JP3841986B2 - 図面データ管理方法ならびにそのための図面データ管理装置およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

図面データ管理方法ならびにそのための図面データ管理装置およびコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、図面の分割領域である各メッシュの図面データファイルの管理に関し、特に図面上でのメッシュの位置情報に相当するメッシュ番号のコードデータを当該図面データファイルのファイル名として用いるようにしたものである。
【0002】
なお、本明細書においては、必要に応じて、メッシュの図面データファイルを「メッシュファイル」と記し、メッシュの図面データを「メッシュデータ」と記す。また、図面の一例として「地図」を用いる。
【0003】
一般に、各種データファイルのファイル名にはそのデータ内容を利用者が簡単に類推できるような名前を用いることが望ましく、本発明は、図面上の一部領域からなるメッシュの図面データをファイル対象とする点に着目して、この要請に応えるものである。
【0004】
【従来の技術】
図12は、一般的な、複数のメッシュに分割された図面(道路台帳図,施設管理図など)の概要を示す説明図で一般的な、複数のメッシュに分割された図面(道路台帳図,施設管理図など)の概要を示す説明図であり、ここでは道路台帳図21を16個のメッシュに分割している。なお、実際の施設管理図には、道路内に埋設されたガス管や水道管などを示す各系統ラインが道路境界線22とともに記されている。
【0005】
図13は、一般的な、メッシュとその中の系統ラインの概要を示す説明図であり、31はメッシュ,32は左側境界線,33は下側境界線,34は右側境界線,35は上側境界線,36は左下点,37は右上点,38は系統ライン,N0乃至N3は境界ノード,N4乃至N7は中間ノードをそれぞれ示している。なお、境界ノードおよび中間ノードはそれぞれ系統ライン38を特定するための特徴点である。
【0006】
図面上の各メッシュはメッシュ番号によって区別され、それぞれの左右上下の境界線はあらかじめ入力された左下点座標(xmin,ymin)および右上点座標(xmax,ymax)によって、
左側境界線:x=xmin(ymin≦y≦ymax)
右側境界線:x=xmax(ymin≦y≦ymax)
上側境界線:y=ymax(xmin≦x≦xmax)
下側境界線:y=ymin(xmin≦x≦xmax)
の各式で表される。なお、左下点36は左側境界線32と下側境界線33との交点であり、右上点37は右側境界線34と上側境界線35との交点である。
【0007】
系統ライン38について例えば境界ノードN0から中間ノードN4およびN7を経て境界ノードN1に到達してさらにその先の追跡処理を実行する場合には、境界ノードN1の隣接メッシュ(下側メッシュ)のメッシュ番号を求めることになる。
【0008】
処理対象となる各特徴点が境界ノードまたは中間ノードのどちらであるかを確認するためには、
・境界ノードのデータ部分に境界フラグをあらかじめ設定し、処理対象特徴点についてこの境界フラグの有無を調べる、
・メッシュごとにすべての境界ノードをテーブル形式であらかじめ保持し、処理対象特徴点がこのテーブルに記されているかどうかを調べる、
・処理対象特徴点についてその座標データと各境界線32乃至35の式とを比較する、
などの手法を用いる。
【0009】
図14は、一般的な、1次メッシュ(小メッシュ)および2次メッシュ(大メッシュ)の関係を示す説明図である。(N,M)は処理対象図面内での2次メッシュの絶対メッシュ番号、(n,m)は各2次メッシュ内での1次メッシュの相対メッシュ番号をそれぞれ示し、各2次メッシュは(j×k)個の1次メッシュを有している。
【0010】
図15は、一般的な、各メッシュの図面データのコンピュータ処理システムで用いられるハードウェアの概要を示す説明図であり、41はCPU、42は内部メモリ、43はワーク領域、44は各メッシュの図面データ(道路線データ,施設線データ,境界線データ,基本メッシュのサイズデータなど)を格納する大容量の外部記憶装置、45はアプリケーションプログラムを格納する外部記憶装置、46はキーボードやマウスなどの入力部、47は入力データや図面の内容等を確認するための表示部、48は図面データを紙出力するためのプロッターをそれぞれ示している。
【0011】
任意のメッシュを画面表示する場合には入力部46からそのメッシュ番号を入力すればよく、この入力操作に基づいて当該メッシュの図面データが外部記憶装置44から取り出されてワーク領域43に保持され、表示部47に送られる。
【0012】
また、複数の連続メッシュを画面表示する場合にはそれぞれのメッシュ番号を入力すればよく、分割元の図面全体を画面表示する場合には所定の入力操作を行なう、例えば図面番号を入力すればよい。
【0013】
表示図面中の一部を修正する場合、例えばガス管や水道管を示す施設線、引出線やそこへの記述情報を追加したり変更する場合には、入力部46やディジタイザ(図示省略)からその変更内容を入力すればよい。
【0014】
従来、メッシュごとの図面情報を管理する手法としては、例えば特許第2733285号で開示されるように、任意のメッシュおよびその各隣接メッシュそれぞれの図面情報格納領域へのポインタをテーブル形式で設定したものがある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の図面情報管理においては、当該管理用のテーブルを外部記憶装置のディスクなどに準備し、このテーブルデータを必要に応じて内部メモリに取り込んでから使用するのが一般的である。
【0016】
そのため、当該テーブルデータを多くのユーザが用いることを前提とした大規模集中管理の場合など、外部記憶装置と内部メモリとの間のデータ転送が頻繁に行われ、管理システムとしての処理効率が悪いという問題点があった。
【0017】
また、図面情報管理用テーブルの使用にともない、そのバージョン管理用アプリケーションや、テーブルデータの最終更新日時情報の同時記録用アプリケーションなどを新たに作成しなければならないという問題点があった。
【0018】
そこで、本発明では、各メッシュの図面上での位置を示すメッシュ番号を情報変換用符号としてのコードデータ、例えばASCIIコードデータに変換してこれを対応するメッシュファイルのファイル名に用い、さらには当該コードデータを主記憶装置にディレクトリとして保持することにより、メッシュデータ検索時のディスク操作などを少なくして処理の高速化および効率化を図ることを目的とする。
【0019】
また、メッシュファイルの日時管理などもOSが担当することにより、当該ファイルの維持の容易化を図ることを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明はこの課題を次のようにして解決する。
(1)図面を分割した大メッシュとそれをさらに分割した小メッシュとの階層構造からなる各メッシュの、外部記憶装置に格納された図面データファイルを、プロセッサで管理する際に、
前記階層構造の任意の小メッシュの前記図面上での並び位置を示す大メッシュ番号およびその中での小メッシュ番号を特定し、
前記プロセッサは、この特定された大メッシュ番号および小メッシュ番号からなる階層形式のメッシュ番号データを情報変換用符号としてのコードデータに変換した上で、当該コードデータを前記任意の小メッシュの図面データファイル名として主記憶装置にディレクトリ形式で格納する。
(2)上記(1)において、
前記プロセッサは、
前記小メッシュのサイズデータ、任意の選択点の前記図面における絶対位置データおよび、前記大メッシュの単位を構成する各軸方向の小メッシュ個数データを用いて当該選択点が属する小メッシュの前記階層形式のメッシュ番号データを算出した上で、当該算出データを前記コードデータに変換する。
(3)上記(1)において、
前記プロセッサは、
前記小メッシュごとの各境界線に対応した境界線データおよび、前記大メッシュの単位を構成する各軸方向の小メッシュ個数データを用いて小メッシュの処理対象境界ノードが属する境界線の当該小メッシュでの方向情報を求め、かつ、当該方向情報に基づく当該境界線の隣接小メッシュについての前記階層形式のメッシュ番号データを算出した上で、当該算出データを前記コードデータに変換する。
【0021】
本発明はこのように、メッシュファイルのファイル名にそのファイル番号に対応したASCIIコードなどのコードデータ用いることにより、メッシュファイル名の設定・管理の簡単化を図っている。
【0022】
また、階層構造のメッシュを処理対象とすることにより、広域の図面化対象地域を構成している各メッシュ間の位置関係管理などの簡単化を図っている。
【0023】
また、ファイル名のコードデータを主記憶装置にディレクトリ形式で格納することにより、メッシュデータ検索時のディスク操作などを少なくして処理の高速化および効率化を図り、さらにはメッシュファイルの日時管理の容易化などを図っている。
【0024】
また、例えば利用者が図面上で指定した選択点が属するメッシュのメッシュ番号を、メッシュのサイズデータや当該選択点の絶対位置データに基づく計算処理で求めることにより、任意の選択メッシュのメッシュ番号特定処理の簡単化・効率化を図っている。
【0025】
また、現在処理中のメッシュでの処理対象が境界ノードとなった場合の隣接メッシュのメッシュ番号を、当該境界ノードが属する境界線の当該メッシュにおける方向情報に基づく計算処理で求めることにより、次の処理対象となる隣接メッシュのメッシュ番号特定処理の簡単化・効率化を図っている。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1乃至図11を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の前提となるコンピュータ処理システムのハードウェア構成や、図形データ(地図データ,施設データなど),境界線データ,1次メッシュと2次メッシュとの関係などは従来と同様の構成を前提にしている。
【0027】
図1は、メッシュファイル管理システムの概要を示す説明図であり、
1は複数のメッシュ(1次メッシュ)に分割された地図、1aは図5のメッシュ番号算出処理の対象となる選択点、
2はファイル名設定処理の対象メッシュ(メッシュ番号:n、m)、
3はメッシュファイル名の設定処理などを行なうプロセッサ、
4はプロセッサ管理・制御用のOS,メッシュファイル名設定用のアプリケーションや、ディレクトリ形式のメッシュファイル名,算出したメッシュ番号(図5参照)などを格納する主記憶装置、
5はメッシュ番号(n,m)や、レイヤ番号、バージョン番号の指定などを行なう入力装置、
6は地図1をその全体やメッシュ単位で表示するCRT,液晶,プリンタなどの出力装置、
7はプロセッサ管理・制御用のOS、メッシュファイル名設定用のアプリケーションおよびASCIIコード表、各メッシュの図面データからなるメッシュファイル,基本メッシュのサイズデータ(a×b)などを格納する外部記憶装置、
をそれぞれ示している。
【0028】
プロセッサ3における、メッシュファイル名の設定に関する処理概要は次のようになっている。
(s1)入力装置5で指定された対象メッシュ2のメッシュ番号(n,m)を特定する。このメッシュ番号は地図1上での位置情報を示している。
(s2)n、mの値をそれぞれ情報変換用符号としてのコードデータ、例えばASCIIコードに変換する。
(s3)変換後のコードデータn′,m′を対象メッシュ2のファイル名として主記憶装置4にディレクトリ形式で格納する。
【0029】
なお、プロセッサ3は、当該設定処理の実行に先だって外部記憶装置7のプロセッサ管理・制御用のOSやメッシュファイル名設定用のアプリケーションを主記憶装置4に取り込む。このOSはメッシュファイルの日時管理なども担当している。
【0030】
図2は、メッシュ番号などからメッシュファイル名を作成する手順を示す説明図であり、その内容は次のようになっている。なお、当該手順における大メッシュ番号および小メッシュ番号の桁数は任意であるが、以下の記載では、説明の便宜上、大メッシュ番号を10進数の2桁の値とし、また小メッシュ番号を10進数の1桁の値としている。1桁の大メッシュ番号を用いる場合には後述のステップ(s13),(s15)の演算処理を省略してもよい。
(s11)大メッシュ番号(N,M),小メッシュ番号(n,m),レイヤ番号c,バージョン番号Vの各指定値を主記憶装置4(ワーク領域43)に保持する。
(s12)ワーク領域43の64ビットレジスタに文字(テキスト)「0」のASCIIコード「00110000」を繰り返し入れる。その結果、64ビットレジスタの内容は「0011000000110000・・・00110000」となる。
(s13)次の演算処理を行なって、商のNと余りのNを求める。
=INT(N/10)
=MOD(N/10)
(s14)64ビットレジスタの1乃至4ビットにN、5乃至8ビットに「3(=0011)」、9乃至12ビットにN、13乃至16ビットに「3(=0011)」をそれぞれ入れる。
(s15)次の演算処理を行なって、商のMと余りのMを求める。
=INT(M/10)
=MOD(M/10)
(s16)64ビットレジスタの17乃至20ビットにM、21乃至24ビットに「3(=0011)」、25乃至28ビットにM、29乃至32ビットに「3(=0011)」をそれぞれ入れる。
(s17)64ビットレジスタの33乃至36ビットにn、37乃至40ビットに「3(=0011)」、41乃至44ビットにm、45乃至48ビットに「3(=0011)」をそれぞれ入れる。
(s18)64ビットレジスタの49乃至56ビットに、キャラクタで定義されているレイヤ番号cのASCIIコードc′を入れる。
(s19)次の演算処理により2ビット整数のバージョン番号Vをアルファベットに変換する。
d=V+64(=01000000)
(s20)64ビットレジスタの57乃至64ビットにdを入れる。
(s21)64ビットレジスタのデータをメッシュファイル名として定義する。
【0031】
ステップ(s14),(s16),(s17)において、N,N,M,M,n,mの各文字の上位側4ビットに「3(=0011)」を入れるのは、当該文字のそれぞれをASCIIコードのN′,N′,M′,M′, n′,m′に変換するためである。
【0032】
ステップ(s19)では、2進数のバージョン番号VにASCIIコードの@(=1000000)を加算している。
【0033】
図3は、メッシュファイル名レコードのフォーマット例を示す説明図であり、8バイトの当該レコードは、
・大メッシュ番号の変換コードN′,N′,M′,M
・小メッシュ番号の変換コードn′,m′
・レイヤ番号cの変換コードc′
・バージョン番号Vの変換コードd
の各要素からなっている。
【0034】
図示のように、これらの要素データはすべて8ビットである。また、N′,N′,M′,M′,n′,m′,dそれぞれの文字範囲は「0〜9」とし、c′の文字範囲は「0〜9,A〜Z」としている。
【0035】
図4は、メッシュファイル名の一例を示す説明図であり、処理対象の小メッシュ11の、
・大メッシュ番号(N,M)が(12,08)
・小メッシュ番号(n,m)が(4,6)
・レイヤ番号cが「9」
・バージョン番号Vが「3」
の場合を示している。
【0036】
このとき、メッシュファイル名は16進数表示の「4349363438303231」となって、
・N(=1)の変換コードN′は2進数の「00110001(16進数の31)」
・N(=2)の変換コードN′は2進数の「00110010(16進数の32)」
・M(=0)の変換コードM′は2進数の「00110000(16進数の30)」
・M(=8)の変換コードM′は2進数の「00111000(16進数の38)」
・小メッシュ番号n(=4)の変換コードn′は2進数の「001101100(16進数の34)」
・小メッシュ番号m(=6)の変換コードm′は2進数の「00110110(16進数の36)」
・レイヤ番号c(=9)の変換コードc′は2進数の「00111001(16進数の39)」
・バージョン番号V(=3)の対応値d(=10進数の67)は2進数の「01000011)(16進数の43)」
である。
【0037】
図5は、地図1上の選択点1aに対応の小メッシュ番号(Nr,Mr)の算出処理手順であり、その内容は次のようになっている。
(s31)基本メッシュ(小メッシュ)のサイズデータ(a×b)および選択点1aの選択点絶対位置データ(xs,ys)をワーク領域43に保持して、次のステップに進む。
(s32)「xs/a」が整数であるかどうかを判断し、「YES」の場合は次のステップに進み、「NO」の場合はステップ(s36)に進む。
(s33)「ys/b」が整数であるかどうかを判断し、「YES」の場合は次のステップに進み、「NO」の場合はステップ(s35)に進む。
(s34)選択点1aのメッシュ番号(Nr,Mr)を、
・Mr=〔xs/a〕+1
・Nr=〔ys/b〕+1
の演算により求めて、ステップ(s39)に進む。なお、〔・・〕はガウス記号を示している。
(s35)選択点1aのメッシュ番号(Nr,Mr)を、
・Mr=〔xs/a〕+1
・Nr=〔ys/b〕
の演算により求めて、ステップ(s39)に進む。
(s36)「ys/b」が整数であるかどうかを判断し、「YES」の場合は次のステプに進み、「NO」の場合はステップ(s38)に進む。
(s37)選択点1aのメッシュ番号(Nr,Mr)を、
・Mr=〔xs/a〕
・Nr=〔ys/b〕+1
の演算により求めて、ステップ(s39)に進む。
(s38)選択点1aのメッシュ番号(Nr,Mr)を、
・Mr=〔xs/a〕
・Nr=〔ys/b〕
の演算により求めて、次のステップに進む。
(s39)求めたメッシュ番号(Nr,Mr)を主記憶装置4に保持する。
【0038】
このメッシュ番号から図14の2次メッシュ番号(N,M)および1次メッシュ番号(n,m)を求めるには、
・N=〔Nr/k〕+1
・n=Nr−〔Nr/k〕×k
・M=〔Mr/j〕+1
・m=Mr−〔Mr/j〕×j
の後変換が必要である。
【0039】
なお、この後変換において、
・〔Mr/j〕が整数のときはその代わりに「〔Mr/j〕−1」を用い、
・〔Nr/k〕が整数のときはその代わりに「〔Nr/k〕−1」を用いる、ことになる。
【0040】
そして、このメッシュ番号に対応した例えばASCIIコードからなるファイル名の図面データを外部記憶装置7,44から取り出し、次の表示処理などへと移行する。
【0041】
以上の説明は、地図1を単一の基本メッシュのみで碁盤の目状に分割した場合を前提にしているが、それ以外の分割形態のときにも本発明が適用できることは勿論である。
【0042】
例えば、地図1のメッシュ番号(1,1)および(1,2)の各基本メッシュの統括範囲を単一メッシュとして管理する場合には、この単一メッシュを構成するメッシュ番号(1,1)にx軸方向のメッシュサイズが基本メッシュ2個分である旨の情報を付加しておき、また、その他の基本メッシュのメッシュ番号は従前のままとすればよい。
【0043】
図6および図7は、系統ライン38の追跡処理(図13参照)における隣接メッシュの特定手順を示す説明図であり、その内容は次のようになっている。
(S41)指定メッシュのメッシュ番号(N,M,n,m)や境界線データ(xmin,ymin:xmax,ymax)、図面データをワーク領域43に展開して、次のステップに進む。なお、(N,M)は2次メッシュ番号、(n,m)は2次メッシュにおける1次メッシュ番号であり、メッシュの指定は利用者がメッシュ番号を直接入力したり、図面上の点をマウスなどで指定することによって行なわれる。
(S42)指定メッシュ(1次メッシュ)の図面データを画面表示して、次のステップに進む。
(S43)指定メッシュにおける追跡処理を開始して、次のステップに進む。追跡処理の開始部分は例えば利用者が指示する。
(S44)境界ノードに到達したかどうかを判断し、「YES」の場合は次のステップに進み、「NO」の場合は(S55)に進む。
(S45)この境界ノードの座標データ(xo,yo)を特定して、次のステップに進む。
(S46)「xo=xmin」であるかどうかを判断し、「YES」の場合は次のステップに進み、「NO」の場合は(S48)に進む。
(S47)左側隣接メッシュの特定処理(図8参照)を実行して、次のステップに進む。
(S48)「yo=ymin」であるかどうかを判断し、「YES」の場合は次のステップに進み、「NO」の場合は(S50)に進む。
(S49)下側隣接メッシュの特定処理(図9参照)を実行して、次のステップに進む。
(S50)「xo=xmax」であるかどうかを判断し、「YES」の場合は次のステップに進み、「NO」の場合は(S52)に進む。
(S51)右側隣接メッシュの特定処理(図10参照)を実行して、次のステップに進む。
(S52)「yo=ymax」であるかどうかを判断し、「YES」の場合は次のステップに進み、「NO」の場合は(S54)に進む。
(S53)上側隣接メッシュの特定処理(図11参照)を実行して、次のステップに進む。
(S54)これまでの処理で特定された隣接メッシュ内の追跡処理へと移行する。
(S55)追跡処理の対象部分がまだ残っているかどうかを判断し、「YES」の場合は次のステップに進み、「NO」の場合は追跡処理を終了する。
(S56)次の追跡処理を実行して、ステップ(S54)に戻る。
【0044】
図7の処理において、
・境界ノードが指定メッシュの左下点、すなわち「xo=xmin,yo=ymin」のときには、ステップ(S47)およびステップ(S49)の特定処理がそれぞれ実行され、
・境界ノードが指定メッシュの右下点、すなわち「xo=xmax,yo=ymin」のときには、ステップ(S49)およびステップ(S51)の特定処理がそれぞれ実行され、
・境界ノードが指定メッシュの右上点、すなわち「xo=xmax,yo=ymax」のときには、ステップ(S51)およびステップ(S53)の特定処理がそれぞれ実行され、
・境界ノードが指定メッシュの左上点、すなわち「xo=xmin,yo=ymax」のときには、ステップ(S47)およびステップ(S53)の特定処理がそれぞれ実行される。
【0045】
図8は、ステップ(S47)の、左側隣接メッシュの特定手順を示す説明図であり、その内容は次のようになっている。
(S61)「m=1」であるかどうかを判断し、「YES」の場合は(S63)に進み、「NO」の場合は次のステップに進む。
(S62)「m−1→m」として、(S65)に進む。
(S63)「M=1」であるかどうかを判断し、「YES」の場合は一連の処理を終了し、「NO」の場合は次のステップに進む。
(S64)「M−1→M」および「j→m」として、次のステップに進む。
(S65)指定メッシュ番号を(S62),(S64)の計算結果で更新する。
【0046】
ステップ(S61)で「YES」となるのは、処理中のメッシュ(1次メッシュ)がそれの属する2次メッシュの中で最も左側のメッシュの場合で、このときの隣接メッシュはすぐ左側の2次メッシュ(x軸方向のメッシュ番号:M−1)の最も右側の1次メッシュ(x軸方向のメッシュ番号:j)であり、ステップ(S64)の処理によってこのことが反映される。
【0047】
なお、ステップ(S63)で「YES」となるのは、処理中のメッシュ(1次メッシュ)が2次メッシュの全体領域の最も左側のメッシュの場合で、このときの隣接メッシュは準備されていない。
【0048】
図9は、ステップ(S49)の、下側隣接メッシュの特定手順を示す説明図であり、その内容は次のようになっている。
(S71)「n=1」であるかどうかを判断し、「YES」の場合はステップ(S73)に進み、「NO」の場合は次のステップに進む。
(S72)「n−1→n」として、ステップ(S75)に進む。
(S73)「N=1」であるかどうかを判断し、「YES」の場合は一連の処理を終了し、「NO」の場合は次のステップに進む。
(S74)「N−1→N」および「k→n」として、次のステップに進む。
(S75)指定メッシュ番号をステップ(S72),(S74)の計算結果で更新する。
【0049】
ステップ(S71)で「YES」となるのは、処理中のメッシュ(1次メッシュ)がそれの属する2次メッシュの中で最も下側のメッシュの場合で、このときの隣接メッシュはすぐ下側の2次メッシュ(y軸方向のメッシュ番号:N−1)の最も上側の1次メッシュ(y軸方向のメッシュ番号:k)であり、ステップ(S74)の処理によってこのことが反映される。
【0050】
なお、ステップ(S73)で「YES」となるのは、処理中のメッシュ(1次メッシュ)が2次メッシュの全体領域の最も下側のメッシュの場合で、このときの隣接メッシュは準備されていない。
【0051】
図10は、ステップ(S51)の、右側隣接メッシュの特定手順を示す説明図であり、その内容は次のようになっている。
(S81)「m=j」であるかどうかを判断し、「YES」の場合は(S83)に進み、「NO」の場合は次のステップに進む。
(S82)「m+1→m」として、ステップ(S85)に進む。
(S83)「M=Mmax」であるかどうかを判断し、「YES」の場合は一連の処理を終了し、「NO」の場合は次のステップに進む。なお、Mmaxは2次メッシュのx軸方向の総数である。
(S84)「M+1→M」および「1→m」として、次のステップに進む。
(S85)指定メッシュ番号をステップ(S82),(S84)の処理結果で更新する。
【0052】
ステップ(S81)で「YES」となるのは、処理中のメッシュ(1次メッシュ)がそれの属する2次メッシュの中で最も右側のメッシュの場合で、このときの隣接メッシュはすぐ右側の2次メッシュ(x軸方向のメッシュ番号:M+1)の最も左側の1次メッシュ(x軸方向のメッシュ番号:1)であり、ステップ(S84)の処理によってこのことが反映される。
【0053】
なお、ステップ(S83)で「YES」となるのは、処理中のメッシュ(1次メッシュ)が2次メッシュの全体領域の最も右側のメッシュの場合で、このときの隣接メッシュは準備されていない。
【0054】
図11は、ステップ(S53)の、上側隣接メッシュの特定手順を示す説明図であり、その内容は次のようになっている。
(S91)「n=k」であるかどうかを判断し、「YES」の場合はステップ(S93)に進み、「NO」の場合は次のステップに進む。
(S92)「n+1→n」として、ステップ(S95)に進む。
(S93)「N=Nmax」であるかどうかを判断し、「YES」の場合は一連の処理を終了し、「NO」の場合は次のステップに進む。なお、Nmaxは2次メッシュのy軸方向の総数である。
(S94)「N+1→N」および「1→n」として、次のステップに進む。
(S95)指定メッシュ番号をステップ(S92),(S94)の処理結果で更新する。
【0055】
ステップ(S91)で「YES」となるのは、処理中のメッシュ(1次メッシュ)がそれの属する2次メッシュの中で最も上側のメッシュの場合で、このときの隣接メッシュはすぐ上側の2次メッシュ(y軸方向のメッシュ番号:N+1)の最も下側の1次メッシュ(y軸方向のメッシュ番号:1)であり、ステップ(S94)の処理によってこのことが反映される。
【0056】
なお、ステップ(S93)で「YES」となるのは、処理中のメッシュ(1次メッシュ)が2次メッシュの全体領域の最も上側のメッシュの場合で、このときの隣接メッシュは準備されていない。
【0057】
そして、この隣接メッシュのメッシュ番号に対応した例えばASCIIコードからなるファイル名の図面データを外部記憶装置7,44から取り出し、当該隣接メッシュでの追跡処理へと移行する〔ステップ(s54)参照〕。
【0058】
以上の説明は、表示対象領域1を単一の基本メッシュのみで碁盤の目状に分割した場合を前提にしているが、それ以外の任意の分割形態のときにも本発明が適用できることは勿論である。
【0059】
本発明は、各メッシュの境界線を示す境界線データが与えられ、また各メッシュの位置関係を示す例えばメッシュ番号などが計算処理に適した所定のルールで設定されているメッシュ領域には少なくとも適用可能である。
【0060】
プログラムを格納する記憶媒体としては、
・プログラム提供者側のデータベース(DASDなどの回線先メモリ)
・フロッピーディスク、CD−ROM、光磁気ディスクなどの各種の可搬型記憶媒体
・CPUやディスクドライブ装置などを内蔵したコンピュータ本体部のRAMやハードディスク
などが用いられ、当該プログラムはコンピュータ本体部にローデイングされてその主メモリ上で実行される。
【0061】
【発明の効果】
本発明は、このように、メッシュファイルのファイル名にそのファイル番号に対応のコードデータ(ASCIIコードなど)を用いているので、メッシュファイル名の設定・管理の簡単化を図ることができる。
【0062】
また、ファイル名のコードデータを主記憶装置にディレクトリ形式で格納しているので、メッシュデータ検索時のディスク操作などを少なくして処理の高速化および効率化を図り、さらにはメッシュファイルの日時管理などの容易化を図ることができる。
【0063】
また、階層構造のメッシュを処理対象としているので、広域の図面化対象地域を構成する各メッシュ間の位置関係管理などの簡単化を図ることができる。
【0064】
また、例えば利用者が図面上で指定した選択点が属するメッシュのメッシュ番号を、メッシュのサイズデータや当該選択点の絶対位置データに基づく計算処理で求めているので、メッシュ範囲とそのメッシュ番号との対応テーブルを用いる方式よりも、任意の選択メッシュのメッシュ番号特定処理の簡単化・効率化を図ることができる。
【0065】
また、現在処理中のメッシュでの処理対象が境界ノードとなった場合の隣接メッシュのメッシュ番号を、当該境界ノードが属する境界線の当該メッシュにおける方向情報に基づく計算処理で求めているので、隣接メッシュとそのメッシュ番号との対応テーブルを用いる方式よりも、次の処理対象となる隣接メッシュのメッシュ番号特定処理の簡単化・効率化をることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、メッシュファイル管理システムの概要を示す説明図である。
【図2】本発明の、メッシュ番号などからメッシュファイル名を作成する手順を示す説明図である。
【図3】本発明の、メッシュファイル名レコードのフォーマット例を示す説明図である。
【図4】本発明の、メッシュファイル名の一例を示す説明図である。
【図5】本発明の、地図1上の選択点1aに対応の小メッシュ番号(Nr,Mr)の算出処理手順を示す説明図である。
【図6】本発明の、系統ライン38の追跡処理(図13参照)における隣接メッシュの特定手順を示す説明図(その1)である。
【図7】本発明の、系統ライン38の追跡処理(図13参照)における隣接メッシュの特定手順を示す説明図(その2)である。
【図8】本発明の、左側隣接メッシュの特定手順を示す説明図である。
【図9】本発明の、下側隣接メッシュの特定手順を示す説明図である。
【図10】本発明の、右側隣接メッシュの特定手順を示す説明図である。
【図11】本発明の、上側隣接メッシュの特定手順を示す説明図である。
【図12】一般的な、複数のメッシュに分割された図面(道路台帳図,施設管理図など)の概要を示す説明図である。
【図13】一般的な、メッシュとその中の系統ラインの概要を示す説明図である。
【図14】一般的な、1次メッシュ(小メッシュ)および2次メッシュ(大メッシュ)の関係を示す説明図である。
【図15】一般的な、各メッシュの図面データのコンピュータ処理システムで用いられるハードウェアの概要を示す説明図である。
【符号の説明】
1:複数のメッシュ(1次メッシュ)に分割された地図
1a:メッシュ番号算出処理の対象となる選択点
2:ファイル名設定処理の対象メッシュ(メッシュ番号:n、m)
3:プロセッサ
4:主記憶装置
5:キーボード,マウスなどの入力装置
6:CRT,液晶,プリンタなどの出力装置
7:外部記憶装置
11:処理対象の小メッシュ
21:道路台帳図
22:道路境界線
31:メッシュ
32:左側境界線
33:下側境界線
34:右側境界線
35:上側境界線
36:左下点
37:右上点
38:系統ライン
41:CPU
42:内部メモリ
43:ワーク領域
44:図面データなどを格納する大容量の外部記憶装置
45:アプリケーションプログラムなどを格納する外部記憶装置
46:キーボードやマウスなどの入力部
47:表示部
48:プロッター
N,M:大メッシュ番号
n,m:小メッシュ番号
c:レイヤ番号
V:バージョン番号
′,N′,M′,M
:大メッシュ番号の変換コード
n′,m′:小メッシュ番号の変換コード
c′:レイヤ番号cの変換コード
N0乃至N3
:境界ノード
N4乃至N7
:中間ノード

Claims (7)

  1. 図面を分割した大メッシュとそれをさらに分割した小メッシュとの階層構造からなる各メッシュの、外部記憶装置に格納された図面データファイルを、プロセッサで管理する図面データ管理方法において、
    前記階層構造の任意の小メッシュの前記図面上での並び位置を示す大メッシュ番号およびその中での小メッシュ番号が、前記プロセッサの入力手段により特定され、
    前記プロセッサは、この特定された大メッシュ番号および小メッシュ番号からなる階層形式のメッシュ番号データを情報変換用符号としてのコードデータに変換した上で、当該コードデータを前記任意の小メッシュの図面データファイル名として主記憶装置にディレクトリ形式で格納する、
    ことを特徴とする図面データ管理方法。
  2. 前記プロセッサは、
    前記メッシュのサイズデータ、任意の選択点の前記図面における絶対位置データおよび、前記大メッシュの単位を構成する各軸方向の小メッシュ個数データを用いて当該選択点が属するメッシュの前記階層形式のメッシュ番号データを算出した上で、当該算出データを前記コードデータに変換する、
    ことを特徴とする請求項1記載の図面データ管理方法。
  3. 前記プロセッサは、
    前記メッシュごとの各境界線に対応した境界線データおよび、前記大メッシュの単位を構成する各軸方向の小メッシュ個数データを用いて小メッシュの処理対象境界ノードが属する境界線の当該メッシュでの方向情報を求め、かつ、当該方向情報に基づく当該境界線の隣接小メッシュについての前記階層形式のメッシュ番号データを算出した上で、当該算出データを前記コードデータに変換する、
    ことを特徴とする請求項1記載の図面データ管理方法。
  4. 図面を分割した大メッシュとそれをさらに分割した小メッシュとの階層構造からなる各メッシュの、外部記憶装置に格納された図面データファイルを管理する図面データ管理装置において、
    前記図面データファイルのファイル名が格納される主記憶装置と、
    入力処理により特定される、前記階層構造の任意の小メッシュの前記図面上での並び位置を示す大メッシュ番号およびその中での小メッシュ番号からなる階層形式のメッシュ番号データを、情報変換用符号としてのコードデータに変換した上で、当該コードデータを当該小メッシュの図面データファイル名として前記主記憶装置にディレクトリ形式で格納するためのファイル名処理を行うプロセッサと、
    を備えたことを特徴とする図面データ管理装置。
  5. 前記プロセッサは、
    前記メッシュのサイズデータ、任意の選択点の前記図面における絶対位置データおよび、前記大メッシュの単位を構成する各軸方向の小メッシュ個数データを用いて当該選択点が属するメッシュの前記階層形式のメッシュ番号データを算出した上で、当該算出データを前記コードデータに変換する、
    ことを特徴とする請求項記載の図面データ管理装置。
  6. 前記プロセッサは、
    前記メッシュごとの各境界線に対応した境界線データおよび、前記大メッシュの単位を構成する各軸方向の小メッシュ個数データを用いて小メッシュの処理対象境界ノードが属する境界線の当該メッシュでの方向情報を求め、かつ、当該方向情報に基づく当該境 界線の隣接小メッシュについての前記階層形式のメッシュ番号データを算出した上で、当該算出データを前記コードデータに変換する、
    ことを特徴とする請求項記載の図面データ管理装置。
  7. 図面を分割した大メッシュとそれをさらに分割した小メッシュとの階層構造からなる各メッシュの、外部記憶装置に格納された図面データファイルを、プロセッサで管理するためのプログラムを格納した記録媒体において、
    前記プログラムは、
    入力処理により特定される、前記階層構造の任意の小メッシュの前記図面上での並び位置を示す大メッシュ番号およびその中での小メッシュ番号からなる階層形式のメッシュ番号データを、情報変換用符号としてのコードデータに変換し、
    このコードデータを前記任意の小メッシュの図面データファイル名として主記憶装置にディレクトリ形式で格納する機能をコンピュータに実現させるためのものである、
    ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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