JP3842427B2 - 光導波路部品及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光導波路部品及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、擬似位相整合方式の第2高調波発生デバイスに好適に使用することのできる、光導波路部品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ピックアップなどに使用することのできる青色レーザ用光源として、ニオブ酸リチウム単結晶やタンタル酸リチウム単結晶に周期的な分極反転構造を形成した光導波路を利用した擬似位相整合(Quasi−Phase−matching:以下、QPMと略すことがある)方式の第2高調波発生(Second−Harmonic−Generation:SHG)デバイスが期待されている。このデバイスは、光ディスクメモリ用、医学用、光化学用、及び各種光計測用などの幅広い応用が可能である。
【0003】
ニオブ酸リチウム単結晶やタンタル酸リチウム単結晶からなる基板の上に、周期的分極反転構造を形成する方法としては、チタン内拡散法、Li2 O外拡散法、SiO2 装荷熱処理法、プロトン交換熱処理法、電子ビーム操作照射法、及び電圧印加法などが用いられている。
【0004】
一方、基本波とレーザダイオードとの直接結合を可能にするためには、基板の主面に対して略平行な方向に分極した強誘電体単結晶基板を使用しなければならないが、このような基板を使用した場合、上記のような電圧印加法を用いて周期的分極反転構造の形成すると、分極反転層の厚みが薄く、十分な変換効率が得られないという問題がある。
【0005】
例えば、OPTRONICS(1997)、No.4の131〜135頁、及びAppl.Phys.Lett.Vol.70(June 9、1997)の3078〜3080頁には、上記のように、強誘電体単結晶のXカット基板及びYカット基板上に強誘電体単結晶薄膜を形成し、電圧印加法によりこの強誘電体単結晶薄膜に周期的分極反転構造を形成した場合、得られる分極反転層の厚さは約1μmであると記載されている。
【0006】
しかしながら、このように約1μm程度の厚さの分極反転層では十分な変換効率を得ることができず、したがって、数ミクロン以上の厚さの分極反転層を有する周期的分極反転構造を形成することが要望されていた。
【0007】
このような問題に鑑みて、本出願人は、特願平7−340949号(特開平9−179156号公報)において、図1に示すような、強誘電体単結晶薄膜を形成する強誘電体単結晶基板1の主面1aに、交互に隣接する第1の傾斜面4Aと第2の傾斜面4Bとの繰り返し単位5からなり、第1の傾斜面4Aの法線6Aの分極軸2に平行な方向の成分が負となり、かつ第2の傾斜面4Bの法線6Bの分極軸2に平行な方向の成分が正となるような周期的構造を形成し、この主面上に強誘電体単結晶薄膜を形成する方法を開示した。
この方法によれば、任意の厚さの分極反転層を有する周期的分極反転構造を形成できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように第1の傾斜面4Aと第2の傾斜面4Bとの繰り返し単位5からなる周期的構造を、強誘電体単結晶基板1の主面1aに形成するに当たっては、傾斜面4Bを再現性良く形成することが困難であり、そのため主面上に形成された強誘電体単結晶薄膜の周期的分極反転構造における分極反転層の分極反転層を再現性良く作製することが困難であるという問題を生じていた。
【0009】
本発明の目的は、このような問題点をも鑑み、強誘電体単結晶基板と、その上に形成された強誘電体単結晶薄膜とを具える光導波路部品において、前記強誘電体単結晶薄膜中に、厚い分極反転層を有する周期的分極反転構造が形成された新たな光導波路部品、及びその製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
主面に周期的凹型溝構造を有し、かつ前記主面と略平行に単分域化された強誘電体単結晶基板と、この強誘電体単結晶基板の主面上にエピタキシャル成長させた少なくとも一層の強誘電体単結晶薄膜とを具えている光導波路部品であって、前記強誘電体単結晶薄膜は周期的分極反転構造を有し、かつこの周期的分極反転構造における分極方向と前記強誘電体単結晶基板の主面の周期的凹型溝構造における溝方向との成す角度が10〜80度であることを特徴とする、光導波路部品である。
【0011】
また、本発明は、
主面に周期的凹型溝構造を有し、かつ前記主面と略平行に単分域化された強誘電体単結晶基板と、この強誘電体単結晶基板の主面上にエピタキシャル成長させた少なくとも一層の強誘電体単結晶薄膜とを具えている光導波路部品を製造する方法であって、前記強誘電体単結晶薄膜は周期的分極反転構造を有し、かつこの周期的分極反転構造における分極方向と前記強誘電体単結晶基板の主面の周期的凹型溝構造における溝方向との成す角度が10〜80度となるように、前記強誘電体単結晶基板の主面に前記周期的凹型溝構造を形成し、この周期的凹型溝構造上に強誘電体単結晶薄膜を形成することを特徴とする、光導波路部品の製造方法である。
【0012】
本発明者らは、主面に対して略平行に単分極化した強誘電体単結晶基板の主面上に、前記基板の分極方向と周期的凹型溝構造の溝方向とが10〜80度の角度をなすように前記周期的凹型溝構造を形成し、さらに、この周期的分極反転構造上に強誘電体単結晶薄膜をエピタキシャル成長させることにより、前記強誘電体単結晶薄膜中に厚い分極反転層を有する分極反転構造を形成できることを見い出し、本発明をするに至った。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を発明の実施の形態に則して詳細に説明する。
図2〜5は、本発明の光導波路部品の製造方法を説明するための図である。
本発明の光導波路部品の基板11に使用することのできる材料は、強誘電体単結晶であれば特に限定されるものでなく、ニオブ酸リチウム(LiNbO3 )、タンタル酸リチウム(LiTaO3 )、ニオブ酸カリウムリチウム(KLN)、及びニオブ酸リチウムータンタル酸リチウム単結晶(LiNb1-X TaX O(0≦X≦1))などを使用することができる。
【0014】
さらに、基板の耐光損傷性を向上させるために、これらの基板材料にマグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、スカンジウム(Sc)及びインジウム(In)からなる群より選ばれる1種以上の金属元素を含有させることもできる。
同様に、レーザ発振用の元素として、ランタノイド系列のネオジウム(Nd)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、ホルミウム(Ho)、ディスプロシウム(Dy)、及びプラセオジウム(Pr)などの群から選ばれる1種以上の元素を添加することもできる。
【0015】
本発明の光導波路部品に使用する基板11は、その主面に対して略平行に単分極化されていることが必要である。従って、基板11として上述のような材料を用いた場合は、基板入手の観点からXカット面又はYカット面であることが好ましい。分極方向が基板と略垂直である基板、特にZカット基板では半導体レーザを直接結合することができず、本発明では用いることができない。
【0016】
本発明の光導波路部品の強誘電体単結晶薄膜16の材料についても、強誘電体単結晶であれば特に限定されるものではなく、上記強誘電体単結晶基板11と同様のものを使用することができる。
【0017】
本発明の光導波路部品は以下のようにして製造する。
基板11の主面11a上に、例えば、金属タンタル膜を150〜900Åの厚さに蒸着した後、フォトリソグラフィ及び反応性イオンエッチングの技術を用いて、図2に示すような周期的構造のマスクパターン12を形成する。
このマスクパターン12のピッチ18は、用いる半導体レーザの波長に対応したコヒーレント長の半分の長さにしなければならない。
【0018】
マスクパターン12の溝部12aは、後に形成する周期的溝構造15の溝部15aに相当するため、マスクパターン12の溝部12aの方向13と、基板11の分極方向(Z方向)14との成す角度が10〜80度、好ましくは10〜60度となるように、マスクパターン12を形成する。
【0019】
次に、基板11を、例えば、安息香酸などの酸に浸漬させることによって、溝部12a部分をプロトン交換し、次いで、フッ酸などに浸漬させて、前記プロトン交換した部分を選択的に除去して、図3に示す周期的溝構造15を基板11に形成する。
【0020】
このようにして周期的溝構造15を形成することにより、基板11の分極方向(Z方向)14と溝部15aの溝方向19との成す角度φは、前述の角度の大きさを反映して、10〜80度、好ましくは10〜60度の角度を成す。
この溝部15aの深さは、周期的分極反転層を形成するためにピッチの3分の1以上の深さであることが好ましく、さらには半分以上の深さであることが好ましい。
また、溝部15aの幅は上記マスクパターンのピッチ18と同じであることが好ましい。
【0021】
以上のようにして形成した周期的溝構造15を有する基板11上に、液相エピタキシャル法によって、強誘電体単結晶薄膜16を、好ましくは10〜20μmの厚さに形成する。すると、図4に示すように、基板11の分極方向(+Z方向)14と反対の成分(−Z成分)を有する傾斜部15bにおいては、基板11の分極方向(+Z方向)14と同じ分極方向(+Z方向)20−1を有する分極反転層23−1が形成され、基板11の分極方向(+Z方向)14と同方向の成分(+Z成分)を有する傾斜部15cにおいては、基板11の分極方向(+Z方向)14と反対の分極方向(−Z方向)20−2を有する分極反転層23−2が形成される。
【0022】
以上にようにして得られる周期的分極反転構造21は、マスクパターン12のピッチ18に対応したピッチ22を有し、分極反転層23の厚さhは、上記強誘電体単結晶薄膜16の厚さを反映して、10〜20μmの範囲である。したがって、従来の場合と異なり、厚い分極反転層を有する周期的分極反転構造を得ることができる。
【0023】
さらに、本発明の光導波路部品をSHGデバイスなどの実用的な素子として使用する場合は、上記強誘電体薄膜の厚さを、用いるレーザのモード径に最適な厚さになるように研磨し、その後図5に示すように、周期的分極反転構造21が形成された強誘電体単結晶薄膜16中に、基板11の主面11aにおける周期的分極反転構造の溝方向と略垂直となるように、プロトン交換法を用いて3次元光導波路17を形成する。
この光導波路17の幅w1 と深さd1 は、結合効率の観点から、結合する半導体レーザのモードサイズに合わせ、決定することが好ましい。
【0024】
図5では、3次元光導波路17を周期的分極反転構造21を形成する分極反転層23に対して直角に形成しているため、周期的凹型溝構造15の分極方向20と、3次元光導波路17の長さ方向24との成す角度ψは、90度以下のある一定の角度を有する。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例に則してさらに詳細に説明する。
実施例1
基板11として単分極化したマグネシウムドープニオブ酸リチウム単結晶のXカット面を用い、その上に金属タンタル膜を600Å蒸着し、次いで、フォトリソグラフィ及び反応性イオンエッチングの技術を用いることにより、図2に示すようなピッチ18が7.0μmのマスクパターン12を形成した。
また、このマスクパターン12の溝部12aの方向13と、基板11の分極方向14との成す角度が10度になるように、マスクパターン12を形成した。
【0026】
次に、この基板11を安息香酸に安息香酸リチウムを0.5重量%になるように添加した混合物に15時間浸漬させてプロトン交換し、さらに、48モル%のフッ酸に60分間浸漬させることにより、上記のプロトン交換によって得られたプロトン交換層を選択的に除去して、図3に示すような周期的凹型溝構造15を形成した。
【0027】
この周期的凹型溝構造15の溝部15aの幅は7μmであり、深さは3μmであった。また、周期的凹型溝構造15の溝部15aの溝方向19と基板11の分極方向14との成す角度φは、上記の値を反映して10度であった。次に、上記のようにして周期的凹型溝構造15が形成された基板11上に、液相エピタキシャル法により、ニオブ酸リチウム薄膜16を10μmの厚さに形成した。
【0028】
ニオブ酸リチウム薄膜16をエッチングし、分極方向を確認したところ、基板11の分極方向(+Z方向)14と反対の成分(−Z成分)を有する傾斜部15bでは、基板11の分極方向(+Z方向)14と同じ分極方向20−1を示し、基板11の分極方向(+Z方向)と同じ成分(−Z成分)を有する傾斜部15cでは、基板11の分極方向14と反対の分極方向20−2を示す、周期的分極反転構造21が得られた。また、周期的分極反転構造21のピッチ22は、3.5μmであった。
【0029】
次いで、プロトン交換法によって3次元導波路を形成した後、強誘電体単結晶薄膜16を厚さが3mmになるように研磨して、図5に示すような、3次元光導波路17を、幅w1 が5μm、深さd1 が3μmとなるように形成した。
【0030】
端面27を光学研磨した後、3次元光導波路17に光ファイバ(図示せず)を接続して、波長830nm、パワー100mWの半導体レーザ光を入射させたところ、波長415nm、出力約25mWの第2高調波が得られた。また、光損傷などの特性劣化は認められなかった。
【0031】
実施例2
マスクパターン12の溝部12aの方向13と、基板11の分極方向14との成す角度を30度とし、溝部15aの溝方向19と基板11の分極方向14との成す角度φが30度の周期的凹型溝構造15を形成した以外は、実施例1と同様にして、図4に示す光導波路部品を作製した。
【0032】
形成したニオブ酸リチウム薄膜16の分極状態を実施例1と同様にして調べたところ、実施例1と同じ周期的分極反転構造21を有していることが判明した。
【0033】
次に、実施例1と同様にして、3次元光導波路17を形成し、第2高調波の特性を調べたところ、波長415nm、出力約20mWの第2高調波が得られた。また、この場合においても、光損傷などの特性劣化は認められなかった。
【0034】
実施例3
マスクパターン12の溝部12aの方向13と、基板11の分極方向14との成す角度を45度とし、溝部15aの溝方向19と基板11の分極方向14との成す角度φが45度の周期的凹型溝構造15を形成した以外は、実施例1と同様にして、図4に示す光導波路部品を作製した。
【0035】
形成したニオブ酸リチウム薄膜16の分極状態を実施例1と同様にして調べたところ、実施例1と同じ周期的分極反転構造21を有していることが判明した。
【0036】
次に、実施例1と同様にして、3次元光導波路17を形成し、第2高調波の特性を調べたところ、波長415nm、出力約18mWの第2高調波が得られた。また、この場合においても、光損傷などの特性劣化は認められなかった。
【0037】
実施例4
マスクパターン12の溝部12aの方向13と、基板11の分極方向14との成す角度を60度とし、溝部15aの溝方向19と基板11の分極方向14との成す角度φが60度の周期的凹型溝構造15を形成した以外は、実施例1と同様にして、図4に示す光導波路部品を作製した。
【0038】
形成したニオブ酸リチウム薄膜16の分極状態を実施例1と同様にして調べたところ、実施例1と同じ周期的分極反転構造21を有していることが判明した。
【0039】
次に、実施例1と同様にして、3次元光導波路17を形成し、第2高調波の特性を調べたところ、波長415nm、出力約12mWの第2高調波が得られた。この場合においても、光損傷などの特性劣化は認められなかった。
【0040】
実施例5
マスクパターン12の溝部12aの方向13と、基板11の分極方向14との成す角度を80度とし、溝部15aの溝方向19と基板11の分極方向14との成す角度φが80度の周期的凹型溝構造15を形成した以外は、実施例1と同様にして、図4に示す光導波路部品を作製した。
【0041】
形成したニオブ酸リチウム薄膜16の分極状態を実施例1と同様にして調べたところ、実施例1と同じ周期的分極反転構造21を有していることが判明した。
【0042】
次に、実施例1と同様にして、3次元光導波路17を形成し、第2高調波の特性を調べたところ、波長415nm、出力約2mWの第2高調波が得られた。また、この場合においても、光損傷などの特性劣化は認められなかった。
【0043】
比較例1
マスクパターン12の溝部12aの方向13と、基板11の分極方向14との成す角度を5度とし、溝部15aの溝方向19と基板11の分極方向14との成す角度φが5度の周期的凹型溝構造15を形成した以外は、実施例1と同様にして、ニオブ酸リチウム薄膜を形成した。
【0044】
ニオブ酸リチウム薄膜16の分極状態を実施例1と同様にして調べたところ、不均一に分極が反転した構造が得られるのみで、図4に示すような周期的分極反転構造21を得ることはできなかった。
次に、実施例1と同様にして、3次元光導波路17を形成し、第2高調波の特性を調べたところ、第2高調波を得ることはできなかった。
【0045】
比較例2
マスクパターン12の溝部12aの方向13と、基板11の分極方向14との成す角度を85度とし、溝部15aの溝方向19と基板11の分極方向14との成す角度φが85度の周期的凹型溝構造15を形成した以外は、実施例1と同様にして、ニオブ酸リチウム薄膜を形成した。
【0046】
ニオブ酸リチウム薄膜16の分極状態を実施例1と同様にして調べたところ、実施例1と同じ周期的分極反転構造21を有していることが判明した。
次に、実施例1と同様にして、3次元光導波路17を形成し、第2高調波の特性を調べたところ、極微弱な第2高調波が得られるのみであった。
【0047】
以上、実施例から明らかなように、周期的凹型溝構造15の溝部15aの方向19と、基板11の分極方向14との成す角度を、10〜80度にすることにより、3μmの厚さのニオブ酸リチウム薄膜16を形成した場合においても、このニオブ酸リチウム薄膜16内に周期的分極反転構造21を形成することができることが分かる。
【0048】
すなわち、約1μm程度の厚さの分極反転層を有する従来の周期的分極反転構造に比較して、約3μmという従来の3倍の厚さの分極反転層を有する周期的分極反転構造を得ることができる。
したがって、実施例に示すように、このような周期的分極反転構造を有する光導波路部品をSHGデバイスに使用した場合、高い出力の第2高調波を得ることができる。
【0049】
また、基板11に対する周期的凹型溝構造の形成に関しても、上述したように、所定のマスクを用いたプロトン交換によって行うため、従来の技術で述べた特願平7−340949号(特開平9−179156号公報)に比較して、極めて容易に基板の加工を行うことができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光導波路部品及びその製造方法によれば、強誘電体単結晶基板と、その上に形成された強誘電体単結晶薄膜とを具える光導波路部品において、前記強誘電体単結晶薄膜中に、厚い分極反転層を有する周期的分極反転構造が形成された光導波路部品を、簡易に提供することができる。
したがって、この光導波路部品をSHGデバイスなどに用いた場合、高い出力の第2高調波を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光導波路部品の製造方法を説明する図である。
【図2】本発明の光導波路部品の製造方法を説明する工程図である。
【図3】図2の後の工程を説明する図である。
【図4】図3の後の工程を説明する図である。
【図5】図4の後の工程を説明する図である。
【符号の説明】
1,11 基板、1a,11a 主面、2 分極軸、3 基板の分極方向に対して垂直な軸、4A 第1の傾斜面、4B 第2の傾斜面、5 第1の傾斜面と第2の傾斜面との繰り返し単位、6A 第1の傾斜面の法線、6B第2の傾斜面の法線、12 マスクパターン、12a,15a 溝部、13 マスクパターンの溝部の方向、14 基板の分極方向、15 周期的凹型溝構造、15b 基板の分極方向(+Z方向)と反対の成分を有する傾斜部、15c 基板の分極方向(+Z方向)と同じ成分を有する傾斜部、16 強誘電体単結晶薄膜、17,26 3次元光導波路、18,22 周期的分極反転構造のピッチ、19 周期的凹型溝構造の溝部の方向、20,20−1,20−2 分極反転層の分極方向、21 周期的分極反転構造、23,23−1,23−2 分極反転層、24,25 3次元光導波路の長さ方向、27 端面、基板の分極方向とマスクパターンの溝部の方向との成す角度、φ 基板の分極方向と周期的凹型溝構造の溝部の方向との成す角度、ψ 分極反転層の分極方向と3次元光導波路の長さ方向との成す角度、w1 ,w2 3次元光導波路の幅、d1 ,d2 3次元光導波路の深さ
Claims (7)
- 主面に周期的凹型溝構造を有し、かつ前記主面と略平行に単分域化された強誘電体単結晶基板と、この強誘電体単結晶基板の主面上にエピタキシャル成長させた少なくとも一層の強誘電体単結晶薄膜とを具えている光導波路部品であって、前記強誘電体単結晶薄膜は周期的分極反転構造を有し、かつこの周期的分極反転構造における分極方向と前記強誘電体単結晶基板の主面の周期的凹型溝構造における溝方向との成す角度が10〜80度であることを特徴とする、光導波路部品。
- 前記強誘電体単結晶薄膜の周期的分極反転構造における分極方向と、前記強誘電体単結晶基板の主面の周期的凹型溝構造における溝方向との成す角度が10〜60度であることを特徴とする、請求項1に記載の光導波路部品。
- 前記強誘電体単結晶薄膜中に、前記強誘電体単結晶基板の主面の周期的分極反転構造の溝方向と略垂直となるように、3次元光導波路が形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の光導波路部品。
- 前記強誘電体単結晶基板は、LiNb1-X TaX O3 (0≦X≦1)なる組成で示される単結晶からなることを特徴とする、請求項1〜3に記載の光導波路部品。
- 主面に周期的凹型溝構造を有し、かつ前記主面と略平行に単分域化された強誘電体単結晶基板と、この強誘電体単結晶基板の主面上にエピタキシャル成長させた少なくとも一層の強誘電体単結晶薄膜とを具えている光導波路部品を製造する方法であって、前記強誘電体単結晶薄膜は周期的分極反転構造を有し、かつこの周期的分極反転構造における分極方向と前記強誘電体単結晶基板の主面の周期的凹型溝構造における溝方向との成す角度が10〜80度となるように、前記強誘電体単結晶基板の主面に前記周期的凹型溝構造を形成し、この周期的凹型溝構造上に強誘電体単結晶薄膜を形成することを特徴とする、光導波路部品の製造方法。
- 前記強誘電体単結晶薄膜の周期的分極反転構造における分極方向と、前記強誘電体単結晶基板の主面の周期的凹型溝構造における溝方向との成す角度は10〜60度であることを特徴とする、請求項5に記載の光導波路部品の製造方法。
- 前記強誘電体単結晶基板は、LiNb1-X TaX O3 (0≦X≦1)なる組成で示される単結晶からなることを特徴とする、請求項5又は6に記載の光導波路部品の製造方法。
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-
1998
- 1998-03-30 JP JP8403598A patent/JP3842427B2/ja not_active Expired - Fee Related
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