JP3842599B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数種類の図柄を可変させて表示可能な可視表示部が設けられた図柄表示手段を備えた遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、遊技機の一種であるパチンコ機は、複数種類の図柄を可変させて表示可能な可視表示部が設けられた図柄表示手段を備えている。その具体的なものとしては、例えば、数字図柄や文字図柄(又は絵(キャラクタ)図柄)を液晶画面上に3列表示可能な図柄表示手段が知られている。
【0003】
このような図柄表示手段では、遊技盤に設置された始動入賞口に遊技球が入賞すると、各列の図柄が変動表示を開始するようになっている。そして、変動表示後、所定の時間が経過すると、例えば、遊技者側から見て左図柄、右図柄、中図柄という順番で所定の図柄が表示され、該図柄の組み合わせによって大当り状態、リーチ状態、はずれ状態などの各種状態が形成されるようになっている。このとき、各列の図柄が同一の図柄となって表示された場合には、大当り状態が形成され、多数の遊技球を獲得できるチャンスが遊技者に付与されるようになっている。
【0004】
ところで、近時のパチンコ機では、大当り状態終了後に次回の大当り状態開始時まで確率が高確率(即ち、大当りが生起されやすい)に変動する特定の大当り状態(第2の特別遊技状態)と、大当り確率が変動しない通常の大当り状態(第1の特別遊技状態)を設けた、所謂、確率変動機能を備えたものが知られている。そして、例えば、0〜9までの数字図柄が採用されたパチンコ機では、全10種類の図柄のうち、奇数番号の図柄(1,3,5,7,9;以下、これらの図柄を「特定図柄」と言う。)によって特定の大当り状態が生起されるようになっている。一方、通常の大当り状態は、全10種類の図柄のうち、前述した5種類の奇数番号の図柄を除く5種類の図柄(0,2,4,6,8)によって生起されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、パチンコ機では、可視表示部において常に前述した10種類の図柄の変動表示が行われるようになっている。また、10種類の図柄が変動表示を行った後、各列毎に所定の図柄が順次表示され、該図柄の組み合わせによってリーチ状態や大当り状態が形成されるようになっている。しかし、所定の列に10種類ある図柄のうち1図柄が表示される見かけ上の確率は、10分の1であって、この確率は常に一定とされている。また、10種類の図柄のうち5種類の特定図柄の何れかが表示される見かけ上の確率は、2分の1であって、この確率も常に一定とされている。
【0006】
従って、遊技者は、特定図柄によってリーチ状態や大当り状態が形成されることを期待しつつ遊技を行っているが、可視表示部においては図柄が常に一定の確率で変動表示(又は表示)されるため、遊技者の期待感が何ら変化することなく遊技の面白みに欠けていた。
【0007】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、遊技者が期待する図柄の表示割合を変更することにより、遊技者の期待する特別遊技状態が生起される期待感を変化させることができる遊技機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数種類の図柄を複数列で可変させて表示可能な可視表示部が設けられた画像表示式の図柄表示装置を備え、前記可視表示部では、各列の図柄の変動を開始させた後、各列の図柄を確定停止状態で表示させる図柄組み合わせゲームが画像表示され、当該ゲームにおいて確定停止状態で表示された図柄の組み合わせから大当り及びはずれを認識できるとともに、前記複数列のうち特定列の図柄が同一図柄となって一旦停止状態で表示され、かつ前記特定列以外の列の図柄が変動表示することでリーチ状態が形成され、前記可視表示部に確定停止状態で表示された前記大当りを認識できる組み合わせが予め定めた第1の種類の図柄による組み合わせである場合には遊技者にとって有利となる第1の特別遊技状態が生起される一方で、前記可視表示部に確定停止状態で表示された前記大当りを認識できる組み合わせが予め定めた第2の種類の図柄による組み合わせである場合には前記第1の特別遊技状態よりも遊技者にとってさらに有利となる第2の特別遊技状態が生起される遊技機において、遊技内容を統括して制御する主制御基板と、前記主制御基板から出力された制御コマンドに基づき前記図柄表示装置を制御する図柄制御基板とを備え、前記主制御基板は、大当り判定用乱数の値と大当り判定値とを用いて大当りとなるか否かの大当り判定を行い、該大当り判定の判定結果が肯定の場合には大当り図柄乱数の値を用いて前記可視表示部に確定停止状態で表示させる前記大当りを認識できる組み合わせを形成する図柄を決定するとともに、変動パターン振分け乱数の値を用いて前記図柄組み合わせゲームにおける各列の図柄の変動が開始してから該図柄が確定停止状態で表示されるまでの制御内容を示す変動パターンを決定し、その後に前記図柄制御基板に対して変動開始及び決定した変動パターンを指定する変動開始コマンドと前記決定した図柄を指定する図柄指定コマンドを出力し、前記主制御基板には、前記大当り判定の判定結果が肯定となる場合に、前記大当り図柄乱数の値を用いて決定した図柄が第1の種類の図柄であって前記第1の特別遊技状態を生起させるときに前記変動パターンを決定するための第1の変動パターンテーブルと前記大当り図柄乱数の値を用いて決定した図柄が第2の種類の図柄であって前記第2の特別遊技状態を生起させるときに前記変動パターンを決定するための第2の変動パターンテーブルとが記憶され、各テーブルの変動パターンには前記変動パターン振分け乱数の値とともに前記図柄組み合わせゲームにおいて各列で変動表示させる前記第2の種類の図柄の表示割合が定められており、前記第1の変動パターンテーブルと前記第2の変動パターンテーブルとを比較した場合には、前記第2の変動パターンテーブルの方が前記第1の種類の図柄よりも前記第2の種類の図柄の表示割合を高くした変動パターンの選択率が高められており、前記図柄制御基板は、前記主制御基板が出力した前記制御コマンドを入力し、前記変動開始コマンドで指定された変動パターンの制御内容に対応する画像表示用の表示制御情報を生成し、当該表示制御情報に基づき前記可視表示部の表示内容を制御することにより前記図柄組み合わせゲームを開始させ、該ゲームにおいて前記図柄指定コマンドで指定された図柄を最終的に導出して該図柄を確定停止状態で表示させるようになっており、前記図柄制御基板は、前記変動開始コマンドで指定された変動パターンの制御内容に前記図柄組み合わせゲームの開始後、変動中に各列の前記第2の種類の図柄の表示割合を変更する内容を含む場合、前記図柄組み合わせゲームの開始から前記リーチ状態が形成される前の所定時間の間で変動表示させる各列の図柄の種類として全てを前記第1の種類の図柄に決定するとともに、前記所定時間の経過後に変動表示させる前記第2の種類の図柄の表示割合を前記変動パターンにしたがって決定し、前記図柄組み合わせゲームの開始後、所定時間の間は前記第1の種類の図柄のみによって各列を変動表示させ、前記リーチ状態が形成される前であって前記所定時間の経過後に、各列において前記第2の種類の図柄の表示割合を零の状態から前記第2の種類の図柄の表示個数の増加、又は前記第1の種類の図柄の表示個数の減少と前記第2の種類の図柄の表示個数の増加により、前記決定した前記第2の種類の図柄の表示割合に変更することを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記第1の変動パターンテーブルには、前記表示割合の変更後に変動表示させる図柄の全てを前記第1の種類の図柄にする変動パターンを含む一方で、前記第2の変動パターンテーブルには、前記表示割合の変更後に変動表示させる図柄の全てを前記第2の種類の図柄にする変動パターンを含み、前記図柄制御基板は、前記第1の特別遊技状態が生起される場合であって前記変動開始コマンドで指定された変動パターンに前記表示割合の変更後の図柄の全てを前記第1の種類の図柄とすることが定められている場合には前記リーチ状態が形成される前であって前記所定時間の経過後に、各列で変動表示させる図柄の全てを前記第1の種類の図柄に変更する一方で、前記第2の特別遊技状態が生起される場合であって前記変動開始コマンドで指定された変動パターンに前記表示割合の変更後の図柄の全てを前記第2の種類の図柄とすることが定められている場合には前記リーチ状態が形成される前であって前記所定時間の経過後に、各列で変動表示させる図柄の全てを前記第2の種類の図柄に変更することを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の遊技機において、前記第1の変動パターンテーブルと前記第2の変動パターンテーブルには、両テーブルを比較した場合に、前記第1の変動パターンテーブルの方が前記表示割合の変更後に変動表示させる図柄として前記第2の種類の図柄よりも前記第1の種類の図柄の表示割合を高くした変動パターンが選択され易くなるように前記変動パターン振分け乱数の値を振分けている一方で、前記第2の変動パターンテーブルの方が前記表示割合の変更後に変動表示させる図柄として前記第1の種類の図柄よりも前記第2の種類の図柄の表示割合を高くした変動パターンが選択され易くなるように前記変動パターン振分け乱数の値を振分けており、前記第1の変動パターンテーブルと前記第2の変動パターンテーブルの両テーブルにおいて一の変動パターンに振分けた前記変動パターン振分け乱数の全振分け個数に対する前記第2の変動パターンテーブルにおいて前記一の変動パターンにおいて振分けた前記変動パターン振分け乱数の振分け個数の割合から前記一の変動パターンが前記第2の特別遊技状態を生起させる図柄組み合わせゲームを行う場合に選択される割合が算出され、前記第2の種類の図柄の表示割合は、前記変動パターン毎の前記第2の特別遊技状態が生起される場合に選択される割合を想定し得るように定められていることを要旨とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という。)に具体化した一実施形態を図1〜図4に基づき説明する。
【0013】
図1に略示するように、パチンコ機10において機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。そして、中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上球皿15が共に横開き状態で開閉可能に組み付け整合されている。さらに、中枠12の下部には下球皿16、打球発射装置17等が装着されている。また、遊技盤13の遊技領域の略中央には、図柄を可変させて図柄組み合わせゲームを行う図柄表示手段としての図柄表示装置18が配設されている。
【0014】
また、遊技盤13の遊技領域の略中央には、図柄表示装置18の下方に図示しないソレノイドにより開閉動作を行う始動入賞口22が配置されている。さらに、始動入賞口22の下方には、図示しないソレノイドにより開閉動作を行う大入賞口23が配置されている。従って、打球発射装置17の操作により遊技盤13の遊技領域に打球された遊技球が始動入賞口22へ入賞するか、又は、始動保留球数の記憶値に基づき、図柄表示装置18では図柄組み合わせゲームが行われるようになっている。
【0015】
なお、「始動保留球数の記憶値」とは、図柄の変動中に始動入賞口22に入賞した遊技球の数を所定の上限値(一般的には4)の範囲内で記憶した値である。そして、前記記憶値が0(零)の場合には始動入賞口22への遊技球の入賞によって図柄組み合わせゲームが行われると共に、前記記憶値が0(零)以外の場合には当該記憶値に基づき図柄組み合わせゲームが行われる。なお、前記記憶値は、始動入賞口22への遊技球の入賞により+1され、図柄組み合わせゲームの開始により−1される。
【0016】
次に、図柄表示装置18の具体的構成について図2に基づき説明する。
前記図柄表示装置18には、液晶画面からなる可視表示部Hが設けられており、当該可視表示部Hには、図2で示すように複数列(本実施形態では、3列)の第1図柄19、第2図柄20及び第3図柄21が各列毎に表示されるようになっている。なお、「表示」とは、可視表示部Hにおいて遊技者が図柄を識別できる状態で前記図柄が停止していることであり、「停止」には、所謂、ゆれ変動と言われる一旦停止状態と完全に停止した確定停止状態の何れの状態も含まれている。
【0017】
また、本実施形態における第1〜第3図柄19〜21は、図2に示すように、配列をなした複数種類(10種類)の数字から構成されている。より具体的には、0,1,2,3,4,5,6,7,8,9の10種類の数字となっている。そして、可視表示部Hには、第1〜第3図柄19〜21として各列毎に、同一、又は、異なる図柄が表示できるようになっている。従って、遊技者は、可視表示部Hに表示された第1〜第3図柄19〜21の組み合わせの態様から大当り状態(特別遊技状態)、リーチ状態、又は、はずれ状態の何れかの状態を認識することできる。
【0018】
例えば、図2に示すように、可視表示部Hに表示された第1〜第3図柄19〜21が同一の図柄(6)である場合には、その組み合わせの態様から大当り状態を認識することができる。また、特定の2列(例えば、第1図柄19と第3図柄21)が同一の図柄(6)である場合には、その組み合わせの態様からリーチ状態を認識することができる。さらに、可視表示部Hに表示された第1〜第3図柄19〜21が全て異なる場合又は1列の図柄がリーチ状態を構成する図柄とは異なった図柄で表示された場合(所謂、はずれリーチ)には、その組み合わせの態様からはずれ状態を認識することができる。
【0019】
また、これらの複数種類の図柄(0〜9)は、可視表示部Hにおいて、縦方向(図2で矢示する変動方向A)に、・・→0→1→2→・・・→8→9→0→・・というように、数字が昇順となる配列で変動表示(スクロール表示)されるようになっている。なお、「変動表示」とは、可視表示部Hにおいて、図柄が一旦停止状態、又は、確定停止状態となって表示されておらず、可視表示部Hに表示する図柄の種類を変化させながら変動していることを言う。そして、可視表示部Hには、各列毎に変動表示されている複数種類の図柄のうち、何れか一つの図柄(この図柄が各々第1〜第3図柄19〜21となる。)が表示されるようになっている。
【0020】
また、本実施形態のパチンコ機10は、大当り状態終了後に次回の大当り状態開始時まで大当り確率が高確率(大当りが生起されやすい。)に変動する特定の大当り状態(第2の特別遊技状態)と、大当り状態終了後に大当り確率が変動せず通常時(大当り状態時又は高確率時ではない時)と同じ確率となる通常の大当り状態(第1の特別遊技状態)を設けた確率変動機能を備えている。そして、特定の大当り状態、又は、通常の大当り状態は、前述のように、可視表示部Hに表示された3列の図柄(第1〜第3図柄19〜21)が同一の図柄からなる組み合わせの態様を形成した場合に生起されるようになっている。
【0021】
このとき、通常の大当り状態が生起された場合には、大入賞口23の開閉により多数の遊技球を獲得できるチャンスが遊技者に付与されるようになっている。一方、特定の大当り状態が生起された場合には、通常の大当り状態と同様に多数の遊技球を獲得できるチャンスに加えて、大当り状態終了後に次回の大当り状態開始時まで大当り確率が、例えば、315.5分の1→63.1分の1に変動し、大当り状態が生起されやすい状態で遊技を行うことができる権利が付与されるようになっている。従って、通常の大当り状態に比して特定の大当り状態は、遊技者にとってさらに有利となる状態であって、通常、遊技者は、特定図柄によってリーチ状態が形成されることや特定の大当り状態が生起されることを期待しつつ、遊技を行っている。
【0022】
そして、特定の大当り状態又は通常の大当り状態は、大当り状態となる組み合わせの態様を形成する図柄の種類に基づいて、何れか一方の大当り状態が生起されるようになっている。即ち、複数種類(10種類)の図柄のうち、予め定めた非特定図柄(第1の種類の図柄)によって通常の大当り状態が生起されると共に、予め定めた特定図柄(第2の種類の図柄)によって特定の大当り状態が生起されるようになっている。そして、本実施形態では、0〜9の図柄のうち、奇数番号の図柄である1,3,5,7,9を特定図柄と定める一方で、0(零)及び偶数番号の図柄である2,4,6,8を非特定図柄と定めている。なお、特定図柄は、大当り状態終了後に確率変動となることから「確変図柄」とも呼ばれているのに対し、非特定図柄は「非確変図柄」とも呼ばれている。
【0023】
一方、パチンコ機10の機裏側には、遊技内容を統括して制御する主制御基板(以下、「主基板」という。)24が装着されている(図1に破線で示す。)。そして、主基板24には、図柄表示装置18に対し図柄制御を実行する制御手段としての図柄制御基板(以下、「図柄基板」という。)25が接続されている(図1に破線で示す。)。この図柄基板25は、主基板24から出力された各種制御信号を入力し、当該制御信号を構成する各種制御コマンドに基づき図柄表示装置18の図柄制御を実行するようになっている。そして、可視表示部Hでは、前記制御コマンドに応じた図柄組み合わせゲームが行われることによって、各列毎に図柄が変動表示された後、第1〜第3図柄19〜21として表示されるようになっている。
【0024】
次に、主基板24及び図柄基板25の具体的な構成について図3に基づき詳細に説明する。
最初に、主基板24について説明すると、主基板24はパチンコ機10全体を制御するメインCPU26を備えており、該メインCPU26にはROM27及びRAM28が接続されている。そして、ROM27には、パチンコ機10を制御するための遊技制御プログラムが記憶保持されている。また、ROM27には、大当り判定用乱数(0〜630)、大当り図柄乱数(0〜9)、左はずれ図柄乱数(0〜9)、右はずれ図柄乱数(0〜9)、中はずれ図柄乱数(0〜9)が記憶保持されている。さらに、ROM27には、リーチ判定用乱数(0〜59)、変動パターン振分け乱数(0〜49)などの各種乱数や、前述した各種乱数の抽出値に対応する各種制御コマンドが記憶保持されている。
【0025】
なお、「変動パターン」とは、第1〜第3図柄19〜21が変動を開始してから、前記各図柄19〜21が所定の図柄を確定停止させるまでの間において、変動パターン毎に予め定められた変動時間内における前記各図柄19〜21の動作パターンを示したものである。即ち、変動パターンは、図柄表示装置18で行われる演出に相当するものであって、例えば、リーチ状態となった時に特定の図柄をコマ送り、高速送り又は図柄以外のキャラクタを動作させるなど各図柄19〜21の動作パターンが示されている。
【0026】
また、大当り判定用乱数は、始動入賞口22に遊技球が入賞した際に抽出され、その抽出された値によって大当り状態となるか否かを判定するものである。そして、ROM27には、大当り判定用乱数(0〜630)のうち、大当り状態と判定するための所定の大当り値(例えば、7と373)が記憶されており、メインCPU26は、抽出された値が前記大当り値と一致した場合に大当り状態と判定する。
【0027】
なお、大当り判定用乱数の数値が0〜630(全631個)であって、前記大当り値が7と373である場合、パチンコ機10の大当り確率は、315.1分の1(631÷2)となる。そして、大当り確率は、特定の大当り状態が生起されると、その大当り状態終了後に大当り値の数が増加することにより変更される。即ち、ROM27には、特定の大当り状態が生起された場合に大当り値となる数値(例えば、7,373,29,127,233,295,433,557,607,619)が記憶されており、該大当り値が2→10に増加することで大当り確率は63.1分の1(631÷10)に変更される。
【0028】
また、大当り図柄乱数は、大当り判定用乱数から大当り値が抽出された場合に、最終的に確定停止させる図柄を決定するための乱数である。そして、大当り図柄乱数の数値である0(零)〜9は、前述した10種類の図柄に対応している。従って、大当り判定用乱数の抽出によって大当り状態が決定された場合、大当り図柄乱数から抽出された数値に対応する図柄が確定停止する図柄として決定される。
【0029】
また、変動パターン振分け乱数は、ROM27に予め記憶された複数種類の変動パターンのうち、何れの変動パターンを用いて第1〜第3図柄19〜21を変動させるかを決定するための乱数である。そして、前記変動パターンは、大当り状態用、リーチ状態用(はずれリーチ用)、はずれ状態用など複数の状態毎に区分してテーブル化されており、該テーブル毎に変動パターン振分け乱数の数値が振分けられている。従って、メインCPU26は、例えば、大当り判定用乱数の抽出によって大当り状態が決定された場合、抽出した変動パターン振分け乱数の数値に対応する変動パターンを大当り状態用の変動パターン振分テーブルから選択する。
【0030】
また、RAM28には、始動入賞口22に入賞した遊技球のうち、始動保留球数として記憶した前記記憶値やメインCPU26が演算処理した前記制御コマンドを記憶保持するようになっている。そして、メインCPU26は、図柄表示装置18に対し図柄制御を指示する際、前記制御コマンドなどを制御信号(8ビットの信号MD0〜MD7)として出力ポート29及び出力バッファ30を介して図柄基板25に出力するようになっている。なお、主基板24は、制御コマンドとして、第1〜第3図柄19〜21の変動開始及び変動パターンを指示する変動開始コマンド、第1〜第3図柄19〜21を各列毎に指示する各図柄指定コマンド及び第1〜第3図柄19〜21を確定停止させる全図柄停止コマンドを出力するようになっている。
【0031】
また、メインCPU26は、前記制御信号の出力タイミングに併せて、図柄基板25に対し前記制御信号を構成する制御コマンドの読込みを指示するための読込信号(INT信号、又は、ストローブ信号)を出力ポート29及び出力バッファ30を介して出力するようになっている。そして、メインCPU26は、前記変動開始コマンドを出力した後、各図柄指定コマンド及び全図柄停止コマンドをROM27に記憶保持された表1で示すコマンド送信タイミングテーブルで指示されたタイミングで出力するようになっている。
【0032】
【表1】
表1に示すコマンド送信タイミングテーブルには、予め用意された複数種類(本実施形態では5パターン)の変動パターン1〜5毎に、全図柄停止コマンドが出力されるタイミングが示されている。具体的には、変動パターン1に対応してT1(例えば、9360ms)、変動パターン2に対応してT2(例えば、16080ms)、変動パターン3に対応してT3(例えば、23960ms)の時間が定められている。また、変動パターン4に対応してT4(例えば、30240ms)、変動パターン5に対応してT5(例えば、42440ms)の時間が定められている。そして、各変動パターン1〜5の時間T1〜T5は、図柄が変動表示を開始してから所定の図柄で確定的に表示されるまでの時間であって、変動パターン1〜5毎に予め定められた変動時間に相当するものである。また、本実施形態では、各変動パターン1〜5の時間T1〜T5が、T1<T2<T3<T4<T5の関係となっており、変動パターン5ほど、変動時間が長く定められている。即ち、変動時間T1〜T5が長いほど、可視表示部Hにおいて行われる演出の時間が長い変動パターンとなっている。
【0033】
また、コマンド送信タイミングテーブルには、変動パターン1〜5毎に各図柄指定コマンド(左/右/中)が出力されるタイミング(T;2ms毎)が示されている。そして、メインCPU26は、変動開始コマンドの出力後、2ms毎に、左図柄指定コマンド→右図柄指定コマンド→中図柄指定コマンドを図柄基板25に順次出力するようになっている。
【0034】
従って、主基板24のメインCPU26は、始動入賞口22への遊技球の入賞に伴い、大当り判定用乱数及び大当り図柄乱数の各数値を抽出する。このとき、前記始動保留球数の記憶値が上限値に達している場合、メインCPU26は大当り判定用乱数や大当り図柄乱数の各数値を抽出しない。また、メインCPU26は、抽出した大当り判定用乱数の数値が大当り値と一致するか否かを判定する。そして、その判定結果が一致した場合、メインCPU26は、大当り図柄乱数の数値に対応する図柄を全列について確定停止させる図柄として決定する。さらに、メインCPU26は、変動パターン振分け乱数の数値を抽出し、大当り状態用の変動パターン振分テーブルから前記数値に対応する変動パターンを選択する。
【0035】
そして、メインCPU26は、最初に、図柄基板25に対し、変動パターン振分け乱数の抽出値によって選択した変動パターンからなる変動開始コマンドを制御信号として出力する。次に、メインCPU26は、大当り図柄乱数の抽出値によって決定された第1〜第3図柄19〜21に対応する各図柄指定コマンドを制御信号として所定時間毎(2ms毎)に順次出力する。さらに、メインCPU26は、変動パターン1〜5毎に各別に定められた時間T1〜T5の経過によって、全図柄停止コマンドを図柄基板25に出力する。
【0036】
次に、前記制御コマンドを入力し、該コマンドに基づき図柄表示装置18の図柄制御を実行する図柄基板25の具体的な構成について図3に基づき説明する。図柄基板25は、図柄表示装置18に対し図柄制御を実行するためのサブCPU31を備えており、当該サブCPU31には主基板24が出力した制御信号及び読込信号を入力する入力バッファ32が接続されている。さらに、前記入力バッファ32には入力ポート33が接続されており、前記制御信号は入力ポート33を介してサブCPU31に入力されるようになっている。
【0037】
また、サブCPU31には、ROM34及びRAM35が接続されている。そして、ROM34には、図柄表示装置18の図柄制御を行うための制御プログラムや、前記変動開始コマンド(変動パターン)に対応する具体的な制御内容(第1〜第3図柄19〜21の動作パターン)が記憶保持されている。一方、RAM35には、主基板24から出力された前記制御コマンドなどが記憶保持されるようになっている。
【0038】
そして、サブCPU31には、第1〜第3図柄19〜21の動作パターンに応じて、図柄表示装置18(可視表示部H)の表示内容を制御するためのVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)36が接続されている。また、VDP36には、キャラクタROM37及びビデオRAM38が接続されている。そして、キャラクタROM37には、可視表示部Hに表示される、例えば、「0」〜「9」の画像や背景画像などの各種画像情報が記憶保持されている。また、ビデオRAM38には、前記制御コマンドなどに基づきVDP36がキャラクタROM37に記憶されている各種画像情報を用いて生成した可視表示部Hの表示内容を制御するための表示制御情報が記憶保持されるようになっている。そして、VDP36は、前記表示制御情報を画像信号に変換し、図柄表示装置18に対し出力するようになっている。
【0039】
従って、図柄基板25(サブCPU31)は、制御コマンドを入力すると、該コマンドに対応する制御内容に基づき、第1〜第3図柄19〜21の変動開始から確定停止までの動作パターンを制御する。一方、VDP36は、前記制御内容に対応する表示制御情報を生成し、該表示制御情報に基づき図柄表示装置18(可視表示部H)の表示内容を制御する。これにより可視表示部Hには、第1〜第3図柄19〜21が表示されると共に、前記各図柄19〜21の動作パターンに応じて可視表示部Hにおける表示内容が制御される。
【0040】
次に、このように構成されたパチンコ機10において、可視表示部Hに表示された図柄によってリーチ状態が形成される前に、可視表示部Hで変動表示される特定図柄の表示割合が変更される態様を説明する。なお、以下の説明では、可視表示部Hに表示された図柄の組み合わせから大当り状態(特定の大当り状態又は通常の大当り状態)が生起される場合を例にして説明する。
【0041】
最初に、特定図柄の表示割合を変更するための具体的な構成について詳細に説明する。
本実施形態では大当り状態用のテーブルとして、表2及び表3に示す2種類の変動パターン振分けテーブルL1,L2(以下、単に「テーブルL1,L2)と言う。)が、主基板24のROM27に記憶されている。そして、変動パターン振分けテーブルL1は、大当り状態の中でも、特定図柄によって形成される特定の大当り状態が生起される際に、メインCPU26が変動パターンを選択するためのテーブルとなっている。また、テーブルL2は、大当り状態の中でも、非特定図柄によって形成される通常の大当り状態が生起される際に、メインCPU26が変動パターンを選択するためのテーブルとなっている。
【0042】
そして、表2には、テーブルL1(特定の大当り状態用)が示されている。
【0043】
【表2】
このテーブルL1には、変動パターン1を除く4種類の変動パターン2〜5が振分けられており、各変動パターン2〜5には、「0」〜「49」の全50個の変動パターン振分け乱数の数値が所定個数ずつ振分けられている。具体的には、変動パターン「2」には、「0」〜「11」までの12個の数字が、変動パターン3には「12」〜「26」までの15個の数字が、変動パターン4には「27」〜「48」までの22個の数字が、変動パターン5には「49」の1個の数字が夫々振分けられている。
【0044】
従って、このテーブルL1では、メインCPU26が、変動パターン2を選択する選択率が50分の12(24%)、変動パターン3を選択する選択率が50分の15(30%)、変動パターン4を選択する選択率が50分の22(44%)、変動パターン5を選択する選択率が50分の1(2%)となっている。即ち、メインCPU26が、テーブルL1から各変動パターン2〜4を選択する選択率は、変動時間の長い変動パターンほど高く選択されやすいようになっている。なお、変動時間が最も長い変動パターン5は、メインCPU26の選択率が50分の1(2%)と他の変動パターン2〜4に比して低く設定されているが、この変動パターン5は、テーブルL1のみに振分けられており、特定の大当り状態が生起される際のみに出現するようになっている。また、このテーブルL1では、変動時間の最も短い変動パターン1が振分けられておらず、特定の大当り状態が生起される際には出現しないようになっている。
【0045】
また、表3には、テーブルL2(通常の大当り状態用)が示されている。
【0046】
【表3】
このテーブルL2には、変動パターン5を除く4種類の変動パターン1〜4が振分けられており、各変動パターン1〜4には、「0」〜「49」の全50個の変動パターン振分け乱数の数値が所定個数ずつ振分けられている。具体的には、変動パターン1には「0」〜「4」までの5個の数字が、変動パターン2には「5」〜「22」までの18個の数字が、変動パターン3には「23」〜「37」までの15個の数字が、変動パターン4には「38」〜「49」までの12個の数字が夫々振分けられている。
【0047】
従って、このテーブルL2では、メインCPU26が、変動パターン1を選択する選択率が50分の5(10%)、変動パターン2を選択する選択率が50分の18(36%)、変動パターン3を選択する選択率が50分の15(30%)、変動パターン4を選択する選択率が50分の12(24%)となっている。即ち、メインCPU26が、テーブルL2から各変動パターン1〜4を選択する選択率は、前記テーブルL1とは異なり(逆の関係となっている。)、変動時間の長い変動パターンほど低く選択されにくくなっている。換言すれば、変動時間の短い変動パターンほど、選択率が高く選択されやすいようになっている。
【0048】
また、図柄基板25のROM34には、各変動パターン1〜5に対応する表示図柄の種類が記憶保持されている。そして、可視表示部Hでは、図柄の表示割合を変更する際に、表4で示された表示図柄に基づき図柄が変動表示されるようになっている。
【0049】
【表4】
具体的には、変動パターン1では、図柄の表示割合の変更後に可視表示部Hで変動表示させる図柄として、5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)が選択される。また、変動パターン2では、図柄の表示割合の変更後に可視表示部Hで変動表示させる図柄として、3種類の特定図柄(3,5,7)と5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)からなる全8種類の図柄が選択される。なお、表4では、特定図柄である数字に下線を付している。
【0050】
また、変動パターン3では、図柄の表示割合の変更後に可視表示部Hで変動表示させる図柄として、5種類の特定図柄(1,3,5,7,9)と5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)からなる全10種類の図柄が選択される。また、変動パターン4では、図柄の表示割合の変更後に可視表示部Hで変動表示させる図柄として、5種類の特定図柄(1,3,5,7,9)と3種類の非特定図柄(2,4,6)からなる全8種類の図柄が選択される。また、変動パターン5では、図柄の表示割合の変更後に可視表示部Hで変動表示させる図柄として、5種類の特定図柄(1,3,5,7,9)が選択される。
【0051】
そして、表5には、大当り状態が生起される際に出現した各変動パターン1〜5によって特定の大当り状態が生起される期待度(確変率)と各変動パターン1〜5に対応する特定図柄の表示割合が示されている。なお、ここで言う「特定の大当り状態が生起される期待度」とは、各変動パターン1〜5の出現によって大当り状態(特定の大当り状態及び通常の大当り状態を含む)が生起される割合(例えば、大当り信頼度とも言う。)を意味するものではない。即ち、「特定の大当り状態が生起される期待度」とは、大当り状態用のテーブルL1,L2に振分けられた変動パターンによって大当り状態が生起される場合に、その大当り状態が特定の大当り状態となる割合を意味している。
【0052】
【表5】
表5に示すように、大当り状態用のテーブルL1,L2においては、同一の変動パターンに振分けられた変動パターン振分け乱数の数値の個数が異なっている。具体的に言えば、変動パターン1は、テーブルL1において数値が振分けられていないのに対し、テーブルL2では5個の数値が振分けられている。そのため、変動パターン1が選択された場合、特定の大当り状態が生起される期待度(確変率(%))は、(0[テーブルL1に振分けられた数値の個数]÷5[テーブルL1+テーブルL2に振分けられた数値の個数])×100=0(%)となっている。従って、メインCPU26が変動パターン1を選択した場合には、非特定図柄が表示されると共に、その組み合わせの態様に基づいて通常の大当り状態のみが生起されるようになっている。
【0053】
また、変動パターン1が選択された場合、図柄の表示割合の変更後に変動表示させる図柄として5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)が選択されるようになっている。そのため、変動パターン1が選択された場合、特定図柄の表示割合(%)は、(0[特定図柄の個数]÷5[特定図柄の個数+非特定図柄の個数])×100=0(%)となっている。従って、メインCPU26が変動パターン1を選択した場合には、各列毎に非特定図柄のみが変動表示されるようになっている。
【0054】
そして、変動パターン1が選択された場合に特定の大当り状態が生起される期待度(0%)と特定図柄の表示割合(0%)は、何れも0%となっており、その数値は一致している。従って、遊技者は、変動表示されている図柄の種類(特定図柄又は非特定図柄)とその個数から、可視表示部Hで出現した変動パターンによって大当り状態が生起された場合に特定の大当り状態となる可能性を認識することができる。具体的に言えば、変動パターン1が出現した場合、遊技者は、非特定図柄のみが変動表示されていることから、大当り状態が生起された場合、通常の大当り状態となる可能性を認識することができる。
【0055】
また、変動パターン2は、テーブルL1において12個の数値が振分けられているのに対し、テーブルL2では18個の数値が振分けられている。そのため、変動パターン2が選択された場合、特定の大当り状態が生起される期待度(確変率(%))は、前述同様に算出することができ、(12÷30)×100=40(%)となっている。従って、メインCPU26が変動パターン2を選択した場合には、特定の大当り状態に比して通常の大当り状態が生起される割合が高くなっている。即ち、特定図柄の組み合わせの態様よりも非特定図柄の組み合わせの態様が表示される割合が高くなっている。
【0056】
また、変動パターン2が選択された場合、図柄の表示割合の変更後に変動表示させる図柄として、3種類の特定図柄(3,5,7)と5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)が選択されるようになっている。そのため、変動パターン2が選択された場合、特定図柄の表示割合(%)は、前述同様に算出することができ、(3÷8)×100=37.5(%)となっている。従って、メインCPU26が変動パターン2を選択した場合には、各列毎に特定図柄よりも非特定図柄の表示割合を高くした状態で図柄が変動表示されるようになっている。
【0057】
また、変動パターン2が選択された場合に特定の大当り状態が生起される期待度(40%)と特定図柄の表示割合(37.5%)は、その数値が略一致(近似)している。そのため、変動パターン2が出現した場合、遊技者は、特定図柄の表示割合よりも非特定図柄の表示割合が高いことから、大当り状態が生起された場合、特定の大当り状態よりも通常の大当り状態となる可能性が高いことを認識することができる。
【0058】
また、変動パターン3は、両テーブルL1,L2において各々15個の数値が振分けられている。そのため、変動パターン3が選択された場合、特定の大当り状態が生起される期待度(確変率(%))は、前述同様に算出することができ、(15÷30)×100=50(%)となっている。従って、メインCPU26が変動パターン3を選択した場合には、特定の大当り状態と通常の大当り状態が同一の割合(2分の1)で生起されるようになっている。即ち、特定図柄の組み合わせの態様と非特定図柄の組み合わせの態様が表示される割合が同一となっている。
【0059】
また、変動パターン3が選択された場合、図柄の表示割合の変更後に変動表示させる図柄として、5種類の特定図柄(1,3,5,7,9)と5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)が選択されるようになっている。そのため、変動パターン3が選択された場合、特定図柄の表示割合(%)は、前述同様に算出することができ、(5÷10)×100=50(%)となっている。従って、メインCPU26が変動パターン3を選択した場合には、特定図柄と非特定図柄の表示割合が同一となる状態で図柄が変動表示されるようになっている。
【0060】
また、変動パターン3が選択された場合に特定の大当り状態が生起される期待度(50%)と特定図柄の表示割合(50%)は、何れも50%となっており、その数値は一致している。そのため、変動パターン3が出現した場合、遊技者は、特定図柄と非特定図柄の表示割合が同一(2分の1)であることから、大当り状態が生起された場合、特定の大当り状態と通常の大当り状態が同一の割合(2分の1)で生起される可能性があることを認識することができる。
【0061】
また、変動パターン4は、テーブルL1において22個の数値が振分けられているのに対し、テーブルL2では12個の数値が振分けられている。そのため、変動パターン4が選択された場合、特定の大当り状態が生起される期待度(確変率(%))は、前述同様に算出することができ、(22÷34)×100=65(%)となっている。従って、メインCPU26が変動パターン4を選択した場合には、通常の大当り状態に比して特定の大当り状態が生起される割合が高くなっている。即ち、非特定図柄の組み合わせの態様よりも特定図柄の組み合わせの態様が表示される割合が高くなっている。
【0062】
また、変動パターン4が選択された場合、図柄の表示割合の変更後に変動表示させる図柄として、5種類の特定図柄(1,3,5,7,9)と3種類の非特定図柄(2,4,6)が選択されるようになっている。そのため、変動パターン4が選択された場合、特定図柄の表示割合(%)は、前述同様に算出することができ、(5÷8)×100=62.5(%)となっている。従って、メインCPU26が変動パターン4を選択した場合には、各列毎に非特定図柄よりも特定図柄の表示割合を高くした状態で図柄が変動表示されるようになっている。
【0063】
そして、変動パターン4が選択された場合に特定の大当り状態が生起される期待度(65%)と特定図柄の表示割合(62.5%)は、その数値が略一致(近似)している。そのため、変動パターン4が出現した場合、遊技者は、非特定図柄の表示割合よりも特定図柄の表示割合が高いことから、大当り状態が生起された場合、通常の大当り状態よりも特定の大当り状態となる可能性が高いことを認識することができる。
【0064】
また、変動パターン5は、テーブルL1において1個の数値が振分けられているのに対し、テーブルL2では数値が振分けられていない。そのため、変動パターン5が選択された場合、特定の大当り状態が生起される期待度(確変率(%))は、前述同様に算出することができ、(1÷1)×100=100(%)となっている。従って、メインCPU26が変動パターン5を選択した場合には、特定図柄が表示されると共に、その組み合わせの態様に基づいて特定の大当り状態のみが生起されるようになっている。
【0065】
また、変動パターン5が選択された場合、図柄の表示割合の変更後に変動表示させる図柄として、5種類の特定図柄(1,3,5,7,9)が選択されるようになっている。そのため、変動パターン5が選択された場合、特定図柄の表示割合(%)は、前述同様に算出することができ、(5÷5)×100=100(%)となっている。従って、メインCPU26が変動パターン5を選択した場合には、各列毎に特定図柄のみが変動表示されるようになっている。
【0066】
そして、変動パターン5が選択された場合に特定の大当り状態が生起される期待度(100%)と特定図柄の表示割合(100%)は、何れも100%となっており、その数値が一致している。そのため、変動パターン5が出現した場合、遊技者は、特定図柄のみが変動表示されていることから、大当り状態が生起された場合、特定の大当り状態となる可能性を認識することができる。
【0067】
以上のように、特定図柄の表示割合を、変動パターン1〜5毎に変化させている。そのため、遊技者は、変動表示されている図柄の種類から、特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される期待感を変化させることができる。そして、遊技者は、変動表示されている図柄の中に非特定図柄よりも特定図柄が多く含まれる場合には、特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される期待感をさらに高めることができる。
【0068】
また、特定図柄の表示割合は、出現した変動パターン1〜5において特定の大当り状態が生起される期待度と対応するように構成されている。そのため、遊技者は、変動表示されている特定図柄の表示割合から、出現した変動パターン1〜5によって特定の大当り状態が生起される可能性を認識することができる。即ち、特定図柄の表示割合を変化させることにより、特定の大当り状態が生起される期待度を遊技者に対し予告することができる。そして、本実施形態では、変動時間の長い変動パターンほど、特定図柄の表示割合が高くなるように構成されている。従って、遊技者は、変動時間の長い変動パターンが、可視表示部Hで出現することにより、特定の大当り状態が生起される期待感を高めることができる。
【0069】
さらに、テーブルL1とテーブルL2において、変動パターン1〜5に対する変動パターン振分け乱数の数値の振分け個数を変更することにより、変動時間の長い変動パターンほど、特定の大当り状態が生起される期待度が高くなるように構成されている。そのため、遊技者は、変動時間の長い変動パターンが、可視表示部Hで出現することにより、特定の大当り状態が生起される期待感を高めることができる。
【0070】
次に、メインCPU26が選択した変動パターン1〜5に応じて、可視表示部Hにおいて図柄が変動表示される態様を図4に基づき説明する。
図柄基板25のサブCPU31は、主基板24から変動開始コマンド及び各図柄指定コマンドを入力すると、該図柄指定コマンドに対応する図柄を第1〜第3図柄19〜21(最終停止図柄であって大当り図柄となる。)として決定する。また、サブCPU31は、図柄組み合わせゲームの開始時に変動表示させる図柄の種類(以下、「変更前の図柄」と言う。)を決定する。さらに、サブCPU31は、可視表示部Hでリーチ状態が形成される前に、変更前の図柄の表示割合を変更して変動表示させる図柄の種類(以下、「変更後の図柄」と言う。)を決定する。なお、本実施形態における各変動パターン1〜5では、変更前の図柄として、5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)を変動表示させる図柄として決定する。そして、図柄基板25のVDP36は、決定された図柄を変動パターンの制御内容に応じて所定の表示形態で表示(又は変動表示)させるための表示制御情報を、キャラクタROM37に記憶されている各種画像情報に基づいて生成する。
【0071】
より具体的に言えば、メインCPU26がテーブルL2の変動パターン1を選択した場合、サブCPU31は、変更後の図柄として、表4に示した5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)を選択する。従って、VDP36は、表6に示すように、変更前の図柄として5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)を、変更後の図柄として5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)を各列毎に変動表示させるための表示制御情報を生成する。
【0072】
【表6】
これにより可視表示部Hでは、図4(a)に示すように、各列毎に、5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)が変動表示される。なお、変動表示は、遊技者が図柄を識別できる程度のゆっくりした速度で行われる。このとき、変動表示される図柄は、表6に示すように、変更前及び変更後共に同一となっており、何れの場合も特定図柄の表示割合が0(零)となっている。そのため、特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される見かけ上の確率は、0/5(0%)であり、この場合には、非特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成されることになる。例えば、図4(a)に示すように、第1,第3図柄19,21として同一の非特定図柄「6」が表示され、リーチ演出後に、第2図柄20として同一の非特定図柄「6」が表示される。その結果、可視表示部Hでは、非特定図柄からなる組み合わせの態様により通常の大当り状態が生起される。
【0073】
また、メインCPU26がテーブルL1又はテーブルL2の何れかから変動パターン2を選択した場合、サブCPU31は、変更後の図柄として、表4に示した3種類の特定図柄(3,5,7)と5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)を選択する。従って、VDP36は、表7に示すように、変更前の図柄として5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)を、変更後の図柄として3種類の特定図柄(3,5,7)及び5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)を各列毎に変動表示させるための表示制御情報を生成する。
【0074】
【表7】
これにより可視表示部Hでは、最初に、各列毎に、変更前の図柄である5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)が変動表示される。このとき、変動表示される図柄は、表7に示すように、特定図柄の表示割合が0(零)となっており、特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される見かけ上の確率は、0/5(0%)である。
【0075】
そして、変動表示の開始後、所定時間が経過すると、各列で変動表示されている図柄の種類は、表7に示した変更後の図柄の種類に変化する。即ち、各列で変動表示されている図柄は、図4(b)に示すように、5種類から8種類に増加すると共に、3種類の特定図柄(3,5,7)が含まれた状態で変動表示される。その結果、特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される見かけ上の確率は、0/5(0%)→3/8(37.5%=特定図柄の表示割合)に変化する。従って、この状態において、遊技者が抱く特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される期待感が変化し、遊技者が期待する特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される期待感を向上させることができる。
【0076】
そして、メインCPU26が、テーブルL1から変動パターン2を選択している場合には、例えば、第1,第3図柄19,21として同一の特定図柄「5」が表示され、リーチ演出後に、第2図柄20として同一の特定図柄「5」が表示される。その結果、可視表示部Hでは、特定図柄からなる組み合わせの態様により特定の大当り状態が生起される。一方、メインCPU26が、テーブルL2から変動パターン2を選択している場合には、例えば、図4(b)に示すように、第1,第3図柄19,21として同一の非特定図柄「6」が表示され、リーチ演出後に、第2図柄20として同一の非特定図柄「6」が表示される。その結果、可視表示部Hでは、非特定図柄からなる組み合わせの態様により通常の大当り状態が生起される。
【0077】
また、メインCPU26がテーブルL1又はテーブルL2の何れかから変動パターン3を選択した場合、サブCPU31は、変更後の図柄として、表4に示した5種類の特定図柄(1,3,5,7,9)と5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)を選択する。従って、VDP36は、表8に示すように、変更前の図柄として5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)を、変更後の図柄として5種類の特定図柄(1,3,5,7,9)及び5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)を各列毎に変動表示させるための表示制御情報を生成する。
【0078】
【表8】
これにより可視表示部Hでは、最初に、各列毎に、変更前の図柄である5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)が変動表示される。このとき、変動表示される図柄は、表8に示すように、特定図柄の表示割合が0(零)となっており、特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される見かけ上の確率は、0/5(0%)である。
【0079】
そして、変動表示の開始後、所定時間が経過すると、各列で変動表示されている図柄の種類は、表8に示した変更後の図柄の種類に変化する。即ち、各列で変動表示されている図柄は、図2に示すように、5種類から10種類に増加すると共に、5種類の特定図柄(1,3,5,7,9)が含まれた状態で変動表示される。その結果、特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される見かけ上の確率は、0/5(0%)→5/10(50%=特定図柄の表示割合)に変化する。従って、この状態において、遊技者が抱く特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される期待感が変化し、遊技者が期待する特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される期待感を向上させることができる。また、遊技者は、変動パターン2が選択されている場合に比して、多くの種類(又は個数)の特定図柄が変動表示されていることから、特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される期待感をさらに向上させることができる。
【0080】
そして、メインCPU26が、テーブルL1から変動パターン3を選択している場合には、例えば、第1,第3図柄19,21として同一の特定図柄「5」が表示され、リーチ演出後に、第2図柄20として同一の特定図柄「5」が表示される。その結果、可視表示部Hでは、特定図柄からなる組み合わせの態様により特定の大当り状態が生起される。一方、メインCPU26が、テーブルL2から変動パターン3を選択している場合には、例えば、図2に示すように、第1,第3図柄19,21として同一の非特定図柄「6」が表示され、リーチ演出後に、第2図柄20として同一の非特定図柄「6」が表示される。その結果、可視表示部Hでは、非特定図柄からなる組み合わせの態様により通常の大当り状態が生起される。
【0081】
また、メインCPU26がテーブルL1又はテーブルL2の何れかから変動パターン4を選択した場合、サブCPU31は、変更後の図柄として、表4に示した5種類の特定図柄(1,3,5,7,9)と3種類の非特定図柄(2,4,6)を選択する。従って、VDP36は、表9に示すように、変更前の図柄として5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)を、変更後の図柄として5種類の特定図柄(1,3,5,7,9)及び3種類の非特定図柄(2,4,6)を各列毎に変動表示させるための表示制御情報を生成する。
【0082】
【表9】
これにより可視表示部Hでは、最初に、各列毎に、変更前の図柄である5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)が変動表示される。このとき、変動表示される図柄は、表9に示すように、特定図柄の表示割合が0(零)となっており、特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される見かけ上の確率は、0/5(0%)である。
【0083】
そして、変動表示の開始後、所定時間が経過すると、各列で変動表示されている図柄の種類は、表9に示した変更後の図柄の種類に変化する。即ち、各列で変動表示されている図柄は、図4(c)に示すように、5種類から8種類に増加すると共に、5種類の特定図柄(1,3,5,7,9)が含まれた状態で変動表示される。その結果、特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される見かけ上の確率は、0/5(0%)→5/8(62.5%=特定図柄の表示割合)に変化する。従って、この状態において、遊技者が抱く特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される期待感が変化し、遊技者が期待する特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される期待感を向上させることができる。また、遊技者は、変動パターン2及び変動パターン3が選択されている場合に比して、多くの種類(又は個数)の特定図柄が変動表示されていることから、特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される期待感をさらに向上させることができる。
【0084】
そして、メインCPU26が、テーブルL1から変動パターン4を選択している場合には、例えば、図4(c)に示すように、第1,第3図柄19,21として同一の特定図柄「5」が表示され、リーチ演出後に、第2図柄20として同一の特定図柄「5」が表示される。その結果、可視表示部Hでは、特定図柄からなる組み合わせの態様により特定の大当り状態が生起される。一方、メインCPU26が、テーブルL2から変動パターン4を選択している場合には、例えば、第1,第3図柄19,21として同一の非特定図柄「6」が表示され、リーチ演出後に、第2図柄20として同一の非特定図柄「6」が表示される。その結果、可視表示部Hでは、非特定図柄からなる組み合わせの態様により通常の大当り状態が生起される。
【0085】
また、メインCPU26がテーブルL1の変動パターン5を選択した場合、サブCPU31は、変更後の図柄として、表4に示した5種類の特定図柄(1,3,5,7,9)を選択する。従って、VDP36は、表10に示すように、変更前の図柄として5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)を、変更後の図柄として5種類の非特定図柄(1,3,5,7,9)を各列毎に変動表示させるための表示制御情報を生成する。
【0086】
【表10】
これにより可視表示部Hでは、最初に、各列毎に、変更前の図柄である5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)が変動表示される。このとき、変動表示される図柄は、表10に示すように、特定図柄の表示割合が0(零)となっており、特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される見かけ上の確率は、0/5(0%)である。
【0087】
そして、変動表示の開始後、所定時間が経過すると、各列で変動表示されている図柄の種類は、表10に示した変更後の図柄の種類に変化する。即ち、各列で変動表示されている図柄は、図4(d)に示すように、5種類の非特定図柄(0,2,4,6,8)→5種類の特定図柄(1,3,5,7,9)に変化して変動表示される。その結果、特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される見かけ上の確率は、0/5(0%)→5/5(100%=特定図柄の表示割合)に変化する。従って、この状態において、遊技者が抱く特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される期待感が変化し、遊技者が期待する特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される期待感を向上させることができる。また、遊技者は、変動表示される図柄が全て特定図柄となったことから、特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される期待感を最高潮に高めることができる。
【0088】
従って、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)可視表示部Hに表示された図柄によってリーチ状態が形成される前に、可視表示部Hで変動表示されている図柄における特定図柄の表示割合を変更している。そのため、遊技者は、変動表示されている図柄の種類から、特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される期待感を変化させることができる。従って、遊技者は、変動表示されている図柄が変化することにより、特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される期待感を向上させることができる。即ち、従来一定とされていた特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される見かけ上の確率が変化することにより、面白みのある遊技とすることができると共に、遊技者が常に興味を持てる演出を行うことができる。また、従来、遊技者は、リーチ状態が形成されるまで図柄の変動に興味を持てなかったが、リーチ状態が形成される前段階で、特定図柄の表示割合を変更させることで図柄の変動表示が開始してから図柄の変動に興味を持つことができる。
【0089】
(2)特定図柄の表示割合を、変動パターン1〜5毎に変化させている。そのため、遊技者が抱く特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される期待感が変動パターン1〜5毎に応じて変化し、面白みのある遊技とすることができる。そして、遊技者は、変動表示されている図柄の中に非特定図柄よりも特定図柄が多く含まれる場合には、特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される期待感をより高めることができる。また、遊技者は、変動表示される図柄が全て特定図柄となった場合には、特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される期待感を最高潮に高めることができる。
【0090】
(3)図柄組み合わせゲームの開始時、可視表示部Hでは、非特定図柄のみ(即ち、特定図柄の表示割合は0(零))によって変動表示が行われている。そして、所定時間の経過後に、特定図柄の表示割合が変化するようになっている。そのため、遊技者が、特定図柄の表示割合が変化(増加)していく様子を認識し易いようにすることができる。また、遊技者は、リーチ状態が形成される前段階において、特定図柄の表示割合が変化することを期待することができ、パチンコ遊技により高い興趣を持たせることができる。
【0091】
(4)特定図柄の表示割合は、出現した変動パターン1〜5において特定の大当り状態が生起される期待度に対応している。そのため、遊技者は、変動表示されている特定図柄の表示割合から、出現した変動パターン1〜5によって特定の大当り状態が生起される可能性を認識することができる。即ち、特定図柄の表示割合を変化させることにより、特定の大当り状態が生起される期待度を遊技者に対し予告することができる。従って、変動表示されている図柄における特定図柄の表示割合から、遊技者が抱く特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される期待感を変化させることができる。
【0092】
(5)テーブルL1とテーブルL2において、変動パターン1〜5に対する変動パターン振分け乱数の数値の振分け個数を変更することにより、変動時間の長い変動パターンほど、特定の大当り状態が生起される期待度が高くなるように構成されている。そのため、遊技者は、変動時間の長い変動パターンが、可視表示部Hで出現することにより、特定の大当り状態が生起される期待感を高めることができる。さらに、変動時間の長い変動パターンほど、特定図柄の表示割合が高くなるように構成されている。従って、遊技者は、変動時間の長い変動パターンが、可視表示部Hで出現することにより、特定の大当り状態が生起される期待感をさらに高めることができる。
【0093】
なお、前記実施形態は以下のように変更しても良い。
・前記実施形態では、図柄組み合わせゲームの開始時、非特定図柄のみによって変動表示を行っているが、例えば、図2のように、10種類の図柄を変動表示させても良い。この場合、特定図柄によるリーチ状態や大当り状態が形成される見かけ上の確率は、5/10(50%)である。そして、この状態からリーチ状態が形成される前に、特定図柄の表示割合を増減させることにより変更しても良い。例えば、図2の状態から図4(a)の状態に変更して特定図柄の表示割合を0(零)にしたり、図2の状態から図4(d)の状態に変更して特定図柄の表示割合を5/5(100%)に変更しても良い。
【0094】
・前記実施形態において、変動パターン1〜5毎に定められた変更後の図柄の種類は適宜変更することができる。即ち、特定図柄の表示割合が、出現した変動パターン1〜5において特定の大当り状態が生起される期待度に対応していれば、図柄の種類は特に限定されない。例えば、変動パターン2では、変更後の図柄の種類を1,7,9の3種類の特定図柄と0,2,4,6,8の5種類の非特定図柄としても良い。また、各変動パターン1〜5において、特定図柄と非特定図柄の表示個数は適宜変更することができる。例えば、変動パターン5において、3種類の特定図柄を変動表示させるようにしても良い。さらに、各変動パターン1〜5において、同一種類の図柄を複数変動表示させても良く、例えば、変動パターン5において変更後の図柄を全て図柄「7」としても良い。
【0095】
・前記実施形態において、変更後の図柄を選択する手法は適宜変更することができる。即ち、前記実施形態のように、各変動パターン1〜5に変更後の図柄を一通りと定める必要はなく、例えば、変動パターン1〜5毎に複数通り用意しておき、サブCPU31が選択するようにしても良い。また、変動パターン1〜5毎に予め特定図柄の表示割合のみを決定しておき、サブCPU31が変更後の図柄を乱数などを使用してランダムに選択しても良い。
【0096】
・前記実施形態は、大当り状態(特定の大当り状態又は通常の大当り状態)が生起される場合に、特定図柄の表示割合を変更しているが、リーチ状態用やはずれ状態用のテーブルから選択された変動パターンに基づいて、図柄が表示(又は変動表示)される際に、特定図柄の表示割合を変更しても良い。例えば、はずれリーチにおいて、特定図柄の表示割合を変更して第1,第3図柄19,21によるリーチ状態を形成した後、第1,第3図柄19,21とは異なる第2図柄20を表示してはずれ状態を確定させても良い。
【0097】
・前記実施形態では、確率変動機能を備えたパチンコ機10に適用したが、時間短縮機能を備えたパチンコ機(所謂、時短機)にも同様に適用することができる。この場合、図柄は、時短回数の多い図柄(第2の種類の図柄)と、時短回数の少ない図柄(第1の種類の図柄)によって種類分けすることができ、リーチ状態が形成される前に、時短回数の多い図柄の表示割合を変更すれば良い。
【0098】
・前記実施形態では、全10種類の図柄のうち、特定図柄と非特定図柄を各5種類ずつ定めているが(見かけ上の確変割合2分の1)、特定図柄と非特定図柄の割合は適宜変更しても良く、この割合はパチンコ機10の設計仕様に基づき決定されるものである。また、図柄の種類分けは、特定図柄と非特定図柄などのように2種類に限定されない。例えば、時短機において、時短回数が100回/50回/0回など、図柄を3種類に分けることができる場合も前記実施形態と同様に適用することができる。
【0099】
・前記実施形態では、5種類の変動パターンをテーブルL1又はテーブルL2に振分けているが、変動パターンの数やテーブルの数は、前記実施形態に限定されない。また、変動パターン振分け乱数の数値の個数も前記実施形態に限定されない。
【0100】
・前記実施形態は、液晶画面からなる可視表示部Hを備えた図柄表示装置18以外の図柄表示装置でも同様に適用することができる。例えば、7セグメントLED式、ドットマトリクス式などの図柄表示装置においても同様に適用することができる。また、3列の図柄が表示可能な図柄表示装置に限らず、例えば、1列、2列、4列、5列の図柄が表示可能な図柄表示装置においても同様に適用することができる。なお、1列の図柄が表示可能な図柄表示装置では、表示された図柄の種類によって、特定の大当り状態又は通常の大当り状態が形成される。その一方で、本実施形態のように3列など複数列の図柄が表示可能な図柄表示装置では、大当り状態が、表示された図柄の組み合わせの態様から形成されると共に、その組み合わせの態様を構成する図柄の種類によって、特定の大当り状態又は通常の大当り状態が生起される。
【0101】
・前記実施形態では、変動時間の長い変動パターンほど、特定図柄の表示割合が高くなるように構成されているが、遊技状態の変遷が多い変動パターンほど、特定図柄の表示割合が高くなるように構成しても良い。なお、遊技状態の変遷が多い変動パターンとは、例えば、リーチ状態を、ノーマルリーチ→スーパーリーチ→スペシャルリーチなど発展させるような変動パターンである。なお、「スーパーリーチ」は、ノーマルリーチに比して大当り状態が生起される期待感が高められたリーチ状態であると共に、「スペシャルリーチ」は、ノーマルリーチ及びスーパーリーチに比して大当り状態が生起される期待感が高められたリーチ状態である。
【0102】
・前記実施形態では、各変動パターン1〜5が、その変動時間T1〜T5を異ならせて構成されているが、同一の変動時間からなる複数種類の変動パターンを用意し、該変動パターンに対して特定図柄の表示割合を夫々異なるようにしても良い。
【0103】
・前記実施形態において、変動パターンは、再抽選に伴う動作が付加されて構成されていても良い。また、前記実施形態において、テーブルL1から選択された変動パターン2〜4(図2、図4(b)、図4(c))では、再抽選によって特定図柄からなる組み合わせの態様を形成しても良い。なお、「再抽選」とは、非特定図柄の組み合わせの態様が特定図柄の組み合わせの態様へ発展する期待感を遊技者に持たせて遊技効果の向上を図った演出である。
【0104】
次に上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(イ)第2の種類の図柄は、大当り状態の遊技終了後に、大当り確率が変動する図柄又は時間短縮に基づいた遊技が行われる図柄である。
【0105】
(ロ)図柄制御基板は、前記変動パターンのうち、前記図柄の変動時間が長い変動パターン又は遊技状態の変遷が多い変動パターンほど、前記第2の種類の図柄の表示割合が高くなるように前記図柄表示手段を制御する。
【0106】
(ハ)図柄制御基板は、選択手段が複数種類の変動パターンの中から選択した変動パターンのうち、前記選択手段の選択率が高く設定されている変動パターンほど、前記第2の種類の図柄の表示割合が高くなるように前記図柄表示手段を制御する。なお、前記実施形態では、メインCPU26が選択手段に相当する。
【0107】
(ニ)複数種類の図柄を可変させて表示可能な可視表示部が設けられた図柄表示手段を備え、前記可視表示部に表示された図柄が予め定めた第1の種類の図柄である場合には遊技者にとって有利となる第1の特別遊技状態が生起される一方で、前記可視表示部に表示された図柄が予め定めた第2の種類の図柄である場合には前記第1の特別遊技状態よりも遊技者にとってさらに有利となる第2の特別遊技状態が生起される遊技機において、前記可視表示部で変動表示させる図柄のうち、前記第2の種類の図柄の表示割合を変更するように前記図柄表示手段を制御する制御手段を備えた遊技機。
【0108】
【発明の効果】
遊技者が期待する図柄の表示割合を変更することにより、遊技者の期待する特別遊技状態が生起される期待感を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ遊技機の外観を示す正面図。
【図2】 図柄表示装置の可視表示部に表示された各図柄を示す正面図。
【図3】 主制御基板と図柄制御基板の電気的構成を示すブロック図。
【図4】 (a)は変動パターン1が選択された場合の特定図柄の表示割合を説明する説明図、(b)は変動パターン2が選択された場合の特定図柄の表示割合を説明する説明図、(c)は変動パターン4が選択された場合の特定図柄の表示割合を説明する説明図、(d)は変動パターン5が選択された場合の特定図柄の表示割合を説明する説明図。
【符号の説明】
H…可視表示部、10…パチンコ遊技機(遊技機)、18…図柄表示装置(図柄表示手段)、19〜21…第1〜第3図柄、25…図柄制御基板(制御手段)。
Claims (3)
- 複数種類の図柄を複数列で可変させて表示可能な可視表示部が設けられた画像表示式の図柄表示装置を備え、前記可視表示部では、各列の図柄の変動を開始させた後、各列の図柄を確定停止状態で表示させる図柄組み合わせゲームが画像表示され、当該ゲームにおいて確定停止状態で表示された図柄の組み合わせから大当り及びはずれを認識できるとともに、前記複数列のうち特定列の図柄が同一図柄となって一旦停止状態で表示され、かつ前記特定列以外の列の図柄が変動表示することでリーチ状態が形成され、前記可視表示部に確定停止状態で表示された前記大当りを認識できる組み合わせが予め定めた第1の種類の図柄による組み合わせである場合には遊技者にとって有利となる第1の特別遊技状態が生起される一方で、前記可視表示部に確定停止状態で表示された前記大当りを認識できる組み合わせが予め定めた第2の種類の図柄による組み合わせである場合には前記第1の特別遊技状態よりも遊技者にとってさらに有利となる第2の特別遊技状態が生起される遊技機において、
遊技内容を統括して制御する主制御基板と、
前記主制御基板から出力された制御コマンドに基づき前記図柄表示装置を制御する図柄制御基板とを備え、
前記主制御基板は、大当り判定用乱数の値と大当り判定値とを用いて大当りとなるか否かの大当り判定を行い、該大当り判定の判定結果が肯定の場合には大当り図柄乱数の値を用いて前記可視表示部に確定停止状態で表示させる前記大当りを認識できる組み合わせを形成する図柄を決定するとともに、変動パターン振分け乱数の値を用いて前記図柄組み合わせゲームにおける各列の図柄の変動が開始してから該図柄が確定停止状態で表示されるまでの制御内容を示す変動パターンを決定し、その後に前記図柄制御基板に対して変動開始及び決定した変動パターンを指定する変動開始コマンドと前記決定した図柄を指定する図柄指定コマンドを出力し、
前記主制御基板には、前記大当り判定の判定結果が肯定となる場合に、前記大当り図柄乱数の値を用いて決定した図柄が第1の種類の図柄であって前記第1の特別遊技状態を生起させるときに前記変動パターンを決定するための第1の変動パターンテーブルと前記大当り図柄乱数の値を用いて決定した図柄が第2の種類の図柄であって前記第2の特別遊技状態を生起させるときに前記変動パターンを決定するための第2の変動パターンテーブルとが記憶され、各テーブルの変動パターンには前記変動パターン振分け乱数の値とともに前記図柄組み合わせゲームにおいて各列で変動表示させる前記第2の種類の図柄の表示割合が定められており、前記第1の変動パターンテーブルと前記第2の変動パターンテーブルとを比較した場合には、前記第2の変動パターンテーブルの方が前記第1の種類の図柄よりも前記第2の種類の図柄の表示割合を高くした変動パターンの選択率が高められており、
前記図柄制御基板は、前記主制御基板が出力した前記制御コマンドを入力し、前記変動開始コマンドで指定された変動パターンの制御内容に対応する画像表示用の表示制御情報を生成し、当該表示制御情報に基づき前記可視表示部の表示内容を制御することにより前記図柄組み合わせゲームを開始させ、該ゲームにおいて前記図柄指定コマンドで指定された図柄を最終的に導出して該図柄を確定停止状態で表示させるようになっており、
前記図柄制御基板は、前記変動開始コマンドで指定された変動パターンの制御内容に前記図柄組み合わせゲームの開始後、変動中に各列の前記第2の種類の図柄の表示割合を変更する内容を含む場合、前記図柄組み合わせゲームの開始から前記リーチ状態が形成される前の所定時間の間で変動表示させる各列の図柄の種類として全てを前記第1の種類の図柄に決定するとともに、前記所定時間の経過後に変動表示させる前記第2の種類の図柄の表示割合を前記変動パターンにしたがって決定し、前記図柄組み合わせゲームの開始後、所定時間の間は前記第1の種類の図柄のみによって各列を変動表示させ、前記リーチ状態が形成される前であって前記所定時間の経過後に、各列において前記第2の種類の図柄の表示割合を零の状態から前記第2の種類の図柄の表示個数の増加、又は前記第1の種類の図柄の表示個数の減少と前記第2の種類の図柄の表示個数の増加により、前記決定した前 記第2の種類の図柄の表示割合に変更する遊技機。 - 前記第1の変動パターンテーブルには、前記表示割合の変更後に変動表示させる図柄の全てを前記第1の種類の図柄にする変動パターンを含む一方で、前記第2の変動パターンテーブルには、前記表示割合の変更後に変動表示させる図柄の全てを前記第2の種類の図柄にする変動パターンを含み、
前記図柄制御基板は、前記第1の特別遊技状態が生起される場合であって前記変動開始コマンドで指定された変動パターンに前記表示割合の変更後の図柄の全てを前記第1の種類の図柄とすることが定められている場合には前記リーチ状態が形成される前であって前記所定時間の経過後に、各列で変動表示させる図柄の全てを前記第1の種類の図柄に変更する一方で、前記第2の特別遊技状態が生起される場合であって前記変動開始コマンドで指定された変動パターンに前記表示割合の変更後の図柄の全てを前記第2の種類の図柄とすることが定められている場合には前記リーチ状態が形成される前であって前記所定時間の経過後に、各列で変動表示させる図柄の全てを前記第2の種類の図柄に変更する請求項1に記載の遊技機。 - 前記第1の変動パターンテーブルと前記第2の変動パターンテーブルには、両テーブルを比較した場合に、前記第1の変動パターンテーブルの方が前記表示割合の変更後に変動表示させる図柄として前記第2の種類の図柄よりも前記第1の種類の図柄の表示割合を高くした変動パターンが選択され易くなるように前記変動パターン振分け乱数の値を振分けている一方で、前記第2の変動パターンテーブルの方が前記表示割合の変更後に変動表示させる図柄として前記第1の種類の図柄よりも前記第2の種類の図柄の表示割合を高くした変動パターンが選択され易くなるように前記変動パターン振分け乱数の値を振分けており、前記第1の変動パターンテーブルと前記第2の変動パターンテーブルの両テーブルにおいて一の変動パターンに振分けた前記変動パターン振分け乱数の全振分け個数に対する前記第2の変動パターンテーブルにおいて前記一の変動パターンにおいて振分けた前記変動パターン振分け乱数の振分け個数の割合から前記一の変動パターンが前記第2の特別遊技状態を生起させる図柄組み合わせゲームを行う場合に選択される割合が算出され、
前記第2の種類の図柄の表示割合は、前記変動パターン毎の前記第2の特別遊技状態が生起される場合に選択される割合を想定し得るように定められている請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
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