場に設置されている制御盤、手動弁等を操作する装置である。一般的にこれらを盤ハードで構成させると膨大な物量となるためCRTオペレーションによる装置とし、現場盤模擬処理部14、現場盤模擬入力装置15および現場盤模擬表示装置16とで構成されている。この装置からの訓練員による現場操作信号は、プラント模擬部2に伝えられ、現場機器の状態量を演算し、その結果を現場盤模擬部5上のCRT等の現場模擬表示装置16に表示される。
このようなプラント模擬装置において、従来の事故模擬は、インストラクタ対話装置3の入力装置7により入力された事故を発生させる系統と事故項目および発生時刻がインストラクタ処理部4内のインストラクタ入出力手段9を介して、事故模擬処理部11に伝えられ、事故模擬処理部11が発生時刻と現在時刻が一致すると入力された事故項目に必要情報を付加し、プラント模擬部2に伝えることにより事故を発生させていた。
また、従来の故障模擬設定は、図41を用いて説明すると、故障模擬対話手段21により表示装置8に表示される図42に示すような故障模擬設定画面を使用して設定を行う。例えば、主蒸気系の主蒸気外側隔離弁(A)を強制的に開くという故障模擬を発生させる場合、まずその機器に対応する機器番号(以下PIDと記す)を調べて、PID(ここではB21AOF003A)を入力装置7により入力する。入力後“状態設定”ボタンを押操作すると、故障模擬対話手段21は入力されたPIDに従って故障設定情報ファイル22より設定情報を取得し、図43に示すような故障模擬状態選択画面を表示装置に表示する。インストラクタは、この故障模擬状態選択画面にて故障模擬内容を選択し故障模擬状態を設定する。設定された故障模擬内容は、再び故障模擬設定画面で登録・実行要求を行うことにより、故障発生手段23により故障状態テーブル24に書込まれるとともに、プラント特性演算部6に通知される。プラント特性演算部6は、通知された故障模擬内容により、例えば主蒸気外側隔離弁(A)が強制的に開いた時のプラント挙動を演算し、模擬制御盤1上のランプや指示計に模擬演算結果を反映させ、故障模擬を行っていた。
このようにして故障模擬が行われた後、故障を起こした機器の現在状態、故障模擬状態を調べるには、故障模擬設定画面では確認することができないため、状態表示手段25によって表示装置8に表示される図44に示すような故障模擬状態表示画面が使用されていた。
状態表示手段25は、故障状態テーブル24から故障模擬設定内容を取得し、プラント模擬部2によって模擬された機器の現在状態、故障模擬状態を故障状態監視手段26から取得して図44に示すような故障模擬状態表示画面を編集し表示装置8に表示する。この故障模擬状態表示画面において、故障模擬状態は、PID・ポイント名称を色替え(実行中…赤色、登録中…緑色など)表示することにより、その進行状況が示され、また現在状態はリスト上に現在値を表示することにより確認することができるようになっていた。
このように、従来では故障を発生させようとする場合、まず故障模擬設定画面で、PIDの入力を行い、故障模擬状態選択画面を表示させ故障状態の設定を行い、再び故障模擬設定画面で登録・実行要求を行っていた。また、故障模擬を行った機器の状態を確認するために、別画面(故障模擬状態表示画面)を表示させていた。
また、従来のプラント模擬装置におけるプラント処理部4は図45に示すよう、リプレイデータ記憶部31、リプレイデータ保存/復元処理部32およびインストラクタ信号処理部33からなるリプレイ処理部13を有し、このリプレイ処理部13により、前回訓練内容の再現を可能にしていた。
すなわち、リプレイ処理部13では、通常訓練中にプラント模擬部2から出力される運転員の操作内容や運転に伴って刻々と変化するプラント状態をリプレイデータ保存/復元処理部32により入力し、リプレイデータ記憶部31に保存する。そして、リプレイ時には、リプレイデータ保存/復元処理部32によりリプレイデータ記憶部31内の情報を読み込み、それらの情報に基づいて上記運転員の操作内容とプラント状態をプラント模擬部2へ出力し、プラント模擬部2がインストラクタ信号処理部33を介して送られるインストラクタからの模擬演算開始/停止の要求信号に基づいて模擬演算を行うことにより、前回訓練内容の再現を行っていた。なお、図45中の符号34は、模擬制御盤1とプラント模擬部2とのデータの入出力を行う模擬制御盤入出力装置である。
また、従来のCRTオペレーションによる現場盤模擬部5は、図46に示すように、現場盤の操作や画面選択を行う現場盤模擬入力装置15と、現場盤模擬入力装置15からの現場盤入力信号に基づいて画面選択信号および現場盤の操作信号を出力する現場盤模擬入力処理部41と、現場盤模擬入力処理部41からの画面選択信号に基づいて現場盤画面データベース42から表示する現場盤画面データを選択する現場盤画面選択手段43と、現場盤画面選択手段43により選択された現場盤画面データにプラント模擬部2より演算されたプロセス値を設定した現場盤表示画面データを表示処理する現場盤画面表示処理部44と、現場盤画面表示処理部44から出力された現場盤表示画面データを表示する現場盤模擬表示装置16から構成されている。
現場盤表示画面の一例を図47に示す。この図は、プラントのある系統を示し、図中の操作器シンボルを選択することにより、その操作器の操作入力画面G1が表示され、この操作入力画面G1に従って操作することにより現場盤の操作を行うことができるようになっている。
また、非特許文献1及び特許文献1には、対話処理によりオペレータの指示でプラントの事故或いは故障状態を模擬するマルファンクションを発生できる技術が記載されている。さらに、特許文献2には、マルファンクションの発生をランダムに行うことができる技術が記載されている。
横河技報 1994年 NO.2(プラントオペレータ向け訓練シミュレータシステム"Plantutor")横河電機株式会社 1994年4月20日 第38巻 第2号 p.93〜96
特開平01−316789号公報
特開平06−348682号公報
従来のプラント模擬装置においては、以下に示すような問題があった。
(1)訓練員がインストラクタの替わりに事故発生等のプラント模擬装置を運用しなければならないコンパクトシミュレータや運転班員で訓練を行うチーム訓練では、訓練員が自ら事故発生を設定しつつ対応訓練を行うため、予めその事故要因を知る得ることになり、事故対応訓練で不要な予備知識を備えることになり十分な事故対応訓練ができなかった。
(2)故障模擬を発生させるために、故障模擬の設定や故障状態の監視など複数枚の画面を表示させ操作する必要があり、このため故障模擬の発生に時間がかかり、また、画面上での入力操作が面倒であった。
(3)リプレイ処理においては、リプレイの中で訓練員の行った運転操作によるプラント挙動を自動的に模擬制御盤上に再現しても、リプレイ要求を行ったオペレータからはどのタイミングでどの機器を操作しているのか素早く、十分な判断を下すことができず、リプレイの中で運転操作を行った訓練員に対するインストラクタの運転指導が十分に行えないため、効果的な訓練が行えないという問題があった。
(4)従来の盤レスの現場盤操作模擬において、現場盤模擬画面を表示する表示装置、現場盤操作の入力装置およびその操作環境は、実際の現場盤の操作環境と大きな隔たりがあり、現場盤操作技能を養うためには不十分な環境であった。
(5)従来の現場盤模擬部は、どの現場操作盤においても常時操作が可能であったため、現場が閉鎖された場合、その現場操作盤が操作できない状況を模擬することができなかった。
本発明は、上記各問題を解決しインストラクタに対しての負荷軽減を行い、訓練員に対し訓練効果の高いプラント模擬装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記(2)の従来技術の問題を解決するために、訓練員からの指令を入力し模擬プラント状態を出力する運転操作用の模擬制御盤と、インストラクタからの指令を入力するインストラクタ対話装置と、模擬制御盤を介して入力される指令に基づいてプラント挙動を模擬演算するプラント特性演算手段とを備えたプラント模擬装置において、インストラクタ対話装置を介して入力される系統画面表示の指令に基づいてプラントの系統画面を前記インストラクタ対話装置に表示する系統表示手段と、インストラクタ対話装置の系統画面上に表示される系統の機器に対して実行可能な故障模擬に関する故障情報を記憶する故障設定情報記憶手段と、系統表示手段によりインストラクタ対話装置の系統画面上に表示される機器に対しインストラクタ対話装置を介して入力される選択信号に基づき故障模擬の実行対象とする機器を選択する故障部位選択手段と、故障部位選択手段により選択された機器に対して実行可能な故障模擬に関する情報を故障設定情報記憶手段から取得し、当該取得した故障模擬に関する情報に基づいて選択された機器に対して実行可能な故障模擬内容を設定する故障設定画面を表示し、当該表示した故障設定画面に対してインストラクタ対話装置を介して入力される指令に基づき選択された機器に対して実行する故障模擬内容を取得する故障模擬対話手段とを具備し、プラント特性演算手段は、模擬制御盤を介して入力される指令と共に故障模擬対話手段にて取得された故障模擬内容に基づきプラント挙動を模擬演算することを特徴とする。
本発明によれば、故障模擬対象の機器を系統図で表すことにより故障発生位置の概略を確認することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。なお、従来例と共通する部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の実施例1のプラント模擬装置を示すもので、特にインストラクタ処理部4における事故模擬処理部11の構成をさらに詳細に示している。事故模擬処理部11はインストラクタ機能処理部10のひとつで、プラント模擬部2に対して事故信号を与えプラントの事故を模擬するものである。本実施例では、事故模擬処理部11は、プラント模擬部2からプラント状態を取り込むプラント状態取込み部51、事故項目とその事故可能条件を記憶する事故発生可能判定情報テーブル52、プラント模擬部2からのプラント状態に基づいて事故発生可能判定情報テーブル52から発生可能事故を選択する発生可能事故選択部53、選択された発生可能事故を記憶する発生可能事故記憶部54、発生可能事故記憶部54から事故項目を選択するマルファンクションランダム選択部55および選択された事故項目に応じてプラント模擬部2に事故模擬を要求するマルファンクション発生処理部56で構成されている。
上記構成の事故模擬処理部11において、プラント状態取込み部51は、プラント模擬部2で模擬演算されたポンプ、弁等の補機状態量と温度、圧力等のプロセス量を随時取り込み格納する。
事故発生可能情報テーブル52は、図2に示すように、まずプラントの系統ごとに大分類され、次に個々の事故項目とこの事故項目に対応した事故可能条件すなわち事故発生が可能なプラント状態から構成されている。
発生可能事故選択部53は、プラント状態取り込み部51のプラント模擬部2で演算された補機状態量およびプロセス量と事故発生可能情報テーブル52の事故可能条件から発生可能な事故項目を洗い出し、系統ごとの事故発生可能数および全ての事故発生可能数を発生可能事故記憶部54に保存する。
図3は、給水ポンプA、Bが起動、給水ポンプCが停止、給水流量調節器A、Bが自動、給水流量調節器Cが手動、給水加熱器AおよびBの出入口弁が全開、タービンがリセットされているプラント状態において、図2に示す事故発生可能情報テーブル52の事故可能条件から発生可能事故記憶部54に保存された例を示す。すなわち、系統1の給水系において事故項目3の給水ポンプCトリップと事故項目6の給水流量調節器C不調は事故可能条件が満たされていないため発生可能事故項目から削除され、給水系における系統ごと可能数S1は6となる。同様に全ての系統についても系統ごと可能数を求め、これらの合計が全事故発生可能数Nとなる。
ここで、インストラクタがインストラクタ対話装置3の入力装置7から事故指令として事故を発生させる系統Sと発生させる時刻Tを入力すると、この事故指令の内容が入出力処理手段9を経て事故模擬処理部11内のマルファンクションランダム選択部55に伝えられる。
マルファンクションランダム選択部55では、まず発生時刻と現在の時間を比較し、同一となれば系統Sの系統ごと事故発生可能数を発生可能事故記憶部54から取り出し、この系統ごと可能数を最大値としてランダム関数を通じてランダム値を導き出すことによって、事故項目の選択を行う。例えば、図3において系統Sが系統番号1の給水系の場合、系統可能数S1は6となり、6を最大値としてランダム関数を通じてランダム値を得る。仮に得られたランダム値が5の場合、給水系の5行目に登録されている事故項目7の給水加熱器Aリークが選択されたこととなる。また、系統Sの入力がない場合は、発生可能事故記憶部54内の全事故発生可能数Nを最大値としてランダム値を得、系統に関係なく得られたランダム値行目に登録されている事故項目が選択されたこととなる。
マルファンクション発生処理部56は、マルファンクションランダム選択部55で選択された事故項目に応じて必要情報を付加し、プラント模擬部2に伝えることにより事故を発生させる。
以上の説明からも明らかなように、本実施例によれば、事故項目はインストラクタ対話装置3から入力されることなくマルファンクションランダム選択部55によりランダムに選択されるため、どのようなタイプのプラント模擬装置においても、訓練員は実プラントの運転における事故と同様に、何の事故が発生するか予測できない状態で事故対応訓練を行うことができる。
図4は、本発明の実施例2のプラント模擬装置を示すもので、特にインストラクタ処理部4における故障模擬処理部12の構成をさらに詳細に示している。
本実施例では、図41に示す従来の故障模擬処理部12と比較して、状態表示手段25に替えてインストラクタ入出力手段9と故障発生手段23との間に故障模擬系統画面表示部60が設けられている。
この故障模擬系統画面表示部60は、図5に示すように、系統画面を表示する系統表示部61と、系統画面上に機器の現在状態を表示する故障状況表示部62と、系統画面上にて選択された機器のPIDを求める故障部位選択部63と、選択された機器のPIDから模擬可能な故障情報を故障設定情報ファイル22より取得する故障模擬対話部64と、系統画面上の機器のPIDを格納する系統情報データベース65とによって構成されている。
次に、図4〜図9を参照して故障模擬に際しての故障模擬系統画面表示部60による本実施例の作用を説明する。
まず、インストラクタ入出力手段9を介して故障模擬系統画面表示部60の系統表示部61により主要な系統が図6に示すようなリスト形式でインストラクタ対話装置3の表示装置8に表示される。このリスト画面から所望の系統を入力装置7を介して選択することにより、図7に示すような系統画面が表示装置8に表示される。この系統画面上にはその系統の主要な機器が表示され、その機器の現在状態が色替えにより表示される。これは故障状況表示部62が、プラント模擬部2のプラント特性演算部6より故障状態監視手段26を介して現在状態を取得し、その状態を系統表示部61に通知し、表示を行っている。図7では、例えば弁の場合、全開状態は赤色、全閉状態は緑色で表示し、現在状態を示している。
この系統画面上に表示されている機器の故障模擬を行いたい場合、以下のような方法で故障を発生させる。
例えば、ある弁に対し強制的に開くという故障模擬を発生させる場合、その弁をマウスにより選択する。選択すると、故障部位選択部63は、系統情報データベース65から選択された弁のPIDを取得し、取得したPIDを故障模擬対話部64に送る。故障模擬対話部64は、送られてきたPIDから、その機器にはどのような故障が行えるかという故障情報を故障設定情報ファイル22より取得する。その取得した内容を、図8または図9に示すような故障模擬設定画面にしてインストラクタ対話装置3の系統画面上に表示する。この故障模擬設定画面に表示される故障状態は系統画面中でデフォルトで持っており、主要な故障状態を表示するようになっている。この系統画面故障模擬設定画面より、故障模擬内容を選択し(強制開を選択)、“実行ボタン”を押操作する。故障模擬対話部64は“実行ボタン”が押されると、選択された故障模擬内容を故障発生手段23に送る。
故障発生手段23は、プラント特性演算部6に設定内容を送り、プラント特性演算部6により、設定内容を基にプラント特性を演算し、模擬制御盤1に計算値を反映させ、これにより、指定した弁が強制的に開くという故障模擬が行われる。
この故障模擬の状態は、故障状態監視手段26がプラント特性演算部6より取得した故障状況を、故障模擬系統画面表示部60の故障状況表示部62により画面に通知する。図7では、故障状況を機器の左上に表示された“MF”という文字で表わし、例えば“MF”を赤色で表示している場合は、その機器の故障模擬が実行中であることを示している。また、“MF”を緑色で表示している場合は登録状態、“MF”が表示されていない場合は故障模擬が未登録であるということがわかるようになっている。
このように、系統画面より選択機器の故障状態が表示され、同一画面上で故障模擬要求が行えることにより、故障模擬を即座に発生することができ、発生させるための操作がより簡略化されスムーズな運転訓練が可能となる。従来のPID入力のみによる故障模擬ではどの系統のどこの機器の故障模擬を行っているかわかりにくい点があったが、故障模擬対象の機器を系統図で表わすことにより故障発生位置の概略を確認することができる。また、系統図中の機器を故障させたことにより、その系統に接続される他の機器がどのような動きをするかを同一画面で認識することも可能となり、プラントの動きの学習も可能となる。
図10は、本発明の実施例3のプラント模擬装置を示すもので、特にインストラクタ処理部4におけるリプレイ処理にかかる構成をさらに詳細に示している。
本実施例では、図45に示す従来構成と比較して、プラント模擬部2からのデータに基づいて通常模擬運転時はその操作順にその操作内容に対応する通報情報を保存し、リプレイ中は保存した通報情報を順次取り出して通報出力処理する通報情報処理部71と、操作内容と通報情報との対応テーブルを記憶する通報データ記憶部72と、プラント模擬部2からの操作情報に応じてその通報情報を記憶する通報内容記憶部73と、通報情報処理部71からの通報情報を出力する通報出力装置74とをさらに設けている。
次に、主にリプレイ処理にかかる本実施例の作用を説明する。
模擬制御盤1からの訓練員の操作信号は、模擬制御盤入出力装置34を介してプラント模擬部2に読み込まれ、ここで実プラントにおける制御装置の機能の模擬演算およびプラントの物理的動特性の模擬演算が実行される。プラント模擬部2で模擬演算された結果得られる出力信号は、模擬制御盤入出力装置34を介して、模擬制御盤1上の各種ランプ、指示計、ディスプレイへプラント状態として表示される。
これと並行して、リプレイデータ保存/復元処理部32は、あらかじめ決められたサンプリング間隔で、上記の模擬演算を開始するための初期状態をリプレイデータ記憶部31に保存するとともに、模擬制御盤入出力装置34を介して読み込んだ訓練員の操作情報を時系列に、すなわち、操作時刻と操作情報をリプレイデータ記憶部31に保存する。
インストラクタ対話装置3は、プラント模擬部2に対するインストラクタの模擬演算実行開始、停止を要求する制御情報をインストラクタ入出力手段9を介してインストラクタ信号処理部33に転送し、またリプレイ機能を要求する制御情報をリプレイデータ保存/復元処理部32に転送する。
また、通報情報処理部71は、プラント模擬部2より制御情報、および、シミュレーション時刻または操作時刻とともに操作情報を入力する。プラント模擬部2からの制御情報がリプレイ中でないとき、すなわち通常の模擬運転のとき、通報情報処理部71は、プラント模擬部2より入力した操作時刻および操作情報に基づいて通報データ記憶部72から操作情報に対応した通報情報を取り込み、通報内容記憶部73に通報時刻とともに通報情報を時系列に保存する。ここで、通報時刻t′は、操作時刻tより早く通報したい時間をΔtとしたとき、t′=t−Δtである。
制御情報がリプレイ中の場合は、通報情報処理部71は、プラント模擬部2より転送されるリプレイ中のシミュレーション時間ts に基づいて通報内容記憶部73より通報情報を読み込んで、ディスプレイ等の通報出力装置74に文字情報等で出力する。
次に、通報情報処理部71で行っている演算処理について図11のフローチャートに従って説明する。
通報情報処理部71は、ステップ200において、プラント模擬演算部2から転送される制御情報がリプレイ中か、そうでないかを判断する。
プラント模擬演算部2からの制御情報がリプレイ中でないとき、通報情報処理部71は、ステップ201において、プラント模擬演算部2から転送される操作情報に基づいて対応する通報情報を通報データ記憶部72から検索する。
ここで、プラント模擬演算部2より転送される操作情報データの構成例を図12に示す。この図に示すように、通報情報処理部71には操作時刻tとともに操作情報Iが入力される。また、通報データ記憶部72に登録されている操作情報Iと通報情報Mとの対応テーブルを図13に示す。この対応テーブルには操作情報ごとにその操作内容を知らせる通報情報が設定されている。
したがって、ステップ201では図12に示すような操作情報Iが入力された場合、通報データ記憶部72より操作情報Iに対応した通報情報Mを取り込む。
ステップ202では、通報時間t′(=t−Δt)と通報情報Mを、図14に示すように、時系列に通報内容記憶部73に保存する。この図14に示す通報内容記憶部73内の保存データは、図12に示す操作情報データに対応しており、ステップ201で通報データ記憶部72より取り込んだ通報情報Mを操作時刻tからΔtだけ差し引いた通報時刻t′とともに保存する。
ステップ203では、プラント模擬演算部2からの制御情報がリプレイ中のとき、リプレイ中の時間に対応する通報情報Mを通報内容記憶部73より検索する。すなわち、プラント模擬部2から転送されるリプレイ時刻ts に基づいて対応する通報時刻t′の通報情報Mを通報内容記憶部73より順次取り出す。
ステップ204では、ステップ203で取り出された通報情報Mを通報出力装置74に出力する。
上記通報情報処理により、訓練員はリプレイ中に操作タイミングにΔtだけ先んじてその操作内容を確認することができ、操作内容とプラントの挙動特性とを対応づけて学習することができる。
図15は、上記第3実施例の変形例を示すもので、ここでは通報情報を音声として出力するものである。そのため、第3実施例のうち通報情報処理部71は音声通報情報処理部76に、通報データ記憶部72は音声の保存が可能な音声通報データ記憶部77に、通報内容記憶部73は音声通報情報処理部76と同様音声が保存可能な音声内容記憶部78に、通報出力装置74は音声出力用として、音声増幅装置79とスピーカ80に置き替えている。
この構成で訓練のリプレイを開始すると、操作再現のタイミングよりΔtだけ早く通報情報が通報されるので、事前に操作項目を認識しながら、リプレイ中のプラントの状態確認を行うことが可能となる。
また音声通報にすることにより、訓練員はリプレイ中に模擬制御盤1を監視しながらでも、特に専用のディスプレイを凝視することなく、操作項目を確実に認識することができる。
図16は、本発明のプラント模擬装置の実施例4を示すもので、特に現場盤模擬部5にかかる構成を詳細に示している。
本実施例では、図46に示す従来構成の現場盤模擬部5に加えて、現場イメージを表示する大型表示器81と、この大型表示器81に現場イメージおよび現場盤操作器イメージを表示処理する大型表示器表示処理部82を設けている。
この大型表示器表示処理部82は、実際のプラントの現場盤および現場関連の現場建屋や現場フロアの固定部イメージデータを保存する現場イメージデータベース83と、現場盤上の操作器や指示器の目盛りごとの可変部イメージデータを保存する操作器イメージデータベース84と、現場盤模擬入力処理部41からの画面選択信号により現場イメージデータベース83から現場盤イメージデータを選択する現場イメージ選択手段85と、現場盤模擬入力処理部41からの画面選択信号およびプラント模擬部2からのプロセス値に基づいて操作器イメージデータベース84から表示すべき現場盤上の操作器イメージデータを選択する操作器イメージ選択手段86と、それぞれ選択された現場盤イメージデータおよび操作器イメージデータを合成して大型表示器81に表示する大型表示器画面作成処理部87とで構成されている。
上記構成において、まず、現場イメージデータベース83および操作器イメージデータベース84に保存されるイメージデータについて説明する。図17および図18は、現場イメージデータベース83に保存される実際のプラントの現場盤および現場関連の現場建屋や現場フロアの固定部イメージデータの表示例である。固定部イメージデータは、現場盤模擬表示装置16に表示される従来の現場盤表示画面データとは異なり、操作する現場建屋、現場フロア、現場操作室、現場盤までのイメージデータであり、操作する現場盤は、実際のプラントの現場盤に近い大きさで表示されるイメージデータである。
図19は、操作器イメージデータベース84に保存される現場盤上の操作器や指示器のイメージデータ例である。図19の示すように、操作器イメージデータベース84には、各操作器や指示器について、その目盛りごとのイメージデータa、b、c、…が複数存在する可変部イメージデータが保存される。図20に示す表示画面例において、破線で囲まれた操作器がこの可変部イメージデータによる表示部分である。
次に、訓練員により現場盤画面の切り替えが行われた場合の本実施例の作用について図16を用いて説明する。
現場盤模擬入力処理部41は、現場盤模擬入力装置15からの現場盤入力信号に基づいて画面選択信号を、現場イメージ選択手段85と操作器イメージ選択手段86に出力するとともにプラント模擬部2に操作信号を出力する。現場イメージ選択手段85は、入力した画面選択信号により現場イメージデータベース83から表示する現場盤イメージデータを選択し、大型表示器画面作成処理部87に出力する。操作器イメージ選択手段86は、入力した画面選択信号により、現場イメージ選択手段85により選択される現場イメージデータ上に操作器や指示器がある場合、選択された現場イメージデータに対応したプロセスの模擬演算を行うプラント模擬部2からのプロセス値により、表示する操作器や指示器の指示するイメージデータを、操作器イメージデータベース84より選択し、大型表示器画面作成処理部87に出力する。大型表示器画面作成処理部87では、現場イメージ選択手段85から出力された現場イメージデータと操作器イメージ選択手段86から出力された操作器イメージデータとを入力して合成し、大型表示器表示画面データとして大型表示器81に出力する。大型表示器81は、大型表示器画面作成処理部87により合成された大型表示器画面データを表示する。
ここで、大型表示器81に表示された現場盤上の操作器や指示器のプロセス値の変化と現場盤の操作による操作器や表示器の表示内容の変化時の動きについて説明する。操作器イメージ選択手段86は、プラント模擬部2から逐次プロセス値を入力し、そのプロセス値に対応した操作器や指示器の指示するイメージデータを操作器イメージデータベース84より選択して大型表示器画面作成処理部87に出力し、前記現場盤イメージデータ選択時と同様、表示されている現場盤イメージデータに選択した操作器イメージデータを合成して、大型表示器画面データとして大型表示器81に表示する。現場盤の操作による操作器や指示器の変化は、現場盤模擬入力装置15より現場盤入力信号として入力され、現場盤模擬入力処理部41により操作信号としてプラント模擬部2に入力され、プロセス量の模擬演算に使用され、操作器イメージ選択手段86が入力するプロセス値の変化としてフィードバックされるため、操作器イメージ選択手段86によって操作器や指示器の変化が大型表示器81に表示される。
次に、従来の現場盤模擬表示装置16の画面切り替えと大型表示器81の画面切り替えについて説明する。現場盤模擬表示装置16および大型表示器81にはともに図21に示すような現場建屋の配置イメージが表示されているとする。
まず、現場盤模擬入力装置15により現場盤模擬表示装置の表示画面内の現場建屋Aのシンボルを選択入力する。現場盤模擬入力装置15からの現場盤入力信号は、現場盤模擬入力処理部41により画面選択信号として現場盤画面選択手段43、現場イメージ選択手段85および操作器イメージ選択手段86に出力される。現場盤画面選択手段43は、入力した画面選択信号により現場盤画面データベース42より選択した現場建屋を拡大した現場盤画面データを選択し、現場盤画面表示処理部44に出力する。現場盤画面表示処理部44では、現場盤画面選択手段43から現場盤画面データを入力し、プロセス値の表示がある場合は、プラント模擬部2からプロセス値を入力して現場盤画面データに設定し、現場盤表示画面データとして現場盤模擬表示装置16に出力する。これにより、現場盤模擬表示装置16には、図22に示すような現場建屋を拡大した現場盤画面に切り替え表示される。
一方、現場イメージ選択手段85は、現場盤模擬入力処理部41からの画面選択信号により、現場イメージデータベース83から現場建屋を拡大した現場イメージデータを選択し、大型表示器画面作成処理部87に出力する。また、操作器イメージ選択手段86は、現場盤模擬入力処理部41からの画面選択信号により、表示する操作器がある場合は、プラント模擬部2よりプロセス値を入力し、操作器イメージデータベース84から画面選択信号およびプロセス値に対応した操作器イメージデータを選択し、大型表示器画面作成処理部87に出力する。大型表示器画面作成処理部87は、現場イメージ選択手段85からの現場イメージデータと操作器イメージ選択手段86からの操作器イメージデータを合成し、大型表示器表示画面データとして大型表示器81に出力する。これにより、大型表示器81には、例えば図22に示すような現場建屋を拡大した現場盤画面に切り替え表示される。
順次、現場盤模擬表示装置16の表示画面上から現場フロア、現場盤操作室を現場建屋同様に選択すると、現場建屋の表示の場合と同様の処理により、現場盤模擬表示装置16および大型表示器81には図23、図24と表示が切り替えられる。
次に、図24に示す表示画面において操作する現場盤を現場建屋同様に選択すると、現場建屋同様の動きにより、現場盤模擬表示装置16には図25に示すような現場盤の一部の詳細画面が表示され、大型表示器81には図26に示すような現場盤模擬表示装置16が表示している画面の位置を線Lで囲った現場盤の全体図が表示される。続いて、現場盤模擬表示装置16上の図25に示すような現場盤模擬画面から現場盤模擬入力装置15より操作する操作器Sのシンボルを選択すると、現場盤模擬表示装置16には図27に示すような選択した操作器に対する操作入力画面G1が表示され、大型表示器81には、選択した操作器を線で囲った現場盤の全体図が表示される。
大型表示器81の表示画面は、現場盤模擬入力装置15から入力された画面選択信号により切り替えられるが、現場イメージデータベース83には、従来の現場盤模擬表示装置16に表示される図25および図27に示すような現場盤の一部の詳細画面や操作器の操作入力画面G1のイメージデータは保存されていない。大型表示器81には、実際に現場盤の前で操作を行っているという環境を演出するため、従来の現場盤模擬表示装置16で表示する現場盤の一部の詳細画面や操作器の操作入力画面の表示は行わず、現場盤の全体イメージまでの表示にとどめる。
ここで、現場イメージデータと操作器イメージデータによる画面合成について、図28を用いて説明する。現場イメージデータは、現場盤および現場関連の現場建屋、フロアの固定部イメージデータである。操作器イメージデータは、現場盤上の操作器や指示器の表示部が可変する可変項目のイメージデータであり、図19に例示するようにその目盛りの指示値により複数のイメージデータを保存している。図28に示す大型表示器画面データは、画面選択信号により現場イメージ選択手段85により選択された現場盤イメージデータIと、画面選択信号とプロセス値より操作器イメージ選択手段86により選択された操作器イメージデータkから大型表示器画面作成処理部87により合成される。
ついで図29を用いて、この操作器の値が0から10の値に変更になった場合(プラント模擬部2より出力される値が10に変更になった場合)の画面合成について説明する。操作器イメージ選択手段86は、プロセス値の変化により操作器イメージデータベース84から操作器イメージデータaを選択し、大型表示器画面作成処理部87に出力する。大型表示器画面作成処理部87は、入力された操作器イメージデータを、前回現場イメージ選択手段85が選択した現場イメージデータIに合成し、大型表示器表示画面データとして出力する。
実際の現場盤模擬表示装置16と大型表示器81の設置例を図30に示す。訓練員は、現場盤模擬表示装置16と現場盤模擬入力装置15から現場盤操作を行うため、大型表示器81は現場盤画面表示装置16と現場盤模擬入力装置15の奥に設置し、訓練員はあたかも実際の現場盤を操作している感覚で訓練を行うことができる配置とする。
これにより、従来の盤レスのCRTオペレーションによる現場盤模擬操作に加え、現場盤の操作における現場の情報量と臨場感がより現実に近づく。
図31は、本発明のプラント模擬装置の実施例5を示すもので、従来構成に対して、インストラクタ対話装置3の入力装置7を介して入力された現場盤模擬部5に対する現場操盤模擬入力許可/不許可要求を受付ける現場盤模擬入力許可/不許可要求手段91と、現場盤模擬入力許可/不許可要求手段91が受付けた現場盤模擬入力許可/不許可要求により各現場盤の模擬入力許可/不許可の設定状態を記憶する現場盤模擬入力許可/不許可設定データベース92と、各現場盤の模擬入力許可/不許可の現在状態を保存する現場盤模擬入力許可状態データベース93と、現場盤模擬入力許可/不許可設定データベース92および現場盤模擬入力許可状態データベース93に基づいてどの現場盤に対して模擬入力許可、不許可のいずれの要求がなされたかを判定し、この判定結果を現場盤模擬処理部14に通知して当該現場盤からの模擬入力を許可または不許可状態にするとともに現場盤模擬入力許可状態データベース93を判定結果に従って更新する現場盤模擬入力許可判定手段94とを新たに設けている。
次に、本実施例の作用を説明する。
インストラクタがインストラクタ対話装置3の入力装置7を介して、現場盤模擬部5に対する現場盤模擬入力の許可/不許可を図32に示すような画面より要求すると、現場盤模擬入力許可/不許可要求手段91は、要求された現場盤模擬入力許可/不許可をプラント模擬部2内の図33に示すような現場盤模擬入力許可/不許可設定データベース92へ設定する。例えば、図34に示すように、現場盤模擬入力許可/不許可設定データベース92の現場盤kの“模擬入力許可要求”に1、“模擬入力不許可要求”に0が設定され、同じプラント模擬部2内の現場盤模擬入力許可状態データベース93の現場盤kの“模擬入力許可”に1、“模擬入力不許可”に0が設定されている現場盤kに対して、インストラクタ対話装置3より現場盤模擬入力不許可を要求すると、現場盤模擬入力許可/不許可要求手段91はプラント模擬部2の現場操作盤模擬入力許可/不許可設定データベース92の現場盤kの“模擬入力許可要求”に0、“模擬入力不許可要求”に1を設定する。この現場盤模擬入力許可/不許可要求手段91の処理フローを図35に示す。
現場盤模擬入力許可判定手段94は、図33に示すような現場盤模擬入力許可/不許可設定データベース92と図36に示すような現場盤模擬入力許可状態データベース93とを比較し、現場盤模擬入力許可/不許可設定データベース92内の設定状態と現場盤模擬入力許可状態データベース93内の現在状態が異なる現場盤があれば、この現場盤に対して模擬入力許可/不許可要求がなされたものとして、この要求が模擬入力許可か不許可かを判定し、この判定結果を現場盤模擬処理部14に通知するとともに現場盤模擬入力許可状態データベース93を判定結果に従って更新する。例えば、プラント模擬部2の現場盤模擬入力許可/不許可設定データベース92の現場盤kの“模擬入力許可要求”の0、“模擬入力不許可要求”の1と、プラント模擬部2の現場盤模擬入力許可状態データベース93の現場盤kの“模擬入力許可”の1、“模擬入力不許可”の0とを比較した場合、この現場盤kの模擬入力許可/不許可状態が異なるため、現場盤kについて模擬入力不許可要求がなされたものと判定し、この判定結果を現場盤模擬処理部14に通知して現場盤kの模擬入力を不可とし、さらに現場盤kが模擬入力不可となったことを現場盤模擬表示装置16に表示させるとともに、図37に示すように、最新の現場盤模擬入力許可状態としてプラント模擬部2の現場盤模擬入力許可状態データベース93の現場盤kの“模擬入力許可”に0、“模擬入力不許可”に1を設定し、保存する。この現場盤操作許可判定手段93の処理フローを図38に示す。
図39は、現場盤模擬入力許可判定手段94による判定結果を現場盤模擬処理部14を介して現場盤模擬表示装置16に表示した画面例である。
また、現場盤模擬入力許可状態データベース93の内容は、現場盤模擬入力許可/不許可要求手段91によりインストラクタ対話装置3の表示装置8の図32に示すような画面に反映され、反転、色替え等により現場盤の模擬入力許可/不許可の現在状態が表示されるようになっている。
以上の説明からも明らかなように、本実施例によれば、インストラクタ対話装置3から現場盤模擬部5に対する模擬入力許可/不許可を要求することにより、現場盤模擬部5での現場盤の入力操作に関する故障模擬を発生させることができる。また、設定された現場盤模擬部5に対する模擬入力許可/不許可状態は現場盤模擬表示装置16に表示され、訓練員は現場盤模擬部5で使用不可となった現場盤を認識することができる。
本発明の実施例1のプラント模擬装置を示すブロック図である。
図1における事故発生可能判定テーブル52のデータ構成例を示す図である。
図1における発生可能事故記憶部54のデータ構成例を示す図である。
本発明の実施例2のプラント模擬装置を示すブロック図である。
図4における故障模擬系統画面表示部60の詳細構成を示すブロック図である。
本発明にかかる系統画面表示要求を行うためのリスト表示例を示す図である。
本発明にかかる系統画面を例示する図である。
本発明にかかる故障模擬設定画面を例示する図である。
本発明にかかる故障模擬設定画面を例示する図である。
本発明の実施例3のプラント模擬装置を示すブロック図である。
図10における通報情報処理部71の作用を示すフロー図である。
図10におけるプラント模擬部2から通報情報処理部71に転送される操作情報データの構成例を示す図である。
図10における通報データ記憶部72のデータ構成例を示す図である。
図10における通報内容記憶部73のデータ構成例を示す図である。
図10に示す実施例の変形例を示すブロック図である。
本発明の実施例4のプラント模擬装置を示すブロック図である。
図16における現場イメージデータベース83に保存されている現場イメージデータを例示する図である。
図16における現場イメージデータベース83に保存されている現場イメージデータを例示する図である。
図16における操作器イメージデータベース84に保存されている操作器イメージデータを例示する図である。
図16における大型表示器画面作成部87による操作器イメージデータと操作器イメージデータの合成例を示す図である。
図16における大型表示器81および現場盤模擬表示装置16に表示される現場建屋配置画面を例示する図である。
図21に示す画面からの展開画面を例示する図である。
図22に示す画面からの展開画面を例示する図である。
図23に示す画面からの展開画面を例示する図である。
従来の現場盤模擬表示装置16に表示される図24に示す画面からの展開画面を例示する図である。
図16における大型表示器81に表示される図24に示す画面からの展開画面を例示する図である。
図25に示す画面上に操作入力画面が表示された従来の現場盤模擬表示装置16での表示例を示す図である。
本発明にかかる現場イメージデータと操作器イメージデータの合成方法を説明する図である。
本発明にかかる現場イメージデータと操作器イメージデータの指示値の変化した場合の合成方法を説明する図である。
図16における大型表示器81と現場盤模擬表示装置16の設置例を示す斜視図である。
本発明の実施例5のプラント模擬装置を示すブロック図である。
本発明にかかるインストラクタ対話装置における現場操作模擬入力許可/不許可要求画面を例示する図である。
図31における現場盤模擬入力許可/不許可設定データベース92のデータ構成例を示す図である。
図31における現場盤模擬入力許可/不許可設定データベース92へのデータ設定を説明する図である。
図31における現場盤模擬入力許可/不許可要求手段91の作用を示すフロー図である。
図31における現場盤模擬入力許可状態データベース93のデータ構成例を示す図である。
図31における現場盤模擬入力許可状態データベース93の更新を説明する図である。
図31における現場盤模擬入力許可判定手段94の作用を示すフロー図である。
図31における現場盤模擬表示装置16への現場盤模擬入力不許可の表示例を示す図である。
プラント模擬装置の概略構成を示す図である。
本発明の実施例2に対する従来例を示すブロック図である。
従来の故障模擬設定画面を例示する図である。
従来の故障模擬状態選択画面を例示する図である。
従来の故障模擬状態表示画面を例示する図である。
本発明の実施例3に対する従来例を示すブロック図である。
本発明の実施例4に対する従来例を示すブロック図である。
図46における現場盤表示装置16の表示画面例を示す図である。
符号の説明
1…模擬制御盤、2…プラント模擬部、3…インストラクタ対話装置、4…インストラクタ処理部、5…現場盤模擬部、6…プラント特性演算部、9…インストラクタ入出力手段、10…インストラクタ機能処理部、11…事故模擬処理部、12…故障模擬処理部、13、14、15、16、22…故障設定情報ファイル、23…故障発生手段、26…故障状態監視手段、31、32、41、42、43、44、51…プラント状態取込み部、52…事故発生可能判定情報テーブル、53…発生可能事故選択部、54…発生可能事故記憶部、55…マルファンクションランダム選択部、56…マルファンクション発生処理部、60…故障模擬系統画面表示部、61…系統表示部、62…故障状況表示部、63…故障部位選択部、64…故障模擬対話部、65…系統情報データベース、71…通報情報処理部、72…通報データ記憶部、73…通報内容記憶部、74…通報出力装置、76…音声通報情報処理部、77…音声通報データ記憶部、78…音声内容記憶部、79…音声増幅装置、80…スピーカ、81…大型表示器、82…大型表示器表示処理部、83…現場イメージデータベース、84…操作器イメージデータベース、85…現場イメージ選択手段、86…操作器イメージ選択手段、87…大型表示器画面作成処理部、91…現場盤模擬入力許可/不許可要求手段、92…現場盤模擬入力許可/不許可設定データベース、93…現場盤模擬入力許可状態データベース、94…現場盤模擬入力許可判定手段。