JP3841207B2 - 掛具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フック杆などの折曲棒状若しくは折曲管状の掛杆部材1,2を例えば回動自在に上下に連結した構成とした掛具であって、例えば一方の掛杆部材を物干ポール,壁,長押あるいは係止網などの係止部に引っ掛けて吊り下げ、他方の掛杆部材に吊下物若しくは吊下物のフック,吊輪あるいは吊孔を引っ掛けて吊り下げるように使用するものに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
例えば上下の掛杆部材が互いに回動自在であると、係止部の状況や吊下物の吊り下げたい向きなどに対応できるので非常に便利となるが、従来この掛杆部材を上下に連結する構成とすることは、構造が複雑となったり、組み付け製作が厄介となり量産性に劣ったり、コスト高となるなど様々な問題があり、実用性に劣る問題があった。
【0003】
本発明は、例えば回動自在の掛杆部材を上下に連結した掛具であって、簡易な構成にして組み付け製作も極めて容易で、量産性に秀れ安価な製品を提供できる実用性に秀れた画期的な掛具を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0005】
フック杆などの掛杆部材1,2を上下に連結した構成とした掛具であって、少なくとも一方の樹脂製の筒状部材3に一方の掛杆部材1を設け、この一方の筒状部材3に挿入し得る形状に形成した他方の樹脂製の係合部材4に他方の掛杆部材2を設け、前記筒状部材3は、連結側が開口し反対側に底部を有する円筒状体に構成され、この筒状部材3の底部に前記一方の掛杆部材1が設けられ、前記係合部材4は、連結側が開口し反対側に底部を有する円筒状体に構成され、この係合部材4の底部に前記他方の掛杆部材2が設けられ、少なくとも前記一方の掛杆部材1若しくは前記他方の掛杆部材2のいずれか一方は自転回動自在に前記筒状部材3若しくは前記係合部材4に設けられ、この筒状部材3の周面部に係合孔縁部5を開口形成し、前記係合部材4の周面部に前記係合孔縁部5に係止する係合突起6を突設して嵌合係止構造7を設け、この係合突起6を設けた係合部材4の周面部に、連結側開口部から内方側へ向かってこの係合突起6が撓み微動することを許容する割溝 11 を対向形成し、この係合突起6は、連結側からこの連結側の反対側へ向かって係合突起6を設けた前記係合部材4の外面に対して徐々に突出度を増すテーパ面6Aを有し且つ外側端には係止段面6Bを有するテーパ突起形状に形成し、この筒状部材3と係合部材4とを互いに上下から差し込み嵌合した際前記係合部材4が撓み微動することで、前記嵌合係止構造7の係合孔縁部5に係合突起6が嵌合し、前記筒状部材3と前記係合部材4とを嵌合係止固定して、少なくともいずれか一方の掛杆部材1,2が自転回動自在となるように構成したことを特徴とする掛具に係るものである。
【0006】
また、フック杆などの掛杆部材1,2を上下に連結した構成とした掛具であって、少なくとも一方の樹脂製の筒状部材3に一方の掛杆部材1を設け、この一方の筒状部材3に挿入し得る形状に形成した他方の樹脂製の係合部材4に他方の掛杆部材2を設け、前記筒状部材3は、連結側が開口し反対側に底部を有する円筒状体に構成され、この筒状部材3の底部に前記一方の掛杆部材1の基端部1Aが回動自在にして外方へ抜け止め状態に設けられ、前記係合部材4は、連結側が開口し反対側に底部を有する円筒状体に構成され、この係合部材4の底部に前記他方の掛杆部材2の基端部2Aが回動自在にして外方へ抜け止め状態に設けられ、この筒状部材3の周面部の対向する二箇所に係合孔縁部5を開口形成し、前記係合部材4の周面部に前記係合孔縁部5に夫々係止する係合突起6を突設して嵌合係止構造7を設け、この係合突起6を設けた係合部材4の周面部に、連結側開口部から内方側へ向かってこの係合突起6が撓み微動することを許容する割溝 11 を対向形成し、この係合突起6は、連結側からこの連結側の反対側へ向かって係合突起6を設けた前記係合部材4の外面に対して徐々に突出度を増すテーパ面6Aを有し且つ外側端には係止段面6Bを有するテーパ突起形状に形成し、この筒状部材3と係合部材4とを互いに上下から差し込み嵌合した際前記係合部材4が撓み微動することで、前記嵌合係止構造7の係合孔縁部5に係合突起6が嵌合し、前記筒状部材3と前記係合部材4とを嵌合係止固定して、掛杆部材1,2が夫々自転回動自在となるように構成したことを特徴とする掛具に係るものである。
【0007】
また、フック杆などの掛杆部材1,2を上下に連結した構成とした掛具であって、一方の樹脂製の筒状部材3に一方の掛杆部材1を設け、この一方の筒状部材3に挿入し得る形状に形成した他方の樹脂製の係合部材4に他方の掛杆部材2を設け、前記筒状部材3は、連結側が開口し反対側に底部を有する筒状体に構成され、この筒状部材3の底部に前記一方の掛杆部材1が設けられ、前記係合部材4は、連結側が開口し反対側が折り返し部に設定された断面略U字状の折り返し帯板状に構成され、この係合部材4の折り返し部に前記他方の掛杆部材2が設けられ、少なくとも前記一方の掛杆部材1若しくは前記他方の掛杆部材2のいずれか一方は自転回動自在に前記筒状部材3若しくは前記係合部材4に設けら れ、この筒状部材3の周面部に係合孔縁部5を開口形成し、前記係合部材4の弾性可動自在なU字状辺部4Aに前記係合孔縁部5に係止する係合突起6を突設して嵌合係止構造7を設け、この係合突起6は、連結側からこの連結側の反対側へ向かって係合突起6を設けた前記係合部材4の外面に対して徐々に突出度を増すテーパ面6Aを有し且つ外側端には係止段面6Bを有するテーパ突起形状に形成し、この筒状部材3と係合部材4とを互いに上下から差し込み嵌合した際前記U状片部4Aが弾性可動することで、前記嵌合係止構造7の係合孔縁部5に係合突起6が嵌合し、前記筒状部材3と前記係合部材4とを嵌合係止固定して、前記掛杆部材1,2を上下に連結した構成としたことを特徴とする掛具に係るものである。
【0008】
また、フック杆などの掛杆部材1,2を夫々回動自在に連結した構成とした掛具であって、一方の樹脂製の筒状部材3に一方の掛杆部材1を設け、この一方の筒状部材3に挿入し得る形状に形成した他方の樹脂製の係合部材4に他方の掛杆部材2を設け、前記筒状部材3は、連結側が開口し反対側に底部を有する筒状体に構成され、この筒状部材3の底部に前記一方の掛杆部材1の基端部1Aが回動自在にして外方へ抜け止め状態に設けられ、前記係合部材4は、連結側が開口し反対側が折り返し部に設定された断面略U字状の折り返し帯板状に構成され、この係合部材4の折り返し部に前記他方の掛杆部材2が自転回動自在若しくは揺動回動自在に設けられ、この筒状部材3の周面部の対向する二箇所に係合孔縁部5を開口形成し、前記係合部材4の弾性可動自在なU字状辺部4Aに前記係合孔縁部5に夫々係止する係合突起6を突設して嵌合係止構造7を設け、この係合突起6は、連結側からこの連結側の反対側へ向かって係合突起6を設けた前記係合部材4の外面に対して徐々に突出度を増すテーパ面6Aを有し且つ外側端には係止段面6Bを有するテーパ突起形状に形成し、この筒状部材3と係合部材4とを互いに上下から差し込み嵌合した際前記U状片部4Aが撓み微動することで、前記嵌合係止構造7の係合孔縁部5に係合突起6が嵌合し、前記筒状部材3と前記係合部材4とを嵌合係止固定して、前記一方の掛杆部材1が回動自在にとなるように構成したことを特徴とする掛具に係るものである。
【0009】
また、フック杆などの掛杆部材1,2を夫々回動自在に連結した構成とした掛具であって、一方の樹脂製の筒状部材3に一方の掛杆部材1を設け、この一方の筒状部材3に挿入し得る形状に形成した他方の樹脂製の係合部材4に他方の掛杆部材2を設け、前記筒状部材3は、連結側が開口し反対側に底部を有する筒状体に構成され、この筒状部材3の底部に前記一方の掛杆部材1の基端部1Aが回動自在にして外方へ抜け止め状態に設けられ、前記係合部材4は、連結側が開口し反対側が折り返し部に設定された断面略U字状の折り返し帯板状に構成され、この係合部材4の折り返し部に前記他方の掛杆部材2が揺動回動自在に設けられ、この筒状部材3の周面部の対向する二箇所に係合孔縁部5を開口形成し、前記係合部材4の弾性可動自在なU字状辺部4Aに前記係合孔縁部5に夫々係止する係合突起6を突設して嵌合係止構造7を設け、この係合突起6は、連結側からこの連結側の反対側へ向かって係合突起6を設けた前記係合部材4の外面に対して徐々に突出度を増すテーパ面6Aを有し且つ外側端には係止段面6Bを有するテーパ突起形状に形成し、この筒状部材3と係合部材4とを互いに上下から差し込み嵌合した際前記U状片部4Aが撓み微動することで、前記嵌合係止構造7の係合孔縁部5に係合突起6が嵌合し、前記筒状部材3と前記係合部材4とを嵌合係止固定して、前記一方の掛杆部材1が回動自在にとなるように構成し、前記他方の掛杆部材2が揺動回動自在となるように構成したことを特徴とする掛具に係るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
好適と考える本発明の実施の形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。
【0011】
一方の掛杆部材1を設けた一方の筒状部材3に係合孔縁部5を、他方の掛杆部材2を設けた他方の係合部材4に係合突起6を設けてこの筒状部材3に対して係合部材4を挿入すると、前記係合孔縁部5に係合突起6が嵌合して前記筒状部材3と係合部材4とを嵌合係止固定できることとなる。
【0012】
従って、単に筒状部材3に対して係合部材4を挿入するだけで掛杆部材1,2を上下に連結することができる。
【0013】
また、例えば、前記係合部材4を、前記一方の筒状部材3に挿入し得る断面U字状に形成した構成とすれば、係合部材4を断面U字状に形成したことで係合部材4の遊離端部となるU状片部4Aが弾性可動自在となり、これにより、筒状部材3に係合部材4を単に挿入するだけで前記U状片部4Aが弾性可動して(即ち撓んで)前記係合孔縁部5に係合突起6が嵌合して前記筒状部材3と係合部材4とが容易に連結されることとなり、よって、秀れた量産性を発揮することができる上、コスト安に実用性に秀れた前記掛杆部材1,2を上下に連結し得る掛具を実現できることとなるなど、一層実用的となる。
【0014】
【実施例】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0015】
図8〜10に示す第一実施例では、一方の掛杆部材1にフック状の金属製フック杆を採用し、他方の掛杆部材2に左右夫々逆向きにフック部を有した正面視略W形状の金属製フック杆を採用し、これらフック杆1,2を上下に連結した構成としたものであって、樹脂製の筒状部材3に一方の掛杆部材1の基端部1Aを回転自在にして外方へ抜け止め状態に設け、樹脂製の係合部材4に他方の掛杆部材2を揺動回動自在に設けた構成としている。そして、この筒状部材3と係合部材4とを互いに上下から差し込み嵌合する形状に構成すると共に、この筒状部材3と係合部材4とのどちらか一方に窓孔を形成して係合孔縁部5を設け、他方に係合突起6を設けて嵌合係止構造7を設けて、筒状部材3と係合部材4とを係合することで嵌合係止構造7の係合孔縁部5に係合突起6が嵌合して嵌合係止固定され筒状部材3と係合部材4とを連結する構成としている。
【0016】
具体的には、樹脂成形される前記筒状部材3は、連結側が開口し反対側の外方へは挿通孔8を設けた底部9を有する角筒状体に構成し、この挿通孔8に前記掛杆部材1の直杆状の基端部1Aを挿通配設し、この基端部1Aに前記挿通孔8を通過できない抜け止め径大部10をプレスなどによって設けて、前記筒状部材3に対して前記掛杆部材1が自転回動自在にして外方へ抜け止め状態となるように構成している。
【0017】
また、この筒状部材3の連結側の対向する周面部には、窓孔を開口形成して係合孔縁部5を構成している。
【0018】
即ち、筒状部材3の開口側周面部の対向する二箇所に係合孔縁部5を設けている。
【0019】
また、この係合孔縁部5は、正面視方形状に開口形成され、後述の係合突起6が良好に嵌合係止し得る大きさに形成した構成としている。
【0020】
一方、係合部材4は、図9に示すように、前記筒状部材3に差し込み挿入され得る断面略U字状に形成されている。
【0021】
具体的には、この係合部材4は所定の幅と厚さを有した折り返し帯状板に形成され、係合部材4の遊離端部となるU状片部4Aは弾性可動自在に構成されている。
【0022】
この断面U字状の係合部材4の上部開口側に対して下部折り返し部位側には、他方の掛杆部材2となる前記正面視略W形状のフック杆が挟持状態で揺動回動自在に設けられている。即ち、他方の掛杆部材2は、係合部材4の折り返し方向に沿って揺動回動し得るように構成されている。つまり、係合部材4は断面U字状に形成されているため、他方の掛杆部材2を上部開口側から下部折り返し部位へ単に挿入してこの下部折り返し部位において回動自在に挟持固定するだけで係合部材4に他方の掛杆部材2を揺動回動自在に設けることができることになる。尚、本実施例では、係合部材4に他方の掛杆部材2を揺動回動自在に設けた構成としたが、この係合部材4に他方の掛杆部材2を自転回動自在に構成しても良い。即ち、この場合には、断面U字状に形成した係合部材の折り返し部位に挿通孔を設け、この挿通孔に例えば金属製フック杆の直杆状の基端部を挿通配設し、この基端部に前記挿通孔を通過できない抜け止め径大部をプレスなどによって設けることで、前記係合部材に対して他方の掛杆部材を抜け止め状態で自転回動自在に設けても良い。更に、この際、係合部材の折り返し部位に設ける挿通孔を長孔状に設けることで、前記他方の掛杆部材を係合部材に対して自転回動に加えて揺動回動自在となるように構成しても良い。
【0023】
前記係合部材4のU状片部4Aの外面部には、前記係合孔縁部5に嵌合し得る係合突起6が設けられた構成としている。
【0024】
具体的には、この係合突起6は、図9に示すように、断面U字状の係合部材4の遊離端部の外面側に夫々設けられ、上部開口側から下部折り返し部位側に向けて前記係合部材4の外面部に対して徐々に突出度を増すテーパ面6Aを有し且つ外側端には前記係合孔縁部5に抜け止め係止する係止断面6Bを有するテーパ突起形状に形成している。即ち、係合突起6は、係合部材4の外面に対して略垂直に立ち上がる突出面を一辺とする断面略直角三角形状に形成されている。
【0025】
上記構成によれば、前記筒状部材3の開口部に前記係合部材4をこの係合部材4の上部開口側から挿入すると、係合部材4のU状片部4Aに設けた係合突起6のテーパ面6Aが筒状部材3の開口周縁部に当接し、この状態から更に係合部材4を押動することで、係合部材4の外面に対して徐々に突出度を増す係合突起6のテーパ面6Aが係合部材4のU状片部4Aを内面側に徐々に撓ませ、筒状部材3の係合孔縁部5の形成位置に係合突起6が達した際に、係合部材4のU状片部4Aが撓み復帰して前記係合孔縁部5に係合突起6が確固に嵌合することとなる。
【0026】
従って、筒状部材3に係合部材4を単に挿入するだけで、この筒状部材3と係合部材4とを連結固定することができ、即ち、筒状部材3に設けた自転回動自在の掛杆部材1と係合部材4に設けた揺動回動自在の掛杆部材2とを上下に極めて容易に連結することができる。
【0027】
しかも、筒状部材3及び係合部材4は、樹脂成形により容易に形成することができるため、コスト安に製造することが可能で、簡易な構成のため秀れた量産性を発揮することもできる。
【0028】
更に言えば、本実施例では、筒状部材3及び係合部材4を樹脂成形により形成する構成のため、この筒状部材3と係合部材4とを上下に連結させることとなる前記係合孔縁部5や係合突起6を容易に形成することができ、しかも係合部材4については、断面U字状に形成することで樹脂の弾性作用を利用して前記係合孔縁部5に係合突起6を嵌合係止し得るように構成することができ、つまり、簡易な構成で製造が容易でありながら、掛杆部材1,2を上下に確固に連結することができる。しかも、断面U字状の係合部材4は、上部開口側から下部折り返し部位側に向けて前記断面略W形状の掛杆部材2を単に挿入するだけで、係合部材4に断面略W形状の掛杆部材2を揺動回動自在に設けることができる。
【0029】
つまり、本実施例の係合部材4を前記筒状部材3に挿入し得る断面U字状に形成したことで、筒状部材3と係合部材4とを従来に比べ飛躍的に容易に連結することができ、よって、これまで構造が複雑となったりコストがかかる等のため実用性に劣っていた、前記掛杆部材1,2を上下に連結する掛具を、簡易な構成で容易且つコスト安に製造することができる。
【0030】
また、本実施例の掛具は、自転回動自在の掛杆部材1と揺動回動自在の掛杆部材2とを上下に連結した構成としたことで、一方の掛杆部材1を物干しポール等の係止部に引っ掛けて吊り下げ、他方の掛杆部材2に吊下物若しくは吊下物のフック等を引っ掛けて吊り下げた際に、たとえ様々な方向から強い風が吹いて吊下物等が方々へ揺れたとしても、一方の掛杆部材1は回転自在であり他方の掛杆部材2は揺動自在であることで、夫々の掛杆部材1,2が様々な動作を実現して吊下物等の揺れを良好に抑えることができ、これにより、物干しポールから掛具が外れて地面に落ちてしまったり、掛杆部材2から吊下物等が外れて地面に落下してしまうことが極めて起こりづらい画期的な掛具となる。
【0031】
図1〜図4に示す第二実施例では掛杆部材1,2として双方ともフック状の金属製フック杆を採用し、上下に配するこのフック杆1,2を夫々回動自在に連結した構成としたものであって、一方の樹脂製の筒状部材3(以下、第一筒状部材3とする)に一方の掛杆部材1の基端部1Aを回動自在にして外方へ抜け止め状態に設け、他方の樹脂製の係合部材4となる筒状部材4(以下、第二筒状部材4とする)に他方の掛杆部材2の基端部2Aを回動自在にして外方へ抜け止め状態に設けている。そして、この第一筒状部材3と第二筒状部材4とを互いに上下から差し込み嵌合する形状に構成すると共に、この第一筒状部材3と第二筒状部材4との一方に窓孔を形成して係合孔縁部5を他方に係合突起6を設けて嵌合係止構造7を設けて、第一筒状部材3と第二筒状部材4とを嵌合することで嵌合係止構造7の係合孔縁部5に係合突起6が係止して嵌合係止固定され第一筒状部材3と第二筒状部材4とが連結する構成としている。
【0032】
具体的には、樹脂成形される前記第一筒状部材3,第二筒状部材4は、夫々連結側が開口し反対側の外方へは挿通孔8を設けた底部9を有する筒状体に構成し、この挿通孔8に前記掛杆部材1,2の直杆状の基端部1A,2Aを挿通配設し、この基端部1A,2Aに前記挿通孔8を通過できない抜け止め径大部10をプレスなどによって設けて、前記第一筒状部材3,第二筒状部材4に対して前記掛杆部材1,2が夫々回動自在にして外方へ抜け止め状態となる構成としている。
【0033】
また、前記係合孔縁部5は、前述のように第一筒状部材3若しくは第二筒状部材4の周面部に窓孔を開口形成することで形成し、前記係合突起6も周面部に前記窓孔に係合して前記係合孔縁部5に係止するように突設形成している。また、この係合突起6は、連結側となる内方と反対の外方へ向かって徐々に径大となるテーパ面6Aを有し且つ外側端には前記係合孔縁部5に抜け止め係止する係止段面6Bを有するテーパ突起形状に形成している。
【0034】
また、本実施例では、係合突起6を設けた第一筒状部材3若しくは第二筒状部材4に、この係合突起6が筒体内側へ撓み微動することを許容する溝11を形成しているが、この溝11は図2に示すように連結側開口部から内方側へ向かって割溝11として対向形成しても良いし、図4に示すように係合突起6が筒体内側へ撓み微動するように係合突起6の周囲に設けても良い。
【0035】
従って、夫々フック杆1,2を回動自在にして外方へ抜け止め状態に設けた第一筒状部材3と第二筒状部材4、即ち、外方へフック杆1,2が夫々突出している樹脂製の第一筒状部材3と第二筒状部材4とを単に差し込み嵌合すると、割溝11によって係合突起6は筒体内方へ少し撓みながら、テーパ面6Aが内面に沿って嵌合して行き、係合突起6が係合孔縁部5に達したところで、撓み復帰によって係合突起6は窓孔に係合して係合突起6の係止段面6Bが係合孔縁部5に係止し抜け止め固定され、第一筒状部材3と第二筒状部材4とは組み付け固定される。
【0036】
図5〜図7に示す第三実施例は、双方の掛杆部材1,2を回動自在とせず、一方の筒状部材3(以下、第一筒状部材3とする)には掛杆部材1を樹脂により一体成形し、組み付けた場合、他方の係合部材4となる筒状部材4(以下、第二筒状部材4とする)に設けた金属製の掛杆部材2が回動自在となるように構成した実施例である。
【0037】
本実施例の他の構成は、符号で示したように前記第二実施例と同様の構成である。
【0038】
従って、樹脂成形した掛杆部材1と一体の第一筒状部材3と、フック杆2が回動自在に突出している第二筒状部材4とを単に差し込み嵌合するだけで、割溝11によって係合突起6は筒体内方へ少し撓みながら、テーパ面6Aが内面に沿って嵌合して行き、係合突起6が係合孔縁部5に達したところで、撓み復帰によって係合突起6は窓孔に係合して係合突起6の係止段面6Bが係合孔縁部5に係止し抜け止め固定され、掛杆部材2は回動自在となる。
【0039】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したから、フック杆などの掛杆部材を上下に連結し得る掛具であって、簡易な構成にして組み付け製作も極めて容易で、量産性に秀れ安価な製品を提供できる実用性に秀れた画期的な掛具となる。
【0040】
即ち、簡単に樹脂成形できる一方の筒状部材に一方の掛杆部材を設け、同じく簡単に樹脂成形できる他方の係合部材に他方の掛杆部材を設け、この一方の筒状部材に係合孔縁部を他方の係合部材に係合突起を設けた構成としたため、単に筒状部材に係合部材を挿入するだけで前記係合孔縁部に係合突起を嵌合でき、筒状部材と係合部材とを嵌合係止固定して前記夫々の掛杆部材を上下に容易に連結することができ、しかも、前記夫々の掛杆部材を上下に連結可能とする前記係合孔縁部及び係合突起は樹脂成形により極めて容易に形成できる量産性に秀れ、実用性に秀れた画期的な掛具となる。
【0041】
また、簡単に樹脂成形できる少なくとも一方の筒状部材に一方の掛杆部材を設け、この筒状部材に挿入し得る形状に形成した他方の樹脂製の係合部材に他方の掛杆部材を自転回動自在若しくは揺動回動自在に設けることで、この筒状部材に係合部材を単に挿入するだけで、少なくともいずれか一方の掛杆部材が自転回動自在若しくは揺動回動自在となる前記掛杆部材を上下に連結した掛具を簡易な構成にして容易に製作できる画期的な掛具となる。
【0042】
また、樹脂の弾性作用を利用した前記筒状部材と係合部材との嵌合係止固定が一層スムーズに行われる。
【0043】
また、請求項3記載の発明においては、前記係合部材を、前記一方の筒状部材に挿入し得る断面U字状に形成した構成としたため、この係合部材の遊離端部、即ち、U状片部が樹脂の弾性作用によって可動自在となり、筒状部材に係合部材を挿入した際、前記U状片部が弾性可動して(即ち撓んで)前記係合孔縁部に係合突起が確実に嵌合して前記筒状部材と係合部材とが一層容易且つ確実に連結されることとなり、よって、前記筒状部材に係合部材を単に挿入するだけで前記掛杆部材1,2を上下に連結した掛具を確実に実現できることとなる量産性に秀れ実用性に秀れた画期的な掛具となる。
【0044】
また、請求項4記載の発明においては、簡単に樹脂成形できる一方の筒状部材に一方の掛杆部材を回動自在に設け、同じく簡単に樹脂成形できる他方の係合部材に他方の掛杆部材を自転回動自在若しくは揺動回動自在に設けた構成としたため、一方の自転回動自在の掛杆部材と他方の自転回動自在若しくは揺動回動自在の掛杆部材とを上下に連結した実用性に秀れた掛具を単に筒状部材と係合部材とを互いに差し込み係合するだけで極めて容易に製作することができる画期的な掛具となる。
【0045】
また、請求項5記載の発明においては、簡単に樹脂成形できる一方の筒状部材に一方の掛杆部材を回動自在に設け、同じく簡単に樹脂成形できる他方の係合部材に他方の掛杆部材を揺動回動自在に設けた構成としたため、一方の自転回動自在の掛杆部材と他方の揺動回動自在の掛杆部材とを上下に連結した実用性に秀れた掛具を単に筒状部材と係合部材とを互いに差し込み係合するだけで、極めて容易に製作することができる画期的な掛具となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第二本実施例の正面図である。
【図2】 第二本実施例の要部の拡大分解斜視図である。
【図3】 第二本実施例の正断面図である。
【図4】 第二実施例の溝の別例を示す要部の拡大分解斜視図である。
【図5】 第三実施例の正面図である。
【図6】 第三実施例の要部の拡大分解斜視図である。
【図7】 第三実施例の側断面図である。
【図8】 第一実施例の正面図である。
【図9】 第一実施例の要部の拡大分解斜視図である。
【図10】 第一実施例の係止部材に対して掛杆部材が揺動自在であることを示す説明側断面図である。
【符号の説明】
1 掛杆部材
1A 基端部
2 掛杆部材
2A 基端部
3 筒状部材
4 係合部材
4A U状片部
5 係合孔縁部
6 係合突起
6A テーパ面
6B 係止段面
7 嵌合係止構造
11 割溝
Claims (5)
- フック杆などの掛杆部材を上下に連結した構成とした掛具であって、少なくとも一方の樹脂製の筒状部材に一方の掛杆部材を設け、この一方の筒状部材に挿入し得る形状に形成した他方の樹脂製の係合部材に他方の掛杆部材を設け、前記筒状部材は、連結側が開口し反対側に底部を有する円筒状体に構成され、この筒状部材の底部に前記一方の掛杆部材が設けられ、前記係合部材は、連結側が開口し反対側に底部を有する円筒状体に構成され、この係合部材の底部に前記他方の掛杆部材が設けられ、少なくとも前記一方の掛杆部材若しくは前記他方の掛杆部材のいずれか一方は自転回動自在に前記筒状部材若しくは前記係合部材に設けられ、この筒状部材の周面部に係合孔縁部を開口形成し、前記係合部材の周面部に前記係合孔縁部に係止する係合突起を突設して嵌合係止構造を設け、この係合突起を設けた係合部材の周面部に、連結側開口部から内方側へ向かってこの係合突起が撓み微動することを許容する割溝を対向形成し、この係合突起は、連結側からこの連結側の反対側へ向かって係合突起を設けた前記係合部材の外面に対して徐々に突出度を増すテーパ面を有し且つ外側端には係止段面を有するテーパ突起形状に形成し、この筒状部材と係合部材とを互いに上下から差し込み嵌合した際前記係合部材が撓み微動することで、前記嵌合係止構造の係合孔縁部に係合突起が嵌合し、前記筒状部材と前記係合部材とを嵌合係止固定して、少なくともいずれか一方の掛杆部材が自転回動自在となるように構成したことを特徴とする掛具。
- フック杆などの掛杆部材を上下に連結した構成とした掛具であって、少なくとも一方の樹脂製の筒状部材に一方の掛杆部材を設け、この一方の筒状部材に挿入し得る形状に形成した他方の樹脂製の係合部材に他方の掛杆部材を設け、前記筒状部材は、連結側が開口し反対側に底部を有する円筒状体に構成され、この筒状部材の底部に前記一方の掛杆部材の基端部が回動自在にして外方へ抜け止め状態に設けられ、前記係合部材は、連結側が開口し反対側に底部を有する円筒状体に構成され、この係合部材の底部に前記他方の掛杆部材の基端部が回動自在にして外方へ抜け止め状態に設けられ、この筒状部材の周面部の対向する二箇所に係合孔縁部を開口形成し、前記係合部材の周面部に前記係合孔縁部に夫々係止する係合突起を突設して嵌合係止構造を設け、この係合突起を設けた係合部材の周面部に、連結側開口部から内方側へ向かってこの係合突起が撓み微動することを許容する割溝を対向形成し、この係合突起は、連結側からこの連結側の反対側へ向かって係合突起を設けた前記係合部材の外面に対して徐々に突出度を増すテーパ面を有し且つ外側端には係止段面を有するテーパ突起形状に形成し、この筒状部材と係合部材とを互いに上下から差し込み嵌合した際前記係合部材が撓み微動することで、前記嵌合係止構造の係合孔縁部に係合突起が嵌合し、前記筒状部材と前記係合部材とを嵌合係止固定して、掛杆部材が夫々自転回動自在となるように構成したことを特徴とする掛具。
- フック杆などの掛杆部材を上下に連結した構成とした掛具であって、一方の樹脂製の筒状部材に一方の掛杆部材を設け、この一方の筒状部材に挿入し得る形状に形成した他方の樹脂製の係合部材に他方の掛杆部材を設け、前記筒状部材は、連結側が開口し反対側に底部を有する筒状体に構成され、この筒状部材の底部に前記一方の掛杆部材が設けられ、前記係合部材は、連結側が開口し反対側が折り返し部に設定された断面略U字状の折り返し帯板状に構成され、この係合部材の折り返し部に前記他方の掛杆部材が設けられ、少なくとも前記一方の掛杆部材若しくは前記他方の掛杆部材のいずれか一方は自転回動自在に前記筒状部材若しくは前記係合部材に設けられ、この筒状部材の周面部に係合孔縁部を開口形成し、前記係合部材の弾性可動自在なU字状辺部に前記係合孔縁部に係止する係合突起を突設して嵌合係止構造を設け、この係合突起は、連結側からこの連結側の反対側へ向かって係合突起を設けた前記係合部材の外面に対して徐々に突出度を増すテーパ面を有し且つ外側端には係止段面を有するテーパ突起形状に形成し、この筒状部材と係合部材とを互いに上下から差し込み嵌合した際前記U状片部が弾性可動することで、前記嵌合係止構造の係合孔縁部に係合突起が嵌合し、前記筒状部材と前記係合部材とを嵌合係止固定して、前記掛杆部材を上下に連結した構成としたことを特徴とする掛具。
- フック杆などの掛杆部材を夫々回動自在に連結した構成とした掛具であって、一方の樹脂製の筒状部材に一方の掛杆部材を設け、この一方の筒状部材に挿入し得る形状に形成した他方の樹脂製の係合部材に他方の掛杆部材を設け、前記筒状部材は、連結側が開口し反対側に底部を有する筒状体に構成され、この筒状部材の底部に前記一方の掛杆部材の基端部が回動自在にして外方へ抜け止め状態に設けられ、前記係合部材は、連結側が開口し反対側が折り返し部に設定された断面略U字状の折り返し帯板状に構成され、この係合部材の折り返し部に前記他方の掛杆部材が自転回動自在若しくは揺動回動自在に設けられ、この筒状部材の周面部の対向する二箇所に係合孔縁部を開口形成し、前記係合部材の弾性可動自在なU字状辺部に前記係合孔縁部に夫々係止する係合突起を突設して嵌合係止構造を設け、この係合突起は、連結側からこの連結側の反対側へ向かって係合突起を設けた前記係合部材の外面に対して徐々に突出度を増すテーパ面を有し且つ外側端には係止段面を有するテーパ突起形状に形成し、この筒状部材と係合部材とを互いに上下から差し込み嵌合した際前記U状片部が撓み微動することで、前記嵌合係止構造の係合孔縁部に係合突起が嵌合し、前記筒状部材と前記係合部材とを嵌合係止固定して、前記一方の掛杆部材が回動自在にとなるように構成したことを特徴とする掛具。
- フック杆などの掛杆部材を夫々回動自在に連結した構成とした掛具であって、一方の樹脂製の筒状部材に一方の掛杆部材を設け、この一方の筒状部材に挿入し得る形状に形成した他方の樹脂製の係合部材に他方の掛杆部材を設け、前記筒状部材は、連結側が開口し反対側に底部を有する筒状体に構成され、この筒状部材の底部に前記一方の掛杆部材の基端部が回動自在にして外方へ抜け止め状態に設けられ、前記係合部材は、連結側が開口し反対側が折り返し部に設定された断面略U字状の折り返し帯板状に構成され、この係合部材の折り返し部に前記他方の掛杆部材が揺動回動自在に設けられ、この筒状部材の周面部の対向する二箇所に係合孔縁部を開口形成し、前記係合部材の弾性可動自在なU字状辺部に前記係合孔縁部に夫々係止する係合突起を突設して嵌合係止構造を設け、この係合突起は、連結側からこの連結側の反対側へ向かって係合突起を設けた前記係合部材の外面に対して徐々に突出度を増すテーパ面を有し且つ外側端には係止段面を有するテーパ突起形状に形成し、この筒状部材と係合部材とを互いに上下から差し込み嵌合した際前記U状片部が撓み微動することで、前記嵌合係止構造の係合孔縁部に係合突起が嵌合し、前記筒状部材と前記係合部材とを嵌合係止固定して、前記一方の掛杆部材が回動自在にとなるように構成し、前記他方の掛杆部材が揺動回動自在となるように構成したことを特徴とする掛具。
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