JP3841382B2 - 金属粉除去装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クーラント液、切削油、洗浄液等の処理液中に混入している金属粉を磁力を利用して除去する金属粉除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の金属粉除去装置は、図10に示すように、一端に処理液Lの流入口1を、他端に処理液Lの流出口2をそれぞれ有する処理タンク3内に磁石を内蔵したマグネットドラム4を配設し、このマグネットドラム4を軸5を中心に時計回り方向Bへ回転させて、その外周面に処理液L中の金属粉Mを吸着させ、処理タンク3の上方に配設した絞りローラ6をマグネットドラム4に接触させて脱水した後、スクレーパー7によりマグネットドラム4から金属粉Mを分離して、収納箱8に落下させる構造となっていた(例えば、実開平6−11945号公報参照)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の金属粉除去装置によれば、マグネットドラム4が、処理液Lの流れ方向Aに直交する横置きの状態となっているため、流入口1から処理タンク3内に流入する処理液Lの流れに対して大きな抵抗となり、乱流が生じて処理液L中の金属粉Mが四方に拡散し、その捕捉効率が低下するという問題があった。
また、流入口1から処理タンク1内に流入した処理液Lがマグネットドラム4の円弧面に沿って円周方向に流れるため、図11に示すように処理液Lの流入量が少くなった場合に、処理液Lとマグネットドラム4との接触時間がわずかとなり、金属粉の捕捉効率が著しく低下するという問題もあった。
【0004】
本発明は、上記した従来の問題点を解決することを課題としてなされたもので、その目的とするところは、処理液の乱流や接触時間の短縮に起因する金属粉の捕捉効率の低下に有効に対処できる金属粉除去装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、一端に処理液の流入口を、他端に処理液の流出口をそれぞれ有する処理タンク内に磁石を内蔵したマグネットドラムを配設し、前記マグネットドラムを回転させてその外周面に処理液中の金属粉を吸着させると共に、該吸着された金属粉を処理液の上方でスクレーパーにより分離する金属粉除去装置において、前記マグネットドラムを、処理液の流れ方向に沿って縦置きに配設すると共に、該マグネットドラムの軸を、水平方向に対し処理液の流れの下流側へ向けて下方傾斜させたことを特徴とする。
【0006】
このように構成した金属粉除去装置においては、マグネットドラムが処理液の流れ方向に縦置きとなっているので、流入口から処理タンク内に流入する処理液に対するマグネットドラムの衝突面積が可及的に減じ、処理液の乱流が抑制される。
また、処理タンク内の処理液はマグネットドラムの外周面に沿って軸方向に流れるので、マグネットドラムを横置きした場合に比べて、処理液とマグネットドラムとの接触時間が延長する。
さらに、上記マグネットドラムは、その軸を水平方向に対し処理液の流れの下流側へ向けて下方傾斜させているので、流入口から処理タンク内に流入する処理液の流れに対してマグネットドラムの端面が正対せず、その整流化が促進される。また、処理液の流入量が少なくなっても、マグネットドラムの一部が処理液中に浸漬された状態となり、その上、処理液の流出口側でマグネットドラムと処理タンクの底との間隙(流路)が狭くなって、いわゆるせき効果によって処理液の流れの上流側の液面が上昇し、処理液の流入量が少ない場合でも金属粉の捕捉が可能になる。
【0007】
本発明は、上記処理タンクに処理液を受ける受槽を併設し、該受槽の底部に処理タンクの流入口を開口させる構成とすることができる。この場合は、流入口から処理タンク内に流入する処理液が直接マグネットドラムに衝突することがないので、その整流化が促進される。
【0009】
ここで、上記せき効果を得るには、上記したようにマグネットドラムの軸を傾斜させることなく、処理タンクの底を処理液の流れの下流側に向けて上方傾斜させても、あるいはマグネットドラムの軸と処理タンクの底との双方を傾斜させるようにしてもよく、このように処理タンクの底を傾斜させたもの、あるいはマグネットドラムの軸と処理タンクの底との双方を傾斜させたものも、本発明の範囲に含まれる。
【0010】
本発明において、上記磁石は、特にその形状、設置態様を問うものではないが、角形乃至円形の平板形状となし、その複数を、マグネットドラム内に同心に配設した円筒ヨークの外周面に磁極を半径方向に向けかつ隣接する同士で磁極を逆向きにして所定のピッチで配列する構成とすることができる。このように磁石を配設することで、マグネットドラムの周りに半径方向の磁気が効率よく作用し、金属粉の吸着能力が向上する。本発明は、この磁石の種類を特に問うものではないが、磁気特性、製造性、コスト等を考慮してフェライト磁石特にフェライト異方性磁石を採用するのが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基いて説明する。
【0012】
図1乃至図3は、本発明の第1の実施の形態としての金属粉除去装置の構造を示したものである。これらの図において、10は、一端に処理液Lの流入口11を、他端に処理液Lの流出口12をそれぞれ有する処理タンク、13は、この処理タンク10の一端側に併設された、処理液Lを受ける受槽(ます)で、前記流入口11は、受槽13の底部に開口するように設けられている。14は、後に詳述する磁石15(図4、5)を内蔵するマグネットドラムで、前記処理タンク10内に、その軸Cを処理液Lの流れ方向Aと平行をなす水平方向へ延ばして縦置きに配設されている。
【0013】
より詳しくは、上記マグネットドラム14は、その軸C上を延ばされ、処理タンク10の左・右側壁間に橋架した前・後支持フレーム16,16上の軸受17,17に両端部が支承された回転軸18に回転不能に取付けられている。回転軸18の一端部にはスプロケット19が固定されており、このスプロケット19には、処理タンク10の上方に配設した架台20上のモータ21の回転が、その出力軸端に取付けたスプロケット22およびチェーン23を介して伝達されるようになっている。すなわち、回転軸18はモータ21によって回転駆動され、これに応じてマグネットドラム14が、図2の時計回り方向Bへ所定の回転速度で回転するようになっている。なお、処理タンク10の上方にはマグネットドラム14に接触して脱水する絞りローラ24と、マグネットドラム14に吸着されている金属粉Mをマグネットドラム14から分離するスクレーパー25とが配設されている。また、フロア上にはスクレーパー25により分離した金属粉Mを受ける収納箱26が配設されている。
【0014】
ここで、マグネットドラム14に内蔵した磁石15は、図4および図5に示すように四角板状(一例として、縦40mm×横40mm×厚さ10mm)をなし、その両面が軸極N,Sとなっている。各磁石15は、マグネットドラム14を構成する筒状本体30内に同心に配設した筒状ヨーク31の外周面に、その磁極N,Sを半径方向へ向けかつ相互に隣接する同士で磁極N,Sを逆向きにして固定されている。マグネットドラム14の筒状本体30の両端開口は端板32,32により被蓋されており、前記ヨーク31はこの両端板32,32に複数のボルト33を用いて締付け固定されている。なお、両端板32,32には、前記回転軸18を挿通させるための軸孔34が形成されている。
【0015】
本第1の実施の形態において、上記マグネットドラム14の筒状本体30は比較的耐摩耗性に富む非磁性材料(例えば、SUS 304 )から、その端板31は比較的軽量な非磁性材料(例えば、アルミニウム)からそれぞれ形成されており、両者は、シールを兼用する接着剤35を介して結合されている。一方、筒状ヨーク31は強磁性材料(例えば、鋼管)から形成されており、その外周面には、磁石15を取付けるための軸方向の平坦面36(図5)が円周方向に等配して複数設けられている。各磁石15は、前記ヨーク31の平坦面36のそれぞれに接着剤により接合されている。磁石15は、各平坦面36に所定のピッチで複数個(ここでは、6個)接合されており、したがって、その全体の数は前記各平坦面36上の数に該平坦面37の数を乗じた数となる。因みに、平坦面37の数を10とすると、6×10=60個の磁石15がヨーク31の外周面上に配置されることになる。
【0016】
上記磁石15は、ここでは磁気特性に優れたフェライト異方性磁石からなっており、一方、筒状ヨーク31は、各磁石15が筒状本体30の内面との間にわずかの間隙を形成するようにその外径が設定されており、これにより、マグネットドラム14の周りには半径方向の強力な磁気が作用している。金属粉Mの除去に際しては、予めモータ21により回転軸18を介してマグネットドラム14を回転させ、受槽13を経て流入口11から処理タンク10内に処理液Lを流入させる。すると、処理液L中の金属粉Mがマグネットドラム14の外周面に効率よく吸着され、この吸着された金属粉Mは、マグネットドラム14の回転に応じて処理液Lの上方に移動し、絞りローラ24による脱水作用を受けた後、スクレーパー25によりマグネットドラム4から分離され、収納箱26に落下する。
【0017】
しかして、マグネットドラム14が処理液Lの流れ方向Aに縦置きとなっているので、従来のようにマグネットドラム4を横置きにした場合(図10、11)に比べて、流入口11から処理タンク10内に流入する処理液Lに対するマグネットドラム14の衝突面積が減じて、処理液Lの乱流が抑制され、その分、金属粉Mの捕捉効率が向上する。また、処理タンク10内の処理液Lはマグネットドラム14の外周面に沿って軸方向に流れるので、同じくマグネットドラム14を横置きにした場合に比べて、処理液Lとマグネットドラム14との接触時間が延長し、この面からも金属粉Mの捕捉効率は向上する。さらに、本第1の実施の形態においては、処理タンク10に処理液Lを受ける受槽13を併設し、該受槽14の底部に処理タンク10の流入口11を開口させるようにしているので、流入口11から処理タンク10内に流入する処理液Lが直接マグネットドラム14に衝突することがなく、その整流化が促進されて、金属粉Mの捕捉効率はより一層向上するようになる。
【0018】
ここで、上記第1の実施の形態においては、マグネットドラム14を、その軸Cが処理液Lの流れ方向Aに平行をなす水平方向へ延びるように配設したが、このマグネットドラム14は、図6に示すように、その軸Cが水平面内で処理液Lの流れ方向Aとわずかの角度θ1 (5〜10度)だけ傾斜するように配設してもよいものである。この場合は、流入口11から処理タンク10内に流入する処理液Lの流れにマグネットドラム10の端板32(端面)が正対しないので、処理液Lの整流化が促進され、金属粉Mの捕捉効率はより一層向上する。
【0019】
なお、上記第1の実施の形態において、磁石15として四角平板状のものを用いたが、この磁石の形状は、角形から円形の範囲内で任意の形状を選択することができる。また、この磁石15は、上記筒状ヨーク31の外周面に2枚または3枚以上重ねて配置してもよいもので、複数重ねとした場合は、より磁力が強くなって捕捉効率が向上する。
【0020】
図7は、本発明の第2の実施の形態として金属粉除去装置を示したものである。なお、本金属粉除去装置の全体構造は前出図1および2示したものと同じであるので、ここでは、要部のみを示し、同一部分には同一符号を付すこととする。本第2の実施の形態の特徴とするところは、マグネットドラム14を、その軸Cが水平方向に対して処理液の流れの下流側へ向けて所定の角度θ2 (5〜10度)だけ下方傾斜させるように配設した点にある。このようにマグネットドラム14を傾斜させることで、流入口11から処理タンク10内に流入する処理液Lの流れに対してマグネットドラム10の端板32(図4)が正対せず、その整流化が促進される。また、図7に示すように処理液Lの流入量が少なくなっても、マグネットドラム10の一部が処理液L中に浸漬された状態となり、その上、処理液Lの流出口12側でマグネットドラム14と処理タンク10の底10aとの間隙(流路)Sが狭くなって、いわゆるせき効果によって処理液Lの流れの上流側の液面Laが上昇し、処理液Lの流入量が少ない場合でも金属粉Mの捕捉が可能になる。
【0021】
図8は、本発明の第3の実施の形態として金属粉除去装置を示したものである。なお、本金属粉除去装置の全体構造もまた、前出図1および2示したものと同じであるので、ここでは、要部のみを示し、同一部分には同一符号を付すこととする。本第3の実施の形態の特徴とするところは、マグネットドラム14を、第1の実施の形態と同様に、その軸Cを処理液Lの流れ方向Aに平行をなす水平方向へ延ばして縦置きに配設する一方で、処理タンク10の底10aを、処理液Lの流れの下流側へ向けて所定角度θ3 (5〜10度)だけ上方傾斜させるようにした点にある。この場合、処理液Lの流出口12側でマグネットドラム14と処理タンク10の底10aとの間隙(流路)Sが狭くなるので、同図に示すように処理液Lの流入量が少なくなっても、いわゆるせき効果によって処理液Lの流れの上流側の液面Laが上昇し、金属粉Mの捕捉が可能になる。
【0022】
なお、上記せき効果による液面上昇を期待する場合は、図9に示すようにマグネットドラム14の軸Cを水平方向に対して処理液の流れの下流側へ向けて所定角度θ4 (3〜6度)だけ下方傾斜させると共に、処理タンク10の底10aを、処理液Lの流れの下流側へ向けて所定角度θ5 (3〜6度)だけ上方傾斜させるようにしてもよい。この場合も、処理液Lの流出口12側でマグネットドラム14と処理タンク10の底10aとの間隙(流路)Sが狭くなり、第3の実施の形態と同様に処理液Lの流入量が少なくなっても、いわゆるせき効果によって金属粉Mの捕捉が可能になる。
【0023】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係る金属粉除去装置によれば、マグネットドラムが処理液の流れ方向に縦置きとなっているので、従来のように横置きにマグネットドラムを配設した場合に比べて、処理液の乱流が抑制されると共に、処理液とマグネットドラムとの接触時間が延長し、金属粉の捕捉効率が向上する。
また、マグネットドラムを水平方向から処理液の流れの下流側へ向けて下方傾斜させたので、処理液の整流化が促進されるばかりか、処理液の流入量が少ない場合でも有効に対処できる。
さらに、磁石として、角形乃至円形の平板形状をなすものを用い、その複数を、マグネットドラム内に同心に配設した円筒ヨークの外周面に磁極を半径方向に向けかつ隣接する同士で磁極を逆向きにして所定のピッチで配列した場合は、マグネットドラムの周りに半径方向の磁気が効率よく作用し、金属粉の吸着能力がより一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態として金属粉除去装置の全体構造を示す縦断面図である。
【図2】本金属粉除去装置の全体構造を示す横断面図である。
【図3】本金属粉除去装置におけるマグネットドラムの配設状態を模式的に示す平面図である。
【図4】本金属粉除去装置で用いるマグネットドラムの内部構造を示す断面図である。
【図5】本金属粉除去装置で用いるマグネットドラムにおける磁石の配列状態を示す斜視図である。
【図6】第1の実施の形態の変形としてマグネットドラムの配設状態を模式的に示す平面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態としての金属粉除去装置の要部構造を模式的に示す縦断面図である。
【図8】第2の実施の形態の変形としてマグネットドラムの配設状態を模式的に示す縦断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態としての金属粉除去装置の要部構造を模式的に示す縦断面図である。
【図10】従来の金属粉除去装置の要部構造を模式的に示す断面図である。
【図11】従来の金属粉除去装置における不具合発生例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
10 処理タンク
10a 処理タンクの底
11 流入口
12 流出口
13 受槽
14 マグネットドラム
15 磁石
18 回転軸
21 回転軸駆動用モータ
30 マグネットドラムの本体
31 ヨーク
32 マグネットドラムの端板
A 処理液の流れ方向
B マグネットドラムの回転方向
C マグネットドラムの軸

Claims (4)

  1. 一端に処理液の流入口を、他端に処理液の流出口をそれぞれ有する処理タンク内に磁石を内蔵したマグネットドラムを配設し、前記マグネットドラムを回転させてその外周面に処理液中の金属粉を吸着させると共に、該吸着された金属粉を処理液の上方でスクレーパーにより分離する金属粉除去装置において、前記マグネットドラムを、処理液の流れ方向に沿って縦置きに配設すると共に、該マグネットドラムの軸を、水平方向に対し処理液の流れの下流側へ向けて下方傾斜させたことを特徴とする金属粉除去装置。
  2. 処理タンクに処理液を受ける受槽を併設し、該受槽の底部に処理タンクの流入口を開口させたことを特徴とする請求項1に記載の金属粉除去装置。
  3. 処理タンクの底を、水平方向に対し処理液の流れの下流側へ向けて上方傾斜させたことを特徴とする請求項1または2に記載の金属粉除去装置。
  4. 磁石が角形乃至円形の平板形状をなし、磁石の複数が、マグネットドラム内に同心に配設した円筒状ヨークの外周面に磁極を半径方向に向けかつ隣接する同士で磁極を逆向きにして所定のピッチで配列されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の金属粉除去装置。
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